説明

ガスタービンエンジンのロックアウト低減

【課題】ガスタービンエンジンのシャットダウン期間中のこのようなエンジンを作動させる方法を提供する。
【解決手段】ガスタービンエンジンのロックアウト時間を低減する方法は、第1の出力レベルでエンジンを作動させる段階と、事前に出力を実質的に低下させることなくエンジンの運転をシャットダウンする段階と、を含む。シャットダウンの後に熱機械的変化が発生して、ブレードの少なくとも1つとケーシングとの間の半径方向クリアランスを縮小する傾向となる。本方法は更に、エンジンのシャットダウン後、(1)ケーシングを加熱する段階及び/又は(2)周囲空気の空気流を前記入口に送給し、該送給された空気を前記ケーシングに流して前記ロータを通過させ、次いで前記排気ダクトから流出させて、前記熱機械的変化を少なくとも部分的に軽減するようにする段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に、ガスタービンエンジンに関し、より詳細には、シャットダウン期間中のこのようなエンジンを作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、直列流れ関係で、高圧圧縮機、燃焼器、及び高圧又はガス発生器タービンを有するターボ機械コアを含む。コアは、一次ガス流を生成するよう公知の方法で動作可能である。ターボシャフトエンジンにおいて、コアの下流側に配置される別のタービン(低圧「作業」又は「出力」タービンと呼ばれる)が、一次流れからエネルギーを抽出して、シャフト又は他の機械的負荷を駆動する。1つの一般的な用途は、ポンプ、圧縮機、又は発電機のような外部負荷にガスタービンエンジンを結合することである。
【0003】
効率的に運転するために、ガスタービンエンジンのターボ機械は、回転ブレードとこれを囲む固定環状ケーシングとの間に小さいが的確な半径方向クリアランスを維持することに左右される。ケーシングは、一般に、ロータよりも「熱に対する応答性」が高く、すなわち、一般に、エンジン出力の変化及び関連する温度変化の間にロータよりも大きな割合で膨張又は収縮する。結果として、ブレードのクリアランスは、エンジン出力の変化の間に開閉する傾向がある。このため、ガスタービンエンジンは、一般に、半径方向クリアランスが安定することができるように、出力レベルを漸次的に低下させることによってシャットダウンされる。
【0004】
しかしながら、運転上の理由から、漸次的に出力を低下させることなく、外部負荷を取り外すこと、及びエンジンを直ちにシャットダウンすることが必要とされる場合がある。これは、「高温停止」と呼ばれる。高温停止が起こると、エンジン構成要素は急激に冷却される。一般に、ケーシングはロータよりも速く冷却され、ケースをロータブレードに対して加圧して、圧縮機の空気流クリアランスを縮めるようにする。また、エンジンが停止すると、回転する自然対流パターンにより、ロータの上側部分が加熱され、下側部分よりも膨張するようになる。これによりロータの曲げ又は湾曲が生じて、特定の位置で半径方向クリアランスが更に減少する。ケース収縮とロータの湾曲の複合作用によりロータが「ロック」され、ロータとケーシングが実際に互いに接触した状態になる。
【0005】
エンジンが高温停止を生じると、エンジンは、シャットダウン後の短時間(例えば、約10分)の内に再始動又は高温クランクを受けて、ロータがロックアップしないようにしなければならない。ロータがロックアップした場合、エンジンは、ロータ及びケーシングの損傷を回避するために「ロックアップ期間」が経過するまでは再始動することができない。この期間は、エンジンが供用されないコスト及び物理上の不都合さを含む、幾つかの理由で望ましいものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,003,200号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、高温停止後のロックアウト期間を最小限にする又は回避する、ガスタービンエンジン運転方法に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この必要性は、1つの態様による、ケーシングを加熱し及び/又はガスタービンエンジンのロータを冷却してロックアウト時間を短縮する方法を提供する本発明によって対処される。
【0009】
本発明の1つの態様によれば、ガスタービンエンジンのロックアウト時間を低減する方法が提供され、該ガスタービンエンジンは、直列流れ連通で、入口と、圧縮機と、燃焼器と、タービンと、排気ダクトとを含み、前記圧縮機及びタービンがターボ機械ロータ上に支持されて且つ各々が前記エンジンのケーシング内で回転するように装着されたブレードのアレイを含む。本方法は、第1の出力レベルでエンジンを作動させる段階と、事前に出力レベルを実質的に低下させることなく、エンジンの運転をシャットダウンする段階と、
を含み、シャットダウンの後に熱機械的変化がロータ及びケーシングにおいて発生して、ブレードの少なくとも1つとケーシングとの間の半径方向クリアランスを縮小する傾向となり、本方法が更に、エンジンのシャットダウン後、エンジンのケーシングを加熱して、ケーシングを膨張させ且つロータのブレードとケーシングとの間の半径方向クリアランスを増大させる段階と、を含む。
【0010】
本発明の別の態様によれば、ガスタービンエンジンのロックアウト時間を低減する方法が提供され、該ガスタービンエンジンは、直列流れ連通で、入口と、圧縮機と、燃焼器と、タービンと、排気ダクトとを含み、前記圧縮機及びタービンがターボ機械ロータ上に支持されて且つ各々が前記エンジンのケーシング内で回転するように装着されたブレードのアレイを含む。本方法は、選択された出力レベルでエンジンを作動させる段階と、事前に出力レベルを実質的に低下させることなく、エンジンの運転をシャットダウンする段階と、を含み、シャットダウンの後に冷却に起因する熱機械的変化がロータ及びケーシングにおいて発生して、ブレードの少なくとも1つとケーシングとの間の半径方向クリアランスを縮小することによりロックアウト状態が生じる傾向となり、本方法が更に、エンジンのシャットダウン後、周囲空気の空気流を入口に送給し、該送給された空気をケーシングに流してロータを通過させ、次いで排気ダクトから流出させて、熱機械的変化を少なくとも部分的に軽減するようにする段階と、を含む。
【0011】
本発明は、添付図面と共に以下の説明を参照することによって最もよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の1つの態様に従って構成された発電機セットモジュールの概略断面図。
【図2】図1に示すガスタービンエンジンの概略断面図。
【図3】図2に示すエンジンのロータの湾曲を示す概略図。
【図4】加熱素子の装着を示す、図2に示したエンジンの一部の半断面図。
【図5】図2のエンジンの入口に結合されたブロアを示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
種々の図全体を通して同一の参照符号が同じ要素を表す図面を参照すると、図1は、発電機セットモジュール100を示している。モジュール100は、エンジンエンクロージャ14が装着されるベース12と、発電機16とを含む。発電機16は、外部負荷装置の代表的な実施例として使用されている。ガスタービンエンジン20(又は単に「エンジン」)は、エンジンエンクロージャ14内部に配置される。エンジンエンクロージャ14は、エンジン20の入口24と流れ連通して結合された燃焼空気入口22と、エンジン20の排気ダクト28と流れ連通して結合された排気ガス出口26とを含む。ガスタービンエンジン20は、出力シャフト30により発電機16に結合される。
【0014】
図2を参照すると、エンジン20は、回転圧縮機ブレード34の複数の段を支持する高圧圧縮機(「HPC」)32と、回転タービンブレード40の複数の段を支持する高圧タービン(「HPT」)38とを含む。HPC、燃焼器、及びHPTは全て、線「A」で表記される中心長手方向軸線に沿って直列の軸方向流れ関係で配列される。これら3つの構成要素を総称して「コア」と呼ばれる。高圧圧縮機32は、燃焼器36に流れる加圧空気を提供し、該燃焼器36に燃料が導入されて燃焼し、高温の燃焼ガスを発生する。高温の燃焼ガスは、高圧タービン38に排出され、ここで高温の燃焼ガスが膨張されてこれからエネルギーが抽出される。高圧タービン38は、ロータシャフト42を通じて圧縮機32を駆動する。高圧タービン38から流出する燃焼ガスは、下流側の出力タービン44(場合によっては「低圧タービン」又は「作業タービン」とも呼ばれる)に排出される。出力タービン44は、上述の出力シャフト30を駆動する。
【0015】
高圧圧縮機32、ロータシャフト42、及び高圧タービン38を総称して「コアロータ」又は単に「ロータ」46と呼ばれる。ロータ46は、固定環状ケーシング48内で回転し、該ケーシング48は、この実施例では、高圧圧縮機ケース50及び圧縮機後方フレーム52を含む。圧縮機ブレード34及びタービンブレード40の半径方向先端は、ケーシング48の内側表面から定められる半径方向クリアランスを有する。
【0016】
定常エンジン運転中、燃焼器への燃料流量及びロータ46の回転速度(RPM)はほぼ一定である。その結果、種々の構成要素の温度がほぼ一定であり、ブレード先端とケーシング48との間の半径方向クリアランスも一定である。エンジン出力が増大することは、RPM、燃料流量、及び構成要素の温度が増大することを意味し、エンジン出力が低下することは、RPM、燃料流量、及び構成要素の温度が低下することを意味する。出力の変化の間、ケーシング48の物理的特性は、ロータ46よりもより熱に対する応答性が高くなる傾向がある。換言すると、ケーシングは、温度変化に応答してロータ46よりもより速い割合で半径方向に増大又は収縮する。この特性は、上述の高温停止中に特に問題となり、ロータロックアップにつながることが多い。
【0017】
エンジン運転中、エンジン20内の空気、ガス、及び構成要素の温度は、ロータ46の周辺で比較的均一に分布される傾向がある。換言すると、前方から後方を見たときに、種々の時計位置での温度はほぼ等しいか、又は比較的狭い限度内で変化する。エンジン20がシャットダウンされると、ロータ46は減速して極めて短い時間期間(例えば、約2〜3分)で回転を停止する。ロータ46が停止すると、自然対流の流れにより、ロータ46の上半分が加熱され、下側部分よりも軸方向に膨張するようになる。その結果、ロータ46が「湾曲」状態になる。図3は、この湾曲を概略的に示しており、ここでラインAは、ロータ46の中心長手方向軸線の位置を表し、エンジンの中心長手方向軸線と公称上同軸であり、ライン「A’」は、湾曲したロータ46の中心軸線を表している。湾曲の程度は、説明の目的で大きく強調されている。この湾曲は、ロータ46に沿った特定の軸方向位置においてロータ46とケーシング48との間の半径方向クリアランスを縮小する傾向がある。湾曲とケーシング収縮とが共同してエンジン20の熱機械的変化を構成する。
【0018】
本発明は、半径方向クリアランスの損失と湾曲の両方を低減する装置及び方法を提供する。本発明の1つの態様によれば、ケーシング48を選択的に加熱してこれを膨張させるようにするための手段を提供することができる。例えば、図4は、ケーシング48の外部に適用される公知のタイプの一連の電気抵抗式加熱素子54を示している。各加熱素子54は、ケーシング48の外側表面と接触して配置された環状リングの形態である。個々の加熱素子54は、コントローラ56に接続され、該コントローラは、バッテリ、発電機、又は電力網などの電源58に接続される。抵抗式加熱素子54の代わりに他のタイプの加熱装置を用いることができることも想定される。例えば、剛性素子の代わりに、可撓性の加熱ブランケットを用いることができる。別の実施例として、中空管体(図示せず)をケーシング48の外側表面の周りに取り付けて、水、ブリード空気、オイル、又は蒸気などの加熱流体を管体に通して循環させることができる。
【0019】
コントローラ56は、電源58からの電力を加熱素子54に選択的に供給できる装置である。コントローラ56は、例えば、幾つかのリレーを用いて実施することができ、或いは、プログラマブルロジックコントローラ又はマイクロプロセッサベースの汎用マイクロプロセッサを組み込むことができる。図示の実施例では、加熱素子54は、個別に給電可能な複数のゾーンに区分され、一部のゾーンは単一の加熱素子54を含み、他のゾーンは複数の加熱素子を含む。区分制御を用いることにより、ケーシング48に沿った幾つかの位置において壁厚及び構成要素の構成に応じて加熱率が調整可能になる。
【0020】
高温停止が生じた後、ケーシング48(又はその選択された部分)が加熱されて膨張し、圧縮機ブレード34とケーシング48の内側表面との間の半径方向クリアランスが増大するようになる。例えば、ケーシング48は、約260℃(500°F)〜約370℃(700°F)の範囲の温度まで加熱することができる。このような温度は、ケーシング48の材料に損傷を与えるほど高温ではないが、半径方向クリアランスを増大させるには効果的であり、これによりロータ46がロック解除されるので、エンジン20を再始動することができる。エンジン20が再始動されると、加熱を終了することができる。加熱素子54の制御は、固定持続加熱サイクルを実施する簡易タイマーを通じて行うことができる。或いは、エンジン20は、コントローラ56(図4に概略的に示されている)に動作可能に結合された1つ又はそれ以上の歪みゲージ60又は同様のセンサを備えることができ、加熱サイクルは、ケーシング48が所定量膨張したときに終了することができる。
【0021】
本発明の別の態様によれば、高温停止後のロータ46を冷却するための手段を提供することができる。図示の実施例において、ブロア64は、ベース66、ファン68(遠心ファンなど)、及びファン68を駆動する電気モータ70を含む。ファン68の出口ダクト72は、エンジン入口24の正面に位置付けることができ、これら2つの間に末広アダプタダクト74を配置することができる。ブロア64は、エンジン入口24を通じて実質的に軸対称パターンで空気を吐出するよう配列される。ブロア64は、バッテリ、発電機、又は電力網(図示せず)などの好適な電源に接続される。
【0022】
高温停止が生じた後、ブロア64は、エンジン20の入口24の正面に位置付けられ、モータ70が始動する。ブロア64は、室温(例えば、約15℃(59°F))の周囲空気をケーシング48に送り込み、ロータ46を通過させる。ブロア64によって生成される空気流は、低圧(例えば、約3〜4kPa(H2O中12〜16))で比較的高容量流量(例えば、約28〜51m3/min.)(1000〜1800ACFM)を有する。空気流は、ロータ46及びケーシング48をある程度まで冷却するのに有効であり、また、ロータ46の周りに自然対流パターンを分散させるのに効果的である。これにより、ロータ46の周辺で温度の均一化がもたらされる。温度の均一化により、ロータ46の湾曲が軽減される。ブロア64の吐出圧は、ロックアップ状態のロータ46を転回させるには十分ではないが、ロータ46がロックアップ状態にない場合には、ロータ46を転回又は「回転」させるのに十分である。従って、ブロア64は、ロータ46の回転速度を監視することにより制御することができる。ロータ46がかなりの速度(例えば、数百RPM)で回転し始めると、ブロア64は停止され、入口24から離すことができる。
【0023】
上述の加熱及び冷却技法を組み合わせて用いて、ロックアウト時間を実質的に短縮し、場合によってはロックアウト時間を完全に排除することができる。上述の加熱及び冷却技法並びにこれらの組み合わせにより、ロックアウト期間を数時間から数分にまで短縮できることが試験によって示された。例えば、ロックアウト時間は、本技法の組み合わせを用いて約10分〜約30分にすることができる。
【0024】
組み合わされた加熱及び冷却技法の制御は、統合することができる。例えば、高温停止後、加熱素子54及びブロア64は、ロータ速度を監視しながら同時に始動することができる。ロータ46が所定の閾値速度に達すると、加熱及び冷却の両方を終了させることができる。
【0025】
以上、ガスタービンエンジンにおけるロックアウトの低減方法について説明した。本発明の特定の実施形態を説明してきたが、添付の請求項によって定義される本発明の技術的思想及び範囲から逸脱することなく種々の修正形態を実施できることは、当業者であれば理解されるであろう。従って、本発明は、上述の説明によって限定されると見なすべきではなく、添付の請求項の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0026】
10
12 ベース
14 エンジンエンクロージャ
16 発電機
20 エンジン
22 燃焼空気入口
24 入口
26 排気ガス出口
28 排気ダクト
30 出力シャフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジンのロックアウト時間を低減する方法であって、前記ガスタービンエンジンが、直列流れ連通で、入口と、圧縮機と、燃焼器と、タービンと、排気ダクトとを含み、前記圧縮機及びタービンがターボ機械ロータ上に支持されて且つ各々が前記エンジンの固定ケーシング内で回転するように装着されたブレードのアレイを含み、
前記方法が、
第1の出力レベルで前記エンジンを作動させる段階と、
事前に前記出力レベルを実質的に低下させることなく、前記エンジンの運転をシャットダウンする段階と、
を含み、
前記シャットダウンの後に冷却に起因する熱機械的変化が前記ロータ及び前記ケーシングにおいて発生して、前記ブレードの少なくとも1つと前記ケーシングとの間の半径方向クリアランスを縮小することによりロックアウト状態が生じる傾向となり、
前記方法が更に、
前記エンジンのシャットダウン後、前記エンジンのケーシングを加熱して、前記ケーシングを膨張させ、且つ前記ロータのブレードと前記ケーシングとの間の半径方向クリアランスを増大させ、前記熱機械的変化を少なくとも部分的に軽減するようにする段階
を含む、方法。
【請求項2】
前記ケーシングの加熱を所定時間後に終了する段階を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ケーシングの温度を決定する段階と、
前記ケーシングが所定温度に達したときに前記ケーシングの加熱を終了する段階と、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ケーシングの物理的寸法を決定する段階と、
前記寸法が所定量増大したときに前記ケーシングの加熱を終了する段階と、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ケーシングが、該ケーシングの外側表面と接触して配置される少なくとも1つの加熱素子を用いて加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
複数の間隔を置いて配置される環状加熱素子が前記ケーシングの外側表面と接触して配置される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記加熱素子が、1つ又はそれ以上の加熱素子の複数のゾーンにグループ化され、各ゾーンが個々に制御可能である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記エンジンのシャットダウン後、周囲空気の空気流を前記エンジンの入口に送給し、該送給された空気を前記ケーシングに流して前記ロータを通過させ、前記排気ダクトから流出させることを可能にする段階を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ロータの回転速度を監視して、前記ロータが所定の回転速度を上回ったときに前記ケーシングの加熱を停止する段階を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記空気が、前記入口の正面に位置付けられ且つダクトにより前記入口に結合されたブロアによって送給される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記空気流は、前記エンジンがロックアウト状態にない場合には前記ロータを回転させるのに十分であるが、前記エンジンがロックアウト状態である場合には、前記ロータを転回させるには不十分である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ガスタービンエンジンのロックアウト時間を低減する方法であって、前記ガスタービンエンジンが、直列流れ連通で、入口と、圧縮機と、燃焼器と、タービンと、排気ダクトとを含み、前記圧縮機及びタービンがターボ機械ロータ上に支持されて且つ各々が前記エンジンの固定ケーシング内で回転するように装着されたブレードのアレイを含み、
前記方法が、
選択された出力レベルで前記エンジンを作動させる段階と、
事前に前記出力レベルを実質的に低下させることなく、前記エンジンの運転をシャットダウンする段階と、
を含み、
前記シャットダウンの後に冷却に起因する熱機械的変化が前記ロータ及び前記ケーシングにおいて発生して、前記ブレードの少なくとも1つと前記ケーシングとの間の半径方向クリアランスを縮小することによりロックアウト状態が生じる傾向となり、
前記方法が更に、
前記エンジンのシャットダウン後、周囲空気の空気流を前記入口に送給し、該送給された空気を前記ケーシングに流して前記ロータを通過させ、次いで前記排気ダクトから流出させて、前記熱機械的変化を少なくとも部分的に軽減するようにする段階
を含む、方法。
【請求項13】
前記空気が、前記入口の正面に位置付けられ且つダクトにより前記入口に結合されたブロアによって送給される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記空気流は、前記エンジンがロックアウト状態にない場合には前記ロータを回転させるのに十分であるが、前記エンジンがロックアウト状態である場合には、前記ロータを転回させるには不十分である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ロータの回転速度を監視して、前記ロータが所定の回転速度を上回ったときに前記空気流を停止する段階を含む、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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