説明

ガスケットの締込装置

【課題】ガスケットへの締込動作を一定の位置で停止させるストッパ手段にてメタルタッチによる締込管理が可能となり、ガスケットに作用する押付け面圧を一定にし、要求寿命まで流体の吹き抜けを防止することが可能なガスケットの締込装置並びにガスケットが装着された弁を組み込んだ配管装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、流体通路2の途中に設けられ、締付部材のボルト3及びナット5によって互いに連結される弁6と弁座7との間をシールする平板ガスケット8の締込装置において、弁6と弁座7との間に平板ガスケット8を配置した状態でボルト3及びナット5を締付ける際、平板ガスケット8への締込動作を一定の位置で停止させるストッパ手段10を弁6及び弁座7と関連して設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体通路の途中に設けられ、締付部材によって互いに連結される弁と弁座との間をシールするガスケットの締込装置、並びに、当該締込装置を用いてガスケットが装着された弁を組み込んだ配管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、圧縮流体(例えば圧縮空気)が流れる流体通路を開閉することにより、流路の方向や流量等を制御する方法が採用されている。そのため、ガスケットが装着された弁を組み込んだ配管装置、例えば、図7に示すような弁装置1を具備している。
【0003】
弁装置1は、図7に示すように、流体通路2の途中に設けられ、かつ締付部材である植込みボルト3、ワッシャ4及びナット5によって互いに連結される弁6及び弁座7を備え、これら弁6と弁座7との間には、当該両者間をシールする平板ガスケット(例えばビード付きガスケット)8が配置されている。なお、図の上方には流路を開閉するバルブ構造が設けられているが、本発明とは直接関係しないので、ここでは図示せず省略した。
【0004】
このような弁装置1において、平板ガスケット8は、図7及び図8に示すように、植込みボルト3を挿通させるボルト孔8aと、流体通路2に対応する大きさ及び形状に形成された2つの開口8bとがそれぞれ間隔を置いて並んで設けられている。しかも、ガスケット8は、流体通路2中を流れる流体を封入するために設けられていることから、弾力性を有するゴム製のシート材で形成され、種々の機能が要求されている。
ガスケット8に対して要求される機能としては、例えば、所要の期間にわたり、所要の使用条件及び環境下で、シール圧力を上回る所要の面圧(ガスケット面圧)にて、シール面である弁座7の取付面7aとガスケット8の接触面及び弁6の下面6aとガスケット8の接触面にそれぞれ密着することである。
【0005】
かかる平板ガスケット8を取付ける際には、弁座7に立設された2本の植込みボルト3に平板ガスケット8及び弁6を通し、弁座7の取付面7a上に平板ガスケット8を介在させた状態で弁6を設置する。そして、2本の植込みボルト3の先端にワッシャ4を通し、ナット5をそれぞれ螺入させる。その後、トルクレンチを用いるトルク法によって各ナット5を締付けると、図7の矢印で示すように、ボルト軸力Fが発生し、弁6と弁座7との間の平板ガスケット8を潰すことで圧力Pが発生して、当該平板ガスケット8に面圧が付与されることになる。したがって、この圧力Pを流体通路2中の流体などからの内圧P′よりも大きく保つことで、弁6と弁座7との間をシールしている。なお、P′は周囲の圧力(大気圧)Pよりも高い(P′>P)ため、シールが無いと外部に漏れてしまう。このため、ガスケットを潰してガスケット面圧PをP>P′にすることで周囲への流体の漏洩を防ぐものである。
【0006】
一方、従来技術の中には、シール性能の低下を防ぐために、シール用ガスケットを正確に位置決めした状態で流体圧機器間に装着する位置決め構造が設けられているものがある(例えば、特許文献1を参照)。この位置決め構造は、ガスケット側に設けられる位置決め突起と、流体圧機器側に設けられ、当該突起と嵌合する位置決め穴とから構成されており、位置決め突起を位置決め穴に圧入することによってガスケットの位置決めが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平7−23860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の弁装置1における平板ガスケット8にあっては、トルク法による締付管理が行われており、ボルトとナットの間あるいはナットとワッシャの間の摺動抵抗のばらつき等により、初期締付時のボルト軸力(ガスケット面圧)がばらつく可能性がある上、図9に示すように、ゴム材の応力緩和(所謂「へたり」)などにより圧力Pが時間tの経過に伴い低下するので、初期面圧が規定通りである(初期締付が正常である)ことを示す実線Aの場合では、要求寿命点Dにおいて流体吹き抜け発生面圧(P<P′)を示す実線Bよりも高い値となり、また、初期面圧が規定値以下である(初期締付が不良である)ことを示す実線Cの場合では、要求寿命点Dにおいて流体吹き抜け発生面圧(P<P′)を示す実線Bよりも低い値となってしまい、流体吹き抜け発生面圧に到達する時間が早くなることが起こる。
さらに、弁装置1は、内圧P′を受けているので、平板ガスケット8は、図8の矢印で示すように、内側から外側へ向かって常に力を受けている。そのため、圧力Pが下がれば平板ガスケット8は図8の矢印の向きに変形することとなって、はみ出しが発生し、流体の吹き抜けが生じるという問題点を有している。あるいは、圧力Pが内圧P′よりも低下すれば、平板ガスケット8がシール面に密着する力が低下するため、内圧P′に負けて流体の吹き抜けが生じるおそれがある。なお、弁6の下面6aとガスケット8の接触面は、同じ大きさに形成されているので、締込後の平板ガスケット8の変位量を計測することは困難である。
【0009】
一方、上述した特許文献1の位置決め構造を適用した場合でも、トルク法による締付管理であるため、上記と同様、初期締付時のボルト軸力(ガスケット面圧)がばらつく可能性があり、ガスケットの変形や流体の吹き抜け現象が生じるおそれがあった。
【0010】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、ガスケットへの締込動作を一定の位置で停止させるストッパ手段にてメタルタッチによる締込管理が可能となり、ガスケットに作用する押付け面圧を一定にし、要求寿命まで流体の吹き抜けを防止することが可能なガスケットの締込装置並びにガスケットが装着された弁を組み込んだ配管装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、流体通路の途中に設けられ、締付部材によって互いに連結される弁と弁座との間をシールするガスケットにおいて、前記弁と前記弁座との間に前記ガスケットを配置した状態で前記締付部材を締付ける際、前記ガスケットへの締込動作を一定の位置で停止させるストッパ手段を前記弁及び前記弁座と関連して設けている。
【0012】
この発明において、具体的には次のように構成するのが好ましい。
(1)前記ストッパ手段は、前記弁及び前記弁座のいずれか一方に設けられる凸部と、前記弁及び前記弁座の他方に設けられ、前記凸部が挿入される凹部とを備え、前記凸部の先端が前記凹部の底面に接触した時点で、前記ガスケットの圧縮代が所要の値かつ一定となるように構成されている。
(2)前記弁及び前記弁座のいずれか一方の取付面からの前記凸部の突出長さは、前記凹部の深さと、前記ガスケットの圧縮後の厚みとを合わせた大きさに設定されている。
【0013】
(3)前記ストッパ手段は、前記弁側に設けられるストッパ部材を備え、前記ストッパ部材の先端が前記弁座の取付面に接触した時点で、前記ガスケットの圧縮代が所要の値かつ一定となるように構成されている。
(4)前記ストッパ部材は断面L字状のアングルであり、前記アングルは前記弁に共締めされている。
【発明の効果】
【0014】
上述の如く、本発明に係るガスケットの締込装置は、流体通路の途中に設けられ、締付部材によって互いに連結される弁と弁座との間をシールするガスケットであって、 前記弁と前記弁座との間に前記ガスケットを配置した状態で前記締付部材を締付ける際、前記ガスケットへの締込動作を一定の位置で停止させるストッパ手段を前記弁及び前記弁座と関連して設けているので、メタルタッチによる締込管理により、ガスケットに対して所定の面圧を常に一定に掛けることが可能となり、初期締付不良の発生を無くし、要求寿命まで流体の吹き抜けを確実に防ぐことができる。
【0015】
また、本発明において、前記ストッパ手段は、前記弁及び前記弁座のいずれか一方に設けられる凸部と、前記弁及び前記弁座の他方に設けられ、前記凸部が挿入される凹部とを備え、具体的には前記弁及び前記弁座のいずれか一方の取付面からの前記凸部の突出長さは、前記凹部の深さと、前記ガスケットの圧縮後の厚みとを合わせた大きさに設定され、前記凸部の先端が前記凹部の底面に接触した時点で、前記ガスケットの圧縮代が所要の値かつ一定となるように構成されているので、ガスケットの締込管理が容易となり、初期締込時のガスケット面圧を一定にすることができる。
しかも、本発明のストッパ手段を構成する凸部及び凹部の設置数を4箇所とすれば、ガスケットの取付位置がずれることなく所定位置に取付けることができる。
【0016】
さらに、本発明において、前記ストッパ手段は、前記弁側に設けられるストッパ部材を備え、具体的には前記ストッパ部材は断面L字状のアングルであり、前記アングルは前記弁に共締めされ、前記ストッパ部材の先端が前記弁座の取付面に接触した時点で、前記ガスケットの圧縮代が所要の値かつ一定となるように構成されているので、上記発明と同様の効果を得ることができるとともに、ストッパ手段を容易に取付けることができる。
【0017】
また、本発明に係るガスケットが装着された弁を組み込んだ配管装置は、上記したガスケットの締込装置を用いているので、高い信頼性を有している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係るガスケットの締込装置が適用された弁装置を示す断面図である。
【図2】(A)は本発明の第1実施形態に係る弁を示す断面図、(B)は本実施形態の弁を示す底面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るガスケットを平面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るガスケットの締込装置が適用された弁装置を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るガスケットの締込装置が適用された弁装置を示す平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態の変形例に係るガスケットの締込装置が適用された弁装置を示す平面図である。
【図7】従来の弁装置を示す断面図である。
【図8】従来の弁装置における平板ガスケットを示す平面図である。
【図9】初期面圧が規定通りの場合及び初期面圧が規定値以下の場合と、流体吹き抜け発生面圧との関係を時間の経過に伴って示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係るガスケットの締込装置を適用した弁装置の断面図、図2(A)は本実施形態の弁の断面図、図2(B)は本実施形態の弁の底面図、図3は本実施形態のガスケットの平面図である。なお、図7〜図9に示す従来例と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0021】
本実施形態の弁装置1は、ガスケットが装着された弁を組み込んだ配管装置に配設され、平板ガスケット8の締込量を制御する締込装置を備えている。この締込装置は、図1及び図2に示すように、弁6と弁座7との間に平板ガスケット8を配置した状態で締付部材のボルト3及びナット5を締付けるに際して、平板ガスケット8への締込動作を一定の位置で停止させるストッパ手段10を有しており、このストッパ手段10は、弁6及び弁座7と関連して設けられている。なお、弁6の左右両側には、弁座7の取付面7aに立設された植込みボルト3を挿通させる挿通孔6bが穿設されている。
ストッパ手段10は、弁座7の取付面7aに立設される4本のノックピン(凸部)11と、弁6の下面6aの4箇所に配設され、当該ノックピン11が挿入される挿入穴(凹部)12とを備えて構成されている。そして、平板ガスケット8には、図3に示すように、ノックピン11を挿通させる4つのピン孔13が4つのノックピン11及び挿入穴12と対応する位置にそれぞれ穿設されている。
【0022】
このようなストッパ手段10を有する締込装置では、ノックピン11の先端が挿入穴12の底面に接触した時点で、平板ガスケット8の圧縮代が所要の値かつ一定となるように構成されている。そのため、弁座7の取付面7aからのノックピン11の突出長さL1は、挿入穴12の深さL2と平板ガスケット8の圧縮後の厚みL3とを合わせた大きさに設定されている(L1=L2+L3)。
【0023】
また、本発明の第1実施形態に係る4つのノックピン11及び挿入穴12は、平板ガスケット8の取付位置がずれることなく精度良く取付けることが可能な位置にそれぞれ設けられている。すなわち、4つのノックピン11及び挿入穴12は、図1及び図2に示すように、ボルト3及びナット5の締付部となる弁6の挿通孔6bの流体通路2側近傍であって、弁装置1の中心軸線O1及び左右両側の締付部を結ぶ軸線O2のそれぞれを基準にして、前後左右が対称となる位置に設けられている。
【0024】
このように構成された本発明の第1実施形態に係る締込装置を用いて、弁6と弁座7とを連結するには、まず、弁座7の取付面7aに立設された2本の植込みボルト3及び4本のノックピン11に各ボルト孔8a及び各ピン孔13を通して平板ガスケット8を弁座7の取付面7aの所定位置に設置する。次いで、平板ガスケット8の上から2本の植込みボルト3に各挿通孔6bを通すとともに、4つのノックピン11の先端に各挿入穴12を嵌入させて弁6を平板ガスケット8を介在させた状態で弁座7の取付面7a上に設置する。その後、2本の植込みボルト3の先端にワッシャ4を通し、ナット5をそれぞれ螺入させ、トルクレンチによって各ナット5を締付けていくと、ストッパ手段10を構成する各ノックピン11の先端が挿入穴12の底面に接触する。この接触した時点は、平板ガスケット8の圧縮代が所要の値かつ一定となったことを示すものであるから、トルクレンチによる締付けを止めて平板ガスケット8への締込動作を停止すれば、弁6と弁座7とが連結され、弁装置1の組立作業が完了することになる(図1参照)。
【0025】
本発明の第1実施形態の締込装置においては、ストッパ手段10を構成する4つのノックピン11及び挿入穴12によって、弁6と弁座7との間をシールする平板ガスケット8の圧縮代が常に一定となるため、迅速な締付作業にて平板ガスケット8の初期面圧を規定通り得ることが可能となり、少なくとも要求寿命まで流体の吹き抜けを防止することができるとともに、作業性の向上を図ることができる。
また、本実施形態の締込装置においては、4つのノックピン11及び挿入穴12が所定の位置に配設されているため、平板ガスケット8に作用する押付面圧がばらついたり、あるいは平板ガスケット8の取付位置がずれることはなく、精度良く平板ガスケット8を取付けることができる。
【0026】
[第2実施形態]
図4及び図5は、本発明の第2実施形態に係るガスケットの締込装置を適用した弁装置を示すものであって、図4は本実施形態の弁装置の断面図、図5は本実施形態の弁装置の平面図である。なお、図7〜図9に示す従来例と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
この第2実施形態が上記第1実施形態と異なる点は、図4及び図5に示すように、ストッパ手段20が2つの断面L字状のアングル(ストッパ部材)21を備えて構成されていることである。これら断面L字状のアングル21は、弁取付部であり平面視で四角形の水平アングル片21aと、弁座接触部である垂直アングル片21bとから形成されており、植込みボルト3及びナット5によって弁6の左右両側にそれぞれ共締めされている。
【0027】
このようなストッパ手段20を有する締込装置では、断面L字状に形成されたアングル21の垂直アングル片21bの先端が弁座7の取付面7aに接触した時点で、平板ガスケット8の圧縮代が所要の値かつ一定となるように構成されている。そのため、アングル21の垂直アングル片21bの先端と弁座7の取付面7aとの隙間L4は、所定トルクで締付けた時の平板ガスケット8の変位量(圧縮代)と同じ寸法に設定されている。
【0028】
このように構成された本発明の第2実施形態に係る締込装置を用いて、弁6と弁座7とを連結するには、まず、弁座7の取付面7aに立設された2本の植込みボルト3に各ボルト孔8aを通して平板ガスケット8を弁座7の取付面7aの所定位置に設置する。次いで、平板ガスケット8の上から2本の植込みボルト3に各挿通孔6bを通して弁6を平板ガスケット8を介在させた状態で弁座7の取付面7a上に設置する。その後、2本の植込みボルト3の先端に断面L字状のアングル21の水平アングル片21aを通し、ナット5をそれぞれ螺入させ、トルクレンチによって各ナット5を締付けていくと、ストッパ手段20を構成する各アングル21の垂直アングル片21bの先端が弁座7の取付面7aに接触する。この接触した時点は、平板ガスケット8の圧縮代が一定となったことを示すものであるから、トルクレンチによる締付けを止めて平板ガスケット8への締込動作を停止すれば、弁6と弁座7とが連結され、弁装置1の組立作業が完了することになる(図4参照)。
【0029】
本発明の第2実施形態の締込装置においては、ストッパ手段20を構成する2つの断面L字状のアングル21によって、弁6と弁座7との間をシールする平板ガスケット8の圧縮代が常に所要の値かつ一定となるため、迅速な締付作業にて平板ガスケット8の初期面圧を規定通り得ることが可能となり、少なくとも要求寿命まで流体の吹き抜けを防止することができるとともに、作業性の向上を図ることができる。
また、本実施形態の締込装置においては、ストッパ手段20の部品点数が少なく、かつ弁6及び弁座7への追加加工も無いため、より迅速な作業にて弁装置1を組立てることができるとともに、簡単に製作することができる。
【0030】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【0031】
例えば、第1実施形態においては、ノックピン11を弁座7側に設け、挿入穴12を弁6側に設けたが、ノックピン11を弁6側に設け、挿入穴12を弁座7側に設けても良い。また、ノックピン11及び挿入穴12の代わりに、互いに嵌合する凸部及び凹部を設けても良い。さらに、ノックピン11及び挿入穴12の設置数は、4つに限られず、弁6や弁座7の形状、大きさなどに応じて、1つ、2つ、3つあるいは4つ以上であっても良い。
【0032】
また、第2実施形態のアングル21に代えて、図6に示すように、弁6の左右両側に位置する締付部の全体を覆う断面L字状のアングル31を用いても良い。このような形状のアングル31を用いれば、広い範囲にわたって平板ガスケット8に作用する押付け面圧を一定にすることが可能となる。さらに、断面L字状のアングル21は、植込みボルト3及びナット5による共締めではなく、弁6の前後左右の複数箇所に接着材によって取付けられても良い。
【符号の説明】
【0033】
1 弁装置
2 流体通路
3 植込みボルト
4 ワッシャ
5 ナット
6 弁
6a 弁の下面
6b 挿通孔
7 弁座
7a 弁座の取付面
8 平板ガスケット
8a ボルト孔
8b 開口
10,20 ストッパ手段
11 ノックピン(凸部)
12 挿入穴(凹部)
13 ピン孔
21,31 断面L字状のアングル(ストッパ部材)
21a 水平アングル片
21b 垂直アングル片


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体通路の途中に設けられ、締付部材によって互いに連結される弁と弁座との間をシールするガスケットにおいて、
前記弁と前記弁座との間に前記ガスケットを配置した状態で前記締付部材を締付ける際、前記ガスケットへの締込動作を一定の位置で停止させるストッパ手段を前記弁及び前記弁座と関連して設けたことを特徴とするガスケットの締込装置。
【請求項2】
前記ストッパ手段は、前記弁及び前記弁座のいずれか一方に設けられる凸部と、前記弁及び前記弁座の他方に設けられ、前記凸部が挿入される凹部とを備え、前記凸部の先端が前記凹部の底面に接触した時点で、前記ガスケットの圧縮代が所要の値かつ一定となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のガスケットの締込装置。
【請求項3】
前記弁及び前記弁座のいずれか一方の取付面からの前記凸部の突出長さは、前記凹部の深さと、前記ガスケットの圧縮後の厚みとを合わせた大きさに設定されていることを特徴とする請求項2に記載のガスケットの締込装置。
【請求項4】
前記ストッパ手段は、前記弁側に設けられるストッパ部材を備え、前記ストッパ部材の先端が前記弁座の取付面に接触した時点で、前記ガスケットの圧縮代が所要の値かつ一定となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のガスケットの締込装置。
【請求項5】
前記ストッパ部材は断面L字状のアングルであり、前記アングルは前記弁に共締めされていることを特徴とする請求項4に記載のガスケットの締込装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のガスケットの締込装置を用いたことを特徴とする流路の方向、流量を制御する弁を組み込んだ配管装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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