説明

ガスセンサ

【課題】寿命を確保しつつ、被検出ガスを検出可能となるまでの起動時間の短いガスセンサを提供する。
【解決手段】水素濃度に対応した第1信号を出力する第1センサS1と、水素濃度に対応した第2信号を出力し、第1センサS1に対して耐久性が高くかつ起動の遅い第2センサS2と、第1センサS1及び第2センサS2への通電を制御すると共に、第1信号又は第2信号に基づいて水素濃度を検知するマイコン51と、を備え、マイコン51は、起動信号を検知した場合、第1センサS1及び第2センサS2への通電を開始し、第1センサS1が水素を検出可能となってから第2センサS2が水素を検出可能となるまで、第1信号に基づいて水素濃度を検知し、第2センサS2が水素を検出可能となった後、第2信号に基づいて水素濃度を検知し、第1センサS1の印加電圧を通常の電圧V1よりも低い所定電圧(0V)にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池車等の電源として着目されている燃料電池は、そのアノードから発電で消費されなかった水素(被検出ガス)を排出する。この水素は、燃料電池のカソードからのカソードオフガス(希釈用ガス)で希釈された後、車外(外部)に排出される。そして、このように車外に排出されるガス(希釈後ガス)中の水素濃度は、例えば、接触燃焼式の水素センサ(ガスセンサ)によって検出される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−249494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、接触燃焼式の水素センサは、その検出素子(触媒)が水素を燃焼させる所定温度以上となった後、水素濃度を検出可能となる。つまり、通電開始から所定の起動時間経過後、前記所定温度となる。このように水素センサの起動が遅れてしまうと、前記したように、水素センサが燃料電池車に搭載され水素の漏洩を検知するセンサである場合、燃料電池への水素供給を遅らせる必要があり、燃料電池の発電開始も遅れてしまう。
また、水素センサは、一般に高価であるので、その長寿命化が望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、寿命を確保しつつ、被検出ガスを検出可能となるまでの起動時間の短いガスセンサを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、被検出ガスの濃度に対応した第1信号を出力する第1センサと、被検出ガスの濃度に対応した第2信号を出力し、前記第1センサに対して耐久性が高くかつ起動の遅い第2センサと、前記第1センサ及び前記第2センサへの通電を制御すると共に、前記第1信号又は前記第2信号に基づいて被検出ガスの濃度を検知する制御手段と、を備え、前記制御手段は、起動信号(通電信号)を検知した場合、前記第1センサ及び前記第2センサへの通電を開始し、前記第1センサが被検出ガスを検出可能となってから前記第2センサが被検出ガスを検出可能となるまで、前記第1信号に基づいて被検出ガスの濃度を検知し、前記第2センサが被検出ガスを検出可能となった後、前記第2信号に基づいて被検出ガスの濃度を検知し、前記第1センサの印加電圧を通常電圧(後記する実施形態では、電圧V1)よりも低い所定電圧(後記する実施形態では、0V)にすることを特徴とするガスセンサである。
【0007】
このような構成では、第2センサは、第1センサ対して、耐久性は高いが、起動は遅い。言い換えると、第1センサは、第2センサに対して、耐久性が低いが、起動は早い。
なお、起動が遅いとは、通電開始から被検出ガスを検出可能な状態となるまでの時間が短いことを意味する。
【0008】
したがって、このような構成によれば、制御手段が、起動信号(後記する実施形態では、IGのON信号を検知したECUからの信号)を検知した場合、第1センサ及び第2センサへの通電を開始する。ここで、第1センサは、第2センサに対して起動が早いので、第1センサは早期に被検出ガスを検出可能な状態に近づく。
【0009】
そして、制御手段は、第1センサが被検出ガスを検出可能となってから第2センサが被検出ガスを検出可能となるまで、第1センサの第1信号に基づいて被検出ガスの濃度を検知する。ここで、第1センサは、前記したように、早期に被検出ガスを検出可能な状態に近づくので、制御手段が被検出ガスを検出可能となるまでの起動時間(ガスセンサ全体の起動時間)は、第2センサが被検出ガスを検出可能となるまで待つ場合に対して、つまり、第2センサのみを備えるガスセンサに対して、短くなる。
【0010】
そして、制御手段は、第2センサが被検出ガスを検出可能となった後、第2センサの第2信号に基づいて被検出ガスの濃度を検知し、第1センサの印加電圧を通常電圧よりも低い電圧にする。このように第1センサの印加電圧を低い所定電圧にするので、通電に伴う第1センサにおける発熱量が小さくなり、発熱に伴う第1センサの劣化が低減され、第1センサの寿命が確保される。
【0011】
前記ガスセンサにおいて、前記所定電圧は、前記第1センサで結露しない温度以上となる電圧であることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、所定電圧が第1センサで結露しない温度以上となる電圧であるので、第1センサの劣化を低減しつつ、第1センサにおける結露を防止できる。
【0013】
また、前記ガスセンサにおいて、前記被検出ガスは水素であり、前記第1センサは、水素を燃焼させて燃焼熱を生成する触媒金属から形成され露出した第1検出素子を備え、前記第1検出素子は、脱離温度以上になると、表面に付着した付着物(後記する実施形態ではシリコン)が脱離することでクリーニングされ、前記制御手段は、仮に前記第1センサに通電した場合において前記第2信号に基づく濃度の水素が燃焼したときにおける前記第1検出素子の温度が前記脱離温度以上であるとき、前記第1センサに通電し前記第1検出素子のクリーニングを開始することが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、制御手段が、仮に第1センサに通電した場合において第2信号に基づく濃度の水素が燃焼したときにおける第1検出素子の温度が脱離温度以上であるとき、第1センサに通電し第1検出素子のクリーニングを開始する。
すなわち、仮に第1センサに通電した場合において第2信号に基づく濃度の水素が燃焼したときにおける第1検出素子の温度が脱離温度以上でないとき、第1センサに通電せず、第1検出素子のクリーニングを開始しない。
このように、仮に第1センサに通電した場合において第1検出素子の温度が脱離温度以上であるときのみ、第1センサに実際に通電し第1検出素子のクリーニングを開始するので、クリーニングに伴う消費電力を抑えることができる。
【0015】
また、前記ガスセンサにおいて、前記第1検出素子のクリーニングを開始した場合において、前記制御手段は、前記第2センサの前記第2信号に基づいて、前記第1検出素子のクリーニングが実行されたか否か判定することが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、制御手段が、第2センサの前記第2信号に基づいて、第1検出素子のクリーニングが実行されたか否か判定することができる。
【0017】
また、前記ガスセンサにおいて、前記第1センサ及び前記第2センサは、同一のガス検出室に配置されていることが好ましい。
【0018】
このような構成によれば、第1センサ及び第2センサが同一のガス検出室に配置されているので、第1センサの雰囲気の水素濃度と、第2センサの雰囲気の水素濃度とが等しくなり易くなる。これにより、第2センサの水素濃度に対応した第2信号に基づいて、第1センサの第1検出素子のクリーニングを開始するか否か、実行されたか否かを、高精度で判定できる。
【0019】
また、前記ガスセンサにおいて、前記制御手段は、前記第1検出素子がクリーニング中であると判断される前記第2信号が所定のクリーニング時間継続した場合、前記第1検出素子のクリーニングが実行されたと判定することが好ましい。
【0020】
このような構成によれば、制御手段が、第1検出素子がクリーニング中であると判断される第2信号が所定のクリーニング時間継続した場合、第1検出素子のクリーニングが実行されたと判定できる。
【0021】
また、前記ガスセンサにおいて、前記制御手段は、停止信号を検知した場合、前記停止信号前の所定時間に、前記第1検出素子のクリーニングが実行されていないとき、停止時における前記第1検出素子のクリーニングを許可し、前記停止信号前の所定時間に、前記第1検出素子のクリーニングが実行されているとき、停止時における前記第1検出素子のクリーニングを禁止することが好ましい。
【0022】
このような構成によれば、制御手段は、停止信号を検知した場合、停止信号前の所定時間に、第1検出素子のクリーニングが実行されていないとき、停止時における第1検出素子のクリーニングを許可する。そして、この後、第1検出素子をクリーニングすることにより、第1検出素子をクリーニングした状態で、ガスセンサを停止状態とできる。
一方、制御手段は、停止信号を検知した場合、停止信号前の所定時間に、第1検出素子のクリーニングが実行されているとき、停止時における第1検出素子のクリーニングを禁止する。これにより、無駄な第1検出素子のクリーニングを減らし、クリーニングに伴う消費電力を抑えることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、寿命を確保しつつ、被検出ガスを検出可能となるまでの起動時間の短いガスセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る水素センサの側断面図であり、図3のX2−X2線断面に対応している。
【図3】本実施形態に係る水素センサの平断面図であり、図2のX1−X1線断面に対応している。
【図4】本実施形態に係る水素センサの回路図である。
【図5】第1検出素子(第1センサ)の温度とシリコン化合物(シリコン)の付着量との関係を示すグラフである。
【図6】水素濃度と第1検出素子(第1センサ)の温度との関係を示すグラフである。
【図7】検出室の温度と、補正係数α、βとの関係を示すマップである。
【図8】検出室の温度と、第1検出素子、第1補償素子の抵抗値との関係を示すグラフである。
【図9】水素濃度(推定された第1検出素子の温度)と、クリーニング時間Δt3との関係を示すマップである。
【図10】本実施形態に係る水素センサの起動時・通常時の動作を示すフローチャートの前半部分である。
【図11】本実施形態に係る水素センサの起動時・通常時の動作を示すフローチャートの後半部分である。
【図12】本実施形態に係る水素センサの停止時の動作を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態に係る水素センサの一動作例を示すタイムチャートである。
【図14】本実施形態に係る水素センサの一動作例を示すタイムチャートである。
【図15】変形例に係る水素センサの側断面図であり、図16のX4−X4線断面に対応している。
【図16】変形例に係る水素センサの平断面図であり、図15のX3−X3線断面に対応している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図14を参照して説明する。
【0026】
≪燃料電池システム≫
まず、水素センサ1(ガスセンサ)が組み込まれた燃料電池システム100を説明する。燃料電池システム100は、燃料電池車(移動体)に搭載されており、燃料電池スタック110(燃料電池)と、パージ弁113と、希釈器120と、水素センサ1と、ECU130(Electronic Control Unit、電子制御装置)と、を備えている。
【0027】
<燃料電池スタック>
燃料電池スタック110は、固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)であり、MEA(Membrane Electrode Assembly、膜電極接合体)をセパレータ(図示しない)で挟持してなる単セルが複数積層されて構成されている。MEAは、電解質膜(固体高分子膜)と、これを挟持するカソード及びアノードとを備えている。各セパレータには、溝や貫通孔からなるアノード流路111及びカソード流路112が形成されている。
【0028】
そして、水素(被検出ガス)が、水素タンク(図示しない)から配管111aを通ってアノード流路111(アノード)に供給され、酸素を含む空気が、外気を吸気するコンプレッサ(図示しない)から配管112aを通ってカソード流路112(カソード)に供給されると、アノード及びカソードに含まれる触媒(Pt等)上で電極反応が起こり、燃料電池スタック110が発電可能な状態となる。このように発電可能な状態の燃料電池スタック110と外部負荷(例えば走行用のモータ)とが電気的に接続され、電流が取り出されると、燃料電池スタック110が発電するようになっている。
【0029】
<パージ弁>
アノード流路111から排出された未消費の水素を含むアノードオフガスは、配管111bを通って配管111aに戻り、水素が循環するようになっている。配管111bは、配管113a、常閉型のパージ弁113、配管113bを介して、希釈器120に接続されている。そして、パージ弁113がECU130によって開かれると、水素、不純物(水蒸気、窒素等)を含むアノードオフガスが、配管113a等を通って、希釈器120に排出されるようになっている。したがって、水素センサ1に向かうガス(希釈後ガス)中の水素濃度は、パージ弁113の開く頻度や、後記するカソードオフガスの流量等に基づいて変化することになる。
【0030】
なお、ECU130は、例えば、燃料電池スタック110の最低セル電圧が所定電圧以下となった場合、燃料電池スタック110の発電特性(電流−電圧特性、IV特性)を回復させるため、パージ弁113を開くように設定されている。この場合において、ECU130は、セル電圧モニタ(図示しない)を介して、燃料電池スタック110を構成する各単セルの電圧(セル電圧)を監視している。
【0031】
<希釈器>
カソード流路112から排出されたカソードオフガス(希釈用ガス)は、配管112bを通って希釈器120に向かうようになっている。希釈器120は、アノードオフガス中の水素を、カソードオフガス等で希釈する容器であり、その内部に希釈空間を有している。そして、希釈後のガスは、配管120aを通って車外(外部)に排出されるようになっている。
【0032】
<ECU>
ECU130は、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されている。そして、ECU130は、IG131のON信号を検知した場合、水素センサ1に起動信号(起動指令)を出力し、IG131のOFF信号を検知した場合、水素センサ1に停止信号(停止指令)を出力するようになっている。IG131は、燃料電池システム100(燃料電池車)の起動スイッチであり、運転席周りに配置されている。
【0033】
≪水素センサの構成≫
水素センサ1は、図2〜図4に示すように、第1検出素子31A(第1センサS1)、第2検出素子31B(第2センサS2)で、水素を燃焼させることによって、配管120aを通流するガス中の水素濃度を検出する接触燃焼式のセンサである。
【0034】
水素センサ1は、所定の回路が形成された基板11と、基板11を収容する薄箱状のケース12と、ケース12の底壁部から鉛直下向きに延びる有底円筒状の素子ハウジング13と、検出室13aの温度を検出する温度センサ14と、素子ハウジング13の外側に取り付けられた円筒状のヒータ21と、ヒータ21の温度を検出する温度センサ22と、を備えている。
ただし、ヒータ21の形状・位置・数はこれに限定されず、例えば、素子ハウジング13内の検出室13aに、板状のヒータを複数備える構成としてもよい。
【0035】
ケース12は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂で形成されている。そして、ケース12は、配管120aの天壁部120bにボルトによって取り付けられている。
【0036】
<素子ハウジング>
素子ハウジング13は、水素を含むガスを取り込む検出室13a(ガス検出室)を有している。そして、検出室13aに、第1センサS1の第1検出素子31A及び第1補償素子32Aと、第2センサS2の第2検出素子31B及び第2補償素子32Bとが配置されている。すなわち、素子ハウジング13は、第1検出素子31A等を収容している。なお、このような素子ハウジング13は、ヒータ21の熱が検出室13aに伝達するように、熱伝導度の高い材料(SUS等の金属や、熱伝導度の高い樹脂)で形成されている。
【0037】
また、素子ハウジング13の底壁部には、平面視で円形のガス出入口13bが形成されている。そして、ガス出入口13bを介して、水素を含むガスが、検出室13aと配管120aとの間で、出入するようになっている。
【0038】
ガス出入口13bに蓋をするように、防爆フィルタ及び撥水フィルタ(いずれも図示しない)が設けられている。防爆フィルタは、防爆性を確保するためのフィルタであり、例えば、金属製のメッシュや多孔質体から構成される。撥水フィルタは、ガス(水素)の通過を許容するが、液体(水滴)の通過を許容しないフィルタであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン膜から構成される。
【0039】
<検出室用の温度センサ>
温度センサ14は、平面視で円形を呈する検出室13aの中心(円筒状の素子ハウジング13の中心軸線上)に配置されている(図3参照)。そして、温度センサ14は、検出室13aの温度を検出し、後記するマイコン51に出力するようになっている(図4参照)。
【0040】
また、温度センサ14は、平面視において、第1検出素子31A、第1補償素子32A、第2検出素子31B及び第2補償素子32Bに囲まれるように配置されている。具体的には、温度センサ14は、第1検出素子31A、第1補償素子32A、第2検出素子31B及び第2補償素子32Bが、その頂点(四隅)に配置された仮想的な長方形の中心(対角線の交点)に配置されている。
【0041】
これにより、温度センサ14の検出する検出室13aの温度は、第1検出素子31A、第1補償素子32A、第2検出素子31B及び第2補償素子32Bの雰囲気温度と略等しくなるようになっている。すなわち、1つの温度センサ14によって、4つの素子(第1検出素子31A等)の雰囲気温度が検出されるようにレイアウトされており、温度センサ14の部品点数の削減が図られている。
【0042】
<ヒータ>
ヒータ21は、抵抗器であって電気ヒータであり、後記するヒータ駆動回路52から通電されることで発熱する発熱体である。ヒータ21は、温度抵抗係数(抵抗温度係数)が大きく、その抵抗値とその温度とが線形関係となる材料で形成されている。このような特性を有する材料としては、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、銅(Cu)等の金属や、ニクロム、SUS等の合金から選択された少なくとも一種を使用できる。
【0043】
<ヒータ用の温度センサ>
温度センサ22は、ヒータ21の温度を検出し、後記するマイコン51に出力するようになっている(図4参照)。
【0044】
<第1センサ、第2センサ>
水素センサ1は、図4に示すように、第1センサS1(起動用センサ)と、第2センサS2(通常用センサ)と、を備えている。第1センサS1、第2センサS2は、後記するように、検出素子が一部異なるものの、いずれも接触燃焼式で水素濃度を検出するセンサである。
【0045】
第1センサS1は、第2センサS2に対して耐久性が低いが起動は早く、主に、水素センサ1の起動時(IG131のON時)、第2センサS2が水素を検出可能となるまでの間、水素濃度を検出するためのセンサである。一方、第2センサS2は、第1センサS1対して耐久性は高いが起動は遅く、主に、通常時に水素濃度を検出するためのセンサである。
【0046】
具体的には、第1センサS1は、通電開始から第1所定時間Δt1経過後、その第1検出素子31Aが良好に昇温し、水素濃度を良好に検出可能な状態となる(図13、図14参照)。また、第2センサS2は、通電開始から第2所定時間Δt2経過後、その第2検出素子31Bが良好に昇温し、水素濃度を良好に検出可能な状態となる(図13、図14参照)。そして、第1所定時間Δt1は、第2所定時間Δt2よりも短い(Δt1<Δt2)。
【0047】
第1センサS1、第2センサS2は、図4に示すように、同様のブリッジ回路で構成されている。以下、第1センサS1について詳細に説明し、その後、第2センサS2について異なる部分を説明する。
第1センサS1は、第1直列辺30と、第2直列辺40と、を備えている。
【0048】
<第1センサ−第1直列辺>
第1直列辺30は、第1検出素子31A(抵抗値R31)と第1補償素子32A(抵抗値R32)とを備え、第1検出素子31Aと第1補償素子32Aとが直列に接続されることで構成されている。
【0049】
第1検出素子31Aは、基板11から鉛直下向きに延びると共に第1直列辺30の一部を構成する金属製のステー31d、31dの下端に固定され、検出室13aに配置されており(図2、図3参照)、検出室13aに露出している。
第1補償素子32Aは、第1検出素子31Aと同様に、基板11から鉛直下向きに延びると共に第1直列辺30の一部を構成する金属製のステー32d、32dの下端に固定され、検出室13aに配置されている。
したがって、第1検出素子31Aの抵抗値R31、第1補償素子32Aの抵抗値R32は、検出室13aの温度(環境温度、雰囲気温度)に基づいて変化することになる。
【0050】
<第1検出素子>
第1検出素子31Aは、水素を触媒燃焼させる白金(Pt)や白金合金等の触媒金属から形成されており、その周面に白金(Pt)等の担持された触媒担体(触媒層)を備えていない。このような触媒金属としては、白金(Pt)の他に、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)や、これらの合金も使用できる。
【0051】
第1検出素子31Aは、前記した触媒金属から成る線材をコイル状に成形することで構成され、その表面は平滑な金属表面となっている。そして、この表面は触媒金属表面を構成し、この平滑な触媒金属表面(第1検出素子31Aの表面)に水素が直接接触するようになっている。このように、第1検出素子31Aがコイル状であることにより、熱容量(熱マス)が小さく、水素の燃焼熱が放熱し難くなり、第1検出素子31Aの温度が容易に上昇するようになっている。
ただし、第1検出素子31Aの形状は、コイル状に限定されず、例えば、薄膜状でもよい。
【0052】
このように、第1検出素子31Aは、触媒活性を有しており、第1検出素子31A自体に直接接触する水素と酸素とを触媒燃焼反応(酸化還元反応)させるようになっている。そして、水素が触媒燃焼反応すると、その燃焼熱によって第1検出素子31Aの温度が、上昇するようになっている。
したがって、第1検出素子31Aの温度、抵抗値R31は、(1)検出室13aの温度と、(2)水素の燃焼熱と、に基づいて変化することになる。
【0053】
<第1検出素子−熱容量、起動性、耐久性>
第1検出素子31Aは、前記したように、その熱容量(熱マス)が小さく昇温し易い。これにより、第1検出素子31Aは、第1センサS1への通電開始後、後記する第2検出素子31Bよりも速やかに昇温して水素を良好に検出可能な温度(触媒金属の活性温度)に到達し、早期に起動するようになっている。つまり、第1検出素子31Aは、第2検出素子31Bに対して、短時間で、水素濃度を検出可能な状態となる。
【0054】
ただし、第1検出素子31Aは、第2検出素子31Bに対して、耐久性は低い。そこで、本実施形態では、後記するように、第2検出素子31Bで水素濃度を検出可能となった後、第1センサS1の印加電圧を下げる、又はOFFすることにより(0V)、第1検出素子31Aの寿命を確保している。
【0055】
<第1検出素子−クリーニング機能>
また、このように触媒金属から形成される第1検出素子31Aは、クリーニング機能(水素の検出感度回復機能)を有している。第1検出素子31Aがクリーニングされるとは、第1検出素子31Aに付着したシリコン化合物(付着物)が、第1検出素子31Aから脱離し、水素の検出感度が回復することを意味する。
【0056】
詳細には、図5に示すように、本願発明者等は、シリコンの雰囲気下において、触媒金属(Pt等)から形成された第1検出素子31Aの温度が高くなるにつれて、第1検出素子31Aへのシリコン化合物の付着量(シリコン被毒量、(g))が増加するものの、所定の脱離温度範囲では、シリコン化合物の付着量が減少する、という知見を得ている。
【0057】
これは、脱離温度範囲では、第1検出素子31Aに付着しているシリコン化合物が、第1検出素子31Aから脱離しているためと考えられる。つまり、脱離温度範囲では、シリコン化合物の付着速度に対して、脱離速度が小さいながらも略同オーダー程度になっているためと考えられる。
【0058】
また、最適脱離温度において脱離速度は付着速度に略等しくなり、最適脱離温度を超えると再び脱離速度よりも付着速度が大きくなる、という知見を得ている。
さらに、脱離温度範囲では、第1検出素子31Aの温度が高くなるにつれて、シリコン化合物の付着量が減少し、最適脱離温度で付着量が最小になるという、知見を得ている。
さらにまた、第1検出素子31Aを、脱離温度範囲、好ましくは前記最適脱離温度を含む最適脱離温度範囲(例えば、「最適脱離温度−10℃」〜「最適脱離温度」の範囲)に昇温させることにより、第1検出素子31Aをクリーニングできる、という知見を得ている。
【0059】
そこで、本実施形態では、このような知見に基づいて、図5に示すように、最適脱離温度範囲の下限温度をクリーニングする際に目標とするクリーニング温度とし、図6に示すように、第1検出素子31Aをクリーング温度に昇温する方法として、クリーニング方法A、Bを採用している。
クリーニング方法Aは、通電(電圧:V1)による発熱と水素の燃焼熱による発熱とによって昇温する方法である。クリーニング方法Bは、通電(電圧:V3、V3>V1)のみによる発熱によって昇温する方法である。
【0060】
なお、図6は、第1検出素子31Aの温度が常温(25℃等)である場合を初期状態として例示している。また、図6では、水素濃度が増加するにつれて、水素の燃焼による昇温幅が大きくなり、さらに、水素濃度が3%以上の場合、クリーニング方法Aによって、クリーニング温度に到達することを例示している。
【0061】
<第1補償素子>
図4に戻って説明を続ける。
第1補償素子32Aは、触媒金属から成る線材をコイル状に成形したものの表面を、水素に対して不活性である不活性層でコーティングしたものである。不活性層は、アルミナ(Al)やシリカ(SiO)等の酸化金属や、金(Au)等の水素と反応しない純金属から形成される。すなわち、第1補償素子32Aに水素が接触しても、水素は触媒燃焼反応せず、燃焼熱は生成しない。これにより、第1補償素子32Aの温度、抵抗値R32は、(1)検出室13aの温度(環境温度、雰囲気温度)のみに基づいて変化することになる。
【0062】
<第1センサ−第2直列辺>
第2直列辺40は、第1抵抗41(抵抗値R41)と、第2抵抗42(抵抗値R42)とを備え、第1抵抗41と第2抵抗42とが直列に接続されることで構成されている。第1抵抗41及び第2抵抗42は、基板11上に取り付けられている(図2参照)。第1抵抗41の抵抗値R41、第2抵抗42の抵抗値R42は、固定値である。
【0063】
<第1直列辺、第2直列辺の接続状態>
第1直列辺30の両端と、第2直列辺40の両端とは、それぞれ接続されて入力端子T1、入力端子T2を構成している。入力端子T1、T2は、電圧発生回路53に接続されており、電圧発生回路53で発生した電圧VINが入力端子T1、T2に印加し、第1センサS1に通電するようになっている。
【0064】
第1直列辺30において、第1検出素子31Aと第1補償素子32Aとの間の中間点は、出力端子T3を構成し、第2直列辺40において、第1抵抗41と第2抵抗42との間の中間点は出力端子T4を構成している。出力端子T3、出力端子T4は、マイコン51に接続されており、出力端子T3、T4の電位差V1OUT(第1信号)が、マイコン51に出力されるようになっている。
【0065】
そして、第1抵抗41の抵抗値R41及び第2抵抗42の抵抗値R42は固定値であることに対して、第1検出素子31Aの抵抗値R31が(1)検出室13aの温度と(2)水素の燃焼熱とに基づいて変化し、第1補償素子32Aの抵抗値R32が(1)検出室13aの温度に基づいて変化するから、抵抗値R31と抵抗値R32との差に基づく、出力端子T3、T4の電位差V1OUTが、水素濃度に対応した第1信号として、マイコン51に出力されるようになっている。
【0066】
なお、検出室13aの温度が常温(25℃等)であり、水素濃度が0である場合、電位差V1OUTが0となるように、第1検出素子31Aの抵抗値R31、第1補償素子32Aの抵抗値R32、第1抵抗41の抵抗値R41及び第2抵抗42の抵抗値R42は、設定されている。
【0067】
<第2センサ>
次に、第2センサS2について、第1センサS1と異なる部分を説明する。
第2センサS2は、第1検出素子31Aに代えて第2検出素子31Bを、第1補償素子32Aに代えて第2補償素子32Bを、備えている(図4参照)。第2検出素子31B及び第2補償素子32Bは、検出室13aに配置されている(図3参照)。
【0068】
<第2検出素子>
第2検出素子31Bは、水素に対して活性である公知の素子であって、触媒抵抗体とも称されるものであり、コイル31aと、コイル31aを被覆した球状の担体31bと、担体31bに担持された酸化触媒31cと、を備えている。
コイル31aは、前記したヒータ21と同様に、白金(Pt)等の温度抵抗係数の大きい材料で形成されている。担体31bは、アルミナ等から形成された多孔質体である。酸化触媒31cは、水素に対して活性が高く、水素を酸化(燃焼)させる貴金属(白金等)から形成されている。
ただし、第2検出素子31Bは、コイル型に限定されず、その他に例えば、薄膜型でもよい。
【0069】
したがって、第2検出素子31Bの温度、抵抗値R31は、(1)検出室13aの温度(雰囲気温度、環境温度)と、(2)水素が酸化触媒31cに接触し、燃焼(酸化)したことによる燃焼熱と、に基づいて変化することになる。
【0070】
<第2検出素子−熱容量、起動性、耐久性>
このように、第2検出素子31Bは、ある程度の大きさの担体31bを備える構成であるから、前記した第1検出素子31Aに対して、その熱容量が大きく昇温し難い。これにより、第2検出素子31Bは、第2センサS2への通電開始後、第1検出素子31Aよりも緩やかに昇温して水素を良好に検出可能な温度(酸化触媒31cの活性温度)に到達し、第1検出素子31Aから遅れて起動、つまり、水素濃度を検出可能な状態となる。
【0071】
ただし、第2検出素子31Bは、前記したように、ある程度の大きさの担体31bを備える構成であるから、その耐久性は第1検出素子31Aよりも高い。つまり、第2検出素子31Bの寿命は、第1検出素子31Aよりも長い。
【0072】
<第2補償素子>
第2補償素子32Bは、水素に対して不活性である公知の素子であって、コイル32aと、コイル32aを被覆した球状の担体32bと、水素に対して不活性とするために担体32bの表面を被覆した不活性層(図示しない)と、を備えている。不活性層は、アルミナ(Al)やシリカ(SiO)等の酸化金属や、金(Au)等の水素と反応しない純金属から形成される。すなわち、第2補償素子32Bに水素が接触しても、水素は触媒燃焼反応せず、燃焼熱は生成しない。これにより、第2補償素子32Bの温度、抵抗値R32は、検出室13aの温度(雰囲気温度、環境温度)のみに基づいて変化することになる。
【0073】
そして、第2センサS2における出力端子T3、T4の電位差V2OUTが、水素濃度に対応した第2信号として、マイコン51に出力されるようになっている。
【0074】
なお、検出室13aの温度が常温(25℃等)であり、水素濃度が0である場合、電位差V2OUTが0となるように、第2検出素子31Bの抵抗値R31、第2補償素子32Bの抵抗値R32、第1抵抗41の抵抗値R41及び第2抵抗42の抵抗値R42は、設定されている。
【0075】
なお、ここでは、通常時、第1センサS1に印加する電圧V1と、第2センサS2に印加する電圧V1とが同一である構成を例示するが、第1センサS1、第2センサS2を構成する抵抗値等に基づいて適宜変更してもよい。例えば、通常時、第1センサS1の電圧V1’が、第2センサS2の電圧V1よりも低い構成でもよい(V1’<V1)。
【0076】
<第1検出素子等の配置状況>
第1検出素子31A、第1補償素子32A、第2検出素子31B及び第2補償素子32Bは、図3に示すように、同一の検出室13aに配置されており、第1検出素子31A等の雰囲気における水素濃度は略同一となるように構成されている。つまり、第1検出素子31Aの雰囲気における水素濃度と、第2検出素子31Bの雰囲気における水素濃度とは、略同一となる。これにより、後記するように、第2センサS2で検出される水素濃度に基づいて、第1センサS1のクリーニングが実行可能であるか否か、実行中であるか否か高精度で判定されるようになっている。
【0077】
<マイコン>
水素センサ1は、マイコン51(制御手段)を備えている。マイコン51は、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路等を含んで構成されており、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機能を発揮する。
【0078】
<マイコン−ヒータ制御機能>
詳細には、マイコン51は、温度センサ22から入力されるヒータ21の温度(及び/又は温度センサ14から入力される検出室13aの温度)に基づいて、検出室13aの温度が目標温度以上となるように、ヒータ駆動回路52を制御(PWM制御、ON/OFF制御、等)する機能を備えている。前記目標温度は、例えば、検出室13aでオフガスの水蒸気が結露しない結露防止温度以上に設定される。
【0079】
<マイコン−通電(電圧)制御機能>
また、マイコン51は、電圧発生回路53を制御して、第1センサS1、第2センサS2への通電を制御、つまり、第1センサS1、第2センサS2の印加電圧を独立して制御する機能を備えている。つまり、マイコン51は、第1センサS1、第2センサS2の駆動を制御したり、第1センサS1のクリーニングを制御したりする機能を備えている。
【0080】
<マイコン−補正機能>
また、マイコン51(補正手段)は、第1センサS1の電位差V1OUT(第1信号)と、補正係数αとを乗算し、電位差V1OUTを補正する機能を備えている。これにより、第1検出素子31Aと第1補償素子32Aとの個体差(雰囲気温度が同一とした場合において、温度変化に起因する抵抗値R31、R32の差)に基づく電位差V1OUTが補正、つまり、水素濃度のみに対応した電位差V1OUTに補正されるようになっている。
【0081】
ここで、補正係数αは、検出室13aの温度と、図7のマップとに基づいて算出される。ここでは、図7に示すように、検出室13aの温度が高くなるにつれて、補正係数αが大きくなる関係を例示している。これは、第1検出素子31A、第1補償素子32Aのコイル等が、完全に同一の仕様(コイルの長さ・太さ等)であることは難しく、図8に示すように、水素濃度を0とした場合において、第1検出素子31Aの抵抗値R31と、第1補償素子32Aの抵抗値R32とに差が形成され、この抵抗値の差が、検出室13aの温度変化に伴って変化するからである。
【0082】
なお、図8では、第1補償素子32Aの抵抗値R32が、第1検出素子31Aの抵抗値R31よりも大きく、検出室13aの温度が高くなるにつれて、抵抗値R32と抵抗値R31 との差が大きくなり、図7に示すように、補正係数αが大きくなる場合を例示しているが、これに限定されず、第1検出素子31A、第1補償素子32Aの仕様、第1センサS1への印加電圧の向き、等に基づいて、逆の傾向となる場合もある。また、図7のマップは、事前試験等によって求められ、マイコン51に記憶されている。
【0083】
これと同様に、マイコン51は、第2センサS2の電位差V2OUT(第2信号)と、補正係数β(図7参照)とを乗算し、電位差V2OUTを補正する機能を備えている。これにより、第2検出素子31Bと第2補償素子32Bとの個体差に基づく電位差V2OUTが補正、つまり、水素濃度のみに対応した電位差V2OUTに補正されるようになっている。
【0084】
そして、マイコン51は、水素濃度に対応した補正後の電位差V1OUT、電位差V2OUTに基づいて水素濃度を検知すると共に、電位差V1OUT、電位差V2OUT(又はこれを変換した信号)をECU130に出力するようになっている。
【0085】
<マイコン−クリーニング制御機能>
また、マイコン51は、第1検出素子31Aのクリーニングを制御する機能を備えている。
【0086】
<クリーニング方法A:通電発熱+水素燃焼発熱>
具体的には、マイコン51は、通常時(第2センサS2の起動完了後、第1センサS1:OFF、第2センサS2:ON)、前記したクリーニング方法A(通電発熱+水素燃焼熱)によって、第1検出素子31Aをクリーニング可能であるか否か判定する機能を備えている。
【0087】
詳細には、第1センサS1に電圧V1を印加した場合における第1検出素子31Aの温度(推定第1センサ温度)が、前記したクリーニング温度以上であるとき、クリーニング方法Aによって、第1検出素子31Aをクリーニング可能であると判定するように設定されている。
【0088】
この場合において、水素の燃焼による温度上昇幅は、第2センサS2で検出する水素濃度に基づいて算出され、水素濃度が高くなるにつれて温度上昇幅が大きくなる関係となっている。また、第2センサS2で検出する水素濃度は、後記するように、第2センサS2の電位差V2OUTを、補正係数βで補正した補正後の電位差V2OUTに基づいて算出される。これにより、水素の燃焼による温度上昇幅が高精度で算出され、クリーニングの可否が高精度で判定されるようになっている。
【0089】
なお、通電発熱による温度上昇幅は略固定値であり、事前試験等により求められる。
【0090】
そして、マイコン51は、推定第1センサ温度がクリーニング温度以上であり、実際に第1センサS1に電圧V1を印加し、実際にクリーニングを開始した場合において、(1)第2センサS2を介してクリーニング温度以上となる水素濃度(第1検出素子31Aがクリーニング中であると判断される第2信号)が継続して検出され、かつ、(2)クリーニング開始からクリーニング時間Δt3経過したとき、今回クリーニングは完了した(実行された)と判定する機能を備えている。
【0091】
なお、クリーニング時間Δt3は、クリーニング開始時における水素濃度と、図9のマップとに基づいて算出される。図9のマップは、事前試験等によって求められマイコン51に予め記憶されており、水素濃度が高くなるにつれて、クリーニング時間Δt3が短くなる関係となっている。これは、水素濃度が高くなると、推定第1センサ温度が高くなり、シリコンが速やかに脱離するからである。この他、推定第1センサ温度と図9のマップとに基づいて、クリーニング時間Δt3を算出してもよい。
また、クリーニング中、水素濃度が変化する場合もあるので、クリーニング中における水素濃度の変化に基づいて、クリーニング時間Δt3を補正、例えば、水素濃度が高くなると、クリーニング時間Δt3が短くなるように補正してもよい。
【0092】
そして、マイコン51は、このようなクリーニング方法Aによる第1検出素子31Aのクリーニングが完了した場合、時刻と関連付けて、その履歴を記憶する機能を備えている。
【0093】
<クリーニング方法B:通電発熱>
また、マイコン51は、IG132のOFF時(停止信号の検知時)、IG132のOFF前の第4所定時間Δt4に、前記したクリーニング方法Aによるクリーニングが完了していない場合、前記したクリーニング方法B(通電発熱)によって、第1検出素子31Aのクリーニングを開始させる機能を備えている。第4所定時間Δt4は、事前試験等により求められ、例えば、数分〜数10分に設定される。
【0094】
詳細には、マイコン51は、第1センサS1に電圧V3(V3>V1)を印加して、第1検出素子31Aをクリーニング温度に昇温させ、クリーニング方法Bによるクリーニングを開始させる機能を備えている。そして、マイコン51は、このクリーニングの開始から、第5所定時間Δt5経過した場合、クリーニング方法Bによる第1検出素子31Aのクリーニングが完了したと判定する機能を備えている。
ここで、電圧V3、第5所定時間Δt5は、事前試験等により求められ、マイコン51に記憶されている。
【0095】
<ヒータ駆動回路、電圧発生回路>
水素センサ1は、ヒータ駆動回路52と、電圧発生回路53と、を備えている。
ヒータ駆動回路52は、DC−DCコンバータ等を備えて構成され、外部電源61(12Vバッテリ等)と接続されている。そして、ヒータ駆動回路52は、マイコン51の指令に従って、外部電源61からの電力を、その電流値を可変しつつ、ヒータ21に供給する機能を備えている。
【0096】
電圧発生回路53は、DC−DCコンバータ等を備えて構成され、外部電源62(例えば12Vバッテリ)と接続されている。そして、電圧発生回路53は、マイコン51の指令に従って、第1センサS1、第2センサS2に、所定電圧(0V、V1、V2、V3等)を印加するようになっている。
【0097】
≪水素センサの動作・効果≫
次に、水素センサ1の動作・効果について説明する。
【0098】
<起動時・通常時−動作>
図10、図11を参照して、水素センサ1の起動時・通常時の動作を説明する。
なお、IG131がONされると、そのON信号を検知したECU130は、水素センサ1を起動させるべく、IG131のON信号に連動した起動(通電)信号をマイコン51に出力する。そして、マイコン51は、図10、図11に示す一連の処理を開始する。
また、ECU130は、遮断弁(図示しない)を開いてアノード流路111に水素を供給し、コンプレッサ(図示しない)を作動させてカソード流路112に空気を供給し、燃料電池スタック110の発電を開始する。
【0099】
ステップS101において、マイコン51は、電圧発生回路53を制御して、第1センサS1、第2センサS2に、電圧V1(通常電圧)をそれぞれ印加し、第1センサS1、第2センサS2への通電を開始する。そうすると、第1検出素子31A、第2検出素子31Bの温度は、通電により上昇し始める。
この場合において、第1検出素子31Aの耐久性は低いので、第1センサS1の電圧V1’を、第2センサS2の電圧V1よりも低くしてもよい(V1’<V1)。
【0100】
ステップS102において、マイコン51は、ステップS101における第1センサS1等への通電開始から、第1所定時間Δt1経過したか否か判定する(図13、図14参照)。
【0101】
第1所定時間Δt1経過したと判定した場合(S102・Yes)、マイコン51は、第1センサS1の起動が完了、つまり、第1検出素子31Aが良好に昇温し、水素濃度を良好に検出可能になったと判断し、マイコン51の処理はステップS103に進む。
一方、第1所定時間Δt1経過していないと判定した場合(S102・No)、マイコン51はステップS102の判定を繰り返す。
【0102】
ステップS103において、マイコン51は、第1センサS1で水素濃度を検出する。
具体的には、マイコン51は、第1センサS1からの電位差V1OUTと、補正係数αとを乗算し、補正後の電位差V1OUTを算出する。なお、補正係数αは、温度センサ14を介して検出される検出室13aの温度と、図7のマップとに基づいて、算出される。そして、マイコン51は、補正後の電位差V1OUTを(又はこれに対応した信号)をECU130に出力する。
【0103】
ステップS104において、マイコン51は、ステップS101における第2センサS2等への通電開始から、第2所定時間Δt2経過したか否か判定する(図13、図14参照)。
【0104】
第2所定時間Δt2経過したと判定した場合(S104・Yes)、マイコン51は、第2センサS2の起動が完了、つまり、第2検出素子31Bが良好に昇温し、水素濃度を良好に検出可能になったと判断し、マイコン51の処理はステップS105に進む。
一方、第2所定時間Δt2経過していないと判定した場合(S104・No)、マイコン51はステップS104の判定を繰り返す。
【0105】
ステップS105において、マイコン51は、第2センサS2で水素濃度を検出する。
具体的には、マイコン51は、第2センサS2からの電位差V2OUTと、補正係数βとを乗算し、補正後の電位差V2OUTを算出する。なお、補正係数βは、温度センサ14を介して検出される検出室13aの温度と、図7のマップとに基づいて、算出される。そして、マイコン51は、補正後の電位差V2OUTを(又はこれに対応した信号)をECU130に出力する。
【0106】
ステップS106において、マイコン51は、第1センサS1をOFFする。つまり、第1センサS1への印加電圧を0V(通常の電圧V1よりも低い所定電圧)とする。
ただし、0Vとせず、第1センサS1に電圧V2を印加する構成としてもよい。電圧V2は、電圧V1(通常電圧)よりも低い電圧であって、電圧V2が印加されることで、第1検出素子31Aで結露が防止される温度以上となる電圧であることが好ましい。
【0107】
ステップS107において、マイコン51は、前回クリーニングの完了(後記するステップS111・Yesの後)から、第6所定時間Δt6経過したか否か判定する。第6所定時間Δt6は、クリーニングの連続による第1検出素子31Aの劣化を防止するため、クリーニングを中断可能と判断される時間であり、事前試験等によって求められる。
【0108】
第6所定時間Δt6経過したと判定した場合(S107・Yes)、マイコン51の処理は、ステップS108に進む。一方、第6所定時間Δt6経過していないと判定した場合(S107・No)、マイコン51はステップS107の判定を繰り返す。なお、IG132のON後の初回判定の場合、「Yes」と判定される。
【0109】
ステップS108において、マイコン51は、推定第1センサ温度(第1検出素子31Aの推定温度)が、前記したクリーニング温度(図5、図6参照)以上であるか否か、つまり、クリーニング方法Aによる第1検出素子31Aのクリーニングが実行可能であるか否か判定する。
【0110】
推定第1センサ温度はクリーニング温度以上であると判定した場合(S108・Yes)、マイコン51の処理はステップS109に進む。一方、推定第1センサ温度はクリーニング温度以上でないと判定した場合(S108・No)、マイコン51の処理はステップS106に進む。
【0111】
ステップS109において、マイコン51は、第1検出素子31A(第1センサS1)のクリーニングを開始する(図13参照)。
具体的には、マイコン51は、電圧発生回路53を制御して、第1センサS1、第2センサS2に、電圧V1(通常電圧)をそれぞれ印加する。そうすると、第1検出素子31Aは、通電による発熱と水素の燃焼熱とによって、クリーニング温度に昇温し(図6参照)、第1検出素子31Aに付着していたシリコン化合物が脱離し始める。
【0112】
ステップS110において、マイコン51は、現在の水素濃度と、図9のマップとに基づいて、第1検出素子31Aのクリーニングを完了させるために必要なクリーニング時間Δt3を算出する。
【0113】
ステップS111において、マイコン51は、第1検出素子31Aのクリーニングが完了したか否か判定する。具体的には、ステップS109におけるクリーニングの開始から、ステップS110で算出したクリーニング時間Δt3経過した場合、クリーニングは完了したと判定する。
【0114】
クリーニングは完了したと判定した場合(S111・Yes)、マイコン51の処理はステップS112に進む。一方、クリーニングは完了していないと判定した場合(S111・No)、マイコン51の処理はステップS113に進む。
【0115】
ステップS112において、マイコン51は、クリーニングの履歴、完了時刻を記憶する。
その後、マイコン51の処理は、ステップS106に進む。
【0116】
ステップS113において、マイコン51は、現在の推定第1センサ温度がクリーニング温度以上であるか否か判定する。
【0117】
推定第1センサ温度はクリーニング温度以上であると判定した場合(S113・Yes)、マイコン51の処理はステップS111に進む。なお、この場合は、現在クリーニング中である場合である。
【0118】
推定第1センサ温度はクリーニング温度以上でないと判定した場合(S113・No)、マイコン51の処理はステップS106に進む。なお、この場合は、例えば、オフガス中の水素濃度が低下し、これにより、水素の燃焼熱による昇温幅が小さくなり、第1センサS1のクリーニングが中断された場合である。
【0119】
<起動時・通常時−効果>
水素センサ1の起動時・通常時の効果を説明する。
水素センサ1の起動時、起動の早い第1センサS1で水素濃度を検出するので(S103)、水素センサ1全体として、水素を検出可能となるまでの起動時間が短くなる。そして、第2センサS2の起動完了後(第2所定時間Δt2経過後)、第1センサS1をOFFするので、第1センサS1の寿命を確保できる。
【0120】
また、通常時(第1センサS1:OFF、第2センサS2:V1)、第2センサS2で検出される水素濃度に基づいて、クリーニング方法Aによる第1検出素子31Aのクリーニング可能であると判定される場合(S108・Yes)、実際に第1センサS1に通電し、クリーニングを開始するので(S109)、クリーニングに伴う消費電力を抑えることができる。
【0121】
また、クリーニング方法Aによる第1検出素子31Aのクリーニングの開始後、第1検出素子31Aがクリーニング中であると判断される水素濃度(第2信号)が、クリーニング時間Δt3継続して検出された場合(S111・Yes)、第1検出素子31Aのクリーニングが実行されたと判定するので、第1検出素子31Aのクリーニングの実行の有無を高精度で判断できる。
【0122】
<停止時−動作>
図12を参照して、水素センサ1の停止時の動作を説明する。
なお、IG131がOFFされると、そのOFF信号を検知したECU130は、水素センサ1を停止させるべく、IG131のOFF信号に連動した停止信号をマイコン51に出力する。そして、マイコン51は、図12に示す一連の処理を開始する。
また、ECU130は、配管111aの遮断弁(図示しない)を閉じてアノード流路111への水素を停止し、コンプレッサ(図示しない)を停止させてカソード流路112への空気を停止し、燃料電池スタック110の発電を停止する。
【0123】
ステップS201において、マイコン51は、IG132のOFF前の第4所定時間Δt4に、第1センサS1(第1検出素子31A)のクリーニングが完了しているか否か(実行されているか否か)判定する。
【0124】
クリーニングは完了していると判定した場合(S201・Yes)、マイコン51の処理はステップS202に進む(図13参照)。そして、このように進む場合、ステップS203の処理(第1センサS1のクリーニング)が実行されないので、「S201・Yes」の場合が停止時におけるクリーニングの禁止に対応している。
【0125】
一方、クリーニングは完了していないと判定した場合(S201・No)、マイコン51の処理はステップS202に進む(図14参照)。そして、このように進む場合、ステップS203で第1センサS1のクリーニングが実行されるので、「S201・No」の場合が停止時におけるクリーニングの許可に対応している。
【0126】
ステップS202において、マイコン51は、第1センサS1、第2センサS2をOFF、つまり、通電を停止(電圧:0V)する。
その後、マイコン51の処理はエンドに進み、水素センサ1は停止状態となる。
【0127】
ステップS203において、マイコン51は、前記したクリーニング方法B(図6参照)による第1センサS1のクリーニングを開始する。
具体的には、マイコン51は、第1センサS1に電圧V3(V3>V1)を印加すると共に、第2センサS2をOFF(電圧:0V)する。
そうすると、第1センサS1の第1検出素子31Aは、通電によりクリーニング温度(図6参照)に昇温し、第1検出素子31Aのクリーニングが開始される。
【0128】
ステップS204において、マイコン51は、第1検出素子31Aのクリーニングが完了したか否か判定する。具体的には、ステップS203におけるクリーニングの開始から、第5所定時間Δt5経過した場合、クリーニングは完了したと判定される。
【0129】
クリーニングは完了したと判定した場合(S204・Yes)、マイコン51の処理は、ステップS202に進む。一方、クリーニングは完了していないと判定した場合(S204・No)、マイコン51は、ステップS204の判定を繰り返す。
【0130】
<停止時−効果>
水素センサ1の停止時の効果を説明する。
図14に示すように、IG132のOFF前の第4所定時間Δt4にクリーニングが完了していない場合のみ(S201・No)、クリーニング方法B(図6参照)を開始するので(S203)、無駄な第1検出素子31Aのクリーニングを減らし、クリーニングに伴う消費電力を抑えることができる。
【0131】
また、IG132のOFF前おけるクリーニングの有無のいずれの場合も、第1検出素子31Aがクリーニングされた状態となるので、次回の起動時(燃料電池車の始動時)、第1検出素子31Aで水素濃度を良好に検出できる。
【0132】
≪変形例≫
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、後記する形態の構成と適宜に組み合わせてもよいし、また、次のように変更してもよい。
【0133】
前記した実施形態では、被検出ガスが水素である構成を例示したが、その他のガスでもよい。
前記した実施形態では、水素センサ1が接触燃焼式である構成を例示したが、その他の方式、例えば、半導体式、熱伝導式ガスセンサであってもよい。
【0134】
前記した実施形態では、同一の検出室13aに、第1検出素子31A等が配置された構成を例示したが(図3参照)、図15、図16の水素センサ2のように構成してもよい。
水素センサ2は、2つの素子ハウジング13、13を備えており、2つの検出室13a、13aを備えている。そして、第1センサS1の第1検出素子31A及び第1補償素子32Aは、図15、図16の左側の検出室13aに配置されており、第2センサS2の第2検出素子31B及び第2補償素子32Bは、図15、図16の右側の検出室13aに配置されている。
【0135】
前記した実施形態では、クリーニング温度以上の推定第1センサ温度(図11、S113・Yes)が、クリーニング時間Δt3継続した場合(S111・Yes)、クリーニングが完了したと判定する構成を例示したが、その他に例えば、第2センサS2からの水素濃度(第2信号)に基づいて、第1センサS1における水素の燃焼熱を推定し、この燃焼熱を時間で積分した積算熱量がクリーニングは完了したと判断される所定値以上となった場合、第1センサS1のクリーニングは完了したと判定する構成としてもよい。
【0136】
前記した実施形態では、燃料電池システム100が燃料電池車に搭載された場合を例示したが、その他の移動体、例えば、自動二輪車、列車、船舶に搭載された構成でもよい。また、家庭用の据え置き型の燃料電池システムや、給湯システムに組み込まれた燃料電池システムに、本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0137】
1、2 水素センサ(ガスセンサ)
13a 検出室
31A 第1検出素子
31B 第2検出素子
32A 第1補償素子
32B 第2補償素子
51 マイコン(制御手段)
S1 第1センサ
S2 第2センサ
V1OUT 電位差(第1信号)
V2OUT 電位差(第2信号)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検出ガスの濃度に対応した第1信号を出力する第1センサと、
被検出ガスの濃度に対応した第2信号を出力し、前記第1センサに対して耐久性が高くかつ起動の遅い第2センサと、
前記第1センサ及び前記第2センサへの通電を制御すると共に、前記第1信号又は前記第2信号に基づいて被検出ガスの濃度を検知する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
起動信号を検知した場合、前記第1センサ及び前記第2センサへの通電を開始し、
前記第1センサが被検出ガスを検出可能となってから前記第2センサが被検出ガスを検出可能となるまで、前記第1信号に基づいて被検出ガスの濃度を検知し、
前記第2センサが被検出ガスを検出可能となった後、前記第2信号に基づいて被検出ガスの濃度を検知し、前記第1センサの印加電圧を通常電圧よりも低い所定電圧にする
ことを特徴とするガスセンサ。
【請求項2】
前記所定電圧は、前記第1センサで結露しない温度以上となる電圧である
ことを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項3】
前記被検出ガスは水素であり、
前記第1センサは、水素を燃焼させて燃焼熱を生成する触媒金属から形成され露出した第1検出素子を備え、
前記第1検出素子は、脱離温度以上になると、表面に付着した付着物が脱離することでクリーニングされ、
前記制御手段は、仮に前記第1センサに通電した場合において前記第2信号に基づく濃度の水素が燃焼したときにおける前記第1検出素子の温度が前記脱離温度以上であるとき、前記第1センサに通電し前記第1検出素子のクリーニングを開始する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスセンサ。
【請求項4】
前記第1検出素子のクリーニングを開始した場合において、
前記制御手段は、前記第2センサの前記第2信号に基づいて、前記第1検出素子のクリーニングが実行されたか否か判定する
ことを特徴とする請求項3に記載のガスセンサ。
【請求項5】
前記第1センサ及び前記第2センサは、同一のガス検出室に配置されている
ことを特徴とする請求項4に記載のガスセンサ。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第1検出素子がクリーニング中であると判断される前記第2信号が所定のクリーニング時間継続した場合、前記第1検出素子のクリーニングが実行されたと判定する
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のガスセンサ。
【請求項7】
前記制御手段は、停止信号を検知した場合、
前記停止信号前の所定時間に、前記第1検出素子のクリーニングが実行されていないとき、停止時における前記第1検出素子のクリーニングを許可し、
前記停止信号前の所定時間に、前記第1検出素子のクリーニングが実行されているとき、停止時における前記第1検出素子のクリーニングを禁止する
ことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載のガスセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−251951(P2012−251951A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126692(P2011−126692)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】