説明

ガスリ−クディテクタ−

【課題】吸気ポンプとガス検知センサを小形化し、これらを一体的に構成して、小形軽量化と操作の簡便化を図るとともに、吸引ガスを導入するセル内容量をコンパクト化し、ガス検知センサに正確かつ速やかに感応させてガス漏れ検知感度を向上し、しかも吸気ポンプの脈動を低減して安定した検知作動を得られ、これを安価に製作できるガスリ−クディテクタ−を提供する。
【解決手段】被検体から漏洩するサンプルガスと測定基準のリファレンスガスとを吸引する吸気ポンプ40、吸引ガスの熱伝導率に基づく電気抵抗値の変化を測定可能な熱伝導型のガス検知センサ30、31、吸引ガスを導入可能なセル28を内部に備えたセルブロック21を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばガスクロマトグラフ(以下、GCと呼ぶ)のキャリアガスの漏洩を検出するガスリ−クディテクタ−に好適で、吸気ポンプとガス検知センサを小形化し、これらを一体的に構成して、小形軽量化と操作の簡便化を図るとともに、吸引ガスを導入するセル内容量をコンパクト化し、ガス検知センサに正確かつ速やかに感応させてガス漏れ検知感度を向上し、しかも吸気ポンプの脈動を低減して安定した検知作動を得られ、これを安価に製作できるガスリ−クディテクタ−に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にGCは、ヘリウムガス等のキャリアガスの管路に試料導入部と分離カラムを接続し、試料導入部で注入した試料をキャリアガスによって分離カラムへ送り込み、分離カラムで試料成分を分離し、分離した試料成分を検出器で検出するようにしている。
その際、キャリアガスの供給管路から検出器に至る流路で、キャリアガスに漏れがあると分析精度に悪影響を及ぼし、また漏れ箇所から前記流路に空気が混入すると、分離カラムの劣化を早めるため、キャリアガスの漏れ検査は随時行なう必要があり、この漏れ検査にガスリ−クディテクタ−が使用されている。
【0003】
前記ガスリ−クディテクタ−として、サンプルガスであるプロ−ブガスとリファレンスガスの吸込部と、各吸込部に連通する配管と、前記ガスを吸引するポンプと、前記ガスを検知する気体熱伝導式ガスセンサとが配置され、前記ガスセンサとして白金コイルをブリッジ回路に構成し、リ−クガスの測定時は、空気等のリファレンスガスとプロ−ブガスを吸引し、これらのガスを前記センサに感応させ、前記気体の熱伝導率の差によるセンサの温度変化をセンサの電気抵抗値の変化として、ブリッジ回路で電気的に検出するようにしたものがある(例えば、特許文献1および2参照)。
【0004】
しかし、前記ガスリ−クディテクタ−は、センサ素子として白金コイルを用いているため、該コイルを収容するセル内容量が大きく、セルブロックが大形重量化するとともに、前記ポンプは大形で吸引量が大きいため、検知感度の向上に限界があり、また脈動が大きくノイズが大きいために検知作動が安定しない上に、ポンプとセンサを収容するセルを分離して配置しているため、装置が大形重量化する等の問題があった。
【0005】
このような問題の解決手段として、センサの小形化があり、これにはシリコンマイクロマシニング技術を駆使し、数10μm角程度の微小領域の加熱を可能にしたマイクロヒ−タからなるチップセンサが提案され、これをガスセンサとして利用可能にしたものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
また、前記問題の解決手段として、ポンプの小形化と吸引量の低下および作動の安定化があり、これに応ずるものとして直流モ−タによってダイヤフラムを振動し、そのポンピング作用によって、サンプルガスとリファレンスガスを吸引するようにしたガスリ−クディテクタ−がある。
【0007】
しかし、前記ポンプは依然として大形で吸引量が大きいため、検知感度の向上に限界があり、また脈動が大きくノイズが大きくなって、検知作動が安定しない上に、前記ポンプとセルを分離して配置しているため、それらの配置スペ−スを要して装置が大形重量化し、更に検知の始まりと終わり部分でティリングを起こし、検知時間や繰り返しの待ち時間が長く掛かる等の問題があった。
【0008】
このようなポンプの問題を解決するものとして、ダイヤフラムの一側に圧電素子を配置し、該圧電素子に発振回路等の駆動装置を接続し、該駆動装置を駆動し一定周波数のパルス電圧を圧電素子に印加し、ダイヤフラムを共振駆動させるとともに、ダイヤフラムと仕切板との間にポンピング作用可能なブロア室を設け、該ブロア室に二つの流路を連通し、前記流路から各流体を給排するようにした微小な圧電マイクロブロアないし圧電ダイヤフラムポンプが提案されている(例えば、特許文献4および5参照)。
【0009】
しかし、前記マイクロヒ−タや圧電マイクロブロアによって、センサやポンプの小形軽量化、吸引ガス量の低下とセル内容量の低下は図れるが、これらを相互に連係させなければ所期の成果を得ることは難しい。
例えば前記センサを小形化しポンプの吸引量を低下させても、ガスを導入するセル内容量が相対的に大きすぎると、前記ガスがセル内で拡散して濃度が下がり、所定の検知感度を得られなくなり、また検知の応答時間が長くなる等の問題がある。
【0010】
一方、GC内のカラムの下流側に配置され、カラムで分離されたサンプルガスの成分を熱伝導率により検出する検出器として、微小厚のシ−ト体に左右一対の異形の打ち抜き孔を設け、該シ−ト体の両側に板状の検出器ボディを配置し、これらをビス止めして連結し、この一方の検出器ボディに、前記打ち抜き孔に連通するガス流入孔とガス流出孔を両側に配置し、その中間位置にディテクタ取付孔を配置し、該取付孔に微小チップセンサを収容し、一方のガス流入孔に分離カラムから送り出されたサンプルガスを導入し、他方のガス流入孔にリファレンスガスとしてキャリアガスを導入し、これらのガスを各チップセンサに導いて各ガス成分の熱伝導率を測定し、かつ比較して各ガス成分と濃度を検出後、各ガスをガス流出孔から排出するようにしたものがある(例えば、特許文献6参照)。
【0011】
しかし、前記検出器は、各ガスの通路となる異形の一対の打ち抜き孔を離間して形成し
たシ−ト体を要し、各打ち抜き孔にガス流出孔を設けるとともに、その中間部に大径のデ
ィテクタ取付孔を設けているため、微小かつ均一した打ち抜き孔を得難く、シ−ト体ないし検出器ボディの構成が複雑かつ大形化し、また打ち抜き孔の容量ないしそのデッドボリュ−ムが大きくなって導入ガス成分が拡散し、チップセンサによる感知精度が低下して、所期の感知感度と検出精度を得られないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平9−292302号公報
【特許文献2】実用新案登録第3127573号公報
【特許文献3】特開2000−258376号公報
【特許文献4】特開2009−97393号公報
【特許文献5】特開2005−307858号公報
【特許文献6】実開平3−60060号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明はこのような問題を解決し、例えばGCのキャリアガスの漏洩を検出するガスリ−クディテクタ−に好適で、吸気ポンプとガス検知センサを小形化し、これらを一体的に構成して、小形軽量化と操作の簡便化を図るとともに、吸引ガスを導入するセル内容量をコンパクト化し、ガス検知センサに正確かつ速やかに感応させてガス漏れ検知感度を向上し、しかも吸気ポンプの脈動を低減して安定した検知作動を得られ、これを安価に製作できるガスリ−クディテクタ−を提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明は、被検体から漏洩するサンプルガスと測定基準のリファレンスガスとを吸引する吸気ポンプと、前記吸引ガスの熱伝導率に基づく電気抵抗値の変化を測定可能な熱伝導型のガス検知センサと、前記吸引ガスを導入可能なセルを内部に備えたセルブロックとを備え、前記セルに吸引ガス導入路とガス排出路を開口し、前記ガス検知センサの出力を介して漏洩ガスを検出可能にしたガスリ−クディテクタ−において、前記セルは二つの吸引ガスを導入可能とした単一の空間であり、該セルの相対する一方の対向面側に二つの吸引ガス導入路と単一のガス排出路をそれぞれ開口し、該ガス排出路の開口部を前記二つの吸引ガス導入路の開口部の間に配置するとともに、二つの前記ガス検知センサをセルの他方の対向面側と同一平面上で、かつ各吸引ガス導入路の開口部とガス排出路の開口部との間に配置し、前記セルブロックにガス排出路の開口部に連通する吸気ポンプを配置し、単一のセルに二つの吸引ガス導入路と単一のガス排出部を配置し、セルの構造を簡潔化し製作の容易化を図るとともに、セルの小形化とセル内容量ないしそのデッドボリュ−ムの低減を図り、セル内での吸引ガスの拡散を防止して測定感度の向上を図るとともに、ガス検知センサを収容したセルブロックと吸気ポンプを一体的に構成し、吸気ポンプとセルを分離して配置した従来のものに比べて、小形軽量化を図るようにしている。
【0015】
請求項2の発明は、セルブロックの内部に互いに連通する切欠溝と凹溝を形成し、前記切欠溝に係合可能なセンサ−基板にセンサーチップを接続し、該センサーチップを前記凹溝に収容し、該センサーチップと前記凹溝との間に前記セルを区画形成し、特別な加工を要することなく組立ての過程で、微小なセルを均一かつ容易に製作するようにしている。
請求項3の発明は、前記セルを平面視矩形に形成し、従来の異形のセルに比べて容易かつ安価に製作し得るようにしている。
請求項4の発明は、セル内の二つの吸引ガス導入路の開口部を、前記ガス排出路の開口部から等距離位置に配置し、セルの構成を簡潔にし、これを容易に製作し得るとともに、吸引ガス導入路からガス排出路への吸引ガスの移動の一様化と安定化を図るようにしている。
請求項5の発明は、二つの吸引ガス導入路の開口部から、前記ガス検知センサないしガス排出路の開口部へ各ガスを移動可能にし、合流した二つの吸引ガスをガス排出路で吸引することによって、前記吸引ガスの移動を確実かつ安定して行なうようにしている。
【0016】
請求項6の発明は、二つのガス検知センサを前記吸引ガス導入路の開口部とガス排出路の開口部との間に、該二つの吸引ガス導入路の開口部から各々等距離位置に配置し、二つの吸引ガスの移動速度の遅速による混入を防止し、各ガスの検知を正確かつ安定して行なうとともに、ガス検知センサによる移動ガスの感応精度を安定かつ一様化し、吸引ガスの検知を正確に行なうようにしている。
請求項7の発明は、二つの吸引ガス導入路の開口部と二つのガス検知センサとガス排出路の開口部とを平面視V字形に配置し、それらを整然と配置してセルスペ−スの合理的な利用と製作の容易化を図るようにしている。
【0017】
請求項8の発明は、二つの吸引ガス導入路の開口部に連通する二つの通孔と、前記ガス排出路の開口部に連通する通孔と、各通孔に連通するセル通路を形成したセルシ−トを設け、該セルシ−トを前記セルに気密に配置し、セルシ−トによってセルの構成を合理化し、これを容易かつ安価に製作するとともに、セル内容量ないしデッドボリュ−ムの低減を図り、セル内での吸引ガスの拡散を防止して測定感度の向上を図るようにしている。
請求項9の発明は、吸引ガス導入路の開口部に連通する前記セルシ−トの二つの通孔を、前記ガス排出路の開口部に連通する通孔を中心に対称位置に配置し、セルシートの構成を簡潔化し、これを容易に製作し得るとともに、二つの通孔からガス排出路に連通する通孔への吸引ガスの移動の一様化と安定化を図るようにしている。
【0018】
請求項10の発明は、セル通路を平面視V字形に形成し、セル通路のコンパクト化を図
るとともに、吸引ガス導入路に連通する二つの通孔とガス排出路に連通する通孔とを、セル通路に沿って合理的かつ整然と配置するようにしている。
請求項11の発明は、吸引ガス導入路の開口部に連通する前記セルシ−トの二つの通孔と、前記ガス排出路の開口部に連通する通孔との間のセル通路に臨ませて、二つのガス検知センサを配置し、これらのガス検知センサを吸引ガス導入路からガス排出路へ移動する吸引ガスの移動路に配置して、ガス検知センサによるガス検知を合理的かつ確実に行なうようにしている。
【0019】
請求項12の発明は、ガス検知センサをマイクロヒ−タで構成し、従来のフィラメントやサ−ミスタに比べ、ガス検知センサの小形化と量産化を図るようにしている。
請求項13の発明は、吸気ポンプを圧電ダイヤフラム駆動形のマイクロポンプで構成し、該ダイヤフラムを高周波振動可能にし、吸気ポンプの小形化を図るとともに、脈動によるノイズの影響を低減し、安定した作動を実現して測定感度の向上を図るようにしている
請求項14の発明は、ガス検知センサに対する印加電流を増減可能にし、ガス検知センサによる検知感度を可変にして、多様な測定に応じられるようにしている。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明は、セルは二つの吸引ガスを導入可能とした単一の空間であり、該セルの相対する一方の対向面側に二つの吸引ガス導入路と単一のガス排出路をそれぞれ開口し、該ガス排出路の開口部を前記二つの吸引ガス導入路の開口部の間に配置するとともに、二つの前記ガス検知センサをセルの他方の対向面側と同一平面上で、かつ各吸引ガス導入路の開口部とガス排出路の開口部との間に配置し、前記セルブロックにガス排出路の開口部に連通する吸気ポンプを配置し、単一のセルに二つの吸引ガス導入路と単一のガス排出部を配置したから、セルの構造を簡潔化し製作の容易化を図るとともに、セルの小形化とセル内容量ないしそのデッドボリュ−ムの低減を図り、セル内での吸引ガスの拡散を防止して測定感度の向上を図るとともに、ガス検知センサを収容したセルブロックと吸気ポンプを一体的に構成し、吸気ポンプとセルを分離して配置した従来のものに比べて、小形軽量化を図ることができる。
【0021】
請求項2の発明は、セルブロックの内部に互いに連通する切欠溝と凹溝を形成し、前記切欠溝に係合可能なセンサ−基板にセンサーチップを接続し、該センサーチップを前記凹溝に収容し、該センサーチップと前記凹溝との間に前記セルを区画形成したから、特別な加工を要することなく組立ての過程で、微小なセルを均一かつ容易に製作することができる。
請求項3の発明は、セルを平面視矩形に形成したから、従来の異形のセルに比べて容易かつ安価に製作することができる。
請求項4の発明は、セル内の二つの吸引ガス導入路の開口部を、前記ガス排出路の開口部から等距離位置に配置したから、セルの構成を簡潔にし、これを容易に製作し得るとともに、吸引ガス導入路からガス排出路への吸引ガスの移動の一様化と安定化を図ることができる。
請求項5の発明は、二つの吸引ガス導入路の開口部から、前記ガス検知センサないしガ
ス排出路の開口部へ各ガスを移動可能にしたから、合流した二つの吸引ガスをガス排出路で吸引することによって、吸引ガスの移動を確実かつ安定して行なうことができる。
【0022】
請求項6の発明は、二つのガス検知センサを前記吸引ガス導入路の開口部とガス排出路の開口部との間に、該二つの吸引ガス導入路の開口部から各々等距離位置に配置したから、二つの吸引ガスの移動速度の遅速による混入を防止し、各ガスの検知を正確かつ安定して行なえるとともに、ガス検知センサによる移動ガスの感応精度を安定かつ一様化し、吸引ガスの検知を正確に行なうことができる。
請求項7の発明は、二つの吸引ガス導入路の開口部と二つのガス検知センサとガス排出路の開口部とを平面視V字形に配置したから、それらを整然と配置してセルスペ−スの合理的な利用と製作の容易化を図ることができる。
【0023】
請求項8の発明は、二つの吸引ガス導入路の開口部に連通する二つの通孔と、前記ガス排出路の開口部に連通する通孔と、各通孔に連通するセル通路を形成したセルシ−トを設け、該セルシ−トを前記セルに気密に配置したから、セルシ−トによってセルの構成を合理化し、これを容易かつ安価に製作するとともに、セル内容量ないしデッドボリュ−ムの低減を図り、セル内での吸引ガスの拡散を防止して測定感度の向上を図ることができる。
請求項9の発明は、吸引ガス導入路の開口部に連通する前記セルシ−トの二つの通孔を、前記ガス排出路の開口部に連通する通孔を中心に対称位置に配置したから、セルシートの構成を簡潔化し、これを容易に製作し得るとともに、二つの通孔からガス排出路に連通する通孔への吸引ガスの移動の一様化と安定化を図ることができる。
【0024】
請求項10の発明は、セル通路を平面視V字形に形成したから、セル通路のコンパクト化を図るとともに、吸引ガス導入路に連通する二つの通孔とガス排出路に連通する通孔とを、セル通路に沿って合理的かつ整然と配置することができる。
請求項11の発明は、吸引ガス導入路の開口部に連通する前記セルシ−トの二つの通孔と、前記ガス排出路の開口部に連通する通孔との間のセル通路に臨ませて、二つのガス検知センサを配置したから、これらのガス検知センサを吸引ガス導入路からガス排出路へ移動する吸引ガスの移動路に配置して、ガス検知センサによるガス検知を合理的かつ確実に行なうことができる。
【0025】
請求項12の発明は、ガス検知センサをマイクロヒ−タで構成したから、従来のフィラメントやサ−ミスタに比べ、ガス検知センサの小形化と量産化を図ることができる。
請求項13の発明は、吸気ポンプを圧電ダイヤフラム駆動形のマイクロポンプで構成し、該ダイヤフラムを高周波振動可能にしたから、吸気ポンプの小形化を図るとともに、脈動によるノイズの影響を低減し、安定した作動を実現して測定感度の向上を図ることができる。
請求項14の発明は、ガス検知センサに対する印加電流を増減可能にしたから、ガス検知センサによる検知感度を可変にして、多様な測定に応じられる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に適用したガスリ−クディテクタ−を示す斜視図である。
【図2】本発明の主要部を分解して示す斜視図である。
【図3】本発明に適用したセルブロックを示す断面図である。
【図4】本発明に適用したセルブロックの下部を拡大して示す断面図で、センサ−基板とセンサ−チップとの組み付け状況を示している。
【図5】図4のA―A線に沿う拡大断面図である。
【0027】
【図6】本発明に適用したセルブロックと吸気ポンプとの組み付け状況を示す断面図で、吸気ポンプの駆動前の状態を示している。
【図7】本発明に適用した吸気ポンプの駆動状態を示す断面図で、ダイヤフラムの下方湾曲変位時の状況を示している。
【図8】本発明に適用した吸気ポンプの駆動状態を示す断面図で、ダイヤフラムの上方湾曲変位時の状況を示している。
【0028】
【図9】本発明の他の実施形態の要部を拡大して示す断面図である。
【図10】図9のB―B線に沿う断面図である。
【図11】前記他の実施形態に適用したセルシ−トを拡大して示す平面図である。
【図12】図11のC―C線に沿う拡大断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明をGCのキャリアガス、実施形態ではヘリウムガス(He)のガスリ−クディテクタ−に適用した図示の実施形態について説明すると、図1乃至図8において1は縦長矩形の略箱形に形成された携帯可能な検知器本体で、合成樹脂製の本体ケース2と本体カバ−3の接合縁2a,3aを嵌合し、これらをビス止めして箱形に組立てている。
実施形態の検知器本体1は、縦100mm、幅50mm、厚さ20mm、重さ約105gに構成され、携帯電話機と略同形に形成されている。
【0030】
前記本体ケース2の接合縁2aの一側に、空気等のリファレンスガスを吸入可能な吸入管4と、後述のサンプルガス導入管を挿入可能な挿入管5とが近接して一体に成形され、該吸入管4と挿入管5の一端が外側に開口され、吸入管4の吸入口4aからリファレンスガスである空気を吸入可能にしている。
前記挿入管5の開口部5aに接続管6の一端が挿入され、その他端が外側に突出されていて、該突出端部に長尺の吸引管7の一端が接続されている。前記吸引管7の他端に接続管8が接続され、該接続管8にフィルター(図示略)を介して管状のサンプルプロ−ブ9が接続され、該プロ−ブ9の端部の吸入口9aからサンプルガスを吸引可能にしている。
【0031】
前記吸入管4と挿入管5の他端は前記接合縁2aの内側に突設され、このうち吸入管4の内部にフィルター(図示略)が取付けられ、その先端が小径に形成されていて、該小径部に連通管10の一端が接続され、その他端が後述するセルブロックに接続されている。
また、前記挿入管5の他端に接続管6の他端が挿入され、該管6の突出端部に連通管11の一端が接続され、その他端が後述するセルブロックに接続されている。
【0032】
実施形態の連通管10,11は、外径0.6mm、内径0.33mmのPTFE(テフロン(登録商標))チュ−ブを用い、その長さは100mm前後で、その容量を約8.5μLに抑え、吸引ガスが後述するセルへ移動するまでの拡散の影響を防止している。
【0033】
図中、12は本体ケース2の底面の凹部(図示略)に収容する矩形板状のバッテリで、該バッテリ12の下側にバッテリカバ−13をスライドして装着し、該カバ−13を本体ケース2の下面にビス止めしている。
14は前記接合縁2aの一側に形成した複数の排気口で、後述するポンプの吐出ガスを外部に排出可能にしており、15は本体ケース2の底面に突設した複数の係止ピンで、該係止ピン15に複数の切欠部16を係入して基板17を支持している。
【0034】
前記基板17は縦長矩形の絶縁板で構成され、その所定位置に配線パタ−ン(図示略)が印刷され、該配線パタ−ン上に矩形のLCD(液晶ディスプレ−)表示器18が配置され、所定の文字または図形を表示可能にしている。
図中、19はLCD表示器18の両側に配置した複数の照明であるLEDで、後述する表示部のバックライトに用いている。
【0035】
前記LCD表示器18と反対側の基板17に大きな切欠部20が形成され、該切欠部20に臨ませてセルブロック21が本体ケース2の底面にビス止めされ、その上面を前記基板17の上面と略同高面に配置している。
【0036】
前記セルブロック21は、堅牢な合成樹脂であるエンジニアリングプラスティックまたはポリカ−ボネ−トによって略箱形に成形され、該セルブロック21の下面に平面矩形の切欠溝22が形成され、該切欠溝22にセンサ基板23が収容されている。
前記センサ基板23は矩形の絶縁板で構成され、その片側に二つのビス孔24が形成され、該ビス孔24に下方からビス25が挿入され、該ビス25をセルブロック21内に設けた後述のネジ孔にねじ込んで、センサ基板23を固定している。
【0037】
前記センサ基板23の片側にセンサ−チップ26が突設され、該センサ−チップ26の上面は平滑かつ平坦面に形成され、該センサ−チップ26を切欠溝22の上面に形成した平面矩形の凹溝27に収容している。
前記センサ−チップ26と凹溝27との間に微小な直方体状の空間であるセル28が形成され、該セル28に微量のサンプルガスとリファレンスガスを導入し、それらのガスを後述するガス検知センサで検知後、後述のポンプへ送出可能にしている。
実施形態のセル28は、センサ−チップ26を凹溝27に挿入することによって容易に形成され、その高さ幅は0.05〜0.15mmの微小空間で、その平面形状は図5のようセンサ−チップ26と同形の矩形に形成され、そのセル内容量を0.05〜0.5μLの空室に構成している。
【0038】
実施形態のセル28のセル内容量は従来の1/600に形成され、前記ポンプによるガス吸引量の微量化と、これに対応してセル内容量を微量化し、これらを整合ないし調整して最適化することによって、サンプルガスとリファレンスガスの吸引量を低下し、それらのガス濃度を同等に維持して、セル28における拡散を防止し、検知感度を向上するようにしている。
【0039】
前記センサ基板23の内部に、前記バッテリ−12に給電されて前記センサの作動を制御可能な定電流回路基板(図示略)が設けられ、該基板による定電流制御によって、従来の定電圧制御に比べて省電力化を図り、電源電圧の低下による変動を防止可能にしている
前記センサ基板23の他側端部に接続端子(図示略)が配置され、該接続端子がリ−ド線(図示略)を介して前記定電流回路基板に接続されている。
【0040】
前記センサ−チップ26は矩形の絶縁板で構成され、その中間部にマイクロヒ−タからなる微小なガス検知センサ30,31が離間して埋め込まれ、それらの上面をセンサ−チップ26の上面と同高の平坦面に形成している。
実施形態ではガス検知センサ30,31をセル28の他方の対向面側である下部側面で、ガス導入路32,33の送出口とガス排出路34との線上の中間位置に配置し、その位置をガス排出路34を中心に対称に配置している。この状況は図5のようである。
【0041】
前記ガス検知センサ30,31は、マイクロマシニング技術で加工した中空支持構造の微小構造体であるマイクロブリッジを備え、該マイクロブリッジ内に加熱部を設け、該加熱部を被測定対象である前記導入ガスに感応させて、電気抵抗等の電気特性を変化可能にしている。
【0042】
前記ガス検知センサ30,31は、ホイ−トストンブリッジ回路に接続され、前記センサ30,31の周囲に存在する二つのガス成分が変化することによって、前記ガスの熱伝導度が変化し前記センサ30,31が温度変化して、その温度変化を電気抵抗値の変化として前記ブリッジ回路から電気信号として出力可能にし、サンプルガスの混入量、つまりリ−ク量を定量的に検出可能にしている。
前記ガス検知センサ30,31は、前記定電流回路基板を介して印加電流を選択可能にされ、印加電流を増加することによって、検知感度を従来と同等の標準感度と、従来の約20倍の高感度とに切換え可能にしている。
実施形態の標準感度は、最小0.01mL/minのヘリウムガスを検出可能にされ、高感度では最小0.0005mL/minのヘリウムガスを検出可能にされている。
【0043】
前記セルブロック21の内部に微小なガス導入路32,33が略水平に形成され、その送出口をセル28の相対する一方の対向面側、実施形態では上部面側の両側に離間して開口し、該ガス導入路32に吸引したリファレンスガスをセル28に導入可能にしている。
実施形態ではガス導入路32,33の口径を、前記連通管10,11の内径と同径の0.33mmに形成し、後述する吸気ポンプの吸引能力の範囲で、可及的に小径に形成し、前記最適化に対応している。
【0044】
この場合、実施形態ではガス導入路32,33をセルブロック21内において、図4および図5のように一直線上または同一平面上に配置しているが、これに限らずガス導入路32,33をそれぞれ斜状に配置し、または異なった平面上に配置することも可能である
【0045】
一方、前記セルブロック21の厚さ方向にガス排出路34が形成され、該排出路34の始端部をセル28の前記一方の対向面側の中間位置に開口し、終端部を後述の吸気ポンプの吸入側に連通していて、セル28に導入されたガスを前記ポンプ側へ排出可能にしている。
【0046】
前記ガス導入路32,33の送出口と、ガス排出路34の始端部の配置状況は図5のようで、ガス導入路32,33の送出口がガス排出路34の始端部を中心に線対称位置に配置され、各ガス導入路32,33の送出口とガス排出路34の始端部との中間位置に、前記センサ30,31が配置され、これらのセンサ30,31がガス排出路34の始端部を中心に線対称位置に配置されている。
【0047】
この場合、ガス検知センサ30,31とガス導入路32,33の送出口との距離は、導入ガスの流量と移動速度、前記センサ30,31の検知速度とガス排出路34の吸入速度によって、センサ30,31で十分に導入ガスを検知可能な距離に設定されている。
【0048】
なお、実施形態ではガス導入路32,33の送出口とガス排出路34の始端部、ガス検知センサ30,31とをセル28上で略V字形状に配置しているが、この例に限らず、例えば、ガス導入路32,33の送出口とガス排出路34とを一直線上に配置し、その線上にセンサ30,31を配置することも可能である。
図中、35,36はセルブロック21の側面に突設した接続管で、その外端部に前記連通管10,11を接続し、内端部を前記ガス導入路32,33に連通している。
【0049】
前記セルブロック21の上面に略矩形の大形の凹部37が形成され、該凹部37の底面に円形の凹孔38が形成され、該凹孔38の底面の中央に前記ガス排出路34が開口され、該開口部の両側に前記ビス25をねじ込み可能なネジ孔39が形成されている。
前記凹部37に小形かつ低流量で高周波作動可能な吸気ポンプ40が収容され、該ポンプ40は扁平な箱形に形成され、その四隅に設けたビス孔41にビス42を挿入し、これを前記凹部37の底部に形成したネジ孔(図示略)にねじ込んで固定されている。
【0050】
実施形態の吸気ポンプ40は、圧電ダイヤフラムポンプが使用され、圧電素子によってダイヤフラムを高周波振動させ、ポンプ室をポンピング作用させて、リファレンスガスとサンプルガスを給排し、そのガスの吸引量は従来の約1/10の3.5±0.5mL/minに設定されている。
【0051】
前記圧電ダイヤフラムポンプは基枠43と、該基枠43に支持したダイヤフラムユニット44と、該ダイヤフラムユニット44上に配置したポンプ本体45とで構成されている
このうち、基枠43は前記凹孔38より大形の矩形板で構成され、その内側に大径の中空室46が形成され、該中空室46を凹孔38の直上に連通可能に配置している。
図中、47は基枠43の内部に形成した一対の貫通孔で、前記凹孔38に連通可能に配置されている。
【0052】
前記ダイヤフラムユニット44は、薄厚の金属製のダイヤフラム48と、該ダイヤフラム48の中央部の下面に接着した円形の中間板49と、該中間板49の下面に接着した円板状の圧電素子50とで構成され、該圧電素子50は圧電セラミックス若しくはPZT系材料で構成されている。
【0053】
前記ダイヤフラム48は基枠43上に配置され、中間板49と圧電素子50とは中空室46に変位可能に配置され、圧電素子50には発振回路基板を備えた高周波駆動装置51が接続されていて、該高周波駆動装置51を介して圧電素子50を平面方向に伸縮させ、伸縮しないダイヤフラム48と中間板49とを板厚方向に高周波で振動可能にしている。
図中、52はダイヤフラム48の両端部に形成した一対の通孔で、前記貫通孔47に連通可能に配置されている。
【0054】
前記ポンプ本体45は、内側に大径の通孔53を形成した隔板54と、中央に連通孔55を形成した仕切板56と、内側に直線状の流路57を形成した流路形成板58と、中央に吐出口59を形成したカバ−プレ−ト60とで構成されている。
【0055】
前記隔板54はダイヤフラム48上に配置され、その両端部に前記通孔52と連通可能な一対の通孔61が形成され、前記仕切板56は隔板54上に配置され、該仕切板56とダイヤフラム48と隔板54とでポンプ室62を形成している。
【0056】
前記ポンプ室62は、ダイヤフラム48の高周波振動によって容積を増減変動し、そのポンピング作用によってガス導入路32,33にリファレンスガスとサンプルガスを吸入し、また吐出口59から導入ガスを排出可能にしている。
前記仕切板56の両端部に、前記通孔61と連通可能な一対の透孔63が形成され、前記流路57が前記連通孔55と吐出口59に連通している。
【0057】
前記セルブロック21の上端面に複数のネジ孔(図示略)が設けられ、この上端面に内側を刳り抜いた五角形のシ−ルパッキン64を配置し、該シ−ルパッキン64上に五角形のセルブロックカバ−65を配置している。
前記シ−ルパッキン64とセルブロックカバ−65の四隅にビス孔(図示略)が形成され、これらのビス孔にセルブロックカバ−65の外側からビス(図示略)を挿入し、これを前記ネジ孔にねじ込んで、セルブロック21の上部を閉塞している。図中、66はセルブロックカバ−65の中央に形成した排気孔で、前記吐出口59に連通している。
【0058】
前記本体カバ−3の一側に透明な横長矩形の表示部67が設けられ、該表示部67は前記LCD表示器18の直上に配置され、該表示器18による表示を視認可能にしている。
前記表示部67の両側に黒色等の半透明のマスク部68が設けられ、該マスク部68は前記LED19の直上に配置され、常時はLED19を隠蔽し、測定環境が暗い箇所でのLED19の点灯時、LED19の輝度を抑制し、表示部67のバックライトとして機能させている。
前記表示部67とマスク部68は横長矩形の合成樹脂板で構成され、該合成樹脂板を本体カバ−3の一側の開口部周縁に融着し、それらの表面を同高に構成している。
【0059】
前記本体カバ−3の中間部に略三角形の薄肉のシ−ト状部(図示略)が設けられ、該シ−ト状部の表面にフィルム状のシ−ル69が粘着され、該シ−ル69にシ−ト状の二つの操作スイッチ70,71が押圧可能に設けられている。
前記操作スイッチ70,71の直下に二つ接点(図示略)が設けられ、該接点がバッテリ−12、LCD表示器18、LED19、ガス検知センサ30,31の定電流回路基板、等に電気的に導通可能に設けられている。
【0060】
このうち、操作スイッチ70はバッテリ−12のON・OFFと、各種機能の設定、例えば測定精度の高感度若しくは標準感度、ガス漏れ検知時における表示部67での漏れマ−ク若しくは濃度の数値表示、またはガス漏れ量ないし濃度が一定以上の場合は、ブザ−による警告等を選択かつ設定可能にされている。
また、操作スイッチ71は、測定前のウォ−ミングアップ時における表示部67でのゼロ点表示と、前記機能設定時における選択の確定キ−として機能させている。
図中、72はUSBケーブル接続部で、パ−ソナルコンピュ−タ(図示略)へのUSBケーブル接続と充電を可能にしている。
【0061】
このように構成した本発明のガスリ−クディテクタ−は、主要部である検知器本体1を大別すると、本体ケース2と本体カバ−3、基板17とセルブロック21、センサ−チップ26と吸気ポンプ40とで構成している。
このうち、本体ケース2を縦長矩形の略皿状に樹脂成形し、その周囲に接合縁2aを突設し、該接合縁2aの上部に吸入管4と挿入管5を一体成形し、その吸引口4aと挿入口を外部に開口し、接合縁2aの側部に複数の排気口14を形成する。
また、本体ケース2の下面に凹部(図示略)を成形し、これにバッテリカバ−13を装着し、ビス止め可能にする。
【0062】
前記本体カバ−3を本体ケース2と同形の縦長矩形の略皿状樹脂成形し、その周囲に前記接合縁2aと嵌合可能な接合縁3aを突設する。また、本体カバ−3の上部に横長矩形の表示窓を形成し、その口縁部に透明な表示部67と黒色のマスク部68を両側に配置した横長矩形の樹脂板を融着する。
【0063】
前記本体カバ−3の中間部に略三角形の薄肉のシ−ト状部を設け、該シ−ト状部に二つのシ−ト状の操作スイッチ70,71を表示したシ−ル69を粘着し、前記操作スイッチ70,71の直下に二つ接点(図示略)を設け、該接点をバッテリ−12、LCD表示器18、LED19、センサ30,31の定電流回路基板、等に電気的に接続する。
【0064】
前記基板17を縦長矩形の絶縁板で構成し、その所定位置に配線パタ−ン(図示略)を印刷し、該配線パタ−ン上に矩形のLCD表示器18を配置し、該表示器18の両側に複数のLED19を配置するとともに、前記LCD表示器18と反対側の基板17に大形の切欠部20を形成する。
【0065】
前記セルブロック21を略箱形に樹脂成形し、その底部に切欠溝22と凹溝27を連通して成形し、セルブロック21の内部に小径のガス導入路32,33を成形し、それらの送出口を凹溝27の上面の両端部に開口する。
また、セルブロック21の上面に大形の凹部37を成形し、該凹部37の底面に円形の凹孔38を成形し、該凹孔38の中心にガス導入路32,33と同径のガス排出路34を垂直に成形し、その両側に一対のネジ孔39を形成する。
【0066】
そして、前記ガス排出路34の一端を前記凹溝27の上面で、ガス導入路32,33と反対側の中間位置に開口し、該ガス排出路34を中心にガス導入路32,33を凹溝27の上面に対称位置に配置する。実施形態ではガス導入路32,33とガス排出路34を、ガス排出路34を中心にV字形に配置している。この状況は図5のようである。
【0067】
また、前記センサ−チップ26を矩形の絶縁板で構成し、その中間部にマイクロヒ−タからなる微小なガス検知センサ30,31を離間して埋め込み、それらの上面をセンサ−チップ26の上面と同高の平坦面に配置する。
実施形態のガス検知センサ30,31は、ガス導入路32,33とガス排出路34との線上の中間位置に配置し、その位置をガス排出路34を中心に対称に配置している。
【0068】
前記ガス検知センサ30,31は、中空支持構造の微小構造体であるマイクロブリッジを備え、該マイクロブリッジ内に加熱部を設け、該加熱部を被測定対象である前記導入ガスに感応させて、電気抵抗等の電気特性を変化可能にする。
【0069】
そして、前記ガス検知センサ30,31をホイ−トストンブリッジ回路に接続し、前記センサ30,31の周囲に存在する二つの導入ガス成分の変化、つまり前記ガスの熱伝導度の変化による前記センサ30,31の温度変化を、電気抵抗値の変化として前記ブリッジ回路から電気信号として出力させ、サンプルガスの混入量、すなわちリ−クガス量を定量的に検出可能にする。
実施形態のガス検知センサ30,31は、定電流回路基板を介して印加電流を選択可能にし、印加電流を増加することによって、検知感度を標準感度、高感度に切換え可能にしている。
【0070】
一方、前記吸気ポンプ40に圧電ダイヤフラムポンプを使用し、これを基枠43とダイヤフラムユニット44、およびポンプ本体45とで構成する。
すなわち、基枠43にダイヤフラム48、隔板54、仕切板56、流路形成板58、カバ−プレ−ト60を順に重合して接続し、それらの貫通孔47、通孔52、通孔61、透孔63、流路57、吐出口59を連通する。
また、ダイヤフラム48と隔板54と仕切板56とでポンプ室62を形成し、ダイヤフラム48の下面に中間板49を介して圧電素子50を接着し、該圧電素子50に高周波駆動装置51を接続する。
【0071】
こうして製作した主要部品を用いて、ガスリ−クディテクタ−を組立てる場合は、定電流回路基板(図示略)を埋設したセンサ−基板23の一側に、前記センサ−チップ26を接着し、このセンサ−チップアセンブリをセルブロック21の下部の切欠溝22に挿入し、センサ−チップ26を凹溝27に挿入する。
この後、ビス25をビス孔24に挿入し、これをセルブロック21上部のネジ孔39にねじ込んで、前記アセンブリをセルブロック21の下部に固定する。
【0072】
前記組み付け状況は図3乃至図5のようで、切欠溝22にセンサ−基板23が係合し、凹溝27にセンサ−チップ26が係合し、センサ−チップ26の上面と凹溝27の上面との間に単一の微小空間である直方体状のセル28が形成され、該セルスペ−スに臨ませてガス検知センサ30,31が配置される。
【0073】
このように本発明のセル28は、セルブロック21とセンサ−基板23ないしセンサ−チップ26との組み立て過程で自然に形成され、従来のように複雑なシ−ト体の製作や凹溝27の上面に対する複雑な成形および加工を要しない。
【0074】
すなわち、セル28はセンサ−チップ26と同形の単一の空間で構成され、従来のように複数の異形のセルを離間して配置しておらず、その構成は簡潔で小形かつ容易に製作し得る。
しかも、セル28に面する凹溝27の上面、つまりセル28の一方の対向面側である上部面側にそれぞれのガス導入路32,33を開口し、それらの中間部に単一の排出孔34の始端部である吸引口を形成しているから、従来のようにセルに面する検出器ボディに、二つのセルに対応してガス流入口とガス流出口を開口し、それらの中間部に大径のセンサ取付孔を形成する複雑な加工を要するものに比べ、セル容量ないしそのデッドボリュ−ムを小さくでき、これを容易かつ均一に製作し得る。
この場合、実施形態ではセル28の一方の対向面側にガス導入路32,33を開口し、他方の対向面側にガス検知センサ30,31を配置しているが、この反対側にそれぞれを配置することも可能であり、更にセル28の相対する対向面を上部および下部面側の代わりに、相対する両側面側を採用することも可能である。
【0075】
実施形態では前記ガス導入路32,33の送出口と排出孔34の始端部は、図5のように凹溝27の上面で平面視V字状に配置され、これらを排出孔34の始端部を中心に対称位置に配置して、構成の簡潔化と製作の容易化を図るとともに、各ガス導入路32,33から排出孔34までの距離を合理的に設定し、各ガスが混入して前記センサ30,31を移動し検出する事態を防止している。
そして、ガス導入路32,33の送出口と排出孔34の始端部との中間位置にガス検知センサ30,31を配置し、その表面をセンサ−チップ26の上面と同高面に配置し、前記センサ30,31を排出孔34の始端部を中心に対称位置に配置している。
【0076】
この後、セルブロック21上部の凹部37に吸気ポンプ40を収容し、その四隅のビス孔にビス(共に図示略)を挿入し、これを凹部37上のネジ孔(図示略)にねじ込んで、吸気ポンプ40を固定する。
【0077】
前記吸気ポンプ40を固定後、セルブロック21の上端面にシ−ルパッキン64を配置し、該パッキン64上にカバ−プレ−ト65を収容し、それらのビス孔にビス(共に図示略)を挿入し、これをネジ孔にねじ込んで、セルブロック21の上端面を閉塞する。
【0078】
こうしてセルブロック21内に吸気ポンプ40を組み付け、該セルブロック21を本体ケ−ス2内の下部に掛け止め後、本体ケ−ス2内の吸入管4にフィルタ(図示略)を介して連通管10の一端を接続し、また挿入管5の内端部に連通管11の一端を接続し、それらの他端を前記接続管35,36に接続する。
【0079】
次に、本体ケ−ス2内に基板17を配置し、その切欠部16を係止ピン15に係合して支持した後、シ−ル69を粘着した本体カバ−3を本体ケ−ス2に被着し、それらの接合縁3a,2aを嵌合後、これらをビス止めして接続する。
この後、前記挿入管5に接続管6の一端を挿入し、その他端を外側に突出し、該突出端部に長尺の吸引管7の一端を接続する。そして、前記吸引管7の他端に接続管8を接続し、該接続管8にフィルタ(図示略)を介してサンプルプロ−ブ9を接続すれば、一連の組み付けが完了する。
【0080】
このように本発明のガスリ−クディテクタ−は、ガス検知センサ30,31を、従来の白金コイルやサ−ミスタ−、フィラメントの代わりに、マイクロブリッジを備えたマイクロヒ−タに変えて小形化し、その量産化を実現して前記センサ30,31の低廉化を図るとともに、前記センサ30,31を装着するセンサ基板23ないしセンサ−チップ26を小形化している。
【0081】
また、吸気ポンプ40を従来の直流モ−タ駆動形のダイヤフラムポンプから、圧電駆動形のダイヤフラムにポンプに変え、前記ポンプ40の小形軽量化を図るとともに、前記ポンプ4をセルブロック21に収容して、セルブロック21を小形軽量化している。
しかも、ガス検知センサ30,31とセンサ基板23とをセルブロック21内の下部に収容し、セルブロック21内の上部に吸気ポンプ40を収容し、これらを一体的かつ近接して配置しているから、前記センサとポンプを分離して配置した従来のものに比べ、小形軽量化を図れる。
【0082】
実施形態では、前記検知器本体1を縦100mm、幅50mm、厚さ20mmの携帯電話機と略同形に形成し、その容積を従来の約1/3以下に構成し、かつその重量を従来の2/3の約105gに構成して小形軽量化し、不使用時の保管や使用時の持ち運びと操作を至便にしている。
【0083】
こうして組み付けたガスリ−クディテクタ−を用いてガス漏れを検知する場合は、検査前のウォ−ミングアップ時、操作スイッチ70をONし、高周波のパルス電圧を圧電素子50に印加し、ダイヤフラム48を板厚方向に交互に高周波振動させ、ポンプ室62をポンピング作用させて吸気ポンプ40を駆動すると、ポンプ室62に連通する流路57と中空室46に負圧と正圧が交互に発生する。
【0084】
すなわち、ダイヤフラム48が下方に湾曲変位すると、ポンプ室62の容積が増加して負圧が形成され、流路57内の導入ガスが連通孔55からポンプ室62内に流入する。
そして、ダイヤフラム48の前記変位によって、中空室46内の導入ガスが流路57方向へ押し出され、また前記ガスの移動に伴ない凹孔38内の導入ガスが同方向へ引き込まれて移動し、前記導入ガスの移動を促す。この状況は図7のようである。
【0085】
一方、凹孔38内の導入ガスの移動に伴なってガス排出路34から導入ガスが吸引され、セル28を介しガス導入路32,33から導入ガスの吸引が促され、接続管10を介して吸引管4からリファレンスガスが吸引され、また接続管11を介してサンプルプロ−ブ9からサンプルガスが吸引される。
【0086】
この後、ダイヤフラム48が上方に湾曲変位すると、ポンプ室62の容積が減少して正圧が形成され、ポンプ室62の導入ガスが連通孔55から流路57へ押し出され、吐出口59から検知器本体1内に放出されて、排気口14から外部へ排出される。
そして、前記吐出口59からの導入ガスの流出に伴い、これに流路57内の導入ガスが引き込まれて流路57の中心方向へ移動し、前記流路57に連通する中空室46と凹孔38内の導入ガスの移動を促す。
【0087】
一方、ダイヤフラム48の前記変位によって、中空室46内の容積が増加して負圧が形成され、中空室46に連通するガス排出路34から導入ガスが吸引され、セル28を介しガス導入路32,33から導入ガスの導入が促され、接続管10を介して吸引管4からリファレンスガスが吸引され、また接続管11を介してサンプルプロ−ブ9からサンプルガスが吸引される。この状況は図8のようである。
【0088】
一方、操作スイッチ74をONすると、定電流回路基板(図示略)を介して検知感度に応じた電流がガス検知センサ30,31に通電され、該センサ30,31が発熱して検知作動を開始する。
すなわち、ガス検知センサ30,31は、移動する導入ガスの熱伝導度の変化に応じて温度変化し、その温度変化を電気抵抗値の変化としてブリッジ回路から電気信号を出力する。
【0089】
この場合、前述のようなウォ−ミングアップ時には同一の気体が吸引され、気体成分ないし熱伝導度が変化しないから、ブリッジが平衡状態になり、異種成分の気体の混入、つまりガス漏れを検出しない。したがって、ウォ−ミングアップ時は、表示部67にガス漏れが表示された場合は誤作動に相当するから、操作スイッチ71を操作してガス漏れ表示のゼロ点を補正する。
【0090】
前記ウォ−ミングアップを終了し、ガスリ−クディテクタ−の正常作動を確認・調整後、実際にGCのキャリアガスのガス漏れを検出する場合は、キャリアガス供給時のGCの分析作動時、ガスリ−クディテクタ−を保持し、サンプルプロ−ブ9の吸入口8aをGCのキャリアガスの管路や試料導入部、分離カラム等の検査箇所に近付け、当該部周辺のガスをサンプルガスとして吸引する。
また、前記サンプルガスの吸引と並行して、前記検査箇所から離隔した場所の空気をリファレンスガスとして、吸入管4の吸入口4aから吸引する。
【0091】
前記吸引されたサンプルガスとリファレンスガスは、前述と同様に連通管10,11、ガス導入路32,33を経てセル28に導かれ、その送出口からガス検知センサ30,31上を移動してガス排出路34に吸引され、中空室46側へ移動する。
その際、ガス排出路34はサンプルガスとリファレンスガスの送出口から等距離に位置し、その間の等距離位置にガス検知センサ30,31が配置されているから、各導入ガスは互いに合流することなく各センサ30,31上を移動し、各センサ30,31が純粋な導入ガスに感応して温度変化し、精密かつ安定した電気信号を出力して検出精度の信頼性を向上する。
【0092】
そして、サンプルガスにキャリアガスであるヘリウムガスが混入すると、その気体成分が変化し、該気体の熱伝導度が変化してガス検知センサ30,31の温度に変化が生じる
前記温度変化は、電気抵抗値の変化としてブリッジ回路から電気信号として出力され、漏洩したガスの混入量が定量的に検出され、そのガス漏れ量が表示部67に漏れ量に応じて表示され、ガス漏れ量ないし濃度が一定以上の場合はブザーが作動して警告する。
【0093】
この場合、本発明は吸気ポンプ40の吸引量をサンプルガスおよびリファレンスガスを共に従来の約1/10に少量化してサンプル濃度を上げ、また圧電素子50によって高周波作動させて脈動の影響を低減し、吸気ポンプ40を安定化させて、検知感度の向上と安定化を図っている。
【0094】
また、前記吸引ガスの吸引からセル28に至る導入路である、サンプルプロ−ブ9、吸引管7、接続管6、連通管10,11とガス導入路32,33の各内径を、吸気ポンプ40の吸引量に応じて小径にし、その内容積を抑制して、移動時における導入ガスの拡散と応答遅れを防止し、検知感度の向上と安定化を実現している。
【0095】
更に、セル28の容積、つまりセル内容量をガス検知センサ30,31の形状と感応特性に整合させ、サンプルガスおよびリファレンスガスを共に従来の約1/600に少量化し、前記スペ−ス28における拡散の影響を防止して、リークガス濃度を下げることなく所望の感度を得られ、しかも感知までの応答時間を短縮している。
【0096】
このように本発明は、吸気ポンプ40の少量の吸引量と、それに見合うガスの導入路と、セル容量とを合理的に調整して、それらを最適化し、小形軽量で高感度かつ安定した検知特性を得ている。
実施形態では、従来の1/20のヘリウムガスのリ−ク量を検知可能にし、高い検知感度を得ている。
【0097】
図9乃至図12は本発明の他の実施形態を示し、前述した構成と対応する部分に同一の符号を用いている。
この実施形態は、前記実施形態がセンサ−チップ26と凹溝27との間にセル28を形成し、該セル28内において各導入ガスの送出口からガス排出路34に至る流路に自由度を与える代わりに、セル28にそれと同形かつ同厚のセルシ−ト73を設け、該シ−ト73を前記セル28に気密に配置している。
【0098】
前記セルシ−ト73はセル28と同形の矩形ないし直方体形状の合成樹脂板で構成され、その板面の前記ガス導入路32,33の送出口とガス排出路34の始端部の対応位置に、複数の通孔74〜76を形成している。
前記通孔74〜76は、図10,11のようにセルシ−ト73上に略V字形に配置され、かつ通孔74,75は通孔76を中心に対称位置に配置され、これらの通孔74〜76に沿ってセル通路77が略V字形に形成されている。
【0099】
前記セル通路77はセルシ−ト73の下側面に形成され、該セル通路77の上面に前記通孔74〜76を開口し、該セル通路77の直下に前記ガス検知センサ30,31を配置している。
前記ガス検知センサ30,31は通孔75,76、および通孔76,74の各中間部に配置され、前記センサ30,31を通孔80を中心に対称位置に配置している。
【0100】
前記セルシ−ト73は、樹脂成形によって通孔74〜76とセル通路77を容易かつ均一に成形できるから、これを例えばセンサ−チップ26の上面に通孔74〜76とセル通路77を形成する場合に比べて、容易かつ安価に製作し得る。
また、前述のセル28に比べて、セル容量に相当するセル通路77のみをガス流路と小容量に形成したから、セル通路77における導入ガスの拡散と濃度低下を防止し、高感度の測定を促す。
しかも、セル通路77によって導入ガスの移動を規制し、ガス検知センサ30,31に直接かつ速やかに移動し得るから、導入ガスと精密に感応し正確かつ安定した測定精度を得られる。
【0101】
したがって、板体を打ち抜いて二つの異形のセルを離間して形成した従来のシ−ト体に比べ、構成が簡潔で容易に製作し得るとともに、セル通路77をセルシ−ト73の板厚の略半分以下に形成したから、セル内容量ないしデッドボリュ−ムの低減を図れ、ガス成分の拡散を抑制して検知感度を向上し得る。
【0102】
前記セルシ−ト73の使用に際しては、セルシ−ト73を凹溝27の上部に押圧して気密に装着し、その通孔74〜76をガス導入路32,33の送出口とガス排出路34の始端部に位置付け、かつセル通路77をガス検知センサ30,31の直上に配置する。
【0103】
このようなセルシ−ト73を装着したセルブロック21に、サンプルガスとリファレンスガスを導入すると、前記ガスが通孔75,74からセル通路77に流入し、該ガスがセル通路77に導かれてガス検知センサ30,31の直上を速やかに移動し、該センサ30,31で各ガスに感応し、各ガスの気体成分とその熱伝導度の変化を確実かつ正確に検知し、リークガスを高感度かつ速やかに検知する。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明のガスリ−クディテクタ−は、吸気ポンプとガス検知センサを小形化し、これらを一体的に構成して、小形軽量化と操作の簡便化を図るとともに、吸引ガスを導入するセル内容量をコンパクト化し、ガス検知センサに正確かつ速やかに感応させてガス漏れ検知感度を向上し、しかも吸気ポンプの脈動を低減して安定した検知作動を得られ、これを安価に製作できるから、例えばガスクロマトグラフのキャリアガスの漏洩を検出するガスリ−クディテクタ−に好適である。
【符号の説明】
【0105】
21 セルブロック
28 セル
32,33 吸引ガス導入路
34 ガス排出路
40 吸気ポンプ
30,31 ガス検知センサ
【0106】
73 セルシ−ト
74〜76 通孔
77 セル通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体から漏洩するサンプルガスと測定基準のリファレンスガスとを吸引する吸気ポンプと、前記吸引ガスの熱伝導率に基づく電気抵抗値の変化を測定可能な熱伝導型のガス検知センサと、前記吸引ガスを導入可能なセルを内部に備えたセルブロックとを備え、前記セルに吸引ガス導入路とガス排出路を開口し、前記ガス検知センサの出力を介して漏洩ガスを検出可能にしたガスリ−クディテクタ−において、前記セルは二つの吸引ガスを導入可能とした単一の空間であり、該セルの相対する一方の対向面側に二つの吸引ガス導入路と単一のガス排出路をそれぞれ開口し、該ガス排出路の開口部を前記二つの吸引ガス導入路の開口部の間に配置するとともに、二つの前記ガス検知センサをセルの他方の対向面側と同一平面上で、かつ各吸引ガス導入路の開口部とガス排出路の開口部との間に配置し、前記セルブロックにガス排出路の開口部に連通する吸気ポンプを配置したことを特徴とするガスリ−クディテクタ−。
【請求項2】
前記セルブロックの内部に互いに連通する切欠溝と凹溝を形成し、前記切欠溝に係合可能なセンサ−基板にセンサーチップを接続し、該センサーチップを前記凹溝に収容し、該センサーチップと前記凹溝との間に前記セルを区画形成した請求項1記載のガスリ−クディテクタ−。
【請求項3】
前記セルを平面視矩形に形成した請求項1記載のガスリ−クディテクタ−。
【請求項4】
前記セル内の二つの吸引ガス導入路の開口部を、前記ガス排出路の開口部から等距離位置に配置した請求項1記載のガスリ−クディテクタ−。
【請求項5】
前記二つの吸引ガス導入路の開口部から、前記ガス検知センサないしガス排出路の開口部へ各ガスを移動可能にした請求項1記載のガスリ−クディテクタ−。
【請求項6】
前記二つのガス検知センサを前記吸引ガス導入路の開口部とガス排出路の開口部との間に、該二つの吸引ガス導入路の開口部から各々等距離位置に配置した請求項4記載のガスリ−クディテクタ−。
【請求項7】
前記二つの吸引ガス導入路の開口部と二つのガス検知センサとガス排出路の開口部とを平面視V字形に配置した請求項1記載のガスリ−クディテクタ−。
【請求項8】
前記二つの吸引ガス導入路の開口部に連通する二つの通孔と、前記ガス排出路の開口部に連通する通孔と、各通孔に連通するセル通路を形成したセルシ−トを設け、該セルシ−トを前記セルに気密に配置した請求項1記載のガスリ−クディテクタ。
【請求項9】
前記吸引ガス導入路の開口部に連通する前記セルシ−トの二つの通孔を、前記ガス排出路の開口部に連通する通孔を中心に対称位置に配置した請求項8記載のガスリ−クディテクタ−。
【請求項10】
前記セル通路を平面視V字形に形成した請求項8記載のガスリ−クディテクタ−。
【請求項11】
前記吸引ガス導入路の開口部に連通する前記セルシ−トの二つの通孔と、前記ガス排出路の開口部に連通する通孔との間のセル通路に臨ませて、二つのガス検知センサを配置した請求項8記載のガスリ−クディテクタ−。
【請求項12】
前記ガス検知センサをマイクロヒ−タで構成した請求項1記載のガスリ−クディテクタ−。
【請求項13】
前記吸気ポンプを圧電ダイヤフラム駆動形のマイクロポンプで構成し、該ダイヤフラムを高周波振動可能にした請求項1記載のガスリ−クディテクタ−。
【請求項14】
前記ガス検知センサに対する印加電流を増減可能にした請求項1記載のガスリ−クディテクタ−。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−83573(P2013−83573A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224123(P2011−224123)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(390030188)ジーエルサイエンス株式会社 (37)
【Fターム(参考)】