説明

ガスメータ

【課題】本発明の目的は、計測精度の向上を図ることができるガスメータを提供することにある。
【解決手段】ガスメータ1は、ガス流入口を有する入口流路部22、ガス流出口を有する出口流路部23、及び入口流路部及び出口流路部を連通する連通部25を有するメータボディ2と、入口流路部及び出口流路部側に開口した受け皿状に形成されるとともに、連通部内に収容される計測流路部3と、該計測流路部内に収容されて、該計測流路部内を流れるガスの流量を計測する筒状の計測ユニット4と、を備えた。計測ユニットには、ガスが流れる方向に交差しかつ互いに対向する位置に一対の測定窓4bが設けられ、計測ユニットとメータボディとの間及び計測ユニットと計測流路部との間のうち、いずれか一方において互いに対向する面間には、一対の測定窓を結ぶ経路を塞ぐ弾性気密部材6が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスメータに係り、ガス流入口を有する筒状の入口流路部、ガス流出口を有する筒状の出口流路部、及び前記入口流路部及び前記出口流路部を連通し、ガスが水平に流れる連通部を有するメータボディと、前記入口流路部及び前記出口流路部側に開口した受け皿状に形成されるとともに前記連通部内に収容される計測流路部と、該計測流路部内に収容されて該計測流路部内を流れるガスの流量を計測する筒状の計測ユニットと、を備えたガスメータに関する。
【背景技術】
【0002】
上術した従来のガスメータ101は、図7に示すように、箱状のメータボディ102と、該メータボディ102内に収容される計測ユニット104と、該計測ユニット104内を流れるガスの流速を検出する一対の超音波式流速センサ(以下、超音波センサと記す)と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
メータボディ102は、ガス流入口を有する筒状に形成された入口流路部122と、ガス流出口を有する筒状に形成された出口流路部123と、これら流路部122、123を連通する連通部125と、を備えている。このメータボディ102は上下に分割可能な2部材から構成され、計測ユニット104を収容するための開口を有するボディ本体102Aと、該ボディ本体102Aの開口を塞ぐカバー102Bと、を備えている。
【0004】
ボディ本体102Aは、入口流路部122と、出口流路部123と、連通部125の一部と、を備えている。入口流路部122と出口流路部123との間には、水平な連結壁121が設けられている。
【0005】
カバー102Bは、底壁127と、該底壁127の周縁から立設された周壁124と、によって受け皿状に形成されている。この周壁124には、計測ユニット104に設けられた一対の測定窓104bと対向する位置に超音波センサが取り付けられる。
【0006】
底壁127は、ボディ本体102Aの連通部125と平行な第1の壁127Aと、該第1の壁の両側に連なる一対の第2の壁127Bと、を備えている。第1の壁127Aは、一対の第2の壁127Bよりも上方側に設けられている。
【0007】
計測ユニット104は、底板141と、該底板141に対向する天板142と、底板141と天板142とを連結する一対の側板143とによって四角筒状に形成されている。一対の側板143の各々には測定窓104bが設けられている。この計測ユニット104は、計測ユニット104の底板141とメータボディ102の第1の壁127Aとが対向し、計測ユニット104の天板142とメータボディ102の連結壁121とが対向して、メータボディ102内に収容されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−71944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述した従来のガスメータ101では、メータ本体102Aと、カバー部102Bとの間に、計測ユニット104を収容するための所定のクリアランスが設けられることが一般的であった。このため、メータボディ102内に計測ユニット104を収容すると、該計測ユニット104の底板141とメータボディ102の第1の壁127Aとの対向する面間や、計測ユニットの天板142とメータボディ102の連結壁121との対向する面間など、互いに対向する面同士の間に隙き間ができてしまうことがあった。そして、この隙き間ができてしまうことにより、計測ユニット104内のガスが一方の測定窓104bから漏れ出て、他方の測定窓104bから計測ユニット104内に侵入してしまう虞れがあった。このために、従来のガスメータ101には、計測ユニット104内から漏れ出て、再び計測ユニット104に侵入したガス流量分だけ測定誤差が生じてしまうという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、計測精度の向上を図ることができるガスメータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の本発明は、ガス流入口を有する筒状の入口流路部、ガス流出口を有する筒状の出口流路部、及び前記入口流路部及び前記出口流路部を連通する連通部を有するメータボディと、前記入口流路部及び前記出口流路部側に開口した受け皿状に形成されるとともに前記連通部内に収容される計測流路部と、該計測流路部内に収容されて該計測流路部内を流れるガスの流量を計測する筒状の計測ユニットと、を備え、該計測ユニットには、ガスが流れる方向に交差しかつ互いに対向する位置に一対の測定窓が設けられ、前記計測ユニットと前記メータボディとの間及び、前記計測ユニットと前記計測流路部との間のうち、少なくともいずれか一方において互いに対向する面間には、前記一対の測定窓を結ぶ経路を塞ぐ弾性気密部材が設けられていることを特徴とする。
【0012】
上記構成により、弾性気密部材が、一対の測定窓を結ぶ経路を塞ぐので、計測ユニット内のガスが、一方の測定窓から計測ユニットの外側に漏れ出たとしても、計測ユニットと計測流路部との間や、計測ユニットとメータボディとの間を通り、他方の測定窓から計測ユニット内に再度侵入するのが防止される。
【0013】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の本発明において、前記計測ユニットは、本体部と、前記測定窓を有するプレート部材と、を備え、前記本体部には、前記プレート部材が取り付けられる開口が形成されていることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、本体部とプレート部材とが別部材で構成されている。プレート部材の大きさは本体部よりも小さいので、プレート部材の測定窓の位置を、計測流路部に取り付けられる超音波センサと対向する位置に形成することが容易にできる。また、本体部とプレート部材とが別部材で構成されているため、本体部とプレート部材との間に隙き間ができてしまい、この隙き間からガスが漏れ出てしまったとしても、弾性気密部材によって、一方の測定窓と他方の測定窓とを結ぶ経路が塞がれているので、漏れ出たガスが再び計測ユニット内に侵入するのが防止される。
【0015】
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2記載の本発明において、筒状の前記計測ユニットの軸方向に交差するように前記計測ユニットの外周に巻き付けられた弾性のリング部材が設けられ、該リング部材によって、前記計測ユニットが、前記計測流路部と前記メータボディとに密接され、前記リング部材は、前記一対の測定窓を互いの間に位置付ける位置に一対設けられ、前記弾性気密部材は、前記一対のリング部材の内側で、かつ、ガスが流れる方向の上流側の前記測定窓よりも上流から、下流側の前記測定窓よりも下流に亘って設けられていることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、一対のリング部材によって、計測ユニットがメータボディと計測流路部とに密接されるので、計測ユニットとメータボディとの間及び計測ユニットと計測流路部との間において、内側に測定窓を位置付けるとともに一対のリング部材で仕切られた計測領域が形成され、該計測領域内から外側へガスが漏れ出たり、計測領域の外側から内側にガスが侵入したりするのが防止される。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の本発明によれば、一対の測定窓を結ぶ経路を塞ぐ弾性気密部材が設けられているので、計測流路部内のガスが一方の測定窓から漏れ出て、他方の測定窓から計測流路部内に再び侵入することを防止できるから、計測精度の向上を図ることができる。
【0018】
請求項2記載の本発明によれば、計測ユニットにおける本体部と、測定窓が設けられたプレート部材とを別部材にすることで、計測ユニット及び計測流路部の寸法精度に関わらずプレート部材及び測定窓を高精度に形成して、超音波センサとの位置精度を高くすることができる。また、本体部とプレート部材との隙き間からガスが漏れ出てしまったとしても、弾性気密部材によって、一方の測定窓と他方の測定窓とを結ぶ経路が塞がれているので、漏れ出たガスが再び計測ユニット内に侵入することを防止できるから、計測精度を確保することができる。
【0019】
請求項3記載の本発明によれば、弾性のリング部材によって、計測ユニットが計測流路部とメータボディとに密接されるので、メータボディと計測ユニットとの間及び計測流路部と計測ユニットとの間において、内側に測定窓を位置付けるとともに一対のリング部材で仕切られた計測領域が形成され、この計測領域内から外側へガスが漏れ出たり、計測領域の外側から内側にガスが侵入したりするのが防止されるので、より一層、計測精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるガスメータの断面図である。
【図2】図1に示されたガスメータを分解した図である。
【図3】図1に示されたガスメータを構成する計測流路部内に計測ユニットが収容された状態を示す斜視図である。
【図4】図3に示された計測ユニットを示す斜視図である。
【図5】図4に示された計測ユニットの分解斜視図である。
【図6】図1に示されたガスメータの要部を拡大して示す図である。
【図7】従来のガスメータを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施の形態にかかるガスメータについて、図1〜図6を参照して説明する。
ガスメータ1は、図1、図2に示すように、ガスが流れる流路が設けられたメータボディ2と、該メータボディ2内に収容される計測流路部3と、該計測流路部3に取り付けられ、流路内を流れるガスの流速を検出する一対の超音波式流速センサ(以下、超音波センサと記し、図示せず)と、該計測流路部3内に収容される四角筒状の計測ユニット4と、弾性気密部材としてのパッキン6と、を備えている。
【0022】
メータボディ2は、入口流路部22と、出口流路部23と、これら流路部22、23を連通する連通部25と、を備えている。このメータボディ2は上下に分割可能な2部材から構成され、計測流路部3と計測ユニット4とを収容するための開口2aを有するボディ本体2Aと、該ボディ本体2Aの開口2aを塞ぐカバー2Bと、を備えている。
【0023】
ボディ本体2Aは、入口流路部22と、出口流路部23と、連通部25の一部と、を備えている。入口流路部22はガス流入口22aを有し、筒状の軸方向が鉛直方向(矢印Z)に沿って設けられている。この入口流路部22には、ガスの流れを遮断する遮断弁26が設けられている。出口流路部23はガス流出口23aを有し、筒状の軸方向が鉛直方向(矢印Z)に沿って設けられている。連通部25は、入口流路部22と出口流路部23を連通し、ガスが水平方向に流れるように設けられている。
【0024】
入口流路部22と出口流路部23との間には連結壁27が設けられている。この連結壁27には、図2に示すように、該連結壁27の内面に設けられるとともに薄肉化された凹部27aと、計測ユニット4の凸部42a(後述する)が進入する一対の溝部27bと、が設けられている。この連結壁27のうち、凹部27aと溝部27bとが設けられていない部分(以下、パッキン当接部20と記す)にパッキン6が当接される。一対の溝部27bは、凹部27aの矢印Y方向の両側に設けられ、矢印X方向に沿って設けられている。
【0025】
ここで、本明細書中の矢印Zは、鉛直方向を示し、矢印Yは、入口流路部22と出口流路部23とが並ぶ方向を示し、矢印Xは、矢印Z及び矢印Yに直交する方向を示している。
【0026】
カバー2Bは、図2に示すように、ボディ本体2Aの連結壁27と平行に設けられた底壁28と、該底壁28の周縁から立設された第2周壁24Bと、該第2周壁24Bの縁から外方向に延在したフランジ部29と、を備えている。このフランジ部29は、ボディ本体2Aの入口流路部22及び出口流路部23に連なる鉛直方向(矢印Y方向)の第1周壁24Aにシール部材9(図1に示す)を介して重ねられる。底壁28には、計測流路部3の底板31を水平方向に保持するための突起28a、28b、28cが設けられている。
【0027】
計測流路部3は、図3に示すように、カバー2Bの底壁28と平行に設けられた底板31と、該底板31の周縁から立設され、矢印Z方向の上方側に開口3aを形成する周板32と、該周板32の縁から外方向に延在したフランジ部33と、によって受け皿状に形成されている。このフランジ部33は、ボディ本体2Aの入口流路部22及び出口流路部23それぞれの端面にシール部材9(図1に示す)を介して重ねられる。
【0028】
底板31は、図2に示すように、第1底板31Aと、該第1底板31Aの矢印Y方向の両側に設けられた一対の第2底板31Bと、第1底板31Aと第2底板31Bとを連ねる段部34と、を備えている。第1底板31Aは、第2底板31Bよりも矢印Z方向の上方に設けられている。この第1底板31Aには、カバー2Bに設けられた2つの突起28a、28bが当接し、第2底板31Bには、残り1つの突起28cが当接する。
【0029】
第1底板31Aは、平面視が長方形状に形成されている。この第1底板31Aには、第1底板31Aの長手方向(矢印Y方向)の両端よりも一段高い平坦部35が形成されている。
【0030】
周板32は、図3に示すように、第1底板31Aの幅方向の縁から立設され、互いに平行な一対の第1周板32Aと、一対の第2底板31Bの周縁からそれぞれ立設された一対の第2周板32Bと、超音波センサを取り付けるための一対のセンサ取付部36と、を備えている。
【0031】
一対のセンサ取付部36は、一対の第1周板32Aにそれぞれ設けられている。一対のセンサ取付部36は、メータボディ2内における連通部25でのガス流れ方向(矢印Y方向)である水平方向を斜めに横切って対向する位置に設けられている。各センサ取付部36は、第1周板32Aに設けられた貫通孔36a(図2に示す)と、該貫通孔36aの縁から筒状に立設された筒部36bと、を備えている。
【0032】
一対の超音波センサは、計測ユニット4内に流れるガスの流速を検出するセンサである。これら一対の超音波センサは、一対の測定窓4bを通じて計測ユニット4内で超音波信号の送受信を行って超音波信号の伝播時間を求めることにより、ガス流速、流量を測定する。また、一対の超音波センサは、図3に示すように、各々が取付部材8に取り付けられ、該取付部材8が、センサ取付部36の筒部36bにボルト締めされることにより、超音波センサが筒部36b内に収容される。
【0033】
計測ユニット4は、図4に示すように、底板41と、該底板41と平行な天板42と、底板41と天板42とを連結する一対の側板43と、によって、四角筒状に形成された本体部40と、該本体部40及びプレート部材44(後述する)に巻かれる一対のOリング49と、を備えている。本体部40には開口4a(図5に示す)が設けられ、該開口4aにはプレート部材44が取り付けられている。即ち、計測ユニット4は、本体部40とプレート部材44とが別部材で構成されている。また、本体部40の内部には、ガスの流れを水平方向に整流する仕切板45が設けられている。この仕切板45は、本体部40内に等間隔をあけて水平に配置され、該本体部40内を複数層に仕切っている。また、本体部40及びプレート部材44には、一対のOリング49それぞれが巻かれる被巻付部47が設けられている。Oリング49は、特許請求の範囲に記載された「リング部材」に相当する。
【0034】
本体部40の開口4aは、図5などに示すように、前述した計測流路部3の各センサ取付部36と対向する位置に一対設けられている。各開口4aは、側板43の高さ方向(矢印Z方向)の全長に亘って設けられている。この開口4aは、プレート部材44の平面形状と同一になるように形成されている。また、一対の開口4aはその長手方向(矢印Y方向)の互いに離れた端部が、底板41に設けられた一対の第2突起41cと同じ位置、即ち、各開口4aはその一端(他端)が、底板41の一端(他端)から第2突起41cまでの距離と同じ距離になる位置に設けられ、その他端が側板43の中央に向かって延びている。
【0035】
底板41には、図2に示すように、一対の第1突起41bと、該一対の第1突起41bの外側に設けられ、計測流路部3における第1底板41Aと段部34との間の角部に引っ掛けられる一対の第2突起41cと、が設けられている。これら突起41b、41cは、底板41の外面に設けられている。各第1突起41bの矢印Z方向の高さは、各第2突起41cの高さよりも小さく形成されている。この底板41における一対の第1突起41b間(以下、重なり部41aと記す)は、前述した計測流路部3の平坦部35に隙き間なく重ねられる。
【0036】
天板42には、図2に示すように、前述したメータボディ2に設けられた一対の溝部27bに進入する一対の凸部42aが設けられている。各凸部42aは、天板42の全幅(矢印X方向)に亘って設けられている。一対の凸部42aは、前述した底板41に設けられた一対の第1突起41bよりも僅かに内側に設けられている。この天板42の外面において、一対の凸部42aで囲まれた部分(以下、パッキン貼付部46と記す)には、弾性気密部材としてのパッキン6が貼り付けられる。
【0037】
プレート部材44は、図5に示すように、長方形の板部44Aと、4つの突部44Bと、を備えている。4つの突部44Bの各々は、板部44Aの長手方向の両縁における幅方向の両端部に設けられている。各突部44Bは、板部44Aの長手方向の両縁から、その長手方向に沿って延びている。
【0038】
板部44Aには、測定窓4bと、被巻付部47と連続する連続部47aと、が設けられている。測定窓4bは、板部44Aの中央部に設けられている。そして、プレート部材44が本体部40に取り付けられると、一対の測定窓4bは、ガスが流れる方向に交差しかつ互いに対向する位置に設けられ、被巻付部47は連続部47aに連続される。この測定窓4bには、金属糸などをからなる網状のメッシュ部材48(図2などに示す)が張り付けられている。この連続部47aは、測定窓4bと突部44Bとの間に設けられている。このように、本体部40とプレート部材44とが別部材で構成されており、プレート部材44の測定窓4bの大きさは、前述した本体部40の開口4aよりも小さく形成されているので、プレート部材44の測定窓4bの位置を、計測流路部3の貫通孔36aと連通する位置に形成することが容易にできるとともに、計測流路部3に取り付けられた超音波センサと対向する位置に形成することができる。
【0039】
一対のOリング49が巻かれる被巻付部47及び連続部47aは、本体部40の軸方向(矢印Y方向)に間隔をあけて、該軸方向に交差する方向の全周に亘って設けられている。各被巻付部47及び連続部47aは、底板41の第2突起41cと天板42の凸部42aとの間に設けられ、本体部40及びプレート部材44の外面に凹に形成されている。
【0040】
各Oリング49は弾性を有しているとともにリング状に形成され、一対のOリング49は、本体部40の軸方向(矢印Y方向)に間隔をあけて、本体部40及びプレート部材44に巻き付けられている。そして、Oリング49が本体部40及びプレート部材44に巻かれることにより、Oリング49によって、計測ユニット4がメータボディ2と計測流路部3とに密接され、計測ユニット4とメータボディ2との間及び計測ユニット4と計測流路部3との間において、内側に測定窓4bを位置付けるとともに一対のOリング49で仕切られた計測領域が形成され、該計測領域内から外側へガスが漏れ出たり、計測領域の外側から内側にガスが侵入したりするのが防止される。また、一対のOリング49は、プレート部材44が動かぬように、該プレート部材44を本体部40に留めている。
【0041】
パッキン6は、ニトリルゴム(NBR)から構成され、長方形の板状に形成されている。このパッキン6は、計測ユニット4のパッキン貼付部46とメータボディ2のパッキン当接部20との隙き間を埋めることが可能な厚みに形成されている。そして、図6に示すように、パッキン6が、パッキン貼付部46に貼り付けられることにより、計測ユニット4とメータボディ3との互いに対向する面間を塞いでいる。この際、パッキン6は、その長手方向の両端部が、一対の測定窓4b間よりも外側でかつ一対のOリング49間の内側に位置し、計測ユニット4の天板42の全幅に亘って設けられている。即ち、パッキン6は、一対のOリング49の内側でかつ、ガスが流れる方向の上流側の測定窓4bよりも上流から、下流側の測定窓4bよりも下流に亘って設けられている。本実施形態によれば、弾性気密部材としてのパッキン6は、ニトリルゴム(NBR)から構成されているが、本発明はこれに限ったものではなく、弾性を有する合成樹脂など、適宜の材料を用いて構成しても良い。
【0042】
次に、本発明の作用について説明する。ガス流入口から流入されたガスは、遮断弁26が当接する弁座の開口を通過した後、連通部25に向かう。そして、連通部25内に収容された計測ユニット4内を、計測ユニット4の軸方向(矢印Y方向)に沿って水平に進み、上流側の一方の測定窓4bを通過する。一方の測定窓4bからガスが漏れ出たとしても、パッキン6が、計測ユニット4とメータボディ3との互いに対向する面間を塞いでいるので、一方の測定窓4bと他方の測定窓4bとを結ぶ経路を塞いでいることとなり、一方の測定窓4bから漏れ出たガスが、計測ユニット4とメータボディ2との間を通り、他方の測定窓4bから計測ユニット4内に再度侵入するのが防止される。また、一方の測定窓4bからガスが漏れ出たとしても、メータボディ2と計測ユニット4との間及び計測流路部3と計測ユニット4との間において、一対のOリング49で仕切られた計測領域が形成されているので、この計測領域内から外側へガスが漏れ出たり、計測領域の外側から内側にガスが侵入したりするのが防止される。
【0043】
そして、ガスは、他方の測定窓4bを通過する。他方の測定窓4bから漏れ出たガスについても上述した一方の測定窓4bと同様に、パッキン6によって、一方の測定窓4bと他方の測定窓4bとを結ぶ経路が塞がれているとともに、一対のOリング49で仕切られた計測領域が形成され、この計測領域内から外側へガスが漏れ出たり、計測領域の外側から内側にガスが侵入したりするのが防止されるので、他方の測定窓4bから漏れ出たガスが、一方の測定窓4bから再度侵入するのが防止される。従って、計測ユニット4内から漏れ出たガスが再び計測ユニット4内に侵入したガス流量分だけ測定誤差が生じてしまうことがなくなり、計測精度の向上を図ることができる。
【0044】
また、計測ユニット4における本体部40と、測定窓4bが設けられたプレート部材44とを別部材にすることで、計測ユニット4及び計測流路部3の寸法精度に関わらずプレート部材44及び測定窓4bを高精度に形成して、超音波センサとの位置精度を高くすることができる。また、本体部40とプレート部材44との隙き間からガスが漏れ出てしまったとしても、弾性気密部材としてのパッキン6によって、一方の測定窓4bと他方の測定窓4bとを結ぶ経路が塞がれているので、漏れ出たガスが再び計測ユニット4内に侵入することを防止できるから、計測精度を確保することができる。
【0045】
また、弾性のリング部材としてのOリング49によって、計測ユニット4が計測流路部3とメータボディ2とに密接されるので、メータボディ2と計測ユニット4との間及び計測流路部3と計測ユニット4との間において、内側に測定窓4bが位置付けられるとともに一対のOリング49で仕切られた計測領域が形成され、この計測領域内から外側へガスが漏れ出たり、計測領域の外側から内側にガスが侵入したりするのが防止されるので、より一層、計測精度の向上を図ることができる。
【0046】
なお、上述した実施形態では、本体部40とプレート部材44とは別部材で構成されているが、本実施形態はこれに限ったものではなく、本体部40とプレート部材44とは一体に形成されていても良い。
【0047】
また、上述した実施形態では、弾性気密部材としてのパッキン6は、計測ユニット4の天板42に設けられていたが、本発明はこれに限ったものではなく、パッキン6は、計測ユニット4の底板41に設けられていても良い。これによれば、計測流路部3の平坦部35と計測ユニット4の重なり部41aとの互いに対向する面間が塞がれる。または、パッキン6が、計測流路部3の平坦部35と計測ユニット4の重なり部41aとの互いに対向する面間と、メータボディ2のパッキン当接部20と計測ユニット4のパッキン貼付部46との互いに対向する面間と、の両方に設けられていても良い。
【0048】
また、パッキン6は、計測ユニット4のパッキン貼付部46に貼り付けられているが、本発明はこれに限ったものではなく、パッキン6は、メータボディ2のパッキン当接部20に設けられていてもよく、計測流路部3の平坦部35に設けられていても良い。
【0049】
また、上述した実施形態では、パッキン6は、計測ユニット4の天板42の全幅を覆う寸法に形成されているが、本発明はこれに限ったものではなく、パッキン6は、計測ユニット4の天板42における幅方向の一部に設けられるように線状に形成されていてもよい。また、パッキン6が線状に形成された場合には、計測ユニット4の天板42における幅方向(矢印X方向)に間隔をあけて、パッキン6を2つ以上設けても良い。
【0050】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 ガスメータ
2 メータボディ
3 計測流路部
4 計測ユニット
4b 測定窓
6 パッキン(弾性気密部材)
22 入口流路部
22a ガス流入口
23 出口流路部
23a ガス流出口
25 連通部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流入口を有する筒状の入口流路部、ガス流出口を有する筒状の出口流路部、及び前記入口流路部及び前記出口流路部を連通する連通部を有するメータボディと、
前記入口流路部及び前記出口流路部側に開口した受け皿状に形成されるとともに、前記連通部内に収容される計測流路部と、
該計測流路部内に収容されて、該計測流路部内を流れるガスの流量を計測する筒状の計測ユニットと、を備え、
該計測ユニットには、ガスが流れる方向に交差しかつ互いに対向する位置に一対の測定窓が設けられ、
前記計測ユニットと前記メータボディとの間及び、前記計測ユニットと前記計測流路部との間のうち、少なくともいずれか一方において互いに対向する面間には、前記一対の測定窓を結ぶ経路を塞ぐ弾性気密部材が設けられていることを特徴とするガスメータ。
【請求項2】
前記計測ユニットは、本体部と、前記測定窓を有するプレート部材と、を備え、
前記本体部には、前記プレート部材が取り付けられる開口が形成されていることを特徴とする請求項1記載のガスメータ。
【請求項3】
筒状の前記計測ユニットの軸方向に交差するように前記計測ユニットの外周に巻き付けられた弾性のリング部材が設けられ、該リング部材によって、前記計測ユニットが、前記計測流路部と前記メータボディとに密接され、前記リング部材は、前記一対の測定窓を互いの間に位置付ける位置に一対設けられ、
前記弾性気密部材は、前記一対のリング部材の内側で、かつ、ガスが流れる方向の上流側の前記測定窓よりも上流から、下流側の前記測定窓よりも下流に亘って設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のガスメータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−113791(P2013−113791A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262390(P2011−262390)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(501418498)矢崎エナジーシステム株式会社 (79)
【Fターム(参考)】