説明

ガスバリア性コーティング剤の製造方法、及びそれを用いたガスバリア性材料

【課題】本発明は、金属探知器の使用が可能、焼却時に有害物質が発生する可能性がなく、加工適性およびガスバリア性に優れたガスバリア性コーティング剤の製造方法、及びそれを用いたガスバリア性材料を提供することを目的とする。
【解決手段】無水グルコース単位当りの置換度が0.1以上1.5以下のセルロースエーテルのガスバリア性コーティング剤の製造方法であって、前記セルロースエーテルが高剪断処理下で溶解することで、焼却時に有害物質が発生する可能性がなく、加工適性およびガスバリア性に優れたガスバリア性コーティング剤の製造方法、及びそれを用いたガスバリア性材料を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素、水素、二酸化炭素、窒素等の各種ガスの透過を抑制できる層を得ることができるガスバリア性コーティング剤の製造方法、及び前記コーティング剤を用いたガスバリア性材料に関する。
【背景技術】
【0002】
包装材料に要求される特性の一つとして、酸素、水素、二酸化炭素、窒素等の各種ガスに対するバリア性が挙げられる。例えば、食品分野では、外気に含まれる酸素が包装容器内の食品と接触すると、食品の味・におい等に劣化を引き起こすことがある。また、匂いの強い食品などの包装する場合、移り香が問題となるため、従来から高バリア性を持つ包装材料として、金属を用いた缶や、ガラスによるビンが用いられている。
しかしながら、環境意識の高まりから、従来の缶やビンなどの包装材料から、紙やプラスチック製品へ置き換えが望まれるようになってきている。
このため、アルミニウム等の金属からなる金属箔や金属蒸着フィルム、ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂フィルム、あるいはこれらの樹脂をコーティングしたフィルムあるいは紙、更に酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着したセラミック蒸着フィルム等を、ガスバリア層としてフィルム基材などに押し出しラミネートした包装材料が提案されている。その他にも、紙やプラスチック基材の基材表面にガスバリア層をコーティングして形成する技術も多数提案されており、特許文献1には置換度0.1〜0.7のセルロースエーテルまたはセルロースエステルを含有することを特徴とするガスバリア性コーティング剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−095993号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、金属箔や金属蒸着フィルムを使用すると、ガスバリア性に優れるが、検査の際金属探知器が使用できない、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならない等の問題がある。ポリ塩化ビニリデンやポリアクリロニトリル等は廃棄・焼却の際に有害物質を発生する可能性がある。また、セラミック蒸着フィルム等は、蒸着層が固くなるため可撓性に欠け加工適性に問題を生じる。
特許文献1に開示されているガスバリア性材料は、金属探知器の問題、焼却時の問題、加工適性の問題はないものの、十分な充分なガスバリア性を得ることができないという問題があった。
そこで本発明は、金属探知器の使用が可能、焼却時に有害物質が発生する可能性がなく、加工適性およびガスバリア性に優れたガスバリア性コーティング剤の製造方法、及びそれを用いたガスバリア性材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記課題は、以下の(1)〜(4)によって解決できる。
(1) 無水グルコース単位当りの置換度が0.05以上1.5以下のセルロースエーテルのガスバリア性コーティング剤の製造方法であって、前記セルロースエーテルが高剪断処理下で溶解することを特徴とするガスバリア性コーティング剤の製造方法。

(2)前記セルロースエーテルがカルボキシメチルセルロースであることを特徴とする(1)に記載されたガスバリア性コーティング剤の製造方法。
(3) 前記高剪断処理が高圧ホモジナイザー処理であることを特徴とする、(1)〜(2)に記載されたガスバリア性コーティング剤の製造方法。
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載されたガスバリア性コーティング剤を紙基材又はフィルム性基材に積層することを特徴とするガスバリア性材料。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、金属探知器の使用が可能、焼却時に有害物質が発生する可能性がなく、加工適性およびガスバリア性に優れたガスバリア性コーティング剤の製造方法、及びそれを用いたガスバリア性材料を提供することができる。
具体的には、本発明のガスバリア性コーティング剤は、乾燥塗膜は酸素通過度が低く、天然資源であるセルロースの誘導体を利用していることから、焼却時に有毒ガス、有害物質を発生することがない。更に、本発明のガスバリア性コーティング剤を紙もしくはフィルム基材上に積層したガスバリア材料は、加工適性に優れるとともに、その包装体は金属探知検査が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明で使用されるセルロースエーテルとは、セルロースの1グルコース中(無水グルコース単位当り)に存在する3つの水酸基をメチルエーテル基などの置換基で置換したものであり、グルコース環とその置換基の間にエーテル結合が生じる。このようなセルロースエーテルとしては、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、シアノエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースや、これらの塩が挙げられる。この中でもカルボキシメチルセルロースが望ましい。
【0008】
本発明においては、上記セルロースエーテル置換度(セルロースの1グルコース中(無水グルコース単位当り)の水酸基と置換する官能基の個数であり、エーテル化度、置換モル数、DSともいう)は0.1以上1.5以下である。置換度が1.5を超えるとセルロースエーテルの水溶性は増すが、充分なガスバリア性を得ることができない。一方、置換度が小さくなるとセルロースエーテルが水に溶解しがたくなるため、製造のための操業性が悪化する傾向にある。このため、好ましい置換度は0.05以上であり、より好ましくは0.1以上である。、
【0009】
本発明のセルロースエーテルの原料となる天然繊維としては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、コットン、バクテリアセルロース等を用いることができる。
【0010】
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを例に説明すると、原料であるパルプを1.0〜50質量%の苛性ソーダ水溶液に浸せき後、圧搾することにより作製されたアルカリセルロースと、エーテル化剤としてのプロピレンオキサイドを20〜90℃にて約2〜8時間反応させるか、粉末状パルプをイソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、ヘキサン等の有機溶剤中で苛性ソーダ水溶液を添加してアルカリセルロースを作製し、プロピレンオキサイドを添加して反応させる等の公知の技術により、反応生成物を得ることができる。エーテル化剤としては、プロピレンオキサイド以外にも、メチルクロライド、エチレンオキサイド等が用いられる。
【0011】
また、カルボキシメチルセルロース(又はその塩)を製造するにあたっては、公知のカルボキシメチルセルロース又はその塩の製法を適用することができる。即ち、原料セルロースをマーセル化剤(アルカリ)で処理してマーセル化セルロース(アルカリセルロース)を調製した後に、エーテル化剤を添加してエーテル化反応させることでカルボキシメチルセルロース(又はその塩)を製造することができる。
【0012】
本発明において、高剪断処理に使用できる装置は特に限定されるものではないが、例えば高圧ホモジナイザー処理が挙げられる。高圧ホモジナイザー処理とは、試料を高圧に、具体的に少なくとも10MPa以上加圧し、この高圧状態の試料を狭い間隙より高速に噴射、あるいは二方向より対向衝突させることにより、微粒子化する処理をいう。本発明では、前記の高圧ホモジナイザー処理を行うことができる装置を用いることができる。高圧ホモジナイザー処理であれば、圧力10MPa〜200MPa、好ましくは30MPa〜100MPaが望ましい。
【0013】
なお、高剪断処理としては、ホモミキサー(Tokushu kita kogyo T.K. Homodisper f model)を用いて2500rpm、20分間(25℃)で溶解した1重量%のB型粘度の2倍以上の粘度になるよう処理することが必要である。粘度が2倍以上になるように高剪断処理によりバリア性が向上する。この理由は明らかでないが、高剪断処理により、ガスバリア性コーティング剤に含まれる未溶解物がなくなるため、緻密なガスバリア性の高い膜が生成されるためであると推測される。
【0014】
また上記高剪断工程の前もしくは後に、分級工程やスクリーニング工程を加えても良い。分級・スクリーニングの方法としてはスクリーン、メッシュを用いた篩い分け装置、遠心分離、フィルター処理などが挙げられるが、いずれの方法を用いてもよい。
【0015】
本発明のガスバリア性コーティング剤は、必要に応じて水溶性ガスバリア性樹脂を含有することができる。またセルロースエーテル以外のセルロース誘導体を混合して使用しても良い。このような水溶性のガスバリア性樹脂としては、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、キトサン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリメタクリル酸、ポリアミン、ポリビニルピリジン、及びこれらの化合物の塩、ならびにこれらの材料のいずれかであることが好ましい。本発明の実施においては、エチレン-ビニルアルコール共重合体またはポリビニルアルコールを用いることにより、より高い酸素バリア性を有するバリア材料を得ることができる。なお、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)は、エチレンと酢酸ビニル共重合物の加水分解により得られる。ポリビニルアルコールのハイガスバリア性や耐油性、透明性を有するとともに、エチレン成分の耐湿性や溶融押出加工性等の特性を併せ持っている。
【0016】
本発明のガスバリアコーティング剤には、無機層状化合物を含有させても良い。無機層状化合物の具体例としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物または粘土系鉱物等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0017】
グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物は、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を有する化合物ないし物質である。ここで層状構造とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファン・デル・ワールス力等の弱い結合力によって略平行に積み重なった構造をいう。
【0018】
前記粘土系鉱物としては、カオリナイト族、アンチゴライト族等の2層構造タイプの粘土系鉱物またはスメクタイト族、バーミキュライト族またはマイカ族等の3層構造タイプの粘土系鉱物を挙げることができる。より具体的には、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、マーガライト、タルク、バーミキュライト、ザンソフィライトまたは緑泥石等を挙げることができる。特に、モンモリロナイト、ハイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトまたはスチブンサイトなどのスメクタイト族の粘土系鉱物が好ましい。
【0019】
本発明で使用できる無機層状化合物として、前記粘土系鉱物以外にも、例えば、前記粘土系鉱物をシランカップリング剤で表面処理した加工処理品または合成マイカ、合成スメクタイト等の様に、化学処理により得られる合成品を挙げることができ、本発明においては、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0020】
本発明のガスバリア性材料は、紙基材やフィルム基材の表面に上述したガスバリア性コーティング剤を付与して、ガスバリア層を設けて得られる。紙基材とは、セルロースを主たる構成成分とするパルプ繊維が絡み合った集合体であり、包装用紙、板紙、段ボール原紙なども含まれる。また、ガスバリア性材料に高いバリア性を持たせるために、紙基材とガスバリア層の間に目止め層を設けることも有効である。目止め層としてはクレー等の顔料とバインダー樹脂とを含有する塗工層や皮膜性を有する樹脂からなる塗工層を例示することができる。また、液体や水蒸気に対するバリア性を付与する防湿層を紙基材とガスバリア層の間、又はガスバリア層の表面、またはその両方に設けることは、高湿度下でのガスバリア性の低下抑制に有効である。さらに、ガスバリア層の表面には、ヒートシール可能な材料の層を施用してもよい。
【0021】
フィルム基材の原料としては、用途に応じて各種ポリマーを適宜選択することができるが、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン6、66、6/10、6/12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステル等のポリエステル、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、セルロース等のセロハン、酢酸セルロース等から選ばれるポリマーを単独又は2以上のポリマーを混合して用いることができる。
【0022】
ガスバリア性コーティング剤を基材表面に付与する方法としては、例えば、公知の塗布装置、噴霧装置、浸漬装置を用いて塗布・噴霧・浸漬する方法が挙げられ、これらの装置としては、2ロールサイズプレスコーター、ゲートロールコーター、ブレードメタリングコーター、ロッドメタリングコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等を用いることができる。また、必要に応じて公知の乾燥機を用いて乾燥することができる。
なお、基材がプラスチックボトル容器又は紙製の箱容器のような立体容器であってもよいし、また、基材がシート状であってもよい。基材がシート状である場合は、予め作製したセルロースエーテルからなるガスバリア層を設けたフィルム又はシートを基材と貼り合わせて積層する方法を適用することもできる。貼り合わせる方法としては、接着剤を使用する方法、熱融着法等の公知の方法を適用できる。
【0023】
本発明においては、ガスバリア層中に必要に応じてサイズ剤、耐水化剤、撥水剤、染料等の薬品を、本発明の効果を損なわない程度に混合して使用することができるが、より高いガスバリア性を求める場合は、上記助剤は配合されないことが好ましい。
【0024】
本発明においてガス(酸素)バリア性を有することの指標として、酸素透過度を用いる。このとき標準温度及び標準圧力(STP)で0%の相対湿度(%RH)にて測定したときの酸素移動速度(OTR)が、0.5cc/m/日未満であるときにバリア性が高いと定義する。
【実施例】
【0025】
以下に本発明の実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例において%、部とあるものはそれぞれ質量%、質量部を示す。また、塗工量を示す値は断りのない限り乾燥後の固形分質量を示す。
【0026】
[実施例1]
カルボキシメチル基の置換度が0.28であるカルボキシメチルセルロースの粉末(商品名:SLD−FM、日本製紙ケミカル(株)社製)をイオン交換蒸留水に希釈して濃度1%に調整し、高圧ホモジナイザーにて30MPaで10回処理を行い、ガスバリア性コーティング剤を得た(B型粘度:10000rpm・s以上)。この処理液をPETフィルム(厚さ:40μm)に固形分で0.6g/mとなるようにマイヤーバーを用いて塗工し、送風乾燥機により温度80℃で乾燥し、ガスバリア性材料を得た。
【0027】
[実施例2]
カルボキシメチル基の置換度が0.70であるカルボキシメチルセルロースの粉末(商品名:F05−MC、日本製紙ケミカル(株)社製)を用いた以外は、実施例1と同様にガスバリア性コーティング剤を得た(B型粘度:140rpm・s)。これをPETフィルム(厚さ:40μm)に固形分で0.6g/mとなるようにマイヤーバーを用いて塗工し、送風乾燥機により温度80℃で乾燥し、ガスバリア性材料を得た。
【0028】
[実施例3]
カルボキシメチル基の置換度が1.40であるカルボキシメチルセルロースの粉末(商品名:A04−SH、日本製紙ケミカル(株)社製)を用いた以外は、実施例2と同様にガスバリア性材料を得た。なお、得られたガスバリア性コーティング剤のB型粘度(1%
)は180rpm・sであった。
【0029】
[比較例1]
高圧ホモジナイザー処理の代わりにホモミキサー(Tokushu kita kogyo T.K. Homodisper f model、処理条件:2500rpm、20分間(25℃))で行った以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性材料を得た。なお、得られたガスバリア性コーティング剤のB型粘度(1%)は73rpm・sであった。
【0030】
[比較例2]
カルボキシメチル基の置換度が0.70であるカルボキシメチルセルロースの粉末(商品名:F05−MC、日本製紙ケミカル(株)社製)を濃度4%に希釈した。この塗工液をPETフィルム(厚さ:40μm)に固形分で0.6g/mとなるようにマイヤーバーを用いて塗工し、送風乾燥機により温度80℃で乾燥し、ガスバリア性材料を得た。なお、得られたガスバリア性コーティング剤のB型粘度(1%)は49rpm・sであった。
【0031】
[比較例3]
カルボキシメチル基の置換度が1.40であるカルボキシメチルセルロースの粉末(商品名:A04−SH、日本製紙ケミカル(株)社製)を用いた以外は、比較例2と同様にガスバリア性材料を得た。なお、得られたガスバリア性コーティング剤のB型粘度(1%)は30rpm・sであった。
【0032】
実施例、比較例でそれぞれ作成したガスバリア性コーティング剤を用いて作成したバリア材料を用いて酸素透過度測定を行った。これらの結果を表1に示した。試験方法を下記に示す。
<酸素透過度測定方法>
ツクバリカセイキ社製気体透過率測定装置(K−315N−03)を使用して、差圧法により測定した。(標準温度及び標準圧力(STP)で0%の相対湿度(%RH)にて測定した)
【0033】
【表1】

【0034】
本発明に相当する実施例1〜3のガスバリア性材料は、高剪断処理を加えることにより、ガスバリア性が向上した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無水グルコース単位当りの置換度が0.1以上1.5以下のセルロースエーテルのガスバリア性コーティング剤の製造方法であって、前記セルロースエーテルが高剪断処理下で溶解することを特徴とするガスバリア性コーティング剤の製造方法。
【請求項2】
前記セルロースエーテルがカルボキシメチルセルロースであることを特徴とする請求項1に記載されたガスバリア性コーティング剤の製造方法。
【請求項3】
前記高剪断処理が高圧ホモジナイザー処理であることを特徴とする、請求項1〜2に記載されたガスバリア性コーティング剤の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載されたガスバリア性コーティング剤を紙基材又はフィルム性基材に積層することを特徴とするガスバリア性材料。

【公開番号】特開2012−201785(P2012−201785A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67182(P2011−67182)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000183484)日本製紙株式会社 (981)
【出願人】(502368059)日本製紙ケミカル株式会社 (86)
【Fターム(参考)】