説明

ガススプリングの装着装置

【課題】開閉カバー等のように、上下方向に回動する回動部材の重量を軽減するために装着されるガススプリングの組み付け作業の作業性を向上させる。
【解決手段】ビーム7aに蝶番12を介して上下方向に回動し、下方に向けて開く開閉カバー10が設けられ、この開閉カバー10にアーム14を設け、他のビーム7bにブラケット15を設けて、これらアーム14とブラケット15との間にガススプリング20を装着するために、ブラケット15には押動プレート21が固着して設けられ、この押動プレート21にはボルト挿通孔21aが設けられ、ビーム7bにはナット25が固着して設けられ、駆動用ボルト22を押動プレート21のボルト挿通孔21aに挿通させて、ナット25に螺挿することによりガススプリング20を所定の状態にまで縮小するように組み付けられて、ブラケット15をビーム7bに固定用ボルト23で固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉カバー等の回動部材を、その回動中心に対して上下方向に開閉するに当って、軽い負荷で回動操作できるようにするために設けられるガススプリングを装着するガススプリングの装着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、各種の機器類等を格納した格納室は、倉庫やその他の建屋に設けられる、この格納室には開閉カバーが設けられるが、開閉カバーは定置型の建屋や自走機械等に装着される。例えば、鉱山で稼働する油圧ショベル等、大型の建設機械には、各種の機器類等を格納するための建屋が設けられ、この建屋には開閉カバーが設けられる。開閉カバーはスライド式のものもあるが、蝶番を中心として回動させることにより開閉されるものがあり、その開閉方向は水平方向としたものもあるが、上下方向に向けて開閉されるものもある。
【0003】
ここで、上下方向に開閉する回動部材である開閉カバーにおいて、この開閉カバーを上方に向けて開放する構成とすると、閉鎖方向に開閉カバーの重力が作用し、下方に向けて開く構成としたときには、開放方向に開閉カバーの重力が作用する。この開閉カバーを人手で開閉する場合、軽量のものであれば、容易に開閉できるが、サイズや強度等の関係から、開閉カバーの重量が大きい場合には、人手作業で操作するのは不可能であるか、または困難になる。
【0004】
以上のことから、開閉カバーの開閉操作をアシストするために、ガススプリングを利用することは、例えば特許文献1にあるように、従来から広く行われている。この特許文献1においては、開閉カバーは建設機械のエンジン室の上面部に設けたエンジンカバーであって、このエンジンカバーは、その端部とエンジン室の固定部との間に蝶番を装着して、この蝶番を中心として上方に向けて開くように構成されている。従って、エンジンカバーを上方に向けて開く際に、その全重量に抗する力を作用させなければならない。
【0005】
そこで、エンジンカバーの開放時における操作力を軽減するために、エンジン室内とエンジンカバーとの間にガススプリングを架け渡して設け、エンジンカバーが閉鎖している状態で、ガススプリングを縮小状態とすることによって、エンジンカバーが開く方向に、つまり重力が作用する方向に対抗する方向にガス反力が作用するように構成している。従って、縮小したガススプリングに作用するガス反力分だけエンジンカバーの開放時における負荷が軽減される。また、エンジンカバーを閉鎖する際には、ガススプリングを縮小させることになり、そのストロークに応じて反力が増大することから、エンジンカバーの重力で衝撃的に閉鎖するのを防止でき、従ってエンジンカバーの閉鎖時における操作の安全性が確保され、かつ衝撃によるエンジンカバー等の変形や損傷を防止できることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−326099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したように、ガススプリングを用いれば、上下方向に開閉する開閉カバーの操作時における負荷の軽減が図られ、開閉カバーの開閉操作を軽い負荷で、円滑かつ安全に行うことができる。ここで、ガススプリングにより作用するガス反力は開閉カバーの重量に応じたものとして設定されることになる。開閉カバーが重量化すると、その分だけ大きなガス反力のガススプリングを必要とする。このために、ガススプリングは、所望のガス反力が蓄積されるようにして組み付けられることになる。
【0008】
つまり、開閉カバーの重量が大きい場合には、その分だけガススプリングを縮小させた状態にして組み付けることにより所望とする程度にまで重量を吸収させることになる。ただし、ガススプリングを組み付ける際に、大きなガス反力が作用している状態となっていると、ガススプリングの開閉カバーへの組み付け作業が困難になってしまう。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、開閉カバー等のように、上下方向に回動する回動部材の重量を軽減するために装着されるガススプリングの組み付け作業の作業性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するために、本発明は、固定部に設けた回動中心として回動部材を上下方向に回動させる際に、この回動部材の回動操作時に作用する重量に抗する方向にガス反力を作用させるようにしてガススプリングを装着するガススプリングの装着装置であって、前記回動部材に連結した前記ガススプリングの他端が前記固定部に摺動可能に設けたブラケットに取り付けられ、前記ブラケットにはボルト挿通孔を穿設し、前記固定部にはナットを固着して設け、駆動用ボルトを前記ボルト挿通孔に挿通させて、前記ナットに締め込むことによって、前記ガススプリングを設定したガス反力が生じるまで縮小させ、前記ブラケットと前記固定部との間を固定ボルトにより固定する構成としたことを特徴としている。
【0011】
回動部材は、固定部に対して蝶番等により連結されて、この蝶番を回動中心として回動可能に連結されものであって、回動部材としては、開閉カバーやパネル等各種のものがある。ここで、回動部材を回動させる操作は手動によるものであり、上下方向に回動させるものが対象となり、ガススプリングは上下いずれかの方向に回動させる際に、大きな重力が作用する場合に装着されるものである。
【0012】
回動部材が開閉カバーである場合には、上方に向けて開くものや、下方に向けて開くものがある。上方に向けて開く場合には、開閉カバーを開く際に、開閉カバーの重力が閉鎖方向に作用する。また、下方に向けて開く場合には、開閉カバーは開放する方向に向けて重力が作用する。従って、上方に開く場合には、ガススプリングは、開閉カバーが閉じる際に縮小し、開く際に伸長するようにして取り付けられる。また、開閉カバーが下方に向けて開く場合には、開閉カバーが開く際にガススプリングが縮小し、閉じる際にガススプリングが伸長するようにして取り付けられる。ここで、ガススプリングが縮小する方向でガス反力が増大し、伸長することによりガス反力が低下することになる。従って、ガススプリングの伸長する方向では荷重の軽減が図られ、重力が作用する方向に変位する際にはガススプリングが縮小する方向となって、増大するガス反力で緩衝作用を発揮する。
【0013】
ガススプリングを組み付けるに当って、固定部から分離した状態でブラケットに連結することによって、ガス反力が生じていない状態、つまり自由状態で組み付けることができる。従って、この作業は一人の作業者でも容易に行うことができる。その後、ブラケットに設けたボルト挿通孔に駆動用ボルトを挿通させて、固定部に固定して設けたナットに螺挿する。これによりブラケットは固定部の表面を摺動することになり、ガススプリングを設定したガス反力を発揮する位置まで縮小させることができる。ここで、駆動用ボルトは少なくとも1本設けるが、ブラケットの動作の安定性を勘案すると、複数本、例えば2本設けるのが望ましい。そして、ブラケットの駆動によりガススプリングが所定のガス反力を保持する位置まで変位した後に、ブラケットと固定部との間を固定ボルトで固定することになる。この固定ボルトは1本であっても良いが、複数本、好ましくは4本乃至それ以上とするのが望ましい。
【0014】
さらに、ブラケットの固定部に対して位置決めし、この固定部に沿って正確に摺動するようにガイドするガイド手段を備える構成とすることができる。ガイド手段としては、ブラケットに設けた長孔と、固定部に設けられ、長孔に係合する係合部材とから構成することができる。係合部材は、例えばピンや突起等から構成することもできるが、ねじを用いることもでき、ねじを用いたときには、ガイド手段としてだけでなく、ブラケットを固定する固定ボルトとしても機能させることができる。ガイド手段は、ブラケットの左右両側部をガイドするもの等であっても良い。ガイド部材から構成できる。
【発明の効果】
【0015】
重量物である回動部材の回動操作時における負荷を軽減するためにガス反力が作用する状態にガススプリングを組み付ける際に、その作業性が向上し、ガススプリングを容易に取り付けることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ガススプリングの装着装置が設けられる一例としての油圧ショベルの構成説明図である。
【図2】ガススプリングを回動部材としての開閉カバーに装着した状態を示す外観図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】ガススプリングを装着する前の状態を示す図2と同様の外観図である。
【図5】押動プレートの作動機構を示す断面図である。
【図6】押動プレートを図5の位置としたときの図2と同様の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。まず、図1に回動部材を構成する開閉カバーが設置される対象の一例として、油圧ショベルの構成を示す。図中において、1は下部走行体、2は上部旋回体である。下部走行体1は履帯を有するクローラ式の走行手段を備えている。上部旋回体2は旋回フレーム3を備えており、旋回フレーム3には、土砂の掘削等の作業を行うローダ式の作業手段4が装備されている。また、旋回フレーム3上には建屋5が設置されており、この建屋5の上部に、オペレータが搭乗して、機械を操作するための運転室6が設置されている。
【0018】
建屋5の内部にはエンジンが搭載されており、このエンジンを駆動することにより油圧ポンプを作動させ、この油圧ポンプからの圧油により、油圧シリンダや油圧モータが駆動され、もって下部走行体1による走行、上部旋回体2の旋回動作、作業手段4の駆動等が行われる。エンジンに燃料を供給するために、上部旋回体2上には燃料タンクが設けられる。そして、燃料が消費されると、その補給を行うことになる。また、上部旋回体には作動油タンクも設けられており、燃料ほどの頻度はないにしろ、作動油の補給も必要とし、また作動油が汚損されると、その交換も必要となる。さらに、エンジン冷却水の補給,バッテリ液やエンジンオイルの補給及び交換も行わなければならない。ここで、燃料タンク,作動油タンク,エンジン等の機器類は上部旋回体2の高所に設けられているので、それらに配管を接続して、地上から各種の液を供給したり、汚損された液を回収したりする。
【0019】
このために、図2及び図3に示したように、上部旋回体2の旋回フレーム3に開閉カバー10を設けて、この開閉カバー10に集中パネル11を装着する構成としている。そして、この集中パネル11には、所定数のカップリング部が設けられており、このカップリング部に燃料タンクからの配管を接続することによって、燃料を燃料タンクに補給する等の作業が行われる。ここで、開閉カバー10は、旋回フレーム3に設けた開口部に装着されるものであって、この開口部はメンテナンス空間としても利用される。従って、開閉カバー10は、旋回フレーム3の開口部を閉鎖する位置と、地上で集中パネル11のカップリング部に配管を接続できる位置との間で、上下方向に回動可能な構成としている。
【0020】
ここで、上部旋回体2には、固定部として、旋回フレーム3を構成するアンダーカバーの上部に複数のビーム7a,7b,・・・が設けられている。これらのうち、ビーム7aには蝶番12が装着されており、開閉カバー10はこの蝶番12を回動中心としてビーム7aに対して上下方向に回動可能となっている。そして、開閉カバー10には適宜のロック手段が設けられており、また開閉カバー10の下面には取っ手13が設けられている。図3に実線で示した位置が開閉カバー10の閉鎖位置であり、取っ手13を引き下げると、開閉カバー10が蝶番12の位置を中心として下方に回動することになり、同図に仮想線で示した開放位置となる。
【0021】
開閉カバー10は、閉鎖方向に向けて付勢するように構成されている。このために、ガススプリング20が設けられている。図2からも明らかなように、ガススプリング20は4本設けられており、それらの一端、つまりシリンダ20a側端部が開閉カバー10に固定的に設けたアーム14に連結されており、他端、つまりロッド20bの先端がブラケット15に取り付けられている。そして、ブラケット15は、蝶番12を設けたビーム7aと平行であって、しかもこのビーム7aから所定距離だけ離間した位置に設けた他のビーム7bに着脱可能に固定されるようになっている。
【0022】
アーム14及びブラケット15は、それぞれ左右一対の側板部14a,15aを備えており、これら側板部14a,15aは上方、つまり上部旋回体2の内部側に向けて突出している。そして、図4に示したように、これらアーム14及びブラケット15の側板部14a,15aにはそれぞれ軸支ピン16が設けられている。従って、開閉カバー10に設けたアーム14の側板部14aと、固定側であるビーム7bに設けたブラケット15の側板部15aとの間において、ガススプリング20のシリンダ20aの基端部と、ロッド20bの先端部とがそれぞれ軸支ピン16に軸支される。
【0023】
アーム14とブラケット15との間に介装されるガススプリング20は、図3に実線で示した閉鎖状態において、ある程度縮小させて、所定のガス反力を蓄積させた状態にして組み付けられる。従って、閉鎖状態では、開閉カバー10は閉鎖方向にガス反力によるばね力が作用している。ただし、開閉カバー10には重力が作用している。従って、ガススプリング20のばね力と開閉カバー10の重量とのバランスで、開閉カバー10のロックを解除しても、下方に向けて急激に回動しないように保持される。
【0024】
一方、同図に仮想線で示した開放状態にすると、ガススプリング20はさらに縮小することになり、ガス反力が増大して開閉カバー10が閉鎖する方向に向けてのばね力が蓄積される。従って、開閉カバー10を開放状態から閉鎖するために、この開閉カバー10を押し上げると、軽い負荷で閉鎖方向に向けて回動することになる。このために、開閉カバー10の重量が大きい場合でも、また開閉カバー10の閉鎖位置が高所であっても、容易に閉鎖することができる。
【0025】
以上のことから、ガススプリング20を大きなガス反力が作用する状態にして組み付けられる。通常、ガススプリング20の組み付けを行うには、例えばシリンダ20a側をアーム14の側板部14aに設けた軸支ピン16に係着させた状態となし、ロッド20bをガス反力に抗して縮小させた状態にしてブラケット15の側板部15aの軸支ピン16に係着させるが、前述したように、ガススプリング20を、そのガス反力が大きい状態で組み付ける作業は容易ではない。
【0026】
本発明では、ガススプリング20を、大きなガス反力が作用している状態で、つまり所定の状態にまで縮小させるようにして容易に組み付けることができるようにしている。このために、ブラケット15をビーム7bから分離した状態にして、ガススプリング20を自由状態、若しくは自由状態に近い状態でロッド20bの端部をブラケット15の側板部15aに係着させ、このブラケット15をビーム7bの所定の位置に固定できる構成としている。
【0027】
このブラケット15を駆動するための手段として、ブラケット15の底板部15bの後端部、つまりガススプリング20の延在方向とは逆方向の端部に逆L字状の押動プレート21がブラケット15と一体に設けられるか、または溶接等の手段で固着して設けられている。この押動プレート21を、駆動用ボルト22によって、ガススプリング20の端部に係着したブラケット15を、その固定部となるビーム7bの上面に沿って摺動させて、ガススプリング20を縮小する方向に移動させる構成としている。そして、ブラケット15が所定の位置まで摺動させた状態で、その底板部15bを複数の固定用ボルト23により固定するようにして組み付けられる。
【0028】
このために、図5に示したように、駆動用ボルト22は、押動プレート21に設けたボルト挿通孔21aに挿通され、ビーム7bには、透孔24が穿設されており、また押動プレート21と対面する側とは反対面に、ナット25が固着して設けられている。ナット25は駆動用ボルト22が螺挿されるものであり、押動プレート21に設けたボルト挿通孔21aは駆動ボルト22のボルト頭の外径より小さい孔径としている。そして、ボルト挿通孔21a,透孔24及びナット25を同一軸線状に配列させて、駆動用ボルト22をナット25に螺挿することによって、押動プレート21及びこの押動プレート21が固着されているブラケット15がアーム14に近接する方向に移動するようになる。ここで、ボルト挿通孔21a,透孔24及びナット25の軸線を一致させるために位置決めガイド機構が設けられており、このガイド機構は、ブラケット15の底板部15bには前後方向に向けて設けた長孔17と、ビーム7bに螺挿したガイド用ボルト26とからなり、ガイド用ボルト26は長孔17内に挿通されている。
【0029】
従って、図6に示したように、シリンダ20a側をアーム15に係着したガススプリング20を、ガス反力が作用しないか、または作用しても、僅かな作用力しか発揮しない程度にして、ロッド20bをブラケット15の軸支ピン16に係着させる。この状態では、ブラケット15に固着して設けた押動プレート21は、図5に示したように、ビーム7bの側面から間隔d分だけ離間している。
【0030】
そこで、ガイド用ボルト26をブラケット15の底面部15bに設けた長孔17に挿通させて、ビーム7bに螺挿することにより固定する。これによって、ブラケット15はビーム7bに対して左右方向の位置決めがなされ、ボルト挿通孔21a,透孔24及びナット25が一直線状に並ぶことになる。そして、駆動用ボルト22を、押動プレート21のボルト挿通孔21aに挿通させ、ブラケット15の透孔24を通過させて、ナット25に挿入させる。そして、駆動用ボルト22をナット25に螺挿すると、この駆動用ボルト22のボルト頭によって押動プレート21及びこの押動プレート21が固着されているブラケット15が前進する結果、ガススプリング20が縮小する。要するに、作業者は、駆動ボルト22を螺回するだけで、ガススプリング20を縮小させる方向に押動する力等を作用させる必要がなく、このために一人の作業者で組み付けられる。
【0031】
ブラケット15の底板部15bにボルト挿通孔27が設けられており、また図示は省略するが、ビーム7bの上面にはねじ孔が設けられており、ボルト挿通孔27がビーム7bのねじ孔と一致する位置までブラケット15が移動した位置が、ガススプリング20が設定されたガス反力を発揮する位置である。そこで、固定用ボルト23を装着することによって、ブラケット15が固定される。また、ガイド用ボルト26を締め付けるようにすると、ブラケット15の固定性がさらに向上する。ここで、固定用ボルト23を締め付ける際には、ブラケット15やガススプリング20から手を離さなければならないが、駆動ボルト22がナット25に螺挿された状態となっているので、ガス反力が作用する状態に組み付けられているガススプリング20のばね力によりブラケット15の位置がずれる等といったおそれはない。
【0032】
なお、ナット25に螺挿される駆動用ボルト22及び長孔17に挿通したガイド用ボルト26はそれぞれ左右に2本設ける構成としたが、その数は必ずしもこの本数である必要はなく、3本以上であっても、また1本であっても良い。そして、固定用ボルト23の数も4個としたが、この数も任意である。
【符号の説明】
【0033】
2 上部旋回体 7a,7b ビーム
10 開閉カバー 12 蝶番
14 アーム 15 ブラケット
16 軸支ピン 17 長孔
20 ガススプリング 21 押動プレート
22 駆動用ボルト 23 固定用ボルト
25 ナット 26 ガイド用ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部に設けた回動中心として回動部材を上下方向に回動させる際に、この回動部材の回動操作時に作用する重量に抗する方向にガス反力を作用させるようにしてガススプリングを装着するガススプリングの装着装置であって、
前記回動部材に連結した前記ガススプリングの他端が前記固定部に摺動可能に設けたブラケットに取り付けられ、
前記ブラケットにはボルト挿通孔を穿設し、前記固定部にはナットを固着して設け、駆動用ボルトを前記ボルト挿通孔に挿通させて、前記ナットに締め込むことによって、前記ガススプリングを設定したガス反力が生じるまで縮小させ、
前記ブラケットと前記固定部との間を固定ボルトにより固定する
構成としたことを特徴とするガススプリングの装着装置。
【請求項2】
前記固定部には、前記ブラケットを前記ガススプリングの固定部に近接・離間する方向に変位させるためのガイド手段を設ける構成としたことを特徴とする請求項1記載のガススプリングの装着装置。
【請求項3】
前記固定部は建設機械の上部旋回体フレームであり、前記回動部材は、この上部旋回体フレームの下方に向けて開く開閉カバーであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のガススプリングの装着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−112131(P2011−112131A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268328(P2009−268328)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】