説明

ガスタービン監視システム

【課題】ガスタービン監視システムを提供する。
【解決手段】1つの実施形態では、ガスタービン監視システム4は、ガスタービンコントローラ10に動作可能に接続することができる。ガスタービン監視システム4は、ガスタービンコントローラ10からガスタービン8のイベントに関するデータを取得し、このガスタービン8のイベントに関するデータをHMIのストレージ構成要素122に書き込み、ガスタービン8のイベントに関するデータをガスタービンコントローラ10に連続して、またはガスタービンコントローラ10からのデータの要求に応じて提供するように構成された少なくとも1つのコンピューティングデバイス104を含むインタフェース6を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する主題は、ガスタービンのデータ監視システムに関する。具体的には、本明細書に開示する主題は、ガスタービンからの履歴データを記憶および処理して、このデータをガスタービンのコントローラに返し、ガスタービンの動作をリアルタイムで調整できるようにするためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンシステムと共に使用される現在のデータシステムは、ガスタービンのコントローラ内のフラッシュメモリ、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)などのメモリシステムを用いる。こうした従来のメモリシステムは、ガスタービンの動作に関する比較的少量のデータを記憶するだけである。というのは、こうしたシステムは、メモリチップ上の記憶スペースに限定されるからである。動作データの残りの部分は、パーソナルコンピュータ(PC)に、オフラインで、履歴ログまたはトリップログの形態で(例えば、バックアップデータストアとして)記憶される。PCに記憶されたデータは、ガスタービンの実行時の動作に統合されず、コントローラによってアクセス可能ではない。コントローラは、(そのフラッシュメモリを介して)動作データのごく一部しか保持できず、またデータの残りの部分を記憶しているPCは、コントローラから切断されているので、特に人工ニューラルネットワーク(すなわち、ANN)のような複雑なアルゴリズムの場合に、このコントローラはガスタービンの動作に実行時の変更を行うことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7693147号明細書
【発明の概要】
【0004】
ガスターピン監視システムを開示する。1つの実施形態では、ガスタービン監視システムは、ガスタービンコントローラに動作可能に接続することができる。ガスタービン監視システムは、ガスタービンコントローラからガスタービンのイベントに関するデータを取得し、このガスタービンのイベントに関するデータをHMIのストレージ構成要素に書き込み、ガスタービンのイベントに関する書き込んだデータを連続して、またはガスタービンコントローラからのデータの要求に応じてガスタービンコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのコンピューティングデバイスを含むインタフェースを含むことができる。
【0005】
本発明の第1の態様は、ガスタービンコントローラに動作可能に接続されたガスタービン監視システムを含み、この監視システムは、少なくとも1つのコンピューティングデバイスを含むインタフェースを備え、このコンピューティングデバイスは、ガスタービンコントローラからガスタービンのイベントに関するデータを取得し、ガスタービンのイベントに関するデータをHMIのストレージ構成要素に書き込み、ガスタービンのイベントに関する書き込んだデータを連続して、またはガスタービンコントローラからのデータの要求に応じて、ガスタービンコントローラに提供するように構成される。
【0006】
本発明の第2の態様は、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)を含む少なくとも1つのコンピューティングデバイスを備えるコンピュータシステムを含み、このコンピューティングデバイスは、ガスタービンコントローラから直接ガスタービンのイベントに関するデータを取得し、ガスタービンのイベントに関するデータをHMIのストレージ構成要素に書き込み、ガスタービンのイベントに関する書き込んだデータを連続して、またはガスタービンコントローラからのデータの要求に応じて、直接ガスタービンコントローラに提供するように構成される。
【0007】
本発明の第3の態様は、ガスタービンコントローラを含むガスタービン装置と、ガスタービンコントローラに動作可能に接続されたガスタービン監視システムとを含み、この監視システムは、少なくとも1つのコンピューティングデバイスを含むインタフェースを含み、このコンピューティングデバイスは、ガスタービンコントローラからガスタービンのイベントに関するデータを取得し、ガスタービンのイベントに関するデータをHMIのストレージ構成要素に書き込み、ガスタービンのイベントに関する書き込んだデータをガスタービンの動作中に連続して、またはガスタービンコントローラからのデータの要求に応じてガスタービンコントローラに提供するように構成される。
【0008】
本発明のこうした特徴および他の特徴は、本発明の様々な実施形態を示す添付の図面と併せて取り入れる本発明の様々な態様の次の詳細な説明からさらに容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の諸実施形態によるガスタービン監視システムを含む環境の概略図である。
【図2】本発明の諸実施形態による例示的方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の図面は、必ずしも原寸に比例して示されていないことに留意されたい。図面は、単に本発明の典型的な態様を示すためであり、したがって本発明の範囲を限定するとみなされるべきではない。図面では、図面間で同様の参照符号が同様の要素を表している。
【0011】
本明細書に開示する主題は、ガスタービンの監視(または、フィードバックおよびストレージ)システムに関する。詳細には、本明細書に開示する主題は、ガスタービンからの履歴データを記憶および処理して、このデータをガスタービンのコントローラに返し、ガスタービンの動作をリアルタイムで調整できるようにするためのシステムに関する。
【0012】
本明細書に記載するように、ガスタービンシステムと併せて使用される現在のデータシステムは、ガスタービンのコントローラでフラッシュメモリまたはその他のタイプの半導体メモリを使用することができ、これによりガスタービンの動作に関する比較的少量のデータを記憶するだけである。動作データの記憶容量は、コントローラのメモリの処理および空き容量の制約によって制限される。動作データの残りの部分は、パーソナルコンピュータ(PC)にオフラインで(例えば、バックアップデータストアとして)記憶される。PCに記憶されたデータは、ガスタービンの実行時の動作に統合されず、コントローラによってアクセス可能ではない。コントローラは、(そのフラッシュメモリを介して)動作データのごく一部しか保持できず、またデータの残りの部分を記憶しているPCは、コントローラから切断されているので、このコントローラは、ガスタービンの動作に実行時の変更を行うことができない。
【0013】
従来のシステムとは対照的に、本発明の諸態様は、データをリアルタイムで記憶および管理してガスタービンコントローラへのリードバック(read-back)に備えるインタフェース(例えば、ヒューマンマシンインタフェース(HMI))を使用するガスタービン監視システムを提供する。本明細書で使用する「監視」という用語は、データを記憶することと、このデータをフィードバックのために提供することの両方に関連する可能性があることがわかる。インタフェースは、PCまたはプロセッサと共にインタフェースに組み込まれる他の従来のデータストアを含むことができる。動作データにイベント(例えば、障害)が示されるとき、インタフェースは障害の発生をカウントして、この発生をインタフェースのデータストア(例えば、HMI PCのデータストア)に書き込むことができる。さらに、インタフェースは、連続してデータを記憶/書込みし、他の機能で(例えば、プロセス値を使用するある一定のアルゴリズムまたはシステムで)使用するために書き込んだデータを連続して提供することができる。インタフェース(例えば、HMI)は、そのデータファイルに読み書きアクセスを行って、(1つまたは複数の)適切な制御システムアルゴリズムに適合するように、記憶されたデータを操作することができる。インタフェースは、このイベントデータ(例えば、障害の発生を示す)を連続して、またはコントローラからの要求に応じて、ガスタービンのコントローラに返すことができる。履歴ガスタービン動作データは、オンライン動作中に書き込み、インタフェースPC(例えば、HMI PC)に記憶することができる。さらに、この履歴データは、共有プラントデータハイウェイ(PDH)ネットワークまたは他の従来のデータネットワークの一部の上の別のPC(例えば、従来の記憶デバイス)上にバックアップすることができる。
【0014】
本発明の1つの実施形態では、ガスタービン監視システム(または、フィードバック/ストレージシステム)を開示する。この場合、ガスタービン監視システムは、ガスタービンコントローラに動作可能に接続することができる。監視システムは、ガスタービンコントローラからガスタービンのイベントに関するデータを取得し、このガスタービンのイベントに関するデータをHMIのストレージ構成要素に書き込み、ガスタービンコントローラからのデータの要求に応じて、または連続して、ガスタービンのイベントに関するデータをガスタービンコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのコンピューティングデバイスを含むインタフェース(例えば、ヒューマンマシンインタフェース(HMI))を含むことができる。システムは、例えば、ガスタービンが動作中に、リアルタイムでフィードバックデータ、または記録されたプロセスデータをコントローラに返すように構成することができる。これによりコントローラは、HMIのリアルタイムの読み書き機能を使用して、ガスタービンの動作をより良く制御することができる。
【0015】
当業者には理解されるように、本明細書に記載するガスタービン監視システムは、(1つもしくは複数の)システム、(1つもしくは複数の)方法、または(1つもしくは複数の)コンピュータプログラム製品として、例えば、ガスタービン監視システムの一部として、具体化することができる。したがって、本発明の諸実施形態は、本明細書ではすべて一般的に「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ぶことができる、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアの態様とハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形をとることができる。さらに、本発明は、コンピュータで利用できるプログラムコードを媒体に組み込んだ有形の表現媒体に組み込まれたコンピュータプログラム製品の形をとることができる。
【0016】
1つまたは複数のコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体のいかなる組合せも使用することができる。コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、例えば電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、またはデバイスである可能性があるが、これらに限らない。コンピュータ可読媒体のさらに特定の例(非網羅的リスト)には、1つもしくは複数の配線を有する電気接続、可搬のコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD−ROM)、光学式記憶装置、インターネットもしくはイントラネットに対応する伝送媒体のような伝送媒体、または磁気機構装置が含まれる。プログラムは、例えば、紙または他の媒体の光学式走査によって電子的に取り込み、次にコンパイルし、解釈し、またはその他の場合は必要に応じて好適な方法で他の処理を行って、次にコンピュータのメモリに記憶することができるので、コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、プログラムが印刷される紙または他の好適な媒体であることさえ可能である。この文書の文脈では、コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはこれらと接続して使用するプログラムを収容する、記憶する、通信する、または伝送することができるいかなる媒体とすることもできる。コンピュータ使用可能媒体は、ベースバンドに、または搬送波の一部としてコンピュータ使用可能プログラムコードを組み入れた伝搬データ信号を含むことができる。コンピュータ使用可能プログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなどの、これらに限定されないが、任意の適切な媒体を使用して伝送することができる。
【0017】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ(またはコントローラ)のプログラムコードは、(1つまたは複数の)任意のプログラミング言語で記述することができ、例えば、これらに限らないが、Java(商標)、Magik、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語、独自開発のソフトウェア、制御言語、組み込みもしくは同様のプログラミング言語など、従来の手続き型プログラミング言語で記述することができる。プログラムコードは、全体的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロン型ソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で、かつ部分的にリモートコンピュータ上で、あるいは全体的にリモートコンピュータまたはサーバ上で、実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)などの、任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができる、あるいは(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに接続することができる。
【0018】
本発明の諸実施形態は、本発明の諸実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のデータフロー説明図および/またはブロック図を参照して、本明細書に記載される。データフロー説明図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート説明図および/またはブロック図中のブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実行できることを理解されるであろう。こうしたコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または機械を製造するための他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供することができ、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令は、フローチャートおよび/または(1つまたは複数の)ブロック図に指定される機能/活動を実行するための手段を作り出す。
【0019】
こうしたコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置に特定の方法で機能するよう命令することができるコンピュータ可読媒体に記憶することもでき、コンピュータ可読媒体に記憶された命令は、フローチャート、および/または(1つもしくは複数の)ブロックで指定される機能/活動を実施する命令手段を含む製品を生み出す。
【0020】
またコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置にロードして、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で一連の動作ステップを実行させてコンピュータ実装プロセスを作り出し、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックに指定した機能/活動を実行するためのプロセスを提供するようにすることができる。
【0021】
図1に戻ると、本発明の実施形態により、ガスタービン監視(例えば、フィードバック/ストレージ)システム4を含む例示的環境2を示している。環境2は、本明細書に記載する様々なプロセスを実行することができるコンピュータインフラストラクチャ102を含む。詳細には、ガスタービンフィードバック/ストレージシステム4を備えるコンピューティングデバイス104を含んだコンピュータインフラストラクチャ102を示しており、これによりコンピューティングデバイス104は、開示のプロセスを行うことによって、ガスタービン8を制御するためのガスタービンコントローラ10にリアルタイムの、要求に応じたフィードバックを提供することができる。ガスタービンフィードバック/ストレージシステム4は、本明細書に記載するガスタービン監視システム4の機能の一部または全部を実行するように構成されたインタフェース(例えば、ヒューマンマシンインタフェース(HMI))6を含んでいることがわかる。インタフェース6は、人間オペレータがガスタービン監視システム4と対話できるようにするために、1つまたは複数のディスプレイ、作動可能ボタン、タッチスクリーンなどを有する1つまたは複数のI/Oデバイス120を含むことができる。一部の場合では、インタフェース6は、人間と機械、人間とプラント、機械とソフトウェアなどの間のインタフェースとして役割を果たすことができる標準的な産業用ヒューマンマシン/マンマシンインタフェース(HMI/MMI)システムを含むことができる。
【0022】
コンピューティングデバイス104は、メモリ112と、プロセッサ(PU)114と、入力/出力(I/O)インタフェース116と、バス118とを含んで示している。さらに、コンピューティングデバイス104は、(例えば、HMI6の中に)I/Oデバイス/リソース120と、ストレージシステム122とを含んで示している。当技術分野では知られているように、プロセッサ114は、メモリ112および/またはストレージシステム122に記憶された、ガスタービン監視システム4などのコンピュータプログラムコードを実行する。コンピュータプログラムコードを実行しながら、プロセッサ114は、メモリ112、ストレージシステム122、および/またはI/Oインタフェース116に、ガスタービン(GT)イベントデータ130などのデータを書き込む、またはこれらからデータを読み取ることができる。バス118は、コンピューティングシステム104の構成要素のそれぞれの間の通信リンクを提供する。I/Oデバイス120は、ユーザがコンピューティングデバイス104またはコンピューティングデバイス104が1つまたは複数の他のコンピューティングデバイスと通信できるようにするいかなるデバイスとも対話できるようにするいかなるデバイスを備えることもできる。入力/出力デバイス(キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイスなどを含むが、これらに限定しない)は、システムに直接に、または介在するI/Oコントローラによって結合することができる。
【0023】
図1に示すように、環境2はオプションで、ガスタービン8に動作可能に接続されたガスタービンコントローラ10と、コンピューティングデバイス104とを含むことができ、コンピューティングデバイスおよびコントローラ10は、ユニットデータハイウェイ(UDH)ネットワーク22、または例えば産業/家庭/IP/シリアルネットワークなど、いかなるタイプの従来のネットワークを介しても接続される。また、プラントデータハイウェイ(PDH)ネットワーク24(または、本明細書で言及する他の従来のネットワーク)を介してコンピューティングシステム104に動作可能に接続されたバックアップファイルサーバ20を環境2に示す。ガスタービンコントローラ10およびバックアップファイルサーバ20のそれぞれは、従来の手段によって(例えば、無線もしくは有線の手段によって)ガスタービン監視システム4(コンピューティングシステム104を介して)に接続することができる。
【0024】
いずれにしても、コンピューティングデバイス104は、ユーザによってインストールされたコンピュータプログラムコードを実行することができる任意の汎用コンピューティング製品(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、ハンドヘルドデバイスなど)を備えることができる。しかしながら、コンピューティングデバイス104およびガスタービン監視システム4は、開示の様々なプロセスのステップを行うことができる様々な同等のコンピューティングデバイスを単に代表するものであることがわかる。この点で、他の実施形態では、コンピューティングシステム104は、特定の機能を行うためのハードウェアおよび/またはコンピュータプログラムコードを備えた任意の特定用途のコンピューティング製品、特定用途および汎用のハードウェア/ソフトウェアの組合せを備えた任意のコンピューティング製品などを備えることができる。いずれの場合も、プログラムコードおよびハードウェアは、それぞれ標準的なプログラミング技術およびエンジニアリング技術を使用して作成することができる。
【0025】
同様に、コンピュータインフラストラクチャ102は、本開示を実施するための様々なタイプのコンピュータインフラストラクチャの例示にすぎない。例えば、1つの実施形態では、コンピュータインフラストラクチャ102は、本開示の様々なプロセスのステップを行うために、ネットワーク、共有メモリなどの任意のタイプの有線および/または無線通信リンクを通じて通信する2つ以上のコンピューティングデバイス(例えば、サーバクラスタ)を備える。通信リンクがネットワークを備えるとき、ネットワークは、1つまたは複数のタイプのネットワーク(例えば、インターネット、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、仮想プライベートネットワークなど)のいかなる組合せも備えることができる。ネットワークアダプタをシステムに結合して、データ処理システムが介在プライベートネットワークまたはパブリックネットワークを介して他のデータ処理システムまたはリモートプリンタもしくはデバイスに結合されるようにすることもできる。モデム、ケーブルモデム、およびイーサネット(商標)カードは、現在利用できるネットワークアダプタのタイプのほんの一部である。とにかく、コンピューティングデバイス間の通信は、様々なタイプの伝送技術のいかなる組合せも利用することができる。
【0026】
前述し、以下にさらに説明するように、ガスタービン監視システム4は、コンピューティングインフラストラクチャ102が特に本明細書に記載するガスタービンフィードバック機能を実行できるようになるという技術的効果を有する。コンピュータインフラストラクチャ102に含まれる1つまたは複数の別個のコンピューティングデバイスのために、図1に示す様々な構成要素の一部を個々に実装する、結合する、および/またはメモリに記憶することができることがわかる。さらに、構成要素および/または機能の一部は実装されない場合があり、または追加の仕組みおよび/または機能が環境2の一部として含まれる場合があることがわかる。
【0027】
図2を見ると、また引き続き図1を参照すると、本発明の実施形態により例示的方法の流れ図を示している。この方法は、プロセスP1において、ガスタービンコントローラ10からヒューマンマシンインタフェース(HMI)でガスタービンのイベント(例えば、トリップイベント、シャットダウンイベント、ランバックイベント、システム障害イベント、プロセス障害イベント、コンポーネント障害イベント、スタートアップ障害イベントなどのような障害イベント)に関するデータ130を取得することを含むことができる。ガスタービンのイベントは、障害イベントである可能性があり、データ130は、例えばメガワット発電、着火時間、(1つまたは複数の)シャットダウン時刻、および/または持続時間、燃料/空気比、液体流速および/または体積、(1つまたは複数の)シャフト回転速度など、タービン8の動作に関する詳細を含む可能性がある。いずれの場合も、ガスタービンのイベントに関するデータ130をHMI6に記憶して、リアルタイムで(例えば、ガスタービン8の動作中に)コントローラ10がフィードバックの目的で使用することができる。このデータ130は、定期的(例えば、所定の)スケジュールで、またはデータ130がHMI6に書き込まれるとき、バックアップファイルサーバ20にオフラインで記憶することもできる。
【0028】
プロセスP2において、ガスタービン監視システム4は、ガスタービンコントローラ10から直接受信したGTイベントデータ130をHMI6のストレージシステム122に書き込むことができる。ストレージシステム122は、時間と共に蓄積されるすべてのGTイベントデータ130を収容するのに十分なメモリを内蔵することができ、PCのハードディスク/メモリスペースによってのみ制限される。このスペースは、ハードディスクドライブ(HDD)、DVD、テープ、サーバなどの補助記憶媒体を追加することによって強化することができる。インタフェース(例えば、HMI)6は、タービン8の運転中に、GTイベントデータ130における障害発生を記録し、またはカウントし、これらの障害発生をストレージシステム122に書き込むことができる。
【0029】
プロセスP3では、ガスタービン監視システム4は、GTイベントデータ130をガスタービンコントローラ10にリアルタイムで(例えば、要求に応じて)返すことができる。この場合、インタフェース6は、タービン8の動作中にガスタービンコントローラ10からの要求に応じて、インタフェースのストレージシステム122からGTイベントデータ130を取り出す。ガスタービンコントローラ10は、1つまたは複数のプロセッサと、(例えば、オンラインで)このGTイベントデータ130を使用してタービンの動作中にタービン8の動作モードを変更するための関連アルゴリズムとを含むことができる。
【0030】
本発明の諸態様は、ガスタービンコントローラに直接接続されたHMI内に履歴ガスタービン動作データを記憶できるようにする。ガスタービンコントローラのフラッシュメモリが限られていると、コントローラはこの履歴データを記憶することができず、したがって、このデータは、従来どおりリモートの(切断された)データストアに記憶される。本発明の諸態様は、HMIを備えたストレージシステムを使用して、この履歴ガスタービン動作データを保持し、タービンの運転中にこれをガスタービンコントローラに返す。これによりコントローラは、履歴データに基づいて(必要であれば)ガスタービンの動作を連続して変更(または、微調整)することができる。
【0031】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を単に説明する目的であって、本開示を限定することを意図していない。本明細書で使用される単数形(「a」、「an」、および「the」)は、文脈上明白に他の意味を示す場合を除いて、複数形も含むものとする。「含む」、および/または「含んでいる」という用語は、本明細書で使用されるとき、明示された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明記するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそのグループの存在または追加を排除しないことを、さらに理解されるであろう。
【0032】
本書は、最良の方式を含めて本発明を開示し、また任意のデバイスまたはシステムを作成して使用し、組み込まれた任意の方法を行うことなど、当業者が本発明を実行できるように例を使用している。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲により定義され、当業者であれば思い付く他の例も含むことができる。このような他の例は、特許請求の範囲の文字通りの言葉と違わない構造的要素を有する場合、または、特許請求の範囲の文字通りの言葉とはわずかな違いしかない均等な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内であるものとする。
【符号の説明】
【0033】
2 環境
4 ガスタービン監視システム
6 インタフェース
8 ガスタービン
10 ガスタービンコントローラ
20 バックアップファイルサーバ
22 ユニットデータハイウェイネットワーク
24 プラントデータハイウェイネットワーク
102 コンピュータインフラストラクチャ
104 コンピューティングデバイス
112 メモリ
114 プロセッサ
116 入力/出力インタフェース
118 バス
120 I/Oデバイス
122 ストレージシステム
130 ガスタービンイベントデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンコントローラに動作可能に接続されたガスタービン監視システムであって、
少なくとも1つのコンピューティングデバイスを含むインタフェースを備え、前記コンピューティングデバイスが、
前記ガスタービンコントローラからガスタービンのイベントに関するデータを取得し、
前記ガスタービンのイベントに関する前記データを前記インタフェース内のストレージ構成要素に書き込み、
前記ガスタービンのイベントに関する前記書き込まれたデータを前記ガスタービンコントローラに連続して、または前記ガスタービンコントローラからの前記データの要求に応じて提供する
ように構成されている、監視システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、前記ガスタービンのイベントに関する前記データのコピーを外部バックアップファイルシステムに提供するようにさらに構成されている、請求項1記載のガスタービン監視システム。
【請求項3】
前記外部バックアップファイルシステムが、プラントデータハイウェイ(PDH)ネットワークに接続される、請求項2に記載のガスタービン監視システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、所定の連続的なスケジュールで、前記データの前記コピーを提供するように構成されている、請求項2記載のガスタービン監視システム。
【請求項5】
前記ガスタービンのイベントが障害イベントである、請求項1記載のガスタービン監視システム。
【請求項6】
前記HMIが、前記ガスタービンコントローラと配線で接続される、または無線で接続される、請求項1記載のガスタービン監視システム。
【請求項7】
前記HMIが、前記ストレージ構成要素に読み取りアクセスと書き込みアクセスの両方を行う、請求項1記載のガスタービン監視システム。
【請求項8】
ヒューマンマシンインタフェース(HMI)を含む少なくとも1つのコンピューティングデバイス備えるコンピュータシステムであって、前記コンピューティングデバイスが、
ガスタービンコントローラから直接ガスタービンのイベントに関するデータを取得し、
前記ガスタービンのイベントに関する前記データを前記HMIのストレージ構成要素に書き込み、
前記ガスタービンのイベントに関する前記書き込んだデータを直接前記ガスタービンコントローラに連続して、または前記ガスタービンコントローラからの前記データの要求に応じて提供する
ように構成されている、コンピュータシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、前記ガスタービンのイベントに関する前記データのコピーを外部バックアップファイルシステムに提供するようにさらに構成されている、請求項8記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記外部バックアップファイルシステムが、プラントデータハイウェイ(PDH)ネットワークに接続された、請求項9記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、所定の連続的なスケジュールで、前記データの前記コピーを提供するように構成されている、請求項9記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記ガスタービンのイベントが障害イベントである、請求項8記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記HMIが、前記ガスタービンコントローラと配線で接続される、または無線で接続される、請求項8記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記HMIが、前記ストレージ構成要素に読み取りアクセスと書き込みアクセスの両方を行う、請求項8記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
ガスタービンコントローラを含むガスタービン装置と、
前記ガスタービンコントローラに動作可能に接続されたガスタービン監視システムと
を備え、前記監視システムが、少なくとも1つのコンピューティングデバイスを含むヒューマンマシンインタフェース(HMI)を含み、前記コンピューティングデバイスが、
前記ガスタービンコントローラからガスタービンのイベントに関するデータを取得し、
前記ガスタービンのイベントに関する前記データを前記HMIのストレージ構成要素に書き込み、
前記ガスタービンのイベントに関する前記書き込んだデータを、前記ガスタービンの動作中に連続して、または前記ガスタービンコントローラからの前記データの要求に応じて前記ガスタービンコントローラに提供する
ように構成されている、システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、前記ガスタービンのイベントに関する前記データのコピーを外部バックアップファイルシステムに提供するようにさらに構成されている、請求項16記載のシステム。
【請求項17】
前記外部バックアップファイルシステムが、プラントデータハイウェイ(PDH)ネットワークに接続された、請求項16記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、所定の連続的なスケジュールで、前記データの前記コピーを提供するように構成されている、請求項16記載のシステム。
【請求項19】
前記ガスタービンのイベントが障害イベントである、請求項15記載のシステム。
【請求項20】
前記HMIが、前記ストレージ構成要素に読み取りアクセスと書き込みアクセスの両方を行う、請求項15記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−87775(P2013−87775A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−231271(P2012−231271)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)