説明

ガスタンク及びその製造方法

【課題】強度と耐熱性に優れ、ガス透過性を抑制したガスタンク、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ガスバリア性を有する内殻と、該内殻を覆うように設けた耐圧性のFRP製外殻とを有するガスガスタンクであって、前記外殻は、(A)補強繊維束、(B)熱硬化性樹脂、並びに(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子からなり、かつ、(B)熱硬化性樹脂中に分散した(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子が(A)補強繊維束内に存在することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種のガスタンク、特に自動車等に搭載するのに好適なガスタンク、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車、住宅、輸送機械等において、発電のための燃料となる水素や天然ガスを貯蔵するガスタンク(ガスボンベ)が用いられている。
【0003】
例えば、自動車の動力源として、固体高分子型燃料電池が注目されている。この燃料電池を用いて発電する場合には、各燃料電池セルの一方のガス拡散電極層にガス燃料(例えば、水素ガス)を、他方のガス拡散電極層に酸化剤ガス(例えば、酸素を含む空気)を供給することで、電気化学反応を発生させる。この発電時に生成されるのは無害な水だけであるため、環境への影響や利用効率の観点から、前記燃料電池が注目されている。
【0004】
前記燃料電池を搭載した自動車に水素ガス等のガス燃料を継続的に供給するために、車載のガスタンクにガス燃料を貯蔵しておく。車載用の水素ガスタンクとしては、水素を圧縮した状態で貯蔵しておくガスタンク、水素吸蔵合金(MH)に吸蔵させた状態で貯蔵しておく水素吸蔵ガスタンクなどが検討されている。
【0005】
その中で、圧縮水素を貯蔵する車載用のガスタンクとして、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)タンクが検討されている。CFRPタンクは、炭素繊維で強化したプラスチック(CFRP材)からなる層(外殻:繊維強化層)の内側に、タンクの気密性を保持するライナー層(内殻)を形成することにより構成されている。CFRPタンクは、単なるプラスチック製のタンクよりも強度が高く、耐圧性に優れているため、ガス燃料用タンクとして好ましい。
【0006】
また、CFRPタンクの製造方法としては、容器状に形成したライナー層の周囲にフィラメント状のCFRP材を巻き付けて、CFRPタンクを製造する技術が知られている(フィラメントワインディング法)。炭素繊維は長手方向の強度と剛性が高いため、上記のようにCFRP材を巻き付けることで、タンクの強度を高めることができる。
【0007】
他方、天然ガスの高圧ガスあるいはプロパン等の液化ガスを燃料とする自動車には、燃料貯蔵の目的で、耐圧タンクが搭載されている。一般に、販売、使用されている耐圧タンクは、スチール、アルミ等の金属製である。しかし、金属製の耐圧タンクは厚肉であり重いので、作業性が悪く危険であるばかりか、運搬に要するエネルギーが大きい、すなわち、自動車の燃費を低下させるという欠点がある。さらに、ガス燃料の単位重量当たりの発熱量は、ガソリンの約半分であるから、ガス自動車が無補給で走行できる距離を、市販されているガソリン燃料自動車相当に高めるためには、ガソリン以上の重量のガス燃料を搭載しなければならないという問題がある。
【0008】
このため、軽量化を目的として、アルミニウムまたはプラスチック製の内殻を、耐圧性のFRP(繊維強化プラスチック)製の外殻で覆っているガスタンクが開発されている。このガスタンクは、本質的にプラスチックからなるものであるから金属製のものにくらべてかなり軽量であり、これを自動車の天然ガスタンクとして用いると、燃費の向上が期待できる。しかしながら、タンクの重量の大半は外殻であり、外殻を極力軽量化したタンクの方がより軽量で好ましく、燃費の向上だけでなく、タイヤやブレーキシューの摩耗などの消耗費の軽減、ボンベ取扱い時の労力の軽減や事故の減少なども期待できる。
【0009】
ところが、FRPは金属に比べて脆性であり、外部から大きな衝撃力を受けた際、クラック等が発生するおそれがある。クラックが伝播すると、FRP製外殻の耐圧性、強度が急激に低下するおそれがある。また、外見上の損傷は大したことがなくても、同じ箇所に何度も衝撃力を受けると、クラックや補強繊維の損傷が進展し、耐圧性、強度が低下するおそれがある。
【0010】
そこで、下記特許文献1には、ガスタンクのFRP製外殻に靱性をもたせ、高耐圧性を維持しつつ、クラックや補強繊維の損傷の伝播を抑えて、耐衝撃性、耐疲労性を向上させることを目的として、ガスバリア性を有する内殻と、該内殻を覆うように設けた耐圧性のFRP製外殻とを有するガスタンクであって、前記外殻は、[A]補強繊維束、[B]熱硬化性樹脂の硬化物、並びに[C]エラストマーおよび/または熱可塑性樹脂を含み、かつ、外殻の切断面に現れる[A]補強繊維束の外周に[C]エラストマーおよび/または熱可塑性樹脂が局在しているガスタンクが開示されている。特許文献1に開示されたガスタンクは、CNG圧力容器を目指した技術であって、FRPに衝撃が加わった場合、および繰り返し衝撃が加わった場合を想定し、衝撃におけるFRPの亀裂進展を防ぐ目的でマトリックス樹脂の靭性を高めることをおこなっている。靭性向上の方策には熱可塑性エラストマーを用いる。特に熱可塑性エラストマーの中でもポリエステル、ポリアミド系エラストマーを使用することで目標の強度を得ている。
【0011】
しかしながら、特許文献1に開示されたガスタンクは、[A]補強繊維束の外周に[C]エラストマーおよび/または熱可塑性樹脂が局在しているものであり、下記のような問題点があった。
(1)熱可塑性エラストマー入り主剤である熱硬化性樹脂と繊維との相溶性が悪いため層間剥離が発生する。これは、エラストマーである熱可塑性樹脂と、主剤である熱硬化性樹脂との違いのため、主剤の中に熱可塑エラストマーが十分分散せずに局在することから特性が安定しないことに因る。
(2)熱可塑エラストマー使用により高圧タンクフィラメントワインディング(FW)成形時に繊維への含浸性が悪い。これは、熱可塑エラストマー導入によりFW用樹脂の粘度が上昇し、繊維への含浸性が悪くなることに因る。
(3)熱可塑性エラストマーの添加により、CFRPマトリックス自身のガラス転移点(Tg)が低下するため耐熱性が下がる。また、容器としての許容耐熱性についても具体的でない。一般的にエラストマー成分のガラス転移温度が低いため、本来主剤の持つ耐熱性を維持することができない。また、容器における環境試験についても高温のサイクル試験がおこなわれるためマトリックス樹脂の許容耐熱性を示す必要がある。
(4)熱可塑性エラストマーの導入は、亀裂などの容器破壊に関する方策であって、高圧容器CFRPの亀裂防止の目的は、ライナーから漏れるガスを封じこめるといったガス透過性を抑制することを目的とするものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平8−219386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明は、強度と耐熱性に優れ、ガス透過性を抑制した高圧ガス用ガスタンク、及びその製造方法を提供することを目的とする。特に、水素透過性を極めて低いレベルに抑制するとともに、環境試験に合格したガスタンク、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、(A)補強繊維束の外周に(C)エラストマー微粒子および/または熱可塑性樹脂微粒子を局在させることなく、(B)熱硬化性樹脂中に分散した(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子を(A)補強繊維束内に存在させることによって、上記課題が解決されることを見出すとともに、マトリックス成分の破壊靭性値とガス透過性との間、及びマトリックス成分の破壊靭性値とCFRP曲げ強度との間には強い相関関係があることを見出し、本発明に到達した。
【0015】
即ち、第1に、本発明は、ガスバリア性を有する内殻と、該内殻を覆うように設けた耐圧性のFRP製外殻とを有するガスタンクの発明であり、前記外殻は、(A)補強繊維束、(B)熱硬化性樹脂、並びに(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子からなり、かつ、(B)熱硬化性樹脂中に分散した(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子が(A)補強繊維束内に存在する。本発明においては、(B)熱硬化性樹脂中に(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子が分散して、海島構造を形成するのが好ましい。このような構造をとることにより、靭性を付与した場合でも熱硬化性樹脂の耐熱性や機械的強度の低下を抑制することができる。また、本発明のガスタンクは、FRP層に均一に分散されたエラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子が、外部応力を吸収したり、分散することで、亀裂を防止して靭性が向上するとともに、内殻からのガス透過性を極めて低いレベルに抑制することができる。
【0016】
マトリックス成分の破壊靭性値とガス透過性との間、及びマトリックス成分の破壊靭性値とCFRP曲げ強度との間には強い相関関係がある。即ち、本発明のガスタンクにおいては、前記(B)熱硬化性樹脂と前記(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子からなる熱硬化性樹脂組成物の破壊靱性値が0.5MPa0.5〜3.0MPa0.5であることが好ましく、0.7MPa0.5〜1.5MPa0.5であることがより好ましい。破壊靱性値が0.5MPa0.5以上であるとガス透過性を十分抑制することができ、破壊靱性値が3.0MPa0.5以下であると環境試験に合格することができる。なお、環境試験の詳細については後述する。
【0017】
本発明のガスタンクにおいては、前記(B)熱硬化性樹脂と前記(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子からなる熱硬化性樹脂組成物中に、(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子を0.5wt%〜10wt%含有することが好ましく、2.0wt%〜5.0wt%含有することがより好ましい。0.5wt%以上であるとガス透過性を十分抑制することができ、10wt%以下であると環境試験に合格することができる。
【0018】
前記(C)エラストマー粒子としては特に限定されないが、架橋エラストマー微粒子であることが好ましく、より具体的には、エラストマー粒子が架橋ニトリルゴム(NBR)微粒子であることが好ましく例示される。
【0019】
本発明では、前記(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径が0.05μm(50nm)〜0.5μmであると、前記(B)熱硬化性樹脂と前記(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子からなる熱硬化性樹脂組成物中において、樹脂相と粒子の接着性が向上し、熱硬化性樹脂の亀裂防止に効果的である。粒子の平均粒子径が0.05μm(50nm)未満であると熱硬化性樹脂の粘度が高くなり、補強繊維束内への含浸性が悪くなる。また、粒子径が0.5μmを越えるとガス透過性を低減化するための靭性が不足する。
【0020】
本発明のガスタンクの外殻に用いる熱硬化性樹脂は特に限定されないが、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましく例示される。
【0021】
第2に、本発明は、上記の、ガスバリア性を有する内殻と、該内殻を覆うように設けた耐圧性のFRP製外殻とを有するガスガスタンクの製造方法の発明であって、内殻の周囲に、(A)補強繊維束に(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子を分散させた(B)熱硬化性樹脂を含浸させて得られる、(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子が(A)補強繊維束内に存在するヤーンプリプレグを用いて外殻を形成することを特徴とする。
【0022】
(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子は、(B)熱硬化性樹脂の主剤、硬化剤のどちらに入れることも可能であるが、分散のしやすい主剤側に入れる方が好ましい。(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子は、(B)熱硬化性樹脂中に均一に分散していることが必要であり、粒子の分散のために、ロールやディゾルバーなどで機械的に混練するのが良い。更に、粘度を低くするために、加熱下及び/又は減圧下で攪拌して分散することが望ましい。
【0023】
本発明のガスタンクの製造方法において、前記(B)熱硬化性樹脂と前記(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子からなる熱硬化性樹脂組成物の破壊靱性値が0.5MPa0.5〜3.0MPa0.5であることが好ましいこと、前記(B)熱硬化性樹脂と前記(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子からなる熱硬化性樹脂組成物中に、(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子を0.5wt%〜10wt%含有することが好ましいこと、前記(C)エラストマー粒子が架橋エラストマー微粒子であることが好ましいこと、前記(C)エラストマー粒子が架橋ニトリルゴム(NBR)微粒子であることが好ましいこと、前記(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径が0.05μm(50nm)〜0.5μmであることが好ましいこと、前記(B)熱硬化性樹脂がビスフェノールF型エポキシ樹脂であることが好ましいことは、 本発明において、外殻の形成方法は、内殻の周囲に、(A)補強繊維束に(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子を分散させた(B)熱硬化性樹脂を含浸させるものであるが、特に、前記外殻をフィラメントワインディング(FW)法により形成することが好ましい。
【0024】
第3に、本発明は、上記ガスタンクの用途に関する発明であり、水素ガス充填用ガスタンク、液化天然ガス充填用ガスタンク、及び液化プロパンガス充填用ガスタンクが好ましく例示される。
【発明の効果】
【0025】
高圧ガスタンクの特性として重要な項目であるガス透過性に関し、CFRP層に使用する熱硬化性樹脂に靭性を持たすことで解決した。即ち、(A)補強繊維束に(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子を分散させた(B)熱硬化性樹脂を含浸させて得られるヤーンプリプレグを用いて耐圧性のFRP製外殻を形成することにより、例えば燃料電池車用の水素燃料を高圧で圧縮し搭載するための貯蔵タンクとして、容器の特性として大変重要な水素透過量を極めて低くすることが可能となる。即ち、熱硬化性樹脂中のエラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子が、ガス内圧付与や外部からの衝撃による変形時に、FRPに発生する微細クラックを低減し、該内殻(ライナー)からの水素透過を極めて低いレベルに抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】マトリックス相における亀裂伝播機構を模式的に示す。
【図2】破壊靭性値に対する環境試験結果を示すグラフ。
【図3】ニトリルゴム(NBR)粒子の添加量に対する環境試験結果を示すグラフ。
【図4】破壊靭性値に対するガス透過性を示すグラフ。
【図5】ニトリルゴム(NBR)粒子の添加量に対する高圧タンクガス透過性を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に、マトリックス相における亀裂伝播機構を模式的に示す。図1(a)は、従来の、エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子を分散させない熱硬化性樹脂の場合であり、初期の亀裂が深部にまで伝播される。これに対して、図1(b)は、本発明の、熱硬化性樹脂中にエラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子が分散しているものであり、初期の亀裂が発生しても、エラストマー等の粒子と熱硬化性樹脂相の接着性が良好で、亀裂がエラストマー等の粒子で食い止められ、深部にまで伝播されない。
【0028】
本発明のタンクにおいて、高強度を発現する強化繊維(CFRP用繊維)としては、炭素繊維糸や黒鉛繊維糸、ガラス繊維糸、有機高弾性率繊維(例えばポリアミド、ポリエチレン繊維)等の高強度、高弾性率繊維糸の少なくとも1種を用いることができる。上記の中でも、高圧容器用強化材料としいては炭素繊維を用いることが好ましい。炭素繊維は、1,000〜50,000フィラメント、より好ましくは10,000〜30,000フィラメントの範囲内であるものがより好ましい。
【0029】
本発明の靭性を付与したタンク(高圧容器)に靭性を付与する方法は、エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子を添加し使用する。FRP用含浸樹脂の内に投入したエラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子は、高圧容器に内圧付加により発生した応力に対しFRP破壊の起点となる亀裂が発生した場合などに破壊の進展を防ぐことができる。
【0030】
FW用樹脂としの適正設計は、エポキシ樹脂構成が好ましい。高圧容器FRPを構成するマトリックス樹脂は、耐熱性や機械強度の面から熱硬化プラスチックであるエポキシ樹脂が適している。本発明ではエポキシ樹脂にエラストマー粒子を分散させることにより硬化物に靭性を付与する。
【0031】
マトリックス樹脂の構成詳細は以下の通りである。FRPを形成するための繊維含浸樹脂は、エポキシ樹脂、硬化剤、靭性付与剤としての架橋ゴム粒子を必須成分とするエポキシ樹脂組成物とする。樹脂組成物の主剤としては、液状のビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。液状のビスフェノール型エポキシ樹脂は繊維との接着性、粘度、及びTgのバランスがよいからである。この液状のビスフェノール型エポキシ樹脂とは、平均的常温である25℃において液状を示すものの中から任意に選ぶことができ、特別に制限はないが、繊維への含浸性などの点から、特に低粘度液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好適である。本発明においては、この液状ビスフェノール型エポキシ樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
さらに、Tgを向上させる目的で、常温で液状の環に縮合したエポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂を併用することもできる。常温で液状の環に縮合したエポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロアリファティックジエステルジエポキシド等を挙げることができる。
【0033】
さらに、樹脂組成物を低粘度化する目的で、常温で液状のモノグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、モノグリシジルエステル、ジグリシジルエステル類などの反応性希釈剤と称される低粘度のエポキシ樹脂を併用することができる。
【0034】
反応性希釈剤としてはネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオデカン酸グリシジルエステル等を挙げることができる。
【0035】
樹脂組成物の硬化剤としてはエポキシ樹脂に一般的に使用されているものを用いることができる。このようなものには、カルボン酸無水物基、カルボキシル基、カルボン酸ヒドラジド基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基等の官能基を含有する従来公知の有機化合物が包含される。その中でも、FW用としては、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤が適しているが、本発明で用いる硬化剤としては、樹脂組成物を低粘度化できるという理由から常温で液状の酸無水物が最適である。その具体例としては、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水メチルハイミック酸等が挙げられる。
【0036】
また、硬化促進剤として常温で液状のイミダゾール化合物が用いられ、その具体例としては、2−エチル−4−メチルイミダゾールや1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等が用いられる。
【0037】
上記のように、本発明に用いる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好ましい。上記に挙げたものの他に、アミン類を前駆体とするエポキシ樹脂として、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾールの各種異性体、フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、炭素−炭素二重結合を有する化合物を前駆体とするエポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂をブロム化したブロム化エポキシ樹脂も用いられる。
【0038】
エポキシ樹脂用硬化剤としては、酸無水物(無水メチルナジック酸など)、アミン系硬化剤(メタフェニレンジアミン、メチルジアニリン、エチルメチルイミダゾール、イソホロンジアミンなど)、ポリアミノアミド系硬化剤、フェノール系硬化剤(ビスパラキドロキシフェニルスルフォンなど)、ポリメルカプタン系硬化剤、潜在性硬化剤(ジシアンジアミドなど)を使用できる。また、これらの硬化剤と、いわゆる硬化触媒である三フッ化ホウ素アミン錯体や、イミダゾール化合物を併用してもよい。また、イソシアネートとジメチルアミンとの付加反応によって得られる尿素化合物を併用してもよい。
【0039】
エポキシ樹脂以外で本発明に用いられる熱硬化性樹脂としては、マレイミド樹脂、アセチレン末端を有する樹脂、ナジック酸末端を有する樹脂、シアン酸エステル末端を有する樹脂、ビニル末端を有する樹脂、アリル末端を有する樹脂も好ましく用いられる。これらは適宜、エポキシ樹脂や他の樹脂と混合してもよい。また、反応性希釈剤を用いたり、熱可塑性樹脂やエラストマーなどの改質剤を耐熱性を大きく低下させない程度に混合して用いてもかまわない。更に、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂といった工業界で広く認知された熱硬化性樹脂も用いることができる。
【0040】
本発明では、樹脂組成物にエラストマー成分を添加することで靭性を付与することができる。本発明においてはエラストマー成分としては架橋ゴム微粒子を用いることが好ましい。架橋ゴム微粒子としては、例えばNBR(ニトリルゴム)、SBR(スチレンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、乳化重合BR、CR(クロロプレンゴム)、IIR(ブチルゴム)、EPDM(エチレン−プロピレンゴム)、CSM(クロロスルフォン化ゴム)、ウレタンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが好ましく例示され、これらのゴムの微粒子を使用する。
【0041】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、主鎖に、炭素−炭素結合、アミド結合、イミド結合、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、チオエーテル結合、スルホン結合、イミダゾール結合、カルボニル結合から選ばれる結合を有する熱可塑性樹脂が代表的である。とくに、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリカーボナート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアラミド、ポリベンズイミダゾール、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸セルロース、酪酸セルロースは耐衝撃性に優れるので本発明に使用する熱可塑性樹脂として適している。この中でも、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンは、高靱性かつ耐熱性良好であるため本発明にとくに好適である。中でも、ポリアミドの靱性はとくに優れており、本発明には最も好適である。
【0042】
これらエラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよいが、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に対する分散性や硬化物の耐熱性及び耐ヒートサイクル性およびガス透過性等の点から、選定する必要がある。
【0043】
また、FW用の熱硬化性樹脂としては、繊維への含浸性を考慮した場合、粘度が高すぎると含浸しにくくなるので、粘度が低いことが求められる。ただし、粘度が低すぎると、ダレやすくなり繊維への付着量が少なくなってしまう。そこで、熱硬化性樹脂の25℃での粘度としては、100〜1500mPa・sが好ましく、300〜800mPa・sがより好ましい。また含浸時にポットライフを考慮しつつ、加温することで粘度を下げることもできる。
【0044】
本発明において、ガスタンク(高圧容器)として必要な評価項目の1つとして、環境試験がある(KHK例示基準)。本評価は、高圧容器が弱アルカリ浸漬液中での熱負荷時における強度を調べる試験である。具体的には、1)振り子衝撃によりダメージを与え、2)浸漬液(pH=4)への浸漬、3)常温サイクル試験5625回、4)−40℃サイクル試験2820回、5)82度圧力サイクル試験2820回、6)バースト圧≧最高充填圧×180%を実施する。
【0045】
本試験では耐熱性が必要であることから、耐熱性を下げる特性の一つとして破壊靭性値を以下の範囲と定める。ガラス転移温度(Tg)135℃以上を確保する破壊靭性値は1.5MPa0.5以下とする。又、ニトリルゴム(NBR)の場合、その適正量は5wt%以下であった。この結果、本発明のガスタンク(高圧容器)を使用することが予想される自動車内において、環境試験に近い状況におかれたとしても高圧容器に損傷を与えることが無いことがわかる。
【0046】
ガスタンク(高圧容器)として必要な評価項目の1つとして、ガス透過試験がある(KHK例示基準)。本評価は、高圧容器に設計目標内圧を負荷した後、容器内から透過するガス量を計測する。本試験をクリアするために耐熱性が下がると考えられるエラストマー量を適正化しマトリックス樹脂の破壊靭性値で規定する。ガス透過量0.25Ncc/Lh以下を確保する破壊靭性値である0.7MPa0.5以上とする。又、ニトリルゴム(NBR)の場合、その適正量は2wt%以上であった。この結果、エラストマーの添加により強度を確保しながら、特にガス透過性を満足することができる。
【0047】
本発明に用いる補強繊維束を校正する補強繊維糸としては、炭素繊維糸や黒鉛繊維糸、ガラス繊維糸、有機高弾性率繊維(例えばポリアラミド繊維)等の高強度、高弾性率繊維糸の少なくとも1種を用いることができる。これらの補強繊維糸は、屈曲による応力集中を小さくし、ボイドの発生を少なくすることができるという意味で、開繊性に優れる無撚繊維糸であるのが好ましい。そして、そのような補強繊維糸のなかでも、比強度、比弾性率に優れ(軽量化効果に優れ)、ワインディング時における糸切れや毛羽の発生がほとんどなく、生産性の向上はもとより、糸の継目や毛羽の混入による強度特性の低下や耐衝撃性能の低下を防止できるようになる、炭素繊維糸が好ましい。
【実施例】
【0048】
以下、高靭性マトリックス樹脂を使用したFC車用高圧水素タンクの実施例について説明示する。
[高圧タンク構成]
高圧容器は、ガスバリア性を有する内殻(ライナー)と、該内殻を覆うように設けた耐圧性の外殻(FRP層)とを有する。この高圧容器は、全体として胴部と、それに続く鏡部と、バルブ取付用口金ボスから構成される。ここでFRPとは、繊維に樹脂を含浸し硬化したものをいう。FRP用繊維としては、炭素繊維糸や黒鉛繊維糸、ガラス繊維糸、有機高弾性率繊維(例えばポリアミド、ポリエチレン繊維)等の高強度、高弾性率繊維糸の少なくとも1種を用いる。この中でも、炭素繊維を用いることが好ましい。炭素繊維は、1,000〜50,000フィラメント、より好ましくは10,000〜30,O00フィラメントの範囲内であるのがよい。今回24,000本の繊維、弾性率で30トンクラスの繊維を使用した。
【0049】
FRPを形成するための繊維含浸樹脂は、主剤としては、FW用とのことからビスフェノールF型の液状エポキシ樹脂を使用した。主剤の中にガス透過性を抑制するエラストマー粒子を添加した。硬化剤は、酸無水物系を使用した。
【0050】
[高圧容器成形方法]
高圧容器成形方法として回転するタンクライナーが繊維を巻取る方式を採用した。クリールスタンドにセットした1方向の炭素繊維は、タンクライナーの回転とクリールスタンド内サーボモーターにより繊維に張力がかけられ、樹脂含浸層にて液状樹脂を含浸する。次に4軸制御可能なFW機を通り、回転するタンクライナーへと巻きつけた後加熱硬化しタンクが完成する。
【0051】
[特性−1(強度)]
上記材料構成において、高圧容器の高温での信頼性確保のため靭性付与をおこなったマトリックスエポキシ樹脂の破壊靭性値を規定する必要がある。高圧容器の耐熱、耐薬品性評価として上記環境試験がある。図2に、エラストマー粒子としてエチレンプロピレンゴム(EPDM)粒子を用い、その破壊靭性値に対する環境試験結果を示す。
【0052】
図2の結果から、靭性付与した後のマトリックス樹脂破壊靭性値を1.5MPa0.5以下とする。これよりも多く添加すると、高圧タンクとしての耐熱・耐薬品性および疲労性を満足することができない。
【0053】
また、図3に、エラストマー粒子として平均粒径0.05μm〜0.5μmのニトリルゴム(NBR)粒子を用い、そののニトリルゴム(NBR)粒子添加量に対する環境試験結果を示す。図3の結果から、靭性付与のために導入するニトリルゴム粒子量を5wt%以下とする。これよりも多く添加すると、高圧タンクとしての耐熱・耐薬品性および疲労性を満足することができないことが分かる。
【0054】
[特性−2(ガス透過性)]
高圧容器の気密性に関し、上記高圧容器ライナーでガスバリア性のほとんどを確保しているが、水素を完全に遮断するほど良好な機密性はない。このため、本発明ではFRP層にガスバリア性を持たせた。ガス透過性の抑制には、CFRPマトリックス樹脂に添加する天然ゴムが有効である。図4に、エラストマー粒子としてエチレンプロピレンゴム(EPDM)粒子を用い、その破壊靭性値に対するガス透過性を示す。
【0055】
図4の結果から、以下のことが分かる。
(1)破壊靭性値が低い(エラストマー粒子添加無し)とガス透過量を満足できない。
(2)破壊靭性値が0.7MPa0.5以上で、高圧タンクのガス透過量を満足できる。
(3)ガス透過性を抑制するためにはエラストマー粒子の添加が有効である。
【0056】
また、図5に、エラストマー粒子としてニトリルゴム(NBR)を用い、その添加量による高圧タンクガス透過性を示す。図5の結果から、上記(1)と(3)に加えて、(4)エラストマー粒子添加量が2wt%以上で、高圧タンクのガス透過量を満足できることが分かる。
【0057】
これらの結果から、ガス透過性を満足しながら、高温での強度を満たすマトリックスエポキシ樹脂の破壊靭性値は、0.7MPa0.5〜1.5MPa0.5であることが好ましく、ニトリルゴム(NBR)粒子の添加量は2wt%〜5wt%が好ましいことが分かる。
【0058】
本発明の他の実施例としては、ガスバリア性に優れた材料(エラストマー粒子)などを含む樹脂を、繊維FW成形前にライナーに塗布することがある。これにより、CFRP層にてガスの透過を防止する前にライナーからのガス透過を最小に抑えることができる。また、塗布の方法は、樹脂の調合後刷毛などであらかじめ塗布することができる。また、アルコール、アセトン、MEKなどの溶剤で希釈することで含浸樹脂の粘度を下げた後、塗装などに使うエアーガンなどを用い均一にライナー外周に塗布することができる。更に、塗布後、希釈に使用した溶剤を加熱硬化と同時に揮発させることで、成形FRPに影響を与えないことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明では、熱硬化性樹脂中に分散されたエラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子が、ガス内圧付与や外部からの衝撃による変形時に、FRPに発生する微細クラックを低減し、該内殻(ライナー)からの水素透過を極めて低いレベルに抑えることができる。これにより、燃料電池車用の水素タンク等の高圧ガスタンクの安全性及び実用性を向上させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスバリア性を有する内殻と、該内殻を覆うように設けた耐圧性のFRP製外殻とを有するガスタンクであって、前記外殻は、(A)補強繊維束、(B)熱硬化性樹脂、並びに(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子からなり、かつ、(B)熱硬化性樹脂中に分散した(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子が(A)補強繊維束内に存在することを特徴とするガスタンク。
【請求項2】
前記(B)熱硬化性樹脂と前記(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子からなる熱硬化性樹脂組成物の破壊靱性値が0.5MPa0.5〜3.0MPa0.5であることを特徴とする請求項1に記載のガスタンク。
【請求項3】
前記(B)熱硬化性樹脂と前記(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子からなる熱硬化性樹脂組成物中に、(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子を0.5wt%〜10wt%含有することを特徴とする請求項1または2に記載のガスタンク。
【請求項4】
前記(C)エラストマー粒子が架橋エラストマー粒子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガスタンク。
【請求項5】
前記(C)エラストマー粒子が架橋ニトリルゴム(NBR)粒子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガスタンク。
【請求項6】
前記(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径が0.05μm(50nm)〜0.5μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のガスタンク。
【請求項7】
前記(B)熱硬化性樹脂がビスフェノールF型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のガスタンク。
【請求項8】
ガスバリア性を有する内殻と、該内殻を覆うように設けた耐圧性のFRP製外殻とを有するガスタンクの製造方法であって、内殻の周囲に、(A)補強繊維束に(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子を分散させた(B)熱硬化性樹脂を含浸させて得られる、(B)熱硬化性樹脂中に分散した(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子が(A)補強繊維束内に存在するヤーンプリプレグを用いて外殻を形成することを特徴とするガスタンクの製造方法。
【請求項9】
前記(B)熱硬化性樹脂と前記(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子からなる熱硬化性樹脂組成物の破壊靱性値が0.5MPa0.5〜3.0MPa0.5であることを特徴とする請求項8に記載のガスタンクの製造方法。
【請求項10】
前記(B)熱硬化性樹脂と前記(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子からなる熱硬化性樹脂組成物中に、(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子を0.5wt%〜10wt%含有することを特徴とする請求項8または9に記載のガスタンクの製造方法。
【請求項11】
前記(C)エラストマー粒子が架橋エラストマー微粒子であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載のガスタンクの製造方法。
【請求項12】
前記(C)エラストマー粒子が架橋ニトリルゴム(NBR)微粒子であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載のガスタンクの製造方法。
【請求項13】
前記(C)エラストマー粒子及び/又は熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径が0.05μm(50nm)〜0.5μmであることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載のガスタンクの製造方法。
【請求項14】
前記(B)熱硬化性樹脂がビスフェノールF型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項8乃至13のいずれかに記載のガスタンクの製造方法。
【請求項15】
前記外殻をフィラメントワインディング(FW)法により形成することを特徴とする請求項8乃至14のいずれかに記載のガスタンクの製造方法。
【請求項16】
水素ガス充填用であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のガスタンク。
【請求項17】
液化天然ガス充填用であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のガスタンク。
【請求項18】
液化プロパンガス充填用であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のガスタンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−63015(P2012−63015A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262544(P2011−262544)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【分割の表示】特願2005−296409(P2005−296409)の分割
【原出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000108454)ソマール株式会社 (81)
【Fターム(参考)】