ガスタービンエンジン用のファンナセル、ファンナセルアッセンブリ、およびガスタービンエンジンの環状ファン出口面積を変える方法
【課題】効果的で比較的費用のかからないガスタービンエンジンファンナセル用の面積可変ノズルを提供する。
【解決手段】推力方向可変のファン用面積可変ノズル(FVAN)28は、同期リングと、静止リング42と、ファンナセル32内に取付けられたフラップアッセンブリと、を有する。アクチュエータアッセンブリ48は、同期リングセグメントを静止リング42に対して選択的に回転させて、推力方向可変FVAN28のセグメントの非対称運動によって環状のファン出口面積を変え、推力の方向を変えるようにフラップアッセンブリのセグメントを調整する。動作時、すべてのセグメントが同時に動く推力方向可変FVAN28の外縁部全体を調整して、エンジン推力を最大にし、燃料を節約する。推力方向可変FVAN28のセグメントを個別に調整することにより、エンジン推力の方向を選択的に変えて、トリムバランスをとったり、推力を制御した操縦を可能にする。
【解決手段】推力方向可変のファン用面積可変ノズル(FVAN)28は、同期リングと、静止リング42と、ファンナセル32内に取付けられたフラップアッセンブリと、を有する。アクチュエータアッセンブリ48は、同期リングセグメントを静止リング42に対して選択的に回転させて、推力方向可変FVAN28のセグメントの非対称運動によって環状のファン出口面積を変え、推力の方向を変えるようにフラップアッセンブリのセグメントを調整する。動作時、すべてのセグメントが同時に動く推力方向可変FVAN28の外縁部全体を調整して、エンジン推力を最大にし、燃料を節約する。推力方向可変FVAN28のセグメントを個別に調整することにより、エンジン推力の方向を選択的に変えて、トリムバランスをとったり、推力を制御した操縦を可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンエンジンに関し、より詳細には、ファンナセル内に推力の方向を変更できる面積可変ノズル構造体を有するターボファンガスタービンエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機用ターボファンエンジンでは、空気はコンプレッサで加圧され、燃焼器で燃料と混合されて高温燃焼ガスとなり、この燃焼ガスはエネルギを取り出すタービン段を通って下流に流れる。高圧タービンはコンプレッサを駆動し、低圧タービンは低圧コンプレッサの上流に配置されたファンを駆動する。
【0003】
燃焼ガスは、コアエンジンからコア排気ノズルを通って放出され、ファン空気は、コアエンジンを囲むナセルによって少なくとも部分的に画定された環状のファン排気ノズルを通って放出される。大部分の推進力は、ファン排気ノズルから放出された加圧ファン空気がもたらし、残りの推力はコア排気ノズルから放出された燃焼ガスがもたらす。
【0004】
離陸操縦や巡航操縦などの特定の飛行態勢に出口面積を合わせることで、航空機の様々な飛行状態時にエンジンの最大性能を引き出すことができるのは、航空機用ガスタービンエンジンの分野では公知である。軍用機では、性能を高くしようとすると、すべての排気が案内される面積可変ノズル構造体は費用のかかるものとなり、重くなり、より複雑になる。しかし、このような考え方が、民間および軍用輸送機の典型的なターボファンガスタービンエンジン推進システムに、ファン空気用の面積可変ノズルを組み込むことを阻んできた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、効果的で比較的費用のかからないガスタービンエンジンファンナセル用の面積可変ノズルを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による推力方向可変のファン用面積可変ノズル(FVAN)は、同期リングアッセンブリと、静止リングと、ファンナセル内に取付けたフラップアッセンブリと、を有する。このフラップアッセンブリのセグメントは、ヒンジで静止リングに回動可能に取付けられ、それぞれのリンク機構によって、同期リングアッセンブリの独立して回転可能なセグメントに連結される。アクチュエータアッセンブリは、静止リングに対して各同期リングセグメントを選択的に回転させて、フラップアッセンブリセグメントを個別に調整する。
【0007】
運転時、すべてのセグメントが同時に動く推力方向可変FVANの外縁部全体を調整して、各飛行態勢中に、エンジン推力を最大化し、燃料を最大限に節約する。推力方向可変FVANの特定のセグメントを非対称の形態で個別に調整することで、エンジン推力の方向を選択的に変えて、単なる例として挙げると、トリムバランスをとったり、推力を制御した操縦を可能にしたりする。
【0008】
したがって、本発明は、効果的で比較的費用のかからないガスタービンエンジンファンナセル用の面積可変ノズルを提示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1Aは、亜音速運転用に設計した航空機の典型的な例として、エンジンパイロン12から吊したガスターボファンエンジン10の概略の部分図を示す。エンジン10は、高バイパスターボファン航空機エンジンとするのが好ましい。エンジン10は通常、低圧コンプレッサを備えたファン14、高圧コンプレッサ16、環状燃焼器18、高圧タービン20、および低圧タービン22を、流れが直列につながった状態で有する。運転中に、空気はコンプレッサで加圧され、燃焼器で燃料と混合されて高温燃焼ガスを発生させ、この燃焼ガスは、エネルギを取り出す高圧タービンおよび低圧タービンを通る。高圧タービンはシャフトを介してコンプレッサを駆動し、低圧タービンは別のシャフトを介してファンを駆動する。
【0010】
典型的なターボファンエンジン10は、ナセルアッセンブリ24内に取付けた高バイパス比エンジンの形態をなし、このナセルアッセンブリ内で、ファンによって加圧された空気の大部分は、推進力を発生させるためにコアエンジン自体を迂回する。ファン空気Fは、エンジン10から、コアナセル30とファンナセル32との間に半径方向に画定された(図1Bおよび図1Cにも示した)推力方向可変のファン用面積可変ノズル(FVAN)28を通って放出される。推力方向可変FVAN28は、独立して動かせる複数のセグメント28A〜28D(4つ示している)を有するのが好ましい。任意の数のセグメントを利用できることを理解されたい。
【0011】
コア排気ガスCは、コアエンジンから、コアナセル30とセンタプラグ36との間に画定されたコア排気ノズル34を通って放出され、コアナセル30およびセンタプラグ36は、エンジン10およびナセルのエンジン長手方向中心線軸Aの周りに同軸上に配置されている。
【0012】
ファンナセル32の推力方向可変FVAN28は、コアナセル30を同軸に囲んで、上流のファン14によって加圧されたファン空気Fを軸方向に放出し、かつ環状のファンダクトDの下流にある直径可変ノズルを画定する。
【0013】
図2Aを参照すると、推力方向可変FVAN28の部分には通常、同期リングアッセンブリ40、静止リング42、およびフラップアッセンブリ44が含まれる。フラップアッセンブリ44は、多数のヒンジ45で静止リング42に回動可能に取付けられ、リンク機構46によって同期リングアッセンブリ40に連結されている。アクチュエータアッセンブリ48(1つのみを示す)は、静止リング42に対して、連動する同期リングセグメント40A〜40D(図2B)を回転させて、リンク機構46を介して、連動するフラップアッセンブリ44を調整することで、FVANの各セグメント28A〜28Dを選択的に回転させ、ファン空気Fを放出する、推力方向可変FVAN28によって画定された領域の面積が変わるようにする。FVANの各セグメント28A〜28Dを非対称に動かす各種作動システムを本発明で利用することもできることを理解されたい。
【0014】
図2Bを参照すると、同期リングアッセンブリ40は、ファンナセル32内に固定された多数のスライダトラック70内に取付けられている(図1B)。同期リングセグメント40A〜40Dはそれぞれ独立して回転でき、それぞれ、連動する調整可能なフラップアッセンブリセグメント44A〜44Dを調整する(図1C)。すなわち、各同期リングアッセンブリ40A〜40Dが回転して、連動する調整可能なフラップアッセンブリセグメント44A〜44Dを独立して調整する。特に、アクチュエータアッセンブリ48は、同期リングアッセンブリ40の各セグメント40A〜40Dを独立して回転させて、比較的複雑でない、薄型のシステムを通じて比較的大きな力を伝達するリニアアクチュエータを有する。
【0015】
同期リングセグメント40A〜40Dは、同期リングスライダ連結トラック70i内で隣接するセグメントと境界をなすのが好ましく、これは、これらの間に空隙を設けることで、同期リングセグメント40A〜40Dが独立して回転するのを可能にする。すなわち、各同期リングスライダ連結トラック70iは、2つの隣接する同期リングセグメント40A〜40Dが独立して動けるように、スライド可能に支持する固定部材である。
【0016】
推力方向可変FVAN28は、同期リングセグメント40A〜40Dと、連動する調整可能なフラップアッセンブリセグメント44A〜44Dとによって画定される4つのセグメント28A,28B,28C,28Dに分離されるのが好ましい。4つのセグメント28A〜28Dは、それぞれ独立して調整できる。すなわち、同期リングスライダ連結トラック70iによって画定される各セグメント28A〜28D間の境界部において、入れ込み式のさねはぎ構成は何らないので、組み立てたときに、隣接するセグメントの各側部上にあるフラップが重なることはない(図3B)。可撓性シール装置を各セグメント28A,28B,28C,28Dの間に配置することができることを理解されたい。さらに、4つのセグメントが図示されているが、別の選択肢として、または追加するものとして、任意の数量のセグメントを設けることができ、フラップを独立して動かすことができることを理解されたい。このような代替の実施形態の1つとして、上側セグメントと下側セグメント(28Aと28Dが合体され、28Bと28Cが合体される)のみを設けることもできる。
【0017】
図2Cを参照すると、フラップアッセンブリ44の各フラップ44a用のリンク機構46は通常、ヒンジビーム50と、スライダブロックアッセンブリ52と、留め具56によってスライダブロックアッセンブリ52に取付けられたヒンジピン54と、を有する。スライダブロックアッセンブリ52は、ヒンジピン54が長手方向軸Pのまわりに回転できるように、留め具56によって相互間に取付けられた第1のスライダブロック52aおよび第2のスライダブロック52bを有するのが好ましい。ヒンジピン54は、ヒンジビームロッド60を受ける開口部58を有する。
【0018】
各フラップ44aは、ヒンジビーム50に取付けられた、機械加工したアルミニウム製ハニカムコア62とカーボンファイバ入り外装部64とを有するのが好ましい(図3A)。各セグメント28A〜28D内の各フラップ44aは、入れ込み式のさねはぎ構成をなして、組み立てたときに入れ子になる(図3B)。すなわち、各フラップ44aは隣接するフラップ44aと係合して、出口領域を画定する円周方向のシール材を形成する。
【0019】
スライダブロック52a,52bは、 同期リングアッセンブリ40に形成されたスロット66内に配置される。同期リングアッセンブリ40内に形成されたスロット66は、エンジンの長手方向中心線軸Aの周りに非円周方向に配置されている。すなわち、各スロット66によって画定される中間線Mは、同期リングアッセンブリ40によって長手方向中心軸Aを中心に画定される同心円Cに交差している(図2D)。好ましくは、スロット66は、組立を容易にするために、スロット66の長さを延長してスライダブロック52a,52bを受ける半径方向組立用開口部69を有する。あるいは、スライダブロック52a,52bは、半径方向組立用開口部69がないスロット66への組み込みを容易にするために、複数の部品から形成されてもよい。
【0020】
動作時、アクチュエータアッセンブリ48は、同期リングアッセンブリ40の同期リングセグメント40A〜40Dをエンジンの長手方向中心線軸Aを中心に円周方向に独立して回転させる(両側矢印X、図4A)。各同期リングセグメント40A〜40D内で、スライダブロックアッセンブリ52は、ヒンジビームロッド60が、各フラップアッセンブリ44A〜44Dで、半径方向運動を接線方向運動に変換して、対応するフラップアッセンブリ44A〜44Dの直径が変わる(図4Bおよび図4Cに様々な位置を例示している)ようにスロット66内を移動する。同期リングアッセンブリ40のすべての同期リングセグメント40A〜40Dが一体で移動すると、ファンナセルとコアナセルとの間の環状ファン出口領域の外縁部(図1C)が変化する。同期リングアッセンブリ40の特定のセグメント40A〜40Dが個別に動くと、ファンナセルとコアナセルとの間の環状ファン出口領域の外縁部(図1C)によって、ファン出口領域が非対称となる。
【0021】
すべてのセグメント28A〜28Dが同時に動く推力方向可変FVAN28の外縁部全体を調整して(図5A、FVAN28が対称に狭められている)、ファンノズル出口領域の面積を変えることで、各飛行態勢中に、エンジン推力を最大にし、燃料を最大限に節約する。推力方向可変FVAN28のセグメント28A〜28Dを個別に調整して、ファンノズル出口領域を非対称にする(図5B、推力が一方向に向けられるように、FVANセグメント28B,28Cのみが狭められている)ことで、エンジン推力の方向を選択的に変えて、単に例として挙げると、トリムバランスをとったり、推力を制御した操縦を可能にしたりする。
【0022】
各セグメント28A〜28Dとともに利用するアクチュエータアッセンブリ48の各アクチュエータ48A〜48D(図2)またはアクチュエータ一式は、推力方向可変FVAN28の各セグメント28A〜28Dの位置を調整するために、エンジンコントローラまたは同種のものとつながるのが好ましい。ただし、飛行制御システムを含む他の制御システムも同様に、本発明で使用することができ、推力方向可変FVAN28を航空機飛行制御システムと統合する。すなわち、推力方向可変FVAN28は、空力的制御面と統合された別の制御システムとして利用される。
【0023】
上述の説明は、限定するものではなくて例示である。上述の教示を考慮して、本発明についての多数の修正と変更が可能である。本発明の好ましい実施形態が開示されたが、当業者ならば、特定の修正が本発明の範囲内であると分かるであろう。したがって、添付の請求項の範囲内において、具体的に説明されたものとは別の方法で本発明を実施することができることを理解されたい。こういう理由から、添付の特許請求の範囲が本発明の真の範囲および内容を究明するために検討されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】本発明で使用する典型的なターボファンエンジンの具体例の概略図である。
【図1B】エンジンの部分斜視図である。
【図1C】エンジンの背面図である。
【図2A】推力方向可変FVANの断面斜視図である。
【図2B】同期リングアッセンブリおよびそのセグメントの概略の平面図である。
【図2C】推力方向可変FVANの1つのフラップ用リンク機構の分解図である。
【図2D】推力方向可変FVANの同期リング内にあるスロットの概略図である。
【図3A】推力方向可変FVANの1つのフラップの分解図である。
【図3B】フラップアッセンブリの2つのフラップの間のスライド式さねはぎ接合部を示す背面図である。
【図4A】推力方向可変FVANの後部断面図である。
【図4B】様々な位置にあるフラップアッセンブリの側面図である。
【図4C】各フラップを異なる位置で示した様々な位置にあるフラップアッセンブリの斜視図である。
【図5A】各セグメントが、ファン出口のスロート領域を狭めるように、同期した態様で配置されており、実施例として狭まった状態にある推力方向可変FVANの概略の背面図である。
【図5B】下側セグメントが上側セグメントに対して非対称に配置されて、ファン出口のスロート領域を出る推進物をエンジン流に向けて「上」方向に向かわせており、実施例として推力方向を変える状態にある推力方向可変FVANの概略の背面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンエンジンに関し、より詳細には、ファンナセル内に推力の方向を変更できる面積可変ノズル構造体を有するターボファンガスタービンエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機用ターボファンエンジンでは、空気はコンプレッサで加圧され、燃焼器で燃料と混合されて高温燃焼ガスとなり、この燃焼ガスはエネルギを取り出すタービン段を通って下流に流れる。高圧タービンはコンプレッサを駆動し、低圧タービンは低圧コンプレッサの上流に配置されたファンを駆動する。
【0003】
燃焼ガスは、コアエンジンからコア排気ノズルを通って放出され、ファン空気は、コアエンジンを囲むナセルによって少なくとも部分的に画定された環状のファン排気ノズルを通って放出される。大部分の推進力は、ファン排気ノズルから放出された加圧ファン空気がもたらし、残りの推力はコア排気ノズルから放出された燃焼ガスがもたらす。
【0004】
離陸操縦や巡航操縦などの特定の飛行態勢に出口面積を合わせることで、航空機の様々な飛行状態時にエンジンの最大性能を引き出すことができるのは、航空機用ガスタービンエンジンの分野では公知である。軍用機では、性能を高くしようとすると、すべての排気が案内される面積可変ノズル構造体は費用のかかるものとなり、重くなり、より複雑になる。しかし、このような考え方が、民間および軍用輸送機の典型的なターボファンガスタービンエンジン推進システムに、ファン空気用の面積可変ノズルを組み込むことを阻んできた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、効果的で比較的費用のかからないガスタービンエンジンファンナセル用の面積可変ノズルを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による推力方向可変のファン用面積可変ノズル(FVAN)は、同期リングアッセンブリと、静止リングと、ファンナセル内に取付けたフラップアッセンブリと、を有する。このフラップアッセンブリのセグメントは、ヒンジで静止リングに回動可能に取付けられ、それぞれのリンク機構によって、同期リングアッセンブリの独立して回転可能なセグメントに連結される。アクチュエータアッセンブリは、静止リングに対して各同期リングセグメントを選択的に回転させて、フラップアッセンブリセグメントを個別に調整する。
【0007】
運転時、すべてのセグメントが同時に動く推力方向可変FVANの外縁部全体を調整して、各飛行態勢中に、エンジン推力を最大化し、燃料を最大限に節約する。推力方向可変FVANの特定のセグメントを非対称の形態で個別に調整することで、エンジン推力の方向を選択的に変えて、単なる例として挙げると、トリムバランスをとったり、推力を制御した操縦を可能にしたりする。
【0008】
したがって、本発明は、効果的で比較的費用のかからないガスタービンエンジンファンナセル用の面積可変ノズルを提示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1Aは、亜音速運転用に設計した航空機の典型的な例として、エンジンパイロン12から吊したガスターボファンエンジン10の概略の部分図を示す。エンジン10は、高バイパスターボファン航空機エンジンとするのが好ましい。エンジン10は通常、低圧コンプレッサを備えたファン14、高圧コンプレッサ16、環状燃焼器18、高圧タービン20、および低圧タービン22を、流れが直列につながった状態で有する。運転中に、空気はコンプレッサで加圧され、燃焼器で燃料と混合されて高温燃焼ガスを発生させ、この燃焼ガスは、エネルギを取り出す高圧タービンおよび低圧タービンを通る。高圧タービンはシャフトを介してコンプレッサを駆動し、低圧タービンは別のシャフトを介してファンを駆動する。
【0010】
典型的なターボファンエンジン10は、ナセルアッセンブリ24内に取付けた高バイパス比エンジンの形態をなし、このナセルアッセンブリ内で、ファンによって加圧された空気の大部分は、推進力を発生させるためにコアエンジン自体を迂回する。ファン空気Fは、エンジン10から、コアナセル30とファンナセル32との間に半径方向に画定された(図1Bおよび図1Cにも示した)推力方向可変のファン用面積可変ノズル(FVAN)28を通って放出される。推力方向可変FVAN28は、独立して動かせる複数のセグメント28A〜28D(4つ示している)を有するのが好ましい。任意の数のセグメントを利用できることを理解されたい。
【0011】
コア排気ガスCは、コアエンジンから、コアナセル30とセンタプラグ36との間に画定されたコア排気ノズル34を通って放出され、コアナセル30およびセンタプラグ36は、エンジン10およびナセルのエンジン長手方向中心線軸Aの周りに同軸上に配置されている。
【0012】
ファンナセル32の推力方向可変FVAN28は、コアナセル30を同軸に囲んで、上流のファン14によって加圧されたファン空気Fを軸方向に放出し、かつ環状のファンダクトDの下流にある直径可変ノズルを画定する。
【0013】
図2Aを参照すると、推力方向可変FVAN28の部分には通常、同期リングアッセンブリ40、静止リング42、およびフラップアッセンブリ44が含まれる。フラップアッセンブリ44は、多数のヒンジ45で静止リング42に回動可能に取付けられ、リンク機構46によって同期リングアッセンブリ40に連結されている。アクチュエータアッセンブリ48(1つのみを示す)は、静止リング42に対して、連動する同期リングセグメント40A〜40D(図2B)を回転させて、リンク機構46を介して、連動するフラップアッセンブリ44を調整することで、FVANの各セグメント28A〜28Dを選択的に回転させ、ファン空気Fを放出する、推力方向可変FVAN28によって画定された領域の面積が変わるようにする。FVANの各セグメント28A〜28Dを非対称に動かす各種作動システムを本発明で利用することもできることを理解されたい。
【0014】
図2Bを参照すると、同期リングアッセンブリ40は、ファンナセル32内に固定された多数のスライダトラック70内に取付けられている(図1B)。同期リングセグメント40A〜40Dはそれぞれ独立して回転でき、それぞれ、連動する調整可能なフラップアッセンブリセグメント44A〜44Dを調整する(図1C)。すなわち、各同期リングアッセンブリ40A〜40Dが回転して、連動する調整可能なフラップアッセンブリセグメント44A〜44Dを独立して調整する。特に、アクチュエータアッセンブリ48は、同期リングアッセンブリ40の各セグメント40A〜40Dを独立して回転させて、比較的複雑でない、薄型のシステムを通じて比較的大きな力を伝達するリニアアクチュエータを有する。
【0015】
同期リングセグメント40A〜40Dは、同期リングスライダ連結トラック70i内で隣接するセグメントと境界をなすのが好ましく、これは、これらの間に空隙を設けることで、同期リングセグメント40A〜40Dが独立して回転するのを可能にする。すなわち、各同期リングスライダ連結トラック70iは、2つの隣接する同期リングセグメント40A〜40Dが独立して動けるように、スライド可能に支持する固定部材である。
【0016】
推力方向可変FVAN28は、同期リングセグメント40A〜40Dと、連動する調整可能なフラップアッセンブリセグメント44A〜44Dとによって画定される4つのセグメント28A,28B,28C,28Dに分離されるのが好ましい。4つのセグメント28A〜28Dは、それぞれ独立して調整できる。すなわち、同期リングスライダ連結トラック70iによって画定される各セグメント28A〜28D間の境界部において、入れ込み式のさねはぎ構成は何らないので、組み立てたときに、隣接するセグメントの各側部上にあるフラップが重なることはない(図3B)。可撓性シール装置を各セグメント28A,28B,28C,28Dの間に配置することができることを理解されたい。さらに、4つのセグメントが図示されているが、別の選択肢として、または追加するものとして、任意の数量のセグメントを設けることができ、フラップを独立して動かすことができることを理解されたい。このような代替の実施形態の1つとして、上側セグメントと下側セグメント(28Aと28Dが合体され、28Bと28Cが合体される)のみを設けることもできる。
【0017】
図2Cを参照すると、フラップアッセンブリ44の各フラップ44a用のリンク機構46は通常、ヒンジビーム50と、スライダブロックアッセンブリ52と、留め具56によってスライダブロックアッセンブリ52に取付けられたヒンジピン54と、を有する。スライダブロックアッセンブリ52は、ヒンジピン54が長手方向軸Pのまわりに回転できるように、留め具56によって相互間に取付けられた第1のスライダブロック52aおよび第2のスライダブロック52bを有するのが好ましい。ヒンジピン54は、ヒンジビームロッド60を受ける開口部58を有する。
【0018】
各フラップ44aは、ヒンジビーム50に取付けられた、機械加工したアルミニウム製ハニカムコア62とカーボンファイバ入り外装部64とを有するのが好ましい(図3A)。各セグメント28A〜28D内の各フラップ44aは、入れ込み式のさねはぎ構成をなして、組み立てたときに入れ子になる(図3B)。すなわち、各フラップ44aは隣接するフラップ44aと係合して、出口領域を画定する円周方向のシール材を形成する。
【0019】
スライダブロック52a,52bは、 同期リングアッセンブリ40に形成されたスロット66内に配置される。同期リングアッセンブリ40内に形成されたスロット66は、エンジンの長手方向中心線軸Aの周りに非円周方向に配置されている。すなわち、各スロット66によって画定される中間線Mは、同期リングアッセンブリ40によって長手方向中心軸Aを中心に画定される同心円Cに交差している(図2D)。好ましくは、スロット66は、組立を容易にするために、スロット66の長さを延長してスライダブロック52a,52bを受ける半径方向組立用開口部69を有する。あるいは、スライダブロック52a,52bは、半径方向組立用開口部69がないスロット66への組み込みを容易にするために、複数の部品から形成されてもよい。
【0020】
動作時、アクチュエータアッセンブリ48は、同期リングアッセンブリ40の同期リングセグメント40A〜40Dをエンジンの長手方向中心線軸Aを中心に円周方向に独立して回転させる(両側矢印X、図4A)。各同期リングセグメント40A〜40D内で、スライダブロックアッセンブリ52は、ヒンジビームロッド60が、各フラップアッセンブリ44A〜44Dで、半径方向運動を接線方向運動に変換して、対応するフラップアッセンブリ44A〜44Dの直径が変わる(図4Bおよび図4Cに様々な位置を例示している)ようにスロット66内を移動する。同期リングアッセンブリ40のすべての同期リングセグメント40A〜40Dが一体で移動すると、ファンナセルとコアナセルとの間の環状ファン出口領域の外縁部(図1C)が変化する。同期リングアッセンブリ40の特定のセグメント40A〜40Dが個別に動くと、ファンナセルとコアナセルとの間の環状ファン出口領域の外縁部(図1C)によって、ファン出口領域が非対称となる。
【0021】
すべてのセグメント28A〜28Dが同時に動く推力方向可変FVAN28の外縁部全体を調整して(図5A、FVAN28が対称に狭められている)、ファンノズル出口領域の面積を変えることで、各飛行態勢中に、エンジン推力を最大にし、燃料を最大限に節約する。推力方向可変FVAN28のセグメント28A〜28Dを個別に調整して、ファンノズル出口領域を非対称にする(図5B、推力が一方向に向けられるように、FVANセグメント28B,28Cのみが狭められている)ことで、エンジン推力の方向を選択的に変えて、単に例として挙げると、トリムバランスをとったり、推力を制御した操縦を可能にしたりする。
【0022】
各セグメント28A〜28Dとともに利用するアクチュエータアッセンブリ48の各アクチュエータ48A〜48D(図2)またはアクチュエータ一式は、推力方向可変FVAN28の各セグメント28A〜28Dの位置を調整するために、エンジンコントローラまたは同種のものとつながるのが好ましい。ただし、飛行制御システムを含む他の制御システムも同様に、本発明で使用することができ、推力方向可変FVAN28を航空機飛行制御システムと統合する。すなわち、推力方向可変FVAN28は、空力的制御面と統合された別の制御システムとして利用される。
【0023】
上述の説明は、限定するものではなくて例示である。上述の教示を考慮して、本発明についての多数の修正と変更が可能である。本発明の好ましい実施形態が開示されたが、当業者ならば、特定の修正が本発明の範囲内であると分かるであろう。したがって、添付の請求項の範囲内において、具体的に説明されたものとは別の方法で本発明を実施することができることを理解されたい。こういう理由から、添付の特許請求の範囲が本発明の真の範囲および内容を究明するために検討されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】本発明で使用する典型的なターボファンエンジンの具体例の概略図である。
【図1B】エンジンの部分斜視図である。
【図1C】エンジンの背面図である。
【図2A】推力方向可変FVANの断面斜視図である。
【図2B】同期リングアッセンブリおよびそのセグメントの概略の平面図である。
【図2C】推力方向可変FVANの1つのフラップ用リンク機構の分解図である。
【図2D】推力方向可変FVANの同期リング内にあるスロットの概略図である。
【図3A】推力方向可変FVANの1つのフラップの分解図である。
【図3B】フラップアッセンブリの2つのフラップの間のスライド式さねはぎ接合部を示す背面図である。
【図4A】推力方向可変FVANの後部断面図である。
【図4B】様々な位置にあるフラップアッセンブリの側面図である。
【図4C】各フラップを異なる位置で示した様々な位置にあるフラップアッセンブリの斜視図である。
【図5A】各セグメントが、ファン出口のスロート領域を狭めるように、同期した態様で配置されており、実施例として狭まった状態にある推力方向可変FVANの概略の背面図である。
【図5B】下側セグメントが上側セグメントに対して非対称に配置されて、ファン出口のスロート領域を出る推進物をエンジン流に向けて「上」方向に向かわせており、実施例として推力方向を変える状態にある推力方向可変FVANの概略の背面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸の周りに画定された静止リングと、
前記静止リングに回動可能に取付けられた第1のフラップアッセンブリセグメントと、
前記静止リングに回動可能に取付けられた第2のフラップアッセンブリセグメントと、
前記静止リングに対して前記軸を中心に回転可能な第1の同期リングセグメントと、
前記静止リングに対して前記軸を中心に回転可能な第2の同期リングセグメントと、
前記第1のフラップアッセンブリセグメントによって画定される第1の半環状のファン出口スロート領域セグメントが、前記第1の同期リングセグメントの回転に対応して調整できるように、前記第1の同期リングセグメントおよび前記第1のフラップアッセンブリセグメントに取付けられた第1のリンク機構と、
前記第2のフラップアッセンブリセグメントによって画定される第2の半環状のファン出口スロート領域セグメントが、前記第2の同期リングセグメントの回転に対応して、前記第1の半環状ファン出口スロート領域セグメントとは独立して調整できて、推力の方向を前記軸から選択的にずらすように、前記第2の同期リングセグメントおよび前記第2のフラップアッセンブリセグメントに取付けられた第2のリンク機構と、
を有するガスタービンエンジン用のファンナセル。
【請求項2】
前記第1のフラップアッセンブリセグメントおよび前記第2のフラップアッセンブリセグメントがそれぞれ、さねはぎ構成で互いに入れ込まれた多数のフラップを有することを特徴とする請求項1に記載のファンナセル。
【請求項3】
前記第1の半環状ファン出口領域セグメントおよび前記第2の半環状ファン出口領域セグメントは、環状ファン出口領域の上側セグメントおよび下側セグメントを画定することを特徴とする請求項1に記載のファンナセル。
【請求項4】
前記フラップアッセンブリは、前記静止リングを貫通するヒンジビームロッドを有することを特徴とする請求項1に記載のファンナセル。
【請求項5】
前記ヒンジビームロッドは、前記第1の同期リングセグメントおよび前記第2の同期リングセグメント内に画定された多数のスロット内を各々移動可能なスライダブロックと係合することを特徴とする請求項4に記載のファンナセル。
【請求項6】
前記多数のスロットの各々は、前記第1の同期リングセグメントおよび第2の同期リングセグメントによって前記軸を中心に画定された同心円と交差する中間線を画定することを特徴とする請求項5に記載のファンナセル。
【請求項7】
前記第1の同期リングセグメントおよび前記第2の同期リングセグメントは、前記同心円上に画定されることを特徴とする請求項1に記載のファンナセル。
【請求項8】
前記第1の同期リングセグメントおよび前記第2の同期リングセグメントは同心であることを特徴とする請求項7に記載のファンナセル。
【請求項9】
さらに、前記第1の同期リングセグメントおよび前記第2の同期リングセグメントをそれぞれ独立して回転させるリニアアクチュエータを有することを特徴とする請求項1に記載のファンナセル。
【請求項10】
軸の周りに画定されたファンナセルと、
少なくとも一部が前記ファンナセル内にあるコアナセルと、
前記ファンナセルに回動可能に取付けられた少なくとも2つのフラップアッセンブリセグメントセットを有するフラップアッセンブリと、
を備え、
前記フラップアッセンブリセグメントセットの各々が独立して動くことができて、前記ファンナセルと前記コアナセルとの間の環状ファン出口スロート領域を非対称にも対称にも調整することを特徴とするガスタービンエンジン用のナセルアッセンブリ。
【請求項11】
前記フラップアッセンブリは、前記ファンナセルの最後尾セグメントを画定することを特徴とする請求項10に記載のナセルアッセンブリ。
【請求項12】
さらに、前記少なくとも2つのフラップアッセンブリセグメントセットを独立して調整して、推力の方向を変えるためのコントローラを有することを特徴とする請求項10に記載のナセルアッセンブリ。
【請求項13】
ガスタービンエンジンの環状ファン出口領域の面積を変化させる方法であって、
(A)第1のフラップアッセンブリセグメントを第2のフラップアッセンブリセグメントに対して非対称に調整して、環状ファン出口スロート領域を調整するステップ
を含む方法。
【請求項14】
前記ステップ(A)はさらに、
(a)前記フラップアッセンブリセグメントをコアナセルに対して調整すること
を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ステップ(A)はさらに、
(a)前記フラップアッセンブリセグメントをファンナセルの最後尾部に配置すること
を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ステップ(A)はさらに、
(a)前記第1のフラップアッセンブリセグメントを前記ファンナセルの最後尾部の上方に配置することと、
(b)前記第2のフラップアッセンブリセグメントを前記ファンナセルの最後尾部の下方に配置することと、
を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記ステップ(A)はさらに、
(a)前記第1のフラップアッセンブリセグメントを前記ファンナセルの最後尾部の右上に配置することと、
(b)前記第2のフラップアッセンブリセグメントを前記ファンナセルの最後尾部の左上に配置することと、
(c)第3のフラップアッセンブリセグメントを前記ファンナセルの最後尾部の右下に配置することと、
(d)第4のフラップアッセンブリセグメントを前記ファンナセルの最後尾部の左下に配置することと、
(e)前記第1、前記第2、前記第3、前記第4のフラップアッセンブリセグメントをそれぞれ独立して制御して、推力の方向を変えることと、
を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ステップ(A)はさらに、
同期リングアッセンブリの同期リングセグメントを、前記ファンナセルに取付けられた静止リングに対して独立して回転させて、前記第1のフラップアッセンブリセグメントおよび第2のフラップアッセンブリセグメントを独立して調整することを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項1】
軸の周りに画定された静止リングと、
前記静止リングに回動可能に取付けられた第1のフラップアッセンブリセグメントと、
前記静止リングに回動可能に取付けられた第2のフラップアッセンブリセグメントと、
前記静止リングに対して前記軸を中心に回転可能な第1の同期リングセグメントと、
前記静止リングに対して前記軸を中心に回転可能な第2の同期リングセグメントと、
前記第1のフラップアッセンブリセグメントによって画定される第1の半環状のファン出口スロート領域セグメントが、前記第1の同期リングセグメントの回転に対応して調整できるように、前記第1の同期リングセグメントおよび前記第1のフラップアッセンブリセグメントに取付けられた第1のリンク機構と、
前記第2のフラップアッセンブリセグメントによって画定される第2の半環状のファン出口スロート領域セグメントが、前記第2の同期リングセグメントの回転に対応して、前記第1の半環状ファン出口スロート領域セグメントとは独立して調整できて、推力の方向を前記軸から選択的にずらすように、前記第2の同期リングセグメントおよび前記第2のフラップアッセンブリセグメントに取付けられた第2のリンク機構と、
を有するガスタービンエンジン用のファンナセル。
【請求項2】
前記第1のフラップアッセンブリセグメントおよび前記第2のフラップアッセンブリセグメントがそれぞれ、さねはぎ構成で互いに入れ込まれた多数のフラップを有することを特徴とする請求項1に記載のファンナセル。
【請求項3】
前記第1の半環状ファン出口領域セグメントおよび前記第2の半環状ファン出口領域セグメントは、環状ファン出口領域の上側セグメントおよび下側セグメントを画定することを特徴とする請求項1に記載のファンナセル。
【請求項4】
前記フラップアッセンブリは、前記静止リングを貫通するヒンジビームロッドを有することを特徴とする請求項1に記載のファンナセル。
【請求項5】
前記ヒンジビームロッドは、前記第1の同期リングセグメントおよび前記第2の同期リングセグメント内に画定された多数のスロット内を各々移動可能なスライダブロックと係合することを特徴とする請求項4に記載のファンナセル。
【請求項6】
前記多数のスロットの各々は、前記第1の同期リングセグメントおよび第2の同期リングセグメントによって前記軸を中心に画定された同心円と交差する中間線を画定することを特徴とする請求項5に記載のファンナセル。
【請求項7】
前記第1の同期リングセグメントおよび前記第2の同期リングセグメントは、前記同心円上に画定されることを特徴とする請求項1に記載のファンナセル。
【請求項8】
前記第1の同期リングセグメントおよび前記第2の同期リングセグメントは同心であることを特徴とする請求項7に記載のファンナセル。
【請求項9】
さらに、前記第1の同期リングセグメントおよび前記第2の同期リングセグメントをそれぞれ独立して回転させるリニアアクチュエータを有することを特徴とする請求項1に記載のファンナセル。
【請求項10】
軸の周りに画定されたファンナセルと、
少なくとも一部が前記ファンナセル内にあるコアナセルと、
前記ファンナセルに回動可能に取付けられた少なくとも2つのフラップアッセンブリセグメントセットを有するフラップアッセンブリと、
を備え、
前記フラップアッセンブリセグメントセットの各々が独立して動くことができて、前記ファンナセルと前記コアナセルとの間の環状ファン出口スロート領域を非対称にも対称にも調整することを特徴とするガスタービンエンジン用のナセルアッセンブリ。
【請求項11】
前記フラップアッセンブリは、前記ファンナセルの最後尾セグメントを画定することを特徴とする請求項10に記載のナセルアッセンブリ。
【請求項12】
さらに、前記少なくとも2つのフラップアッセンブリセグメントセットを独立して調整して、推力の方向を変えるためのコントローラを有することを特徴とする請求項10に記載のナセルアッセンブリ。
【請求項13】
ガスタービンエンジンの環状ファン出口領域の面積を変化させる方法であって、
(A)第1のフラップアッセンブリセグメントを第2のフラップアッセンブリセグメントに対して非対称に調整して、環状ファン出口スロート領域を調整するステップ
を含む方法。
【請求項14】
前記ステップ(A)はさらに、
(a)前記フラップアッセンブリセグメントをコアナセルに対して調整すること
を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ステップ(A)はさらに、
(a)前記フラップアッセンブリセグメントをファンナセルの最後尾部に配置すること
を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ステップ(A)はさらに、
(a)前記第1のフラップアッセンブリセグメントを前記ファンナセルの最後尾部の上方に配置することと、
(b)前記第2のフラップアッセンブリセグメントを前記ファンナセルの最後尾部の下方に配置することと、
を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記ステップ(A)はさらに、
(a)前記第1のフラップアッセンブリセグメントを前記ファンナセルの最後尾部の右上に配置することと、
(b)前記第2のフラップアッセンブリセグメントを前記ファンナセルの最後尾部の左上に配置することと、
(c)第3のフラップアッセンブリセグメントを前記ファンナセルの最後尾部の右下に配置することと、
(d)第4のフラップアッセンブリセグメントを前記ファンナセルの最後尾部の左下に配置することと、
(e)前記第1、前記第2、前記第3、前記第4のフラップアッセンブリセグメントをそれぞれ独立して制御して、推力の方向を変えることと、
を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ステップ(A)はさらに、
同期リングアッセンブリの同期リングセグメントを、前記ファンナセルに取付けられた静止リングに対して独立して回転させて、前記第1のフラップアッセンブリセグメントおよび第2のフラップアッセンブリセグメントを独立して調整することを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【公開番号】特開2008−101616(P2008−101616A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−267322(P2007−267322)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【出願人】(590005449)ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション (581)
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【出願人】(590005449)ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション (581)
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION
【Fターム(参考)】
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