Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
ガスの漏洩検出及び供給制御システムならびにガスの漏洩検出及び供給制御方法
説明

ガスの漏洩検出及び供給制御システムならびにガスの漏洩検出及び供給制御方法

【課題】地震発生時に緊急連絡への迅速な対応を可能としながらも、ガス漏洩の有無を正確に判断可能なガスの漏洩検出及び供給制御システムならびにガスの漏洩検出及び供給制御方法を提供する。
【解決手段】マイコンメータ30は、地震の規模を検出する感震手段32、33と、感震手段によって第1閾値以上の地震が検出された場合に、需要家側遮断弁31を閉弁する遮断制御手段34と、遮断制御手段によって遮断弁が閉弁された場合に、感震手段によって検出された地震の規模が第1閾値よりも大きく、かつ、当該第1閾値よりも大きな第2閾値未満であれば、地震の収束後に遮断弁を開弁し、感震手段によって検出された地震の規模が第2閾値以上であれば、遅延期間の経過後に遮断弁を開弁する自動復帰手段35と、を有する。遅延期間中、マイコンメータ30の上流側に設けられたガバナーが閉弁状態に維持され、ガスの漏洩検査が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震発生時にガスの供給を遮断してガスの漏洩を検出し、ガスの漏洩が検出された場合にガスの供給を再開するガスの漏洩検出及び供給制御システムならびにガスの漏洩検出及び供給制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、需要家にガスを供給するためのガス供給網は、ガス供給源に接続されたガス供給管と、このガス供給管に接続された複数の分岐管と、を備えて構築されており、ガス供給源からガス供給管および分岐管を介して需要家にガスが供給される。こうしたガス供給網においては、ガス供給管に、需要量に応じてガスの供給量を制御するガバナーが設けられており、また、各分岐管(需要家)に、ガスの需要量を測定する所謂マイコンメータが取り付けられている。
【0003】
上記のようなガス供給網においては、地震等の災害が発生したときに、ガスの漏洩の早期発見、修復が欠かせないものとなっている。そこで、災害発生時にガスの漏洩を早期に発見すべく、従来、例えば特許文献1〜3に示されるガス配管漏洩検査装置が開発されている。こうした特許文献1〜3に示されるガス配管漏洩検査装置によれば、地震等によってガス供給管や分岐管に損傷が生じているおそれがある場合に、ガバナーを閉じてガスの供給を停止するとともに、ガバナーの下流側の圧力降下を測定する。そして、このときの下流側のガスの圧力降下が一定以上であれば、ガス配管が損傷してガスが漏洩していると判断することとなる。
【0004】
一方で、大規模な地震発生時には、需要家におけるガスの使用を即座に中断する必要があることから、一般的なマイコンメータには遮断弁が設けられており、例えば、一定規模以上の揺れを検出した場合に、遮断弁が自動的に閉弁して需要家へのガス供給を遮断するようになっている。
【0005】
従来のマイコンメータにおいては、遮断弁が閉弁した場合に、当該遮断弁を手動で元の開弁状態に復帰させる必要があった。しかしながら、こうした遮断弁の手動復帰操作は頻繁に行われるものではないため、その操作方法や、手動復帰可能であること自体があまり周知、認知されていないという実態がある。その結果、地震の発生により遮断弁が閉弁されると、当該地震の収束後に、遮断弁の手動復帰方法を問い合わせる緊急度(優先順位)の低い連絡が管理センター等に殺到してしまい、ガス漏れやガス供給管等の破損を知らせる緊急であり、かつ、優先順位の高い連絡への対応が遅延する恐れがあった。
【0006】
そこで、近年では、例えば、特許文献4〜6に示されるように、地震の規模が一定規模未満であった場合には、地震の収束後に遮断弁を開弁状態に自動復帰する、所謂、自動復帰機能が搭載されたマイコンメータが普及しつつある。こうしたマイコンメータの普及により、緊急度(優先順位)の低い連絡等が減少し、緊急であり、かつ、優先順位の高い連絡への迅速な対応が可能となることが期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平09−257625号公報
【特許文献2】特開平09−257623号公報
【特許文献3】特開平10−197382号公報
【特許文献4】特開2006−276002号公報
【特許文献5】特開2008−139266号公報
【特許文献6】特開2008−139267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の自動復帰機能が搭載されたマイコンメータが普及すると、地震の収束後に、需要家においてガスの使用がすぐに再開されてしまう。そのため、地震の収束後に、需要家がガスの使用を安易に再開してしまうと、ガス配管漏洩検査装置においてガスの圧力降下が一定以上になったと判定された際に、需要家によって適切にガスが需要されているのか、それとも、ガスが漏洩しているのかを判別することができなくなってしまい、ガスの漏洩の有無を正確に判断することができなくなってしまうおそれがある。
【0009】
本発明は、地震発生時に緊急であり、かつ、優先順位の高い連絡への迅速な対応を可能としながらも、ガスの漏洩の有無を正確に判断することが可能なガスの漏洩検出及び供給制御システムならびにガスの漏洩検出及び供給制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のガスの漏洩検出及び供給制御システムは、ガス供給源からガスが導かれるガス供給管と、前記ガス供給管に接続され、当該ガス供給管に導かれたガスを需要家に供給する複数の分岐管と、前記複数の分岐管それぞれに設けられ、当該分岐管に設けられた需要家側遮断弁を閉弁して需要家へのガス供給を遮断可能な需要家側遮断弁制御装置と、前記複数の分岐管よりも上流側で前記ガス供給管を開閉するガバナー部遮断弁、および、当該ガバナー部遮断弁を開閉制御するガバナー部遮断弁開閉手段を有するガバナー制御装置と、前記需要家側遮断弁と前記ガバナー部遮断弁との間からのガスの漏洩を検出する漏洩検出手段と、を備えたガスの漏洩検出及び供給制御システムであって、前記需要家側遮断弁制御装置は、地震の規模を検出する需要家側感震手段と、前記需要家側感震手段によって予め設定された第1閾値以上の地震が検出された場合に、前記需要家側遮断弁を閉弁する需要家側遮断制御手段と、前記需要家側遮断制御手段によって前記需要家側遮断弁が閉弁された場合に、前記需要家側感震手段によって検出された地震の規模が、前記第1閾値よりも大きく、かつ、当該第1閾値よりも大きい予め設定された第2閾値未満であれば、地震の収束後に前記需要家側遮断弁を自動復帰し、前記需要家側感震手段によって検出された地震の規模が、前記第2閾値以上であれば、予め設定された遅延期間の経過後に前記需要家側遮断弁を自動復帰する自動復帰手段と、を有し、前記ガバナー部遮断弁開閉手段は、前記遅延期間中に前記ガバナー部遮断弁を閉弁状態に維持し、当該遅延期間中に前記漏洩検出手段によってガスの漏洩が検出されなかった場合には、前記ガバナー部遮断弁を開弁させてガスの供給を再開することを特徴とする。
【0011】
また、前記自動復帰手段は、前記需要家側感震手段によって検出された地震の規模が前記第2閾値よりも大きい予め設定された第3閾値以上であれば、前記遅延期間の経過後も前記需要家側遮断弁を閉弁状態に維持するとよい。
【0012】
また、前記需要家側遮断弁制御装置は、閉弁状態にある前記需要家側遮断弁を復帰操作によって開弁可能な手動復帰手段を備え、前記手動復帰手段は、前記需要家側感震手段によって検出された地震の規模が前記第3閾値よりも大きい予め設定された第4閾値以上であれば、前記復帰操作による前記需要家側遮断弁の開弁を制限するとよい。
【0013】
また、前記ガバナー制御装置は、地震の規模を検出するガバナー側感震手段を備え、前記ガバナー部遮断弁開閉手段は、前記ガバナー側感震手段によって前記第2閾値以上の地震が検出された場合に前記ガバナー部遮断弁を閉弁するとよい。
【0014】
また、前記ガバナー制御装置は、地震の規模を検出するガバナー側感震手段を備え、前記ガバナー部遮断弁開閉手段は、前記ガバナー側感震手段によって予め設定された特定閾値以上の地震が検出された場合に前記ガバナー部遮断弁を閉弁し、前記第2閾値は、前記特定閾値よりも地震の規模が小さく設定するとよい。
【0015】
また、前記漏洩検出手段は、前記ガバナー部遮断弁と前記需要家側遮断弁との間の圧力降下を検出する圧力検出部を有し、前記ガバナー部遮断弁開閉手段は、前記圧力検出部によって前記遅延期間中に一定値以上の圧力降下が検出されなかった場合には前記ガバナー部遮断弁を開弁し、前記圧力検出部によって前記遅延期間中に一定値以上の圧力降下が検出された場合には前記ガバナー部遮断弁を閉弁状態に維持するとよい。
【0016】
また、本発明のガスの漏洩検出及び供給制御方法は、ガス供給源からガスが導かれるガス供給管に設けられたガバナー部遮断弁、および、前記ガス供給管に接続され当該ガス供給管に導かれたガスを需要家に供給する複数の分岐管それぞれに設けられた需要家側遮断弁を開閉してガスの供給を制御するガスの漏洩検出及び供給制御方法であって、地震の規模を検出する工程と、予め設定された第1閾値以上の地震が検出された場合に、前記需要家側遮断弁を閉弁する工程と、前記需要家側遮断弁が閉弁された場合に、検出された地震の規模が、前記第1閾値よりも大きく、かつ、当該第1閾値よりも大きい予め設定された第2閾値未満であれば、地震の収束後に前記需要家側遮断弁を自動復帰し、検出された地震の規模が、前記第2閾値以上であれば、予め設定された遅延期間の経過後に前記遮断弁を自動復帰する工程と、前記遅延期間中に前記ガバナー部遮断弁を閉弁状態に維持する工程と、前記ガバナー部遮断弁が閉弁状態に維持されてから当該ガバナー部遮断弁と前記需要家側遮断弁との間からのガスの漏洩を検出する工程と、前記遅延期間中に前記漏洩検出手段によってガスの漏洩が検出されなかった場合に、前記ガバナー部遮断弁を開弁させてガスの供給を再開する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、地震発生時に緊急であり、かつ、優先順位の高い連絡への迅速な対応を可能としながらも、ガスの漏洩の有無を正確に判断することができ、ガスの漏洩がない場合には早期にガス供給を再開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態のガスの漏洩検出及び供給制御システムを示す概念図である。
【図2】本実施形態のマイコンメータを示す概念図である。
【図3】ガバナー制御装置およびマイコンメータの制御を地震の規模ごとに示す図である。
【図4】ガバナー制御装置におけるガバナー側SI値入力処理を示すフローチャートである。
【図5】ガバナー制御装置におけるガバナー復帰処理を示すフローチャートである。
【図6】マイコンメータにおけるマイコン側SI値入力処理を示すフローチャートである。
【図7】マイコンメータにおける遮断弁復帰処理を示すフローチャートである。
【図8】変形例のガバナー制御装置およびマイコンメータの制御を地震の規模ごとに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0020】
図1は、本実施形態のガスの漏洩検出及び供給制御システム1を示す概念図である。この図に示すように、本実施形態のガスの漏洩検出及び供給制御システム1は、ガス供給源Gから、複数のガス機器E(需要家)にガスを供給するガス供給網を前提としている。ここでは、ガス供給源Gに接続されたガス供給管10と、このガス供給管10とガス機器E(需要家)とを接続する複数の分岐管11と、によってガス供給網が構築されており、ガス供給管10および分岐管11を介して、ガス供給源Gから各需要家のガス機器Eにガスが供給される。
【0021】
そして、ガスの漏洩検出及び供給制御システム1は、複数の分岐管11よりも上流側でガス供給管10を開閉制御するガバナー制御装置20を備えている。このガバナー制御装置20は、各ガス機器Eにおけるガスの使用量、換言すれば、下流側のガスの流量に応じて自動で開度を調整するガバナー21を含んで構成される。より詳細には、通常、ガバナー21は、当該ガバナー21よりも下流側のガスの流量が小さくなると開度を大きくし、下流側のガスの流量が大きくなると開度を小さくして、下流側におけるガスの流量を一定に維持するように作動する。
【0022】
また、ガバナー制御装置20は、ガス供給管10を強制的に遮断するガバナー部遮断弁21aを備えている。このガバナー部遮断弁21aは、地震発生時において、地震の規模が一定以上であると推定されると、破損したガス供給管10からガスが漏洩するのを防いだり、あるいは、ガスの漏洩検査をしたりすべく、強制的に閉弁制御され、ガス供給源Gから分岐管11すなわち各ガス機器Eへのガス供給を停止するように作動する。このように、地震発生時にガバナー部遮断弁21aを閉弁制御すべく、ガバナー制御装置20には、ガバナー側加速度計22、SI値演算部23、圧力センサ24(圧力検出部)およびガバナー部遮断弁開閉手段25が設けられている。
【0023】
ガバナー側加速度計22は、揺れの大きさに応じた検知信号をSI値演算部23に継続的に出力する。また、SI値演算部23は、ガバナー側加速度計22から検知信号が入力されると、当該検知信号に基づいてSI(Spectral Intensity)値を算出する。そして、SI値演算部23によって算出されたSI値はガバナー部遮断弁開閉手段25に継続的に出力され、このときのSI値が一定値を超えると、ガバナー部遮断弁開閉手段25がガバナー部遮断弁21aを強制的に閉弁するように制御する。
【0024】
なお、本実施形態では、ガバナー側加速度計22およびSI値演算部23によって、地震の規模を検出(推定)するガバナー側感震手段を構成することとしたが、ガバナー側感震手段は、地震の規模を検出することができればよく、その具体的な構成は特に限定されるものではない。したがって、例えば、ガバナー側感震手段をガバナー側加速度計22のみで構成し、ガバナー側加速度計22の検知信号に応じて、ガバナー部遮断弁開閉手段25がガバナー部遮断弁21aを開閉制御したり、さらには、地震の継続時間を考慮したうえで、ガバナー部遮断弁開閉手段25がガバナー部遮断弁21aを開閉制御したりしてもよい。
【0025】
また、上記のようにしてガバナー部遮断弁21aを強制的に閉弁した場合に、ガバナー制御装置20は、ガス供給管10の破損に起因するガスの漏洩の有無を検査する。詳しくは後述するが、ガバナー制御装置20は、ガバナー部遮断弁21aを閉弁した後、当該ガバナー部遮断弁21aよりも下流側のガス供給管10における圧力降下を、圧力センサ24によって一定期間(1〜10分程度)測定する。そして、ガバナー部遮断弁開閉手段25は、一定値以上の圧力降下が検出された場合には、ガス供給管10からガスの漏洩があると判断してガバナー部遮断弁21aを閉弁状態に維持し、一定値以上の圧力降下が検出されなかった場合には、ガス供給管10からの漏洩がないと判断してガバナー部遮断弁21aを開弁することとなる。
【0026】
なお、本実施形態においては、ガスの漏洩検査を行う漏洩検出手段として圧力センサ24を設けることとしたが、ガスの漏洩検査は圧力センサ24に限らない。例えば、ガバナー21の上流と下流とを連通するバイパス路と、このバイパス路を流通するガスの流量を検出する流量測定器とで、ガスの漏洩検査を行う漏洩検出手段を構成してもよい。いずれにしても、ガバナー部遮断弁21aを閉弁することにより、当該ガバナー部遮断弁21aよりも下流側におけるガスの漏洩の有無を検出することができれば、漏洩検出手段の具体的な構成は特に限定されるものではない。また、本実施形態においては、ガバナー制御装置20に漏洩検出手段としての圧力センサ24を設けることとしたが、漏洩検出手段は、ガバナー制御装置20とは別に設けることとしてもよい。
【0027】
また、ガスの漏洩検出及び供給制御システム1は、各分岐管11に設けられたマイコンメータ30を備えている。このマイコンメータ30は、周知のマイコンメータと同様に、ガス機器Eにおけるガスの使用量を測定する機能に加えて、地震発生時にガス機器Eにおけるガスの使用を停止すべく、ガスの供給を遮断する機能を備えている。このマイコンメータ30について、図2を用いて詳細に説明する。
【0028】
図2は、本実施形態のマイコンメータ30を示す概念図である。なお、マイコンメータ30は、上記したように、ガス機器Eにおけるガスの使用量を計測する機能を備えているが、ここでは、地震発生時にガスの供給を停止する需要家側遮断弁制御装置として機能する構成についてのみ説明する。
【0029】
図2に示すように、マイコンメータ30は、分岐管11を遮断可能な需要家側遮断弁31を含んで構成される。この需要家側遮断弁31は、通常、開弁状態に維持されてガス機器Eへのガス供給を可能とし、地震発生時において、地震の規模が一定以上であると推定されると、閉弁制御されて分岐管11を強制的に遮断する。このように、地震発生時に需要家側遮断弁31を閉弁制御すべく、マイコンメータ30には、マイコン側加速度計32、SI値演算部33、および遮断制御手段34が設けられている。
【0030】
マイコン側加速度計32は、揺れの大きさに応じた検知信号をSI値演算部33に出力する。また、SI値演算部33は、マイコン側加速度計32から検知信号が入力されると、当該検知信号に基づいて、上記したSI値演算部23と同様にSI値を算出する。そして、SI値演算部33によって算出されたSI値は遮断制御手段34に出力され、このときのSI値が一定値を超えると、遮断制御手段34が需要家側遮断弁31を強制的に閉弁するように制御する。
【0031】
なお、本実施形態では、マイコン側加速度計32およびSI値演算部33によって、地震の規模を検出(推定)する需要家側感震手段を構成することとしたが、需要家側感震手段は、地震の規模を検出することができればよく、その具体的な構成は特に限定されるものではない。したがって、例えば、需要家側感震手段をマイコン側加速度計32のみで構成し、マイコン側加速度計32の検知信号に応じて、遮断制御手段34が需要家側遮断弁31を閉弁制御したり、さらには、地震の継続時間を考慮したうえで、需要家側遮断弁31を閉弁制御したりしてもよい。
【0032】
また、マイコンメータ30は、自動復帰手段35を備えており、上記のようにして需要家側遮断弁31が強制的に閉弁された場合に、地震の規模が一定規模未満であれば、需要家側遮断弁31を自動復帰(開弁)するように制御する。詳しくは後述するが、自動復帰手段35には、SI値演算部33によって算出されたSI値が継続的に入力され、このとき入力されたSI値の最大値が一定値(第1閾値)未満であれば、地震の収束後に、需要家側遮断弁31を自動復帰する。需要家側遮断弁31の自動復帰では、需要家側遮断弁31の下流でのガスの漏れの有無を判定し、ガスの漏れがない又は少ないと判断したときにのみ需要家側遮断弁31を開く。
【0033】
また、マイコンメータ30には計時手段36が設けられている。この計時手段36は、マイコン側加速度計32から検知信号が入力されるよう構成されており、入力される検知信号から地震が収束したと判断すると計時を開始する。つまり、計時手段36は、地震が発生した場合に、当該地震が収束してからの経過時間を計時することとなる。そして、自動復帰手段35は、SI値演算部33から入力されたSI値が一定値(第2閾値)以上であれば、計時手段36によって計時される時間を監視するとともに、地震が収束してから一定時間(約10分)が経過したところで需要家側遮断弁31を遅延自動復帰する。つまり、自動復帰手段35は、地震の規模が震度5強相当であれば地震の収束後、即座に需要家側遮断弁31を自動復帰し、地震の規模が震度6弱相当であれば、一定の遅延期間の経過後に需要家側遮断弁31を自動復帰することとなる。
【0034】
なお、自動復帰手段35は、SI値演算部33から入力されたSI値が一定値(第3閾値以上)であった場合には、地震が収束してからの時間とは無関係に、需要家側遮断弁31の自動復帰を制限する。つまり、自動復帰手段35は、地震の規模が震度5強相当であれば地震の収束後、即座に需要家側遮断弁31を自動復帰し、地震の規模が震度6弱相当であれば、一定の遅延期間の経過後に需要家側遮断弁31を自動復帰し、地震の規模が震度6強相当以上であれば、自動復帰を制限することとなる。
【0035】
さらに、マイコンメータ30には、復帰操作部37および手動復帰手段38が設けられている。復帰操作部37は、所定の復帰操作を受け付けるものであり、需要家側遮断弁31が閉弁された状態で復帰操作部37が復帰操作を受け付けると、復帰操作信号を手動復帰手段38に出力する。そして、手動復帰手段38は、復帰操作部37からの復帰操作信号の入力により、需要家側遮断弁31を開弁状態に復帰させることとなる。
【0036】
ただし、この手動復帰手段38には、SI値演算部33からSI値が継続的に入力されており、一定値(第4閾値)以上のSI値が入力されると、復帰操作部37から復帰操作信号が入力されたとしても、需要家側遮断弁31を閉弁状態に維持するように制御する。つまり、手動復帰手段38は、SI値演算部33から入力されたSI値が一定値(第4閾値)未満であった場合には手動復帰操作を許可し、SI値演算部33から入力されたSI値が一定値(第4閾値)以上であった場合には手動復帰操作を制限することとなる。
【0037】
図3は、ガバナー制御装置20およびマイコンメータ30の制御を地震の規模ごとに示す図である。なお、上記したように、ガバナー制御装置20にはSI値演算部23が設けられ、また、マイコンメータ30にはSI値演算部33が設けられており、これら両SI値演算部23、33がそれぞれ独立してSI値を算出している。本実施形態では、これら両SI値演算部23、33が、同一の演算処理によってSI値を算出している。
【0038】
また、ガバナー制御装置20に設けられたガバナー側加速度計22、および、マイコンメータ30に設けられたマイコン側加速度計32は、同一の計器で構成されている。したがって、ガバナー制御装置20が設置された地点と、マイコンメータ30が設置された地点とで、地震の規模が同一であった場合に、両SI値演算部23、33では同一のSI値が算出されることとなる。以下では、ガバナー制御装置20およびマイコンメータ30の制御について、地震の規模を示す指標として、SI値に代わって震度を用いて説明する。
【0039】
この図に示すように、ガバナー制御装置20は、SI値演算部23によって算出されたSI値が、第2閾値未満であった場合にはガバナー部遮断弁21aを開弁状態に維持する。また、SI値演算部23によって算出されたSI値が第2閾値以上であった場合には、ガバナー部遮断弁21aを強制的に閉弁制御するとともにガスの漏洩検査を実行する。なお、詳しい説明は省略するが、ガバナー制御装置20は、SI値が震度6弱〜6強相当(第2閾値以上、第4閾値未満)であれば所謂D復旧処理を行い、SI値が震度7相当以上(第4閾値以上)であれば所謂C復旧処理を行う。
【0040】
一方、マイコンメータ30は、SI値演算部33によって算出されたSI値が第1閾値未満であった場合には需要家側遮断弁31を開弁状態に維持する。また、SI値演算部33によって算出されたSI値が第1閾値以上であった場合には、需要家側遮断弁31を強制的に閉弁制御してガスの供給を遮断する。そして、SI値演算部33によって算出されたSI値が震度5強相当(第1閾値以上、第2閾値未満)であった場合には、地震の収束後、即座に需要家側遮断弁31を自動復帰する自動復帰処理がなされる。なお、地震の収束後、需要家側遮断弁31が自動復帰される前に、復帰操作部37に対して手動復帰操作がなされた場合には、この手動復帰操作によって需要家側遮断弁31を開弁状態に復帰させる手動復帰処理がなされる。
【0041】
また、SI値演算部33によって算出されたSI値が震度6弱相当(第2閾値以上、第3閾値未満)であった場合には、地震の収束後、一定の遅延期間(約10分)の経過後に需要家側遮断弁31を自動復帰する遅延自動復帰処理がなされる。なお、地震の収束後、需要家側遮断弁31が自動復帰される前に、復帰操作部37に対して手動復帰操作がなされた場合には、この手動復帰操作によって需要家側遮断弁31を開弁状態に復帰させる。
【0042】
また、SI値演算部33によって算出されたSI値が震度6強相当(第3閾値以上、第4閾値未満)であった場合には、需要家側遮断弁31の自動復帰が制限される。ただし、この場合には、手動復帰操作が許可されており、地震の収束後、復帰操作部37に対して手動復帰操作がなされれば、この手動復帰操作によって需要家側遮断弁31を開弁状態に復帰させる。
【0043】
そして、SI値演算部33によって算出されたSI値が震度7相当以上(第4閾値以上)であった場合には、需要家側遮断弁31の自動復帰および手動復帰の双方が制限される。したがって、この場合には、需要家自身によって需要家側遮断弁31を開弁状態に復帰させることができなくなり、オペレータ等の専門家による特殊操作や修復措置等がなされない以上、ガス機器Eの使用が不可能となる。なお、ここでは、ガバナー制御装置20およびマイコンメータ30が地震の規模(震度)に応じて上記した種々の処理を行うこととしたが、いずれの処理を実行するかを判断するパラメータとして、地震の規模に加えて、地震の継続時間を考慮するとよい。この場合、SI値演算部33によって算出されたSI値が震度5相当であっても、地震の継続時間が一定時間を超えた場合には、ガバナー制御装置20およびマイコンメータ30が震度6弱相当の処理を実行することとなる。
【0044】
次に、上記したガスの供給および遮断を実現するために、ガバナー制御装置20およびマイコンメータ30において実行される処理について、図4〜図7を用いて詳細に説明する。
【0045】
図4は、ガバナー制御装置20におけるガバナー側SI値入力処理を示すフローチャートである。SI値演算部23は、一定間隔(数ミリ〜数秒間隔)でSI値を算出しており、ガバナー部遮断弁開閉手段25は、SI値演算部23からガバナー部遮断弁開閉手段25にSI値が入力されるたびに、このガバナー側SI値入力処理を実行する。したがって、このガバナー側SI値入力処理は、一定間隔で繰り返し行われることとなる。
【0046】
(ステップS101)
まず、ガバナー部遮断弁開閉手段25は、SI値演算部23から入力されたSI値をRAM等の記憶領域に記憶する。
【0047】
(ステップS102)
次に、ガバナー部遮断弁開閉手段25は、ガバナー部遮断弁21aが開弁状態であるかを判定する。その結果、ガバナー部遮断弁21aが開弁状態であると判定した場合にはステップS103に処理を移し、ガバナー部遮断弁21aは開弁状態ではない(閉弁状態である)と判定した場合にはステップS105に処理を移す。
【0048】
(ステップS103)
上記ステップS102において、ガバナー部遮断弁21aは開弁状態であると判定した場合には、ガバナー部遮断弁開閉手段25は、上記ステップS101で記憶したSI値が、第2閾値以上であるかを判定する。その結果、第2閾値以上であると判定した場合にはステップS104に処理を移し、第2閾値未満であると判定した場合には当該処理を終了する。
【0049】
(ステップS104)
上記ステップS103において、SI値が第2閾値以上であると判定した場合には、ガバナー部遮断弁開閉手段25はガバナー部遮断弁21aを閉弁制御して当該処理を終了する。これにより、震度6弱相当(第2閾値)以上の地震が検出されるとガバナー部遮断弁21aが閉弁され、ガス供給管10の下流側へのガス供給が遮断されることとなる。
【0050】
(ステップS105)
一方、上記ステップS102において、ガバナー部遮断弁21aは閉弁状態であると判定した場合には、ガバナー部遮断弁開閉手段25は地震が収束しているかを判定する。具体的には、上記ステップS101で記憶されたSI値が、所定期間に亘って一定値を下回って推移しているかを判定する。その結果、所定期間に亘ってSI値が一定値を下回っていると判定した場合には、地震が収束したと推定してステップS200に処理を移し、所定期間に亘ってSI値が一定値を下回っていないと判定した場合には、地震は収束していないと推定して当該処理を終了する。
【0051】
(ステップS200)
上記ステップS105において、地震は収束したと判定した場合には、ガバナー部遮断弁開閉手段25はガバナー復帰処理を行う。このガバナー復帰処理について、図5を用いて説明する。
【0052】
図5は、ガバナー制御装置20におけるガバナー復帰処理を示すフローチャートである。
【0053】
(ステップS201)
まず、ガバナー部遮断弁開閉手段25は、上記ステップS101で記憶されたSI値の最大値が、第4閾値以上であるかを判定する。その結果、SI値の最大値が第4閾値以上であると判定した場合にはステップS205に処理を移し、SI値の最大値は第4閾値以上ではない(第4閾値未満である)と判定した場合にはステップS202に処理を移す。
【0054】
(ステップS202)
上記ステップS201において、SI値の最大値は第4閾値以上ではないと判定した場合には、ガバナー部遮断弁開閉手段25は、圧力センサ24から入力される圧力の推移を一定時間(10分程度)監視し、この間の圧力降下からガスの漏洩の有無を検査する。
【0055】
(ステップS203)
次に、ガバナー部遮断弁開閉手段25は、上記ステップS202の漏洩検査の結果、一定値以上の圧力降下が検出されて漏洩の疑いがあるかを判定する。その結果、一定値以上の圧力降下があると判定した場合にはステップS205に処理を移し、一定値以上の圧力降下は見られないと判定した場合にはステップS204に処理を移す。
【0056】
(ステップS204)
上記ステップS203において、一定値以上の圧力降下は見られず、漏洩の疑いはないと判定した場合には、ガバナー部遮断弁開閉手段25は、ガバナー部遮断弁21aを開弁制御し、ガスの供給を再開する。
【0057】
(ステップS205)
一方、上記ステップS201において、SI値の最大値が第4閾値以上であると判定した場合には、ガス供給管10が破損してガスの漏洩があるという前提で、ガバナー部遮断弁21aを閉弁状態に維持したまま、ガスの供給を停止するための供給停止処理(C復旧処理)を行う。また、上記ステップS203において、漏洩の疑いありと判定した場合には、ガバナー部遮断弁21aを閉弁状態に維持したまま、ガスの供給を停止するための供給停止処理(D復旧処理)を実行する。
【0058】
図6は、マイコンメータ30におけるマイコン側SI値入力処理を示すフローチャートである。SI値演算部33は、一定間隔(数ミリ〜数秒間隔)でSI値を算出しており、遮断制御手段34は、SI値演算部33から遮断制御手段34にSI値が入力されるたびに、このマイコン側SI値入力処理を実行する。したがって、このマイコン側SI値入力処理は、一定間隔で繰り返し行われることとなる。
【0059】
(ステップS301)
まず、遮断制御手段34は、SI値演算部33から入力されたSI値をRAM等の記憶領域に記憶する。
【0060】
(ステップS302)
次に、遮断制御手段34は、需要家側遮断弁31が開弁状態であるかを判定する。その結果、需要家側遮断弁31が開弁状態であると判定した場合にはステップS303に処理を移し、需要家側遮断弁31は開弁状態ではない(閉弁状態である)と判定した場合にはステップS305に処理を移す。
【0061】
(ステップS303)
上記ステップS302において、需要家側遮断弁31は開弁状態であると判定した場合には、遮断制御手段34は、上記ステップS301で記憶したSI値が、第1閾値以上であるかを判定する。その結果、第1閾値以上であると判定した場合にはステップS304に処理を移し、第1閾値未満であると判定した場合には当該処理を終了する。
【0062】
(ステップS304)
上記ステップS303において、SI値が第1閾値以上であると判定した場合には、遮断制御手段34は需要家側遮断弁31を閉弁制御して当該処理を終了する。これにより、第1閾値以上の地震が検出されると需要家側遮断弁31が閉弁され、ガス機器E(需要家)へのガス供給が遮断されることとなる。
【0063】
(ステップS305)
一方、上記ステップS302において、需要家側遮断弁31は閉弁状態であると判定した場合には、遮断制御手段34は地震が収束しているかを判定する。具体的には、上記ステップS301で記憶されたSI値が、所定期間に亘って一定値を下回って推移しているかを判定する。その結果、所定期間に亘ってSI値が一定値を下回っていると判定した場合には、地震が収束したと推定してステップS400に処理を移し、所定期間に亘ってSI値が一定値を下回っていないと判定した場合には、地震は収束していないと推定して当該処理を終了する。
【0064】
(ステップS400)
上記ステップS305において、地震は収束したと判定した場合には、自動復帰手段35は遮断弁復帰処理を行う。この遮断弁復帰処理について、図7を用いて説明する。
【0065】
図7は、マイコンメータ30における遮断弁復帰処理を示すフローチャートである。
【0066】
(ステップS401)
まず、自動復帰手段35は、上記ステップS301で記憶されたSI値の最大値が、第2閾値未満であるかを判定する。その結果、SI値の最大値が第2閾値未満であると判定した場合にはステップS402に処理を移し、SI値の最大値は第2閾値未満ではないと判定した場合にはステップS403に処理を移す。
【0067】
(ステップS402)
上記ステップS401において、SI値の最大値は第2閾値未満であると判定した場合には、自動復帰手段35は、需要家側遮断弁31を開弁状態に自動復帰する。これにより、地震の規模が震度5強相当であった場合には、地震の収束後、即座に需要家側遮断弁31が開弁状態に復帰することとなる。
【0068】
(ステップS403)
一方、上記ステップS401において、SI値の最大値は第2閾値未満ではないと判定した場合には、自動復帰手段35は、SI値の最大値が、第3閾値未満であるかを判定する。その結果、SI値の最大値が第3閾値未満であると判定した場合にはステップS404に処理を移し、SI値の最大値は第3閾値未満ではないと判定した場合にはステップS408に処理を移す。
【0069】
(ステップS404)
上記ステップS403において、SI値の最大値は第3閾値未満であると判定した場合には、自動復帰手段35は、計時手段36のタイマカウンタに一定の遅延期間(10分)に対応するカウンタ値をセットする。ここでセットされたカウンタ値は、計時手段36によって減算されることとなる。
【0070】
(ステップS405)
次に、上記ステップS404においてセットしたカウンタ値が0になったか、つまり、地震の収束後、一定の遅延期間(10分)が経過したかを判定する。その結果、遅延期間が経過したと判定した場合にはステップS406に処理を移し、遅延期間は経過していないと判定した場合には、当該遅延期間が経過するまで処理を待機する。
【0071】
(ステップS406)
上記ステップS405において、遅延期間が経過したと判定した場合には、自動復帰手段35は、需要家側遮断弁31を開弁状態に自動復帰する。これにより、地震の規模が震度6弱相当(第2閾値以上、第3閾値未満)であった場合には、地震が収束してから一定の遅延期間の経過後に、需要家側遮断弁31が開弁状態に復帰することとなる。
【0072】
(ステップS407)
一方、上記ステップS403において、SI値の最大値は第3閾値未満ではないと判定した場合には、自動復帰手段35は、SI値の最大値が、第4閾値以上であるかを判定する。その結果、SI値の最大値が第4閾値以上であると判定した場合にはステップS408に処理を移し、SI値の最大値は第4閾値以上ではないと判定した場合には当該処理を終了する。
【0073】
(ステップS408)
上記ステップS407において、SI値の最大値が第4閾値以上であると判定した場合には、自動復帰手段35は、需要家側遮断弁31を自動復帰することなく、しかも、手動復帰を制限するための処理を実行する。これにより、手動復帰手段38は、復帰操作部37から復帰操作がなされたとしても、当該復帰操作による需要家側遮断弁31の手動復帰処理を制限することとなる。このように、第4閾値以上(震度7相当以上)の地震が発生した場合には、需要家側遮断弁31の自動復帰および手動復帰の双方が制限されることとなる。
【0074】
以上のように、本実施形態のガスの漏洩検出及び供給制御システム1によれば、地震の規模が震度5強相当および震度6弱相当であった場合に、需要家側遮断弁31が自動復帰制御されるので、需要家側遮断弁31の復帰方法の問い合わせのような緊急度(優先順位)の低い連絡等が減少し、ガスの漏洩やガス供給管10の破損といった緊急であり、かつ、優先順位の高い連絡への迅速な対応が可能となる。
【0075】
しかも、震度6弱相当の地震が発生し、ガバナー制御装置20によって漏洩検査を実行する場合には、マイコンメータ30の需要家側遮断弁31が遅延して開弁状態に復帰する。このように、需要家側遮断弁31の復帰時間が遅延することにより、ガバナー部遮断弁21aと需要家側遮断弁31との間の気密性が確保され、この間にガバナー制御装置20によるガスの漏洩検査を正確に行うことができる。そして、遅延期間中に行われるガスの漏洩検査の結果、ガスの漏洩が無いと判断した場合には、早期にガスの供給を再開することができる。
【0076】
なお、ガバナー制御装置20による一般的なガスの漏洩検査に要する時間は、10分程度あれば足りる。したがって、需要家側遮断弁31が復帰するまでの遅延期間を、ガスの漏洩検査に要する時間と同程度にするか、もしくは、ガスの漏洩検査に要する時間よりも僅かに長い時間に設定し、需要家側遮断弁31が自動復帰するまでの遅延期間を必要最小限にすれば、需要家側遮断弁31の手動復帰方法を問い合わせるといった緊急度(優先順位)の低い問い合わせが殺到するおそれがない。なぜなら、通常、ガスの供給が遮断されるほどの大規模な地震が発生した場合、需要家は地震に関する情報収集等をすることが予想され、地震発生時にガス機器Eを使用していたとしても、地震の収束後、即座にガスの使用を再開する可能性が低いからである。
【0077】
なお、本実施形態においては、マイコンメータ30によって需要家側遮断弁31が遅延自動復帰される地震の規模を、ガバナー制御装置20によってガバナー部遮断弁21aが閉弁制御される地震の規模、換言すれば、ガスの漏洩検査を実施することとなる地震の規模(震度6弱相当)と、等しく設定している(図3参照)。しかしながら、ガバナー制御装置20が設置される地点と、マイコンメータ30が設置される地点とが離間している場合や、両地点における地盤の強度等が異なる場合には、ガバナー制御装置20のSI値演算部23で算出されるSI値と、マイコンメータ30のSI値演算部33で算出されるSI値とが異なり、両地点で推定される地震の規模が異なり得る。
【0078】
このように、両地点で異なる地震の規模が推定されてしまうと、地震の収束後、ガバナー制御装置20によって漏洩検査が行われているにも関わらず、マイコンメータ30において需要家側遮断弁31が即座に自動復帰されてしまうおそれがある。例えば、地理的事由により、図3に示すように、ガバナー制御装置20では、地震の規模が震度6弱相当(第2閾値以上)であると検出され、マイコンメータ30では、地震の規模が震度5強相当(第2閾値未満)であると検出されたとする。すると、ガバナー制御装置20においてガスの漏洩検査が実行されているにも関わらず、マイコンメータ30では、地震の収束後、即座に需要家側遮断弁31が自動復帰されてガスの使用が可能となる。その結果、ガスの使用によってガス供給管10に圧力降下が生じると、実際にはガスが漏洩していないにも関わらずガス漏れが生じていると誤判定されてしまい、正確な漏洩検査の結果が導出されなくなってしまう。
【0079】
そこで、図8に示す変形例のように、マイコンメータ30(自動復帰手段35)が需要家側遮断弁31を遅延自動復帰することとなる地震の規模(上記実施形態の第2閾値)を、ガバナー制御装置20がガバナー部遮断弁21aを閉弁してガスの漏洩検査を実行することとなる地震の規模(特定閾値)よりも小さく設定しておく。このようにすれば、ガバナー制御装置20が設置された地点と、マイコンメータ30が設置された地点との地理的事由によってもたらされる地震の推定規模に差異が生じたとしても、ガスの漏洩検査中に需要家側遮断弁31を閉弁状態に維持することが可能となる。
【0080】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0081】
なお、本明細書のガス遮断方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、地震発生時にガスの供給を遮断可能なガスの漏洩検出及び供給制御システムならびにガスの漏洩検出及び供給制御方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0083】
E …ガス機器(需要家)
G …ガス供給源
1 …ガスの漏洩検出及び供給制御システム
10 …ガス供給管
11 …分岐管
20 …ガバナー制御装置
21 …ガバナー
21a …ガバナー部遮断弁
22 …ガバナー側加速度計
23 …SI値演算部
24 …圧力センサ(圧力検出部)
25 …ガバナー部遮断弁開閉手段
30 …マイコンメータ(需要家側遮断弁制御装置)
31 …需要家側遮断弁
32 …マイコン側加速度計
33 …SI値演算部
34 …遮断制御手段
35 …自動復帰手段
36 …計時手段
37 …復帰操作部
38 …手動復帰手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給源からガスが導かれるガス供給管と、
前記ガス供給管に接続され、当該ガス供給管に導かれたガスを需要家に供給する複数の分岐管と、
前記複数の分岐管それぞれに設けられ、当該分岐管に設けられた需要家側遮断弁を閉弁して需要家へのガス供給を遮断可能な需要家側遮断弁制御装置と、
前記複数の分岐管よりも上流側で前記ガス供給管を開閉するガバナー部遮断弁、および、当該ガバナー部遮断弁を開閉制御するガバナー部遮断弁開閉手段を有するガバナー制御装置と、
前記需要家側遮断弁と前記ガバナー部遮断弁との間からのガスの漏洩を検出する漏洩検出手段と、を備えたガスの漏洩検出及び供給制御システムであって、
前記需要家側遮断弁制御装置は、
地震の規模を検出する需要家側感震手段と、
前記需要家側感震手段によって予め設定された第1閾値以上の地震が検出された場合に、前記需要家側遮断弁を閉弁する需要家側遮断制御手段と、
前記需要家側遮断制御手段によって前記需要家側遮断弁が閉弁された場合に、前記需要家側感震手段によって検出された地震の規模が、前記第1閾値よりも大きく、かつ、当該第1閾値よりも大きい予め設定された第2閾値未満であれば、地震の収束後に前記需要家側遮断弁を自動復帰し、前記需要家側感震手段によって検出された地震の規模が、前記第2閾値以上であれば、予め設定された遅延期間の経過後に前記需要家側遮断弁を自動復帰する自動復帰手段と、を有し、
前記ガバナー部遮断弁開閉手段は、
前記遅延期間中に前記ガバナー部遮断弁を閉弁状態に維持し、当該遅延期間中に前記漏洩検出手段によってガスの漏洩が検出されなかった場合には、前記ガバナー部遮断弁を開弁させてガスの供給を再開することを特徴とするガスの漏洩検出及び供給制御システム。
【請求項2】
前記自動復帰手段は、
前記需要家側感震手段によって検出された地震の規模が前記第2閾値よりも大きい予め設定された第3閾値以上であれば、前記遅延期間の経過後も前記需要家側遮断弁を閉弁状態に維持することを特徴とする請求項1記載のガスの漏洩検出及び供給制御システム。
【請求項3】
前記需要家側遮断弁制御装置は、
閉弁状態にある前記需要家側遮断弁を復帰操作によって開弁可能な手動復帰手段を備え、
前記手動復帰手段は、
前記需要家側感震手段によって検出された地震の規模が前記第3閾値よりも大きい予め設定された第4閾値以上であれば、前記復帰操作による前記需要家側遮断弁の開弁を制限することを特徴とする請求項2記載のガスの漏洩検出及び供給制御システム。
【請求項4】
前記ガバナー制御装置は、
地震の規模を検出するガバナー側感震手段を備え、
前記ガバナー部遮断弁開閉手段は、
前記ガバナー側感震手段によって前記第2閾値以上の地震が検出された場合に前記ガバナー部遮断弁を閉弁することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスの漏洩検出及び供給制御システム。
【請求項5】
前記ガバナー制御装置は、
地震の規模を検出するガバナー側感震手段を備え、
前記ガバナー部遮断弁開閉手段は、
前記ガバナー側感震手段によって予め設定された特定閾値以上の地震が検出された場合に前記ガバナー部遮断弁を閉弁し、
前記第2閾値は、前記特定閾値よりも地震の規模が小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスの漏洩検出及び供給制御システム。
【請求項6】
前記漏洩検出手段は、
前記ガバナー部遮断弁と前記需要家側遮断弁との間の圧力降下を検出する圧力検出部を有し、
前記ガバナー部遮断弁開閉手段は、
前記圧力検出部によって前記遅延期間中に一定値以上の圧力降下が検出されなかった場合には前記ガバナー部遮断弁を開弁し、前記圧力検出部によって前記遅延期間中に一定値以上の圧力降下が検出された場合には前記ガバナー部遮断弁を閉弁状態に維持することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスの漏洩検出及び供給制御システム。
【請求項7】
ガス供給源からガスが導かれるガス供給管に設けられたガバナー部遮断弁、および、前記ガス供給管に接続され当該ガス供給管に導かれたガスを需要家に供給する複数の分岐管それぞれに設けられた需要家側遮断弁を開閉してガスの供給を制御するガスの漏洩検出及び供給制御方法であって、
地震の規模を検出する工程と、
予め設定された第1閾値以上の地震が検出された場合に、前記需要家側遮断弁を閉弁する工程と、
前記需要家側遮断弁が閉弁された場合に、検出された地震の規模が、前記第1閾値よりも大きく、かつ、当該第1閾値よりも大きい予め設定された第2閾値未満であれば、地震の収束後に前記需要家側遮断弁を自動復帰し、検出された地震の規模が、前記第2閾値以上であれば、予め設定された遅延期間の経過後に前記遮断弁を自動復帰する工程と、
前記遅延期間中に前記ガバナー部遮断弁を閉弁状態に維持する工程と、
前記ガバナー部遮断弁が閉弁状態に維持されてから当該ガバナー部遮断弁と前記需要家側遮断弁との間からのガスの漏洩を検出する工程と、
前記遅延期間中に前記漏洩検出手段によってガスの漏洩が検出されなかった場合に、前記ガバナー部遮断弁を開弁させてガスの供給を再開する工程と、を含むガスの漏洩検出及び供給制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−108755(P2013−108755A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251446(P2011−251446)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【Fターム(参考)】