ガスエンジン型管理機
【課題】埃などが侵入しないようにボンベケースを覆うカバーを備えたガスエンジン型管理機を提供する。
【解決手段】ガスエンジンの前部上方には、ガスボンベを横方向に載置した状態で支持するボンベケース21が設けられており、このボンベケース21は、後方側から前方上部に亘ってボンネット30によって覆われている。また、ボンネット30の下方には、アンダーカバー31が取付けられている。アンダーカバー31は、ボンベケース21の前方下部を覆うフロント部31aと、ボンベケース21の底部を覆うアンダー部31bと、から構成されており、ボンベケース21の下方側から埃が舞い上がっても、ガスエンジンとボンベケース21との間に延設したアンダーカバー31のアンダー部31bによってボンベケース21の底部はおおわれているため、舞い上がった埃はボンベケース内に侵入することができない。
【解決手段】ガスエンジンの前部上方には、ガスボンベを横方向に載置した状態で支持するボンベケース21が設けられており、このボンベケース21は、後方側から前方上部に亘ってボンネット30によって覆われている。また、ボンネット30の下方には、アンダーカバー31が取付けられている。アンダーカバー31は、ボンベケース21の前方下部を覆うフロント部31aと、ボンベケース21の底部を覆うアンダー部31bと、から構成されており、ボンベケース21の下方側から埃が舞い上がっても、ガスエンジンとボンベケース21との間に延設したアンダーカバー31のアンダー部31bによってボンベケース21の底部はおおわれているため、舞い上がった埃はボンベケース内に侵入することができない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスエンジンを搭載したガスエンジン型の管理機に係り、詳しくは、そのカバー構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスエンジン6を搭載したガスエンジン型管理機1において、ガスエンジン6の前部上方に、ガスボンベ8を保持するガスボンベ保持部12を機体幅方向に沿って横向きに取付けると共に、該ガスボンベ保持部12をボンネット(カバー体)30により覆ったものが案出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−255752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のガスエンジン型管理機は、ボンネット30によってガスボンベ保持部12の前方上部は覆っていても、その下方部分を覆うカバーを有しておらず、作業時に下方側から飛散する泥や、舞い上がった埃や砂などが、ガスボンベ保持部12内に、そのボンベケースに穿設されている穴などから侵入する虞があるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、ボンネットによってボンベケースの前方上部を覆うと共に、アンダーカバーによってボンベケース前方下部及び底部を覆うことによって、上記課題を解決したガスエンジン型管理機を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ガスボンベ(B)の燃料ガスを燃焼して駆動するガスエンジン(9)と、前記ガスエンジン(9)の前部上方に配設され、該ガスエンジン(9)の幅方向に沿って前記ガスボンベ(B)を横方向に載置した状態で支持するボンベケース(21)と、を備えた、ガスエンジン型管理機(1)において、
前記ボンベケース(B)を後方側から前方上部に亘って覆うボンネット(30)と、
前記ボンネット(30)の下縁(30d)に接続し、前記ボンベケース(B)の前方下部を覆うフロント部(31a)と、前記フロント部(31a)から前記ボンベケース(B)と前記ガスエンジン(9)との間に向かって延設され、前記ボンベケース(B)の底部を覆うアンダー部(31b)と、を有するアンダーカバー(31)と、を備えた、
ことを特徴とする。
【0007】
なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によると、ガスボンベを支持するボンベースをボンネットと、アンダーカバーとで覆うことによって、ボンベケースに埃や泥などが入り込むことを防止することができる。特に、アンダーカバーをボンベケースとガスエンジンとの間まで延設して、ボンベケースの底部まで覆う構成にしたことにより、下方から舞い上がる砂や泥がボンベケースに入り込むことを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機の側面図。
【図2】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機の平面図。
【図3】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機のカバー部材を外した状態を示す平面図。
【図4】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機のカバー部材を外した状態を示す右側面図。
【図5】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機の要部左断面図。
【図6】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機の要部正面図。
【図7】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機の要部平面図。
【図8】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機の要部左側面図。
【図9】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機の要部右側面図。
【図10】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機のボンネットを示す斜視図。
【図11】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機のサイドカバーを示す斜視図。
【図12】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機のアンダーカバーを示す斜視図。
【図13】図12の後面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機について説明をする。なお、以下の説明中においてその方向は、作業状態の作業者を基準とするものとする。
【0011】
[ガスエンジン型管理機の概略]
まず、ガスエンジン型管理機の全体構成について説明する。図1及び図2に示すように、ガスエンジン型管理機1は、上下方向に傾斜して配置されると共に、耕耘爪3b等の回転体3を回転駆動可能に支持する回転軸3aを左右に軸支するミッションケース5と、該ミッションケース5に固定され、後方側(図中右方側)となるにつれて上方に延びる二股状のハンドル6と、該ミッションケース5に固定された機台フレーム7に搭載されたガスエンジン9と、を備えており、作業者がハンドル6を持って、上記ミッションケース5及びガスエンジン9などから機体2を操作するように構成されている。
【0012】
また、ミッションケース5の後方側には、耕耘抵抗棒12が取付けられており、この耕耘抵抗棒12を耕耘作業時に地中に没することで機体2の作業姿勢が安定させると共に、非作業時には立姿勢を保持するスタンドとして使用することができるように構成されている。
【0013】
上記ハンドル6は、図2に示すように、左右両端部に握持部6a,6bを備えている。機体左方の握持部4bの前方には、後述する主クラッチを操作する主クラッチレバー11が配置されており、操作者が握持部6aを握持する際に一緒に握持することで主クラッチの入り操作となるように構成されている。さらに、右側の握持部6bの前方にはスロットルレバー10が配置されており、操作者は、該スロットルレバー10を操作することによって、スロットルワイヤ10aを介して、ガスエンジン9の回転を操作できるように構成されている。
【0014】
一方、上記ガスエンジン9(図1参照)は、ベルトカバー13内にベルト伝動機構(不図示)を備えており、該ベルト伝動機構によってエンジン出力軸の回転駆動力が、ミッションケース5内の入力軸に伝達される。該ベルト伝動機構には、ガスエンジン9の回転駆動力の伝達を入切するベルトテンションクラッチ(不図示)が備えられており、上述したハンドル6に配置された主クラッチレバー11の操作によってガスエンジン9の回転駆動力の伝達を入切できるように構成されている。
【0015】
ついで、図3乃至図5に基づいて、上記ガスエンジン9への燃料ガスの供給構造について説明をする。ガスエンジン9は、ボンベ取付部20に着脱可能に支持されるカセット型のガスボンベB(図3参照)から供給されるプロパンガス(燃料ガス)を燃焼して駆動し得るように構成されており、上記ボンベ取付部20は、ガスエンジン9の前部上方にて、ガスボンベBを該ガスエンジン9の幅方向(機体左右方向)に沿って横方向に載置して取付けるように構成されている。
【0016】
具体的には、ボンベ取付部20は、機体左右方向に沿って横置きにガスボンベBを収納するボンベケース21と、該ボンベケース21の右端でガスボンベBと接続する接続部22と、によって構成されており、該接続部22は、ガスボンベBのプロパンガスをガスエンジン9に供給する燃料配管25と継ぎ手ナット24を介して連結していると共に、該燃料配管25へのプロパンガスの供給を入切する燃料コック23を有している。
【0017】
また、上記接続部22(燃料コック23)が配設されている機体右側(ガスエンジン型管理機の一側方)には、図3及び図4に示すように、リコイルスタータ16が設けられていると共に、スロットルレバー10の操作をガスエンジン9のガバナ(不図示)に伝達するスロットルワイヤ10aが、燃料配管25の下方側を通って配設されているおり、接続部22の下方側にはスロットルワイヤ10aの他端側(スロットルレバーとは反対側)の取付部が設けられている。
【0018】
なお、上記ボンベケース21は、図5に示すように、ガスボンベBを収納する収納ケース21aと、該収納ケース21aが取付けられる略U字状の支持部材21bと、から構成されており、該支持部材21bは、下方向きに突設されてガスエンジン9のクランクケース9aに対して固定された複数の支持脚21cを有している。そして、ボンベケース21が支持部材21bに支持されることによって、上記ボンベ取付部20はガスエンジン9に固定支持されている。
【0019】
また、ボンベ取付部20の後方側には、ガスエンジン9から排出される排気ガスを外部に放出するマフラ15が設けられており、該マフラ15は、その上面、左右側面、及び後面をマフラカバー15bによって覆われている。
【0020】
[ガスエンジン型管理機のカバー構成]
次に、ガスエンジン型管理機1のカバー構成について説明をする。図6乃至図9に示すように、ガスエンジン型管理機1は、ボンベケース21を後方側から前方上部に亘って覆うボンネット30と、該ボンネット30の下縁部30dとその上縁部31Uが接続すると共に、ボンベケース21の下方側を覆うアンダーカバー31と、機体右側方から上記燃料配管25、スロットルワイヤ10a及びボンベ取付部20の接続部22(燃料コック23)を一体に覆うサイドカバー(カバー部材)32と、を有している。
【0021】
図7及び図10に示すように、上記ボンネット30は、ボンベケース21を略全幅において覆っており、該ボンベケース21を覆う前方側はボンベケース21に沿って滑らかに湾曲している。また、その後端部はマフラ15の上方まで延設し、作業者がマフラ15に触れないように構成されていると共に、溝状の開口部が設けられて、カバー内の雰囲気温度が必要以上に上昇することを防止している。
【0022】
一方、上記ボンネット30と一体にボンベケース21を覆うアンダーカバー31は、図6、図12及び図13に示すように、ボンベケース21の前方下部を覆うフロント部31aと、該フロント部31aから上記ボンベケース21とガスエンジン9との間に向かって延設され、ボンベケース21の底部を覆うアンダー部31bと、から構成されており、フロント部31aがボンネット30に接続すると共に、アンダー部31bがガスエンジン9とボンベケース21との間に入り込むことによって、作業時に飛散する泥土や、地面から舞い上がる埃及び砂をもボンベケース21に入り込まない構成となっている。
【0023】
また、図6、図7、図9及び図11に示すように、サイドカバー32は、取付け面側が開口した箱状のカバーとなっており、該取付け面側の側縁は上記ボンネット30及びアンダーカバー31の側縁に接続するように構成されている。更に、サイドカバー32の接続部22を覆う部分には、燃料コック23を露出するための切欠き32bが設けられていると共に、該切欠き32bに隣接して円弧状に突出した突起部32aが設けられており、切欠き32bを燃料コック23を露出させるための最小限の大きさにしていると共に、サイドカバー32の強度を向上させている。
【0024】
また、サイドカバー32は、上記接続部22を覆うカバー部分から下方側及び後方側に向かってそのカバー部分を拡大し、燃料配管25及びスロットルワイヤ10aを覆っており、これら燃料配管25、スロットルワイヤ10aに飛び石や泥が当たることを防止している。また、燃料配管25を覆うことによって、エンジン9やマフラ15などからの熱を保持して燃料配管25周りの雰囲気温度を適度に昇温させており、プロンパンガスの膨張により燃料配管25が必要以上に冷却されて燃料の気化効率が下がることを防止している。
【0025】
更に、サイドカバー32には、上記燃料コック23の露出用の切欠き32bの後方側に、継ぎ手ナット24からのガス漏れ点検用に開口部32cが設けられていると共に、その側面には、エンジン9のハイアイドル調整用のボルトS4に接続するための切欠き32dが形成されている(図9及び図11参照)。また、サイドカバー32の前面には、エンジン9のローアイドル調整用のボルトS5に接続するための切欠き32eが形成されている(図6及び図11参照)。
【0026】
ついで、これらカバー部材30,31,32の取付け構造について説明をする。図5、図6及び図7に示すように、ボンベケース21の支持部材21bの前端部は、屈曲して前部フランジ21dを形成しており、該前部フランジ21dには、前ブラケット40が一対の取付け穴40a,40aを介してボルトによって取付けられている。
【0027】
上記前ブラケット40は、ボンネット30の内側でバンパとしても役目を果たしていると共に、その下端側において、機体左右方向の位置を違えてそれぞれ一対のボンネット取付部40c,40cと、アンダーカバー取付部40b,40bを有している(図6参照)。また、前ブラケット40の上面に形成されている上記取付け穴40a,40aは、長穴形状となっており、前ブラケット40は、この長穴分だけ前後に位置調設可能に構成されている。
【0028】
一方、支持部材21bは、前部フランジ21dと同様に後端部も屈曲して後部フランジ21eとなっており、該後部フランジ21eにはエンジン9のクランクケース9aに固定支持される後ブラケット41が、一対の取付け穴41b,41bを介してボルトによって取付けられている。該後ブラケット41は、上記一対の取付け穴が形成される山部41c,41c間に、板状の曲げ部(突出部)41aを有しており、この曲げ部41aが後部フランジ21eの凹部21e1に当接することによって容易に位置決めできるように構成されている。
【0029】
ボンネット30は、その前端に設けられた一対の耳部30a,30が固定される上記前ブラケット40のボンネット取付部40c,40cと、後ブラケット41に機体側方に向かって形成された左右の取付部41d,41dと、の4箇所の取付部にボルトS1,S2によって固定されている。
【0030】
また、前ブラケット40のアンダーカバー取付部40b,40bには、ボルトS6,S6によってアンダーカバー31が取付けられているが、前ブラケット40は、これらアンダーカバー取付部40b,40bと、ボンネット取付部40c,40cと、を位置を違えて形成しているため、作業者は、ボンネット取付部40c,40cに取付けられたボンネット30の耳部30a,30aの上から、ボス部31c,31cを介してアンダーカバー31を容易にボルトS6,S6によって取付けることができる。
【0031】
なお、サイドカバー32は、図9に示すように、一対の取付けネジS3,S3によって、ボンベケース21に取付けられている。
【0032】
このように、ボンベケース21を、ボンネット30、アンダーカバー31及びサイドカバー32によって、一体的に覆ったことにより、ボンベケース21に空いた穴部h1,h1,h2,h2(図6参照)からボンベケース内に埃や泥などが侵入することを効果的に防止することができると共に、転等などの際にもボンベケース21の周囲を保護することができる。
【0033】
また、サイドカバー32により接続部周辺を一体に覆うと共に、燃料コック23露出用の切欠き32bに隣接して突起部32aを形成し、該切欠き32bの大きさを必要最低限に止めたことも相俟って、このガスボンベBのノズルが接続される接続部22に埃などが侵入することを防ぐことができる。
【0034】
更に、ボンネット取付部40c,40cと、アンダーカバー取付部40b,40bとを、位置をずらして前ブラケット40に形成したことにより、ボンネット30及びアンダーカバー31を、ドライバ1本で容易に脱着することができる。
【0035】
また、前ブラケット40の取付け穴40a,40aを長穴にしたことにより、エンジン側とのクリアランス調整が容易になったと共に、後ブラケット41に曲げ部41aを形成し、この曲げ部41aを支持部材21bの凹部21e1に当接して位置決め可能に構成したことにより、組立性が向上した。
【0036】
なお、本実施形態においては、回転軸3aに直接、耕耘爪を取付けるように構成したが、該回転軸3aに車輪を取付けると共に、該車輪の前方側に耕耘爪3bを設けるように構成しても良い。
【0037】
また、サイドカバー32の代わりにボンネット30の側部を延設して、燃料配管25、スロットルワイヤ10a及び燃料コック23を含む接続部22周りを覆うようにしても良い。
【0038】
更に、ガスエンジン9を、スロットルバイワイヤ方式で電気的に制御して、スロットルワイヤ10aを、スロットルレバー10の操作をマイコンに伝達する電気的な配線としても良い。
【符号の説明】
【0039】
1 ガスエンジン型管理機
9 ガスエンジン
21 ボンベケース
30 ボンネット
30d 下縁
31 アンダーカバー
31a フロント部
31b アンダー部
B ガスボンベ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスエンジンを搭載したガスエンジン型の管理機に係り、詳しくは、そのカバー構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスエンジン6を搭載したガスエンジン型管理機1において、ガスエンジン6の前部上方に、ガスボンベ8を保持するガスボンベ保持部12を機体幅方向に沿って横向きに取付けると共に、該ガスボンベ保持部12をボンネット(カバー体)30により覆ったものが案出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−255752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のガスエンジン型管理機は、ボンネット30によってガスボンベ保持部12の前方上部は覆っていても、その下方部分を覆うカバーを有しておらず、作業時に下方側から飛散する泥や、舞い上がった埃や砂などが、ガスボンベ保持部12内に、そのボンベケースに穿設されている穴などから侵入する虞があるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、ボンネットによってボンベケースの前方上部を覆うと共に、アンダーカバーによってボンベケース前方下部及び底部を覆うことによって、上記課題を解決したガスエンジン型管理機を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ガスボンベ(B)の燃料ガスを燃焼して駆動するガスエンジン(9)と、前記ガスエンジン(9)の前部上方に配設され、該ガスエンジン(9)の幅方向に沿って前記ガスボンベ(B)を横方向に載置した状態で支持するボンベケース(21)と、を備えた、ガスエンジン型管理機(1)において、
前記ボンベケース(B)を後方側から前方上部に亘って覆うボンネット(30)と、
前記ボンネット(30)の下縁(30d)に接続し、前記ボンベケース(B)の前方下部を覆うフロント部(31a)と、前記フロント部(31a)から前記ボンベケース(B)と前記ガスエンジン(9)との間に向かって延設され、前記ボンベケース(B)の底部を覆うアンダー部(31b)と、を有するアンダーカバー(31)と、を備えた、
ことを特徴とする。
【0007】
なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によると、ガスボンベを支持するボンベースをボンネットと、アンダーカバーとで覆うことによって、ボンベケースに埃や泥などが入り込むことを防止することができる。特に、アンダーカバーをボンベケースとガスエンジンとの間まで延設して、ボンベケースの底部まで覆う構成にしたことにより、下方から舞い上がる砂や泥がボンベケースに入り込むことを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機の側面図。
【図2】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機の平面図。
【図3】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機のカバー部材を外した状態を示す平面図。
【図4】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機のカバー部材を外した状態を示す右側面図。
【図5】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機の要部左断面図。
【図6】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機の要部正面図。
【図7】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機の要部平面図。
【図8】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機の要部左側面図。
【図9】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機の要部右側面図。
【図10】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機のボンネットを示す斜視図。
【図11】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機のサイドカバーを示す斜視図。
【図12】本願発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機のアンダーカバーを示す斜視図。
【図13】図12の後面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態に係るガスエンジン型管理機について説明をする。なお、以下の説明中においてその方向は、作業状態の作業者を基準とするものとする。
【0011】
[ガスエンジン型管理機の概略]
まず、ガスエンジン型管理機の全体構成について説明する。図1及び図2に示すように、ガスエンジン型管理機1は、上下方向に傾斜して配置されると共に、耕耘爪3b等の回転体3を回転駆動可能に支持する回転軸3aを左右に軸支するミッションケース5と、該ミッションケース5に固定され、後方側(図中右方側)となるにつれて上方に延びる二股状のハンドル6と、該ミッションケース5に固定された機台フレーム7に搭載されたガスエンジン9と、を備えており、作業者がハンドル6を持って、上記ミッションケース5及びガスエンジン9などから機体2を操作するように構成されている。
【0012】
また、ミッションケース5の後方側には、耕耘抵抗棒12が取付けられており、この耕耘抵抗棒12を耕耘作業時に地中に没することで機体2の作業姿勢が安定させると共に、非作業時には立姿勢を保持するスタンドとして使用することができるように構成されている。
【0013】
上記ハンドル6は、図2に示すように、左右両端部に握持部6a,6bを備えている。機体左方の握持部4bの前方には、後述する主クラッチを操作する主クラッチレバー11が配置されており、操作者が握持部6aを握持する際に一緒に握持することで主クラッチの入り操作となるように構成されている。さらに、右側の握持部6bの前方にはスロットルレバー10が配置されており、操作者は、該スロットルレバー10を操作することによって、スロットルワイヤ10aを介して、ガスエンジン9の回転を操作できるように構成されている。
【0014】
一方、上記ガスエンジン9(図1参照)は、ベルトカバー13内にベルト伝動機構(不図示)を備えており、該ベルト伝動機構によってエンジン出力軸の回転駆動力が、ミッションケース5内の入力軸に伝達される。該ベルト伝動機構には、ガスエンジン9の回転駆動力の伝達を入切するベルトテンションクラッチ(不図示)が備えられており、上述したハンドル6に配置された主クラッチレバー11の操作によってガスエンジン9の回転駆動力の伝達を入切できるように構成されている。
【0015】
ついで、図3乃至図5に基づいて、上記ガスエンジン9への燃料ガスの供給構造について説明をする。ガスエンジン9は、ボンベ取付部20に着脱可能に支持されるカセット型のガスボンベB(図3参照)から供給されるプロパンガス(燃料ガス)を燃焼して駆動し得るように構成されており、上記ボンベ取付部20は、ガスエンジン9の前部上方にて、ガスボンベBを該ガスエンジン9の幅方向(機体左右方向)に沿って横方向に載置して取付けるように構成されている。
【0016】
具体的には、ボンベ取付部20は、機体左右方向に沿って横置きにガスボンベBを収納するボンベケース21と、該ボンベケース21の右端でガスボンベBと接続する接続部22と、によって構成されており、該接続部22は、ガスボンベBのプロパンガスをガスエンジン9に供給する燃料配管25と継ぎ手ナット24を介して連結していると共に、該燃料配管25へのプロパンガスの供給を入切する燃料コック23を有している。
【0017】
また、上記接続部22(燃料コック23)が配設されている機体右側(ガスエンジン型管理機の一側方)には、図3及び図4に示すように、リコイルスタータ16が設けられていると共に、スロットルレバー10の操作をガスエンジン9のガバナ(不図示)に伝達するスロットルワイヤ10aが、燃料配管25の下方側を通って配設されているおり、接続部22の下方側にはスロットルワイヤ10aの他端側(スロットルレバーとは反対側)の取付部が設けられている。
【0018】
なお、上記ボンベケース21は、図5に示すように、ガスボンベBを収納する収納ケース21aと、該収納ケース21aが取付けられる略U字状の支持部材21bと、から構成されており、該支持部材21bは、下方向きに突設されてガスエンジン9のクランクケース9aに対して固定された複数の支持脚21cを有している。そして、ボンベケース21が支持部材21bに支持されることによって、上記ボンベ取付部20はガスエンジン9に固定支持されている。
【0019】
また、ボンベ取付部20の後方側には、ガスエンジン9から排出される排気ガスを外部に放出するマフラ15が設けられており、該マフラ15は、その上面、左右側面、及び後面をマフラカバー15bによって覆われている。
【0020】
[ガスエンジン型管理機のカバー構成]
次に、ガスエンジン型管理機1のカバー構成について説明をする。図6乃至図9に示すように、ガスエンジン型管理機1は、ボンベケース21を後方側から前方上部に亘って覆うボンネット30と、該ボンネット30の下縁部30dとその上縁部31Uが接続すると共に、ボンベケース21の下方側を覆うアンダーカバー31と、機体右側方から上記燃料配管25、スロットルワイヤ10a及びボンベ取付部20の接続部22(燃料コック23)を一体に覆うサイドカバー(カバー部材)32と、を有している。
【0021】
図7及び図10に示すように、上記ボンネット30は、ボンベケース21を略全幅において覆っており、該ボンベケース21を覆う前方側はボンベケース21に沿って滑らかに湾曲している。また、その後端部はマフラ15の上方まで延設し、作業者がマフラ15に触れないように構成されていると共に、溝状の開口部が設けられて、カバー内の雰囲気温度が必要以上に上昇することを防止している。
【0022】
一方、上記ボンネット30と一体にボンベケース21を覆うアンダーカバー31は、図6、図12及び図13に示すように、ボンベケース21の前方下部を覆うフロント部31aと、該フロント部31aから上記ボンベケース21とガスエンジン9との間に向かって延設され、ボンベケース21の底部を覆うアンダー部31bと、から構成されており、フロント部31aがボンネット30に接続すると共に、アンダー部31bがガスエンジン9とボンベケース21との間に入り込むことによって、作業時に飛散する泥土や、地面から舞い上がる埃及び砂をもボンベケース21に入り込まない構成となっている。
【0023】
また、図6、図7、図9及び図11に示すように、サイドカバー32は、取付け面側が開口した箱状のカバーとなっており、該取付け面側の側縁は上記ボンネット30及びアンダーカバー31の側縁に接続するように構成されている。更に、サイドカバー32の接続部22を覆う部分には、燃料コック23を露出するための切欠き32bが設けられていると共に、該切欠き32bに隣接して円弧状に突出した突起部32aが設けられており、切欠き32bを燃料コック23を露出させるための最小限の大きさにしていると共に、サイドカバー32の強度を向上させている。
【0024】
また、サイドカバー32は、上記接続部22を覆うカバー部分から下方側及び後方側に向かってそのカバー部分を拡大し、燃料配管25及びスロットルワイヤ10aを覆っており、これら燃料配管25、スロットルワイヤ10aに飛び石や泥が当たることを防止している。また、燃料配管25を覆うことによって、エンジン9やマフラ15などからの熱を保持して燃料配管25周りの雰囲気温度を適度に昇温させており、プロンパンガスの膨張により燃料配管25が必要以上に冷却されて燃料の気化効率が下がることを防止している。
【0025】
更に、サイドカバー32には、上記燃料コック23の露出用の切欠き32bの後方側に、継ぎ手ナット24からのガス漏れ点検用に開口部32cが設けられていると共に、その側面には、エンジン9のハイアイドル調整用のボルトS4に接続するための切欠き32dが形成されている(図9及び図11参照)。また、サイドカバー32の前面には、エンジン9のローアイドル調整用のボルトS5に接続するための切欠き32eが形成されている(図6及び図11参照)。
【0026】
ついで、これらカバー部材30,31,32の取付け構造について説明をする。図5、図6及び図7に示すように、ボンベケース21の支持部材21bの前端部は、屈曲して前部フランジ21dを形成しており、該前部フランジ21dには、前ブラケット40が一対の取付け穴40a,40aを介してボルトによって取付けられている。
【0027】
上記前ブラケット40は、ボンネット30の内側でバンパとしても役目を果たしていると共に、その下端側において、機体左右方向の位置を違えてそれぞれ一対のボンネット取付部40c,40cと、アンダーカバー取付部40b,40bを有している(図6参照)。また、前ブラケット40の上面に形成されている上記取付け穴40a,40aは、長穴形状となっており、前ブラケット40は、この長穴分だけ前後に位置調設可能に構成されている。
【0028】
一方、支持部材21bは、前部フランジ21dと同様に後端部も屈曲して後部フランジ21eとなっており、該後部フランジ21eにはエンジン9のクランクケース9aに固定支持される後ブラケット41が、一対の取付け穴41b,41bを介してボルトによって取付けられている。該後ブラケット41は、上記一対の取付け穴が形成される山部41c,41c間に、板状の曲げ部(突出部)41aを有しており、この曲げ部41aが後部フランジ21eの凹部21e1に当接することによって容易に位置決めできるように構成されている。
【0029】
ボンネット30は、その前端に設けられた一対の耳部30a,30が固定される上記前ブラケット40のボンネット取付部40c,40cと、後ブラケット41に機体側方に向かって形成された左右の取付部41d,41dと、の4箇所の取付部にボルトS1,S2によって固定されている。
【0030】
また、前ブラケット40のアンダーカバー取付部40b,40bには、ボルトS6,S6によってアンダーカバー31が取付けられているが、前ブラケット40は、これらアンダーカバー取付部40b,40bと、ボンネット取付部40c,40cと、を位置を違えて形成しているため、作業者は、ボンネット取付部40c,40cに取付けられたボンネット30の耳部30a,30aの上から、ボス部31c,31cを介してアンダーカバー31を容易にボルトS6,S6によって取付けることができる。
【0031】
なお、サイドカバー32は、図9に示すように、一対の取付けネジS3,S3によって、ボンベケース21に取付けられている。
【0032】
このように、ボンベケース21を、ボンネット30、アンダーカバー31及びサイドカバー32によって、一体的に覆ったことにより、ボンベケース21に空いた穴部h1,h1,h2,h2(図6参照)からボンベケース内に埃や泥などが侵入することを効果的に防止することができると共に、転等などの際にもボンベケース21の周囲を保護することができる。
【0033】
また、サイドカバー32により接続部周辺を一体に覆うと共に、燃料コック23露出用の切欠き32bに隣接して突起部32aを形成し、該切欠き32bの大きさを必要最低限に止めたことも相俟って、このガスボンベBのノズルが接続される接続部22に埃などが侵入することを防ぐことができる。
【0034】
更に、ボンネット取付部40c,40cと、アンダーカバー取付部40b,40bとを、位置をずらして前ブラケット40に形成したことにより、ボンネット30及びアンダーカバー31を、ドライバ1本で容易に脱着することができる。
【0035】
また、前ブラケット40の取付け穴40a,40aを長穴にしたことにより、エンジン側とのクリアランス調整が容易になったと共に、後ブラケット41に曲げ部41aを形成し、この曲げ部41aを支持部材21bの凹部21e1に当接して位置決め可能に構成したことにより、組立性が向上した。
【0036】
なお、本実施形態においては、回転軸3aに直接、耕耘爪を取付けるように構成したが、該回転軸3aに車輪を取付けると共に、該車輪の前方側に耕耘爪3bを設けるように構成しても良い。
【0037】
また、サイドカバー32の代わりにボンネット30の側部を延設して、燃料配管25、スロットルワイヤ10a及び燃料コック23を含む接続部22周りを覆うようにしても良い。
【0038】
更に、ガスエンジン9を、スロットルバイワイヤ方式で電気的に制御して、スロットルワイヤ10aを、スロットルレバー10の操作をマイコンに伝達する電気的な配線としても良い。
【符号の説明】
【0039】
1 ガスエンジン型管理機
9 ガスエンジン
21 ボンベケース
30 ボンネット
30d 下縁
31 アンダーカバー
31a フロント部
31b アンダー部
B ガスボンベ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスボンベの燃料ガスを燃焼して駆動するガスエンジンと、前記ガスエンジンの前部上方に配設され、該ガスエンジンの幅方向に沿って前記ガスボンベを横方向に載置した状態で支持するボンベケースと、を備えた、ガスエンジン型管理機において、
前記ボンベケースを後方側から前方上部に亘って覆うボンネットと、
前記ボンネットの下縁に接続し、前記ボンベケースの前方下部を覆うフロント部と、前記フロント部から前記ボンベケースと前記ガスエンジンとの間に向かって延設され、前記ボンベケースの底部を覆うアンダー部と、を有するアンダーカバーと、を備えた、
ことを特徴とするガスエンジン型管理機。
【請求項1】
ガスボンベの燃料ガスを燃焼して駆動するガスエンジンと、前記ガスエンジンの前部上方に配設され、該ガスエンジンの幅方向に沿って前記ガスボンベを横方向に載置した状態で支持するボンベケースと、を備えた、ガスエンジン型管理機において、
前記ボンベケースを後方側から前方上部に亘って覆うボンネットと、
前記ボンネットの下縁に接続し、前記ボンベケースの前方下部を覆うフロント部と、前記フロント部から前記ボンベケースと前記ガスエンジンとの間に向かって延設され、前記ボンベケースの底部を覆うアンダー部と、を有するアンダーカバーと、を備えた、
ことを特徴とするガスエンジン型管理機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−143864(P2011−143864A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7567(P2010−7567)
【出願日】平成22年1月16日(2010.1.16)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月16日(2010.1.16)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
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