説明

ガスケットを用いたシール構造体

【課題】材料歩留まりの悪化を抑制可能な分割ガスケットを採用しながら、シール性能を高く維持することのできるガスケットを用いたシール構造体を提供する。
【解決手段】シールの対象となる2つのロアフランジ部115及び124の間に複数の分割体として形成された環状のガスケット400が介在される。ロアフランジ部115には、ガスケット400の分割体同士の間隙にあたる部分に凹部115cが形成される。そして、ロアフランジ部115の凹部115cには、ガスケット400の分割体同士の間隙の形状に応じて変形するシール部材SPが充填されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスケットを介在させて対向する部位をシールするガスケットを用いたシール構造体に関し、特にガスケットとして分割成形されたガスケットが用いられる場合に有益なシール構造体の具現に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ハードディスクドライブ等をはじめとする電子機器を収容するケース等、気密性や水密性(防湿性)が要求されるケースでは、例えばその筐体と蓋体と間に、対向部位の形状に対応する形状を有した固定用シール材であるガスケットが介在されることが多い。そして従来、こうしたガスケットとしては、例えば特許文献1に記載のガスケットが知られている。
【0003】
図22に示すように、この特許文献1に記載のガスケット4は、例えば筐体と蓋体とのシール部位の形状に応じた形状を有して形成されており、ポリウレタン系やEPDM系(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体)の発泡体等のシール部材5と熱接着フィルム6との積層体として構成されている。そして、こうしたガスケット4の製造に際しては、まず、図23に示すように、シール部材5とするシート5a上に熱接着フィルム6とするシール6aを積層し、この積層体を熱ロール8で加熱しつつ転圧して積層シート7を形成する。その後、図24に示すように、上記形成された積層シート7に打抜き加工を施すことによって、上記シール部位に応じた形状を有するガスケット4が成形される。
【0004】
ところで、このような打抜き加工によりガスケットを成形すると、ガスケットの大型化、換言すれば、ガスケットが使用されるケース等の大型化に伴う周長の長大化によってガスケットとする材料の歩留まりが悪化する。例えば、電気自動車やハイブリッド自動車の動力源もしくは動力補助源である電動モータの電力源として用いられる組電池は通常、複数の電池モジュールが電池収納箱内に収納されて構成されており、こうした電池収納箱にもガスケットが用いられている。そして、こうした組電池は、自動車の動力源として必要とされる電力を確保しようとすると、自ずとその大型化が避けられず、ひいては上記ガスケットが用いられる電池収納箱の大型化に伴う周長の長大化も避けられない。
【0005】
そこで、こうした電池収納箱等に用いられるガスケットにあっては、例えば図25に示すように、ガスケットとする材料を辺毎に分割して打抜き加工するようにしている。具体的には、上記積層シートから一辺毎に分割された第1部材11〜第4部材14を組み付けることによってガスケット10を構成するようにしている。このように、ガスケットを分割成形することにより、同ガスケットが用いられる箱体が大型化したとしても、ガスケットとする材料の歩留まりの悪化が抑制されるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−71022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、ガスケットを分割成形する際には、上記ガスケット10の一隅であるA部の拡大図を図26に示すように、一辺毎に分割されて組み付け対象となる。例えば第1部材11と第2部材12との各先端にそれぞれ凸部11a及び凹部11bと凹部12a及び凸部12bとを形成し、これらを凹凸係合させることになる。そして、第1部材11の先端にあって締結に影響しないようにガスケット10の内周寄りに凸設された凸部11cに同じく第2部材12の先端にあって締結に影響しないようにガスケット10の内周寄りに凸設された凸部12cを積層し、リベット等の適宜の固定部材20によって第1部材11と第2部材12とを連結する。しかし、ガスケットのこのような構造では、上記凹凸係合させる部分での、僅かとはいえ間隙Sの発生が避けられず、収納箱等の締結後、この間隙Sの存在に起因するシール性能の低下も避けられない。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、材料歩留まりの悪化を抑制可能な分割ガスケットを採用しながら、シール性能を高く維持することのできるガスケットを用いたシール構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、シールの対象となる2つの面の間に複数の分割体として形成されたガスケットが介在されるガスケットを用いたシール構造体であって、前記シールの対象となる面の一方であって且つ、前記分割体同士の間隙にあたる部分に設けられた凹部と、前記凹部に充填されてなり、前記分割体同士の間隙の形状に応じて変形するシール部材と、を備えることを要旨とする。
【0010】
上記構成によれば、シールの対象となる2つの面がシールされる際には、凹部に充填されたシール部材がガスケットの分割体同士の間隙に応じて変形することによって、ガスケットを構成する各分割体が係合される分割部分で発生する間隙には、変形したシール部材が充填される。また、シール部材は、シールの対象となる面の一方に予め凹設された凹部、すなわちガスケットが配置される面とは異なる面を底面として配置される。そして、シール部材は、ガスケットが配置される面にはみ出したとしても、変形して分割体同士の間隙に充填される。このため、シールの対象となる部材とガスケットとシール部材とが積層されても、ガスケットの分割部分でシール部材の存在に起因するガスケットの凹凸や凹凸に起因する隙間は生じず、ガスケット本来のシール性能を発揮させることが可能となる。よって、シール対象とする2つの面を的確にシールすることができるようになる。これにより、材料歩留まりの悪化を抑制可能な分割ガスケットを採用しながらも、シール性能を高く維持することができるようになる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のガスケットを用いたシール構造体において、前記シール部材の締結前における前記凹部からの突出高さをW1、前記ガスケットの厚さをW2とするとき、それらW1及びW2が
W1>W2
なる関係に設定されてなることを要旨とする。
【0012】
通常、分割部分の隙間に圧縮されて充填されるシール部材の量は、凹部からはみ出すシール部材が多いほど多くなり、これに伴いシール部材に対する圧縮率も高くなる。そこで、上記構成によるように、シール部材の締結前における凹部からの突出高さW1をガスケットの厚さW2よりも高くすれば、シール部材の圧縮率を好適に高めることが可能となり、ひいては、シール部材によるシール性能が高められるようになる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のガスケットを用いたシール構造体において、前記分割体が互いに重ならず、且つ前記分割体の分割部分が、前記シールの対象となる2つの面のうちの前記凹部に対向するシール面と、前記凹部に充填されたシール部材とに支持されてなることを要旨とする。
【0014】
上記構成によれば、上記凹部に対向するシール面とシール部材とによって分割体の分割部分が支持されることにより、凹部に対向するシール面とシール部材との間に各分割体が固定され、ガスケット本来の形状が維持される。このため、分割成形された分割体によりガスケットを構成する上で、リベット等の固定部材によって各分割体同士を連結する必要がない。これにより、固定部材等によって分割体同士を連結する工程を割愛することが可能となり、上記シール構造体の生産効率が向上されるようになる。また、上記構成によれば、固定部材等が締結される締結用の領域を分割体に設ける必要もなく、分割体の形状をより簡易な形状とすることが可能ともなる。これにより、分割体そのものの生産効率の向上や、各分割体の梱包作業の簡易化が図られるようにもなる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスケットを用いたシール構造体において、前記ガスケットのシール面には、1ないし複数の貫通孔及び溝の少なくとも一方が設けられてなることを要旨とする。
【0016】
ガスケットが用いられる構造体は、通常の使用状態においては、上記ガスケットによるシール機能が維持されることにより、シール構造体の内部空間と外部空間とが隔離される。しかし、例えば、ガスケットが用いられる構造体が大量の水等の液体に浸された場合には、上記ガスケットとシール面との接触面に存在する微細な隙間を介してシール構造体の内部空間に液体が侵入する、いわゆる毛細管現象が発生することも懸念される。
【0017】
この点、上記構成によれば、ガスケットのシール面に貫通孔や溝が設けられたことにより、これら貫通孔や溝によって、毛細管現象による液体の侵入経路を途中で経つことや、液体の浸透経路の複雑化、延長化を図ることが可能となる。これにより、毛細管現象に起因するシール構造体の内部への液体の侵入を抑制することが可能となり、上記シール構造体としてのシール性がさらに向上されるようになる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスケットを用いたシール構造体において、前記シールの対象となる2つの面及び前記ガスケットが角部を有する環状をなし、前記ガスケットの分割部分が前記角部に設けられてなることを要旨とする。
【0019】
上記構成によるように、上記ガスケットの分割部分を上記角部に設けることとすれば、辺毎に分割された分割体によってガスケットを構成することが可能となる。これにより、ガスケットを形成する際には直線状の分割体を生成すればよく、ガスケットの各辺によって囲まれる部位での材料の削減が可能となり、ひいては、ガスケットの材料の歩留まりを高めることができるようになる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスケットを用いたシール構造体において、前記シール部材は独立気泡性のスポンジからなることを要旨とする。
【0021】
独立気泡性のスポンジは通常、シール性能が高く柔軟に変形させることが可能である。そこで、上記構成によるように、上記シール部材を独立気泡性のスポンジによって構成することとすれば、シール部材をガスケットの分割部位の隙間に容易に充填させることが可能になるとともに、このシール部材が充填される部分を的確にシールすることができるようになる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のガスケットを用いたシール構造体において、前記シールの対象となる2つの面は、二次電池が収容される電池収容箱を構成するアッパケース及びロアケースに締結用としてそれぞれ設けられたフランジの対向面であることを要旨とする。
【0023】
上記電池収容箱を備えて構成される組電池は通常、電気自動車やハイブリッド自動車の動力源もしくは動力補助源である電動モータの電力源として用いられることが多く、自動車の動力源として必要とされる電力を確保すべく電池収納箱の大型化に伴うガスケットの周長の長大化も避けられない。また、こうした電池収容箱においては、同電池収容箱内部に収容される二次電池や同二次電池の状態を管理する各種精密機器を水分や埃等から保護すべく、シール部分でのシール性能が特に求められる。そこで、上記構成によるように、上記シールの対象となる2つの面として、上記電池収容箱を構成するアッパケース及びロアケースに締結用としてそれぞれ設けられたフランジの対向面を対象とすれば、ガスケットの周長の長大化に起因するガスケットの材料の歩留まりを抑制しつつ、シール性能を維持した電池収容箱が実現可能となる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のガスケットを用いたシール構造体において、前記アッパケース及びロアケースは、モノコック構造をなすことを要旨とする。
上記構成によるように、上記アッパケース及びロアケースをモノコック構造として成形することとすれば、電池収容箱の内部空間と外部空間との隔離、及び電池収容箱としての剛性の確保を、モノコック構造として成形されたアッパケース及びロアケースのみによって担保することが可能となる。このため、電池収容箱の内部空間と外部空間とを隔離するための外部カバーや電池収容箱としての剛性の確保するためのフレーム等、上記電池収容箱を備えた組電池を構成する上で一般に必要とされる各構成部材を用いることなく、それらの機能を上記アッパケース及びロアケースに兼用させることが可能となる。これにより、上記電池収容箱を備えた組電池として上記ガスケットを用いたシール構造体を備えながらも構造上の簡略化が図られるようになり、ひいては、上記電池収容箱を備えた組電池としての部品数の削減が実現されるようになる。
【発明の効果】
【0025】
本発明にかかるガスケットを用いたシール構造体によれば、材料歩留まりの悪化を抑制可能な分割ガスケットを採用しながら、シール性能を高く維持することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明にかかるガスケットを用いたシール構造体の第1の実施形態について、適用対象とする組電池の外観を示す斜視図。
【図2】同組電池の構成例を示す分解斜視図。
【図3】同組電池を構成するロアケースの構成例を示す斜視図。
【図4】同組電池を構成するアッパケースの構成例を示す斜視図。
【図5】同組電池を構成するロアケース及びアッパケースを構成するフランジの一隅に形成されたシール構造体の拡大構造を示す斜視図。
【図6】同シール構造体を上面から見た平面構造を示す平面図。
【図7】(a)及び(b)は、図6のA−A線に沿った断面構造を示す図。
【図8】本発明にかかるガスケットを用いたシール構造体の第2の実施形態について、ガスケットを構成する分割体の概略構成を示す平面図。
【図9】同ガスケットが適用される組電池の構成例をガスケットとともに示す分解斜視図。
【図10】本発明にかかるガスケットを用いたシール構造体の第3の実施形態について、同ガスケットが適用される組電池の構成例をガスケットとともに示す分解斜視図。
【図11】折り部材が形成された分割体の概略構成を示す斜視図。
【図12】本発明にかかるガスケットを用いたシール構造体の第4の実施形態について、同ガスケットが適用される組電池の構成例をガスケットとともに示す分解斜視図。
【図13】(a)は、ロアフランジ部の短側部と、同短側部をシールする第1の分割体とを示す平面図。(b)は、第1の分割体のロアフランジ部の短側部への取り付け態様を示す平面図。
【図14】本発明にかかるガスケットを用いたシール構造体の第5の実施形態について、(a)は、シール面から見たガスケットの概略構成を示す平面図。(b)は、(a)のA−A線断面におけるガスケットの拡大断面構造を示す断面図。
【図15】(a)は、組み付け時における組電池を同組電池の短手方向から見た断面構造を示す断面図。(b)は、(a)の領域15aを拡大した組電池の部分断面構造を示す断面図。
【図16】本発明にかかるガスケットを用いたシール構造体の他の実施形態について、(a)は、シール面から見たガスケットの概略構成を示す平面図。(b)は、(a)のA−A線断面におけるガスケットの拡大断面構造を示す断面図。
【図17】本発明にかかるガスケットを用いたシール構造体の他の実施形態について、(a)は、シール面から見たガスケットの概略構成を示す平面図。(b)は、(a)のA−A線断面におけるガスケットの拡大断面構造を示す断面図。
【図18】本発明にかかるガスケットを用いたシール構造体の他の実施形態について、(a)〜(c)は、ガスケットの拡大断面構造の一例を示す断面図。
【図19】本発明にかかるガスケットを用いたシール構造体の他の実施形態について、(a)は、係合前における分割体の分割部分の一例を示す平面図。(b)は、係合後における分割体の分割部分の一例を示す平面図。
【図20】本発明にかかるガスケットを用いたシール構造体の他の実施形態について、(a)は、係合前における分割体の分割部分の一例を示す平面図。(b)は、係合後における分割体の分割部分の一例を示す平面図。
【図21】本発明にかかるガスケットを用いたシール構造体の他の実施形態について、(a)は、係合前における分割体の分割部分の一例を示す平面図。(b)は、係合後における分割体の分割部分の一例を示す平面図。
【図22】従来のガスケットの概略構成を示す斜視図。
【図23】従来のガスケットの製造工程を示す斜視図。
【図24】従来のガスケットの製造工程の一例として、打抜き加工の工程例を示す斜視図。
【図25】分割成形された従来のガスケットについて、その概略構成を示す図。
【図26】分割成形された従来のガスケットについて、分割部分の拡大構造を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1の実施の形態)
以下、本発明にかかるガスケットを用いたシール構造体を具体化した第1の実施の形態について図1〜図7を参照して説明する。
【0028】
図1に示すように、本実施の形態のシール構造体が適用される組電池100は、電気自動車もしくはハイブリッド自動車としてのトラックの車台の一部である車両フレームFrに設置されて、同トラックの動力源もしくは補助動力源となる電動モータに電力を供給する動力源である電力ユニットとして用いられる。
【0029】
また、こうした組電池100の分解構造を図2に示すように、本実施の形態の組電池100は、複数の電池モジュール210から構成される電池スタック200の収容体として、直方体状、いわゆる開口を有さない箱形状の二次電池が収容される電池収容箱を構成する矩形状の開口を有したロアケース110及びアッパケース120を有している。本実施の形態では、ロアケース110及びアッパケース120は、応力外皮構造、すなわちモノコック構造をなしており、ロアケース110及びアッパケース120の外板が応力に対する剛性体としての機能を有している。このように、ロアケース110及びアッパケース120が結合されて構成される開口を有さない箱形状の電池収容箱は、その箱体の内部に収容した電池スタック200を車両フレームFrから走行中の振動を受けた場合であれ保持できる程度の剛性を有する構造体、モノコック構造の構造体となる。
【0030】
このうちロアケース110は、図3に示すように、長手方向の左右両端に組電池100を車両フレームFrに取り付けるための三角形状の一対のキャリアブラケット111及び112を備えている。また、ロアケース110内部には、電池スタック200の状態を制御・管理するための管理機器300が収容される収容空間を形成する機器エリア100aと、電池スタック200が収容される収容空間を形成する電池エリア100bとに分割されている。また、電池エリア100b側にあってロアケース110の後側面の上端寄りには、電池スタック200の冷却に用いられた空気を組電池100の外部に排出する排気口113が3つ形成されている。なお、ロアケース110の全周には、締結用のロアフランジ部115が環状かつ矩形状に形成されており、同ロアフランジ部115が4つの角部を有する構成となっている。また、ロアフランジ部115には、ロアケース110にボルトとナットを用いてアッパケース120を取付けるための取付け孔114が複数形成されている。
【0031】
一方、アッパケース120は、図4に示すように、長手方向の前側面に、電池スタック200の冷却に用いられる空気を組電池100の外部から取り込むための吸気口121及び122を有している。また、アッパケース120の全周には、ロアケース110のロアフランジ部115に対向する締結用のアッパフランジ部124が環状かつ矩形状に形成されており、同アッパフランジ部124が4つの角部を有する構成となっている。また、アッパフランジ部124には、ロアケース110の取付け孔114に対応するそれぞれの位置にそれぞれ、ボルトを通すことのできる取付け孔123が形成されている。
【0032】
また、先の図2に示したように、上記ロアケース110には、フレーム130、トレイ140、ダクト150、電池スタック200、管理機器300が搭載される。このうちフレーム130は、電池スタック200をロアケース110に固定するための部材としてロアケース110に収容される。こうしたフレーム130には、電池スタック200に空気を供給するための空気流路が形成されたトレイ140が搭載される。このトレイ140には、組電池100の外部から取り込んだ空気を同トレイ140に供給するダクト150が連結される。そして、ロアケース110に上記フレーム130、トレイ140、ダクト150、電池スタック200、管理機器300が搭載された状態でアッパケース120が取り付けられることにより組電池100が構成される。
【0033】
ここで、このように構成される組電池100では、その内部に電池スタック200や管理機器300等が収容されることから、気密性及び水密性(防湿性)が要求される。特に本実施の形態では、組電池100が車室外に設置されることから、雨や埃等が含まれている外気から組電池100の内部空間を隔離すべく、ロアケース110とアッパケース120との取り付け部分となるロアフランジ部115及びアッパフランジ部124の対向面でのシール性が要求される。
【0034】
そこで、本実施の形態では、ロアケース110のロアフランジ部115とアッパケース120のアッパフランジ部124とが対向する面をシール対象の面として、それらの間に、各ロアフランジ部115及び124に対応する形状を有したガスケットが介在されるシール構造体を形成することとする。
【0035】
以下、本実施の形態のシール構造体について、図5〜図7を参照して詳述する。なお、図5は、先の図3に示した上記ロアケース110の一隅であるB部の拡大図を示しており、図6は、ガスケットが取り付けられたロアケース110の一隅を上面から見た拡大構造を示している。また、図7は、図6のA−A線におけるシール構造体の断面構造を示している。なお、図7(a)は、ロアケース110及びアッパケース120の取り付け前のシール構造体の断面構造を示しており、図7(b)は、ロアケース110及びアッパケース120の取り付け後のシール構造体の断面構造を示している。
【0036】
まず、図5に示すように、本実施の形態のガスケット400は、上記ロアフランジ部115及びアッパフランジ部124の形状に応じて環状かつ矩形状に形成されており、4つの角部を有する構成となっている。また、ガスケット400は、辺毎に分割された第1の分割体410及び第2の分割体420並びに図示は省略するが第3の分割体及び第4の分割体によって構成されている。これにより、ガスケット400が分割される部位となる分割部分は、同ガスケット400によりシールの対象とされるロアケース110及びアッパケース120のロアフランジ部115及び124の四隅(角部)に対応して設けられることとなる。また、ガスケット400は、ロアケース110の取付け孔114とアッパケース120の取付け孔123とに対応した取付け孔401を有しており、この取付け孔401にボルトが挿通される。なお、ガスケット400は、例えば金属プレートにシリコーン系ゴムやフッ素系ゴム、エチレンプロピレンゴム等がコーティングされたものが用いられる。
【0037】
こうしたガスケット400によりシールされるロアケース110のロアフランジ部115における上記アッパフランジ部124との対向面には、例えば第1の分割体410及び第2の分割体420によりシールの対象とされる第1のロアフランジ部115a及び第2のロアフランジ部115bが交差する隅において、シール部材SPが収容される凹部115cが形成されている。このように、本実施の形態では、ガスケット400によりシールされるロアフランジ部115における上記アッパフランジ部124との対向面の四隅に、それぞれ凹部が形成されるとともに同凹部にシール部材SPが収容される。そして、このように各凹部にシール部材SPが収容されたロアフランジ部115におけるアッパフランジ部124との対向面に上記ガスケット400が配置される。なお、シール部材SPとしては、例えば独立発泡性のスポンジが用いられており、シール部材SPの圧縮率がガスケット400の圧縮率よりも高くなるように設定されている。
【0038】
また、例えば第1の分割体410及び第2の分割体420の各先端には、図6に示すように、それぞれ凸部411及び凹部412と凹部421及び凸部422とが形成されており、これらが凹凸係合されている。さらに、第1の分割体410の先端には、締結に影響しないようにガスケット400の内周寄りに凸部413が形成されており、第2の分割体420の先端にも、締結に影響しないようにガスケット400の内周寄りに凸部423が形成されている。そして、第1の分割体410の凸部413に第2の分割体420の凸部423が積層された状態でリベット等の適宜の固定部材430によって第1の分割体410と第2の分割体420とが連結されることにより、分割構造を有したガスケット400が構成される。また、第1の分割体410と第2の分割体420とが連結された連結部分、換言すればガスケット400が分割される分割部分には、第1の分割体410及び第2の分割体420同士の間隙である分割空間Saが形成される。
【0039】
また、ロアケース110及びアッパケース120の組み付け前における図6のA−A線における断面構造を図7(a)に示すように、ガスケット400の分割部分に対応してロアフランジ部115に形成された凹部115cの長さWaは、第1の分割体410及び第2の分割体420の連結部分の間隙である分割幅Wbよりも長く形成されている(Wa>Wb)。
【0040】
また、本実施の形態では、シール部材SPの締結前における凹部115cからのシール部材SPの突出高さをW1、ガスケット400の厚さをW2とするとき、それらW1及びW2が以下の条件(イ)を満たす関係に設定される。
【0041】
W1>W2 …(イ)
そして、図7(b)に示すように、ロアケース110にアッパケース120が取り付けられると、シール部材SPは、第1の分割体410及び第2の分割体420の先端同士、すなわちガスケット400の分割部分で形成される分割空間Saの形状に応じて変形する。これにより、シールの対象となる他方の面であるアッパケース120のアッパフランジ部124におけるロアフランジ部115との対向面にシール部材SPが圧接される。こうして、シール部材SPは、ロアフランジ部115の凹部115c及び各分割体410及び420及びアッパフランジ部124によって囲まれる空間Sbに充填される。このとき、ロアフランジ部115にはシール部材SPが充填される凹部115cが形成されていることから、このシール部材SPがガスケット400の下面と凹部115cとの間で圧縮、充填される。このため、上記分割空間Saをシールする上でロアフランジ部115及び124の間にさらにシール部材SPを介在させたとしても、このシール部材SPの存在に起因するガスケット400の歪みや凹凸の発生を抑制することができるようになる。これにより、ガスケット400の分割部分での歪みや凹凸に起因する隙間の発生を抑制することができるようになり、ガスケット400を分割成形する上でガスケット400本来のシール性能を維持することができるようになる。なお、シール部材SPの突出高さW1は、シール部材SPの圧縮率やガスケット400の厚さW2により適宜設定すればよい。
【0042】
また、本実施の形態では、シール部材SPの圧縮率がガスケット400の圧縮率よりも高く設定されたことにより、ガスケット400よりシール部材SPの方が圧縮されやすくなる。それにより、シール部材SPが圧接されることで上記分割空間Saへの充填が促されるようになる。これにより、シール部材SPが柔軟に変形して分割空間Saに的確に充填されるようになる。さらに、本実施の形態では、凹部115cからの突出高さW1とガスケット400の厚さW2とが上記条件(イ)を満たす態様で設定される。このため、ロアフランジ部115の凹部からはみ出したシール部材SPが分割空間Saに充填されやすくなるとともに、シール部材SPのはみ出し量の増加に伴ってシール部材SPの圧縮率が高められる。
【0043】
このように本実施の形態では、ガスケット400の分割部分で発生した分割空間Saにはシール部材SPが充填されることとなり、シールの対象となる各ロアフランジ部115及び124の間がガスケット400及びシール部材SPによりシールされるようになる。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態にかかるガスケットを用いたシール構造体によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)シールの対象となるロアフランジ部115のアッパフランジ部124と対向する面に、ガスケット400の分割幅Wb以上の長さWaの凹部115cを形成することとした。そして、この凹部115cに、ガスケット400の分割空間Saの形状に応じて変形してシール対象となるアッパフランジ部124の対向面に圧接されるシール部材SPを充填させることとした。このため、分割構造を有するガスケット400を用いて2つのロアフランジ部115及び124をシールする上で、ガスケット400の分割部分での分割空間Saがシールされる。これにより、材料歩留まりの悪化を抑制可能な分割構造を有するガスケット400を採用しながら、シール性能を高く維持することができるようになる。
【0045】
(2)上記シール部材のSP圧縮率をガスケット400の圧縮率よりも高くすることとした。これにより、シール部材SPをガスケット400の分割部位の隙間に容易に充填させることが可能となり、シール部材SP及びガスケット400によるシール性能がより高められるようになる。また、シール部材SPの締結前におけるロアフランジ部115の凹部115cからの突出高さW1、ガスケットの厚さW2を上記条件(イ)を満たす態様で設定した。これにより、シール部材SPの圧縮率を好適に高めることが可能になるとともに上記分割空間Saを的確にシールすることが可能となる。
【0046】
(3)上記ガスケット400の分割部分を、シールの対象となるロアフランジ部115及び124の四隅に対応して設けることとした。このため、辺毎に分割された第1の分割体410及び第2の分割体420並びに第3の分割体及び第4の分割体によってガスケット400を構成することが可能となる。これにより、ガスケット400を形成する際には直線状の分割体を生成すればよく、ガスケット400の各辺によって囲まれる部位での材料の削減が可能となり、ひいては、ガスケット400の材料の歩留まりを高めることができるようになる。
【0047】
(4)上記シール部材SPを、独立気泡性のスポンジによって構成することとした。これにより、シール部材SPをガスケット400の分割部位の隙間に容易に充填させることが可能になるとともに、このシール部材SPが充填される部分を的確にシールすることができるようになる。
【0048】
(5)上記シールの対象となる環状の2つの面として、二次電池が収容される電池収容箱を構成するロアケース110及びアッパケース120に締結用としてそれぞれ設けられたロアフランジ部115及び124の対向面をシールすることとした。これにより、ガスケット400の周長の長大化に起因するガスケット400の材料の歩留まりを抑制しつつ、シール性能を維持した電池収容箱が実現可能となる。
【0049】
(6)上記ロアケース及びアッパケースとして、モノコック構造をなすロアケース110及びアッパケース120を用いることとした。このため、電池収容箱の内部空間と外部空間との隔離、及び電池収容箱としての剛性の確保を、モノコック構造として成形されたロアケース110及びアッパケース120のみによって担保することが可能となる。それゆえ、電池収容箱の内部空間と外部空間とを隔離するための外部カバーや電池収容箱としての剛性の確保するためのフレーム等、上記電池収容箱を備えた組電池を構成する上で一般に必要とされる各構成部材を用いることなく、それらの機能を上記ロアケース110及びアッパケース120に兼用させることが可能となる。これにより、上記電池収容箱を備えた組電池として上記ガスケット400を用いたシール構造体を備えながらも構造上の簡略化が図られるようになり、ひいては、上記電池収容箱を備えた組電池としての部品数の削減が実現されるようになる。
【0050】
(7)上記組電池100を、電気自動車もしくはハイブリッド自動車としてのトラックの車台の一部である車両フレームFrに設置されて、同トラックの動力源もしくは補助動力源となる電動モータに電力を供給する動力源である電力ユニットとして用いることとした。このため、組電池100が車室外に設置されるために特に気密性や水密性が要求される場合であっても、上記ガスケット400及びシール部材SPにより電池収容箱としての気密性及び水密性を確保することが可能となる。これにより、上記組電池100としての汎用性が高められるようになる。
【0051】
(第2の実施の形態)
次に、本発明にかかるシール構造体の第2の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に、図8及び図9を参照して説明する。なお、本実施の形態にかかるシール構造体も、その基本的な構成は第1の実施の形態のシール構造体と同等であり、本実施の形態においても第1の実施の形態と実質的に同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、重複する説明は割愛する。
【0052】
図8に示すように、本実施の形態のガスケット500は、上記ロアフランジ部115及びアッパフランジ部124の形状に応じて環状かつ矩形状に形成されており、4つの角部を有する構成となっている。また、ガスケット500は、辺毎に分割された第1の分割体510〜第4の分割体540によって構成されている。
【0053】
本実施の形態の分割体510〜540の両端には、ガスケット500の4つの頂点を結ぶ対角線に沿って傾斜する分割部分501が形成されている。そして、これら分割体510〜540の分割部分501が互いに係合されることにより、ガスケット500本来の形状が維持されるようになっている。
【0054】
また、本実施の形態の分割体510〜540は、リベット等の上記固定部材430が取り付けられる上記凸部413や凸部423を備えない構成となっている。さらに、本実施の形態の各分割体510〜540の両端寄りには、ロアケース110及びアッパケース120への各分割体510〜540の位置決めに用いられる位置決め孔502が取付け孔401の他にそれぞれ設けられている。なお、図示の都合上、取付け孔401は図8、図9には図示していない。
【0055】
図9に示すように、本実施の形態のガスケット500のロアケース110及びアッパケース120への組み付けに際しては、ロアケース110のロアフランジ部115の各辺の両端寄りに各々形成された例えば8つのスタッドボルト116が利用される。なお、各スタッドボルト116は、ロアケース110とアッパケース120とを連結する部材である。
【0056】
そして、各分割体510〜540は、各分割体510〜540に設けられた位置決め孔502に各スタッドボルト116が挿入される態様で、アッパケース120とロアケース110との連結前にロアフランジ部115上に位置決めされる。これにより、ロアケース110の取付け孔114とアッパケース120の取付け孔123とガスケット400の取付け孔401とにボルトを通す前に、ガスケット500を構成する分割体510〜540の各々が、ロアフランジ部115に確実に固定されることとなる。また、各分割体510〜540は、各位置決め孔502により規定の組み付け位置に案内されることにより、それらの各分割部分501がロアフランジ部115の凹部115cに充填されたシール部材SPに対応する位置に案内される。
【0057】
そして、ロアケース110のロアフランジ部115上に各分割体510〜540が位置決めされた状態で、アッパケース120のアッパフランジ部124が、各分割体510〜540を介してロアフランジ部115に取り付けられる。また、ロアフランジ部115に設けられたスタッドボルト116が、図示は省略するがアッパフランジ部124に設けられた取付け孔を介してナット等に螺着される。これにより、各分割体510〜540により構成されるガスケット500がロアフランジ部115とアッパフランジ部124との間に介在された状態で、ロアケース110とアッパケース120とが組み付けられる。
【0058】
そして、ロアフランジ部115とアッパフランジ部124とにより各分割体510〜540が圧接されることにより、各分割体510〜540が重ならない状態でそれぞれの分割部分501が、ロアフランジ部115の凹部115cに充填されたシール部材SPとアッパフランジ部124とに支持される。これにより、各分割体510〜540は、それら分割体510〜540を連結するための固定部材を用いることなくガスケット500本来の形状に維持される。また、本実施の形態では、各分割体510〜540に設けられた位置決め孔502にスタッドボルト116が挿入されることから、各分割体510〜540がロアフランジ部115の各辺に対応する予め規定された位置に的確に位置規制される。これにより、組電池100の使用時における各分割体510〜540の位置ずれ等が抑制されることとなり、ガスケット500としての信頼性が維持されるようになっている。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態にかかるガスケットを用いたシール構造体によれば、前記(1)〜(7)の効果が得られるとともに、さらに以下の効果が得られるようになる。
【0060】
(8)ガスケット500を構成する分割体510〜540を、互いに重ならないようにシール部材SPとアッパフランジ部124とによって支持することとした。このため、固定部材等によって各分割体510〜540の各分割部分501を連結することなく、シール部材SPとアッパフランジ部124とにより支持される各分割体510〜540によってガスケット500本来の形状を維持することが可能となる。これにより、各分割体510〜540の形状をより簡易なものとすることが可能となる。よって、各分割体510〜540の生産効率の向上や、ガスケット500の組み付け作業の簡易化等が図られるとともに、組電池100としての生産効率の向上が図られることとなる。
【0061】
(9)各分割体510〜540の両端に、スタッドボルト116に対応する位置決め孔502を設けることとした。これにより、各分割体510〜540の組み付け時において、各分割体510〜540を、シールの対象となるロアフランジ部115とアッパフランジ部124とに対応する位置により的確に案内することが可能となる。また、これにより、各分割体510〜540の組み付け後、組電池100の使用時においては、各分割体510〜540が所定の位置に位置規制されることとなり、ガスケット500によるシール機能を的確に担保することが可能となる。
【0062】
(第3の実施の形態)
次に、本発明にかかるシール構造体の第3の実施の形態を、第1及び第2の実施の形態との相違点を中心に、図10及び図11を参照して説明する。なお、本実施の形態にかかるシール構造体も、その基本的な構成は第1及び第2の実施の形態のシール構造体と同等であり、本実施の形態においても第1及び第2の実施の形態と実質的に同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、重複する説明は割愛する。
【0063】
図10に示すように、本実施の形態では、ロアケース110のロアフランジ部115のうちで相対的に長い2つの長側部115d及び115eに対応する第2の分割体520及び第4の分割体540が、位置決め用の折り部材521及び541を有する構成となっている。
【0064】
なお、ロアフランジ部115のうちの長側部115eは、排気口113が形成されるために途中から拡開する拡開部115fと直線状に延設された直線部115gとを有して形成されている。そして、本実施の形態では、こうした拡開部115f及び直線部115gを有した長側部115eに対応して、第2の分割体520の折り部材521が、例えば長側部115eのうちの直線部115gのみに対応する領域に設けられている。
【0065】
また、例えば第2の分割体520の拡大構造を図11に示すように、折り部材521は、シール面となるロアフランジ部115の長側部115e上に配置されて同長側部115eをシールするシール領域522からロアフランジ部115の内側へと直角に折り込まれるかたちで延設されている。
【0066】
そして、こうした第2の分割体520及び第4の分割体540がロアケース110に取り付けられる際には、折り部材521及び541がロアケース110の内側壁に当接されることにより、第2の分割体520及び第4の分割体540がロアケース110の長側部115d、115eに位置規制される。これにより、第2の分割体520及び第4の分割体540が、ロアケース110の長側部115d、115e上に的確に固定されることとなる。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態にかかるガスケットを用いたシール構造体によれば、前記(1)〜(9)の効果が得られるとともに、さらに以下の効果が得られるようになる。
【0068】
(10)分割体510〜540のうち、ロアフランジ部115の長側部115d、115eに対応する第2の分割体520及び第4の分割体540に、位置規制用の折り部材521及び541を設ける構成とした。これにより、予め分割された分割体510〜540によってガスケット500を構成しながらも、第2の分割体520及び第4の分割体540を、ロアフランジ部115の長側部115d、115eに的確に位置規制することが可能となる。また、上記構成によれば、第2の分割体520及び第4の分割体540に折り部材521及び541が設けられたことにより、各分割体510〜540の中でも相対的に長く形成される第2の分割体520及び第4の分割体540の剛性が高められる。これにより、第2の分割体520及び第4の分割体540の形状が安定して維持されるようになり、第2の分割体520及び第4の分割体540の搬送作業やロアフランジ部115への取り付け作業の効率化が図られるようにもなる。
【0069】
(第4の実施の形態)
次に、本発明にかかるシール構造体の第4の実施の形態を、第1及び第2の実施の形態との相違点を中心に、図12及び図13を参照して説明する。なお、本実施の形態にかかるシール構造体も、その基本的な構成は第1及び第2の実施の形態のシール構造体と同等であり、本実施の形態においても第1及び第2の実施の形態と実質的に同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、重複する説明は割愛する。
【0070】
図12に示すように、本実施の形態では、ロアフランジ部115のうちで相対的に短い2つの短側部115hに、この短側部115hに対応する第1の分割体510及び第3の分割体530を位置規制するための切り欠き115iがそれぞれ形成されている。また、短側部115h上に配置される第1の分割体510及び第3の分割体530(図示省略)には、切り欠き115iに対応する1対の切れ目511が形成されている。
【0071】
そして、図13(a)に例示するロアフランジ部115の短側部115h上に第1の分割体510が取り付けられる際には、図13(b)に示すように、第1の分割体510のうち、1対の切れ目511に挟まれる領域512がロアケース110の内側壁に向かって折り込まれる。こうして、領域512がロアケース110の内側壁側に折り込まれることにより、第1の分割体510(第3の分割体530)がロアケース110の短側部115hに位置規制される。
【0072】
以上説明したように、本実施の形態にかかるガスケットを用いたシール構造体によれば、前記(1)〜(9)の効果が得られるとともに、前記(10)に代えて以下の効果が得られるようになる。
【0073】
(10A)ロアフランジ部115の各短側部115hに切り欠き115iを形成するとともに、この短側部115hをシールする第1の分割体510及び第3の分割体530に切れ目511を形成することとした。これにより、予め分割された分割体510〜540によってガスケット500を構成しながらも、第1の分割体510及び第3の分割体530を、ロアフランジ部115の短側部115hに的確に位置規制することが可能となる。また、上記構成によれば、第1の分割体510及び第3の分割体530に切れ目511を形成するだけで、それら第1の分割体510及び第3の分割体530を、切り欠き115iが設けられロアフランジ部115の各短側部115hに位置規制することが可能となる。これにより、簡素化された第1の分割体510及び第3の分割体530の形状を維持しながらも、それら第1の分割体510及び第3の分割体530の位置規制を行うことが可能となり、分割体510〜540の形状の簡素化と位置規制との好適な両立が図られるようになる。
【0074】
(第5の実施の形態)
次に、本発明にかかるシール構造体の第5の実施の形態を、第1及び第2の実施の形態との相違点を中心に、図14及び図15を参照して説明する。なお、本実施の形態にかかるシール構造体も、その基本的な構成は第1及び第2の実施の形態のシール構造体と同等であり、本実施の形態においても第1及び第2の実施の形態と実質的に同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、重複する説明は割愛する。
【0075】
図14(a)に示すように、本実施の形態のガスケット600は、そのシール性を高めるべく、同ガスケット600によるシール面、すなわち、上記ロアケース110、並びにアッパケース120及びシール部材SPが当接される面に、複数の貫通孔601が例えば千鳥状に形成されている。これにより、本実施の形態では、同図14(a)に矢印で例示するように、ガスケット600のシール面において、ガスケット600により区画される内部空間と外部空間とを繋ぐ経路が、複数の貫通孔601を適宜迂回する複雑な経路となっている。
【0076】
また、図14(a)のA−A線におけるガスケット600の断面構造を図14(b)に示すように、ガスケット600に貫通孔601が形成されたことによって、同断面においてはガスケット600が2つの貫通孔601a、601bにより分断される構造となっている。
【0077】
次に、本実施の形態のシール構造体の作用を図15を参照して説明する。
図15に、本実施の形態のガスケット600が取り付けられた組電池100の短手方向における断面構造を示すように、組電池100の組み付け時においては、ガスケット600は、ロアケース110のロアフランジ部115とアッパケース120のアッパフランジ部124との間に介在される。これにより、組電池100の内部空間と外部空間とが、ガスケット600により隔離される。
【0078】
ここで、図15(a)の領域15aの拡大図を図15(b)に示すように、このように構成される組電池100が大量の水等の液体に浸されると、液体L1が組電池100の内部に侵入しようとする。
【0079】
そして、液体L1の大部分はガスケット600により遮断されるものの、一部の液体L2が、ガスケット600とロアフランジ部115及びアッパフランジ部124の間に存在する微細な隙間を介して、毛細管現象により組電池100の内部空間に這い上がろうとする。
【0080】
しかし、本実施の形態では、ガスケット600に貫通孔601a、601bが形成されていることにより、各貫通孔601a、601bの形成領域では毛細管現象が発生せず、液体L2の侵入が抑止される。すなわち、各貫通孔601a、601bによって、毛細管現象による液体の侵入経路が途中で遮断される。また、これら貫通孔601a、601b等を避けて液体L2が組電池100の内部空間に這い上がろうとしたとしても、複数の貫通孔601がガスケット600のシール面に千鳥状に形成されたことで毛細管現象による液体L2の這い上がり経路が複雑となっていることから、組電池100の内部への液体L2の侵入が抑制される。こうして、組電池100が大量の液体に浸されるような場合であっても、毛細管現象による組電池100内部への液体の侵入が的確に抑制され、組電池100の密閉状態が維持されることとなる。
【0081】
以上説明したように、本実施の形態にかかるガスケットを用いたシール構造体によれば、前記(1)〜(9)の効果が得られるとともに、さらに以下の効果が得られるようになる。
【0082】
(11)ガスケット600のシール面に、貫通孔601を千鳥状に複数形成することとした。このため、毛細管現象による液体の這い上がり経路が途中で遮断されたり、複雑化される。これにより、ガスケット600とロアフランジ部115及びアッパフランジ部124との間の微細な隙間を介した毛細管現象により組電池100内部へと液体が侵入しようとしたとしても、この液体の侵入を的確に抑制することが可能となり、組電池100の密閉状態を的確に維持することが可能となる。また、液体の侵入を的確に抑制することができるため、ガスケット600の幅を短くしても十分な性能を有することができる。そのため、ロアフランジ部115及びアッパフランジ部124の突出長も短くすることができ、組電池100を全体として小型化できる。また、本実施の形態では、ガスケット600に貫通孔601を設けており、それにより剛性が弱まる。剛性が弱まると、一般的には扱い難くなるが、本実施の形態では、ガスケット600が複数の分割体に分割されているため、剛体が弱まっても扱いが容易となる。
【0083】
なお、上記各実施の形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
・上記第5の実施の形態では、ガスケット600のシール面に、貫通孔601を千鳥状に複数形成することとした。これに限らず、ガスケット600に形成される貫通孔601の配列態様とは任意であり、例えば、ガスケット600の長手方向に沿って1列ないし複数列に所定の間隔で貫通孔を形成することもできる。また、組電池100の使用時において特に水等の液体が付着しやすい部分を特定し、この特定した部分に対応するガスケット600のシール面に貫通孔を集中的に形成することも可能である。
【0084】
・あるいは、先の図15(a)及び(b)に対応する図として図16(a)及び(b)に示すように、ガスケット600を周回する一つの貫通孔603を形成するようにしてもよい。同様に、図17(a)及び(b)に示すように、ガスケット600を周回する2つの貫通孔603、604をガスケット600の外周側と内周側とにそれぞれ形成するようにしてもよい。また、こうした貫通孔を、ガスケット600のシール面に所定の間隔で複数形成するようにしてもよい。
【0085】
・さらに、先の図15(b)に対応する図として図18(a)に示すように、ガスケット600のシール面のうち、一方のシール面のみに溝605を形成するようにしてもよい。同様に、図18(b)に示すように、ガスケット600の各シール面に同ガスケット600を周回する一対の溝605を形成することや、図18(c)に示すように、ガスケット600の各シール面に同ガスケット600を周回する複数の溝605を形成するようにしてもよい。要は、ガスケット600のシール面に形成する溝や貫通孔の数及び形成位置とは、毛細管現象による液体の侵入を抑制可能なものであればよく、適宜変更することができる。
【0086】
・上記第2〜第5の各実施の形態では、ガスケット500(600)を構成する分割体510〜540の分割部分501を、ガスケット500の対角線に沿った傾斜面として形成した。これに限らず、例えば、図19(a)及び(b)に示すように、係合対象となる各分割体に直交する面503によって、分割体510〜540の分割部分を形成するようにしてもよい。また、例えば、図20(a)及び(b)に示すように、互いに係合される凸部504及び凹部505によって、分割体510〜540の分割部分を形成するようにしてもよい。さらに、図21(a)及び(b)に示すように、互いに係合される複数の突起部506によって、分割体510〜540の分割部分を形成するようにしてもよい。これらの構成であれ、前記(10)に準じた効果を得ることは可能である。なお、図21(a)及び(b)に示す構成によれば、分割体510〜540の分割部分同士の接触長さが増大することから、分割部分同士の隙間を介した液体の這い上がり経路が延設されることとなり、分割部分同士の隙間を介した液体の侵入に対する抑止効果が好適に高められるようになる。
【0087】
・上記第3の実施の形態では、分割体510〜540のうち、ロアフランジ部115の各長側部115d、115eに対応する第2の分割体520及び第4の分割体540に、折り部材521及び541を設ける構成とした。また、上記第4の実施の形態では、ロアフランジ部115の各短側部115hに切り欠き115iを形成するとともに、この短側部115hをシールする第1の分割体510及び第3の分割体530に切れ目511を形成することとした。これに限らず、分割体510〜540のうち、ロアフランジ部115の長側部115d、115eに対応する第2の分割体520及び第4の分割体540に折り部材を設けるとともに、併せて、ロアフランジ部115の各短側部115hに形成された切り欠き115iに対応する第1の分割体510及び第3の分割体530に切れ目を設ける構成としてもよい。これにより、ガスケット500を構成する各分割体510〜540のいずれもがロアフランジ部115に位置規制されることとなり、各分割体510〜540をより安定した状態でロアフランジ部115に位置規制することが可能となる。またこの他、ロアフランジ部115の長側部115d、115eに切り欠きを設けるとともに、各長側部115d、115eをシールする第2の分割体520及び第4の分割体540に長側部115d、115eの切り欠きに対応する切れ目を設けるようにしてもよい。同様に、ロアフランジ部115の各短側部115hをシールする第1の分割体510及び第3の分割体530に、それら第1の分割体510及び第3の分割体530を各短側部115hに位置規制するための折り部材を設けるようにしてもよい。さらに、各分割体510〜540の各々に、複数の折り部材や複数の切れ目を設けるようにしてもよい。
【0088】
・上記第2〜第5の実施の形態では、各分割体510〜540の両端に、スタッドボルト116に対応する位置決め孔502を設けることとした。この他、位置決め孔502及びスタッドボルト116の位置とは、各分割体510〜540の両端やロアフランジ部115の各辺の両端に限らず、各分割体510〜540の途中やロアフランジ部115の各辺の途中であってもよい。また、これら位置決め孔502やスタッドボルト116の数も任意であり、適宜変更することができる。またこの他、各分割体510〜540のシール面の幅をスタッドボルト116に対応する部分を含まなくなるように矮小化したり、スタッドボルト116と各分割体510〜540のシール面とが重ならないようにスタッドボルト116の形成位置を変更するようにしてもよい。そして、位置決め孔502をガスケット500に形成しないようにしてもよい。この場合には、分割体510〜540の分割部分501が、ロアフランジ部115の凹部115cに充填されたシール部材SPとアッパフランジ部124とによって、ロアフランジ部115とアッパフランジ部124との間に位置規制されることとなる。
【0089】
・上記第1の実施の形態では、ガスケット400を、リベット等の適宜の固定部材430によって第1の分割体410及び第2の分割体420並びに第3の分割体及び第4の分割体を接続することによって構成することとした。これに限らず、各分割体を、接着剤や溶接等を用いて接続することも可能である。また、各分割体を接続せずに、ロアフランジ部115とアッパフランジ部124とで挟持することで、分割体の位置を固定してもよい。
【0090】
・上記各の実施の形態では、シール部材SPとして、独立発砲性のスポンジを用いることとした。これに限らず、シール部材SPの材料としては、上記ロアフランジ部115の凹部115c及びガスケットの分割空間Saに充填されてそれらをシールすることができる材料であればよい。
【0091】
・上記各の実施の形態では、凹部115cを、ロアケース110のロアフランジ部115におけるアッパケース120と対向する面に形成することとした。これに限らず、上記凹部115cを、アッパケース120のアッパフランジ部124におけるロアケース110と対向する面に形成するようにしてもよい。
【0092】
・上記各の実施の形態では、シール部材SPの圧縮率を上記ガスケット400の圧縮率よりも高くし、シール部材SPの締結前における上記凹部115cからの突出高さW1とガスケットの厚さW2とを、

W1>W2

なる関係に設定することとした。これに限らず、上記凹部115cに充填されるシール部材SPの変形を通じてガスケットの分割空間Saをシールすることさえできれば、上記シール部材の圧縮率を上記ガスケットの圧縮率以下することも可能である。また同様に、上記凹部115cに充填されるシール部材SPの変形を通じてガスケットの分割空間Saをシールすることさえできれば、シール部材SPの締結前における上記凹部115cからの突出高さW1とガスケットの厚さW2とを、

W1≦W2

なる関係に設定することも可能である。
【0093】
・上記各の実施の形態では、凹部115cの長さWaを、ガスケット400の分割幅Wbよりも大きくした。これに限らず、上記凹部115cに充填されるシール部材SPの変形を通じてガスケット400の分割空間Saをシールすることさえできれば、上記凹部115cの長さWaとガスケットの分割幅Wbとを等しく設定することも可能である。
【0094】
・上記各の実施の形態では、シールの対象となる環状の2つの面及びガスケット400の形状を各々対応する矩形状に形成するとともに、上記ガスケット400の分割部分をシールの対象となる各面の四隅に対応して設けることとした。これに限らず、上記ガスケット400の分割部分をシールの対象となる各面の四隅のうちの少なくとも一隅に設け、この分割部分に対応する位置に上記シール部材SPが収容される凹部115cを設ける構成としてもよい。また、分割部分を、矩形状のガスケットの辺の途中に設ける構成としてもよい。また、上記シールの対象の2つの面及びガスケットの形状とは、環状の矩形に限定されるわけではなく、例えば上記シールの対象の2つの面及びガスケットを楕円状もしくは円状に形成することも可能である。また、ガスケットは環状でなくてもよい。
【0095】
・上記各の実施の形態では、ロアケース110及びアッパケース120をモノコック構造とした。これに限らず、上記電池収容箱としては、上下一組のロアケース及びアッパケースによって構成される既存の電池収容箱を用いてもよく、電池収容箱を外気から隔離する外装カバー等の構成部材を別途備える構成としてもよい。
【0096】
・上記各の実施の形態では、組電池100を、電気自動車もしくはハイブリッド自動車からなるトラックの電源モータの電源ユニットとして車台の一部である車両フレームFrに設置することとしたが、これに限らず、組電池100は例えばトラックの車体、荷台等、任意の箇所に設置することが可能である。
【0097】
・上記各の実施の形態では、シールの対象となる環状の2つの面として、二次電池が収容される電池収容箱を構成するロアケース110及びアッパケース120に締結用としてそれぞれ設けられたロアフランジ部115及び124の対向面をシールすることとした。これに限らず、上記シール構造体によりシールされる対象としては、例えばハードディスクドライブ等をはじめとする電子機器を収容するケース等を構成する筐体及び蓋体の対向する面であってもよい。要は、上記シール構造体によりシールされる対象としては、ガスケットが介在される2つの面であれば本発明の適用は可能である。
【符号の説明】
【0098】
100…組電池、100a…機器エリア、100b…電池エリア、110…ロアケース、111…キャリアブラケット、113…排気口、114…取付け孔、115…ロアフランジ部、115a…第1のフランジ部、115b…第2のフランジ部、115c…ロアフランジ部の凹部、115d、115e…ロアフランジ部の長側部、115f…ロアフランジ部の拡開部、115g…ロアフランジ部の直線部、115h…ロアフランジ部の短側部、115i…切り欠き、116…スタッドボルト、120…アッパケース、121…吸気口、123…取付け孔、124…アッパフランジ部、130…フレーム、140…トレイ、150…ダクト、200…電池スタック、210…電池モジュール、300…管理機器、400…ガスケット、401…取付け孔、410…第1の分割体、411…第1の分割体の凸部、412…第1の分割体の凹部、413…第1の分割体の凹部凸部、420…第2の分割体、421…第2の分割体凹部、422…第2の分割体凸部、423…第2の分割体凸部、430…固定部材、500…ガスケット、501…ガスケットの分割部分、502…位置決め孔、510…第1の分割体、511…切れ目、512…切れ目による折り込み領域、520…第2分割体、521…折り部材、522…シール領域、530…第3の分割体、540…第4の分割体、600…ガスケット、601…貫通孔、601a…貫通孔、601b…貫通孔、603…貫通孔、604…貫通孔、605…溝、Fr…車両フレーム、SP…シール部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールの対象となる2つの面の間に複数の分割体として形成されたガスケットが介在されるガスケットを用いたシール構造体であって、
前記シールの対象となる面の一方であって且つ、前記分割体同士の間隙にあたる部分に設けられた凹部と、
前記凹部に充填されてなり、前記分割体同士の間隙の形状に応じて変形するシール部材と、
を備えるガスケットを用いたシール構造体。
【請求項2】
前記シール部材の締結前における前記凹部からの突出高さをW1、前記ガスケットの厚さをW2とするとき、それらW1及びW2が
W1>W2
なる関係に設定されてなる
請求項1に記載のガスケットを用いたシール構造体。
【請求項3】
前記分割体が互いに重ならず、且つ
前記分割体の分割部分が、前記シールの対象となる2つの面のうちの前記凹部に対向するシール面と、前記凹部に充填されたシール部材とに支持されてなる
請求項1または2に記載のガスケットを用いたシール構造体。
【請求項4】
前記ガスケットのシール面には、1ないし複数の貫通孔及び溝の少なくとも一方が設けられてなる
請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスケットを用いたシール構造体。
【請求項5】
前記シールの対象となる2つの面及び前記ガスケットが角部を有する環状をなし、前記ガスケットの分割部分が前記角部に設けられてなる
請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスケットを用いたシール構造体。
【請求項6】
前記シール部材は独立気泡性のスポンジからなる
請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスケットを用いたシール構造体。
【請求項7】
前記シールの対象となる2つの面は、二次電池が収容される電池収容箱を構成するアッパケース及びロアケースに締結用としてそれぞれ設けられたフランジの対向面である
請求項1〜6のいずれか一項に記載のガスケットを用いたシール構造体。
【請求項8】
前記アッパケース及びロアケースは、モノコック構造をなす
請求項7に記載のガスケットを用いたシール構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−97896(P2012−97896A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165325(P2011−165325)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(399107063)プライムアースEVエナジー株式会社 (193)
【Fターム(参考)】