説明

ガスタービン上の補助コンパートメントからのトルクコンバータ及び始動モータの取外し装置

【課題】ガスタービンに付属する補助コンパートメントから始動モータ及び/又はトルクコンバータを取外し可能に構成された装置及び方法を提供する。
【解決手段】ガスタービンの補助コンパートメント内のトルクコンバータ又は始動モータに取り付けるためのリフト固定具300が提供される。リフト固定具300は一般に、引上支持体に取り付けるように構成されたフレームと、フレームに取り付けられ且つフレーム上に位置付けられるリフトラグ308のペアと、フレームに取り付けられ且つ各々がフレームの下方に延在する曲げ部318を有するように位置付けられる複数のリフトフック316とを含む。また、ガスタービンの補助コンパートメント内のトルクコンバータ又は始動モータを移動させる取外し装置24も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に、発電プラントにおけるガスタービンのトルクコンバータ及び/又は始動モータの取外し装置に関する。より詳細には、本発明は、発電プラントにおけるガスタービンの補助コンパートメント内でトルクコンバータ及び/又は始動モータを引き上げるように構成されたリフト固定具を有するジブクレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
通例、補助コンパートメントが発電プラントの発電機に付属している。例えば、ガスタービンは、商用発電で広く使用されており、発電プラントにおける発電機としての役割を果たす。補助コンパートメントは一般に、発電機が運転停止した場合に発電機を再始動させるための発電機(例えば、ガスタービン)へのエネルギー供給機構をもたらす補助装置を収容している。例えば、補助コンパートメントは、ガスタービンに対して運転速度に到達するための初期運動量を与える始動システムの一部として始動モータ及びトルクコンバータを収容することができる。具体的には、始動モータ及びトルクコンバータは、タービンが慣性で作動できるようになるまで質量の重いタービンを所要速度にするように構成されている。大型ガスタービンでは、このプロセスには大容量の始動モータ及びトルクコンバータが必要となる。例えば、始動モータ及びトルクコンバータは、各々2000kg以上の重量を有する場合がある。
【0003】
発電プラント及び/又はガスタービンの保守管理に際して、補助コンパートメントから始動モータ及び/又はトルクコンバータを取り外すことが所望又は必要とされることが多い。しかし、補助コンパートメント(輪郭ができるだけ小さくなるように設計される)内のヘッドスペースが非常に限られていて、しかも重量のある装置を持ち上げるための支持構造がないため、始動モータ及び/又はトルクコンバータの取り外しは従前難題とされていた。特定の実施形態では、補助コンパートメント内部のフロアから屋根までのスペース全体は、約6フィート以下である可能性がある。始動モータ及び/又はトルクコンバータを取り外すのに通常用いられる方法の一つは、取り外しのための各機能停止期間中にI形梁のスライド又はスキッド及びプレートを構築することであり、当該スライドを製作して補助コンパートメント内の既存のモータ装着構造物に溶接する必要がある。次いで、保守管理が完了した後は、完成構造物は切り離され廃棄される。或いは、補助コンパートメントの屋根は、始動モータ及び/又はトルクコンバータの取り外し(例えば、外部のクレーンを用いて)に十分な大きさのアクセスポートを含めるよう特別に調整することもできる。しかしながら、このような屋根は、保守管理が完了した後に再度設置することが可能な着脱自在セクションを備えていなければならない。その上、このタイプの屋根は高価であり、漏れのおそれもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、ガスタービンに付属する補助コンパートメントから始動モータ及び/又はトルクコンバータを取り外せるように構成された装置及び方法が必要とされている。
【0005】
本発明の態様及び利点については、一部は以下の詳細な説明で開示するが、以下の詳細な説明から自明であろうし、本発明を実施することによって明らかとなろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一般に、ガスタービンの補助コンパートメント内のトルクコンバータ又は始動モータに取り付けるためのリフト固定具が記載される。リフト固定具は、一般に、引上支持体に取り付けるように構成されたフレームと、フレームに取り付けられ且つフレーム上に位置付けられるリフトラグのペアと、フレームに取り付けられ且つ各々がフレームの下方に延在する曲げ部を有するように位置付けられる複数のリフトフックとを含む。
【0007】
一実施形態では、フレームは開口のペアを画成することができ、各リフトラグがフレーム内の開口の上に位置付けられて、フレームを通って延在する接続ループに各リフトラグを取り付けることができるようにする。代替として、又はこれに加えて、フレームは複数のサイドバーを含むことができ、ここで各リフトフックがサイドバーの少なくとも1つに取外し可能に取り付けられる。例えば、サイドバーは、互いに実質的に平行に向けることができ、リフトフックの取り付けを可能にするように構成された複数のアパーチャを画成することができる。クロスバーは、サイドバーに実質的に垂直の方向に向けることができる。加えて、フレームはさらに、サイドバー又はクロスバーの少なくとも1つに取り付けられたフレームプレートを含む。フレームはさらに、引上支持体上のトローリ部材と結合しヒンジ継手を形成する固定部材を画成することができる。一実施形態では、各リフトラグは、第1のラグプレート、第2のラグプレート、及びラグロッドを含み、ラグロッドが、第1のラグプレートに画成される第1のアパーチャと第2のラグプレートに画成される第2のアパーチャとを通って取外し可能に固定されるようにする。
【0008】
また、ガスタービンの補助コンパートメント内のトルクコンバータ又は始動モータを移動させる取外し装置が一般に提供される。本装置は一般に、補助コンパートメント内に固定されるジブクレーンと、ジブクレーンの梁に移動可能に固定されるトローリシステムと、トローリシステムに取り付けられたリフト固定具とを含む。一実施形態では、リフト固定具は、上述のように、リフトラグのペアと、複数のリフトフックとを含む。
【0009】
本発明の上記その他の特徴、態様及び利点については、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲を参照することによって理解を深めることができるであろう。なお、本願の内容の一部をなす添付の図面には、本発明の実施形態を例示するとともに、発明の詳細な説明と併せて本発明の原理を説明する。
【0010】
本発明を当業者が実施できるように、以下の詳細な説明では、図面を参照しながら、本発明を最良の形態を含めて十分に開示する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による、例示的な取外し装置を含むガスタービンの例示的な補助コンパートメントの斜視図。
【図2】図1に示す例示的な取外し装置の斜視図。
【図3】図2に示す例示的な取外し装置のトローリシステム及びリフト固定具の拡大側面図。
【図4】図2に示す例示的な取外し装置のリフト固定具の平面図。
【図5】図2に示す例示的な取外し装置のリフト固定具の別の側面図。
【図6】図3〜図5のリフト固定具上のリフトラグのペアをトルクコンバータに固定するための例示的な取付具。
【図7】図3〜図5のリフト固定具上のリフトフックを始動モータに固定するための例示的な取付具。
【図8】補助コンパートメント内の始動モータを一時的に支持しトルクコンバータにアクセスできるようにする例示的な延長プラットフォーム。
【図9】取外し装置を補助コンパートメント内に設置するための例示的な配送システム及び方法。
【図10】本発明の方法の一実施形態による例示的なステップの図。
【図11】本発明の方法の一実施形態による例示的なステップの図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について詳しく説明するが、その1以上の実施例を図面に示す。各実施例は例示にすぎず、本発明を限定するものではない。実際、本発明の技術的範囲又は技術的思想から逸脱せずに、本発明に様々な修正及び変形をなすことができることは当業者には明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として例示又は説明した特徴を、別の実施形態に用いてさらに別の実施形態としてもよい。従って、本発明は、かかる修正及び変形を特許請求の範囲で規定される技術的範囲及びその均等の範囲に属するものとして包含する。
【0013】
全体として、ガスタービンの補助コンパートメント内のトルクコンバータ又は始動モータを移動させる装置及び方法が提供される。例えば、本開示の装置及び方法は、屋根に損傷を与えず、又は特別な取り外し装置を構築する必要もなく、補助コンパートメントからのトルクコンバータ又は始動モータの取り外しを可能にすることができる。従って、本装置及び方法を利用して、補助コンパートメント内のトルクコンバータ又は始動モータの保守管理を可能にすることができる。
【0014】
図1は、全体的にガスタービンの補助コンパートメント10の構成要素を示している。図示のように、補助コンパートメント10は、フロア12上に形成され、ガスタービンのオイルタンク上に位置付けられる。当該技術分野で公知であるように、補助コンパートメントは、周囲壁16(仮想線で示される)及び屋根18(仮想線で示される)により覆われ、ドア17を通じてアクセスすることができる。補助コンパートメント10は、ガスタービンの他の構成要素のなかでもとりわけ、始動モータ20及びトルクコンバータ22を収容する。上述のように、始動モータ20及びトルクコンバータ22は、タービンが慣性で作動できるようになるまで重質量のタービンを所要速度にするように構成されている。
【0015】
取外し装置24が補助コンパートメント10内に取外し可能に固定される。図示のように、取外し装置24は、補助コンパートメント10において装着プレート26に固定されるジブクレーン100を含む。例えば、装着プレート26は、補助コンパートメント10のフロア12に溶接することができる(例えば、フロア12を形成するガスタービンのオイルタンク14に溶接される)。ジブクレーン100を装着プレート26に固定するために、ジブクレーン100のベースプレート102は、ジブクレーン100上のベースプレート102を補助コンパートメント10内の装着プレート26に固定するように構成されたボルトを受けるアパーチャ103を含むことができる。取外し装置24は、ジブクレーン100に移動可能に取り付けられたトローリシステム200、及び該トローリシステム200に枢動可能に取り付けられたリフト固定具300を含めて全体的に示されている。
【0016】
図2を参照すると、ジブクレーン100は、一般に、ベースプレート102、マスト104、ジャック106、受け部108、及び梁110を含む。上述のように、ベースプレート102は、補助コンパートメント10内に取外し可能に固定するように構成される(例えば、装着プレート26への取付により)。マスト104は、ベースプレート102に取り付けられるベース管101内に回転可能に固定され、マスト104(及びその結果として梁110)を必要に応じて360°回転できるようにする。従って、ジブクレーン100を利用して、ベース管101内でマスト104を回転させることによりワーク(例えば、始動モータ20又はトルクコンバータ22)を所望の場所に移動させることができる。
【0017】
受け部108は、該受け部108の第1の端部109の垂直移動(すなわち、昇降)を可能にするように構成された枢動継手112にてマスト104に枢動可能に装着され且つ結合される。図示のように、枢動継手112は、枢動ロッド113の周りの受け部108の回転を可能にする。この垂直移動は、ジャック106(例えば、液圧ジャック)により制御される。図示のように、ジャック106は、マスト104に取り付けられたプラットフォーム111上に装着される。ジャック106のアーム107は、受け部108の第1の端部109付近の底面114に接触するように延在して、アームの垂直移動(すなわち、上昇及び/又は降下)を制御する。
【0018】
梁110は、受け部108の第1の端部109から延在する。図示のように、梁110は、受け部108の内側内に収まるようなサイズにされる。固定ロッド116(例えば、ボルト、ピン、その他)は、受け部108内のピン孔118及び梁110上の梁アパーチャ120を通って延在して、受け部108の第1の端部109から延在する所望の梁長にて梁110を固定する。このため、梁長は、ピン孔118からロッド116を取り外し、該梁110を受け部108内の長さに沿って滑動させることにより調整することができる。複数の梁アパーチャ120は、固定ロッド116を用いて様々な梁長にて梁110を固定することを可能にする。梁110は、一般に、水平フランジ122、124のペア及び垂直ウェブ126を備えたI型梁形状として全体として図示されているが、あらゆる好適な梁形状又は長さを利用することができる。
【0019】
トローリシステム200は、ジブクレーン100の梁110に移動可能に取り付けられる。図3で最もよく示されるように、トローリシステム200は、梁に移動可能に固定され、必要に応じて梁の長さに沿ってトローリシステム200が移動できるようにされる。トローリシステムは、梁110の底部水平フランジ124に沿って転動するように構成されたホイール202を含み、トローリシステム200が梁110の長さに沿って移動できるようにする。ホイール202は、ホイールハウジング204に取り付けられ、アクセル206の周りを回転することができる。ホイールハウジング204は、梁の底部水平フランジ124と実質的に連続して接触した状態にホイール202を保持するようなサイズにされる。
【0020】
梁1ストッパー部108とは反対側の梁110の遠位端部130に位置付けられた取外し可能ストッパー128を含み、(ストッパー128が梁110から取り外されたときに)トローリシステム200を梁110に取り付けることを可能にし、且つ(ストッパー128が梁110に固定されたときに)トローリシステム200が梁110から滑り落ちるのを阻止する。
【0021】
トローリロッド208は、ホイールハウジング204から延在してトローリシステム200をリフト固定具300に接続する。図示のように、トローリロッド208は、ホイールハウジング204に取り付けられたロッドハウジング210から延在しており、ここでトローリロッド208は、ロッドハウジング210に回転可能に接続され、トローリロッド208の360°の回転を可能にする。例えば、トローリロッド208及びロッドハウジング210は、玉継手又は他の回転可能カップリングを形成することができる。
【0022】
図2〜図5を参照すると、リフト固定具300は、ヒンジ継手302においてトローリシステム200に枢動可能に取り付けられる。図示の実施形態では、固定部材304は、トローリロッド208上のトローリ部材202と結合してヒンジ継手302を形成し、リフト固定具300がヒンジピン306の周りで枢動できるようにする。リフト固定具300をトローリシステム200に枢動可能に接続するヒンジ継手302と、回転可能に接続されるトローリロッド208及びトローリハウジングとを組み合わせることにより、リフト固定具300を多様な位置に向けることが可能になる。
【0023】
リフト固定具300は、補助コンパートメント10内でガスタービンの始動モータ20又はトルクコンバータ22を持ち上げるように構成される。一般に、リフト固定具300は、フレーム301、リフトラグ308のペア、及び複数のリフトフック316を含む。フレーム301は、トローリロッド208に取り付けるように構成され、リフト固定具300の引上支持体として機能する。
【0024】
リフトラグ308のペアは、フレーム301に取り付けられ、一般にフレーム301の上方(すなわち、トローリロッド208と同じ側のフレーム301上)に位置付けられる。しかしながら、図示のように、リフトラグ308のペアは、リフト固定具300の下方からアクセス可能(すなわち、トローリシステム200の反対側からアクセス可能)である。例えば、各リフトラグ308は、フレーム301の開口309の上に位置付けることができる。図示の例示的な実施形態では、各リフトラグ308は、ラグプレート310のペアを含み、各ラグプレート310はラグアパーチャ312を含む。ラグプレート310は、それぞれのラグアパーチャ312がラグロッド314(例えば、ボルト、ピン、又は他のバー状構造体)を貫通して固定可能に整列されるように位置付けられる。
【0025】
各リフトラグ308は、トルクコンバータ22上の接続ループ23(例えば、アイボルト、チェーンリンク、その他)に取り付けるように構成される。図6に具体的に示すように、トルクコンバータ22の接続ループ23は、フレーム301の開口309を貫通し、リフトラグ308への接続を可能にする。ラグロッド314は、第1のラグプレート310のラグアパーチャ312に挿入され、次いで、トルクコンバータ22に取り付けられた接続ループ23に挿通され、さらに、第2のラグプレート310のアパーチャ312を通って挿入される。図6に示す実施形態は、ラグナット315を用いてラグプレート310に固定されるラグロッド314を示している。
【0026】
ある特定の実施形態では、リフトラグ308は、固定部材304の両側でヒンジ継手302から実質的に同じ距離にあるフレーム301上に位置付けられる。加えて、リフトラグ308の各々は、トローリ部材212とヒンジ継手302を形成するよう固定部材304のヒンジピン306(ヒンジ開口305に挿入される)の向きによって定められる直線軸でフレーム301に沿って位置付けることができる。すなわち、ラグロッド314及びヒンジピン306は、実質的に平行な方向に向けることができる。このため、リフトラグ308によって支持されるあらゆる重量は、ヒンジ継手302の望ましくない回転を実質的に阻止しながら、フレーム301上で実質的にバランス調整することができる。加えて、リフトラグ308に荷重が加わると、リフト固定具300は、梁110及びトローリロッド208の向きにかかわらず、実質的に水平位置(地上に対して)でバランス調整することができる。
【0027】
複数のリフトフック316は、フレーム301に取り付けられ、各リフトフック316がフレーム301の下方に延在する曲げ部318を有するように全体的に位置付けられる。図示のように、リフトフック316は、フレーム301のサイドバー320に取り付けられる。サイドバー320は、ある特定の実施形態では、互いに実質的に平行にすることができる。加えて、ある特定の実施形態では、サイドバー320及びヒンジピン306は、実質的に平行な方向に向けることができる。このため、リフトラグ308によって支持されるあらゆる重量は、ヒンジ継手302の望ましくない回転を実質的に阻止しながら、フレーム301上で実質的にバランス調整することができる。加えて、リフトフック316に荷重が加わると、リフト固定具300は、梁110及びトローリロッド208の向きにかかわらず、実質的に水平位置(地上に対して)でバランス調整することができる。
【0028】
リフトフック316は、サイドアパーチャ324を用いてサイドバー320の長さに沿ったあらゆる位置においてフックロッド322(例えば、ボルト、ピン、又は他のバー状構造体)を使用してサイドバー320に取外し可能に取り付けることができる。図7に示すように、リフトフック316は、フック曲げ部318が始動モータ20上でモータラグ21を把持できるように位置付けられる。必要に応じて、接続ストラップ(例えば、ストラップ、ロープ、ワイヤ、その他)をリフト固定具300及び始動モータ20に取り付けて、始動モータ20上のモータラグ21の付近の所定位置に複数のリフトフック316を保持するのを助けることができる。
【0029】
取外し装置24を用いて、ガスタービンの補助コンパートメント10内の始動モータ20を移動させることができる。例えば、図10は、ステップ1002において補助コンパートメント内に取外し可能な装置を固定することにより始動モータを移動させる例示的な方法100の図を示している。図1〜図5に示すように、取外し装置24は、一般に、マスト104上に枢動可能に結合された梁110に取り付けられるリフト固定具300を含むことができる。ステップ1004において、複数のリフトフックを始動モータ上の複数のモータラグに取り付けることができる。例えば、図7に示すように、リフトフック316は、始動モータ20のモータラグ21に取り付けられる。ステップ1006において、リフト固定具及び始動モータを引き上げることができる。例えば、図2を参照すると、ジャック106は、そのアーム107を延ばして、受け部108の第1の端部109を持ち上げ、梁110が垂直方向上向きに枢動し、トローリシステム200及びリフト固定具300を持ち上げるようにする。
【0030】
クロスバー326が、単一構造物としてフレーム301を構築するためにサイドバー320に取り付けられて図示されている。各クロスバー326は、サイドバー320に実質的に垂直の方向に向けられ、各サイドバー320に接続されてフレーム301を形成するのに十分な長さを有する。ラグプレート310の各々は、リフトラグ308に付加されるあらゆる重量に対する構造的支持を与えるようそれぞれのクロスバー326上に装着されて図示されている。加えて、フレームプレート328は、フレーム部材304をフレーム301に装着するための支持構造体を提供するよう少なくとも2つのクロスバー326にわたって延在するよう図示されている。他の支持バー327がフレーム301において図示されている。
【0031】
ある特定の実施形態では、リフト固定具300の構成要素(例えば、フレーム301、リフトラグ308、及び/又はリフトフック316)は、リフトラグ308又はリフトフック316の何れかを用いて比較的重荷重(例えば、約2000kg〜約4000kg)を支持し引き上げるように構成された硬化材料(例えば、鋼鉄のような金属組成物)から製造することができる。
【0032】
ステップ1006においてリフト固定具及び始動モータを引き上げた後、ステップ1008において、始動モータが延長部上に載るようにリフト固定具及び始動モータを延長部上に降下させ、ステップ1010において、複数のリフトフックを始動モータから離すことができる。例えば、延長部は、リフト固定具及び始動モータを降下させる前に始動モータの下に滑動することができる(例えば、延長部は、該延長部を転動させるホイールを含むことができる)。或いは、リフト固定具に取り付けたジブクレーンのマストを回転させ、テーブル又は延長部上に始動モータを位置付けることができる。
【0033】
ステップ1012において、延長部及び始動モータは、任意選択的に補助コンパートメント内でトルクコンバータから離れて移動される。図1に示す実施形態では、例えば、延長部402は、補助コンパートメント10内のフロア12の縁部から延在する延長プラットフォーム400上に滑動することができる。延長プラットフォーム400は、図8においてより完全に図示されており、一般に、プラットフォーム面406を支持するよう実質的に垂直に位置付けられた支持梁404を含む。あらゆるワーク(例えば、テーブル上の始動モータ)の重量を分散させるのを助けるため、対角梁408を含めて延長プラットフォームに対して支持強度を付加するようにする。
【0034】
再度、図10を参照すると、ステップ1014において、リフト固定具上のリフトラグのペアは、任意選択的にトルクコンバータに取り付けることができ、ステップ1016において、リフト固定具及びトルクコンバータを引き上げることができる。次いで、トルクコンバータは、要求通りに位置付けることができる(例えば、取外し装置のマストを回転させて、トルクコンバータを所望の位置に移動させることにより)。
【0035】
取外し装置24は、図9に示すようなフォークリフト500を用いて補助コンパートメント10に挿入することができる。図示のように、ジブクレーン100は、ジブクレーン100を輸送するためのベース管101に取り付けられる配送ブラケット132のペアを含む。配送ブラケット132は、延長梁502を用いてフォークリフト500に結合することができる。延長梁502は、配送ブラケット132の内部133に挿入されるように構成されたブラケットトング504を含む。フォークリフト500は、通常のドア17及び/又は通常の補助ルーム10の寸法に対して大きすぎるので、フォークリフト500を補助コンパートメント10に入らせることなくジブクレーン100が補助コンパートメント内に確実に挿入されて位置付けることができるように、延長梁502の長さを調整することができる。例えば、延長梁502は、約3m〜約7m(例えば、約4m〜約6m)の長さを有することができる。このため、延長梁502は、ジブクレーン100を補助コンパートメント10に移送してその内部に位置付けるよう搬送することができる。
【0036】
延長梁502は、延長梁502に取り付けられた延長ブラケット506をフォークリフト500の叉部501上に結合することにより、フォークリフト500上に装着することができる。支持ケーブル508(例えば、ワイヤ、ロープ、チェーン、又は他のケーブル状材料)は、延長梁502及びジブクレーン100の重量を支持するのを助けるため、一方端にてフォークリフトに取り付けられ、他方端にて延長梁502に取り付けられるように図示されている。図示のように、支持ケーブル508は、留め具510を用いてブラケットタング504付近で延長梁502に取り付けられる。
【0037】
図11は、ガスタービンの補助コンパートメント内の取外し装置を固定する例示的な方1100を説明した図を示す。ステップ1102において、ジブクレーンは、延長キャリア梁上に装着され、ここで延長キャリア梁は、ジブクレーン上の配送ブラケット内に結合されるように構成されたブラケット叉部を備える。ステップ1104において、ジブクレーンは、補助コンパートメント内に搬送され、ステップ1106において、補助コンパートメント内で装着プレート上に降下することができる。次いで、ステップ1108において、ジブクレーンを装着プレート上に固定することができる。
【0038】
本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲の文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と実質的な差のない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0039】
10 補助コンパートメント
12 フロア
14 オイルタンク
16 壁
17 ドア
18 屋根
20 始動モータ
21 モータラグ
22 トルクコンバータ
23 接続ループ
24 取外し装置
26 装着プレート
100 ジブクレーン
101 ベース管
102 ベースプレート
103 ベースプレートのアパーチャ
104 マスト
106 ジャック
107 ジャックのアーム
108 受け部
109 受け部の第1の端部
110 梁
111 プラットフォーム
112 枢動継手
113 枢動ロッド
114 受け部の底面
116 固定ロッド
118 受け部のピン孔
120 梁内のアパーチャ
122 上部水平フランジ
124 底部水平フランジ
126 ウェブ
128 ストッパーー
130 梁の遠位端
132 配送ブラケット
133 ブラケットの内部
200 トローリシステム
202 ホイール
204 ホイールハウジング
206 アクセル
208 トローリロッド
210 ロッドハウジング
212 トローリ部材
300 リフト固定具
301 フレーム
302 ヒンジ継手
304 固定部材
306 ヒンジピン
308 リフトラグ
309 フレームの開口
310 ラグプレート
312 ラグアパーチャ
314 ラグロッド
316 リフトフック
318 曲げ部
320 サイドバー
322 フックロッド
324 サイドアパーチャ
326 クロスバー
327 支持バー
328 フレームプレート
400 延長プラットフォーム
402 テーブル
404 支持梁
406 プラットフォーム面
408 対角梁
500 フォークリフト
501 リフトの叉部
502 延長梁
504 ブラケットタング
506 外部ブラケット
508 支持ケーブル
510 フック
1000 方法
1002 ステップ
1004 ステップ
1006 ステップ
1008 ステップ
1010 ステップ
1012 ステップ
1014 ステップ
1016 ステップ
1100 方法
1102 ステップ
1104 ステップ
1106 ステップ
1108 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンの補助コンパートメント(10)内のトルクコンバータ(22)又は始動モータ(20)に取り付けるリフト固定具(300)であって、
上方で引上支持体(208)に取り付けるように構成されたフレーム(301)と、
前記フレーム(301)に取り付けられ且つ前記フレーム(301)上に位置付けられるリフトラグ(308)のペアと、
前記フレーム(301)に取り付けられ且つ各々が前記フレーム(301)の下方に延在する曲げ部(318)を有するように位置付けられる複数のリフトフック(316)と
を備えるリフト固定具(300)。
【請求項2】
前記フレーム(301)が開口(309)のペアを画成する、請求項1記載のリフト固定具(300)。
【請求項3】
前記各リフトラグ(308)が、前記フレーム(301)の開口(309)の上に位置付けられ、前記各リフトラグ(308)が前記フレーム(301)を通って延在する接続ループ(23)に取り付けることができるようにする、請求項1又は請求項2記載のリフト固定具(300)。
【請求項4】
前記フレーム(301)が複数のサイドバー(320)を備え、前記リフトフック(316)が前記サイドバー(320)の少なくとも1つに沿って取外し可能に取り付けられる、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のリフト固定具(300)。
【請求項5】
前記サイドバー(320)が互いに実質的に平行である、請求項4記載のリフト固定具(300)。
【請求項6】
前記フレーム(301)がさらに、前記サイドバー(320)に実質的に垂直な方向に向けられたクロスバー(326)を含む、請求項4又は請求項5記載のリフト固定具(300)。
【請求項7】
前記フレーム(301)がさらに、前記サイドバー(320)又は前記クロスバー(326)の少なくとも1つに取り付けられたフレームプレート(328)を含む、請求項6記載のリフト固定具(300)。
【請求項8】
前記各リフトラグ(308)が、第1のラグプレート(310)、第2のラグプレート(310)及びラグロッド(314)を含み、前記ラグロッド(314)が、前記第1のラグプレート(310)に画成される第1のアパーチャ(312)と前記第2のラグプレート(310)に画成される第2のアパーチャ(312)とを通って取外し可能に固定される、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載のリフト固定具(300)。
【請求項9】
ガスタービンの補助コンパートメント(10)内のトルクコンバータ(22)又は始動モータ(20)を移動させる取外し装置(24)であって、
前記補助コンパートメント(10)内に固定され且つ梁(110)を含むジブクレーン(100)と、
前記梁(110)に移動可能に固定されるトローリシステム(200)と、
前記トローリシステム(200)に取り付けられ、且つリフトラグ(308)のペアと、前記フレーム(301)に取り付けられた複数のリフトフック(316)とを含むリフト固定具(300)と
を備える、取外し装置(24)。
【請求項10】
前記リフト固定具(300)が、前記トローリシステム(200)のトローリロッド(208)に枢動可能に取り付けられる、請求項9記載の装置(24)。
【請求項11】
前記各リフトフック(316)が、前記フレーム(301)の下方に延在する曲げ部(318)を含む、請求項9又は請求項10記載の装置(24)。
【請求項12】
前記各リフトラグ(308)が、前記フレーム(301)の上方の位置にて前記フレーム(301)に取り付けられる、請求項9乃至請求項11のいずれか1項記載の装置(24)。
【請求項13】
前記各リフトラグ(308)が、前記フレーム(301)の開口の上方で前記フレーム(301)上に位置付けられ、前記各リフトラグ(308)が前記フレーム(301)を通って延在する接続ループ(23)に取り付けることができるようにする、請求項12記載の装置(24)。
【請求項14】
前記ジブクレーン(100)がさらに、マスト(104)に枢動可能に結合される受け部(108)を含み、前記梁(110)が前記受け部(108)から延在する、請求項9乃至請求項13のいずれか1項記載の装置(24)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−184110(P2012−184110A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−44914(P2012−44914)
【出願日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】