説明

ガスケットのシール構造

【課題】相手部材の寸法バラツキや表面のうねりを吸収できる締め代を確保し、かつ、ガスケットの反力を抑制して相手部材に変形を生じることがない安価で安定したシール性を維持できるガスケットのシール構造を提供すること。
【解決手段】第1部材10に形成された環状の第1凹部12と、第2部材20に形成され、環状の第2凹部22と、第1凹部に保持され、両部材間をシールするガスケット30とよりなり、ガスケットは、第1凹部内に配置されて第1凹部に保持される中実シール部32と、中実シール部と一体に形成され、圧接方向に対して傾斜して延伸するシールリップ34と、周方向に連続する密閉中空部38を区画する中空シール部とを備え、第2凹部は、リップシールの先端部が第2凹部の底面に当接した状態で、シールリップの全てと円弧状側壁部の一部とを収容し、両部材が密着した状態では、圧縮変形された中空シール部の全体を収容可能に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二つの部材の間にガスケットを介在させて、両部材を気密的、水密的に封止する、特に、樹脂製の容器やカバーなどに用いられるガスケットのシール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年ガスケットを装着するハウジング又はケースなどの装着部材においては、その材質を金属から樹脂へと変更して軽量化を図ることがなされるようになった。
【0003】
しかしながら、このように装着部材を樹脂製とした場合には、ガスケットの高さのバラツキやへたり、あるいは、樹脂製部材の寸法のバラツキ(例えば溝公差)や表面のうねり、クリープ変形などが比較的大きいことから、実質的な締め代が減少して締め代に余裕がなくなってしまう部位が生じることがある。このため、全周に亘って必要な締め代を確保するにはガスケットの高さ寸法を大きく形成しなければならない。
【0004】
しかし、例えば、図3に示すような従来のガスケットのシール構造100では、装着部材62に装着されたガスケット60の反力が高いために相手部材である樹脂カバー64を変形させて、周方向で隙間を生じることがある。そこで、変形抑止のために樹脂カバー64を金属リテーナで補強すると高価な仕様になってしまう。また、設定される潰し代Dがその最大値において大きくなりすぎて、ガスケット60が装着部材間で倒れやすくなるという不都合が生じる。一方、装着時に発生する反力を小さく抑えるべくガスケットのゴム材料を低硬度の仕様とすれば、なおさら倒れやすくなるので、ガスケットの姿勢安定性と更なる低荷重・高締め代を達成できるガスケットのシール構造が望まれている。
【0005】
特許文献1は、先端にリップ状のシールを形成したガスケットを開示し、特許文献2は、ガスケットの一部を中空としたガスケットを開示している。
【0006】
特許文献1に開示されたガスケット70は、図4に示すように、一方の部材72の装着溝71に挿入される本体部74と、本体部74から他方の部材73に向かって突出する突起部76とを有し、突起部76が二つの部材が密接する方向に対して交差する方向にのびるように設けられている。このため、他方の部材73が密接すると、傾斜角αが拡がる方向にのみ突起部76が倒れる。つまり、このガスケット70は、二つの部材が密接した時の装着溝71内での変形方向が一定となっている。この結果周方向位置によって倒れる方向が変化することによるシール性の低下が抑えられる。
【0007】
また、特許文献2に開示されたガスケット80は弾性体よりなり、図5に示されるように、樹脂製の被取付部材81の取付溝82に装着されている。このガスケット80は、ガスケット80が圧縮される方向(図5(a)の上下方向で、Y矢印方向)に沿う断面形状が圧縮方向に長い長円形をなしており、この長円形の断面形状が周方向に連続する無端の環状体となっている。そして、ガスケット80は、長円形断面の中央に周方向に連続する円形断面の中空部83を有している。
【0008】
このようなガスケット80に被取付部材81の相手部材84が圧接されて締め付け荷重が作用すると、図5(b)に示されるように、ガスケット80は中空部83がつぶれる方向に圧縮されて、長円形断面の長軸長さが短くなる。この時、圧縮分の反力がガスケット80の内部に発生するが、この反力は中空部83が設けられている分だけ小さくなる。このため、被取付部材81及び相手部材84間で圧縮されたガスケット80の反力による、樹脂製の被取付部材81などのクリープ変形を押さえることができる。また、中空部83内に封じ込められた空気によって復元力が得られるので、ガスケット80のへたりを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−257459号公報
【特許文献2】特開2002−349711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示のガスケット70では、圧縮されて反力を生じる本体部74は、装着溝71内に埋設されており、突起部76のみが装着溝71から突出して他方の部材73に圧接するようになっている。従って、他方の部材73やガスケット70の寸法バラツキに対して余裕度をもった締め代を確保することができない。
【0011】
また、特許文献2に開示のガスケット80では、圧縮方向における半分以上の部分が取付溝82内に配置された状態で取付溝82に保持されている。そして、被取付部材81の相手部材84からの締め付け荷重がガスケット80に作用していない無荷重状態では、中空部83の大部分が取付溝82内に存在しており、実質的に中実部分のみが取付溝82の外に存在している。
【0012】
このため、例えば、樹脂製の被取付部材81や相手部材84の寸法のバラツキ(例えば溝公差)や表面のうねりなどにより、締め付け荷重付与状態では取付溝82の外に存在するガスケット80の中実部分がねじれるように変形して歪んだり、あるいは傾いて倒れたりすることが考えられる。そうすると、取付溝82および相手部材84間で圧縮されるガスケット80の中実部分の圧縮度合いが減少することで、シール面圧が低下して安定的なシール性を確保することができない。
【0013】
本発明は上記の実状に鑑みてなされたものであり、相手部材の寸法バラツキや表面のうねりを吸収できる締め代を確保し、かつ、ガスケットの反力を抑制して相手部材に変形を生じることがない安価で安定したシール性を維持できるガスケットのシール構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を達成するため、本発明に係るガスケットのシール構造は、第1部材に形成された環状の第1凹部と、該第1部材の相手部材である第2部材に形成され、該第1凹部に対向する環状の第2凹部と、該第1凹部に保持され、該第1部材に該第2部材が圧接されることにより両該部材間をシールするガスケットとよりなり、前記ガスケットは、前記第1凹部内に配置されて該第1凹部に保持される中実シール部と、該中実シール部と一体に形成され、該中実シール部が該第1凹部に保持された状態にあるときに該第1凹部の外に位置し、圧接方向に対して傾斜して延伸するシールリップと周方向に連続する密閉中空部を区画する円弧状側壁部とよりなる中空シール部とを備え、該第2凹部は、該リップシールの先端部が該第2凹部の底面に当接した状態で、該シールリップの全てと該円弧状側壁部の少なくとも一部とを収容し、両該部材が密着した状態で、圧縮変形された該中空シール部の全体を収容可能に形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
このガスケットのシール構造において、ガスケットは、その中実シール部が第1凹部に保持された状態にあるときにその中空シール部が該第1凹部の外に位置するように構成されている。
【0016】
中実シール部は、第1凹部内に配置されてこの第1凹部に保持される。すなわち、このガスケットのうち中実シール部のみが第1凹部に保持されるわけであり、第1凹部に対してガスケットを確実に保持させることができ、ガスケットの姿勢安定性を向上させる。
【0017】
中空シール部は、リップシールと周方向に連続する密閉中空部とを有しているので、ガスケットに締め付け荷重を付与した場合には、中実シール部は圧縮変形されることなく、主としてこの中空シール部が圧縮変形される。これ故、このガスケットでは、中空シール部の密閉中空部の存在により低反発力となり、相手部材である第2部材のクリープ変形を良好に抑えることができる。また、密閉中空部に封入された空気により復元力が得られるので、経時的に弾性が低下するへたりを良好に抑えることができる。
【0018】
中空シール部はシールリップを備えているので、両部材の寸法バラツキや変形などにより中空シール部の変形が少ない低圧縮部位においてもシールリップが有効に追随して良好なシール性を確保することができる。シールリップは圧縮方向に対して傾斜して延伸しているので、ガスケットに締め付け荷重を付与した場合には、中空シール部の変形方向が一定となり、周方向位置によってガスケットの倒れる方向が変化することはない。
【0019】
また、第2凹部は、リップシールの先端部が第2凹部の底面に当接した状態で、シールリップを含む中空シール部の少なくとも一部を収容するように形成されている。このため、締め付け荷重付与当初の中空シール部の大幅な傾きや倒れを未然に防止することができる。 さらに、第2凹部は、両部材が密着した場合には、圧縮変形された中空シール部全体を収容可能に形成されているので、シール性をさらに確実なものとすることができる。
【0020】
以上のように、締め付け荷重を付与されて変形するのは、主として第1凹部から突出している中空シール部である。従って、圧縮変形後の反力が小さい中空シール部を備える本発明のガスケットのシール構造においては、従来よりも大きな締め代を設定することができる。
【0021】
本発明のガスケットのシール構造の好適な態様において、周方向に対する直角断面において、前記シールリップは、折れ部を有することなく略前記中空シール部の内周面に沿って該中空シール部の外周側へ向かって延伸するとともに、該シールリップの先端部が該中空シール部の中心軸から該中空シール部の外側半分の1/2の範囲に位置するように形成されていることが望ましい。
【0022】
シールリップをこのように形成することにより、ガスケットに締め付け荷重を付与した場合には、シールリップはスムースに折り畳まれるとともに、大幅な偏芯を生じることなく中空シール部を圧縮変形させることができ、シール性をより一層確実なものとすることができる。
【発明の効果】
【0023】
よって、本発明のガスケットのシール構造によれば、相手部材の寸法バラツキや表面のうねりを吸収できる高締め代を有し、かつ、ガスケットの反力を抑制して相手部材に変形を生じることがない、長期にわたって良好なシール性を確保することができるガスケットのシール構造を提供することができる。また、このガスケットのシール構造によれば、相手部材の変形を抑止するための金属リテーナは不要となり、安価なガスケットのシール構造となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施形態に係るシール構造の締め付け荷重付与前の状態を示す断面図である。
【図2】実施形態に係るシール構造の締め付け荷重付与後の状態を示す断面図である。
【図3】従来のガスケットの締め付け荷重付与前の状態を示す断面図である。
【図4】他の従来のガスケットの締め付け荷重付与前の状態を示す断面図である。
【図5】他の従来のガスケットに係り、(a)は締め付け荷重付与前の状態を示す断面図であり、(b)は締め付け荷重付与後の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図1及び2を参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
本実施形態のガスケットのシール構造1は、ハイブリッド車や電気自動車などの電池パックを収納する収納ケースに装着されて、電池パックへの水分の侵入を防止するガスケットのシール構造である。電池パック収納ケースは、PA66(ポリアミド66)等の樹脂材料から射出成形により略矩形の筺状に形成されてなるアッパケース(第2部材)20とロアケース(第1部材)10とからなる。アッパケース20の外周縁端部には環状の収容溝(第2凹部)22が凹設されている。また、ロアケース10の外周縁端部には環状の取付溝(第1凹部)12が凹設されている。収容溝22は取付溝12よりも幅広く形成されており、収容溝22と取付溝12とは、互いの開口部22b、12bが対向するように配置される。
【0027】
収容溝22と、取付溝12との間には、取付溝12の底面12aと収容溝22の底面22aによって挟み込まれるようにガスケット30が配設されている。
図1は、本実施形態に係るガスケット30を対向する取付溝12と収容溝22との間に配設した状態を示す部分断面図であって、環状に延びる周方向に対して直角の断面でガスケット30に締め付け荷重が作用していない締め付け荷重付与前の状態を示している。図2は、ロアケース10がアッパケース20に圧接されて、アッパケース20からガスケット30に所定の締め付け荷重が作用している締め付け荷重付与後の状態を示している。
【0028】
ガスケット30は、中実に形成された中実シール部32と、頂部にリップシール34を備えるとともに周方向に連続する密閉中空部38を内部に有している中空シール部36とが一体に形成された環状のゴム弾性体である。ここで、ガスケット30を構成するゴム弾性体としては、熱可塑性エラストマーなどの弾性材料、例えばACM(アクリルゴム)、NBR(ニトリルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)やFVMQ(フルオロシリコン)等を挙げることができるが、ガスケットとしてのシール性を確保できるものであれば特に限定されるものではなく、従来のものを用いることができる。また、ガスケット30は、環状に延びる周方向に対して直角の断面形状において、ガスケットが圧縮される圧縮方向(図1の上下方向)に延びる中心線Lに関してリップシール34を除いて左右対称の形状を有している。
【0029】
ガスケット30の中実シール部32は、略矩形断面を有しその全体が取付溝12内に圧入状態で保持されている。図1では、中実シール部32の外側面と取付溝12の側壁面12cとの間に若干の隙間が認められるが、実際には、取付溝12にはその側壁面12cから取付溝12の内部に向かって突出する突出部が周方向の適宜の位置に対向して設けられており、中実シール部32は、これら突出部に圧縮されて挟持されている。このように中実シール部32が取付溝12の突出部に圧縮されて挟持されていれば、取付溝12に対する中実シール部32の姿勢安定性を高めることができ、ガスケット30を安定な姿勢で保持することができる。また、中実シール部32は、その底部に取付溝12の底面12aに当接するシールリブ37を備えており、取付溝12におけるシール性を一層確かなものとしている。
【0030】
ガスケット30の中空シール部36は、上記の中実シール部32と一体に形成されており、中実シール部が取付溝12に保持された状態にあるときにはその全体が取付溝12の外に位置しており、内部に有している周方向に連続する密閉中空部38とともに、略円形断面とされている。
【0031】
また、本実施形態のガスケット30においては、ガスケット30が環状に延びる周方向に対して直角の断面において、中実シール部32の幅w1よりも中空シール部36の幅w2の方が大きくされている。中空シール部36は、略均一厚さで円弧状に延びる円弧状側壁部39を有しており、円弧状側壁部39は密閉中空部38を区画している。シールリップ34は、内周側の円弧状側壁部39aの頂部近傍を基部として先端部34aが上方外周側を指向するように傾斜して延びている。
【0032】
以上のように構成される本実施形態のガスケットのシール構造1において、ロアケース10にアッパケース20が取り付けられることにより、図2に示されるように、シールリップ34が折り畳まれるとともに、中空シール部36と密閉中空部38が潰される方向に圧縮され、ロアケース10にアッパケース20が密着すると中空シール部36は収容溝22内に収容される。収容溝22は変形後の円弧状側壁部39がその内面に当接する溝幅とされているので、締め付け荷重付与中の中空シール部36は、収容溝22の内面22cによって規制されることなく圧縮変形することができる。これ故、このガスケット30では、中空シール部36の密閉中空部38の存在により圧縮量が多い高圧縮部位においても低反発力となり、相手部材であるアッパケース20のクリープ変形を良好に抑えることができる。また、密閉中空部38に封入された空気により復元力が得られるので、所定の面圧を確保することができるとともに、経時的に弾性が低下するへたりを抑制して良好なシール性を維持することができる。なお、収容溝22は必ずしも変形後の円弧状側壁部39がその内面22cに当接するように形成されることはなく、各部材の寸法精度や部材同士の位置ズレなどを考慮して、さらに溝幅の広い収容溝22としてもよい。
【0033】
中空シール部36は、環状のガスケット30の内周側から外周側に向かって傾斜して略上方に延びるシールリップ34を備えている。シールリップ34は、中空シール部36の圧縮量が少ない低圧縮部位においても少なくともその先端が収容溝22の底面22aに当接しているので、寸法バラツキなどによる周方向における圧縮量の変化に追随して良好なシール性を保持することができる。また、シールリップ34は、ガスケット30の全長にわたって外周側へのみ弾性変形する。このため、周方向位置によって中空シール部36の倒れる方向が変化することがなく、全周に亘ってシール性を保持することができる。
【0034】
ここで、シールリップ34は、折れ部を有することなく略中空シール部36の内周面に沿って滑らかに外周側へ向かって延伸するとともに、シールリップ34の先端部34aが中空シール部36の中心軸Lから中空シール部36の外側半分の1/2の範囲w3に位置するように形成されていることが望ましい。シールリップ34をこのように形成することにより、締め付け荷重付与中にシールリップ34は円弧状側壁部39に圧接するようにスムースに折り畳まれ、中空シール部36を中心線Lに関して大幅な偏芯を生じることなく圧縮変形することができる。このように、シールリップ34は、締め付け荷重付与中の中空シール部36の姿勢を安定させる姿勢安定機能を有する。また、収容溝22の深さBは、リップシール34の先端部34aが収容溝22の底面22aに当接した状態で、収容溝22が、少なくともリップシール34の全てと円弧状側壁部39の一部とを収容するように設定されている。このように設定することで、締め付け荷重付与当初の中空シール部36の大幅な傾きや倒れを未然に防止することができる。
【0035】
以上のように構成される本実施形態のガスケットのシール構造1においては、締め代Cは、リップシール34の先端部34aが収容溝22の底面22aに当接した状態からガスケット30に締め付け荷重を付与してロアケース10にアッパケース20が密着するまでのガスケット30の圧縮量である。従って、中空シール部36の寸法Aと収容溝22の深さBとを適宜に調整することで、ロアケース10及びアッパケース20の寸法バラツキや表面のうねり、あるいはガスケット30の寸法バラツキなどを吸収できる余裕度のある締め代Cを定めればよい。
【0036】
本実施形態において、締め付け荷重を付与されて変形するのは、主として取付溝12から突出している中空シール部36であるので、締め代Cを従来よりも大きな値としても、すでに述べたとおり中空シール部36圧縮変形後の反力は小さなものとなる。例えば、従来のシール構造100(図3)において、締め代Dを1.5mmとしてガスケット60に締め付け荷重を付与したところ、その反力は8.85N/mmであった。ところが、本実施形態において、ガスケット30に締め代Cを4mmとして締め付け荷重を付与したところ、その反力は1.49N/mmであった。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のガスケットのシール構造は、ハイブリッド車や電気自動車の電源装置である電池パックを収容する樹脂製の大型ケースに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0038】
1:ガスケットのシール構造 10:ロアケース(第1部材) 12:取付溝(第1凹部)
20:アッパケース(第2部材) 22:収容溝(第2凹部) 30:ガスケット 32:中実シール部 34:シールリップ 36:中空シール部 37:シールリブ 38:密閉中空部 39:円弧状側壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材に形成された環状の第1凹部と、該第1部材の相手部材である第2部材に形成され、該第1凹部に対向する環状の第2凹部と、該第1凹部に保持され、該第1部材に該第2部材が圧接されることにより両該部材間をシールするガスケットとよりなり、
前記ガスケットは、前記第1凹部内に配置されて該第1凹部に保持される中実シール部と、該中実シール部と一体に形成され、該中実シール部が該第1凹部に保持された状態にあるときに該第1凹部の外に位置し、圧接方向に対して傾斜して延伸するシールリップと周方向に連続する密閉中空部を区画する円弧状側壁部とからなる中空シール部とを備え、
該第2凹部は、該リップシールの先端部が該第2凹部の底面に当接した状態で、該シールリップの全てと該円弧状側壁部の少なくとも一部とを収容し、両該部材が密着した状態で、圧縮変形された該中空シール部の全体を収容可能に形成されていることを特徴とするガスケットのシール構造。
【請求項2】
周方向に対する直角断面において、前記シールリップは、折れ部を有することなく略前記中空シール部の内周面に沿って該中空シール部の外周側へ向かって延伸するとともに、該シールリップの先端部が該中空シール部の中心軸から該中空シール部の外側半分の1/2の範囲に位置するように形成されている請求項1に記載のガスケットのシール構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−149526(P2011−149526A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12777(P2010−12777)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】