説明

ガス供給装置およびガス供給方法

【課題】 簡便な構成で、外気との接触なくガス供給流路のパージ可能に、かつ充填ガスのロスの少なく効率的に充填ガスを供給すること。
【解決手段】 ガスが充填される容器Bと、容器Bに取付けられた容器バルブBaと、容器バルブBaに接続されるガス供給流路Ls,ベントLv,およびパージガス流路Lpと、ガス供給流路Lsに設けられた開閉弁Vaおよび圧力調整器Rsと、ベントLvに設けられた開閉弁Vbと、パージガス流路Lpに設けられた逆止機構付のパージ弁10と、を備え、パージ弁10が、固定用ナット4と、パッキン5と、弁体6と、を有し、固定用ナット4の操作によって、パージ弁10を介してパージガス流路Lpへのパージガスの流通・封止の切換を行なうできることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス供給装置およびガス供給方法に関し、例えば、半導体や太陽電池等の生産装置や研究設備等において使用される材料ガスや各種プロセスにおいて使用される液化ガスや特殊ガス等のガス供給装置およびガス供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体や太陽電池等(例えば成膜材料等)を生産する製造装置や新たな素材を開発する研究設備、あるいは各種プロセスにおいては、各種の材料ガスや特殊ガスあるいは液体材料ガス等が多用されている。こうしたガスの中には、高い吸着性や強い腐蝕性を有するもの、あるいは空気中の水分と反応や吸湿して変質するもの等があり、ガス供給配管系は、外気と遮蔽あるいは密閉され、上記製造装置等に供給されて消費される。
【0003】
一方、ガス供給装置は、所定の容量を有する容器にこうしたガスを充填あるいは補充されて使用されるが、容器への充填あるいは容器の交換操作においては、その気密性を維持することが難しい。また、充填あるいは交換された容器から充填されたガスの供給を開始する場合にあっても、同様に外気(空気)との接触を避けて操作することが難しい。こうした外気との接触を回避しながら操作可能な構成は、従前からガス供給装置における課題の1つであり、種々の検討がなされてきた。
【0004】
例えば、ボンベバルブへガスを能率良く充填できることを目的として、図6に示すようなボンベバルブ用ガス充填装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。具体的には、ボンベバルブ103の弁箱104のガス入口穴106をガス入口路111と止め弁座112と止め弁室113とを順に経てガス出口穴108に連通させる。上記の止め弁室113に挿入した止め弁体116をハンドル車119によって上記の止め弁座112に開閉操作する。上記ガス入口路111から逆止弁室128と逆止弁座127とガス受入穴110とを直線状に分岐して、上記の逆止弁室128に挿入した逆止弁体130を逆止バネ131によって逆止弁座127に閉弁弾圧する。上記ガス受入穴110の周壁109にガス充填金具134の先端部を保密状に連結する。上記ガス充填金具134に、上記ガス受入穴110側から上記の逆止弁体130に対面する開弁具135をその逆止弁体130に対して進退移動自在に設ける。ここで、101はガスボンベを、102はガスボンベ101の首部を、105は弁箱の脚部を、118は弁棒を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−039896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のようなガス供給装置には、以下の課題が生じることがあった。
(i)上記のようなガス充填機能を主にした装置においては、予めパージ処理を別途の装置を準備して行う必要がある。また、容器の交換操作を外気と遮断された状態ではできないことから、取り扱い可能なガスの種類に制限がある。
(ii)高い吸着性や強い腐蝕性を有するガス種、あるいは空気中の水分と反応や吸湿して変質するガス種の容器への充填や容器交換操作においては、従前、不活性ガスを連続して接続配管に導入してブローパージを行なったり、取付け後においては、加圧−真空によるサイクルパージを行っていた。いずれも、操作の煩雑さに加え、安全性を確保するための大掛かりな設備が必要となり、また残留物の確認ができないという課題があった。また、流路のパージための充填ガスの消費量が大きくなるという問題がある。
(iii)さらに、室温程度の不活性ガスのパージでは、水分含む吸着性の高いガスなどを高効率に除去することが難しい問題がある。そのため、不活性ガスでの置換実施には加圧−真空のパージサイクルを必要以上に実施する必要があるため、時間的な効率やユーティリティガスの使用効率が悪いという問題がある。
(iv)一方、ガス供給装置のラインを構成する機器全般をベーキングすることは、吸着性ガスの脱離に有効であるが、施工およびコスト的や機器の温度制限に伴う制約をうける問題がある。また、パージ開始までの昇温時間や置換後のガス供給時までに温度を室温に戻す時間が必要であることから、供給ラインの機器をベーキングするために外部から加える熱エネルギーが実効をあげるまでの時間的ロスなどの問題がある。
【0007】
本発明の目的は、高い吸着性や強い腐蝕性を有するガス種あるいは反応性の高いガス種等に対しても、簡便な構成で、外気との接触なくガス供給流路のパージ可能に、かつ充填ガスのロスの少なく効率的に充填ガスを供給することができるガス供給装置およびガス供給方法を提供することにある。さらに、吸着性の高いガス種に対しては、他の構成に影響なく、効率よくパージ・充填ガスの供給を行うことができるガス供給装置およびガス供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示すガス供給装置およびガス供給方法によって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0009】
本発明は、ガス供給装置であって、
ガスが充填される容器と、該容器に取付けられた容器バルブと、該容器バルブに接続されるガス供給流路,ベント,およびパージガス流路と、前記ガス供給流路に設けられた開閉弁Vaおよび圧力調整器と、前記ベントに設けられた開閉弁Vbと、内部にガス流通可能な空間部を有し、前記パージガス流路の上流側に設けられたスリーブおよび下流側に設けられた接続部において前記空間部と接続される逆止機構付のパージ弁と、
を備え、
前記パージ弁が、一方において前記接続部の外周と螺合可能に形成され、他方において前記スリーブを係止可能に設けられた前記パージ弁の固定用ナットと、前記スリーブ,前記接続部,前記固定用ナットの間に配設され、前記パージ弁の内部のシールを確保・維持するパッキンと、前記空間部に挿入され、前記接続部に係止可能な一端部と前記スリーブに係止された弾性体による付勢可能な他端部を有し、パージガス流路の逆止機能を有する弁体と、を有し、
前記固定用ナットの操作によって、前記パージ弁を介して上流のパージガス流路から下流のパージガス流路へのパージガスの流通・封止の切換を行なうできることを特徴とする。
【0010】
上記のように、各種製造設備には、所定の制御条件の基に、種々のガスが連続的あるいは断続的に供給されることから、不純物の混入がないことは無論のこと、短時間で簡便な操作によって保守が可能なガス供給装置が要求される。特に、高い吸着性や強い腐蝕性を有するガス種、あるいは空気中の水分と反応や吸湿して変質するガス種については、その容器への充填や容器交換操作および充填ガスの供給開始において、その操作性が重要となる。本発明は、ガスが充填される容器(以下「容器」という)に取付けられた容器バルブに接続されるパージガス流路に、上流側と下流側の接続端を有し、その中間の空間部に、その接続端を利用した逆止機構を有する弁体が設けられたパージ弁の構成を特徴とする。逆止機構が有する逆止機能とともに、開閉機能を利用する構成が可能となった。また、逆止機能を有する状態からパージガス流路開閉機能を有する状態への移行を、パージ弁の外周部に設けられた固定部材(固定用ナット)の簡単な操作によって行なうことができる構成を特徴とする。こうした簡便な構成によって、外気との接触なくガス供給流路のパージ可能に、かつ充填ガスのロスが少なく効率的に充填ガスを供給することが可能となった。
【0011】
本発明は、上記ガス供給装置であって、前記容器バルブに接続されるガス充填流路が設けられ、該ガス充填流路に前記パージ弁が設けられること、あるいは前記パージガス流路が、ガス充填流路として使用されることを特徴とする。
既述のように、容器へのガスの充填操作において、外気との接触の回避は、ガス種を問わない。本発明に係るガス供給装置における上記のようなパージ機構は、外気の遮断状態で流路開閉機能を備えた簡便な構成を有することから、別途ガス充填流路を設け、ここに該パージ機構を配設する、あるいは上記のパージガス流路をガス充填流路として用いることによって、簡便な構成を有し、外気との接触なくガス供給流路のパージ可能に、かつ充填ガスのロスの少なく効率的に充填ガスを供給することが可能となった。
【0012】
本発明は、上記ガス供給装置であって、前記パージ弁の上流のパージガス流路に、パージガス用加温部が設けられることを特徴とする。
ガス供給装置の処理操作において、加温ガスによるガス流路のパージは非常に有効である一方、ガス流路全体を加温するのは、エネルギー効率等の観点において課題も多い。本発明は、外気あるいは供給ガス(充填ガス)との接点に近い位置に加温部が配設されることによって、流路の脱ガス・パージを効果的に行うことができる構成とした。また、ガスの比較的熱容量が小さい特性を利用してピンポイントで加温できる位置に加温部が配設されることによって、効率的にエネルギーが供給できる構成を可能とした。
【0013】
本発明は、上記ガス供給装置であって、前記パージガス流路の下流端が、前記ベントの上流端と前記ガス供給流路との接合部分と前記容器バルブの間に接続されることを特徴とする。
容器バルブに形成されたガス供給流路の上流側は、供給ガス(充填ガス)以外のガスの流入を好まない一方、容器交換時には必ず外気に晒されることから、パージガスの導入が不可欠である。本発明は、パージガス流路を容器バルブに直接接続せずに、パージガス流路の下流端をベントの上流端よりも容器バルブに近接する位置で接続することによって、パージガスがガス供給流路の上流側から導入されてガス供給流路のパージを可能とするとともに、ガスの滞留や拡散を少なくして、ベントからのパージガスの排出を可能とした。
【0014】
本発明は、上記ガス供給装置であって、前記ガス供給流路のベントの上流端との接合部分に圧力センサが配設され、その出力により、前記開閉弁Va,Vbおよび前記パージ弁の開閉が制御されることを特徴とする。
ガス供給装置においては、ガスの供給量の制御に対してガス供給流路の圧力が重要な指標となる一方、容器の交換やガスの充填等の操作においては、パージガスの供給条件(例えば圧力)が重要な指標となる。本発明は、両者が共通するガス供給流路中のポイントであって、外気の圧力との関係をモニタリングでき、さらに、制御の対象となる開閉弁Va,Vbおよびパージ弁との間に流路内部の圧力に対して影響を与える部材がないポイントとして、ベントの上流端との接合部分に圧力センサを配設するものである。これによって、外的な影響を受けずに、ガスの供給、あるいは容器の交換等の保守作業を、精度よく、かつ効率的に行なうことが可能となった。
【0015】
また、本発明は、上記ガス供給装置を用いたガス供給方法であって、
容器の交換時,容器からガス供給流路への充填ガスの供給開始時,あるいは容器へのガスの充填操作時において、
(1)予め容器に取付けられた容器バルブを封止し、該容器バルブに接続されるガス供給流路およびベントに設けられた開閉弁Va,Vbを閉とした状態とし、予めパージガス流路にパージガス供給装置を接続する。
(2)前記容器バルブに接続されたパージガス流路に設けられたパージ弁の固定用ナットの操作によって、パージ弁内部の空間部に挿入された弁体の一端部が、パージガス流路の下流側に設けられた接続部から離れた位置になるように設定する。
(3)前記固定用ナットを操作し、前記弁体の一端部を接続部に当接させるとともに、パージガスをパージガス流路に導入する。
(4)さらに前記固定用ナットを操作し、前記弁体の他端部をパージガス流路の上流側に設けられたスリーブによって移動させ、該スリーブと前記空間部が接続される逆止機構を開放してパージガスをパージ弁に導入し、その内部をパージするとともに、ベントの開閉弁Vbを開として、パージガスをベントに排出する。
ことを特徴とする。
上記のガス供給装置は、パージ弁における内部流路の逆止・開閉機能および外部の操作機能に係る構成を特徴とする。従って、こうした特徴を有効に利用することによって、簡単な操作によって、外気との接触なくガス供給流路のパージ可能にし、かつ充填ガスのロスの少なく効率的に充填ガスを供給することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るガス供給装置に用いられるパージ弁の1の構成例を示す概略図
【図2】本発明に係るガス供給装置に用いられるパージ弁の他の構成例を示す概略図
【図3】本発明に係るガス供給装置に用いられるパージ弁の動作を例示する説明図
【図4】本発明に係るガス供給装置の基本構成を例示する概略図
【図5】本発明に係るガス供給装置の検証結果を示す説明図
【図6】従来技術に係るガス供給装置を例示する概略図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係るガス供給装置(以下「本装置」という)は、ガスが充填される容器と、該容器に取付けられた容器バルブと、該容器バルブに接続されるガス供給流路,ベント,およびパージガス流路と、ガス供給流路に設けられた開閉弁Vaおよび圧力調整器と、ベントに設けられた開閉弁Vbと、パージガス流路に設けられた逆止機構付のパージ弁と、を備え、パージ弁が、固定用ナットと、パッキンと、弁体と、を有し、固定用ナットの操作によって、パージ弁を介して上流のパージガス流路から下流のパージガス流路へのパージガスの流通・封止の切換を行なうできることを特徴とする。以下、図面を参照しながら説明する。
【0018】
<本装置に係るパージ弁の基本構成例>
まず、本装置に係るパージ弁(以下「パージ弁」という)の実施の形態について、説明する。図1は、パージ弁の基本的な構成を例示する概略図である。パージ弁10は、内部にガスが流通可能な空間部1を有し(ガスの流通方向を矢印に示す)、パージガス流路に配設される。パージガス流路の上流側においてスリーブ2と接続され、下流側において接続部3と接続される。パージ弁10は、固定用ナット4によって固定され、パッキン5a,5b(あわせて「パッキン5」ということがある)によって空間部1のシールを確保・維持されるとともに、空間部1に挿入された弁体6の作動によって、パージガス流路の逆止機能およびパージガスの流通・封止の切換機能が確保される。固定用ナット4の操作を含む弁体6の具体的な作動の詳細は、後述する。また、ここでは、スリーブ2の一端が上流側のパージガス流路の配管2aと接合され、接続部3の一端が容器バルブBaと接合された構成を例示しているが、配管2aや容器バルブBaとは、直接的に接合するだけではなく、継手(図示せず)を介して接合することができる。継手を介して接合可能な構成によって、パージ弁10を、パージガス流路の任意の位置に配設することができるとともに、別途ガス充填流路等所望の流路中に配設し、単体の逆止機能を有する開閉機構ユニットとして使用することができる。
【0019】
本装置は、対象となるガスを限定することはないが、高い吸着性や強い腐蝕性を有するガス種あるいは反応性の高いガス種などには、特に、その特徴を有効に活かすことができる。具体的には、NH,BCL,CL,SiHCL,Si、HBr、HF、NO、C、SF、WF等に代表される材料ガス等を挙げることができる。また、パージガスは、反応性が低く安定性の高いガスが好ましく、例えばヘリウム(He)やアルゴン(Ar)等の希ガスあるいは窒素ガス(N)等を用いることができる。
【0020】
パージ弁10を構成するスリーブ2,接続部3,固定用ナット4,および弁体6の素材は、堅牢な構造を形成することが可能であれば特に制限はないが、半導体用特殊材料ガス供給装置などに使用される場合には、耐食性を必要とすることから、例えばステンレス鋼(SUS−316L等)やハステロイ(TM)やニッケルなどを使用することが好ましい。また、パッキン5は、弾性を有し、浸透性がなく、吸着性が小さいことを要件とし、加えて耐食性を必要とすることが多いことから、例えばフッ素ゴムやフッ素樹脂あるいはブタジエンゴム等を用いることが好ましい。
【0021】
スリーブ2の他端には、係止部2bが設けられ、固定用ナット4に係止するとともに、パッキン5aを配設するパッキン部2cが設けられる。固定用ナット4の操作によって、シールを保持しながら、係止部2bを介してスリーブ2を接続部3に近接させることができる。また、スリーブ2の内部のガス流通部分には、弁体6を付勢する弾性体6bを係止する付勢部2dが設けられ、さらに、その他端には、弁体6の逆止用の弁部6dの保持部2eが設けられる。付勢部2dを介して弾性体6bが押圧され、逆止機構を形成することができる。
【0022】
接続部3の外周には、一方に螺子部3aが形成されるとともに、他方にパッキン5bを配設するパッキン部3bが設けられる。シールを保持しながら固定用ナット4と螺合可能に接合することができる。接続部3の内部は、空間部1の一部を形成するとともに、弁体6の一端部6aが係止する接続端3cが設けられる。ここで、一端部6aが接続端3cに係止された状態であっても、内部が封止されないように、間隙を設けることが好ましい。パージ弁10の逆止が解除され状態において、接続端3cからパージガスを、パージガス流路の下流側に供給することができる。
【0023】
固定用ナット4の内部には、一方に接続部3の螺子部3aと螺合可能な螺子部4aおよびパッキン5a,5bと当接する接面部4bが形成され、他方にスリーブ2を係止可能に係止部4cが設けられる。固定用ナット4の外周は、手動操作を行う場合には、断面を多角形状にして操作性を上げることが好ましい。あるいは、固定用ナット4を回転方向に作動させる自動操作機能を設けることも可能である。
【0024】
本パージ弁10では、パッキン5a,5bとしてOリングを用い、スリーブ2,接続部3および固定用ナット4に当接して、空間部1のシールを形成し、各部の移動に対応できる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば図2に例示するように、スリーブ2の外周端部2fと接続部3の外周端部2fの間に、平板状,U字状,X字状あるいはY字状のパッキン5を配設し、固定用ナット4の操作に応じて変形しつつ、シールを維持する構成等を用いることが可能である。
【0025】
弁体6は、接続部3に係止可能な一端部6a,スリーブ2に係止された弾性体6b,弾性体6bによる付勢可能な他端部6c,および他端部6cに対して一方向からのみ嵌装可能な弁部6dから構成される。空間部1内を摺動可能に配置され、弁部6dに他端部6cが嵌装され、弾性体6bによって付勢された状態によってパージガス流路の逆止機構を構成する。このとき、他端部6cを凸状円錐形状とし、弁部6dを同方向の凹上円錐形状にする構成を例示しているが、一方向からのみ嵌装可能な構成であればこれに限定されるものではない。例えば、他端部6cと弁部6dの凹凸を逆にした構成や、円錐形状ではなく外径の異なる階段状の円筒形状の構成等についても同様の機能を確保することができる。また、弾性体6bが別体としてバネを形成する構成を例示しているが、他端部6cが付勢可能な構成であればこれに限定されるものではない。例えば、他端部6cが弾性を有する樹脂成形体であり、スリーブ2(係止部2b)によって付勢され、弁部6dに他端部6cが嵌装される場合にも同様の機能を確保することができる。
【0026】
また、こうした弁体6の構成は、パージ弁10を構成するスリーブ2,接続部3,および固定用ナット4と組合せることによって、逆止機能に加え、さらに、他端部6cと弁部6dを開閉弁として機能させる構成を有することができる。具体的には、以下の〔本発明に係るパージ弁の機能〕において、詳述する。
【0027】
〔本発明に係るパージ弁の機能〕
パージ弁10は、弁体6の逆止機能に加え、さらに、固定用ナット4の操作によって、他端部6cと弁部6dを開閉弁として機能させる構成を有すること特徴とする。パージ弁10の機能を、図3(A)〜(D)によって説明する。ここでは、図1に示す矢印のようなパージガスの上流側からのガスの流れを「正方向の流れ」といい、その反対方向のガスの流れを「逆方向の流れ」といい、いずれの方向からもガスの流れがない状態つまり上流側の流路内のガス圧力(以下「上流側圧力Pu」という。)と下流側の流路内のガス圧力(以下「下流側圧力Pd」という)が等しい場合を静止状態という。静止状態においては、弾性体6bの付勢力によって、弁体2は下流側に押し付けられ、弁部6dに他端部6cが嵌装され、シール状態を形成する。
【0028】
具体的には、以下の操作により、逆止弁および開閉弁として機能させることができる。
(i)他端部6cと弁部6dが接合して閉状態を形成し、一端部6aが接続端3cから離れて他端部6cが弾性体6bによって付勢された状態において(図3(A))、
(ii)固定用ナット4を接続部3に近接させる操作を行なうことによって、固定用ナット4に係止されたスリーブ2に保持された弁部6dが接続部3に近接し、
(iii)固定用ナット4をさらに接続部3に近接させる操作を行なうことによって、一端部6aを接続部3に係止した状態で他端部6cが停止し(図3(B))、
(iv)固定用ナット4をさらに接続部3に近接させる操作を行なうことによって、弁部6dと他端部6cが離反して開状態を形成する(図3(C),図3(D))。
(v)逆に、固定用ナット4を接続部3から離反させる操作を行なうことによって、上記弁部6dと他端部6cが接合して閉状態を形成する(開閉機能)。
(v)固定用ナット4をさらに接続部3から離反させる操作を行なうことによって、上記弁部6dと他端部6cが接合して閉状態を形成する(開閉機能)。
【0029】
次に、上記各操作におけるパージ弁10の状態とそのときの機能を詳述する。
(a)逆止機能
図3(A)は、固定用ナット4が最も上流側に位置され、弁体6の一端部6aが接続部3の接続端3cから離れ、空間部1が下流側のガス流路と開放的に繋がるとともに、他端部6cと弁部6dが接合して閉状態を形成した状態を示す。このとき、下流側(一端部6a側)のガス圧力が上流側(他端部6c側)の押圧(ガス圧力+弾性体6bによる付勢力)よりも高い場合に、下流側から充填ガス等が流れ、上流側からは流れない。下流側からのガスの流れに対する逆止機能を有するといえる。
【0030】
具体的には、下流側の圧力Pdが上流側の圧力Puを上回り、かつ弾性体6bの付勢力Kを超える圧力となった場合に、下流側からの流れが生じる。つまり、下流側の初期圧力Pdoが、上流側の圧力Puおよび付勢力Koとの関係において圧力条件「Pdo≧Pu+Ko」となった場合、弁体6が下流側から上流側へ移動し、他端部6cと弁部6dの間に所定の空隙が生じて下流側からのガスの流れが生じ、弁体6が圧力条件「Pd=Pu+K」となる位置において安定する。圧力条件「Pdo<Pu+Ko」の場合には、弁体6の移動はない。
【0031】
(b)逆止機能から開閉機能への移行
図3(B)は、固定用ナット4が上記(a)よりも下流側に位置され、一端部6aが接続端3cに係止し、空間部1と下流側のガス流路の繋がりは維持された状態で、他端部6cと弁部6dが接合して閉状態を維持した状態を示す。このとき、固定用ナット4が、この位置よりも下流側に移動すると、逆止機能は維持されなくなる。つまり、固定用ナット4に係止されたスリーブ2の下流側への移動に伴い、スリーブ2に保持された弁部6dが下流側へ移動し、他端部6cと弁部6dの接合が解除される。逆止機能が維持される境界点であると同時に、逆止機能から開閉機能への移行点にも相当する。
【0032】
(c)開閉機能と流量調整機能
図3(C)は、固定用ナット4が上記(b)よりも上流側に位置され、一端部6aが接端3cに係止した状態は維持されるとともに、他端部6cと弁部6dが離間して開状態を形成した状態を示す。このとき、上流側と下流側のガス圧力とは関係なく、上流側と下流側が連通する。従って、上流側のガス圧力が下流側のガス圧力よりも高い場合には、上流側からパージガス等が流れ、逆の圧力条件の場合には、逆方向に充填ガス等が流れる。つまり、パージ弁10が配設された流路において、開閉機能を有するといえる。ただし、図3(C)の状態においては、他端部6cと弁部6dの離間距離が小さく、所定値以上の流量に対して流通抵抗を生じる。従って、上流側あるいは下流側のガス圧力を一定にした状態において、固定用ナット4の位置を調整することによって、所定の供給流量に制御することができる。つまり、パージ弁10が配設された流路において、流量調整機能を有するといえる。
【0033】
(d)開閉機能
図3(D)は、固定用ナット4が上記(c)よりもさらに上流側に位置され、一端部6aが接端3cに係止した状態は維持されるとともに、他端部6cと弁部6dが大きく離間して開状態を形成した状態を示す。このとき、上記(c)同様、上流側と下流側のガス圧力とは関係なく、上流側と下流側が連通し、上流側あるいは下流側いずれかのガス圧力が高いからパージガスあるいは充填ガス等が流れる。つまり、パージ弁10が配設された流路において、開閉機能を有するといえる。このとき、他端部6cと弁部6dの間隙による流通抵抗は殆どなく、流量調整機能を有していない。
【0034】
<本発明に係るガス供給装置>
次に、上記パージ弁10を用いた本装置の構成例(第1構成例)について説明する。具体的には、図4(A)に例示するように、ガスが充填される容器Bと、容器Bに取付けられた容器バルブBaと、容器バルブBaに接続されるガス供給流路Ls,ベントLv,およびパージガス流路Lpと、ガス供給流路Lsに設けられた開閉弁Vaおよび圧力調整器Rs(後述するように流量調整器Fsあるいは圧力センサPが設けられることがある)と、ベントLvに設けられた開閉弁Vbと、パージガス流路Lpに設けられたパージ弁10とを備える。容器Bの交換時,容器Bからガス供給流路Lsへの充填ガスの供給開始時,あるいは容器Bへのガスの充填操作時において、上記パージ弁10の特徴を活用し、簡便な構成によって、外気との接触なくガス供給流路のパージ可能に、かつ充填ガスのロスが少なく効率的に充填ガスを供給することができる。
【0035】
〔本装置におけるパージ方法〕
本装置は、容器バルブBaに接続されたガス供給流路Ls,ベントLv,およびパージガス流路Lpという3の流路から構成される(後述するように、ガス充填流路が付加されることがある)。ここで、容器B内の充填ガスを供給するにあたり、容器Bの交換時,容器Bからガス供給流路Lsへの充填ガスの供給開始時,あるいは容器Bへのガスの充填操作時においては、各流路のパージを行なう必要がある。本装置は、以下の方法によって、ガス供給を可能とするパージ処理を行うことができる。
【0036】
(1)パージガスの設定
予め容器Bに取付けられた容器バルブBaを封止し、容器バルブBaに接続されるガス供給流路Ls設けられた開閉弁VaおよびベントLvに設けられた開閉弁Vbを閉とした状態で、予めパージガス流路Lpにパージガス供給装置(図示せず)を接続する。
【0037】
(2)パージガスの供給準備
パージ弁10の固定用ナット4の操作によって、パージ弁10内部の空間部1に挿入された弁体6の一端部6aが、パージガス流路Lpの下流側に設けられた接続部3から離れた位置になるように設定される。パージ弁10が、上記(a)のような逆止機能を有する形態となり、パージガス流路Lpの閉状態が形成される。
【0038】
(3)パージガス流路へのパージガスの供給
固定用ナット4の操作によって、弁体6の一端部6aが接続部3に当接するように設定され、さらに他端部6cと弁部6dの接合が離間し始めるように設定されることにより、パージガスのパージガス流路Lpへの導入が可能となる。パージ弁10が、上記(b)〜(c)のように、逆止機能を有する形態から、開閉機能を有する形態に移行することよって、開状態が形成される。
【0039】
(4)パージガスによる容器バルブやガス供給流路のパージ
さらに固定用ナット4を操作し、弁体6の他端部6cをパージガス流路Lpの上流側に設けられたスリーブ2によって移動させ、スリーブ2と空間部1が接続される逆止機構を開放して(他端部6cと弁部6dの接合を離間して)パージガスをパージ弁10に導入し、その内部(空間部1を含む)をパージするとともに、ベントLvの開閉弁Vbを開として、パージガスをベントLvに排出する。
【0040】
〔本装置の機能〕
本装置は、上記のようなパージ弁10を用いたパージ機能を活かし、充填ガスの供給を行うとともに、容器Bの交換時,容器Bからガス供給流路Lsへの充填ガスの供給開始時,あるいは容器Bへのガスの充填操作時において、外気との接触なく効率的に充填ガスを供給することができる。
【0041】
(i)充填ガスの供給
充填ガスの供給時においては、ガス供給流路Lsにおける開閉弁Vaを開状態とし、ベントLvの開閉弁Vbとパージガス流路Lpのパージ弁10を閉状態とする。容器バルブBaを開とすることによって、所定の圧力に充填された容器Bに接続されたス供給流路Lsに供給された充填ガスは、圧力調整器Rsによって所望の圧力に調整され、流量調整器Fsによって所望の流量に調整されて、例えば半導体製造装置などのプロセス(消費設備)に供給される。このとき、パージ弁10は、上記図3(A)のような逆止機能を有する形態によって閉状態を形成することが好ましい。消費設備における異常等によりガス供給流路Lsのガス圧力の異常上昇に対して安全弁として機能させることができる。
【0042】
(ii)容器の交換
充填ガスの消費に伴う容器の交換時においては、以下の操作が行なわれる。
(ii−1)使用済み容器のパージ操作
容器バルブBaおよび開閉弁Vaを閉状態とし、開閉弁Vbとパージ弁10を開状態とする。所定の圧力に設定されたパージガスが、パージガス流路Lpおよびガス供給流路Lsに供給され、流路内をパージするとともに、残留した充填ガスを同伴してベントLvから排出される。このとき、パージ弁10は、上記図3(D)のように開閉機能を有する形態によって全開状態を形成することが好ましい。短時間でパージを行うことができる。
(ii−2)容器の交換(パージ)操作
パージガスを継続して供給しながら、使用済み容器Bを新たな容器Bに交換し、所定の時間パージを継続する。
(ii−3)充填ガスの供給操作
上記(i)と同様の操作により、新たな充填ガスが消費設備に供給される。上記(ii−2)および(ii―3)の操作は、長期間未使用であった容器Bからガス供給流路へのガス供給開始時においても、同様の操作によって充填ガスの供給を行うことができる
【0043】
(iii)容器へのガスの充填
本装置において、容器Bへのガスの充填は、(iii−1)容器バルブBaにガス充填流路(図示せず)が設けられ、ガス充填流路にパージ弁10が設けられた構成、あるいは(iii―2)パージガス流路Lpがガス充填流路として使用される構成によって行うことができる。簡便な構成によって、外気との接触なくガス供給流路のパージ可能に、効率的に容器へのガスの充填を行うことができる。
(iii−1)容器バルブにガス充填流路が設けられた構成
上記(ii−2)と同様、ガス供給流路Lsおよびガス充填流路のパージを行った後、パージガス流路Lpのパージ弁10および開閉弁Vbを閉とし、ガス充填流路のパージ弁10を開とすることによって、ガス充填流路を介して容器Bに所定の圧力のガスを充填することができる。ガスの充填後は、容器バルブBaおよびガス充填流路のパージ弁10を閉とすることによって、上記(i―1)の初期状態となり、充填ガスの供給を行うことができる。
(iii―2)パージガス流路がガス充填流路として使用される構成
上記(ii−2)と同様、ガス供給流路Lsおよびガス充填流路のパージを行った後、パージガスに代えて、パージガス流路Lpに新たな充填ガス供給用の流路を接続し、容器バルブBaおよびパージ弁10を開とし、開閉弁Vbを閉とすることによって、パージガス流路Lpを介して容器Bに所定の圧力のガスを充填することができる。ガスの充填後は、容器バルブBaおよびガス充填流路のパージ弁10を閉とすることによって、上記(i―1)の初期状態となり、充填ガスの供給を行うことができる。
【0044】
〔本装置におけるパージガスの加温効果の検証〕
本装置における流路の脱ガス・パージにおいては、常温よりも加温されたパージガスによって行なうことが好ましい。本装置では、図4(A)に例示するように、パージ弁10の上流側のパージガス流路Lpに、パージガス用加温部Hが設けられる。パージ対象に対して効率的に加温されたパージガスを供給できるように、ピンポイントで加温できる位置に加温部Hが配設される。こうした構成の効果は、以下の機能試験において実証された。
【0045】
本装置について、実動条件におけるパージガスの加温効果の確認試験を行った。
(1)実験条件
パージ対象を、外径1/4長さ2mのSUS−316L製EP配管によって形成されたガス供給流路とし、「加圧−排気のサイクルパージ」,「加圧−真空排気のサイクルパージ」および「加温ガスを使用した加圧−真空排気のサイクルパージ」を行い、パージ回数と充填ガスの残留量の関係から、そのパージ機能を検証した。具体的には、該流路中に、充填ガスとしてPureNHを0.5MPaG封入し、パージガスとしてHeを同様に0.5MPaG封入し、真空到達度を−0.08MPaGで、加圧・真空ともに設定圧力到達後に10sec保持し、規定のサイクルパージ工程を実施した後に、残留したNH量を、パルス放電光イオン検出器搭載ガスクロマトグラフ装置(GLサイエンス社製,型式G4000)を用いて分析した。加温ガスの設定温度は65℃(実測値60℃〜70℃)にて実施した。
(1−2)実験結果
図5に例示するように、NHの残留量に対し、加温による顕著な効果が見られた。具体的には、初期値aoを残留量aまで低下させるために、「加圧−排気のサイクルパージ」では、約40回のパージ操作が必要であったが、「加圧−真空排気のサイクルパージ」では、約15回に低減され、「加温ガスを使用した加圧−真空排気のサイクルパージ」では、約5回まで低減することができるという結果が得られた。
【0046】
〔本装置の他の構成例〕
本装置において、第1構成例のように、パージガス流路Lpの下流端が、容器バルブBaと接続される構成ではなく、図4(B)に例示するように、ベントLvの上流端とガス供給流路Lsとの接合部分Mと容器バルブBaの間に接続される構成とすることが好適である。パージガスのガス供給流路Lsの上流側から導入・パージを可能とするとともに、接合部分Mにおいてこれに接合するベントLvから処理済みのパージガスを排出することによって、流路内部でのガスの滞留や拡散を少なくすることを可能とした。
【0047】
また、本装置は、図4(A)および(B)に例示するように、ガス供給流路LsのベントLvの上流端との接合部分Mに圧力センサが配設され、その出力により、開閉弁Va,Vbおよびパージ弁10の開閉が制御されることが好ましい。本装置において、重要なパージ機能は、パージガスの供給条件(例えば圧力)、特にガス供給流路LsとベントLvとの接点における条件が重要な指標となる。また、制御の対象となる開閉弁Va,Vbおよびパージ弁10に近接し、その間に流路内部の圧力に対して影響を与える部材がないポイントとして、接合部分Mが好適である。ここに圧力センサPを配設することによって、外的な影響を受けずに、充填ガスやパージガスの供給を精度よく、効率的に行なうことができる。
【符号の説明】
【0048】
1 空間部
2 スリーブ
2a 配管
2b 係止部
2c,3b パッキン部
2d 付勢部
2e 保持部
2f 外周端部
3 接続部a
3a,4a 螺子部
3c 接続端
4 固定用ナット
4b 接面部
4c 係止部
5,5a,5b パッキン
6 弁体
6a 一端部
6b 弾性体
6c 他端部
6d 弁部
10 パージ弁
B 容器
Ba 容器バルブ
Fs 流量調整器
Lp パージガス流路
Ls ガス供給流路
Lv ベント
P 圧力センサ
Rs 圧力調整器
Va,Vb 開閉弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスが充填される容器と、該容器に取付けられた容器バルブと、該容器バルブに接続されるガス供給流路,ベント,およびパージガス流路と、前記ガス供給流路に設けられた開閉弁Vaおよび圧力調整器と、前記ベントに設けられた開閉弁Vbと、内部にガス流通可能な空間部を有し、前記パージガス流路の上流側に設けられたスリーブおよび下流側に設けられた接続部において前記空間部と接続される逆止機構付のパージ弁と、を備え、前記パージ弁が、
一方において前記接続部の外周と螺合可能に形成され、他方において前記スリーブを係止可能に設けられた前記パージ弁の固定用ナットと、
前記スリーブ,前記接続部,前記固定用ナットの間に配設され、前記パージ弁の内部のシールを確保・維持するパッキンと、
前記空間部に挿入され、前記接続部に係止可能な一端部と前記スリーブに係止された弾性体による付勢可能な他端部を有し、パージガス流路の逆止機能を有する弁体と、
を有し、前記固定用ナットの操作によって、前記パージ弁を介して上流のパージガス流路から下流のパージガス流路へのパージガスの流通・封止の切換を行なうできることを特徴とするガス供給装置。
【請求項2】
前記容器バルブに接続されるガス充填流路が設けられ、該ガス充填流路に前記パージ弁が設けられること、あるいは前記パージガス流路が、ガス充填流路として使用されることを特徴とする請求項1記載のガス供給装置。
【請求項3】
前記パージ弁の上流のパージガス流路に、パージガス用加温部が設けられることを特徴とする請求項1または2記載のガス供給装置。
【請求項4】
前記ガス供給流路の上流端をベントの上流端に接合させ,該接合部分と前記容器バルブの間にパージガス流路の下流端が接続されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガス供給装置。
【請求項5】
前記ガス供給流路のベントの上流端との接合部分に圧力センサが配設され、その出力により、前記開閉弁Va,Vbおよび前記パージ弁の開閉が制御されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガス供給装置。
【請求項6】
請求項1〜5記載のガス供給装置を用い、
容器の交換時,容器からガス供給流路への充填ガスの供給開始時,あるいは容器へのガスの充填操作時において、
(1)予め容器に取付けられた容器バルブを封止し、該容器バルブに接続されるガス供給流路およびベントに設けられた開閉弁Va,Vbを閉とした状態とし、予めパージガス流路にパージガス供給装置を接続する。
(2)前記容器バルブに接続されたパージガス流路に設けられたパージ弁の固定用ナットの操作によって、パージ弁内部の空間部に挿入された弁体の一端部が、パージガス流路の下流側に設けられた接続部から離れた位置になるように設定する。
(3)前記固定用ナットを操作し、前記弁体の一端部を接続部に当接させるとともに、パージガスをパージガス流路に導入する。
(4)さらに前記固定用ナットを操作し、前記弁体の他端部をパージガス流路の上流側に設けられたスリーブによって移動させ、該スリーブと前記空間部が接続される逆止機構を開放してパージガスをパージ弁に導入し、その内部をパージするとともに、ベントの開閉弁Vbを開として、パージガスをベントに排出する。
ことを特徴とするガス供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−225355(P2012−225355A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90962(P2011−90962)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000109428)日本エア・リキード株式会社 (53)
【Fターム(参考)】