説明

ガスハイドレートペレットの製造方法

【課題】回転ロール式ガスハイドレートペレット製造装置によって、ガスハイドレート粉体を圧縮成形してガスハイドレートペレットを製造する時に、圧縮部で発生する熱を簡便な方法で除去し、ガスハイドレートの分解率を低減するようにしたガスハイドレートペレットの製造方法を提供する。
【解決手段】原料ガスと原料水を接触反応させガスハイドレート粉体nを生成し、このガスハイドレート粉体nを、ロール式ガスハイドレートペレット製造装置2を使用して圧縮成形するガスハイドレートペレットpの製造方法において、ガスハイドレートペレット製造装置2のロール21の外周部及び/又は内部に冷却水を流通させてロール21を冷却し、流通後の冷却排水13を冷却して、ロール21の外周部及び/又は内周部に供給することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスハイドレートペレットの製造方法に関し、さらに詳しくは、ガスハイドレートの造粒時における分解率を低減するようにしたガスハイドレートペレットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスハイドレートは、水分子と原料ガス分子からなる氷状の固体物質であり、水分子が形成する立体的なかご状構造の内部に原料ガス分子が包接した、安定な包接化合物の一種である。このガスハイドレートは、ガス包蔵量が比較的大きく、大きな生成・分解エネルギーや、ハイドレート化ガスの選択性等の特徴ある性質を有しているため、例えば、天然ガス等の輸送・貯蔵手段や、蓄熱システム、アクチュエータ、特定成分ガスの分離回収等の多様な用途が可能であり、盛んに研究がなされている。
【0003】
ガスハイドレートは通常、高圧・低温条件の下で生成され、生成手段として例えば、原料ガスを高圧に充填した生成容器の上部から冷却した原料水を噴霧し水滴が原料ガス中を落下する際に水滴表面にガスハイドレートを生成させる、いわゆる「水スプレー方式」や、原料ガスを原料水に気泡として導入(バブリング)することにより、原料ガスの気泡が水中を上昇する際に気泡表面にガスハイドレートを生成させる、いわゆる「バブリング方式」などが知られている。
【0004】
このように製造された粉体状のガスハイドレートは、回転ロール式のガスハイドレートペレット製造装置(以下、「造粒機」ということがある。)により圧縮成形してペレット状に造粒されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、ガスハイドレート粉体を圧縮成形して造粒するときに、回転ロールの表面温度がその圧縮仕事に伴って高くなり、ガスハイドレートの分解温度になると、ガスハイドレート粉体が分解してしまう問題が発生する。例えば、圧力5.4MPa、温度2〜3℃の条件でガスハイドレート粉体を生成した後、回転ロール式造粒機を用いて圧縮成形してペレット状に造粒を続けると、ロールの表面温度が上昇して雰囲気が圧力5.4MPa、温度8℃の状態になると、ガスハイドレートが分解してしまうことになる。ガスハイドレートが分解すると、濃度が低下し、ガスハイドレートの利点を十分に発揮することができない。
【0005】
この対策として、予め造粒機に供給する前にガスハイドレート粉体の温度を低くしておくことが考えられるが、ガスハイドレート生成器と造粒機との間に新たな冷却装置を配置する必要があり、製造工程が増えて、製造コストが高くなることが懸念される。
【0006】
したがって、簡便かつコスト高とならない方法により、ガスハイドレート粉体をその分解を抑制しながら、ペレットに造粒するガスハイドレートペレットの製造方法は、未だに確立されていない。
【特許文献1】特開2002−220353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、回転ロール式ガスハイドレートペレット製造装置によってガスハイドレート粉体を圧縮成形してガスハイドレートペレットを製造する時に、圧縮部で発生する熱を簡便な方法で除去し、ガスハイドレートの分解率を低減するようにしたガスハイドレートペレットの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明のガスハイドレートペレットの製造方法は、原料ガスと原料水を接触反応させガスハイドレート粉体を生成し、該ガスハイドレート粉体を、ロール式ガスハイドレートペレット製造装置を使用して圧縮成形するガスハイドレートペレットの製造方法において、前記ガスハイドレートペレット製造装置のロールの外周部及び/又は内部に冷却水を流通させて前記ロールを冷却し、流通後の冷却排水を冷却して、前記ロールの外周部及び/又は内周部に供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のガスハイドレートペレットの製造方法は、原料ガスと原料水を接触反応させガスハイドレート粉体を生成し、ロール式ガスハイドレートペレット製造装置を使用して圧縮成形してガスハイドレートペレットを製造するときに、冷却水をガスハイドレートペレット製造装置のロールの外周部及び/又は内部に流通するように循環させて、ロール表面を冷却するようにしている。すなわち、ガスハイドレート粉体の造粒時の圧縮仕事により発熱しても冷却水がこれを徐熱し、ガスハイドレート及びロール表面が、ガスハイドレートの分解温度にならないようにすることが可能となりガスハイドレートの分解率を低減することができる。
【0010】
また、冷却水をロールの外周部及び/又は内部を流通し、ロール表面を冷やした後の冷却排水を所定温度に冷却して、再度ロールの外周部及び/又は内周部に循環させるようにしているので、ロール表面の温度の上昇を確実に防止し簡便な方法により発生した熱量を除去しながら、かつ生産コストを抑え、固く締まったガスハイドレートペレットを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明のガスハイドレートペレットの製造方法におけるプロセスの一例を示すブロックフロー図である。図1において、1は生成器、2はガスハイドレートペレット製造装置(以下、「造粒機」ということがある。)、3は冷却機、4は脱圧装置、5は貯槽である。生成器1において、原料ガスgと原料水wが接触し、所定の低温高圧の条件でパウダー状のガスハイドレート粉体nが生成する。このガスハイドレート粉体nは、造粒機2へ供給されてガスハイドレートぺレットpが製造される。ガスハイドレートペレットpは、冷却機3でさらに低温に冷却され、脱圧装置4において高い圧力が開放された後、貯槽5に低温状態で貯蔵される。また、造粒機2には、冷却水11が供給され、冷却後の冷却排水13は、冷却されて冷却水12として循環するようになっている。また、冷却排水の一部は、生成器1へ原料水15として補給されてもよい。
【0012】
生成器1におけるガスハイドレート粉体nの生成条件は、メタンハイドレートの場合を例にとると概ね生成温度/生成圧力が253K/2MPa〜273K/3.5MPa〜284K/8MPaを結ぶ温度/圧力曲線より高い圧力又は低い温度が条件とされる。逆に、この温度/圧力曲線より低い圧力又は高い温度にガスハイドレート粉体が晒されると、原料ガスと水に分解してしまう。生成器1の構成は1基でもよいし複数でもよい。とりわけ2基で構成した生成器を用いてガスハイドレート濃度を高めることが好ましい。また、生成器は、脱水手段(図示せず)を備え、ガスハイドレート濃度を高めるようにしてもよい。
【0013】
造粒機2は、図2のように、一対の回転ロール21の上方にホッパ22を備えた所謂ブリケッティングロール方式のガスハイドレートペレット製造装置であるとよい。ホッパ22は、その内部に供給されたガスハイドレート粉体を昇圧しながら回転ロールへ押出すスクリューフィーダー(図示せず)を備えている。ガスハイドレート粉体は、回転ロール21のロール表面に形成されたポケット状の成形型30に食い込まれて、ロール間で圧縮成形してペレットに造粒される。成形型30の形状は、特に限定されることはなく、半球状、半楕円球状、半円柱状、長方形状、アーモンド状、ピロー状を好ましく挙げることができ、なかでも半球状、ピロー状や半楕円球状の成形型30を、その長手方向をロールの周方向(回転方向)にほぼ平行になるように配置すると、造粒したペレットが成形型から抜けやすく、すなわち、型離れがよくなり好ましい。
【0014】
造粒機2が、一対の回転ロール21間に負荷する圧力は、5MPa〜200MPaが好ましい。この範囲内の圧力で圧縮成形することにより、ガスハイドレート粉体をできるだけ分解させないように造粒することができる。一方、このように回転ロール間にかけられる圧縮仕事及び摩擦により、ガスハイドレート粉体が発熱する熱量は、およそ1kJ/kg〜100kJ/kgになる。この発熱に伴いロール表面の温度が高くなり、ロール表面に接触するガスハイドレート粉体及びペレットの温度も高くなり、ガスハイドレートの分解温度条件に達すると、その一部が分解することになる。
【0015】
本発明のガスハイドレートペレットの製造方法は、ロール21の外周部及び/又は内部に冷却水を流通させてロールを冷却するようにしている。所定の温度にした冷却水をロール表面に直接接触させ、さらにガスハイドレート粉体と共存させることにより圧縮仕事及び摩擦により発生する熱量を直接的に除去し、ガスハイドレート及びロール表面の温度が高くならないようにすることができる。また、ロールの内部に冷却水を流通させ、さらに循環させることにより、冷却水を減少させないようにしてロール表面を所定の温度にすることができる。
【0016】
本発明において、ロールの外周部及び/又は内部を流通した冷却水は、冷却水タンクに回収した後、冷却して、再びロールの外周部及び/又は内周部に循環させるようにする。冷却水タンクには、回収した冷却水の他に、新たな水を補給してもよく、また、冷却タンクに溜められた水は、冷却水として使用するだけでなく、ガスハイドレートの原料水として生成器へ供給してもよい。
【0017】
本発明の第1の実施形態は、図3のように、ガスハイドレート粉体nが、ホッパ22からロール21へ供給され、圧縮成形によりガスハイドレートペレットpに成形され、冷却器3へ移送して冷却される。このとき、ホッパ22に冷却水12を供給し、ロール21の外周部に冷却水を接触させ、ホッパ22の冷却水排出口23から処理後の冷却水13を排出するものである。すなわち、ホッパに供給された冷却水は、ロールの外周部に接触して、圧縮仕事及び摩擦に伴う発熱を除去するとともに、ロール表面を冷却する。冷却処理後の冷却水は、その一部がガスハイドレート粉体nのバインダーとして消費され、残りがホッパに備えられた冷却水排出口23から排出される。この冷却排水13は、冷却水タンク25に回収され、必要に応じて、新たな冷却水11及び/又は生成器の脱水手段等によりガスハイドレートから脱水された水が補給される。冷却水タンク25に溜められた冷却水14は、ポンプ26を介して、冷却器27で所定の温度に冷却されて、ホッパ22へ冷却水12として循環する。なお、冷却水14の一部は、生成器へ原料水15として供給してもよい。これによりガスハイドレートペレットの圧縮成形時における圧縮仕事及び摩擦に伴う発熱を効率的に除去することができ、ガスハイドレートの分解を防止することができる。
【0018】
本発明において、ガスハイドレートペレットpの温度Tとガスハイドレート粉体nの温度Tの温度差T−Tを、好ましくは3℃未満、より好ましくは0℃未満になるようにするとよい。温度差T−Tを、このような範囲内にすることにより、ガスハイドレートの分解を確実に抑制することができる。ここで、冷却器27で除去する除熱量Q2は、造粒時にガスハイドレート粉体が受ける熱量Q1と同等以上にすることにより回転ロール及びガスハイドレートの温度上昇を抑制することができる。
【0019】
なお、冷却水の温度を低くしすぎると、冷却水が凍り、上述したようにガスハイドレート粉体の圧縮成形時のバインダーとしての機能を果たさなくなるため好ましくない。すなわち、濃度が高いガスハイドレート粉体は、乾いた状態でありサラサラした雪のように圧縮しても固まり難い状態になっている。このため、ガスハイドレート粉体に冷却水を補給することにより、冷却水の一部がガスハイドレート粉体同士のバインダーとしての作用を果たし、固く締まったガスハイドレートペレットへと圧縮成形することができる。なお、余剰の冷却水は、一対の回転ロールの間隙が狭くなるにつれて上方に排除され、必要以上の水がガスハイドレートペレットに含まれることはない。また、バインダーになった水分は、造粒機2の下流に備えられた冷却機3でさらに冷却されて凍り、ガスハイドレートペレットをさらに強固なものとすることができる。
【0020】
本発明において、ガスハイドレート粉体の造粒時における分解率βは、理想的には0%であるが、好ましくは10%以下、より好ましくは0%〜5%になるようにするとよい。なお、分解率βは、ガスハイドレート粉体とガスハイドレートペレットをそれぞれサンプリングして、水と原料ガスに分解して、それぞれの包蔵ガス量[重量%]を測定し、ガスハイドレート粉体の包蔵ガス量に対するガスハイドレートペレットの包蔵ガス量の比率[%]を分解率βとする。
【0021】
また、冷却器27による除熱量を、下式(I)により求められる熱量Q1以上になるようにすることが好ましい。
Q1=(T−T)cM+qMβ/100 ・・・(I)
【0022】
ここで、Q1は造粒時にガスハイドレート粉体が受ける熱量[w]であり、cは比熱[kJ/kgK]であり、例えば、天然ガスハイドレートの場合、1.8〜2.0kJ/kgKである。qは分解熱[kJ/kg]であり、例えば、天然ガスハイドレートの場合、440kJ/kg程度である。Mはガスハイドレート粉体の造粒速度[kg/s]である。ガスハイドレートペレットpの温度T、造粒器に供給する前のガスハイドレート粉体nの温度T及び分解率βは実測する値である。
【0023】
具体的には、造粒機に供給する前のガスハイドレート粉体nの温度T及びガスハイドレートペレットpの温度Tを測定し、分解率βを前述した方法により測定して求め、熱量Q1を前記式(I)により算出し、冷却器の除熱量Q2を熱量Q1以上になるように冷却器27の冷媒温度及びポンプ26の流量を調節すればよい。
【0024】
本発明の第2の実施形態は、図4のように、ロール21の下部に冷却槽28を配置し、この冷却槽28へ冷却水12を循環させ、冷却水12をロール21の外周部に接触させるようにしてロール表面を冷却しながらガスハイドレートペレットを製造する方法である。冷却槽28へ供給された冷却水12に、ロールの下部が浸漬するとロール表面に水膜が形成され、これによりロール表面が効果的に冷却される。また、ロール表面が濡れた状態で回転してホッパ22内でガスハイドレート粉体を巻き込んで圧縮成形するため、第1の実施形態と同様に冷却水がバインダーとしての機能も果たすことができる。
【0025】
また、冷却槽にロールの下部を浸漬させる代わりに、ロール表面に冷却水をスプレーして除熱することもできる。スプレーした冷却水の余剰分は、下部に冷却槽を配置して回収することが好ましい。さらに、ロールの下部を冷却槽に浸漬させる冷却と、スプレーによる冷却を併用してもよい。これらの方法によっても、ロール表面を効果的に除熱しつつ、かつ適当量の水をバインダーとして補給することが可能となり好ましい。
【0026】
なお、冷却処理後の冷却排水13の処理工程、冷却器27における除熱量Q2は、第1の実施形態と同様に行うことが好ましい。また、造粒機に供給する前のガスハイドレート粉体nの温度Tとガスハイドレートペレットpの温度Tの温度差T−T及びガスハイドレートの分解率βについても、第1の実施形態と同様に設定することが好ましい。
【0027】
本発明の第3の実施形態は、図5のように、ロール21のの内部に設けられた冷却水ジャケットに冷却水12を供給し、ロール21を内部から冷却しながらガスハイドレートペレットを製造する方法である。冷却水は、ロール軸29から内部へ導入され、ロールの内部に設けられた冷却水ジャケットを流通する。ロールの内部に冷却水を流通させ、これを冷却器で所定の温度に冷却しながら循環させることにより、冷却水を減少させないようにしてロール表面を所定の温度にすることができる。
【0028】
なお、冷却処理後の冷却排水13の処理工程、冷却器27における除熱量Q2は、第1の実施形態と同様に行うことが好ましい。また、造粒機に供給する前のガスハイドレート粉体nの温度Tとガスハイドレートペレットpの温度Tの温度差T−T及びガスハイドレートの分解率βについても、第1の実施形態と同様に設定することが好ましい。
【0029】
上述した実施形態は、脱圧装置4による大気圧への開放前に、冷却水を供給しながら、ガスハイドレート粉体nをガスハイドレートペレットpへ造粒するものであったが、本発明のガスハイドレートペレットの製造方法は、これに限定されるものではなく、脱圧後、例えば大気圧下におけるガスハイドレートペレットの製造時においても有効である。すなわち、ガスハイドレートが分解しない雰囲気を設定してガスハイドレートペレットの製造する際に、圧縮仕事及び摩擦に伴って発生する熱量により設定した雰囲気の条件が変化しガスハイドレートが分解しやすい状態になるのを防止して、ガスハイドレート分解率を低減しながら、より強固なガスハイドレートペレットを製造することができる。
【0030】
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0031】
〔比較例〕
図3のガスハイドレートペレットの製造プロセスにおいて、冷却水を供給しないようにして、天然ガスを原料ガスとして生成し、温度Tが6℃のガスハイドレート粉体(平衡温度7℃)を、造粒速度Mを0.06kg/sで圧縮成形したところ、ガスハイドレートペレットの温度Tは7℃となり、温度差T−Tは1℃で、前述した方法により測定した分解率βは、3.2%であった。このとき、比熱cを1.6kJ/kgK、分解熱qを440kJ/kgとして、前式(I)により算出される熱量Q1は、1.8kwであった。
【0032】
〔実施例〕
図3のガスハイドレートペレットの製造プロセスにおいて、冷却器による除熱量Q2が1.8kwとなるように冷却水を冷却しながら回転ロール式造粒機のホッパに循環させたことを除いて、比較例と同様にしてガスハイドレートペレットを製造した。この結果、ガスハイドレート粉体とペレットの造粒前後の温度差T−Tは0℃となり、ガスハイドレートの分解率βは、0%であった。また、実施例により得られたガスハイドレートペレットは、比較例により得られたものよりも固く締められていた。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のガスハイドレートペレットの製造方法におけるプロセスの一例を示すブロックフロー図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に使用する回転ロール式ガスハイドレートペレット製造装置の概要を例示する説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る製造方法のプロセスの一例を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る製造方法のプロセスの一例を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る製造方法のプロセスの一例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0034】
1 生成器
2 ガスハイドレートペレット製造装置(造粒機)
11,12 冷却水
13 冷却排水
21 ロール
22 ホッパ
23 冷却水排出口
27 冷却器
28 冷却槽
g 原料ガス
w 原料水
n ガスハイドレート粉体
p ガスハイドレートペレット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料ガスと原料水を接触反応させガスハイドレート粉体を生成し、該ガスハイドレート粉体を、ロール式ガスハイドレートペレット製造装置を使用して圧縮成形するガスハイドレートペレットの製造方法において、前記ガスハイドレートペレット製造装置のロールの外周部及び/又は内部に冷却水を流通させて前記ロールを冷却し、流通後の冷却排水を冷却器により冷却して、前記ロールの外周部及び/又は内周部に供給するガスハイドレートペレットの製造方法。
【請求項2】
前記ロールへ前記ガスハイドレート粉体を供給するホッパに前記冷却水を供給し、前記ロールの外周部に冷却水を接触させ、前記ホッパの冷却水排出口から前記冷却排水を排出する請求項1に記載のガスハイドレートペレットの製造方法。
【請求項3】
記ロールの下部に冷却槽を配置し、該冷却槽へ前記冷却水を供給し、該冷却水を前記ロールの外周部に接触させる請求項1又は2に記載のガスハイドレートペレットの製造方法。
【請求項4】
記ロールの内部に設けられた冷却水ジャケットに前記冷却水を供給して、前記ロール冷却する請求項1〜3のいずれかに記載のガスハイドレートペレットの製造方法。
【請求項5】
前記ガスハイドレートペレットの温度Tと前記ガスハイドレート粉体の温度Tの温度差T−Tを、3℃未満になるようにした請求項1〜4のいずれかに記載のガスハイドレートペレットの製造方法。
【請求項6】
前記冷却器による除熱量を、下式(I)により求められる熱量Q1以上になるようにした請求項1〜5のいずれかに記載のガスハイドレートの製造方法。
Q1=(T−T)cM+qMβ/100 ・・・(I)
ただし、Q1は造粒時にガスハイドレート粉体が受ける熱量[w]、cは比熱[kJ/kgK]、qは分解熱[kJ/kg]、Mはガスハイドレート粉体の造粒速度[kg/s]、βはガスハイドレート粉体の造粒時における分解率[%]である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−262186(P2007−262186A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−87322(P2006−87322)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】