説明

ガス分析装置

【課題】部品コストを増大させることなく、リード線の引き出し部位とされるガスセンサの基端部の熱による損傷の発生を抑制することができるガス分析装置を提供する。
【解決手段】煙道に挿入固定された支持筒21内には接続管61を挿入し、当該接続管61内には支持筒21の先端壁31に固定されたガスセンサ41の少なくとも基端部を収容するようにした。そして、接続管61の基端側から冷却用空気を導入するようにした。即ち、接続管61内には空気供給管56を挿入し、その先端開口部であるノズル部56aをガスセンサ41の基端部へ指向させるようにした。ガスセンサ41の基端部に冷却用空気が供給されることにより、当該基端部に装着されたリード線押さえ部材47は冷却される。このため、リード線押さえ部材47の温度上昇が抑制され、当該リード線押さえ部材47の熱による損傷も回避できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煙道内の被検出ガスに含まれる酸素及び窒素酸化物等の所定の成分を検出して分析するガス分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、地球環境の保全といった観点から、例えば内燃機関及び各種の燃焼炉から排出される排気ガス中の窒素酸化物濃度の低減が望まれている。このため、前記排気ガス中の窒素酸化物を検出して分析するガス分析装置の開発が盛んに行われている。ガス分析装置の分析結果は内燃機関及び燃焼炉の燃焼状態等のフィードバック制御等に利用される。こうしたガス分析装置としては、煙道内の測定点近傍にガスセンサを配置する直接挿入タイプ(例えば、特許文献1参照。)及び煙道内の測定点よりも煙道壁側にガスセンサを配置して当該煙道内の排ガスをガスセンサの検知部へ導く誘引タイプ(例えば、特許文献2参照。)がある。
【0003】
直接挿入タイプのガス分析装置は排気管内の排ガスを採取する円筒状のプローブを備えており、当該プローブは焼却炉等における煙道壁の孔に挿入され、取付けフランジを介して当該煙道壁に固定されている。プローブの先端部には多孔質の金属焼結フィルタが設けられていると共に同じく先端内部にはガスセンサが設けられている。ガスセンサのガス検出素子としては、例えばジルコニア等のセラミックスからなる固体電解質を用いたものが知られている。煙道内の排ガスはフィルタを通過してプローブ内に導かれ、その導かれてきた排ガスはガスセンサにより検出される。ガスセンサの基端部にはリード線を引き出すためのターミナル部が設けられており、このターミナル部はリード線を介して外部の制御装置に接続されている。
【0004】
一方、誘引タイプのガス分析装置において、ガス採取管の煙道内突出側の端部にはガス流入口が、また取付け壁面に近接した根元側管壁にはガス流出口が形成されている。煙道内を流れるガス自体の動圧により、煙道ガスが前記流入口からガス採取管内へ流入して固体電解質式のガスセンサに接触し、その後、前記ガス流出口から煙道へ戻るようになっている。ガスセンサの基端部から引き出されたリード線は外部の指示計に接続されている。
【特許文献1】特開昭63−58152号公報
【特許文献2】実公昭61−13964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
煙道壁内面に発生しやすい渦流の影響を回避する等の目的で、特許文献1,2に記載されたガス分析装置のプローブ及びガス採取管の先端は煙道の中心又はその付近まで延出される場合が多い。そして、これらプローブ及びガス採取管の煙道への突出長さは、当該煙道径に応じて設定されている。即ち、煙道径が大きくなるほどプローブ及びガス採取管の長さは大きく設定され、逆に煙道径が小さくなるほどプローブ及びガス採取管の長さは小さく設定される。その際、特許文献2に記載の誘引タイプのガス分析装置においては、ガスセンサの位置を変更する必要はなく、ガス採取管の煙道への挿入長さを調整するだけでよい。これに対し、特許文献1に記載の直接挿入タイプのガス分析装置においては、プローブの先端部にガスセンサが設けられているので、煙道径によっては、ガスセンサ基端部のターミナル部も含めて、ガスセンサの全体を煙道内に配置しなければならない場合もある。
【0006】
ここで、ターミナル部に接続された複数本のリード線を整列して外部に引き出すために、ガスセンサの基端部にリード線押さえ部材を装着するようにしたガス分析装置も知られている。このリード線押さえ部材はリード線の通しやすさの観点から例えば弾性を有するゴム材により円板状に形成されている。このリード線押さえ部材にはリード線を挿通可能とした複数の孔が形成されており、各孔にはそれぞれリード線が挿通されている。しかし、ガスセンサを高温環境下で使用するようにした場合、こうしたリード線押さえ部材には熱による損傷が発生するおそれがある。
【0007】
そこで、耐熱性を確保するために、前記リード線押さえ部材を、より耐熱性の高いゴム材以外の材料(例えば白金等の金属材料、又はセラミックス)により形成することも考えられる。ところが、そのような材料は得てして高価であり、部品コストの増大、ひいてはガス分析装置のコスト増大につながる。このように、部品コストの観点から、リード線押さえ部材は弾性を有するゴム材により形成することが好ましく且つ要望されているにもかかわらず、耐熱性の点で劣るゴム材により形成されたリード線押さえ部材を高温環境下で使用するための具体的解決策は何ら提案されていないのが現状である。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、部品コストを増大させることなく、リード線の引き出し部位とされるガスセンサの基端部の熱による損傷の発生を抑制することができるガス分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、煙道内へ突出するように設けられた支持筒と、前記支持筒内における先端に固定されて煙道内を流れる被測定ガスに含まれる所定の成分を検出するガスセンサと、を備えたガス分析装置において、前記支持筒内には、前記ガスセンサの基端部を冷却するための冷却用空気を送る送気手段を備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記送気手段は、先端が開口した空気供給管を備えると共に当該空気供給管の先端開口部を前記ガスセンサの基端部へ指向させて配置し、当該空気供給管の基端側から導入された前記冷却用空気を前記先端開口部から流出させるようにしたことを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記支持筒内には、前記空気供給管の先端開口部及び前記ガスセンサの基端部を覆う接続管を設け、当該接続管の基端側には単数又は複数の空気導入孔を形成するようにしたことを要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のガス分析装置において、前記支持筒の先端部に開口部を形成し、当該開口部には前記ガスセンサが取り付けられるセンサ取付け部材を着脱可能に装着するようにしたことを要旨とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のガス分析装置において、前記センサ取付け部材には煙道内を流れる被測定ガスの取込口を形成すると共に当該取込口よりもセンサ取付け部材の先端方向へ突出する壁部材を着脱可能に設け、当該壁部材は前記取込口よりも被測定ガスの流れの上流側に位置させるようにしたことを要旨とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のガス分析装置において、前記壁部材の基端部には前記センサ取付け部材に外嵌可能とされた支持部材を設け、当該支持部材とセンサ取付け部材との間には、前記壁部材が前記被測定ガスの流れの上流側に位置するように、センサ取付け部材に対する壁部材の取付け位置を調節可能とする係合構造体を設けるようにしたことをその要旨とする。
【0015】
(作用)
前述したように、一般に、ガスセンサの基端部はセンサ出力取出用のリード線が引き出されるリード線引き出し部位とされており、そのリード線引き出し部位はリード線の通しやすさの観点から弾性を有するゴム材により形成されることが多い。しかし、ガスセンサを高温環境下で使用するようにした場合、そうしたゴム材製のリード線引き出し部位には熱による損傷が発生するおそれがある。そこで、耐熱性を確保するために、前記リード線引き出し部位を、前記ゴム材に比べて耐熱性に優れた金属材料及びセラミックス等のゴム材以外の材料により形成することも考えられる。ところが、そのような材料は得てして高価であり、部品コストの増大につながる。
【0016】
このような背景にあって、請求項1に記載の発明によれば、ガスセンサにおけるリード線の引き出し部位であるガスセンサの基端部に冷却用空気が供給される。この冷却用空気によりガスセンサの基端部は冷却され、当該基端部の温度上昇が抑制される。このため、当該基端部における前記引き出し部位を前述したような耐熱性に劣るゴム材により形成するようにした場合であっても当該引き出し部位の温度上昇は抑制される。従って、当該ゴム材よりも耐熱性に優れた高価な材料を使用することなく、リード線の引き出し部位における熱による損傷の発生を抑制することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、空気供給管の先端開口部はガスセンサの基端部へ向いているので、当該空気供給管の基端側から導入されて同じく先端開口部から流出した冷却用空気は、前記ガスセンサの基端部に効率的に供給される。その結果、ガスセンサの基端部の冷却が促進される。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、空気供給管の先端開口部及び前記ガスセンサの基端部がそれぞれ接続管に覆われることにより、空気供給管の先端開口部から流出した冷却用空気は当該接続管内を通ってガスセンサの基端部へ供給される。このため、冷却用空気は拡散することなく接続管によりガスセンサの基端部近傍まで案内される。従って、ガスセンサの基端部を効果的に冷却することができる。
【0019】
また、空気供給管から冷却用空気が供給されると、接続管内にはその基端側から先端側への空気の流れが発生する。それに伴って接続管内は負圧となり空気導入孔から当該接続管内に外部空気が流れ込むと共に接続管の先端側へ流れ始める。このため、接続管内における渦流の発生が抑制される。従って、ガスセンサの基端部に冷却用空気を円滑に供給することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、センサ取付け部材を支持筒から取り外すことにより、ガスセンサも取り外し可能となる。即ち、ガスセンサを支持筒に対して着脱するための特別な治具は不要となり、ガスセンサの交換作業を簡単に行うことができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の作用に加えて、壁部材は取込口よりも被測定ガスの流れの上流側に位置するので、被測定ガスの流れは壁部材により遮られ、取込口には壁部材を回り込んだ被測定ガスが緩やかに取り込まれる。そしてその取り込まれた被測定ガスがガスセンサにより検出される。このため、被測定ガスの勢いを抑制しないまま取込口へ導くようにした場合と異なり、被測定ガスを安定的に分析することができる。
【0022】
また、壁部材はセンサ取付け部材に対して着脱可能であるので、被測定ガスの流れの状況に応じて選択的に取着することが可能となる。即ち、勢いがある煙道内にガスセンサを挿入する場合等には積極的に壁部材をセンサ取付け部材に取着して被測定ガスの流れの勢いを抑制し、勢いのない緩やかな場合には壁部材を取り外して被測定ガスを積極的に取り込むようにする。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の作用に加えて、センサ取付け部材に対する壁部材の取付け位置を調節可能となるので、ガス分析装置(正確には、支持筒)の煙道への取付けの自由度が増す。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、冷却用空気を供給するようにしたことにより、部品コストを増大させることなく、リード線の引き出し部位とされるガスセンサの基端部の熱による損傷の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
<第1実施形態>
以下、本発明を例えばエンジン、ボイラ、工業用炉等の排気管に取り付けられて当該排気管内の煙道を流れる被測定ガスとしての排ガスに含まれる所定成分(例えば、窒素酸化物)を検出して分析するガス分析装置に具体化した第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。本実施形態のガス分析装置は煙道内の測定点近傍にガスセンサを配置する直接挿入タイプである。
【0026】
<全体構成>
図1に示すように、ガス分析装置11は煙道を流れる排ガスに含まれる所定の成分を検出する発信器11aと当該発信器11aに電気的に接続された分析器11bとを備えている。発信器11aは煙道内に挿入固定されており、分析器11bは外部に設置されている。即ち、煙道壁12には発信器11aを挿通可能とした筒状の発信器挿入口13が突設されており、発信器挿入口13の先端外周縁には環状のフランジ部14が形成されている。この発信器挿入口13を介して発信器11aは煙道内に挿入されており、当該発信器11aは前記フランジ部14に固定されている。
【0027】
<発信器>
発信器11aは、一端が開口した円筒状の支持筒21を備えており、当該支持筒21の開口端縁にはフランジ部22が形成されている。支持筒21は前記発信器挿入口13に挿入され、煙道壁12のフランジ部14の外面と当該支持筒21のフランジ部22の内面との間にシール部材Sを介在させた状態で、前記フランジ部14側からボルト23を挿通し、当該ボルト23にナット24を締め付けることにより、支持筒21は煙道壁12に固定されている。両フランジ部14,22により密接状態で挟み込まれたシール部材Sにより、煙道の内外、即ち両フランジ部14,22間の気密が確保されている。また、前記ボルト23の雄ねじ部23aは前記ナット24の外端面から突出している。
【0028】
<支持筒>
支持筒21の先端壁31には後述するガスセンサ41の先端部を収容固定可能とした収容部32が貫通して形成されており、当該収容部32の内周面には雌ねじ部33が形成されている。この雌ねじ部33は支持筒21の先端壁31の内面から外面側へ向かう所定区間に亘って形成されている。また、支持筒21の先端壁31には、当該支持筒21の内部と前記収容部32の内部とを連通するL字状の連通路34が形成されている。
【0029】
さらに、前記先端壁31の開口部周縁には環状のフィルタ支持部35が突設されており、当該フィルタ支持部35の先端部には防塵用のフィルタ36が固定されている。フィルタ36は、金属の粉末を焼き固めて作った金属焼結フィルタであり、当該フィルタ36はその一端が開口した有底筒状に形成されている。このフィルタ36はその開口端縁において前記フィルタ支持部35の先端面に突き合わせ状態で固定されている。
【0030】
<ガスセンサ>
前記収容部32にはガスセンサ41が固定されている。ガスセンサ41は筒状のセンサケース42を備えており、当該センサケース42の外周面における先端寄りにはセンサナット43が形成されている。また、センサケース42の外周面において、センサナット43よりも先端側には雄ねじ部44が形成されており、当該雄ねじ部44よりも先端側には複数個のガス導入孔45が当該センサケース42の周方向に所定間隔をおいて配置形成されている。センサケース42の先端部を前記先端壁31の収容部32に挿入して、当該センサケース42の雄ねじ部44を前記雌ねじ部33に締め付けることにより、センサケース42は先端壁31に固定されている。雄ねじ部44の雌ねじ部33に対する締め付けに伴うガスセンサ41の先端方向への移動は、センサナット43が先端壁31の内面に当接することにより規制される。
【0031】
センサケース42の内部には酸素イオン伝導性固体電解質体により板状又は棒状に形成された高温作動型のセンサ素子(図示略)、及び当該センサ素子を加熱するヒータ(図示略)が収容されている。前記センサ素子には一対の電極が設けられており、両電極間の化学ポテンシャル(電位に相当)の差(電位差に相当)に起因して発生する電流を測定することにより、被測定ガス中の所定成分(正確には、その濃度)を検知することが可能となっている。
【0032】
前記両電極には当該センサ素子からの出力電圧を取り出す複数本のリード線46の一端が接続されており、当該各リード線46の他端はセンサケース42の基端部に装着されたリード線押さえ部材47を介して外部に導出されている。また、前記ヒータには電力供給用の複数のリード線46の一端が接続されており、当該各リード線46の他端も前記リード線押さえ部材47を介して外部に導出されている。複数本のリード線46は、耐熱性及び絶縁性を有するテフロン(登録商標)材料により被覆されている。
【0033】
図5に示すように、リード線押さえ部材47は弾性、耐熱性及び絶縁性を有するゴム材料(例えばフッ素ゴム及びシリコンゴム)により円板状に形成されており、リード線46の本数と同数のリード線挿通孔47aが環状に配置形成されている。各リード線46はリード線押さえ部材47の各リード線挿通孔47aにそれぞれ1本ずつ挿通されている。また、各リード線46はリード線挿通管48に挿通されることにより束ねられている。一端がガスセンサ41に接続された各リード線46の他端はそれぞれ単一の雄型コネクタ49が接続されている。
【0034】
<端子箱>
図1に示すように、前記煙道壁12のフランジ部14には、前記ボルト23を介して直方体状の端子箱51が固定されている。即ち、端子箱51の煙道壁12側の一側壁51aの外面において、図1における上下方向における両端縁には一対の支持部材52,52が溶接により固定されている。支持部材52は端子箱51の一側壁51a外面に固定された支持部52aと、当該支持部52aに対して直交するように外方へ突出する固定部52bとから断面L字状に形成されている。この固定部52bを前記ボルト23に挿通し、外方からナット53を締め付けることにより端子箱51はフランジ部14に固定されている。
【0035】
図1、図2及び図3に示すように、端子箱51の一側壁51aの中央には挿通孔54が形成されており、当該挿通孔54の周囲には図1における上下方向において互いに反対側に位置する一対の円弧状のボルト挿通孔55が形成されている。
【0036】
また、端子箱51において、前記一側壁51aに対向する他側壁51bには空気供給管56の一端がチューブ継手57を介して固定されており、同じく他端は前記一側壁51aの挿通孔54を介して前記支持筒21内(正確には、後述する接続管61内)に導入されている。チューブ継手57は冷却用空気を生成する圧縮空気源(図示略)に接続されており、空気供給管56の一端から流入した冷却用空気は当該空気供給管56の他端から流出してガスセンサ41の基端部へ供給される。即ち、空気供給管56の他端は冷却用空気をガスセンサ41の基端部に供給するノズル部56aとされている。本実施形態において、ノズル部56aが後述する接続管61の軸線方向(図1における左右方向)における中央部よりも若干基端側に位置するように、空気供給管56の接続管61内への突出長さが設定されている。
【0037】
さらに、一端が分析器11bに接続された出力取出用ケーブル58の他端が、前記他側壁51bにおけるチューブ継手57の下方に固定されたケーブル用継手59を介して、端子箱51内に導入されている。出力取出用ケーブル58の他端には雌型コネクタ60が接続されており、当該雌型コネクタ60は端子箱51内において前記雄型コネクタ49と接続されている。
【0038】
また、図3及び図4に示すように、端子箱51の前記一側壁51a及び他側壁51bに直交すると共に互いに対向する一対の側壁はそれぞれ着脱可能とされた蓋51c(図3では一方のみ図示する。)とされている。両蓋51c,51cを取り外すことにより、端子箱51は側方に開放される。
【0039】
<接続管>
図1に示すように、端子箱51の一側壁51aの外面には、一端が開口した有底円筒状の接続管61が固定されている。即ち、接続管61の基端部外周面には互いに反対側に位置する一対の固定部材62が溶接等により固定されている。固定部材62は接続管61の外周面に固定される接続管側固定壁62aと、当該接続管側固定壁62aに直交すると共に端子箱51の一側壁51aに固定される端子箱側固定壁62bとからL字状に形成されている。また、端子箱側固定壁62bにはボルト挿通孔63が形成されている。そして、端子箱51の一側壁51aのボルト挿通孔55及び端子箱側固定壁62bのボルト挿通孔63に当該端子箱51の内側からボルト64を挿通し、ナット65を締付けることにより、接続管61は端子箱51の一側壁51aの外面に固定されている。
【0040】
図1に示すように、接続管61を端子箱51の一側壁51aに固定した状態において、当該接続管61の先端面が支持筒21の内頂面に当接するように、当該接続管61の長さは設定されている。また、図2及び図3に示すように、接続管61の先端壁には、ガスセンサ41のセンサナット43を嵌合可能とした六角形状の嵌合孔66が形成されている。接続管61を端子箱51の一側壁51aに固定し、且つ支持筒21のフランジ部22及び端子箱51の固定部52bを発信器挿入口13のフランジ部14に固定した状態において、当該接続管61は嵌合孔66にセンサナット43が嵌合した状態に保持されている。
【0041】
図1、図2及び図3に示すように、接続管61の基端側には複数個の空気導入孔67が当該接続管61の周方向に所定間隔をおいて形成されている。また、接続管61の長手方向における中央よりも若干先端寄りには、複数個の空気導出孔68が当該接続管61の周方向に所定間隔をおいて形成されている。
【0042】
接続管61を端子箱51の一側壁51aに固定し、且つ支持筒21のフランジ部22及び端子箱51の固定部52bを発信器挿入口13のフランジ部14に固定した取り付け状態における各空気導入孔67及び各空気導出孔68の接続管61に対する形成位置は、次のようにされている。即ち、前記取り付け状態において、支持筒21の先端壁31に固定されたガスセンサ41の基端部(センサケース42の基端部に装着されたリード線押さえ部材47の近傍)に対応するように、各空気導出孔68の接続管61の軸線方向(図1における左右方向)における位置が設定されている。また、前記取り付け状態において、空気導入孔67は支持筒21のフランジ部22の外側(支持筒21の外部)に位置する一方、空気導出孔68はフランジ部22の内側(支持筒21の内部)に位置するように、空気導入孔67及び空気導出孔68の接続管61の軸線方向における位置が設定されている。
【0043】
図1に示すように、支持筒21の内周面と接続管61の外周面との間には、分析器11bを校正するための校正用ガスを供給する校正用ガス供給用配管71が挿入されている。校正用ガス供給用配管71の先端部は支持筒21の先端壁31に形成された連通路34における当該先端壁31内面側の開口部に螺合されている。また、図4に示すように、当該校正用ガス供給用配管71の基端部は端子箱51の一側壁51aと支持筒21のフランジ部22との間の空間を通って側方(図4における左方)へ導出されて外部の校正用ガス供給源(図示略)に接続されている。従って、前記校正用ガス供給源からの校正用ガスは校正用ガス供給用配管71及び連通路34を通って前記収容部32へ供給される。
【0044】
尚、本実施形態において、嵌合孔66は嵌合部を構成し、当該嵌合孔66及びセンサナット43は係合構造体を構成する。また、リード線押さえ部材47はセンサ出力取出し用のリード線の引き出し部位であるガスセンサの基端部を構成する。空気供給管56は送気手段を構成する。
【0045】
<実施形態の作用>
次に、前述のように構成したガス分析装置の作用を説明する。
<ガスセンサの校正作業>
排ガスの測定をするに際して、ガスセンサ41の校正を予め行う。即ち、前記校正用ガス供給源から所定の校正用ガス(例えば酸素ガス)を供給する。この校正用ガスは、校正用ガス供給用配管71及び先端壁31の連通路34を介して支持筒21(正確には、先端壁31)の収容部32内に流れ込み、さらに各ガス導入孔45を介してセンサケース42内に流入する。このセンサケース42内に流れ込んだ校正用ガスは、当該センサケース42内に収容された前記センサ素子に接触する。すると、センサ素子の両電極間には所定の電圧(起電力)が発生し、当該電圧に起因して発生する電流は各リード線46、雄型コネクタ49、雌型コネクタ60及び出力取出用ケーブル58を介して分析器11bに出力される。分析器11bは入力された当該電流を基準電流として記憶する。以上で、ガスセンサ41の校正作業は完了となる。
【0046】
<排ガスの取り込み>
校正作業の完了後、発信器11aは発信器挿入口13を介して煙道に挿入され、煙道壁12に固定される。煙道内を流れる排ガスは、フィルタ36の先端面及び外周面を介して支持筒21(正確には、先端壁31)の収容部32内に流れ込む。ここで、排ガスは、フィルタ36の先端面及び外周面における様々な方向から取り込み可能となっていることにより、収容部32内には十分な量の排ガスが取り込まれる。そして、収容部32内に流入した排ガスは、さらに各ガス導入孔45を介してセンサケース42内に流入する。このセンサケース42内に流れ込んだ排ガスは、当該センサケース42内に収容された前記センサ素子に接触する。当該センサ素子の両電極間には、自身に接触した排ガスに含まれる所定成分(ここでは、窒素酸化物)の濃度に応じた実電圧(起電力)が発生し、当該実電圧に起因して発生する実電流は各リード線46、雄型コネクタ49、雌型コネクタ60及び出力取出用ケーブル58を介して分析器11bに出力される。分析器11bは入力された実電流と予め記憶された前記基準電流とを比較し、当該基準電流に対する実電流の変化量に基づいて、排ガス中の所定成分濃度を分析する。
【0047】
<冷却用空気の供給>
前述したように、煙道内の排ガスの分析時、ガスセンサ41の少なくとも基端部には冷却用空気が送られる。即ち、前記圧縮空気源から供給される冷却用空気は、チューブ継手57、空気供給管56を介して接続管61内に供給される。接続管61内に挿入された空気供給管56の先端開口部、即ちノズル部56aはガスセンサ41の基端部へ指向しているので、当該ノズル部56aから噴出した冷却用空気はガスセンサ41の基端部へ向かって流れる。このノズル部56aからの冷却用空気は、接続管61の基端側から同じく先端側へ、当該接続管61の内面に案内されながらガスセンサ41の基端部近傍へ到る。即ち、接続管61に案内されることにより、ノズル部56aからの冷却用空気は拡散することがなく、当該冷却用空気はガスセンサ41の基端部に効率的に供給される。
【0048】
また、ノズル部56aからの冷却用空気の噴出に伴って、次のような空気の流れが発生する。即ち、ノズル部56aから噴出した冷却用空気は、接続管61内をその先端側へ通過して空気導出孔68から支持筒21内へ流出し、さらに支持筒21内をフランジ部22側へ流れて、フランジ部22と固定部52bとの隙間から外部に排出される。そして、接続管61内において、その基端側から先端側への空気の流れが発生すると、当該接続管61内は負圧となる。その結果、支持筒21のフランジ部22の外側に位置する各空気導入孔67から接続管61内に外部の空気が流れ込み、共に接続管61の先端側へ流れ始める(いわゆるエジェクタ効果)。こうした随伴気流が発生することにより、接続管61内(特に管壁付近)における渦流の発生が抑制され、接続管61内の空気流も円滑になる。ひいては、冷却用空気のガスセンサ41の基端部に対する供給効率のいっそうの向上が図られる。
【0049】
そしてこのように、ガスセンサ41の基端部に冷却用空気が供給されることにより、当該基端部に装着されたリード線押さえ部材47及び各リード線46が冷却される。即ち、冷却用空気とリード線押さえ部材47及び各リード線46との間で熱交換が行われることにより、当該リード線押さえ部材47及び各リード線46の熱は奪われる。このため、リード線押さえ部材47及び各リード線46の温度上昇が抑制され、それらの熱による損傷も回避できる。そして、リード線押さえ部材47及び各リード線46との熱交換後の冷却用空気は各空気導出孔68から接続管61の外部に出て行く。このため、ガスセンサ41の胴体部(センサケース42)は冷却用空気によって積極的に冷却されることはない。
【0050】
<ガスセンサの交換手順>
次に、前述のように構成したガス分析装置におけるガスセンサの交換手順について説明する。
【0051】
<ガスセンサの取り外し>
まず、ガスセンサ41の支持筒21からの取り外し作業について説明する。ガスセンサ41を支持筒21から取り外す場合には、まず端子箱51の蓋51cを外し、端子箱51内部にある雄型コネクタ49と雌型コネクタ60との接続を解除する。次にボルト64及びナット65を取り外して端子箱51と接続管61との固定を解除し、さらにボルト23及びナット53を取り外して端子箱51と支持筒21のフランジ部22との固定を解除する。そして端子箱51を把持して、雄型コネクタ49と接続されている各リード線46を端子箱51の挿通孔54から引き抜く。次に、接続管61を把持して所定方向へ回転させる。すると、この接続管61の回転力は嵌合孔66及びセンサナット43を介してガスセンサ41に伝達され、その結果、接続管61とガスセンサ41とは一体的に回転する。雌ねじ部33の雄ねじ部44に対する螺合が解除されればガスセンサ41の取り外しが可能となる。そして、ガスセンサ41を接続管61の嵌合孔66に嵌合させた状態で当該接続管61を支持筒21から引き抜いて、その後、ガスセンサ41を接続管61から取り外す。ここで、ガスセンサ41を先端壁31の収容部32から引き抜いた際、煙道内の熱気が収容部32から支持筒21内に流入することは、フィルタ36により抑制される。以上で、ガスセンサ41の取り外し作業は完了となる。
【0052】
<ガスセンサの取り付け>
次に、ガスセンサ41の支持筒21への取付け作業について説明する。ガスセンサ41を支持筒21に取り付ける場合には、まず接続管61の先端にガスセンサ41を取り付ける。即ち、センサナット43を嵌合孔66に嵌合させ、接続管61を支持筒21の基端側開口部から挿入すると共に当該ガスセンサ41の先端を先端壁31の収容部32へ挿入する。そして、接続管61を把持してガスセンサ41を支持筒21から取り外すときと反対方向へ回転させる。すると、この接続管61の回転力は嵌合孔66及びセンサナット43を介してガスセンサ41に伝達され、その結果、接続管61とガスセンサ41とは一体的に回転する。雄ねじ部44の雌ねじ部33への締め付けに伴うガスセンサ41の先端方向への移動はセンサナット43が支持筒21の先端壁31内面に当接することにより規制される。
【0053】
次に、雄型コネクタ49と接続された各リード線46を端子箱51の挿通孔54に挿通し、ボルト64及びナット65を締め付けて、端子箱51と接続管61とを固定する。次に、ボルト23及びナット53を締め付けて、端子箱51と支持筒21のフランジ部22を固定する。最後に端子箱51内で雄型コネクタ49と雌型コネクタ60を接続し、端子箱51の蓋51cを取付ければ、ガスセンサ41の交換作業は完了となる。
【0054】
以上のように、ガスセンサ41の交換作業において、接続管61はガスセンサ41と支持筒21との固定(螺合)を解除するための治具、及びガスセンサ41を支持筒21に固定(螺合)するための治具としても機能する。そのため、ガスセンサ41と支持筒21との固定を解除するための治具を別途用意する必要はない。
【0055】
<実施形態の効果>
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ガスセンサ41の少なくとも基端部に冷却用空気を送るようにした。即ち、接続管61内に空気供給管56を挿入し、その先端開口部をガスセンサ41の基端部へ指向させるようにした。ガスセンサ41の基端部に冷却用空気が供給されることにより、当該基端部に装着されたリード線押さえ部材47及び各リード線46は冷却される。このため、リード線押さえ部材47及び各リード線46の温度上昇が抑制され、それらの熱による損傷も回避できる。ゴム材により形成されたリード線押さえ部材47を、より耐熱性の高い高価な部品に置換する必要もないので、部品コストが増大することもない。
【0056】
(2)また、接続管61の基端側から導入された冷却用空気は当該接続管61内を通ってガスセンサ41の基端部近傍へ供給される。このため、冷却用空気は拡散することなく接続管61によりガスセンサ41の基端部近傍まで案内される。従って、ガスセンサ41の基端部を効果的に冷却することができる。
【0057】
(3)一端が圧縮空気源に接続された空気供給管56の他端に設けられたノズル部56aを、ガスセンサ41の基端部へ指向させるように配置した。空気供給管56のノズル部56aはガスセンサ41の基端部へ向いているので、当該空気供給管56のノズル部56aから流出した冷却用空気はガスセンサ41の基端部に効率的に供給される。その結果、ガスセンサ41の基端部に装着されたリード線押さえ部材47及び各リード線46の冷却効果が高められる。
【0058】
(4)ガスセンサ41の先端部を支持筒21の先端壁31に内方から螺合するようにし、接続管61内にガスセンサ41の全部が収容される程度に当該接続管61を延出するようにした。そして、ガスセンサ41の外周面にはセンサナット43を形成すると共に、接続管61の先端内周面にはセンサナット43を嵌合可能とした嵌合孔66を形成し、当該嵌合孔66にセンサナット43が嵌合された状態に保持されるように接続管61を固定するようにした。即ち、嵌合孔66及びセンサナット43を介して接続管61とガスセンサ41とは一体的に回転可能となっている。
【0059】
このため、接続管61を所定方向へ回転させることによりガスセンサ41を支持筒21から取り外すことができる。逆に、接続管61を、ガスセンサ41を取り外すときとは反対方向へ回転させることにより当該ガスセンサ41を支持筒21に取り付けることができる。即ち、接続管61はガスセンサ41の支持筒21に対する取付け用且つ取り外し用の治具を兼用する。従って、ガスセンサ41を支持筒21に取り付けたり取り外したりするための特別な治具は不要であり、ガスセンサ41の取り外し及び取付け等の作業効率を向上させることができる。また、センサナット43及び嵌合孔66を形成するだけであるので、構成が複雑になることもない。
【0060】
(5)接続管61の基端部には複数の空気導入孔67を形成するようにした。このため、接続管61の基端側から冷却用空気が供給されると、この冷却用空気の接続管61先端方向への流れに伴って、エジェクタ効果が得られる。即ち、冷却用空気が接続管61の基端側から先端側へ流れることにより、各空気導入孔67から接続管61内に外部空気が流れ込み、接続管61の先端側へ流れ始める。こうした随伴気流が発生することにより、接続管61内における渦流の発生が抑制され、接続管61内の空気流も円滑になる。従って、接続管61内における空気の流れが阻害されることがなく、ガスセンサ41の基端部には円滑に冷却用空気が供給される。その結果、ガスセンサ41の基端部(即ち、リード線押さえ部材47)は効率的に冷却される。また、各リード線46も併せて冷却される。
【0061】
(6)接続管61において、ガスセンサ41の基端部(即ち、リード線押さえ部材47)に対応する部位には複数の空気導出孔68を形成するようにした。接続管61内に供給された冷却用空気は空気導出孔68から接続管61の外部に出て行く。このため、ガスセンサ41の基端部近傍は冷却されるものの、ガスセンサ41の胴体部(センサケース42)は空気供給管56からの冷却用空気によって積極的に冷却されることはない。ガスセンサ41のセンサ素子は前記ヒータにより所定温度に加熱した状態で使用されるので、極力冷やさない方がよい。
【0062】
(7)ガスセンサ41の基端部からリード線押さえ部材47を介して導出された各リード線46を、接続管61内を通して外部に導出するようにした。接続管61内を流れる冷却用空気により各リード線46も冷却される。
【0063】
(8)空気供給管56の先端開口部であるノズル部56aを接続管61の中央部よりも若干基端側に配置するようにした。このようにすると、ガスセンサ41の基端部(リード線押さえ部材47)及び各リード線46のガスセンサ41基端部からの引き出し部分に対して冷却用空気がそれぞれ適度に供給されると共に効率的に冷却される。ノズル部56aをガスセンサ41の基端部に近づけ過ぎると、リード線押さえ部材47はよく冷えるものの、各リード線46がよく冷えないおそれがある。また、ノズル部56aをガスセンサ41の基端部から離し過ぎると、各リード線46は冷えるものの、リード線押さえ部材47は冷えないおそれがある。
【0064】
(9)支持筒21の先端には有底円筒状のフィルタ36を設けると共に当該フィルタ36はその先端面及び外周面がそれぞれ煙道内に露出するように設けた。このため、煙道内の排ガスは、フィルタ36の先端面及び外周面における様々な方向から取り込み可能となる。従って、収容部32内には十分な量の排ガスが取り込まれる。センサケース42に収容されたセンサ素子の応答特性も確保できる。
【0065】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図6(a),(b)に基づいて説明する。本実施形態は、ガスセンサの取り付け構造の点で前記第1実施形態と主に異なる。従って、前記第1実施形態と同様の部材構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0066】
図6(a)に示すように、本実施形態における支持筒21の先端は、前記第1実施形態における支持筒21の先端と異なり開口して形成されており、当該先端開口部にはアダプタ81が着脱可能に固定されている。詳述すると、支持筒21の先端内周面には雌ねじ部82が形成されている。一方、アダプタ81の外周面には環状のフランジ部83が形成されていると共に当該フランジ部83よりも基端側(図6(a)における左側)には雄ねじ部84が形成されている。そして、雄ねじ部84を支持筒21の雌ねじ部82に締付けることにより、アダプタ81は支持筒21の先端部に着脱可能に螺合されている。アダプタ81には、前記第1実施形態における支持筒21の先端壁31と同様に、収容部32、連通路34、フィルタ支持部35及びフィルタ36がそれぞれ設けられている。そして、前記第1実施形態と同様に、収容部32にはガスセンサ41が固定されている。
【0067】
また、本実施形態では、前記第1実施形態における接続管61が省略されており、当該61は空気供給管56に置換されている。即ち、本実施形態において、空気供給管56は両端が開口した円筒状に形成されており、当該空気供給管56には各リード線46及びリード線挿通管48を挿通可能とされている。空気供給管56の基端部には、第1実施形態における接続管61と同様に、固定部材62(図6(a),(b)では図示略)が溶接等により固定されている。空気供給管56は前記固定部材62を介して端子箱51の一側壁51aの外面にボルト64及びナット65により締付け固定されている。その固定された状態において、空気供給管56はその先端がガスセンサ41の基端部に達しない程度の長さとされている。即ち、空気供給管56のノズル部56a(先端開口部)はガスセンサ41の基端部近傍(正確には、リード線押さえ部材47の近傍)に配置されている。
【0068】
さて、前記圧縮空気源により生成された冷却用空気は前記チューブ継手57を介して端子箱51内に供給され、その供給された冷却用空気は端子箱51の挿通孔54を介して空気供給管56の基端部に流入する。空気供給管56の基端側から導入された冷却用空気は、当該空気供給管56の先端開口部、即ちノズル部56aから流出し、ガスセンサ41の基端部に供給される。即ち、空気供給管56のノズル部56aはガスセンサ41の基端部へ指向しているので、当該ノズル部56aから噴出した冷却用空気はガスセンサ41の基端部へ向かって流れる。よって、当該冷却用空気はガスセンサ41の基端部に効率的に供給される。
【0069】
次に、ガスセンサ41の交換作業の手順について説明する。ガスセンサ41を取り外す際には、図3に示すように、まず端子箱51の蓋51cを取り外す。次に、図2に示すように、端子箱51内部にある雄型コネクタ49と雌型コネクタ60の接続を解除する。その後、ナット53を取り外して、端子箱51と支持筒21のフランジ部22との固定を解除する。そして端子箱51を把持して、雄型コネクタ49及び各リード線46を端子箱51の挿通孔54から引き抜く。次にボルト23及びナット24を取り外して、支持筒21のフランジ部22と発信器挿入口13のフランジ部14との固定を解除する。そして支持筒21を発信器挿入口13から引き抜き、図6(b)に示すように、支持筒21から校正用ガス供給用配管71を取り外す。
【0070】
そして、図6(b)に示すように、アダプタ81を所定方向へ回転させることにより支持筒21の先端部から取り外す。そして、アダプタ81にガスセンサ41が固定された状態で、当該アダプタ81を先端方向(図6(b)における右方向)へ引き抜く。これにより、各リード線46、リード線挿通管48及び雄型コネクタ49は支持筒21内を通ってその先端開口部から外部に引き出される。最後に、ガスセンサ41を所定方向へ回転させることにより、当該ガスセンサ41をアダプタ81から取り外す。以上で、ガスセンサ41の取り外しが完了となる。
【0071】
次に、ガスセンサ41を取り付ける際には、交換用のガスセンサ41をアダプタ81に取り付ける。そして、雄型コネクタ49、リード線挿通管48及び各リード線46を支持筒21の先端開口部から挿入しつつ、ガスセンサ41が固定されたアダプタ81を支持筒21の先端開口部に螺合する。この際、アダプタ81の内方(図6(b)における左方)への移動は、当該アダプタ81のフランジ部83が支持筒21の先端開口端面に当接することにより規制される。その後、ガスセンサ41が取り付けられた支持筒21を発信器挿入口13へ挿入する。次に、校正用ガス供給用配管71を支持筒21の基端側の開口部から挿入して、その先端部をアダプタ81の内面に開口する連通路34に螺合する。以降、前述した取り外し作業と逆の手順を行い、ガスセンサ41の取り付け作業を完了する。
【0072】
従って、本実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
(10)アダプタ81を支持筒21の先端開口部に対して着脱可能に固定すると共に当該アダプタ81にガスセンサ41を着脱可能に固定するようにした。このため、アダプタ81を支持筒21から取り外すことにより、ガスセンサ41も取り外し可能となる。即ち、本実施形態によっても、ガスセンサ41を支持筒21に取り付けたり取り外したりするための特別な治具は不要となり、ガスセンサ41の交換作業を簡単に行うことができる。
【0073】
(11)ガスセンサ41の少なくとも基端部に冷却用空気を送るようにした。即ち、空気供給管56の先端開口部をガスセンサ41の基端部へ指向させるようにした。ガスセンサ41の基端部に冷却用空気が供給されることにより、当該基端部に装着されたリード線押さえ部材47及び空気供給管56内の各リード線46は冷却される。このため、リード線押さえ部材47及び各リード線46の温度上昇が抑制され、それらの熱による損傷も回避できる。ゴム材により形成されたリード線押さえ部材47を、より耐熱性の高い高価な部品に置換する必要もないので、部品コストが増大することもない。
【0074】
(12)また、空気供給管56の基端側から導入された冷却用空気は当該空気供給管56内を通ってガスセンサ41の基端部近傍へ供給される。このため、冷却用空気は拡散することなくガスセンサ41の基端部近傍まで案内される。従って、ガスセンサ41の基端部を効果的に冷却することができる。
【0075】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態を図7〜図10に基づいて説明する。図7に示されるように、本実施形態も前記第2実施形態と同様にアダプタ81を備えており、当該アダプタ81にはガスセンサ41が固定されている。アダプタ81のフィルタ支持部35の先端部には円板状のフィルタ36が嵌め込まれており、その上から有蓋筒状のフィルタカバー85が着脱可能に螺合されている。フィルタカバー85の先端壁には開口部85aが形成されており、当該開口部85aからフィルタ36が露出している。また、アダプタ81のフランジ部83と支持筒21の先端開口端面との間にはパッキン86が介在されており、当該パッキン86により支持筒21の内外の気密が確保されている。
【0076】
図9に併せ示すように、アダプタ81のフランジ部83の外周面には環状の凹部83aが形成されている。凹部83aの内底面には複数(本実施形態では8つ)の雌ねじ部87が形成されており、各雌ねじ部87はそれぞれフランジ部83の周方向において等間隔に配置されている。詳述すると、フランジ部83(正確には、凹部83aの内底面)には互いに反対側に形成された一対の雌ねじ部87,87を1組とする複数組(本実施形態では4組)の雌ねじ部87が形成されている。
【0077】
図10に併せ示すように、アダプタ81には保護カバー88が取り付けられている。保護カバー88は円筒状の支持部材89及び当該支持部材89の先端縁に突設された半円筒状の壁部材90を備えている。支持部材89の内径はアダプタ81のフランジ部83の外径とほぼ同じ又は若干大きく設定されており、当該支持部材89はアダプタ81(正確には、フランジ部83)に外嵌可能とされている。また、図8に示すように、支持部材89には一対の係合孔89a,89aが互いに反対側に位置するように形成されている。両係合孔89a,89aはフランジ部83に形成された各雌ねじ部87のうち互いに反対に位置する2つの雌ねじ部87に一致する。
【0078】
さて、両係合孔89a,89aが前記フランジ部83の各雌ねじ部87のうち互いに反対に位置する2つの雌ねじ部87に一致するように、支持部材89はアダプタ81の先端側に外嵌されている。そしてこの状態で、支持部材89の両係合孔89a,89aにそれぞれボルトBを外方から挿通して雌ねじ部87に締め付けることにより、保護カバー88はアダプタ81に脱落不能に支持されている。即ち、図8に示されるように、ボルトBを雌ねじ部87に締め付けた状態において、ボルトBの頭部は支持部材89の係合孔89aに係合する。これにより支持部材89、ひいては保護カバー88の先端方向への移動が規制され、当該保護カバー88のアダプタ81からの抜け止めが図られる。ちなみに、壁部材90は被測定ガスの取込口(フィルタ36が取り付けられるフィルタ支持部35の先端開口部)が形成されたフィルタ支持部35よりも先端方向へ突出しており、当該壁部材90がフィルタ支持部35よりも被測定ガスの流れの上流側に位置するように、保護カバー88は取り付けられている。また、ボルトBを雌ねじ部87に締め付けた状態において、当該ボルトBは支持部材89の外周面から突出することはない。
【0079】
尚、本実施形態において、フィルタ支持部35は本発明の被測定ガスの取込口を、アダプタ81はセンサ取付け部材を、雌ねじ部82は支持筒の先端部の開口部を、雌ねじ部87は取着部をそれぞれ構成する。また、ボルトBは被係合体を構成し、当該ボルトBと支持部材89とから係合構造体が構成されている。
【0080】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(13)アダプタ81には煙道内を流れる被測定ガスの取込口としてのフィルタ支持部35(正確には、その開口部)を形成するようにした。そしてアダプタ81にはフィルタ支持部35よりもアダプタ81の先端方向へ突出する壁部材90を着脱可能に設け、当該壁部材90はフィルタ支持部35よりも被測定ガスの流れの上流側に位置させるようにした。このため、被測定ガスの流れは壁部材90により遮られ、フィルタ支持部35には壁部材90を回り込んだ被測定ガスが緩やかに取り込まれる。そしてその取り込まれた被測定ガスがガスセンサ41により検出される。このため、被測定ガスの勢いを抑制しないままフィルタ支持部35へ導くようにした場合と異なり、被測定ガスを安定的に分析することができる。
【0081】
(14)また、被測定ガスの流れは壁部材90により遮られ、フィルタ支持部35には壁部材90を回り込んだ被測定ガスが緩やかに取り込まれるため、被測定ガスのダストによるフィルタ36の詰まりを抑制することができる。
【0082】
(15)さらには、壁部材90はアダプタ81に対して着脱可能であるので、被測定ガスの流れの状況に応じて選択的に取着することが可能となる。即ち、勢いがある煙道内にガスセンサ41を挿入する場合等には積極的に壁部材90をアダプタ81に取着して被測定ガスの流れの勢いを抑制し、勢いのない緩やかな場合には壁部材90を取り外して被測定ガスを積極的に取り込むようにする。
【0083】
(16)アダプタ81と壁部材90の基端部に設けられた支持部材89との間の係合構造体を介して、壁部材90をアダプタ81に着脱可能に取り付けるようにした。即ち、支持部材89はアダプタ81(正確には、フランジ部83)に外嵌可能に構成すると共に当該支持部材89には2つの係合孔89aを形成するようにした。そして、支持部材89をアダプタ81に外嵌した状態で前記係合孔89aに外方からボルト23を挿通して雌ねじ部87に締め付けることにより、当該ボルトBは係合孔89aに係合可能な状態でアダプタ81に固定されるようにした。
【0084】
ここで、壁部材90は煙道内の被測定ガスの流れを遮るだけなので、アダプタ81に完全に固定する必要はなく、当該アダプタ81から外れない程度に支持されていればよい。このため、本実施形態のように、例えば支持部材89の係合孔89aとボルトBとの係合関係により保護カバー88をアダプタ81に支持する程度で十分に脱落防止が図られる。また、保護カバー88をアダプタ81に装着してボルトBを締め付けるだけであるので、保護カバー88とアダプタ81との固定構造が複雑化することもない。
【0085】
(17)アダプタ81(正確には、フランジ部83)の外周面には複数の雌ねじ部87を当該アダプタ81の周方向に所定間隔毎に設けるようにした。詳述すると、雌ねじ部87はフランジ部83の互いに反対側に位置する一対の雌ねじ部87,87を1組とする複数組が設けられている。また、保護カバー88の両係合孔89a,89aはフランジ部83に形成された各雌ねじ部87のうち互いに反対に位置する2つの雌ねじ部87に一致するように設けられている。このため、雌ねじ部87の配置間隔に応じて壁部材90のアダプタ81に対する取付け位置を被測定ガスの流れの上流側に位置させるように調節することができる。
【0086】
(18)ボルトBは支持部材89の外周面から突出しないようにした。このため、支持筒21を発信器挿入口13に円滑に挿入することができ、発信器11aの煙道壁12への取付け作業が容易になる。ボルトBが支持部材89の外周面から突出している場合には、その突出した部位が支持筒21の発信器挿入口13への挿入の際に当該発信器挿入口13の開口端部に当接したり当該発信器挿入口13の内周面に当接したりし、支持筒21の発信器挿入口13への円滑な挿入が阻害されるおそれがある。そして、支持筒21を発信器挿入口13に挿入する際の姿勢を厳密に管理する必要性も生じ、発信器11aの煙道壁12への取付け作業効率の低下につながる。そうした問題は、発信器挿入口13の内周面と支持筒21の外周面との間隔が小さく設定されているときほど顕著である。本実施形態によれば、支持筒21の外周面から何ら突出することはないので、前述のような問題はない。さらに、支持筒21、ひいてはガス分析装置11の外観性が向上する。
【0087】
(19)アダプタ81のフィルタ支持部35の先端部には円板状のフィルタ36が嵌め込まれており、その上から有蓋筒状のフィルタカバー85が螺合されている。このため、フィルタカバー85を取り外すことによりフィルタ36の着脱が可能となる。よってフィルタ36の交換、清掃を容易に行うことができる。
【0088】
<別の実施形態>
尚、前記第1〜第3実施形態は、次のように変更して実施してもよい。
・第1及び第2実施形態において、図11に示すように、端子箱51の一側壁51aを円板状の固定部材91として形成し、当該固定部材91に挿通孔54及び各ボルト挿通孔55を形成する。また、挿通孔54及び各ボルト挿通孔55の周囲には、ボルト23を挿通する複数の孔92を周方向に所定間隔をおいて形成する。このようにすれば、一対の支持部材52を介して端子箱51を煙道壁12に固定するようにした場合に比べて、部品点数を低減させることができる。
【0089】
・第1実施形態において、図3に二点鎖線で示すように、接続管61の外周面に六角ナット93を形成するようにしてもよい。このようにすれば、この六角ナット93を把持して接続管61を回すことにより、当該接続管61の取り外し及び取り付けが可能となる。従って、接続管61の取り外し作業及び取り付け作業をそれぞれ簡単にすることができる。
【0090】
・第1実施形態では、支持筒21内において、ガスセンサ41の全体が接続管61に覆われるように当該接続管61を設けるようにしたが、当該接続管61内にガスセンサ41の一部(少なくとも基端部)が進入する程度に当該接続管61を設けるようにしてもよい。そして、互いに対向する接続管61の内周面とガスセンサ41の外周面との間には、互いに係合する係合構造体を形成する。即ち、接続管61の内周面には嵌合孔66を形成し、ガスセンサ41の外周面にはセンサナット43を形成する。この際、嵌合孔66は接続管61の先端開口部に形成しなくてもよい。例えば、接続管61の胴体部に形成するようにしてもよい。
【0091】
・第1実施形態では、空気供給管56の先端開口部であるノズル部56aを接続管61の中央部よりも若干基端側に配置するようにしたが、当該接続管61の長さを適宜調整することによりノズル部56aの配置を変更してもよい。即ち、空気供給管56を長くしてノズル部56aを接続管61の中央部又は当該中央部よりも先端側(ガスセンサ41側)に配置するようにしてもよし、逆に短くしてノズル部56aを接続管61の中央部よりもさらに基端側に配置するようにしてもよい。また、空気供給管56を接続管61内に導入することなく、端子箱51内に冷却用空気を供給するだけとしてもよい。この場合、端子箱51内に供給された空気は接続管61を通ってガスセンサ41のセンサ基端部へ導かれる。
【0092】
・第1実施形態においては、接続管61の基端側に複数の空気導入孔67を形成するようにしたが、単一の空気導入孔67を形成するようにしてもよい。このようにしても、第1実施形態における(5)番目に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
【0093】
・第1実施形態においては、接続管61におけるガスセンサ41の基端部に対応する部位には複数の空気導出孔68を形成するようにしたが、単一の空気導出孔68を形成するようにしてもよい。このようにしても、第1実施形態における(6)番目に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
【0094】
・第1実施形態においては、各空気導入孔67と各空気導出孔68とを接続管61の外周面における同一軸上に形成するようにしたが(図3参照)、互いの孔の位置を接続管61の周方向に90度ずらして千鳥状に配置するようにしてもよい。このようにすれば、ガスセンサ41の基端部(即ち、リード線押さえ部材47)及び各リード線46はより効率的に冷却される。
【0095】
・第3実施形態においては、支持部材89には2つの係合孔89aを形成するようにしたが、単一の係合孔89aを形成するようにしてもよい。また、3つ、4つ又はそれ以上の係合孔89aを形成するようにしてもよい。
【0096】
・第3実施形態において、ボルトBを例えばピン(図示略)に置換するようにしてもよい。その場合、雌ねじ部87は単なる嵌合穴とすればよい。このようにした場合、前記ピンは被係合体を構成し、当該ピンと支持部材89とから係合構造体が構成される。
【0097】
・複数本のリード線46は、耐熱性及び絶縁性を有するテフロン(登録商標)材料により被覆されている電線を用いたが、耐熱繊維被覆された電線であれば、例えばガラス繊維被覆電線、純ニッケルセラミック電線等を用いてもよい。
・リード線押さえ部材47は弾性、耐熱性及び絶縁性を有するゴム材料(例えばフッ素ゴム及びシリコンゴム)により形成したが、耐熱性及び絶縁性を有する高温用耐火繊維のセラミックファイバー、ガラス繊維により形成してもよい。また、マシナブルセラミックス(マイカ)により形成してもよい。
【0098】
・第3実施形態においては、壁部材90をアダプタ81に対して着脱可能に、且つ被測定ガスの流れの上流側に位置するよう調節可能に構成したが、第1実施形態の先端壁31に壁部材90を設けるようにしてもよい。このようにすれば第1実施例においても被測定ガスを安定的に分析することができると共にダストによるフィルタ36の詰まりを抑制することもできる。
【0099】
<別の技術的思想>
(イ)前記接続管において、ガスセンサの基端部に対応する部位には単数又は複数の空気導出孔を形成するようにした請求項3に記載のガス分析装置(第2実施形態に対応)。
【0100】
この構成によれば、接続管において、ガスセンサの基端部に対応する部位には単数又は複数の空気導出孔が形成されるので、接続管内に供給された冷却用空気は空気導出孔から接続管の外部に出て行く。このため、ガスセンサの基端部近傍は冷却されるものの、ガスセンサの胴体部は空気供給管からの冷却用空気によって積極的に冷却されることはない。
【0101】
(ロ)前記ガスセンサの基端部には当該基端部から引き出されるセンサ出力取出し用のリード線が挿通されたリード線押さえ部材を設け、ガスセンサの基端部から前記リード線押さえ部材を介して導出された前記リード線は、前記接続管内を通して外部に導出するようにした請求項3に記載のガス分析装置(第1実施形態に対応)。この構成によれば、接続管内を流れる冷却用空気によりリード線も冷却される。
【0102】
(ハ)前記支持筒の先端にはアダプタを着脱可能に設けると共に当該アダプタには前記ガスセンサを着脱可能に固定するようにした請求項1〜請求項3に記載のガス分析装置(第2実施形態に対応)。
【0103】
(ニ)前記ガスセンサの基端部には当該基端部から引き出されるセンサ出力取出し用のリード線が挿通されたリード線押さえ部材を設け、ガスセンサの基端部から前記リード線押さえ部材を介して導出された前記リード線は、前記空気供給管内を通して外部に導出するようにした請求項2又は前記(ホ)項に記載のガス分析装置(第2実施形態に対応)。この構成によれば、空気供給管内を流れる冷却用空気によりリード線も冷却される。
【0104】
(ホ)前記ガスセンサの先端部を前記支持筒の先端壁に内方から螺合するようにし、
前記接続管内に前記ガスセンサの一部又は全部が収容可能となる程度に当該接続管を延出すると共に、当該接続管の内周面と前記ガスセンサの外周面との間には互いに係合する係合構造体を設け、前記係合構造体を介して前記接続管と前記ガスセンサとが一体的に回転可能となるようにした請求項3に記載のガス分析装置(第1実施形態に対応)。
【0105】
この構成によれば、接続管とガスセンサとは一体的に回転するので、当該接続管を所定方向へ回転させることによりガスセンサを支持筒から取り外すことができる。逆に、接続管を、ガスセンサを取り外すときとは反対方向へ回転させることにより当該ガスセンサを支持筒に取り付けることができる。即ち、接続管はガスセンサの支持筒に対する取付け用且つ取り外し用の治具を兼用する。従って、ガスセンサを支持筒に取り付けたり取り外したりするための特別な治具は不要であり、ガスセンサの取り外し及び取付け等の作業効率を向上させることができる。
【0106】
(ヘ)前記係合構造体は、前記ガスセンサの外周面に形成されたセンサナットと、前記接続管の内周面に形成されると共に前記センサナットに嵌合する嵌合部と、を備えた前記(ハ)項に記載のガス分析装置(第1実施形態に対応)。
【0107】
この構成よれば、ガスセンサの外周面に形成されたナット部に、接続管の先端内周面に形成された嵌合部が嵌合することにより、接続管とガスセンサとは一体的に回転可能となる。ナット部及び嵌合部を形成するだけであるので、構成が複雑になることはない。
【0108】
(ト)前記支持筒の先端にはフィルタを設けると共に当該フィルタはその先端面及び外周面がそれぞれ煙道内に露出するように配置し、当該フィルタの先端面及び外周面を介して煙道内の被検出ガスをガスセンサへ導くようにした請求項1〜請求項3及び前記(イ)〜(へ)項のうちいずれか一項に記載のガス分析装置(第1及び第2実施形態に対応)。
【0109】
(チ)請求項6に記載のガス分析装置において、前記支持部材には単数又は複数の係合孔を形成し、前記係合構造体は、前記支持部材と、当該支持部材を前記センサ取付け部材に外嵌した状態で前記係合孔に外方から挿通され且つ当該係合孔に係合可能な状態で前記センサ取付け部材の外周に取り付けられる被係合体とを備えているガス分析装置。
【0110】
(リ)前記(チ)項に記載のガス分析装置において、前記センサ取付け部の外周面には前記被係合体を取り付け可能とした複数の取着部を当該センサ取付け部の周方向に所定間隔毎に設けるようにしたガス分析装置。
【0111】
(ヌ)前記(リ)項に記載のガス分析装置において、前記被係合体は前記支持部材の外周面から突出しないようにしたガス分析装置。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】第1実施形態におけるガスセンサの正断面図。
【図2】同じくガスセンサの分解正断面図。
【図3】同じくガスセンサの分解斜視図。
【図4】同じくガスセンサを端子箱側から見た側面図。
【図5】同じくガスセンサのリード線を固定するリード線押さえ部材の斜視図。
【図6】(a)は第2実施形態におけるガスセンサの要部正断面図、(b)は同じく支持筒からのアダプタの取り外しを示す要部分解正断面図。
【図7】第3実施形態におけるガス分析装置の要部正断面図。
【図8】図7の1−1線断面図。
【図9】第3実施形態におけるアダプタの分解斜視図。
【図10】同じくガス分析装置の要部斜視図。
【図11】別の実施形態における端子箱の斜視図。
【符号の説明】
【0113】
11…ガス分析装置、21…支持筒、31…先端壁、
35…フィルタ支持部(被測定ガスの取込口)、41…ガスセンサ、
43…係合構造体を構成するセンサナット、46…リード線、
47…リード線押さえ部材(リード線引き出し部位)、
56…送気手段を構成する空気供給管、56a…ノズル部、61…接続管、
66…嵌合部及び係合構造体を構成する嵌合孔、67…空気導入孔、68…空気導出孔、81…アダプタ(センサ取付け部材)、82…開口部を構成する雌ねじ部、87…雌ねじ部(取着部)、89a…係合孔、89…係合構造体を構成する支持部材、90…壁部材、
B…係合構造体を構成するボルト(被係合体)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙道内へ突出するように設けられた支持筒と、
前記支持筒内における先端に固定されて煙道内を流れる被測定ガスに含まれる所定の成分を検出するガスセンサと、を備えたガス分析装置において、
前記支持筒内には、前記ガスセンサの基端部を冷却するための冷却用空気を送る送気手段を備えたガス分析装置。
【請求項2】
前記送気手段は、先端が開口した空気供給管を備えると共に当該空気供給管の先端開口部を前記ガスセンサの基端部へ指向させて配置し、当該空気供給管の基端側から導入された前記冷却用空気を前記先端開口部から流出させるようにした請求項1に記載のガス分析装置。
【請求項3】
前記支持筒内には、前記空気供給管の先端開口部及び前記ガスセンサの基端部を覆う接続管を設け、当該接続管の基端側には単数又は複数の空気導入孔を形成するようにした請求項2に記載のガス分析装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のガス分析装置において、
前記支持筒の先端部に開口部を形成し、当該開口部には前記ガスセンサが取り付けられるセンサ取付け部材を着脱可能に装着するようにしたガス分析装置。
【請求項5】
前記センサ取付け部材には煙道内を流れる被測定ガスの取込口を形成すると共に当該取込口よりもセンサ取付け部材の先端方向へ突出する壁部材を着脱可能に設け、当該壁部材は前記取込口よりも被測定ガスの流れの上流側に位置させるようにした請求項4に記載のガス分析装置。
【請求項6】
請求項5に記載のガス分析装置において、
前記壁部材の基端部には前記センサ取付け部材に外嵌可能とされた支持部材を設け、当該支持部材とセンサ取付け部材との間には、前記壁部材が前記被測定ガスの流れの上流側に位置するように、センサ取付け部材に対する壁部材の取付け位置を調節可能とする係合構造体を設けるようにしたガス分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−184266(P2006−184266A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−75652(P2005−75652)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000102636)エナジーサポート株式会社 (51)
【Fターム(参考)】