説明

ガスタービンに用いられる翼ならびにこのような翼を製造するための方法

【課題】冷却が著しく改善された、ガスタービンに用いられる翼を提供する。
【解決手段】ガスタービンに用いられる翼10であって、該翼10が、翼形部11を有しており、該翼形部11の翼壁18が、内室17を取り囲んでおり、翼壁18内に、該翼壁18を冷却するための冷却装置19が配置されており、該冷却装置19が、翼長手方向に延びる1つの半径方向通路20を有しており、該半径方向通路20から、横方向で翼壁18内に延びる複数の冷却通路21,22が分岐しており、また、半径方向通路20から、横方向で外向きに複数のフィルム冷却孔23が延設されており、半径方向通路20に沿ったフィルム冷却孔23の分配が、半径方向通路20に沿った冷却通路21,22の分配に依存せずに選択されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンの技術分野に関する。
【0002】
さらに、本発明は、ガスタービンに用いられる翼であって、該翼が、翼形部を有しており、該翼形部の翼壁が、内室を取り囲んでおり、翼壁内に、該翼壁を冷却するための冷却装置が配置されており、該冷却装置が、翼長手方向に延びる1つの半径方向通路を有しており、該半径方向通路から、横方向で翼壁内に延びる複数の冷却通路が分岐しており、また、半径方向通路から、横方向で外向きに複数のフィルム冷却孔が延設されている、ガスタービンに用いられる翼に関する。
【0003】
さらに、本発明は、翼を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0004】
ガスタービンでは、高温ガス温度がますます高くなっているため、使用される動翼および/または静翼を特殊な材料から製造するだけでなく、冷媒を利用して効率よく冷却することも必要である。この冷媒は翼の内部に導入され、壁内に配置された冷却通路を通流し、フィルム冷却孔を通って外側に流出し、これによって、翼の外面における、熱により特に負荷がかけられる箇所に冷却フィルムが形成される。
【0005】
翼冷却テクノロジの現在の状況は、たとえば米国特許第6379118号明細書に基づき公知である。同明細書では、壁内に設けられた冷却通路が、インピンジメント冷却、乱流を発生させるエレメント、向流およびフィルム冷却と組み合わされて使用され、これによって、壁温度が低く保たれて、構成要素の十分な寿命が達成されるようになっている。
【0006】
しかし、同明細書に記載された公知先行技術は、種々異なる欠点:すなわち、
・種々異なる冷却メカニズム(フィルム冷却および内部冷却)を釣り合わせるために、フィルム冷却孔の間隔を自由に選択することができない。なぜならば、冷却通路とフィルム冷却孔との厳密な順序が維持されるからである;
・フィルム冷却孔の加工の間、背壁を保護するための可能性が存在しない;
・寿命に対して特に臨界的となる、翼形部とプラットフォームとの間のすみ肉を冷却するための方法が存在しない:
を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6379118号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の課題は、冷却が著しく改善された、ガスタービンに用いられる翼を提供することである。
【0009】
さらに、本発明の課題は、このような翼を製造するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題を解決するために本発明に係る翼によれば、半径方向通路に沿ったフィルム冷却孔の分配が、半径方向通路に沿った冷却通路の分配に依存せずに、つまり、無関係に選択されている。
【0011】
本発明に係る翼の有利な態様によれば、半径方向通路が、翼壁の中心から内方にずらされて配置されており、これによって、フィルム冷却孔の扇形の配置が可能である。
【0012】
本発明に係る翼の有利な態様によれば、半径方向通路が、一方の端部において外部に対して開放可能であって、該端部において、事後的に取り付けられた閉鎖エレメントによって閉鎖されている。
【0013】
本発明に係る翼の有利な態様によれば、翼が、プラットフォームを有しており、該プラットフォームに翼形部が、下側の端部において移行しており、半径方向通路が、翼形部とプラットフォームとの間の移行部において外部に対して開放可能である。
【0014】
本発明に係る翼の有利な態様によれば、翼が、プラットフォームを有しており、該プラットフォームに翼形部が、下側の端部においてすみ肉を形成して移行しており、移行範囲を冷却するために、すみ肉の範囲に冷却通路が設けられている。
【0015】
本発明に係る翼の有利な態様によれば、冷却を改善するために、冷却通路内に、特にリブまたは支柱の形の乱流発生エレメントが設けられている。
【0016】
本発明に係る翼の有利な態様によれば、翼の内室から冷却通路に通じるインピンジメント冷却孔が設けられている。
【0017】
本発明に係る翼の有利な態様によれば、半径方向通路から一方の側にだけ冷却通路が延びている。
【0018】
本発明に係る翼の有利な態様によれば、半径方向通路から両側に冷却通路が延びている。
【0019】
本発明に係る翼の有利な態様によれば、半径方向通路から両側に分岐した冷却通路の配置が、互いに依存し合わずに、つまり、無関係に選択されている。
【0020】
さらに、前述した課題を解決するために本発明に係る方法によれば、第1のステップにおいて、一方の側で開いた1つの半径方向通路を備えた翼を準備し、第2のステップにおいて、開いた半径方向通路内にストリップ状の挿入体を押し込み、第3のステップにおいて、外部から翼にフィルム冷却孔を加工し、その際、加工時には、半径方向通路の、フィルム冷却孔と反対の側の壁が、挿入体によって保護されており、第4のステップにおいて、挿入体を半径方向通路から取り出す。
【0021】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、挿入体を取り出した後、半径方向通路を閉鎖エレメントによって閉鎖する。
【0022】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、閉鎖エレメントを硬ろう付けする。
【0023】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、挿入体としてPTFE製ストリップを使用して、フィルム冷却孔をレーザ穿孔によって加工する。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、ガスタービンに用いられる翼であって、この翼が、翼形部を有しており、この翼形部の翼壁が、内室を閉鎖しており、翼壁内に、この翼壁を冷却するための冷却装置が配置されており、この冷却装置が、翼長手方向に延びる1つの半径方向通路を有しており、この半径方向通路から、横方向で翼壁内に延びる複数の冷却通路が分岐しており、また、半径方向通路から、横方向で外向きに複数のフィルム冷却孔が延設されている、ガスタービンに用いられる翼に係る。本発明に係る翼は、半径方向通路に沿ったフィルム冷却孔の分配が、半径方向通路に沿った冷却通路の分配に依存せずに、つまり、無関係に選択されている点に特徴がある。
【0025】
本発明の1つの態様は、半径方向通路が、翼壁の中心から内方にずらされて配置されており、これによって、フィルム冷却孔の扇形の配置が可能であることを特徴としている。ずれによって、半径方向通路と外面との間の壁範囲が著しく肉厚となり、これによって、扇形の配置のために十分な壁材料が存在している。
【0026】
別の態様は、半径方向通路が、一方の端部において外部に対して開放可能であって、この端部において、事後的に取り付けられた閉鎖エレメントによって閉鎖されている点に特徴がある。外部に対する開放によって、翼の加工時に半径方向通路の内部に内壁の保護のためにストリップを押し込むことが可能となる。
【0027】
更なる態様は、翼が、プラットフォームを有しており、このプラットフォームに翼形部が、下側の端部において移行しており、半径方向通路が、翼形部とプラットフォームとの間の移行部において外部に対して開放可能であることを特徴としている。こうして、翼の内部に閉鎖可能な開口が位置している。
【0028】
本発明のさらに別の態様は、翼が、プラットフォームを有しており、このプラットフォームに翼形部が、下側の端部においてすみ肉を形成して移行しており、移行範囲を冷却するために、すみ肉の範囲に冷却通路が設けられていることを特徴としている。これによって、特に臨界的な移行範囲が最適に冷却される。
【0029】
本発明の別の態様によれば、冷却を改善するために、冷却通路内に、特にリブまたは支柱の形の乱流発生エレメントが設けられている。
【0030】
更なる態様は、翼の内室から冷却通路に通じるインピンジメント冷却孔が設けられていることを特徴としている。
【0031】
別の態様は、半径方向通路から一方の側にだけ冷却通路が延びている点に特徴がある。
【0032】
しかし、半径方向通路から両側に冷却通路が延びていることも可能である。
【0033】
外部に対して開放可能な半径方向通路を備えた翼を製造するための本発明に係る方法は、第1のステップにおいて、一方の側で開いた1つの半径方向通路を備えた翼を準備し、第2のステップにおいて、開いた半径方向通路内にストリップ状の挿入体を押し込み、第3のステップにおいて、外部から翼にフィルム冷却孔を加工し、その際、加工時には、半径方向通路の、フィルム冷却孔と反対の側の壁が、挿入体によって保護されており、第4のステップにおいて、挿入体を半径方向通路から取り出すことを特徴としている。
【0034】
本発明に係る方法の1つの態様は、挿入体を取り出した後、半径方向通路を閉鎖エレメントによって閉鎖することを特徴としている。
【0035】
特に閉鎖エレメントを硬ろう付けする。
【0036】
本発明に係る方法の別の態様は、挿入体としてPTFE製ストリップを使用して、フィルム冷却孔をレーザ穿孔によって加工する点に特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】プラットフォームを備えたガスタービン翼の斜視的な側面図であり、ガスタービン翼の壁には、半径方向通路と、側方に分岐した冷却通路とを備えた冷却装置が配置されている。
【図2】本発明の1つの実施の形態における冷却装置を備えた翼壁の横断面図(図2a)および同冷却装置の側面図(図2b)である。
【図3】半径方向通路から両側に分岐した冷却通路を備えた冷却装置を図2bに対応させて示す図である。
【図4】半径方向通路から別の側に分岐した冷却通路と、フィルム冷却孔のより密な配置形態とを備えた冷却装置を図2bに対応させて示す図である。
【図5】本発明の1つの実施の形態における冷却装置を備えた、翼形部とプラットフォームとの間の移行部における翼の断面図である。
【図6】本発明に係る方法の1つの実施の形態において加工のために挿入体が押し込まれた下方で開放可能な半径方向通路を備えた、翼形部とプラットフォームとの間の移行部における翼の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に、本発明を実施するための形態を図面につき詳しく説明する。
【0039】
本発明は、ガスタービンに用いられる翼に関する。この翼は、図1に斜視的な側面図で例示してある。ガスタービンの動翼または静翼であってよい翼10は翼ブレード、つまり、翼形部11を有している。この翼形部11は、従来同様、前縁13と、後縁14と、正圧面15と、負圧面16とを有している。翼形部11の長手方向軸線は半径方向に延びている。翼形部11は下方にすみ肉24を形成してプラットフォーム12に移行している。翼形部11は、中空の内室17を取り囲む翼壁18を有している。この翼壁18内には、(破線で示した)冷却装置19が設けられている。この冷却装置19は、内側から到来した冷媒、たとえば冷却空気を壁を通して案内し、その後、外側に導いて、冷却フィルムを形成する。
【0040】
冷却装置19は、本実施の形態では、1つの中央の半径方向通路20を有している。この半径方向通路20から、複数の冷却通路21,22が両側にかつ互いに等しい間隔を置いて分岐している。さらに、半径方向通路20から外向きにフィルム冷却孔23が延びている。このフィルム冷却孔23を通って冷媒が外側に流れ、フィルムを形成する。本発明では、このような冷却装置19において、翼10の外面でのフィルム冷却を内部の壁冷却に依存せずに、つまり、無関係に最適化するために、フィルム冷却孔23の分配もしくは密度もしくは周期性(ピッチ)が、冷却通路21,22の分配もしくは密度もしくは周期性に依存せずに、つまり、無関係に選択されていることが重要である。
【0041】
図2には、本発明における冷却装置の1つの実施の形態が横断面図(図2a)および側面図(図2b)で示してある。この冷却装置19aは1つの半径方向通路20を有している。この半径方向通路20から、複数の冷却通路21が一方の側にだけ互いに均等な間隔を置いて分岐している。これらの冷却通路21内には、自体公知の乱流発生エレメント26を配置することができ、これによって、乱流の発生により冷媒と壁との間での熱伝達が改善される。乱流発生エレメント26は、たとえばリブまたは支柱(「ピン」)の形で形成することができる。さらに、冷却通路21に対して、インピンジメント冷却孔25を設けることができる。このインピンジメント冷却孔25を通って、翼10の内室17から冷媒が冷却通路21内に流入し、この冷却通路21の、インピンジメント冷却孔25と反対の側の内壁に衝突して、この内壁を冷却する。
【0042】
図2aに認めることができるように、半径方向通路20は翼壁18の中心から内方(図2aで見て下方)にずらされて配置されている。これによって、半径方向通路20と外面との間の壁区分がより大きな厚さdを獲得する。この厚さdは、フィルム冷却孔23の扇形の配置ひいては外面への冷却フィルムの改善された形成を可能にするために必要となる。
【0043】
冷却装置の別の実施の形態が図3および図4に示してある。図3の冷却装置19bは、中央の半径方向通路20から両側に複数の冷却通路21,22が分岐していて、これらの冷却通路21,22が、それぞれ対応するインピンジメント冷却孔25を具備している点に特徴がある。半径方向通路20から両側に分岐した冷却通路21,22の配置は、必ずしも対称的である必要はない。すなわち、冷却通路21,22は半径方向通路20に沿って互いに異なる分配を有していてよい。図4の冷却装置19cは、半径方向通路20から複数の冷却通路22が他方の側にだけ分岐していて、半径方向通路20に通じる複数のフィルム冷却孔23が、互いに特に短い間隔を有している点に特徴がある。
【0044】
すでに述べたように、翼形部11とプラットフォーム12との間の移行部に設けられたすみ肉24は、冷却に関して特に重要である。したがって、図5に示したように、本発明の思想の範囲内では、すみ肉24の範囲でも翼壁18に冷却通路22が設けられている。この冷却通路22によって、臨界的な範囲が十分に冷却される。
【0045】
翼10の製造に関して、図6によれば、半径方向通路20が一方の側、特に下側で開放可能であると有利である。これは、図6の実施の形態によれば、半径方向通路20がすみ肉24の範囲で翼10の内室17に開口することによって達成される。なお、図6では、この開口がすでに閉鎖エレメント28によって閉鎖されている。しかし、このことは、フィルム冷却孔23の加工後に初めて行われる。外側から、たとえばレーザビーム29によるレーザ穿孔によってフィルム冷却孔23を翼10に加工したい場合には、まず、下側の開口を通して、有利にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)から成るストリップ状の挿入体27が半径方向通路20内に押し込まれ、これによって、孔の穿孔時に半径方向通路20における反対の側の内壁が保護される。フィルム冷却孔23が加工された後、挿入体27が半径方向通路20から引き出され、この半径方向通路20が、硬ろう付けされた閉鎖エレメント28によって閉鎖される。
【符号の説明】
【0046】
10 翼(静翼または動翼)
11 翼形部
12 プラットフォーム
13 前縁
14 後縁
15 正圧面
16 負圧面
17 内室
18 翼壁
19,19a,19b,19c 冷却装置
20 半径方向通路
21 冷却通路
22 冷却通路
23 フィルム冷却孔
24 すみ肉
25 インピンジメント冷却孔
26 乱流発生エレメント
27 (ストリップ状の)挿入体
28 閉鎖エレメント
29 レーザビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンに用いられる翼(10)であって、該翼(10)が、翼形部(11)を有しており、該翼形部(11)の翼壁(18)が、内室(17)を取り囲んでおり、翼壁(18)内に、該翼壁(18)を冷却するための冷却装置(19,19a,19b,19c)が配置されており、該冷却装置(19,19a,19b,19c)が、翼長手方向に延びる1つの半径方向通路(20)を有しており、該半径方向通路(20)から、横方向で翼壁(18)内に延びる複数の冷却通路(21,22)が分岐しており、また、半径方向通路(20)から、横方向で外向きに複数のフィルム冷却孔(23)が延設されている、ガスタービンに用いられる翼において、半径方向通路(20)に沿ったフィルム冷却孔(23)の分配が、半径方向通路(20)に沿った冷却通路(21,22)の分配に依存せずに選択されていることを特徴とする、ガスタービンに用いられる翼。
【請求項2】
半径方向通路(20)が、翼壁(18)の中心から内方にずらされて配置されており、これによって、フィルム冷却孔(23)の扇形の配置が可能である、請求項1記載の翼。
【請求項3】
半径方向通路(20)が、一方の端部において外部に対して開放可能であって、該端部において、事後的に取り付けられた閉鎖エレメント(28)によって閉鎖されている、請求項1または2記載の翼。
【請求項4】
翼(10)が、プラットフォーム(12)を有しており、該プラットフォーム(12)に翼形部(11)が、下側の端部において移行しており、半径方向通路(20)が、翼形部(11)とプラットフォーム(12)との間の移行部において外部に対して開放可能である、請求項3記載の翼。
【請求項5】
翼(10)が、プラットフォーム(12)を有しており、該プラットフォーム(12)に翼形部(11)が、下側の端部においてすみ肉(24)を形成して移行しており、移行範囲を冷却するために、すみ肉(24)の範囲に冷却通路(22)が設けられている、請求項1から4までのいずれか1項記載の翼。
【請求項6】
冷却を改善するために、冷却通路(21,22)内に、特にリブまたは支柱の形の乱流発生エレメント(26)が設けられている、請求項1から5までのいずれか1項記載の翼。
【請求項7】
翼(10)の内室(17)から冷却通路(21,22)に通じるインピンジメント冷却孔(25)が設けられている、請求項1から6までのいずれか1項記載の翼。
【請求項8】
半径方向通路(20)から一方の側にだけ冷却通路(21,22)が延びている、請求項1から7までのいずれか1項記載の翼。
【請求項9】
半径方向通路(20)から両側に冷却通路(21,22)が延びている、請求項1から7までのいずれか1項記載の翼。
【請求項10】
半径方向通路(20)から両側に分岐した冷却通路(21,22)の配置が、互いに依存し合わずに選択されている、請求項9記載の翼。
【請求項11】
請求項3記載の翼(10)を製造するための方法において、第1のステップにおいて、一方の側で開いた1つの半径方向通路(20)を備えた翼(10)を準備し、第2のステップにおいて、開いた半径方向通路(20)内にストリップ状の挿入体(27)を押し込み、第3のステップにおいて、外部から翼(10)にフィルム冷却孔(23)を加工し、その際、加工時には、半径方向通路(20)の、フィルム冷却孔(23)と反対の側の壁が、挿入体(27)によって保護されており、第4のステップにおいて、挿入体(27)を半径方向通路(20)から取り出すことを特徴とする、翼を製造するための方法。
【請求項12】
挿入体(27)を取り出した後、半径方向通路(20)を閉鎖エレメント(28)によって閉鎖する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
閉鎖エレメント(28)を硬ろう付けする、請求項12記載の方法。
【請求項14】
挿入体(27)としてPTFE製ストリップを使用して、フィルム冷却孔(23)をレーザ穿孔によって加工する、請求項11から13までのいずれか1項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−11278(P2013−11278A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−145907(P2012−145907)
【出願日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5400 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】