説明

ガスバリア積層フィルム

【課題】
酸素、炭酸ガス、水蒸気等のガスバリア性、特に高湿度下でのガスバリア性に優れたバリア積層フィルムを得ることを目的とする。
【解決手段】
基材層(X)に、赤外線吸収スペクトルにおける1700cm−1付近のカルボン酸基のνC=Oに基づく吸光度Aと1520cm−1付近のカルボキシレートイオンのνC=Oに基づく吸光度Aとの比(A/A)が0.25未満である不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体(a)を含有する層(Y)が積層されたガスバリアフィルムが、接着性樹脂からなる層(W)を介して積層されてなることを特徴とするガスバリア積層フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明性を有し、酸素、水蒸気等のガスバリア性、特に高湿度下でのガスバリア性に優れたガスバリア積層フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、酸素あるいは水蒸気等に対するバリア性材料として、フィルム基材に酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機酸化物を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学気相成長法等で形成してなる透明ガスバリア性フィルムが注目されている。そして、かかる透明ガスバリア性フィルムは、一般には透明性、剛性に優れる二軸延伸ポリエステルフィルムからなる基材面に無機酸化物を蒸着したフィルムであるので、そのままでは蒸着層が使用時の摩擦等に弱く、包装用フィルムとして使用する場合、後加工の印刷やラミネート時、又内容物の充填時に、擦れや伸びにより無機酸化物にクラックが入りガスバリア性が低下することがある。
一方、ガスバリア性を有するポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体を二軸延伸フィルム基材に積層する方法(例えば、特許文献1)、あるいはポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸との組成物を二軸延伸フィルム基材に被覆する方法(例えば、特許文献2)が提案されている。しかしながら、ポリビニルアルコールを積層してなるガスバリア性フィルムは、高湿度下での酸素バリア性が低下し、ポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸との組成物は、エステル化を十分に進行させて、フィルムのガスバリア性を高めるためには高温で長時間の加熱が必要であり生産性に問題があり、また、高湿度下でのガスバリア性は不十分であった。また、高温で長時間反応させることによりフィルムが着色し、外観を損ねるため食品包装用には改善が必要である。
他方、ポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸との組成物はエステル化に高温で長時間の反応が必要なことから、ポリアクリル酸にイソシアネート化合物等の架橋剤成分を添加する方法(例えば、特許文献3)、更には金属イオンと反応させる方法(例えば、特許文献4)等が提案されているが、かかる方法においても、ポリアクリル酸を架橋剤成分で架橋するには、実施例に記載されているように、180〜200℃で5分間と高温での処理を必要とする。
【0003】
【特許文献1】特開昭60−157830号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特許第3203287号公報(請求項1)
【特許文献3】特開2001−310425号公報(請求項1、実施例1)
【特許文献4】特開2003−171419号公報(請求項1、表1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、透明性を有し、酸素、炭酸ガス、水蒸気等のガスバリア性、特に高湿度下でのガスバリア性に優れたガスバリア積層フィルムを得ることを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、基材層(X)に、赤外線吸収スペクトルにおける1700cm−1付近のカルボン酸基のνC=Oに基づく吸光度Aと1520cm−1付近のカルボキシレートイオンのνC=Oに基づく吸光度Aとの比(A/A)が0.25未満である不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体(a)を含有する層(Y)が積層されたガスバリアフィルムが、接着性樹脂からなる層(W)を介して積層されてなることを特徴とするガスバリア積層フィルムに関する。
【0006】
さらに本発明は、上記のガスバリアフィルムが、基材層(X)と重合体(a)を含有する層(Y)が積層されたガスバリアフィルムの中間または層(Y)の外側に、更に無機蒸着層(Z)が積層されたガスバリアフィルムであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のガスバリア積層フィルムに関する。
また、本発明は、上記のガスバリアフィルムの2枚から7枚を、それぞれの間に接着性樹脂(c)からなる層(W)を設けて積層してなるガスバリア積層フィルムに関する。
また、本発明は上記のガスバリア積層フィルムの表面にさらに保護層(U)が積層されたガスバリア積層フィルムに関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のガスバリア積層フィルムを構成するガスバリアフィルムの不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体(a)を含む層(Y)ガスバリアフィルムは、高湿度下でのガスバリア性に優れており、無機粒子を含む白色フィルムと積層することにより、隠蔽性の優れたガスバリア積層フィルム得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のガスバリア積層フィルムは、ガスバリアフィルムを2枚以上、好ましくは2枚ないし7枚、それぞれの間に接着性樹脂(c)からなる層(W)を設けて積層してなるものである。
ガスバリアフィルム
本発明に用いられるガスバリアフィルムは、基材層(X)に赤外線吸収スペクトルにおける1700cm−1付近のカルボン酸基のνC=Oに基づく吸光度Aと1520cm−1付近のカルボキシレートイオンのνC=Oに基づく吸光度Aとの比(A/A)が0.25未満である不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体(a)を含有する層(Y)が積層されている。
本発明に用いられるガスバリアフィルムの厚さは用途に応じて種々決定され得るが、通常は、基材層(X)の厚さが5〜500μm、好ましくは5〜100μm、より好ましくは9〜30μm、不飽和カルボン酸化合物多金属塩の共重合体(a)を含む層(Y)の厚さが0.01〜100μm、好ましくは0.05〜50μm、より好ましくは0.1〜10μm、また、無機蒸着層(Z)が用いられる場合のその厚さが、0.001〜10μm、好ましくは0.005〜5μm、ガスバリアフィルムの全体の厚さが20〜750μm、より好ましくは25〜430μmの範囲にある。
【0009】
基材層(X)
本発明に用いられるガスバリアフィルムを構成する基材層(X)は、熱可塑性樹脂からなるフィルム、シート、テープなど特に限定することなく用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、種々公知の熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル・1−ペンテン、ポリブテン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体もしくはその鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、あるいはこれらの混合物等を例示することができる。これらのうちでは、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等、延伸性、透明性が良好な熱可塑性樹脂が好ましく、とくにポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステルがバリア性、耐熱性等に優れているので好ましい。
本発明の好適な態様の1つとして、基材層(X)が無機微粒子を含有する層であるガスバリアフィルムがある。
【0010】
無機微粒子を含有する基材層(X−1)
無機微粒子を含有する基材層(X−1)としては、無機微粒子を通常0.5〜10重量%配合されたプロピレン系重合体からなる層が好適である。プロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合体の他、プロピレンを主成分としエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のオレフィンとの二元ないし三元のランダム共重合体、ブロック共重合体等を用いることができる。無機微粒子としては、その平均粒子径が0.1〜10μm程度であれば、特に限定されることなく利用することができる。例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、シリカ、雲母、合成雲母、明礬、ゼオライトなどがある。これらは必要に応じて表面を種々のポリマーでコーティングしたものであってもよい。
これら無機微粒子の形状は、球状、板状、鱗片状、針状など種々のアスペクト比のものを利用することができる。
【0011】
これら基材層(X)は、無延伸、少なくとも一軸方向に延伸されたものいずれも使用でき、延伸された基材層は、耐熱性、剛性、透明性及びガスバリア性に優れている。
また、これら基材層(X)は、ガスバリア性膜との接着性を改良するために、その表面を、例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、アンダーコート処理、プライマーコート処理、フレーム処理等の表面活性化処理を行っておいてもよい。
重合体(a)を含有する層(Y)
基材層(X)の片面または両面には、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体(a)を含有する層(Y)が形成される。
【0012】
不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体(a)
不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体(a)は、不飽和カルボン酸多価金属塩を重合することによって得ることができる。
不飽和カルボン酸化合物
重合体(a)に用いられる不飽和カルボン酸化合物多価金属塩を形成する不飽和カルボン酸化合物は、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のα、β−エチレン性不飽和基を有するカルボン酸化合物であり、重合度が20未満、好ましくは単量体若しくは重合度10以下の重合体である。重合度が20を越える重合体(高分子化合物)を用いた場合は、後述の多価金属化合物との塩が完全には形成されない虞があり、その結果、当該金属塩を重合して得られる層は高湿度下でのガスバリア性が劣る虞がある。これら不飽和カルボン酸化合物は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。
これら不飽和カルボン酸化合物の中でも単量体が多価金属化合物で完全に中和された塩が形成し易く、当該塩を重合して得られる重合体層を基材層の少なくとも片面に積層してなるガスバリア性積層体は高湿度下でのガスバリア性に特に優れるので好ましい。
【0013】
多価金属化合物
本発明に係わる不飽和カルボン酸化合物多価金属塩を形成する成分である多価金属化合物は、周期表の2A〜7A族、1B〜3B族及び8族に属する金属及び金属化合物であり、具体的には、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)等の二価以上の金属、これら金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硫酸塩若しくは亜硫酸塩等である。これら金属化合物の中でも、二価の金属化合物が好ましく、特には酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化亜鉛等が好ましい。これら二価の金属化合物を用いた場合は、前記不飽和カルボン酸化合物との塩を重合して得られる膜の高湿度下でのガスバリア性が特に優れている。これら多価金属化合物は、少なくとも一種が使用され、一種のみの使用であっても、二種以上を併用してもよい。これら多価金属化合物の中でもMg、Ca、Zn、BaおよびAl、特にZnが好ましい。
【0014】
不飽和カルボン酸化合物多価金属塩
本発明に用いられる不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体(a)を構成する成分である不飽和カルボン酸化合物多価金属塩は、前記重合度が20未満の不飽和カルボン酸化合物と前記多価金属化合物との塩である。これら不飽和カルボン酸化合物多価金属塩は一種でも二種以上の混合物であってもよい。かかる不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の中でも、特に(メタ)アクリル酸亜鉛が得られる重合体層の耐熱水性に優れるので好ましい。
【0015】
本発明における重合体(a)を含有する層(Y)は、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエチルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、澱粉、アラビアガム、メチルセルロース等の水溶性重合体、アクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン等の高分子量の化合物等、滑剤、スリップ剤、アンチ・ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機また有機の充填剤等の各種添加剤が含まれていてもよいし、後述の基材との濡れ性、密着性等を改良するために、各種界面活性剤等が含まれていてもよい。これらの他の成分の割合は、必要に応じて変えることができる。
【0016】
これらの中でも、ビニルアルコール系重合体(b)は、基材層(X)にコーティングしやすく、ガスバリア性にも優れているので、併用することが望ましい。
即ち、本発明の重合体(a)を含有する層(Y)は、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体(a)およびビニルアルコール系重合体(b)からなること好適である。
【0017】
ビニルアルコール重合体(b)
このようなビニルアルコール系重合体としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、変性ビニルアルコール系重合体などがある。ポリビニルアルコールは混合可能であれば特に問題ないが、好ましくは重合度が100〜3000、更には200〜2500、最も好ましくは300〜2000の範囲にある。この範囲にあると、水溶液にして基材層にコーティングし易く延伸性、ガスバリア性も良い。ケン化度は90%以上、好ましくは95%以上であり、この範囲であればガスバリア性が良い。また、耐水性や延伸性からオレフィン含有ポリビニルアルコールを使用してもよい。オレフィン含有量が0〜25モル%、好ましくは1〜20モル%、更には2〜16モル%、オレフィンとしては、炭素数4以下のものが好ましく、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等が挙げられるが、耐水性の点でエチレンが最も好ましい。
また、ビニルアルコール系重合体の好適な例として、変性ビニルアルコール系重合体がある。
変性ビニルアルコール系重合体としては、ビニルアルコール系重合体に、種々の公知の反応性を有する基(反応性基)を付加、置換、あるいはエステル化等により反応性基を結合して変性したもの、酢酸ビニル等のビニルエステルと反応性基を有する不飽和化合物とを共重合して得た共重合体を鹸化したもの等を挙げることができる。これら反応性重合基としては、(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、アリル基、スチリル基、チオール基、シリル基、アセトアセチル基、エポキシ基などが挙げられる。反応性基の量は、適宜決めることができるが、基体となるビニルアルコール系重合体のOH基の量が少なくなるとビニルアルコール系重合体が本来有するガスバリア性が損なわれる虞があるので、通常、反応性基の量は、0.001〜50モル%の範囲にある(反応性基とOH基の合計で100モル%とする)。また、これら変性ビニルアルコール系重合体は、好ましくは水、低級アルコール、有機溶媒に溶解性であるものであり、特に水−低級アルコール系混合溶媒に溶解するものが好ましい。
【0018】
ビニルアルコール系重合体の水溶液には、水以外の溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、或いはその他ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等を必要に応じて、1種または2種以上を組み合わせて加えることも可能である。又、ポリビニルアルコール系重合体には、本発明の特徴を阻害しない範囲で濡れ性向上剤、帯電防止剤、その他各種添加剤を加えることが可能である。
これらビニルアルコール系重合体(b)を併用する場合、本発明の重合体(a)を含有する層(Y)は、一般に、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体(a)が1〜99重量%、ビニルアルコール系重合体(b)が1〜99重量%から構成されることが通常である。
【0019】
重合体(a)を含有する層(Y)は、通常、赤外線吸収スペクトルにおける1700cm−1付近のカルボン酸基のνC=Oに基づく吸光度Aと1520cm−1付近のカルボキシレートイオンのνC=Oに基づく吸光度Aとの比(A/A)が0.25未満、好ましくは0.20未満の範囲にある不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩の重合体からなる。
不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩の重合体(a)を含有する層(Y)は、ガスバリア性に優れており、カルボン酸基と多価金属がイオン架橋してなるカルボキシレートイオンと遊離のカルボン酸基が存在し、夫々、赤外線スペクトルで、遊離のカルボン酸基のνC=Oに基づく吸収が1700cm−1付近にあり、カルボキシレートイオンのνC=Oに基づく吸収が1520cm−1付近にある。
したがって、重合体(a)を含有する層(Y)の(A/A)が0.25未満であるということは、遊離のカルボン酸基が存在しないか、少ないことを示しており、0.25を越える膜は、遊離のカルボン酸基の含有量が多く、高湿度下での耐ガスバリア性が改良されない虞がある。
本発明における1700cm−1付近のカルボン酸基のνC=Oに基づく吸光度Aと赤外線吸収スペクトルにおける1520cm−1付近のカルボキシレートイオンのνC=Oに基づく吸光度Aとの比(A/A)は、ガスバリア性膜(ガスバリア性積層体)から1cm×3cmの測定用サンプルを切り出し、その表面(不飽和カルボン酸化合物多価金属塩重合体層)の赤外線吸収スペクトルを赤外線全反射測定(ATR法)に得、以下の手順で、先ず、吸光度A及び吸光度Aを求めた。
【0020】
1700cm−1付近のカルボン酸基のνC=Oに基づく吸光度A:赤外線吸収スペクトルの1660cm−1と1760cm−1の吸光度とを直線(N)で結び、1660〜1760cm−1間の最大吸光度(1700cm−1付近)から垂直に直線(O)を下ろし、当該直線(O)と直線(N)との交点と最大吸光度との吸光度の距離(長さ)を吸光度Aとした。
1520cm−1付近のカルボキシレートイオンのνC=Oに基づく吸光度A:赤外線吸収スペクトルの1480cm−1と1630cm−1の吸光度とを直線(L)で結び、1480〜1630cm−1間の最大吸光度(1520cm−1付近)から垂直に直線(M)を下ろし、当該直線(M)と直線(L)との交点と最大吸光度との吸光度の距離(長さ)を吸光度Aとした。尚、最大吸光度(1520cm−1付近)は、対イオンの金属種によりピーク位置が変化することがあり、例えば、カルシウムでは1520cm−1付近、亜鉛では1520cm−1付近、マグネシウムでは1540cm−1付近及びナトリウム(Na)では1540cm−1付近である。
次いで、上記方法で求めた吸光度A及び吸光度Aから比(A/A)を求めた。
なお、本発明のおける赤外線スペクトルの測定(赤外線全反射測定:ATR法)は、
日本分光社製FT−IR350装置を用い、KRS−5(Thallium Bromide−Iodide)結晶を装着して、入射角45度、室温、分解能4cm-1、積算回数150回の条件で行った。
【0021】
ガスバリアフィルムの製造方法(1)
本発明に用いられるガスバリアフィルムの製造する方法としては、未延伸または延伸された基材層(X)に、重合度が20未満の不飽和カルボン酸化合物多価金属塩を含有する溶液(s)を塗工した後、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩を重合し、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体(a)を含有する層(Y)を形成させる方法がある。
重合度が20未満の不飽和カルボン酸化合物多価金属塩を含有する溶液(s)を作成する方法としては、予め前記不飽和カルボン酸化合物と前記多価金属化合物とを反応させて、不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩とした後、溶液としてもよいし、直接溶媒に前記不飽和カルボン酸化合物と前記多価金属化合物を溶かして多価金属塩の溶液としてもよい。
【0022】
本発明のガスバリア性フィルムの製造方法として、直接溶媒に前記不飽和カルボン酸化合物と前記多価金属化合物を溶かす場合、即ち、前記不飽和カルボン酸化合物と前記多価金属化合物とを含有する溶液を用いる場合は、前記不飽和カルボン酸化合物に対して、0.3化学当量比を越える量の前記多価金属化合物を添加することが好ましい。多価金属化合物の添加量が0.3化学当量比以下の混合溶液を用いた場合は、遊離のカルボン酸基の含有量が多い重合体層となり、結果として、ガスバリア性が低い延伸フィルムとなる虞がある。また、多価金属化合物の添加量の上限はとくに限定はされないが、多価金属化合物の添加量が1化学当量比を越えると未反応の多価金属化合物が多くなるので、通常、5化学当量比以下、好ましくは2化学当量比以下で十分である。
なお、本発明における化学当量比は、不飽和カルボン酸化合物に対する多価金属化合物の化学当量比を示し、以下の式により算出される値である。
化学当量比=(多価金属化合物のモル数)×(多価金属化合物の価数)/不飽和カルボン酸化合物に含まれるカルボキシル基のモル数
例えば、多価金属化合物として水酸化カルシウム(分子量74g/モル)を37g、不飽和カルボン酸化合物としてアクリル酸単量体(分子量72g/モル)72gを混合した場合の化学当量比は1となる。
【0023】
また、不飽和カルボン酸化合物と多価金属化合物との混合溶液を用いる場合は、通常、不飽和カルボン酸化合物と多価金属化合物とを溶媒に溶かしている間に、不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩が形成されるが、多価金属塩の形成を確実にするために、1分以上混合しておくことが好ましい。
不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の溶液に用いる溶媒は、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール若しくはアセトン、メチルエチルケトン等の有機溶媒あるいはそれらの混合溶媒が挙げられるが、水が最も好ましい。
【0024】
基材層(X)に不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩を含有する溶液(s)を塗工する方法としては、当該溶液を基材層表面に塗布する方法、当該溶液に基材層を浸漬する方法、当該溶液を基材層表面に噴霧する方法等種々公知の塗工方法を採り得る。
基材層(X)に不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩を含有する溶液(s)を塗布する方法としては、例えば、エアーナイフコーター、ダイレクトグラビアコーター、グラビアオフセット、アークグラビアコーター、グラビアリバースおよびジェットノズル方式等のグラビアコーター、トップフィードリバースコーター、ボトムフィードリバースコーターおよびノズルフィードリバースコーター等のリバースロールコーター、5本ロールコーター、リップコーター、バーコーター、バーリバースコーター、ダイコーター等種々公知の塗工機を用いて、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の溶液(s)中(固形分)の量で0.05〜10g/m、好ましくは0.1〜5g/mとなるよう塗布すればよい。基材層(X)の表面に不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の溶液(s)を塗工する方法としては、種々公知の方法、例えば、刷毛等により塗布する方法、当該溶液(s)に基材層(X)を浸漬する方法、当該溶液(s)を基材層(X)の表面に噴霧する方法等を採り得る。
【0025】
不飽和カルボン酸化合物多価金属塩を溶解させる際には、本発明の目的を損なわない範囲で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどのその他の不飽和カルボン酸(ジ)エステル化合物、酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物等の単量体あるいは低分子量の化合物、滑剤、スリップ剤、アンチ・ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機また有機の充填剤等の各種添加剤を添加しておいてもよいし、基材層との濡れ性を改良するために、各種界面活性剤等を添加しておいてもよい。
【0026】
基材層(X)に形成した(塗工した)不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の溶液(塗工層)を重合させるには、種々公知の方法、具体的には例えば、電離性放射線の照射また加熱等による方法が挙げられる。
電離性放射線を使用する場合は、波長領域が0.0001〜800nmの範囲のエネルギー線であれば特に限定されないが、かかるエネルギー線としては、α線、β線、γ線、X線、可視光線、紫外線、電子線等が上げられる。これらの電離性放射線の中でも、波長領域が400〜800nmの範囲の可視光線、50〜400nmの範囲の紫外線および0.01〜0.002nmの範囲の電子線が、取り扱いが容易で、装置も普及しているので好ましい。
【0027】
電離性放射線として可視光線および紫外線を用いる場合は、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の溶液に光重合開始剤を添加することが必要となる。光重合開始剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、2−ヒドロキシ−2メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名;ダロキュアー 1173)、1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名;イルガキュアー 184)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名;イルガキュアー819)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名;イルガキュアー 2959)、α―ヒドロキシケトン、アシルホスフィンオキサイド、4−メチルベンゾフェノン及び2,4,6−トリメチルベンゾフェノンの混合物(ランベルティ・ケミカル・スペシャルティ社製 商品名;エサキュアー KT046)、エサキュアー KT55(ランベルティー・ケミカル・スペシャルティ)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(ラムソン・ファイア・ケミカル社製 商品名;スピードキュアTPO)の商品名で製造・販売されているラジカル重合開始剤を挙げることができる。さらに、重合度または重合速度を向上させるため重合促進剤を添加することができ、例えば、N、N-ジメチルアミノ-エチル-(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリロイル-モルフォリン等が挙げられる。
【0028】
不飽和カルボン酸化合物多価金属塩を重合させる際は、溶液(s)が水等の溶媒を含んだ状態で重合させてもよいし、一部乾燥させた後に重合させてもよいが、溶液(s)を塗工後直ぐに重合させた場合は、金属塩が重合する際に溶媒の蒸発が多いためか、得られる重合体層が白化する場合がある。一方、溶媒(水分)が少なくなるとともに、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩が結晶として析出する場合があり、かかる状態で重合を行うと得られる重合体層の形成が不十分になり、重合体層が白化を起こしたりしてガスバリア性が安定しない虞がある。したがって、塗工した不飽和カルボン酸化合物多価金属塩を重合させる際には、適度な水分を含んだ状態で重合することが好ましい。
【0029】
なお、重合は塗工液の乾燥において溶媒を完全に除去するのではなく、塗工液中に適度の溶媒(水溶液を用いる場合は水分)、好ましくは3〜60重量%の範囲で溶媒を含む状態で本重合することが好ましい。塗工液に含まれる溶媒がない場合は、本重合して得られるガスバリア性膜の酸素バリア性が低下する虞があり、塗工液に含まれる溶媒が多すぎる場合は、本重合して得られるガスバリア性膜の外観、特に透明性が低下する虞がある。
【0030】
本重合を電離性放射線を照射して行う場合は、通常、電離性放射線の照射量を50〜300mJ/cm、とくに100〜200mJ/cmの範囲にすることが好ましい。照射量をかかる範囲にすることにより、重合率が80%以上、好ましくは90%のガスバリア性膜が安定して得られる。
【0031】
接着性樹脂(c)からなる層(W)
基材層(X)と、重合体(a)を含有する層(Y)の間には、接着性を高めるために接着性樹脂(c)からなる層(W)を設けることが望ましい。
接着性樹脂(c)からなる層(W)として、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系などのプライマー樹脂をコートした層が例示される。
これらのコート樹脂としては、具体的には、エポキシ樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、変性シリコン樹脂及びアルキルチタネート等が例示される。これらのコート樹脂は、単独あるいは2種類以上併せて使用することもできるが、水溶性若しくは水分散性のポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、中でもポリウレタン系樹脂が耐水性に優れているので好ましく使用される。
【0032】
ポリウレタン系樹脂
本発明で好適に用いられるコート樹脂であるポリウレタン系樹脂は、一般にフィルムの接着剤として公知のポリウレタン系からなるドライラミネート、水性ドライラミネート、無溶剤ラミネート、電子線硬化型ラミネート接着剤として製造されているポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタンあるいはポリウレタンポリ尿素樹脂等が挙げられるである。かかるポリウレタン系樹脂は、水分散型、溶剤型いずれでもよいが、ポリウレタン系樹脂皮膜の架橋度の調節が容易であり、また生産現場の環境の問題から水分散型ポリウレタン系樹脂が望ましい。水分散型ポリウレタン系樹脂としては、ポリウレタン系樹脂の主鎖または側鎖にカルボン酸塩(―COONaなど)、スルホン酸塩(―SONaなど)等の親水基を導入した自己乳化性ポリウレタン系樹脂が望ましい。溶剤型の場合にはイソシアネート系樹脂を架橋剤に使用し、三次元構造を有したポリウレタンを形成するが、水分散型はリニアーなポリウレタンあるいはポリウレタンポリ尿素樹脂になっている場合が多いため、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、イミン系樹脂等の架橋剤をポリウレタン系樹脂に対して3〜10重量%程度添加してもよいし、酸触媒を0.5〜1重量%添加して硬化反応をより促進させることもできる。かかる架橋剤は、易接着性皮膜の耐水性、耐溶剤性を向上させるだけでなく、接着性にも寄与する。
【0033】
さらに、溶剤型の場合は問題ないが、水分散型樹脂の場合には消泡剤、乳化剤等の界面活性剤が問題となる虞があり、これらが存在しないほうが好ましい。消泡剤が存在すると、消泡剤による外観不良を発生させる場合がある。また界面活性剤が存在すると、それらが原因となり、二軸延伸フィルム表面の白化の外観不良や蒸着後のバリア性不良等を起こす場合がある。また、場合によっては、無機微粒子や、有機微粒子等を添加しても良い。又、ブロッキングを防止するため無機や、有機の粒子を添加しておいてもよい。
また、他の好適に用いられる接着性を改良する層(W)として、下記の接着性樹脂(c)からなる層(W)がある。
これらの接着性樹脂(c)からなる層は(W)は、予め基材層(X)にコートしておくこともあり、また、バリアフィルムを成形する際に、基材層(X)に押出コートしてもよい。
【0034】
接着性樹脂(c)
接着性樹脂(c)としては、種々公知の接着性樹脂を用いることができ、特に変性ポリオレフィンやアイオノマー樹脂が好ましい。
変性ポリオレフィン
本発明で用いられる変性ポリオレフィンには、ポリオレフィンの一部もしくは全部が不飽和カルボン酸もしくはその誘導体(グラフトモノマー)でグラフト変性したものである。
ポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレンなどがある。中でもプロピレン系重合体には、プロピレン単独重合体又はプロピレンとそれ以外のα−オレフィンの合計モル数に基づいてプロピレン以外の該α−オレフィンが10モル%以下、好ましくは7%以下を占める、プロピレンとそれ以外のα−オレフィンとのランダム共重合体が例示される。
プロピレン以外のα−オレフィンとしては、通常炭素数20以下のα−オレフィン、具体的にはエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンなどが用いられ、それぞれ単独あるいは二種以上の混合して用いられる。
プロピレン系重合体のMFR(230℃、2.16kg荷重)は、0.1〜50g/10分が好ましく、5.0〜30g/10分がより好ましい。
【0035】
また密度は0.880〜0.910g/cm が好ましく、0.880〜0.900g/cmがより好ましい。
ポリオレフィンへの不飽和カルボン酸もしくはその誘導体(グラフトモノマー)のグラフト量は、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。 このようなグラフト量の場合、基材層(X)と重合体(a)を含有する層(Y)との間の接着性が良好であり好ましい。
【0036】
不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等をあげることができる。また不飽和カルボン酸の誘導体とは酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩などで、例えば無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジエチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸−N,N−ジエチルアミド、マレイン酸−N−モノブチルアミド、マレイン酸−N,N−ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モノエチルアミド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−ジブチチルアミド、マレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム等を挙げることができる。
【0037】
さらに、エポキシ基含有誘導体としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなど、マレイン酸のモノおよびジグリシジルエステル、フマル酸のモノおよびジグリシジルエステル、クロトン酸のモノおよびジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸のモノおよびジグリシジルエステル、イタコン酸のモノおよびグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸のモノおよびジグリシジルエステル、シトラコン酸のモノおよびジグリシジルエステル、エンド-シス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3-ジカルボン酸(ナジック酸TM)のモノおよびジグリシジルエステル、エンド-シス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3−ジカルボン酸(メチルナジック酸TM)のモノおよびジグリシジルエステル、アリルコハク酸のモノおよびグリシジルエステルなどのジカルボン酸モノおよびアルキルグリシジルエステル(モノグリシジルエステルの場合のアルキル基の炭素数1〜12)、p−スチレンカルボン酸のアルキルグリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキシドなどを例示することができる。水酸基含有誘導体としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ−プロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタンモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-(6-ヒドロキシヘキサノイルオキシ)エチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;10-ウンデセン-1-オール、1-オクテン-3-オール、2-メタノールノルボルネン、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、N-メチロールアクリルアミド、2-(メタ)アクロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、アリロキシエタノール、2-ブテン-1,4-ジオール、グリセリンモノアルコールなどが挙げられる。
【0038】
これらの中では、不飽和カルボン酸またはその酸無水物、中でもジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、マレイン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物、無水マレイン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸アミノプロピル、グリシジルマレエート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メタクリル酸アミノエチルおよびメタクリル酸アミノプロピルなどを好適例として挙げることができる。
【0039】
これらの不飽和エチレン性単量体をプロピレン系重合体他のポリオレフィンにグラフト共重合してグラフト変性プロピレン重合体他の変性ポリオレフィンを製造するには、従来公知の種々の方法を採用することができる。
たとえば、プロピレン系重合体を溶融させグラフトモノマーを添加してグラフト共重合させる方法あるいは溶媒に溶解させグラフトモノマーを添加してグラフト共重合させる方法がある。いずれの場合にも、前記グラフトモノマーを効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。グラフト反応は、通常60〜350℃の温度で行われる。ラジカル開始剤の使用割合は、ポリオレフィン100重量部に対して通常0.001〜1重量部の範囲である。
【0040】
ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステル、たとえばジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好適である。
変性ポリオレフィンからなる層(Z)の厚さは、通常0.01〜5.0μm、好ましくは0.01〜3.0μm、より好ましくは0.01〜2.0μmであり、この範囲であれば接着性がより優れる。
【0041】
アイオノマー樹脂
本発明用いられるアイオノマー樹脂は、エチレンによって代表されるオレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体、またはオレフィン重合体の不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト共重合体であり、共重合体中の遊離カルボキシル基は完全にまたは部分的にナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属または亜鉛等のアルカリ土類金属で中和されている。これら、カルボキシル基の全部または一部がナトリウム、亜鉛などの金属で中和された樹脂である。アイオノマー樹脂は、イオン基を有するため、ホモミキサー等の装置を用いて溶融物を熱水中で高速攪拌混合した場合、水に対して自己分散する性質を有し、それ自体で水性分散液を形成し易い。
【0042】
かかるアイオノマー樹脂を接着性樹脂(c)からなる層(Z)として用いる場合、アイオノマー樹脂とポリビニルアルコール系重合体との混合物としてもよい。この場合、アイオノマー樹脂とポリビニルアルコール系重合体との比は100:0〜20:80、好ましくは100:0〜30:70、さらに好ましくは、100:0〜40:60であることが望ましく、この範囲であれば基材層(X)と重合体(a)を含有する層(Y)との接着性がより優れる。
【0043】
上記アイオノマー樹脂とポリビニルアルコール系重合体との混合物はアイオノマー樹脂の水分散液とポリビニルアルコール系重合体水溶液との混合液であってもよい。
本発明において、アイオノマー樹脂水分散液またはアイオノマー樹脂の水分散液とポリビニルアルコール系重合体水溶液との混合液においては、水以外の溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、或いはその他ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等を必要に応じて、1種または2種以上を組み合わせて加えることも可能である。
【0044】
アイオノマー樹脂またはアイオノマー樹脂とポリビニルアルコール系重合体との混合物を接着性樹脂として用いる場合、接着性樹脂(c)からなる層(W)の厚さは、通常0.01〜5.0μm、好ましくは0.01〜3.0μm、より好ましくは0.01〜2.0μmであり、この範囲であれば接着性がより優れる。
本発明に用いられるガスバリアフィルムは、基材層(X)を(X)と、重合体(a)を含有する層(Y)を(Y)と、接着性樹脂(c)からなる層(W)を(W)とそれぞれ略記すると、(X)//(Y) 又は (X)//(W)//(Y)と表記するとこができる。
本発明で用いられるバリアフィルムには、基材層(X)と重合体(a)を含有する層(Y)との間または、重合体(a)を含有する層(Y)の外側に無機蒸着層(Z)を設けることも行われれる。
【0045】
無機蒸着層(Z)
無機蒸着層(Z)は、従来からフィルムの蒸着層として知られているものを、特に限定されず利用することができる。なかでも、その表面が平滑である蒸着膜であることが望ましい。例えば、アルミニウム、亜鉛、インジウム、珪素およびスズなどの元素および必要に応じてこれら金属と酸素とを含む膜である。これらにおいて、酸素は膜の透明性を上げることができる。このような無機蒸着膜は、CVD法、PVD法、スパッタリング法、プラズマCVD法など乾式製膜法を用いて形成することができる。無機蒸着膜の厚み(1層あたりの厚み)は、5〜500nm、好ましくは30〜200nmNO範囲で適宜選ぶことができる。無機蒸着膜の厚みが5nm未満であると、ガスバリアフィルムの酸素ガスのバリア性が不十分となり、500nmを越えると、蒸着層にクラックが入り易くなる。
【0046】
無機蒸着層(Z)が積層されるバリアフィルムの態様は、基材層(X)を(X)と、重合体(a)を含有する層(Y)を(Y)と、接着性樹脂(c)からなる層(W)を(W)と、無機蒸着層(Z)を(Z)とそれぞれ略記すると、以下が例示される。

(X)//(Y)//(Z)
(X)//(W)//(Y)//(Z)
(X)//(W)//(Y)//(W)//(Z)
(X)//(Z)//(Y)
(X)//(W)//(Z)//(Y)
(X)//(W)//(Z)//(W)//(Y)
【0047】
バリア積層フィルム
本発明のバリア積層フィルムは、上記のバリアフィルムの2枚以上を、それぞれの間に接着性樹脂(c)からなる層(W)を設けて積層して構成される。接着性樹脂(c)からなる層(W)は、通常 0.1〜200μm程度である。
バリアフィルム同士を接着性樹脂(c)からなる層(W)を介して積層する方法としては、押出ラミネート法、ドライラミネート法、その他の種々の方法を利用することができる。
本発明のガスバリア積層フィルムには、最外層の重合体(a)を含有する層(Y)の上に、さらに保護層(U)を積層することが望ましい。
【0048】
保護層
本発明のガスバリア積層フィルムの最外層の重合体(a)を含有する層(Y)の上に設けられる保護層(U)としては、重合体(a)を含有する層(Y)を保護し得る層であればとくに限定はされず、種々公知の保護層、例えば、ポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アミノ樹脂、ポリイミド等の熱硬化性樹脂、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル・1−ペンテン、ポリブテン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体もしくはその鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、あるいはこれらの混合物等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。
【0049】
本発明のガスバリア積層フィルムの保護層(U)として、他の好適な例として、前記した無機微粒子を含有する基材層(X−1)がある。
前記した無機微粒子を含有する基材層(X−1)を保護層として用いることにより、隠蔽性に優れたガスバリア積層フィルムとすることができる。
【0050】
これら無機微粒子を含有する保護層(U)は、無延伸、少なくとも一軸方向に延伸されたものいずれも使用でき、延伸された保護層(U)は、耐熱性、剛性、透明性及びガスバリア性に優れている。
また、これら保護層(U)は、ガスバリア性膜との接着性を改良するために、その表面を、例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、アンダーコート処理、プライマーコート処理、フレーム処理等の表面活性化処理を行っておいてもよい。
【0051】
本発明のガスバリア積層フィルムの例を下記する。但しガスバリアフィルムを(X・Y)と、接着性樹脂(c)からなる層(W)を(W)と略記する。

(X・Y)//(W)//(X・Y)
(X・Y)//(W)//(X・Y)// 保護層(U)
(X・Y)//(W)//(X・Y)//(W)//(X・Y)// 保護層(U)
(X・Y)//(W)//(X・Y)//(W)//(X・Y)//(W)//(X・Y)// 保護層(U)
(X・Y)//(W)//(X・Y)//(W)//(X・Y)//(W)//(X・Y)//(W)//(X・Y)// 保護層(U)
(X・Y)//(W)//(X・Y)//(W)//(X・Y)//(W)//(X・Y)//(W)//(X・Y)//(W)//(X・Y)// 保護層(U)
(X・Y)//(W)//(X・Y)//(W)//(X・Y)//(W)//(X・Y)//(W)//(X・Y)//(W)//(X・Y)//(W)//(X・Y)// 保護層(U)
【0052】
本発明のガスバリア積層フィルムは、基材層(X)の面に、熱融着層を積層することにより、ヒートシール可能な包装用フィルムとして好適な積層フィルムが得られる。かかる熱融着層としては、通常熱融着層として公知のエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル・ペンテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンの単独若しくは共重合体、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンランダム共重合体、ポリブテン、ポリ4−メチル・ペンテン−1、低結晶性あるいは非晶性のエチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン・ブテン−1ランダム共重合体等のポリオレフィンを単独若しくは2種以上の組成物、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体あるいはその金属塩、EVAとポリオレフィンとの組成物等から得られる層である。
【0053】
中でも、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン等のエチレン系重合体から得られる熱融着層が低温ヒートシール性、ヒートシール強度に優れるので好ましい。
【実施例】
【0054】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。
【0055】
実施例及び比較例における物性値等は、以下の評価方法により求める。
<評価方法>
(1)酸素透過度[ml/(m・day・MPa)]:延伸フィルムを、モコン社製 OX−TRAN2/21 MLを用いて、JIS K 7126に準じ、温度20℃、湿度90%R.H.の条件で測定する。
(2)吸光度比(A/A):前記記載の方法で測定する。
【0056】
<溶液(s1)の作製>
アクリル酸亜鉛(アクリル酸のZn塩)水溶液〔浅田化学社製、濃度:15重量%(アクリル酸成分:10重量%、Zn成分:5重量%)〕と、メチルアルコールで25重量%に希釈した光重合開始剤〔1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名;イルガキュアー 2959)〕及び界面活性剤(花王社製 商品名;エマルゲン120)をモル分率でそれぞれ98.5%、1.2%、0.3%となるように混合し、不飽和カルボン酸化合物Zn塩溶液(X)を作製する。
【0057】
<溶液(s2)の作製>
シリル変性ポリビニルアルコール R1130(クラレ社製)の15%水溶液を作製する。
【0058】
実施例1
25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ社製 OP M−2 両面コロナ処理)のコロナ処理面に、不飽和カルボン酸化合物Zn塩溶液(s1)をバーコート法を用いて乾燥後の塗布量が3.5g/m塗となるよう塗工した。次いで、オーブン中で40℃、15秒の条件で乾燥後、紫外線照射装置を用い照射光量200mJ/cmになるように延伸フィルム全体に照射し、重合体層が表面に形成されたバリアフィルムを得た。赤外線吸収スペクトルにおける1700cm−1付近のカルボン酸基のνC=Oに基づく吸光度Aと1520cm−1付近のカルボキシレートイオンのνC=Oに基づく吸光度Aとの比(A/A)が0.1であった。さらにこのガスバリアフィルムの不飽和カルボン酸化合物Zn塩重合体層側に、接着剤としてウレタン系接着剤(三井武田ケミカル社製 タケラックA310/タケネートA3 塗布量3g/m)塗布し、50μmの白色二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ社製 乳白OP NW−2 両面コロナ)と貼り合わせ積層フィルムを得た。この積層フィルムからから90mm×90mmの大きさでサンプルを切り出しその酸素透過度を測定すると、2ml/m・day・MPaであった。
【0059】
実施例2
25μm二軸延伸ポリプロピレンフィルムに塗布する溶液をs1とs2を固形分比率(wt%)87.5(s1):12.5(s2)の比率で混合した溶液を用いる以外は実施例1と同様に積層フィルムを得た。吸光度(A/A)が0.1であった。また積層フィルムの酸素透過度は2ml/m・day・MPaであった。
【0060】
実施例3
25μm二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いる替わりに50μmの白色二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いる以外は実施例1と同様に積層フィルムを得た。吸光度(A/A)が0.1であった。また積層フィルムの酸素透過度は3ml/m・day・MPaであった。
【0061】
実施例4
25μm二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いる替わりに12μmの酸化アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム(東セロ社製 TL−PET H)を用い、蒸着面側に塗布する以外は実施例1と同様に積層フィルムを得た。吸光度(A/A)が0.1であった。また積層フィルムの酸素透過度は0.5ml/m・day・MPaであった
【0062】
実施例5
25μm二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いる替わりに25μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ社製 GHC 片面コロナ面)を用いる以外は実施例1と同様に積層フィルムを得た。吸光度(A/A)が0.1であった。また積層フィルムの酸素透過度は4ml/m・day・MPaであった。
【0063】
実施例6
実施例1で得られた積層フィルムの25μm二軸延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ面側に接着剤としてウレタン系接着剤(三井武田ケミカル社製 タケラックA310/タケネートA3 塗布量3g/m)塗布し、更に実施例1で得られたガスバリアフィルムを積層し多層フィルムを得た。また多層フィルムの酸素透過度は1ml/m・day・MPaであった。
【0064】
比較例1
25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ社製 OP M−2 両面コロナ処理)のコロナ処理面に、接着剤としてウレタン系接着剤(三井武田ケミカル社製 タケラックA310/タケネートA3 塗布量3g/m)塗布し、50μmの白色二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ社製 乳白OP NW−2 両面コロナ)と貼り合わせ積層フィルムを得た。この積層フィルムの酸素透過度を測定すると、1000ml/m・day・MPa以上であった。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明のガスバリア積層フィルムは、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体(a)を含有する層(Y)が高湿度下でのガスバリア性に優れており、かかる特徴を活かして、種々の用途に用いることができる。また保護層に無機微粒子を含有する白色フィルムを用いた場合、隠蔽性の良好な積層フィルムとなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層(X)に、赤外線吸収スペクトルにおける1700cm−1付近のカルボン酸基のνC=Oに基づく吸光度Aと1520cm−1付近のカルボキシレートイオンのνC=Oに基づく吸光度Aとの比(A/A)が0.25未満である不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体(a)を含有する層(Y)が積層されたガスバリアフィルムが、接着性樹脂からなる層(W)を介して積層されてなることを特徴とするガスバリア積層フィルム。
【請求項2】
基材層(X)が、未延伸または延伸フィルムからなることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア積層フィルム。
【請求項3】
基材層(X)が、無機微粒子を含有する層であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア積層フィルム。
【請求項4】
重合体(a)を含有する層(Y)が、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体(a)およびビニルアルコール系重合体(b)からなることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア積層フィルム。
【請求項5】
ガスバリアフィルムが、基材層(X)と重合体(a)を含有する層(Y)が積層されたガスバリアフィルムの中間または層(Y)の外側に、更に無機蒸着層(Z)が積層されたガスバリアフィルムであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のガスバリア積層フィルム。
【請求項6】
ガスバリアフィルムの2枚から7枚を、それぞれの間に接着性樹脂(c)からなる層(W)を設けて積層してなる請求項1ないし5のいずれかに記載のガスバリア積層フィルム。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載のガスバリア積層フィルムの表面にさらに保護層(U)が積層されてなることを特徴とするガスバリア積層フィルム。
【請求項8】
保護層(U)が、未延伸または延伸フィルムからなることを特徴とする請求項7に記載のガスバリア積層フィルム。
【請求項9】
保護層(U)が、無機微粒子を含有する層であることを特徴とする請求項7に記載のガスバリア積層フィルム。

【公開番号】特開2007−130857(P2007−130857A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−325484(P2005−325484)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(000220099)東セロ株式会社 (177)
【Fターム(参考)】