説明

ガスハイドレートを含む炭化水素含有層内の坑井ケーシングへの粒状物の侵入を監視するための方法及びシステム

【課題】メタンガスをガスハイドレート層から生産するのに使われる坑井内の砂の収積又は蓄積を検出し且つ測定する方法及びシステムを提供する。
【解決手段】本発明の方法及びシステムは、ガスハイドレートの生産に用いられる坑井ケーシングの中へのガスハイドレート層からの粒状物のいかなる侵入をも監視し且つ坑井ケーシングの遠位端内の粒状物の侵入の程度を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、炭化水素を地下層から回収するために設計された坑井ケーシングへの粒状物の侵入を監視するための方法及びシステムに関する。一つの有用な面では、本発明は、メタンガスをガスハイドレート層から生産するのに使われる坑井ケーシング内の砂の収積又は蓄積蓄を検出し且つ測定する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスハイドレートは、結晶固体であり、結晶固体は、水の分子と共同してガス分子の機械的混同のケージ状格子である。化合物の親クラスの名前は、“クラスレート”であり、“クラスレート”は、“バーで囲むこと”を意味するラテン語に由来する。構造は、氷に似ているが、氷の凝固点(氷点)よりかなり上の温度で存在する。ガスハイドレートは、二酸化炭素と、硫化水素と、メタンを含むいくつかの低炭素数ハイドロカーボンと、を含む。本発明の一面は、地下メタンハイドレートからのメタンの回収である。
【0003】
メタンハイドレートは、(1)低い温度が浅い堆積物に存在する永久凍土領域、及び(2)高圧が支配する500メートルよりも深い水深の海底の下、の二種類の地層に多量に存在することが知られている。メタンハイドレートの大きな堆積は、米国のアラスカ、カリフォルニアからワシントンまでの西海岸、800メートルの水深の東海岸、及びメキシコ湾(他のよく知られた地域は、日本、カナダ、及びロシアを含む)で発見されている。
【0004】
米国地質調査研究は、ガスハイドレート内の現場ガス資源が、米国の在来の回収可能なガス埋蔵量の先に推定された約40兆立方メートル(1,400トリリオン・キュービック・フィート)が小さく思える約5,715兆立方メートル(約200,000トリリオン・キュービック・フィート)で構成されると推定している。世界中で、ガスハイドレートの天然ガス潜在量の推定は、約1、100万立方メートル(約400ミリオン・キュービック・フィート)に達する。
【0005】
天然ガスは、米国の重要なエネルギー源である。2025年までには米国の天然ガス消費量がほぼ0.89兆立方メートル(約31トリリオン・キュービック・フィート)になると推定される。天然ガスの重要性及び必要性を考えれば、費用効率のよい新しい源の開発は、アメリカの消費者にとって重要な利益である。
【0006】
メタンハイドレートの明らかな利点及び可能性にも係わらず、ガスハイドレートからのメタンの生産は、業界にとって難題である。メタンをガスハイドレートから抽出することを試みるとき、封鎖されたガス分子を、まず、元の位置で、ハイドレートから解離させなければならない。典型的には、この解離をもたらすために用いることができる3つの方法が知られている。
【0007】
一つの方法は、メタン分子を遊離させるためにガスハイドレート層を加熱することである。この方法は、本願と共通な出願人による、2006年2月16日に公開された“ガスハイドレートの採収方法”という発明の名称の米国特許出願公開公報2006/0032637号に開示されている。この公報の開示は、本願発明に関する背景技術の情報としてここの援用される。
【0008】
メタンハイドレートを生産するために構想された他の方法は、層の相挙動を変化させるために化学物質をハイドレート層に注入することである。
【0009】
本発明の一面である、第3の技術は、減圧方法と考えられる。この方法は、ガスハイドレート層の減圧を含み、比較的一定の減圧をハイドレート層に維持して分離を可能にし、そして分離されたガス及び水を、坑井ケーシングを通して回収することを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記技術の全てでは、坑井ケーシングが分離及び処理のためにガス及び流体を地表に運ぶために用いられる。メタンハイドレートの生産、並びに在来のオイル及びガス回収では、坑井ケーシングの遠位端のサンディングが重大な問題をしばしば引き起す。この場合には、砂は、完成装置を損傷させることがあり且つ最悪の場合のシナリオでは、生産を停止させることがある。従って、坑井ケーシング内の砂−流体界面位置の移動を推定することができる方法及びシステムを提供することが多いに望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
生産ケーシング内のサンディングに取り組むために本発明の開示で構想された4つの概念がある。
【0012】
一つの構想された方法及びシステムは、坑井ケーシングの底又は遠位端の水中ポンプの下に、二つの圧力センサを設置することを含む。相シフト又は振幅変化のような、二つの圧力センサ間の圧力ノイズ分散を測定することによって、坑井ケーシング内に捕捉された砂の高さを推定することができる。
【0013】
他の方法及びシステムは、温度分布感知システム(Hot−DTS)のような、連続熱特性測定デバイスを利用する。この装置を、例えば、完成ストリングの下に設置してもよい。温度感知デバイスで周囲の物の温度又は熱特性を測定することによって、砂−流体界面の位置を推定してもよい。
【0014】
更に、音響送信機及び受信機を、例えば、完成ストリングの底に設置してもよい。発生され且つ受信された音の波形を観測することによって、音響送信機及び又は音響受信機と砂−流体界面との間の距離を推定してもよい。
【0015】
また、更に、振動装置及び振動棒を、例えば、完成ストリングの下に設置してもよい。振動棒の振動モードを観測することによって、砂−流体界面の位置を推定してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
今、同じ参照符号が同じ部品を示す図面を参照すると、図1は、本発明の一つの作業状況の絵画図を開示する。この図では、例えば、ガスハイドレート層10がアラスカに存在するような永久凍土層12の下の浅い地質帯域にある。他の地層14及び又は帯水層16がガスハイドレートの下に存在することがある。
【0017】
封鎖されたメタンガスをガスハイドレート帯域内から回収するために、一つ又はそれ以上の坑井18,20、及び又は22が永久凍土層12を貫通してガスハイドレート帯域10の中に掘削される。普通は、ケーシングが坑井内にセメントで固められて、一つ又はそれ以上の窓がハイドレート帯域の中に直接開けられて坑井の遠位端から延びる不規則生産帯域24、26、28、30で表されたガスハイドレートの不規則領域を減圧する。18及び22に図示した単一坑井やぐらから掘削された単一坑井が示されているが、坑井やぐら20及び帯域32で図示したように傾斜掘りが掘削作業の範囲を広げるより一般的な方法であることが構想される。
【0018】
一旦一つ又はそれ以上の坑井が掘削されると、圧力が坑井の周りのガスハイドレート帯域から軽減され、メタンガスと水分子が解離して坑井に入る。次いで、ガスを水から分離することができ且つ地表に上昇させることができ、或いは水と一緒に地表にポンプで汲み上げて分離し、パイプライン32に沿って図示していないコンプレッサステーションに送ることができる。
【0019】
メキシコ湾のような水域44の海面42に浮いている掘削船40が示される本発明の変形例の作業状況を図2に図示する。この海洋環境では、約500メートル以上の水深の圧力が、海底48の下の、メタンハイドレートのような、ガスハイドレート46の地層の、再度、層に対して伝導性である。
【0020】
500メートル又はそれ以上の水深の沖合い掘削が、今、技術的に可能であるから、生産層50を形成するために沖合いガスハイドレート層46の中に掘削すること及び沖合い坑井穴の中にケーシングをセメントで固めることは、ガスハイドレート層からのメタンの他の生産源である。再び、海底テンプレートからの傾斜掘りは、50又はそれ以上の坑井を単一掘削船位置から掘削することができる。
【0021】
今、図3を参照すると、本発明の一実施形態による一つの方法及びシステムが示されている。この実施形態では、坑井穴60が地層62を通ってメタンハイドレート64の前に示した地層に掘削される。ケーシング66が、坑井内に配置され且つ生産のために外側環帯の周りにセメントで固められる。永久凍土を通して或いは沖合いならば深さを通して掘削するための比較的浅い、選択された深さで、ケーシングには、一つ又はそれ以上の窓68が開けられ、窓68は、坑井ケーシングの内部と圧力下のメタンハイドレートの帯域との間に開放連通を確立する。坑井ケーシングのこの開口は、周辺のメタンハイドレートの圧力を軽減し且つ前に封鎖されたメタンガスを水分子の格子構造から解離可能にしてガスと水の物理的混合物を形成する。次いで、ガスと水70は、坑井ケーシング66に流れ込み且つ坑井ケーシング内の所望の圧力レベルと一致する、ケーシング内のレベル72まで上昇する。換言すれば、水中ポンプは、坑井から水を汲み出して、解離するためにハイドレートにより低い静水圧を引き起す。一旦ハイドレートが解離すると、水及びガスは、坑内に流れ込み、水レベルを上昇させ、上昇された水レベルは、水位降下圧力を下げ、次いで下げられた水位降下圧力は、更なる解離を阻止する傾向がある。これは、自己制限工程であり、かくして、水中ポンプを用いて、坑井ケーシング内の水を汲み出して水位を下げ且つ連続的な解離に必要な水位降下圧力を維持する。ポンプは、水位降下圧力を引き起す。自動帰還ループは、或る量の生産水を再循環させることによって一定の水位降下圧力を維持する。
【0022】
メタンガスを混合物から回収するために、ガスと水の混合物は、坑井ケーシング66の中へ延びている第1の導管75の遠位端に連結された電動水中ポンプ(ESP)74によって地表に汲み上げられる。
【0023】
電動水中ポンプ(ESP)のような、或る坑内ポンプは、ポンプの性能を安定させるために最小量の流量を要求する。或る炭化水素リザーバは、フル生産の電動水中ポンプ(ESP)を効率的に用いるために、例えば、メタンハイドレート生産坑井内に、十分な生産流量を有していない。メタンハイドレート生産流量は、地層浸透性ばかりでなくハイドレート解離の速度或いは量にも依存する。従って、生産速度は、時間で変化するかもしれないし、ポンプの大きさを変えることを必要とするかもしれない。本発明は、汲み出された流体を再循環させるべく坑井ケーシングに戻すために用いられる還流ループによって、ポンプのために最小の流体流量を発生させる方法及びシステムを提供するものである。これで、たった一つの大容量坑内ポンプで広範囲の生産速度を取扱うことが可能である。
【0024】
地表では、ガスと水の混合物は、在来のガス及び水分離器78を通り、ここで、メタンガスが分離され、監視されてコンプレッサ装置による収集のためにパイプ80に送出される。分離器/監視装置78の下流には、システムからの水の流出を制御するための弁82である。弁82に到達する前に、分岐或いは第2の導管84が第1の導管に接合され且つ坑井ケーシング66の中へ戻って延びている。これは、78で混合物分離された、坑井からの水を坑井ケーシングに再び導入させることができ、電動水中ポンプ74の効率的動作のために坑井ケーシング内に少なくとも最小水レベル72を維持する。
【0025】
坑井ケーシングに再導入された水の容積の制御は、図3に示すように第2の導管84に配置されたチョークバルブ86によって行われる。チョークバルブ86の位置は、電動水中ポンプ74の取入口からチョークバルブ86まで延びる制御ラインによって調整することができる。これにより、システムは、該システムに再導入される水の容積を制御することによって坑井ケーシング66内に一定圧力を維持することができる。
【0026】
坑井ケーシング内の圧力により、ガスと水の混合物が坑井ケーシング66、電動水中ポンプ74或いは第1の導管76内で固化する傾向がある。坑井ケーシングに戻る水の温度は、この問題を最小にするために戻り水或いは第2の導管84に接続された温度制御装置90によって調整することができる。
【0027】
分離器78からのメタンガスを収集することに加えて、メタンガスは、ガスをコンプレッサ収納システムにも送出するガス生産監視装置94に通る第3の導管92によって坑井ケーシングの頂部から直接引き出される。
【0028】
坑内坑井ケーシング圧力及び電動水中ポンプ74内の圧力に応じて、ガスと水の混合物70は、電動水中ポンプ74取入口内で(かくして電動水中ポンプ74の上流で)、電動水中ポンプ74自体内で、又は第1の導体76内の電動水中ポンプ74の下流で汲み上げ作業中再固化する傾向がある。この傾向を最小にするために、第4の導管96がケーシング66内に延びていて、メタノールのような化学物質を電動水中ポンプ74の上流に電動水中ポンプ74の中へ直接、或いは電動水中ポンプ74の下流に供給するように操作可能であり、システム内でのメタンハイドレートの再形成を最小にする。
【0029】
メタンをガスハイドレートから生産するに当たって、或いは、在来の天然ガス、又はオイル埋蔵のような他の炭化水素の生産では、生産物炭化水素は、加工のために地表へ汲み上げるべく地下層から生産坑井ケーシングに流れ込む。
【0030】
係る作業では、炭化水素流体流内に同伴された砂のような粒状物は、生産のために炭化水素と一緒に坑井ケーシングのアクセス窓に入ることができ且つ坑井ケーシングの底に着定する。大量の砂がケーシング内に集まると、生産の効率に障害が生じることがあり、従って生産プログラム内の砂管理が少なくとも望ましく且つ効率的生産にとってときには重要である。
【0031】
砂の収積を監視するための本発明の一実施形態を、図4に開示する。この実施形態では、ガスハイドレート生産帯域102の中に掘削された坑井内にセメントで固められた坑井ケーシング100を示す。ケーシングには、ケーシングの側壁に切られ或いは吹いて作られた生産窓104が形成され、例えば、解離されたメタンガス及び水のような、周囲炭化水素を坑井ケーシングに流入させる。
【0032】
砂106のような粒状物が入ってくる加圧された炭化水素及び水と一緒にときどき同伴される。この比較的重い砂は、図4に示すように坑井ケーシングの最も低い部分に重力によって落下する傾向がある。蓄積する砂の量に応じて砂−流体界面108は、坑井ケーシング窓104のレベルに達し且つ窓開口部を少なくとも部分的に塞ぎ、かくして炭化水素回収の効率を損なう。
【0033】
砂が坑井ケーシングシステムに入るのを防ぐための技術が知られているが、時間が経てば粒状物は、ケーシング内に蓄積することがある。或る場合には、新しい層でサンディング傾向を可能にするために、砂をケーシングに流入させることが望ましい。しかしながら、砂によって損傷されることがあり、且つ坑井効率を減じる生産装置が存在するので、砂粒のレベルが問題となる前にオペレータが先制管理を行うことができるように、砂生産を検出し且つ砂蓄積のレベルを決定する必要がある。
【0034】
図4の実施形態では、第1の圧力センサ110が水中ポンプ112の底に配置され、第2の圧力センサ又はゲージ114が坑井ケーシングの遠位端の近くに配置される。従って、水中ポンプレベル及び坑井ケーシングの遠位端近くの坑内圧力が監視される。
【0035】
図4のこの圧力分散監視システムでは、圧力数値にリップル、即ち、ノイズ(雑音)を発生させる。圧力示数が安定している場合、ポンプ112の電動機速度を制御して、圧力示数にノイズを生じさせる。砂層106は、圧力フィルタと考えてもよいし、且つ底部センサ114での圧力応答は、坑井ケーシングが垂直であるときに砂柱の高さHaの関数である。変形例として、側坑掘削作業のために、砂の蓄積及び流体−砂界面は、垂直方向に関してある角度であることがある。砂柱の蓄積Haは、位相シフト又は振幅変動のような、ノイズ波形変化を分析することによって推定される。
【0036】
今、図5を参照すると、本発明の第2の実施形態が開示されている。この実施形態では、ガスハイドレート122のような炭化水素生産帯域の中に掘削されたボアホールにセメントで固められた坑井ケーシング120を示している。生産窓124をケーシングに切って、回収のために坑井ケーシングへの炭化水素の流入を可能にする。上記したように、また、砂126は、坑井ケーシングに入り且つ重力によってケーシング120の最も低い位置に集まることがある。
【0037】
この実施形態では、温度分布感知システム(Hot−DTS)のような、連続温度特性測定装置128が、例えば、完成ストリングの下に設置される。温度分布感知システムDTSは、水中ポンプ132から坑井ケーシング120の遠位端までチューブ130内に通された光ファイバー温度センサである。周辺物の温度又は熱特性、例えば、熱伝導率を温度感知デバイス128で測定することによって、砂−流体界面の位置を推定する。温度分布感知のための方法及びシステムは、本願と共通な出願人による、2006年2月3日に出願された“坑内熱特性測定のシステム及び方法”という発明の名称の米国特許出願第11/346,926号に開示されている。この出願の開示は、その全体が参考文献としてここに援用される。
【0038】
チューブ又はケーブル130は、内蔵ヒーター部分を有することがあり、内蔵ヒーター部分をオンにして砂−流体界面Hbに、より劇的な熱伝導率差を生じさせることができる。
【0039】
本発明の他の実施形態を図6に示す。ここで、坑井ケーシング140は、炭化水素生産領域142内にセメントで固められて再び示されている。この実施形態では、砂−流体界面144は、水中ポンプ150に連結された音響送信機146及び音響受信機148の設置によって決定される。
【0040】
音響送信機146によって発生され且つ音響受信機148によって受信された音の波形を観測することによって、音響送信機146及び又は音響受信機148と砂−流体界面144との間の距離Hcを推定する。
【0041】
今、図7の更に他の実施形態を参照すると、炭化水素生産帯域162の中にセメントで固められた同様の坑井ケーシング160が示されている。この実施形態では、振動機164が水中ポンプ166の底部に連結され、振動棒168が振動機164から坑井ケーシング166の遠位端まで且つ坑井ケーシング166内に蓄積された砂170の中に延びている。振動棒168の振動モードを観測することによって、振動機164の下の砂−流体界面の位置Hdを推定する。これにおいて、振動棒応答システムは、水の減衰定数よりも高い砂の減衰定数に基づく。図7に示すように、振動棒168の振動モードは、砂−流体界面の深さ変化で変わる。従って、振動棒の振動モードを観測することによって、流体−砂比率を決定し、流体−砂比率は、流体及び又は砂の高さを示す。
【0042】
上述した実施形態の各々において、新規な技術が、坑井ケーシング内の砂のレベルを監視するために利用され、補修行為が必要に応じて或いは望ましいときに開始される。
【0043】
本発明を説明することにおいて、本発明の一定の実施形態及び説明的効果を参照した。しかしながら、当業者、及び発明の主題を熟知している者は、本発明の特許請求の範囲内にある追加、削除、変更、代替、及び他の変化を認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、ガスハイドレートが存在することが知られているアラスカの永久凍土の一つの状況或いは地質領域の絵図である。
【図2】図2は、水深が500メートル以上の米国の沖合い領域の下のガスハイドレートの他の状況或いは地質領域の絵図である。
【図3】図3は、地表バルブシステムから坑井の中に水を戻すことを含んでいる坑井内で所望レベルの圧力を維持することを含んでいる減圧生産システムを含むメタンハイドレートを生産するための一つの技法の略図である。
【図4】図4は、二つの圧力センサと坑井ケーシングの遠位端内の砂の高さを推定するために二つのセンサ間の圧力ノイズ分散の使用とを含む本発明の一実施形態の概略図である。
【図5】図5は、坑井ケーシング内の砂−流体界面を推定するための温度分布感知システムを開示する本発明の他の実施形態の概略図である。
【図6】図6は、完成ストリングの底部に音響送信機及び受信機の組を含む本発明の更に他の実施形態の概略図である。
【図7】図7は、更に他の実施形態であり、完成ストリングの下に設置された振動装置及び振動棒を開示する。
【符号の説明】
【0045】
140 坑井ケーシング
142 炭化水素生産領域
144 砂−流体界面
146 音響送信機
148 音響受信機
150 水中ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスハイドレート層からガスハイドレートの生産に用いられる坑井ケーシングの中への粒状物の侵入を監視するための方法であって、
坑井を地下ガスハイドレート層の中に掘削する段階と、
坑井ケーシングを坑井内及びガスハイドレート層の中に設置する段階と、
ガス及び水をガスハイドレート層から坑井ケーシングの中へ流入させるためにガスハイドレート層を少なくとも部分的に減圧するための、少なくとも一つの開口を坑井ケーシングの側壁に形成する段階と、
坑井ケーシングの側壁の少なくとも一つの開口から坑井ケーシングの中への粒状物の蓄積を監視する段階と、
を含むことを特徴とする、上記方法。
【請求項2】
少なくとも一つの開口を形成する段階は、ガスハイドレート層の領域で坑井ケーシングの側壁に複数の開口を横方向に形成することからなる、請求項1に記載の上記方法。
【請求項3】
坑井ケーシングの中への粒状物の蓄積を監視する段階は、
ガスと水の混合物を坑井ケーシングから汲み出すための坑井ケーシング内の水中ポンプに隣接する位置で坑井ケーシング内の坑内圧力を監視する段階と、
坑井ケーシングの遠位端に隣接する位置で坑井ケーシング内の坑内圧力を監視する段階と、
坑井ケーシング内の粒状物の蓄積を推定するために水中ポンプに隣接する圧力と坑井ケーシングの遠位端との間でノイズ波形変動を分析する段階を含む、請求項2に記載の上記方法。
【請求項4】
坑井ケーシング内の水中ポンプに隣接する圧力と坑井ケーシングの遠位端との間で圧力示数のノイズ波形変動を分析する段階は、坑井ケーシング内の水中ポンプに隣接する圧力と坑井ケーシングの遠位端との間で圧力示数のノイズ波形の位相シフトを分析する段階からなる、請求項3に記載の上記方法。
【請求項5】
水中ポンプに隣接する圧力と坑井ケーシングの遠位端との間でノイズ波形変動を分析する段階は、坑井ケーシング内の水中ポントに隣接する圧力と坑井ケーシングの遠位端との間の圧力示数のノイズ波形の振幅変動を分析する段階からなる、請求項3に記載の上記方法。
【請求項6】
坑井ケーシングの中への粒状物の蓄積を監視する段階は、
坑井ケーシング内の粒状物と流体との界面の位置を決定するために水中ポンプの端と坑井ケーシングの遠位端との間で坑井ケーシング内の物の熱特性を監視する段階からなる、請求項2に記載の上記方法。
【請求項7】
坑井ケーシング内の光ファイバセンサケーブルを加熱する段階を更に含む、請求項6に記載の上記方法。
【請求項8】
坑井ケーシングの中への粒状物の蓄積を監視する段階は、
水中ポンプの底部から音響信号を送信する段階と、
坑井ケーシングの遠位端内の粒状物から反射された水中ポンプの底部からの反射音響信号を受信する段階と、
坑井ケーシング内の粒状物と流体との界面の位置を推定するために反射された音響信号の波形を分析する段階と、
を更に含む、請求項2に記載の上記方法。
【請求項9】
坑井ケーシングの中への粒状物の蓄積を監視する段階は、
棒を坑井ケーシング内の水中ポンプの下の位置から坑井ケーシングの遠位端内に集められた粒状物の中へ延ばす段階と、
粒状物の中へ延びている棒を振動させる段階と、
水中ポンプの底部と坑井ケーシングの遠位端との間で粒状物に対する流体の割合を推定するために棒の振動モードを分析する段階と、を更に含む請求項2に記載の上記方法。
【請求項10】
地下層から炭化水素の生産に用いる坑井ケーシングの中への粒状物の侵入を監視するための方法であって、
坑井を地下炭化水素層の中に掘削する段階と、
坑井ケーシングを坑井内及び炭化水素層の中に設置する段階と、
炭化水素層との流体連通を確立するために坑井ケーシングの側壁に複数の開口を形成する段階と、
坑井ケーシング側壁の少なくとも一つの開口を通って坑井ケーシングの中への粒状物の蓄積を監視する段階と、
を含むことを特徴とする、上記方法。
【請求項11】
坑井ケーシングの中への粒状物の蓄積を監視する段階は、
炭化水素を坑井ケーシングから汲み上げるために坑井ケーシング内の水中ポンプに隣接する位置で坑井ケーシング内の坑内圧力を監視する段階と、
坑井ケーシングの遠位端に隣接する位置で坑井ケーシング内の坑内圧力を監視する段階と、
坑井ケーシング内の粒状物の蓄積を推定するために、水中ポンプに隣接する圧力と坑井ケーシングの遠位端での圧力との間でノイズ波形変動を分析する段階と、
を更に含む、請求項10に記載の上記方法。
【請求項12】
坑井ケーシングの中への粒状物の蓄積を監視する段階は、
坑井ケーシング内の粒状物と流体との界面の位置を決定するために、水中ポンプの端と坑井ケーシングの遠位端との間で坑井ケーシング内の粒状物の熱特性を監視する段階を更に含む、請求項10に記載の上記方法。
【請求項13】
坑井ケーシングの中への粒状物の蓄積を監視する段階は、
水中ポンプの底から音響信号を送信する段階と、
水中ポンプの底部で坑井ケーシングの遠位端内の粒状物から反射された反射音響信号を受信する段階と、
坑井ケーシング内の粒状物と流体との界面を推定するために反射音響信号の波形を分析する段階と、
を更に含む、請求項10に記載の上記方法。
【請求項14】
坑井ケーシングの中への粒状物の蓄積を監視する段階は、
坑井ケーシング内の水中ポンプの下の位置から坑井ケーシングの遠位端内に集められた粒状物の中へ棒を延ばす段階と、
粒状物の中へ延びている棒を振動させる段階と、
水中ポンプの底部と坑井ケーシングの遠位端との間で粒状物に対する流体の割合を推定するために棒の振動モードを分析する段階と、を更に含む、請求項10に記載の上記方法。
【請求項15】
地下ガスハイドレート層からのガスの生産に用いられる坑井ケーシングの中への粒状物の侵入の程度を決定するためのシステムであって、
ガス及び水を坑井ケーシングから汲み出すための、坑井ケーシング内に配置された水中ポンプに連結された第1の圧力センサと、
坑井ケーシングの遠位端に連結された第2の圧力センサと、
を含み、
第1の圧力センサと第2の圧力センサとの間の測定する圧力ノイズ分散をが、水中ポンプの下の坑井ケーシングの遠位端内の粒状物の蓄積を推定するために作動的に用いられる、ことを特徴とする上記システム。
【請求項16】
地下ガスハイドレート層からのガスの生産に用いられる坑井ケーシングの中への粒状物の侵入の程度を決定するためのシステムであって、
坑井ケーシングからガス及び水を汲み出しための、坑井ケーシング内に配置された水中ポンプの端に連結され、且つ坑井ケーシングの遠位端に向って坑井ケーシング内に延びている温度分布感知システムを含み、坑井ケーシングの端で水中ポンプの下の周囲物の熱特性を測定することにより、粒状物と流体との界面の位置を推定する、ことを特徴とする上記システム。
【請求項17】
地下ガスハイドレート層からのガスの生産に用いられる坑井ケーシングの中への粒状物の侵入の程度を決定するためのシステムであって、
ガス及び水を坑井ケーシングから汲み出すための、坑井ケーシング内に配置された水中ポンプの下に連結された音響送信機と、
坑井ケーシング内に配置された水中ポンプの下に連結された音響受信機と、を含み、
送信機によって発生され且つ受信機によって受信された音の波形を監視することによって、坑井ケーシング内の液体と粒状物との間の界面を推定することを特徴とするシステム。
【請求項18】
地下ガスハイドレート層からのガスの生産に用いられる坑井ケーシングの中への粒状物の侵入の程度を決定するためのシステムであって、
ガス及び水を坑井ケーシングから汲み出すための、坑井ケーシング内に配置された水中ポンプの下に連結された振動装置と、
振動装置に連結され且つ坑井ケーシングの遠位端に向かって延びている振動棒と、を含み、
振動棒の振動モードの観測は、坑井ケーシングの遠位端内の流体と粒状物との間の界面の推定を可能にすることを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−520097(P2009−520097A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546677(P2008−546677)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/IB2006/003688
【国際公開番号】WO2007/072173
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(500177204)シュルンベルジェ ホールディングス リミテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】Schlnmberger Holdings Limited
【Fターム(参考)】