説明

ガスタービンシステム

【課題】
本発明の課題は、翼冷却に用いた圧縮空気を燃焼器に回収して、より高い発電効率を達成できるガスタービンシステムを提供することにある。
【解決手段】
本発明では、上記課題を解決するために、高湿分空気を利用したガスタービンシステムにおいて、加湿装置7の出口空気の一部を昇圧装置50に分岐し、この昇圧された空気を配管51により翼の冷却流路61に供給してタービン翼を冷却し、冷却後に高温となった空気は、配管52により燃焼器4の上流に合流させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスタービンシステムに係り、特に、タービンの排ガスにより燃焼用空気を加熱する再生サイクルガスタービン、或いは燃焼用空気を加湿する高湿分空気利用ガスタービン等のガスタービンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
排熱回収ボイラや蒸気タービンを用いずに高い発電効率を狙ったガスタービン発電システムとして、高湿分空気を利用したガスタービンシステムが特許文献1に開示されている。
【0003】
更に、高湿分空気を利用したガスタービンシステムの効率向上を目的として、圧縮空気への加湿装置である増湿塔の下流側から加湿空気を分岐し、タービン翼を冷却する技術が、特許文献2及び特許文献3に開示されている。
【0004】
従来のガスタービンでは、上記の特許文献1、2及び3を含め、タービン翼の冷却に使用した空気は、翼に設けられた開口部からタービンのガスパス中に放出するオープン冷却方式の設計となっている。このオープン冷却方式は、タービンの作動流体の温度を低下させ、ガスタービンの熱効率を低下させる側面がある。
【0005】
一方、タービン翼を冷却した空気を回収し、燃焼器に供給して燃焼させるクローズド空気冷却方式が、例えば非特許文献1、特許文献4或いは特許文献5に開示されている。このクローズド冷却方式では、冷却空気をタービンのガスパス中に放出しないため、タービン作動流体の温度低下を抑制し、タービンの熱効率が低下することを抑制できる。また、タービン翼冷却により回収した熱を燃焼用空気の予熱に用いることができるため、ガスタービン全体としての熱効率向上に寄与する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4285781号公報
【特許文献2】特開平11−257006号公報
【特許文献3】特開2005−133658号公報
【特許文献4】特開平5−86901号公報
【特許文献5】特開2001−349202号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】The ASME Joint International Power Generation Conference 94-JPGC-GT-8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述した非特許文献1、特許文献4或いは特許文献5に記載されたクローズド空気冷却方式のガスタービンは、圧縮機の吐出空気を、昇圧装置により昇圧してからタービン翼冷却流路に供給する構成となっている。昇圧装置が必要となる理由は、タービン翼の冷却流路及び周辺配管で生じる冷却空気の圧力損失を補うためである。この昇圧装置を設けることにより、冷却空気の圧縮動力が必要となり、ガスタービンの熱効率を低下させる影響もあるため、昇圧する圧力比や冷却空気の流量は、可及的に小さい方がガスタービンの熱効率を高くできる。
【0009】
また、前記非特許文献1或いは特許文献5に記載されたクローズド空気冷却方式のガスタービンは、圧縮機の吐出空気を、昇圧装置の上流側に設置した冷却器により冷却する構成となっている。これらの冷却器を設置する場合、昇圧装置へ供給する圧縮空気の温度が低温となるため、体積流量が減少するので昇圧装置の動力が低減される。また、昇圧装置出口での冷却空気温度も低下するため、翼冷却に必要な冷却空気の流量が削減でき、ガスタービンの効率向上に寄与する。
【0010】
しかし、冷却器により冷却空気温度を低下させることは、タービン作動流体の熱を外部に廃棄する事になるため、冷却器で回収した熱を利用しない場合は、ガスタービンシステム全体としての熱効率を低下させる影響がある。また、冷却器自体が圧力損失の原因となるため、前記した昇圧装置の圧力比を大きくする必要があり、ガスタービンシステム全体としての熱効率を低下させる影響もある。
【0011】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、熱効率を低下させることなく、より高い発電効率を達成できるガスタービンシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のガスタービンシステムは、上記目的を達成するために、空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮されたガスを加湿する加湿装置と、該加湿装置で加湿された空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスで回転され動力エネルギーを発生するタービンと、該タービンの排ガスにより前記加湿装置で加湿された空気を加熱する再生熱交換器とを備えたガスタービンシステムであって、前記タービンの翼は、内部冷却流路を有し、該内部冷却流路の一端は、前記加湿装置の下流側、かつ、前記再生熱交換器の上流側のいずれかの位置で圧縮空気配管から分岐した配管に接続され、前記内部冷却流路の他端は、
前記再生熱交換器の下流側、かつ、前記燃焼器の上流側のいずれかの位置で圧縮空気配管に合流する配管に接続されるか、
或いは、空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスで回転され動力エネルギーを発生するタービンと、該タービンの排ガスにより前記圧縮機で圧縮された空気を加熱する再生熱交換器とを備えたガスタービンシステムであって、前記タービンの翼は、内部冷却流路を有し、該内部冷却流路の一端は、前記圧縮機の下流側、かつ、前記再生熱交換器の上流側のいずれかの位置で圧縮空気配管から分岐した配管に接続され、前記内部冷却流路の他端は、前記再生熱交換器の下流側、かつ、前記燃焼器の上流側のいずれかの位置で圧縮空気配管に合流する配管に接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、翼冷却で回収した熱エネルギーを燃焼器に供給できるため、熱効率を低下させることなく、より高い発電効率が達成できるガスタービンシステムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のガスタービンシステムの第1の実施例である高湿分空気利用ガスタービンシステムを示す概略系統図である。
【図2】本発明のガスタービンシステムの第2の実施例である高湿分空気利用ガスタービンシステムを示す概略系統図である。
【図3】本発明のガスタービンシステムの第3の実施例である高湿分空気利用ガスタービンシステムを示す概略系統図である。
【図4】本発明のガスタービンシステムの第4の実施例である高湿分空気利用ガスタービンシステムを示す概略系統図である。
【図5】本発明のガスタービンシステムの第5の実施例である高湿分空気利用ガスタービンシステムを示す概略系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のガスタービンシステムの一実施例である高湿分空気利用ガスタービンシステムについて、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明のガスタービンシステムの第1の実施例である高湿分空気利用ガスタービンシステムの構成を示すものである。
【0017】
ガスタービン本体は、空気を圧縮して吐出する圧縮機2、圧縮機2で圧縮された圧縮空気と燃料とを混合して燃焼する燃焼器4、燃焼器4が生成する燃焼ガスにより駆動されるタービン1が主要な機器である。
【0018】
圧縮機2とタービン1を連結するシャフト5は、図示しない減速機、発電機に接続されており、タービン1の駆動力がシャフト5を介して発電機に伝達され、発電機で発電された電力が系統に送電可能となっている。圧縮機2に空気を送る吸気ダクト3には、大気93に水94を噴霧して冷却する吸気噴霧冷却装置14が設けられている。
【0019】
圧縮機2から吐出された圧縮空気が燃焼器4に至る経路には、圧縮により高温となった空気を循環水により冷却して熱を回収する空気冷却器21、空気冷却器21及びエコノマイザ16で生成した高温の循環水により圧縮空気に加湿する加湿装置7、タービン1からの排気ガス13を熱源として、加湿装置7で加湿された空気を加熱する再生熱交換器12が設置され、圧縮機2と空気冷却器21は配管41、空気冷却器21と加湿装置7は配管42、加湿装置7と再生熱交換器12は配管43、再生熱交換器12と燃焼器4は配管47でそれぞれ接続されている。
加湿装置7は、充填物72を内蔵した容器であり、空気冷却器21とエコノマイザ16で熱回収して生成した高温の循環水を充填物72の上方に設置された液分散器(図示せず)から散布し、充填物72の表面を流下する熱水と充填物72の下方から上向きに流れる空気の気液直接接触により、空気が加湿される構造となっている。加湿装置7の下部容器62には、充填物72の表面を流下した水が収集され、ポンプ63により加圧されて配管34と排ガス再加熱器88を経由してエコノマイザ16へ給水されると共に、配管33を経由して空気冷却器21へ給水されるよう構成されている。エコノマイザ16或いは空気冷却器21で熱回収し加熱された循環水は、再び加湿装置7の充填物72の上方の液分散器に供給されるよう配管されている。
【0020】
再生熱交換器12により加熱された加湿空気は、燃焼器4に供給され燃料95と混合して燃焼した後、タービン1を駆動して排気ガス13としてタービン1から排気される構成となっている。更に、タービン1からの排気ガス13は、再生熱交換器12、エコノマイザ16を経由し水回収装置17に導入され、水回収装置17は、装置内部に設置されたスプレイノズルから供給される水と排気ガス13との気液直接接触により、排気ガス13に含まれる湿分を凝縮させ、下部空間の回収水容器18に回収する構造となっている。水回収装置17で湿分を回収した後の排気ガスは、排ガス再加熱器88で加熱され、スタック54から系外に排出されるよう構成されている。また、回収水容器18の回収水は、ポンプ92により、冷却器85に供給され、冷却された後に再び配管32を経由して水回収装置17のスプレイノズルに供給される構造となっている。更に、ポンプ91から吐出された回収水は、配管31を経由して、加湿装置7の下部容器62に供給されるよう配管されている。また、水回収装置17の回収水容器18には、補給水89が供給可能なように配管されている。
【0021】
そして、本実施例では、加湿装置7と再生熱交換器12を接続する配管43から分岐した配管53を有し、この配管53の途中に、配管53の圧縮空気を昇圧する昇圧装置50が設置され、この昇圧装置50には、該昇圧装置50で昇圧された圧縮空気を、タービン1の静翼60に設けられた冷却流路61の一端に供給するための配管51が接続され、冷却流路61の他端は、配管52を介して再生熱交換器12の出口空気の配管47に接続されている。
【0022】
次に、上述のような構成の本実施例による高湿分空気利用ガスタービンシステムの動作を、図1を用いて説明する。
【0023】
図1において、大気93は、吸気ダクト3に設置された図示しない吸気フィルタによって煤塵などを除去されたあと、吸気噴霧冷却装置14で水94が噴霧される。吸気噴霧冷却装置14の内部で、水94の一部が蒸発することにより大気93は冷却される。圧縮機2の内部では、この空気が圧縮されると共に、噴霧された水94の残りの部分が蒸発し、蒸発潜熱を奪うことにより空気が冷却される。吸気噴霧冷却装置14及び圧縮機2の内部で空気が冷却されることにより、圧縮される空気の体積が減少するため、圧縮機2の圧縮動力が低減され、ガスタービンの熱効率が向上する。圧縮機2から吐出される圧縮空気は、空気冷却器21によって冷却する。圧縮空気を冷却する理由は、加湿装置7の充填物72から流下する水の温度を可及的に低下させるためである。加湿装置7の下部容器62の水温を低下させることにより、配管34と排ガス再加熱器88を経由してエコノマイザ16へ給水される水温を低下させ、エコノマイザ16から排出される排ガス13の温度を低下させることができ、システムとしての排熱回収量を増加させることができる。
【0024】
空気冷却器21で冷却された圧縮空気は、加湿装置7の充填物72の下部空間に供給され、充填物72の空間を上向きに流れながら、充填物72の上方から散布されて流下する熱水と充填物72の表面で気液接触を繰返し、飽和水蒸気圧となるまで加湿される。充填物72の上方から散布された熱水は、加湿により蒸発した分の流量が減少し、蒸発しなかった水が加湿装置7の下部容器62に収集される。
【0025】
下部容器62に収集された水は、ポンプ63により加圧されて、一部は配管34と排ガス再加熱器88を経由してエコノマイザ16へ給水され、エコノマイザ16で排ガス13により加熱されて、再び加湿装置7の上部空間の液分散器に供給される。
【0026】
一方、ポンプ63により加圧された水の別の一部は、配管33を経由して空気冷却器21へ供給され、圧縮機2の高温の吐出空気により加熱されて、再び加湿装置7の上部空間の液分散器に供給される。この加湿装置7の循環水は、加湿により減少してくるので、配管31から回収水を補給して、下部容器62の水位が一定になるように制御する。
【0027】
加湿装置7で加湿された圧縮空気の大部分は、再生熱交換器12で排ガス13により加熱されて、配管47から燃焼器4に供給される。加湿装置7で加湿された圧縮空気の残りの部分は、配管53から昇圧装置50に導かれ、該昇圧装置50で加圧されてから、配管51により静翼60の冷却流路61に供給される。
【0028】
この昇圧装置50で必要な圧力の増加は、静翼60の冷却流路61の圧力損失から再生熱交換器12の圧力損失を差し引いたものに相当し、本実施例では、再生熱交換器12を持たないガスタービンの場合よりも、昇圧装置50の圧力比と駆動動力を小さくでき、ガスタービンとしての熱効率向上に寄与している。配管の圧力損失が無視できるほど小さい場合、静翼60の冷却流路61の圧力損失が、再生熱交換器12の圧力損失よりも小さければ、昇圧装置50を不要とすることも可能である。
【0029】
静翼60の冷却流路61は、静翼60の内部を蛇行するように構成されており、これらの冷却流路61には、冷却空気と流路との強制対流熱伝達を促進するための凹凸形状が備えられている。
【0030】
このように、冷却空気と冷却流路61との強制対流熱伝達により、静翼60が内部から冷却されることになり、静翼60の構成部材の温度を許容温度範囲に維持することができる。一方、冷却流路61との強制対流熱伝達により温度が上昇した冷却空気は、配管52から配管47に合流し燃焼器4へ供給される。
【0031】
この冷却空気は、冷却流路61との強制対流熱伝達により加熱されているため、燃焼器4で必要な燃焼ガス温度を得るのに必要な燃料を削減することができ、ガスタービンの熱効率向上に寄与している。
【0032】
本実施例のように、翼冷却空気に加湿装置7の出口の加湿空気を利用することにより、加湿していない空気の場合と比較して熱容量が大きいことから、冷却空気の流量を低減できる特徴がある。また、昇圧装置50に供給する空気の温度は、加湿装置7での加湿後の空気中の水蒸気分圧に対応した水蒸気の飽和温度であり、圧力比が20のガスタービンの場合でも、150℃以下である。一方、圧力比が20のガスタービンの場合、圧縮機2の吐出空気温度は、400℃以上となる。静翼60の構成部材の温度を、許容温度範囲に維持するために必要な冷却空気の流量は、冷却空気を静翼60に供給する温度が低いほど削減できるので、本実施例の方が冷却空気の流量を低減でき、ガスタービンの熱効率向上に寄与している。
【0033】
燃焼器4では、燃料95と共に加湿空気を燃焼させ高温の燃焼ガスとなる。この高温の燃焼ガスは、タービン1に供給され、静翼と動翼とを通過することにより、ブレイトンサイクルの膨張過程を経て、熱エネルギーが回転運動エネルギーに変換される。回転運動エネルギーは、同じ軸に連結された圧縮機2を駆動することに消費されると共に、図示しない発電機により、電気エネルギーとして取り出される。この際、加湿装置7により、圧縮空気に加湿しているため、タービン1を駆動する流体の質量流量が、圧縮機2で圧縮した流体の質量流量よりも増加していることから、通常のガスタービンと比較して、より多くのエネルギーを取り出すことができ、プラント熱効率の向上に寄与している。
【0034】
タービン1での膨張過程を経て排出された排ガス13は、再生熱交換器12で、前記した湿り圧縮空気の加熱に利用される。更に、再生熱交換器12から排出された排ガス13は、エコノマイザ16へ供給され、配管34から供給される加湿装置7の循環水を加熱するために利用される。エコノマイザ16から排出された排ガス13は、水回収装置17に導かれ、水回収装置17では、配管32から供給されスプレイノズルから散布される循環水と排ガス13が気液直接接触し、排ガス13に含まれる湿分が凝縮して下部空間の回収水容器18に回収される。
【0035】
水回収装置17から排出される排ガス13は、排ガス再加熱器88によって加熱され、スタック54から大気中に放出される。排ガス再加熱器88で加熱する理由は、水回収によって低温となった排ガスを加熱して、浮力によりスタック54から排出しやすくするためと、低温排ガスによる白煙発生を抑制するためである。
【0036】
回収水容器18の回収水の一部は、ポンプ91により、配管31を経由して加湿装置7の下部容器62に供給される。回収水容器18の回収水の別の一部は、ポンプ92により冷却器85に移送され、冷却器85で冷却されたのちに再び配管32から水回収装置17のスプレイノズルに供給される。水回収装置17の回収水容器18の水位は、排ガス13の凝縮により回収された水量と、配管31から加湿装置7へ供給される水量(加湿装置7での加湿量に相当)のバランスにより変化する。そこで、回収量が加湿量より多い場合は、図示しない排水機構によって余分な水を排出し、回収量が加湿量より少ない場合には、補給水89を補給して回収水容器18の水位を維持する。
【0037】
なお、本実施例では、高湿分空気利用ガスタービンを例示したが、加湿装置7や空気冷却器21、エコノマイザ16、水回収装置17、排ガス再加熱器88などを省略した再生サイクルガスタービンでも実施可能である。その場合には、昇圧装置50に導入される圧縮空気の温度は、圧縮機2の吐出空気温度となり、図1で示した実施例の場合とは翼冷却空気の温度が異なる。また、冷却空気の比熱なども異なるため、必要な翼冷却空気の流量が図1で示した実施例の場合とは異なる。
【0038】
しかし、昇圧装置50で必要な圧力の増加は、静翼60の冷却流路61の圧力損失から再生熱交換器12の圧力損失を差し引いたものに相当し、再生熱交換器12を持たないガスタービンの場合よりも、昇圧装置50の圧力比と駆動動力を小さくできる特徴がある。
【0039】
また、本実施例では、昇圧装置50は、冷却流路61の上流側に設置されたが、昇圧装置50が冷却流路61の下流側に設置された場合でも動作可能である。その場合は、冷却流路61に流入する冷却空気の温度が低くなり、静翼60の構成部材の温度を、許容温度範囲に維持するために必要な冷却空気流量が削減される利点がある。
【0040】
このように、本発明の実施例によって、タービンの翼冷却空気の流量を低減でき、翼冷却空気の昇圧装置の圧力比と駆動動力を小さくできるため、より高い発電効率を達成するガスタービン発電システムが提供可能となる。
【実施例2】
【0041】
本発明の第2の実施例である高湿分空気利用ガスタービンシステムについて図2を用いて説明する。
【0042】
本実施例の高湿分空気利用ガスタービンシステムは図1に示した先の実施例である高湿分空気利用ガスタービンシステムと基本的な構成及び作用は同じなので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する部分のみについて以下に説明する。
【0043】
図2に示した本実施例の高湿分空気利用ガスタービンシステムでは、空気冷却器21の下流側の配管42の途中から配管53が分岐され、配管53は昇圧装置50の吸入部へ接続され、昇圧装置50の吐出部は、配管51とシャフト5の内部の第一の流路を経由して、タービン1の動翼65の冷却流路66の一端に供給される構成となっている。一方、動翼65の冷却流路66の他端は、シャフト5の内部に設けられた第二の流路から配管52を経由して燃焼器4の上流側の配管47に接続されている。
【0044】
運転時は、空気冷却器21により冷却された低温の圧縮空気の一部が昇圧装置50により加圧され、この昇圧装置50で加圧された圧縮空気が配管51から動翼65の冷却流路66に供給され、強制対流熱伝達によって動翼65を冷却する。動翼65を冷却して高温となった圧縮空気は、配管52から燃焼器4へと供給される。
【0045】
本実施例の昇圧装置50で必要な圧力の増加は、動翼65の冷却流路66の圧力損失から加湿装置7と再生熱交換器12の圧力損失の合計を差し引いたものに相当し、図1で説明した第1の実施例の場合よりも、昇圧装置50の圧力比と駆動動力を小さくでき、ガスタービンとしての熱効率向上に寄与する。動翼65の冷却流路66の圧力損失が、加湿装置7と再生熱交換器12の圧力損失の合計値よりも小さければ、昇圧装置50を不要とすることも可能である。
【0046】
更に、空気冷却器21で冷却する空気の温度が、加湿装置7の出口空気温度よりも低い場合、冷却流路66に供給される空気の温度をより低温とすることが可能であり、許容温度範囲に維持するために必要な冷却空気流量が削減される可能性がある。一方、冷却流路66へ供給される冷却空気は、加湿装置7で加湿されていない空気であり、空気中の湿分割合が小さく、比熱が小さいため、冷却に必要なる空気の流量が増加する要因となる。
【0047】
尚、本実施例では、高湿分空気利用ガスタービンを例示したが、加湿装置7や空気冷却器21、エコノマイザ16、水回収装置17、排ガス再加熱器88などを省略した再生サイクルガスタービンでも実施可能である。その場合には、昇圧装置50で必要な圧力の増加は、動翼65の冷却流路66の圧力損失から再生熱交換器12の圧力損失を差し引いたものに相当し、図2で説明した第2の実施例の場合よりも、昇圧装置50の圧力比と駆動動力が大きくなる。また、再生サイクルでは、空気冷却器21がないため冷却流路66へ供給される空気温度が上昇し、動翼65を許容温度範囲に維持するために必要な冷却空気流量が増加し、昇圧装置50の駆動動力がさらに大きくなる。
【0048】
また、本実施例では、昇圧装置50は、冷却流路66の上流側に設置されたが、昇圧装置50が冷却流路66の下流側に設置された場合でも動作可能である。その場合は、冷却流路66に供給される空気の温度を図2の場合より低温とすることが可能であり、許容温度範囲に維持するために必要な冷却空気流量が削減される利点がある。一方、昇圧装置50へ供給される冷却空気の温度は、図2の第2の実施例の場合よりも高温となり、冷却空気の体積流量が増加するため、昇圧装置50の必要動力が増加する側面もある。
【実施例3】
【0049】
本発明の第3の実施例である高湿分空気利用ガスタービンシステムについて図3を用いて説明する。
【0050】
図3に示す如く、本実施例は、空気冷却器21の下流側の配管42の途中から配管53が分岐され、配管53は昇圧装置50の吸入部へ接続され、昇圧装置50の吐出部は、配管51を経由して、タービン1の静翼60の冷却流路61の一端に供給される構成となっている。一方、静翼60の冷却流路61の他端は、配管52を経由して燃焼器4の上流側の配管47に接続されている。他の構成は、第2の実施例の構成と同一であり、説明は省略する。
【0051】
このような本実施例の構成によっても、タービン1の翼冷却空気の流量を低減でき、翼冷却空気の昇圧装置50の圧力比と駆動動力を小さくできるため、より高い発電効率を達成するガスタービン発電システムが提供可能となる。
【実施例4】
【0052】
本発明の第4の実施例である高湿分空気利用ガスタービンシステムについて図4を用いて説明する。
【0053】
本実施例の高湿分空気利用ガスタービンシステムは、図1に示した第1の実施例である高湿分空気利用ガスタービンシステムと基本的な構成及び作用は同じなので、両者に共通した説明は省略し、相違する部分のみについて以下に説明する。
【0054】
図4に示した本実施例の高湿分空気利用ガスタービンシステムでは、空気冷却器21の下流側の配管42の途中から配管53が分岐され、この配管53は昇圧装置50の吸入部へ接続され、昇圧装置50の吐出部には、翼冷却空気冷却器67が設置されている。翼冷却空気冷却器67の出口は、配管51によりタービン1の静翼60の冷却流路61の一端に接続されている。静翼60の冷却流路61の他端は、配管52により燃焼器4の上流側の配管47に接続されている。一方、加湿装置7の下部容器62に接続された循環水の配管33は、途中で配管33aと配管33bに分岐され、配管33aは、空気冷却器21に循環水を供給するように構成され、配管33bは、翼冷却空気冷却器67に循環水を供給するように構成されている。
【0055】
そして、本実施例では、運転時は、空気冷却器21により冷却された低温の圧縮空気の一部が、配管53を経由して導かれた昇圧装置50により加圧され、圧力と温度が上昇する。昇圧装置50により加圧された空気は、翼冷却空気冷却器67により冷却され、更に配管51から静翼60の冷却流路61に供給され、強制対流熱伝達によって静翼60を冷却する。静翼60を冷却して高温となった圧縮空気は、配管52から燃焼器4へと供給される。
【0056】
一方、加湿装置7の下部容器62に流下した循環水は、ポンプ63によって、配管33と配管33bを経由して翼冷却空気冷却器67に供給され、翼冷却空気によって加熱される。翼冷却空気冷却器67によって加熱された循環水は、空気冷却器21で加熱された循環水と合流して、加湿装置7の充填物72の上方から散布される。この散布された熱水は、加湿装置7の充填物72の表面で気液接触を繰返し、空気は、飽和水蒸気圧となるまで加湿される。
【0057】
翼冷却空気冷却器67を設置したことにより、加湿装置7に散布する熱水の熱エネルギーが増加するため、加湿装置7における加湿量が増加する。その結果、タービン1に供給される流体の熱エネルギーが増加するため、ガスタービンの熱効率が向上する。
【0058】
本実施例の昇圧装置50で必要な圧力の増加は、翼冷却空気冷却器67と静翼60の冷却流路61の圧力損失の合計から、加湿装置7と再生熱交換器12の圧力損失の合計を差し引いたものに相当し、図2で説明した第2の実施例の場合よりも昇圧装置50の圧力比と駆動動力が大きくなる。一方、静翼60の冷却流路61へ供給される冷却空気は、加湿装置7で加湿されていない空気であり、空気中の湿分割合が小さく、比熱が小さいため冷却に必要なる空気の流量が増加する。しかし、翼冷却空気冷却器67で空気を冷却しているので、冷却流路61に供給される空気の温度をより低温とすることが可能であり、全体としては、許容温度範囲に維持するために必要な冷却空気流量を削減することが期待できる。
【0059】
尚、本実施例では、高湿分空気利用ガスタービンを例示したが、加湿装置7や空気冷却器21、エコノマイザ16、水回収装置17、排ガス再加熱器88などを省略した再生サイクルガスタービンでも実施可能である。その場合には、昇圧装置50で必要な圧力の増加は、翼冷却空気冷却器67と翼の冷却流路61の圧力損失の合計から再生熱交換器12の圧力損失を差し引いたものに相当し、図3で説明した第3の実施例の場合よりも、昇圧装置50の圧力比と駆動動力が大きくなる。また、再生サイクルでは、翼冷却空気冷却器67で空気の保有する熱を回収する方法がないため、本発明の適用に起因するガスタービンシステムとしての効率向上は小さくなる。
【0060】
また、本実施例では、タービン1の静翼60の冷却方法について説明したが、動翼(図示せず)に関しても同様に適用可能である。尚、動翼の場合は、回転する流路に冷却空気を授受する必要があるため、前記図2の実施例のように、ガスタービンのシャフト5の内部の流路を利用する必要がある。
【0061】
このように、本実施例によっても、タービンの翼冷却空気の流量を低減でき、翼冷却空気の昇圧装置の圧力比と駆動動力を小さくできるため、より高い発電効率を達成するガスタービン発電システムを提供可能となる。
【実施例5】
【0062】
本発明の第5の実施例である高湿分空気利用ガスタービンシステムについて図5を用いて説明する。
【0063】
本実施例の高湿分空気利用ガスタービンシステムは、図1に示した先の実施例である高湿分空気利用ガスタービンシステムと基本的な構成及び作用は同じなので、両者に共通した説明は省略し、相違する部分のみについて以下に説明する。
【0064】
図5に示した本実施例の高湿分空気利用ガスタービンシステムでは、圧縮機2の吐出空気の配管41の途中から配管51が分岐され、この配管51がタービン1の静翼60の冷却流路61の一端に接続されている。静翼60の冷却流路61の他端は、配管52により燃焼器4の上流側の配管47に接続されている。また、本実施例では、静翼60の冷却流路61の圧力損失が、空気冷却器21と加湿装置7と再生熱交換器12の圧力損失の合計よりも小さい条件となっている。
【0065】
そして、本実施例では、運転時は、圧縮機2の吐出空気は、配管51から静翼60の冷却流路61に供給され、強制対流熱伝達によって静翼60を冷却する。静翼60を冷却して高温となった圧縮空気は、配管52から燃焼器4へと供給される。
【0066】
本実施例では、静翼60の冷却流路61の圧力損失が、空気冷却器21と加湿装置7と再生熱交換器12の圧力損失の合計よりも小さいため、図1を用いて説明した第1の実施例のように昇圧装置50は不要となっている。しかし、空気冷却器21の上流から空気を分岐しているため、冷却流路61に供給される空気の温度は比較的高温となり、静翼60を許容温度範囲に維持するために必要な冷却空気流量は、比較的多くなる。
【0067】
また、本実施例では、タービン1の静翼60の冷却方法について説明したが、動翼(図示せず)に関しても同様に適用可能である。尚、動翼の場合は、回転する流路に冷却空気を授受する必要があるため、図2の第2の実施例のように、ガスタービンのシャフト5の内部の流路を利用する必要がある。
【0068】
本実施例では、翼冷却空気の昇圧装置を不要にできるため、より高い発電効率を達成するガスタービン発電システムを提供可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、高湿分空気利用ガスタービンの加湿装置の出口空気の一部を昇圧装置に分岐し、配管により翼の冷却流路に供給してタービン翼の冷却に用いているので、ガスタービン発電システムには効果的である。
【符号の説明】
【0070】
1:タービン、2:圧縮機、3:吸気ダクト、4:燃焼器、5:シャフト、7:加湿装置、12:再生熱交換器、13:排気ガス、14:吸気噴霧冷却装置、16:エコノマイザ、17:水回収装置、18:回収水容器、21:空気冷却器、31、32、33、33a、33b、34、41、42、43、47:配管、50:昇圧装置、51、52、53:配管、54:スタック、60:静翼、61:冷却流路、62:下部容器、63:ポンプ、65:動翼、66:冷却流路、67:翼冷却空気冷却器、72:充填物、85:冷却器、88:排ガス再加熱器、89:補給水、91、92:ポンプ、93:大気、94:水、95:燃料。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮されたガスを加湿する加湿装置と、該加湿装置で加湿された空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスで回転され動力エネルギーを発生するタービンと、該タービンの排ガスにより前記加湿装置で加湿された空気を加熱する再生熱交換器とを備えたガスタービンシステムであって、
前記タービンの翼は、内部冷却流路を有し、該内部冷却流路の一端は、前記加湿装置の下流側、かつ、前記再生熱交換器の上流側のいずれかの位置で圧縮空気配管から分岐した配管に接続され、前記内部冷却流路の他端は、前記再生熱交換器の下流側、かつ、前記燃焼器の上流側のいずれかの位置で圧縮空気配管に合流する配管に接続されていることを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のガスタービンシステムにおいて、
前記圧縮機と加湿装置の間に圧縮空気を冷却する空気冷却器を設け、前記内部冷却流路の一端は、前記空気冷却器の下流側、かつ、前記再生熱交換器の上流側のいずれかの位置で圧縮空気配管から分岐した配管に接続されていることを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のガスタービンシステムにおいて、
前記タービン翼の前記内部冷却流路のいずれかの一端と接続する配管には、空気の昇圧装置が設けられていることを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のガスタービンシステムにおいて、
前記空気の昇圧装置の下流側に、昇圧した空気を冷却する冷却器が設けられていることを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のガスタービンシステムにおいて、
前記加湿装置から排出された循環水が、前記昇圧した空気を冷却する前記冷却器により加熱されて、前記加湿装置に再び供給させるように構成されていることを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項6】
空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮されたガスを加湿する加湿装置と、該加湿装置で加湿された空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスで回転され動力エネルギーを発生するタービンと、該タービンの排ガスにより前記加湿装置で加湿された空気を加熱する再生熱交換器とを備えたガスタービンシステムであって、
前記圧縮機と加湿装置とを接続する配管の途中に設けられ、前記圧縮機の圧縮により高温となった空気を循環水によって冷却して熱を回収する空気冷却器と、前記加湿装置と再生熱交換器を接続する配管から分岐した配管の圧縮空気を昇圧する昇圧装置とを更に備え、
前記タービンの翼は、内部冷却流路を有し、該内部冷却流路の一端は、前記昇圧装置で昇圧された圧縮空気を供給する配管に接続されていると共に、前記内部冷却流路の他端は、前記再生熱交換器と燃焼器を接続する配管の途中に接続されていることを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のガスタービンシステムにおいて、
前記タービンの翼は、静翼であることを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項8】
請求項6に記載のガスタービンシステムにおいて、
前記タービンの翼は、動翼であり、かつ、内部冷却流路の一端は、前記タービンのシャフトの内部に形成された流路を介して、前記昇圧装置で昇圧された圧縮空気を供給する配管に接続されていることを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項9】
空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮されたガスを加湿する加湿装置と、該加湿装置で加湿された空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスで回転され動力エネルギーを発生するタービンと、該タービンの排ガスにより前記加湿装置で加湿された空気を加熱する再生熱交換器とを備えたガスタービンシステムであって、
前記圧縮機と加湿装置とを接続する配管の途中に設けられ、前記圧縮機の圧縮により高温となった空気を循環水によって冷却して熱を回収する空気冷却器と、該空気冷却器の下流側の配管途中から分岐した配管の圧縮空気を昇圧する昇圧装置とを更に備え、
前記タービンの翼は、内部冷却流路を有し、該内部冷却流路の一端は、前記昇圧装置で昇圧された圧縮空気を供給する配管に接続されていると共に、前記内部冷却流路の他端は、前記再生熱交換器と燃焼器を接続する配管の途中に接続されていることを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のガスタービンシステムにおいて、
前記タービンの翼は、静翼であることを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項11】
請求項9に記載のガスタービンシステムにおいて、
前記タービンの翼は、動翼であり、かつ、内部冷却流路の一端は、前記タービンのシャフトの内部に形成された流路を介して、前記昇圧装置で昇圧された圧縮空気を供給する配管に接続されていることを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項12】
請求項9に記載のガスタービンシステムにおいて、
前記昇圧装置の吐き出し側の配管に、該昇圧装置により昇圧された空気を冷却して前記翼の内部冷却流路に供給する翼冷却空気冷却器が設置されていることを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項13】
空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮されたガスを加湿する加湿装置と、該加湿装置で加湿された空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスで回転され動力エネルギーを発生するタービンと、該タービンの排ガスにより前記加湿装置で加湿された空気を加熱する再生熱交換器とを備えたガスタービンシステムであって、
前記圧縮機の吐き出し側配管の途中から配管が分岐され、かつ、前記タービンの翼は、内部冷却流路を有し、該内部冷却流路の一端は、前記圧縮機の吐き出し側配管の途中から分岐された配管に接続され、一方、前記圧縮機と加湿装置とを接続する配管の途中に、前記圧縮機の圧縮により高温となった空気を循環水によって冷却して熱を回収する空気冷却器が設けられ、前記内部冷却流路の他端は、前記空気冷却器で冷却された空気が前記加湿装置で加湿されて供給される前記再生熱交換器と前記燃焼器を接続する配管の途中に接続されていることを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項14】
空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスで回転され動力エネルギーを発生するタービンと、該タービンの排ガスにより前記圧縮機で圧縮された空気を加熱する再生熱交換器とを備えたガスタービンシステムであって、
前記タービンの翼は、内部冷却流路を有し、該内部冷却流路の一端は、前記圧縮機の下流側、かつ、前記再生熱交換器の上流側のいずれかの位置で圧縮空気配管から分岐した配管に接続され、前記内部冷却流路の他端は、前記再生熱交換器の下流側、かつ、前記燃焼器の上流側のいずれかの位置で圧縮空気配管に合流する配管に接続されていることを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のガスタービンシステムにおいて、
前記タービンの翼の前記内部冷却流路のいずれかの一端と接続する配管には、内部の空気を昇圧する昇圧装置が設けられていることを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のガスタービンシステムにおいて、
前記昇圧装置の下流側に、昇圧した空気を冷却する冷却器が設けられていることを特徴とするガスタービンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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