説明

ガス分離用ターボ分子ポンプシステム

【課題】ガス分離分野において、物理的性質中の非常に小さい違いがある成分の混合物、特に元素および化合物の同位体を分離のモーメントベースのガス分離工程を提供する。
【解決手段】N個の分離ステージ801〜809を含む分離ガス混合物のためのシステムで、個々のステージは、ハウジング、入り口および出口終端があるターボ分子ポンプアセンブリ、入り口終端に隣接し、入り口ポートおよび第1の出口ポートがある第1のチャンバー、出口終端に隣接し、第2の出口ポートがある第2のチャンバーがあり、分離ステージnの入り口ポートは、隣接するステージn+1の第1の出口ポートに接続されており、ステージnの第2の出口ポートは、ステージn+1の入り口ポートに接続され、ステージnが1の第1のチャンバーおよびステージn=Nの第2のチャンバーは、それぞれ第1のおよび第2の生産物出口から分離ガスを採取できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ガス混合物の分離のための工程は、成分間の分離を達成するために、成分の物理的および化学的性質中の違いを利用する。ガス混合物の広範な範囲は、以下を含むガス分離技術において開発された工程によって分離可能である:例えば、蒸留、化学的蒸留、吸着、吸収、膜を通した拡散、熱拡散、遠心分離、電磁気分離、ノズル分離、サイクロ(登録商標)ン、分子ドラグタイプポンプ、化学的交換反応、イオン交換工程、光化学的分離、電気分解、エレクトロマイグレーション、および真空アーク分離。
【背景技術】
【0002】
多くのガス分離工程では、選択される成分性質中の違いは、妥当な装置サイズおよび資本コストの分離システムの設計を可能にするのに充分である。いくつかの分離では、しかし、成分の物理的および化学的性質が非常に近いため、例えば、元素または化合物の同位体の分離は、同位体の物理的および化学的性質中の違いが非常に小さいため、所望の分離が困難であり、結果として大きく、複雑で、コストのかかる分離装置となる。
【0003】
ガス分離工程の1つのクラスは、分離される成分の分子量中の違いに基づいている。このクラスの工程において、流速勾配およびフロー方向における変化がガス混合物に与えられ、そしてこれが個々のガス分子のモーメントおよび速度中の違いを起こす。これらの違いが、そこで分離を達成するために使用される。そうしたモーメントベースの工程は、例えば、ガス遠心分離、ノズル分離、およびサイクロ(登録商標)ン分離を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガス分離分野において、物理的性質中の非常に小さい違いがある成分の混合物、特に元素および化合物の同位体を分離するために使用可能である改善されたモーメントベースのガス分離工程へのニーズがある、このニーズは、請求項に記載し、そして定義される発明の態様で対応する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の1つの態様は、以下を含むガス混合物の分離のためのシステムに関する:
(a)複数の分離ステージ(個々のステージを参照番号nによって示し、nは1とNを含む1〜Nの値である整数であり、そしてNはステージの全数である)で、個々のステージが以下を含む、ハウジング;該ハウジング内に配置され、そして入り口終端および出口終端があるターボ分子ポンプアセンブリ;該ターボ分子ポンプの入り口終端に隣接し、そして入り口ポートおよび第1の出口ポートがある該ハウジング内の第1のチャンバー;および該ターボ分子ポンプアセンブリの出口終端に隣接し、そして第2の出口ポートがある該ハウジング内の第2のチャンバー;
(b)隣接する分離ステージn+1の第1の出口ポートと、分離ステージnの入り口ポートとを接続する通路;
(c)該分離ステージn+1の入り口ポートと、分離ステージnの第2の出口ポートとを接続する通路;
(d)参照番号がnであり、供給ステージとして定義されるいずれかの分離ステージの入り口ポートとフロー連通(in flow communication with)する当該供給通路、ここで、供給ステージの参照番号nは1とNを含む1〜Nの値である整数であり;
(e)参照番号nが1である分離ステージの第1のチャンバーとフロー連通する第1の生産物回収通路;および、
(f)参照番号nがNである分離ステージの第2のチャンバーとフロー連通する第2の生産物回収通路。
【0006】
該システムは、さらに隣接する分離ステージn−1の第2の出口ポートと、分離ステージnの入り口ポートとを接続する通路および隣接する分離ステージn−1の入り口ポートと、分離ステージnの第1の出口ポートとを接続する通路を含んでもよい。
【0007】
本態様の一態様においては、供給ステージの参照番号nが2であり、別の態様では、供給ステージの参照番号nがNである。あるいは、供給ステージの参照番号nは、2を超え且つN未満でもよい。
【0008】
このシステムは、隣接する分離ステージn+1の第1の出口ポートと、分離ステージnの入り口ポートとを接続する通路内に設置されるブースターポンプを含んでもよく、ブースターポンプが、隣接する分離ステージn+1からステージnへのガスの移送に適合する。フローコントロールデバイスは、当該ブースターポンプと、分離ステージnの入り口ポートとの間の通路に設置されてもよい。当該供給通路は、供給ステージの入り口ポートと、当該フローコントロールデバイスの出口との間の通路とフロー連通してもよい。当該フローコントロールデバイスは、スロットルバルブ、またはフロー制限オリフィスでもよい。
【0009】
このシステムは、第1の生産物回収通路内に設置され、そして分離ステージnが1のチャンバーからの生産物ガスを回収するために適合された生産物回収ポンプを含んでもよい。このシステムは、第2の生産物回収通路内に設置され、そして分離ステージnがNの第2のチャンバーから生産物ガスを回収するために適合された生産物回収ポンプを含んでもよい。
【0010】
このシステムは、隣接する分離ステージn+1の第1の出口ポートと、分離ステージnの入り口ポートとを接続する通路内に設置されるフローコントロールデバイスを含んでもよく;このフローコントロールデバイスは、スロットルバルブまたはフロー制限オリフィスであってもよい。
【0011】
システムは、分離ステージn+1の入り口ポートと、分離ステージnの第2の出口ポートとを接続する通路内に設置されるフローコントロールデバイスを接続する通路内に構成されてもよく;このフローコントロールデバイスは、スロットルバルブ、またはフロー制限オリフィスであってもよい。
【0012】
本発明の別の態様は、以下を含む混合物の分離のためのデバイスを含む:軸を有する円筒形ハウジング;該ハウジング内に配置され、そして入り口終端および出口終端があるターボ分子ポンプアセンブリ;ターボ分子ポンプアセンブリの入り口の終端に隣接する該ハウジング内の第1のチャンバー、該チャンバーは、ターボ分子ポンプアセンブリの入り口終端に供給ガスを送達するために、該ポンプアセンブリの軸上または軸に隣接して適合された供給ガスの入り口、および供給ガスの入り口から離間し第1のガス生産物の回収に適合した第1の出口ポートを有する;およびターボ分子ポンプアセンブリの出口終端に隣接し、第2のガス生産物の回収に適合された第2の出口ポートがある該ハウジング内の第2のチャンバー。
【0013】
デバイスは、第1の第1のチャンバー内に配置され、そしてターボ分子ポンプアセンブリの軸に直交する平面内に位置するガス分配バッフルを含んでもよく、該バッフルの1つの側が、供給ガスの入り口終端でターボ分子ポンプアセンブリのローターに隣接する。供給ガスの入り口は、ターボ分子ポンプアセンブリの軸上または軸に隣接してガス分配バッフルを通過する供給ガスの入り口管を含んでもよい。デバイスは、ターボ分子ポンプアセンブリに向き合った側の上のガス分配バッフルに取り付けられている複数のフローガイドフィンを含んでもよい、ここでフローガイドフィンは、ガス分配バッフルと伴に供給ガス管の交差から、放射状に外側へ伸びる。
【0014】
ほかの態様は、以下を含むガス混合物の分離のための方法に関する:
(a)第2の成分が第1の成分より大きい分子量がある少なくとも第1の成分および第2の成分を含む供給ガス混合物を与える工程;
(b)以下を含むガス分離システムを与える工程(b1)参照番号n(nは1とNを含む1〜Nの値である整数であり、そしてNはステージの全数である)によって示される個々のステージである複数の分離ステージであって、個々のステージが以下を含む:
ハウジング、
該ハウジング内に配置され、そして入り口終端および出口終端があるターボ分子ポンプアセンブリ、ターボ分子ポンプアセンブリの入り口終端に隣接し、そして入り口ポートおよび第1の出口ポートがある該ハウジング内の第1のチャンバー、および該ターボ分子ポンプアセンブリの出口終端に隣接し、そして第2の出口ポートがある該ハウジング内の第2のチャンバー;
(b2)隣接する分離ステージn+1の第1の出口ポートと、分離ステージnの入り口ポートとを接続する通路;
(b3)該分離ステージn+1の入り口ポートと、分離ステージnの第2の出口ポートとを接続する通路;
(b4)参照番号がn(ここで、供給ステージの参照番号nは、1とNを含む1〜Nの値である整数)であり、そして供給ステージとして定義されるいずれかの分離ステージの入り口ポートとフロー連通する供給通路。
(b5)分離ステージnが1の第1のチャンバーとフロー連通する第1の生産物回収通路;および、
(b6)分離ステージnがNの第2のチャンバーとフロー連通する第2の生産物回収通路。
(c)当該供給通路へ供給ガス混合物を導入し、そして複数の分離ステージ内のガスを分離する工程;
(d)第1の成分に富化した第1の生産物ガスを第1の生産物回収通路を経由して回収する工程;および、
(e)第2の成分に富化した第2の生産物ガスを、第2の生産物回収通路を経由して回収する工程。
【0015】
供給ガス混合物は28SiH29SiH、および30SiHを含んでもよく、またはSiF29SiF、および30SiFを含んでもよい。あるいは、供給ガスは、酸素、窒素、アルゴン、クリプトン、およびキセノンからなる群から選択される2種または3種以上の成分を含んでもよい。別のほかの供給ガスは、水素、重水素およびトリチウムからなる群から選択される2種または3種以上の成分を含んでもよい。また別の供給ガスは、ヘリウム、水素、重水素およびトリチウムからなる群から選択される2種または3種以上の成分を含んでもよい。
【0016】
いずれかの分離ステージの第1のチャンバー中のガス圧力は、約10−5トール〜約10−10トールの間であってもよい。いずれかの分離ステージの第2のチャンバー中のガス圧力は、約10−2トール〜約10トールの間であってもよい。
【0017】
参照番号がnである分離ステージの第1のチャンバー中のガス圧力は、参照番号がn+1である隣接する分離ステージの第1のチャンバー中のガス圧力未満であってもよい。ファクターが2〜10であり参照番号がnである分離ステージの第1のチャンバー中のガス圧力は、参照番号がn+1である分離ステージの第1のチャンバー中のガス圧力未満であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の態様は、成分の分子量の違いに基づいた、ガス混合物の種々のタイプの分離のためのコスト効果的な方法を与える。本発明の態様は、例えば28SiH29SiH、および30SiHの混合物の分離において、ガス状28SiHの同位体冨化に適用可能であり、または28SiF29SiF、および30SiFの混合物において、同位体28SiFに富化した生産物を与える。別の態様では、該方法は、酸素、窒素、アルゴン、クリプトン、およびキセノンからなる群から選択される2種または3種以上の成分を含むガス混合物を分離するために使用される。別の代表的な適用では、例えば、Nから微量炭化水素の除去、またはCFからの微量Cの除去等、微量不純物はバルク生産物から除去可能である。
【0019】
28SiH等の同位体富化シリコン前駆体は、同位体富化シリコン層の製造のために、半導体産業では有用である、それによって層に増加した熱伝導性を与える。そうした層は、デバイスの運転温度を減少させることが見出され、そしてそれによってさらに信頼性のあるマイクロエレクトロニクスデバイスを形成する。商業的に有用な同位体冨化の別の例は、水素(H)、トリチウム(T)、およびそれらの化合物(例えばHD)から重水素(D)の分離、または重水素化シラン(SD)等のヘリウム、水素、重水素およびトリチウムの形成である。重水素および重水素化化合物の混合物は、Si−D結合を形成するための垂下するシリコン表面の結合の不動態化のためには有用である。そうした結合は、従来のSi−H表面結合よりさらに信頼性のあるマイクロエレクトロニクスデバイスを形成するために見出されてきた。
【0020】
ガス状の元素または化合物の同位体混合物の冨化は、同位体のほとんど同一の熱物理的および化学的性質によって困難である。同位体の混合物の分離のために使用されるガス遠心分離機または蒸留カラムのステージ分離ファクターは、通常低く、多数ののステージが同位体の冨化を有効にするために必要である。これらの工程は、また高額な資本および運転コストが掛かり、そして専門の装置が所望の分離を有効にするために必要である。新しく富化したガス状の同位体生産物の評価は、技術的および商業上可能性を決定するために、1kg未満の材料を必要とする可能性がある。新しい同位体生産物の小さい新興市場は、大きいスケール生産に必要な高い価格を正当化できない可能性がある。例えば、化学的強化蒸留を使用したSiF等のガス状の化合物の同位体冨化は、所望の程度のSiF同位体冨化を達成するために、数百フィート高のカラムで数百万ドルの投資を必要とする可能性がある。
【0021】
本発明の態様は、比較的低コストて、商業的に有用な装置を使用して、ガス状の同位体混合物およびほかの分離が困難なガス混合物の分離に適した工程を与える。工程は、物理的に小さく且つ経済的なスケールで実施するため実用的であり、これは生産物が、高い単位コストで小さいボリュームの専門生産物として販売される場合、重要である。成長するマーケットボリュームに見合うために増産が必要な場合は、工程ではまた装置キャパシティーのスケールアップの準備が可能である。小さい初期スケールで且つ低い初期の資本投資を実現するために、工程は所望の冨化を達成するために、比較的少ないステージ数を使用する。
【0022】
本発明の態様は、特別に適合されたターボ分子ポンプアセンブリがある複数の分離デバイスを利用して大量の異種のガス混合物を分離するために、段階的な工程を利用する。ターボ分子ポンプアセンブリは、本願では、個々のローターが2つの固定されたステーター間で回転する高速回転の複数のローターがあるタイプのタービンポンプとして定義される。下記のいくつかの態様、同軸のローターの束中のエンドローターは、隣接する単一のステーターを回転する。ローターは、通常傾いたタービンタイプブレードまたは斜めのチャネルがあり、ステーターは、通常ローターブレードの反対方向に傾いたブレードまたは斜めのチャネルである。ローターおよびステーターブレードは、ポンプ入り口からポンプ出口へ、所与のガス分子の伝送の可能性を最大化することを意図した角度で、傾いている。ターボ分子ポンプアセンブリは、下に詳細に記載するように、複数の入り口および出口ポートがあるハウジング中に設置される。ターボ分子ポンプは、入り口および出口があるハウジング中のターボ分子ポンプアセンブリがある商業的に有用なデバイスとして定義されており、該ターボ分子ポンプは、10−10トールもの超低圧を達成するために使用される高効率真空ポンプとして、設計され運転される。
【0023】
ステージまたは分離ステージは、少なくとも1つの入り口および少なくとも2つの出口があするガス分離デバイスとして定義されており、異なる分子量の少なくとも2つの成分である該ガス混合物は、入り口を通ってデバイスへ導入される、より低い分子量成分の1つに富化したより軽いガス流は、第1の出口を通って回収され、そしてより高い分子量成分の1つに富化したより重いガス流は、第2の出口を通って回収される。分離ステージは、下記のように、連続して使用されてもよく、ここで、該第1のステージからのより重いガス流は、隣接する第2のステージの入り口に導入され、そして第2のステージからより軽いガス流は、第1のステージの入り口に導入される。
【0024】
第1のおよび第2の領域に適用される“フロー連通する”の語は、該ガスが第1の領域から第2の領域へ接続したパイピングおよび/又は中間領域を通って流れることが出来ることを意味する。第1のおよび第2の領域に適用される“へ接続される(connected to)”の語は、該ガスが第1の領域から第2の領域へ接続するパイピングを通って、流れることができることを意味する。
【0025】
本願中で使用される不定冠詞“a”および“an”は、明細書および請求項中に記載された本発明の態様中のなんらかの特性に適用されたときは、1または2以上を意味する。“a”および“an”の使用はそうした制限が具体的に記載されなければ、単一の特性の意味に限定しない。定冠詞“the”先行する単数のまたは複数の名詞または名詞句は、特別な特性または特殊な特性を意味し、それが使用される内容によって単数のまたは複数の暗示的意味である可能性がある。形容詞“any”は、質に関係なく、1つ、いくつか、または全てを意味する。第1の実体と第2の実体との間に配置される“および/又は”の語は、(1)第1の実体、(2)第2の実体、および(3)第1の実体および第2の実体の1つを意味する。
【0026】
ターボ分子ポンプアセンブリ中のガス分子は、回転するローターと衝突し、そしてローターの機械的エネルギーが、ガス分子に移され、それによって所望の方向に分子モーメントを与える。衝突は、通常より軽い分子よりもより重い分子に、より大きいモーメントを与え、このモーメントの違いは、ターボ分子ポンプアセンブリの入り口から出口への、より重い分子の選択的な移動を促進する。ターボ分子ポンプアセンブリの様々なタイプは、当技術分野で公知であり、アルカテル(Alcatel (アディクセン:Adixen))社、ファイファーへリックステクノロジー(Pfieiffer Helix Technology)、およびカートJレスカー(Kurt J.Lesker)社等の製造メーカーによって販売される商業的に入手可能なターボ分子ポンプが使用される。
【0027】
ターボ分子ポンプは、通常10−3〜10−12トールの圧力範囲で運転され、そして超高真空のレベルを生成するための真空のポンプとして利用される。ターボ分子ポンプの出口は、通常フォアラインポンプとして記載される従来の真空のポンプに接続される。個々のタイプのターボ分子ポンプは、ポンプで引かれるガスに依存する特徴的な圧縮比CRを有する。2つの商業的に入手可能なターボ分子ポンプの典型的なCR値が、図1および2与えられており、CRは、個々のガスのための低い運転圧力で、最大値に増加することを示す。この最大のCR値は、ガスをゼロフローで圧縮するポンプ能力の尺度であり、そしてゼロのガスフローでの入り口圧力に対する出口圧力の割合として定義される。これは、例えば真空掃除機ホースの入り口(吸引)終端を閉じることと等しく、ホースの閉じた入り口終端で測定される圧力に対する出口圧力(1気圧)の割合を決定する。
【0028】
水素分子は軽く回転ブレードより早く移動できるため、水素は図1および2中に具体的に示すように、全てのガスの中でもっとも低い圧縮比である。熱平衡したコンテナ中のガスの混合物では、何らかの種の分子速度の二乗平均平方根vrmsは、(式1)によって与えられる。
rms=(3RT/MW)1/2 (式1)
ここでMWは分子の分子量であり、Rは、一般ガス定数であり、そしてTは、ガスの絶対温度である。したがって、軽いガスはより重くより遅い分子が拡散できるよりも、ターボ分子ポンプ中でポンプフォアライン(すなわち、ポンプ出口)からポンプ入り口へ、より容易に拡散可能である。これは、ブレードに当たることなくタービンローターを通って“逆流”する、より軽いガスのフラクションが、より軽いガス分子のより速い熱運動速度のために、より重いガスのフラクションより高いことを意味する。
【0029】
分離デバイス中のターボ分子ポンプアセンブリの圧縮比は、ポンプで引かれるチャンバー(すなわち、入り口)中のいずれかの特定のガス成分の部分的な圧力pを直接的に決定する。より軽いガスは、したがってより重いガスより、ポンプで引かれるチャンバー中でより高い部分圧であり、そして該ガスは、ポンプで引かれるチャンバー(すなわち、ポンプ入り口)中で、より軽い種に富んでいる。より重い成分は、より軽い成分よりポンプ出口でより高い部分圧であり、そしてガスはポンプ吐出においてより重い種に富んでいる。
【0030】
低圧(すなわち、約10−2トールより下)では、ガス混合物中の所与のガスのCR値は、ほかの存在するガス種とほぼ独立しており、該ガス混合物は、理想的なガスフローに、ほぼ従うと考えてもよい。2つの成分ガス混合物のためのターボ分子ポンプアセンブリを使用した分離デバイスの基本分離ファクターqは、式2によって定義することが出来る。
〜CR/CR(式2)
ここで、下付き文字1および2は、混合物中の2つの種を意味する。
【0031】
文献から取られた種々のガスの最大CRの値およびターボ分子ポンプの設計が表1に列挙されており、図3中のMWに対してプロットされる。プロットされる値の最小二乗回帰の当てはめは、以下の経験に基づいた関係を与える:
CR=68.7(MW)4.83 (式3)
関数を当てはめたr2乗の値は、0.980である。上の式は、個々のガスの分子量値だけを使用するいかなる二成分ガス混合物のための基本分離ファクターを予測するために使用可能である。
【0032】
【表1】

【0033】
(式3)を(式2)に代入することによって、ターボ分子ポンプアセンブリ使用する分離デバイス中の種1および2の分離ファクターのための以下の経験式が得られる:
〜(MW/MW4.83 (式4)
これは、(式5で)与えられる十分に既知のガス状拡散工程のための分離ファクターと比較されてもよい。
〜(MW/MW1/2 (式5)
ターボ分子ポンプアセンブリ使用する分離デバイスのための分離は、ガス状拡散工程のそれよりはっきりと高いように見える。
【0034】
本発明の一実施態様では、ターボ分子ポンプアセンブリ使用する分離デバイスは、ステージを形成するために、平行に配置されてもよい。ステージは、下に記載されたように逆流カスケードを形成するように、連続して配置されてもよい。適用されるパラメーターに応じて、ほかの平行なおよび連続したポンプ配置が使用可能である。生産物および供給フローRおよびRをそれぞれ豊富にするために必要なステージ数Sは、式6によって与えられる。
S+1〜ln(R/R)/ln(q) (式6)
ここで、Rはモル比、重量比、モル%、または重量%の単位で表されることが可能である。
【0035】
ターボ分子ポンプは、本発明の態様に従ったガス混合物分離デバイスとして運転するために、改良可能である。1つのそうした改良が、例示態様を示すために、図4に具体的に示される。ガス混合物分離デバイス401は、一般的に軸405がある円筒型のハウジング403を含み、ここで該ハウジングは、ターボ分子ポンプアセンブリ407を囲む。分離デバイス401は、ターボ分子ポンプアセンブリの入り口終端に隣接するハウジングの上端に第1のチャンバー409およびターボ分子ポンプアセンブリの出口終端に隣接するハウジングの下端に第2のチャンバー411を含む。
【0036】
第1のチャンバー409は、ターボ分子ポンプアセンブリ407の入り口終端に接触する第1のチャンバーに、供給ガス混合物450を移送するのに適合した供給ガスの入り口413および第1のチャンバーから第1のガス生産物449を回収するのに適合した第1の出口ポート415を含む。第1のチャンバー409中の供給ガスの入り口413および第1の出口ポート415は、他の場所が可能であり、供給ガスの入り口413は、なんらかの所望の配列で、第1の出口ポート415から離間していてもよい。ターボ分子ポンプアセンブリの出口終端に隣接するハウジングの下端にある第2のチャンバー411は、第2のチャンバー411から第2のガス生産物フロー418を回収するために適合される第2の出口ポート417を含む。第2のチャンバー411の外周上に設置されるとして示されるが、第2の出口ポート417は、所望のとおりに第2のチャンバー411のいかなる部分の上に設置されてもよい。
【0037】
ターボ分子ポンプアセンブリ407は、中心駆動シリンダーまたはシャフト431の上に固定的に取り付けられた例示的ローター419、421、423、425、427、および429によってここに示される複数のローターを含む。ローターおよび中心駆動シリンダーは、一般的に軸405と同軸である。いかなる数のローターを用いてもよく、ローターの数は、典型的な分離デバイスでは、1〜20である可能性がある。ローターは、ステーター433、435、437、439、441、および443によって、本願中に具体的に示すように、ハウジングの内側の壁に接続される複数のステーター間に、または隣接して位置する。ステーターの数は、ローターの数に基づいて選択される。本実施例では、等しい数のローターおよびステーターがあり、ローター419の上面は、第1のチャンバー409に隣接する。
【0038】
ローターは、例えば、タービンブレードまたはチャネルディスク等のターボ分子ポンプ技術中の既知のいかなるタイプの設計配置を使用してもよい。同様に、ステーターは、例えば、固定されるブレード、チャネルおよび/又は穴あきディスク、または多孔性ディスク等のターボ分子ポンプ技術中の既知のいかなるタイプの設計配置を用いてもよい。あるいは、ローターおよびステーターを、本願中に記載されたガス分離デバイスでの使用のための特定の特性を備えて設計してもよい。
【0039】
上に定義されるように、ターボ分子ポンプアセンブリは、通常ローターステーターアセンブリ、駆動シャフト、および駆動モーターを含む。ターボ分子ポンプアセンブリは、商業的に入手可能なターボ分子ポンプの一部として与えられてもよく、ここに記載された様に、分離デバイスとしての使用のために改良されてもよい。分離デバイスとしての使用のために改良される可能性のあるターボ分子ポンプの代表的な製造メーカーは、例えば、アルカテル(アディクセン)、ファイファー、へリックステクノロジー、およびカートJレスカー社を含む。
【0040】
ローター419〜429を含むローターアセンブリおよび中心駆動シリンダー431は、同軸のシャフト447を経由するモーター445によって駆動される。典型的な回転速度は、24、000rpm〜80、000rpmの範囲である。ターボ分子ポンプアセンブリ407は、通常示されるような垂直の軸に配列されるが、いかなる方向に配列することも可能である。
【0041】
ガス混合物分離デバイス401の運転では、10−5〜10−10トール間の典型的な圧力にある混合供給ガス流450は、より軽い成分に富化した充分に混合されたガスを含む第1のチャンバー409を含む供給ガスの入り口413を経由して導入される。混合ガスは、接触回転ローター419を通って、そして一部分のより重い成分は、上記のようなターボ分子ポンプアセンブリ407中のローターステーター配列を通って、優先的に移動する。第1のチャンバー409中のより軽い成分に富化した一部分のガス第1の生産物フロー449として、第1の出口ポート415を経由して回収される。
【0042】
ターボ分子ポンプアセンブリ407中の一連のローターステーターエレメントを通過するガスは、連続的により重い成分に富化し、そしてターボ分子ポンプアセンブリから、第2のチャンバー411にこの様に通過するガス混合物は、より重い成分に富化している。より重い成分に富化した第2のガス生産物は、フロー418として第2の出口ポート417を経由して、そこから回収される。
【0043】
図4のガス混合物分離デバイス401は、図5に示される態様中に示すように、改良してもよい。この改良システムでは、ガス分配バッフル501は、示すようにバッフルの中心を通る供給ガスの入り口管503を伴う第1のチャンバー409内に設置される。ガス分配バッフル501は、ターボ分子ポンプアセンブリ407の軸405に直行する平面にあり、バッフルの1つの側は、ターボ分子ポンプの入り口終端で、ローター419の上部表面に隣接する。バッフル501は、ローター419の上部表面と、入り口管503からの供給ガスの接触を高めるように作用し、それによって第1のチャンバー409中の分離を改善する。第1のチャンバー409中のより軽い成分に富化したガスの部分505は、第1の出口ポート415を経由して流れ、そして第1の生産物フロー509として回収される。
【0044】
図6のガス分配バッフル501は、供給ガスの入り口管503に接続される単一のディスク601であってもよい。フロー方向デバイスは、第1のチャンバー409内でガスフローを所望のパターンに向けるために、ディスク601の面に接続されていてもよい。1つのそうした態様が、図7中に示される。ここで、複数のフローガイドフィン701が、ターボ分子ポンプアセンブリに対向する側のガス分配バッフルに接続されており、フローガイドフィンが、示すようにガス分配バッフル601を伴う供給ガス管503の交差点から放射状に外側へ伸びている。この配置は、上部ローター419の面上の供給ガス混合物の放射状流を促進し、そしてそれによってローターとのガス接触を高め第1のチャンバー409中の分離を増加させる。
【0045】
図4および5中に示されるガス混合物分離デバイスに、単一のターボ分子ポンプアセンブリを取り囲む単一のハウジングがある一方で、設計フロー速度および圧力割合によって、他の配置が可能である。例えば、ハウジングは、平行に運転する2つのターボ分子ポンプアセンブリを取り囲み、そして共通のシャフトの同軸上に取り付けられ、単一のモーターによって駆動される。別の態様では、個々が別々の駆動システムを持つ2種または3種以上のターボ分子ポンプアセンブリは、個々が別々のハウジングを持ち、単一のハウジング内に平行に配置されてもよい。あるいは、2種または3種以上のターボ分子ポンプアセンブリは、単一の分離デバイスを形成するために、平行に配置されてもよい。ターボ分子ポンプアセンブリのための他の平行且つ連続した配置は、種々の設計要件を満足するために、想定可能である。
【0046】
上記の複数のガス混合物分離デバイスは、高い分離効率を与えるマルチステージシステムを形成するために、組み立ててもよい。マルチステージ分離システムの例示的態様が図8中に示されており、連続する複数の分離ステージで、参照番号nによって示される個々のステージ、参照番号n(ここで、nは端を含み、そしてNはステージの全数である1〜Nの値である整数である)によって示される個々のステージを表す。個々のステージは、図4および5を参照して、分離デバイス上記のデバイスのいずれかに類似の分離デバイスを利用してもよい、ここで個々のステージが以下を含む:ハウジング、該ハウジング内に配置され、そして入り口終端および出口終端があるターボ分子ポンプアセンブリ、該ターボ分子ポンプの入り口終端に隣接し、そして入り口ポートおよび第1の出口ポートがある該ハウジング内の第1のチャンバー、および該ターボ分子ポンプアセンブリの出口終端に隣接し、そして第2の出口ポートがある該ハウジング内の第2のチャンバー。あるいは、ステージは、上記のようなターボ分子ポンプアセンブリを使用する他の分離デバイスの態様を含んでもよい。
【0047】
マルチステージシステムは、隣接する分離ステージn+1の第1の出口ポートと、分離ステージnの入り口ポートとを接続する通路および該分離ステージn+1の入り口ポートと、分離ステージnの第2の出口ポートとを接続する通路を含む。当該供給通路は、参照番号がn(ここで供給ステージの参照番号nは、1とNを含む1〜Nの値である整数)であり、そして供給ステージとして定義されるいずれかの分離ステージの入り口ポートと、フロー連通が与えられる。どのステージも、供給ステージであることが可能であり、システムには1以上の供給ステージがあることが可能である。第1の生産物回収通路は、参照番号nが1である分離ステージの第1のチャンバーフローと連通し、第2の生産物回収通路は、参照番号nがNである分離ステージの第2のチャンバーとフロー連通する。
【0048】
ある態様では、システムは、また隣接する分離ステージn−1の第2の出口ポートと、分離ステージnの入り口ポートとを接続する通路および隣接する分離ステージn−1の入り口ポートと、分離ステージnの第1の出口ポートとを接続する通路を含む。
【0049】
図8中に具体的に示す態様を参照すると、5つの分離デバイス801、803、805、807、および809が、それぞれ汎用ステージ1、n−1、n、n+1、およびNとして示される。このシステムでは、汎用ステージ1は、より軽い成分に富化した第1の生産物がライン811を経由してターボ分子ブースターポンプ841およびフォアラインポンプ843によって回収される第1のステージであり、そして汎用ステージNは、より重い成分に富化した第2の生産物が、ライン813およびフォアラインポンプ814を経由して、回収される最終ステージである。ステージの数Nは、1〜1000の範囲であってもよい。本態様では、供給ガス混合物は、ほぼ大気圧で、ライン815、フィルター815a、およびフロー制限オリフィス815bを経由して、システムに導入される。供給は、ライン817、フィルター817a、およびフロー制限オリフィス817bを経由して汎用ステージn−1から回収される中間段階の重いガスのフラクションが、ライン819、フィルター819a、およびフロー制限オリフィス819bを経由する汎用ステージn+1から回収される中間段階の軽いガスのフラクションと混合される。フロー制限するオリフィス815b、817b、および819bは圧力を減少させ、ライン815、817、および819、それぞれからガスのフローをコントロールするために役立つ。フィルター815a、817a、および819aは、任意選択的であり、そしてシステム中の浮遊微粒子材料によって可能性のある閉塞から、フロー制限オリフィス815b、817b、および819bを保護する。類似のフィルターは、下に記載されており、これらもまた任意選択的であり、そして下向きのフロー制限オリフィスの保護と同じ機能を与える。
【0050】
ライン821中の混合されたガスは、分離デバイス805の第1のチャンバー内、すなわち、本態様が、供給ステージとして定義される汎用ステージnに流れる。分離デバイス805の第1のチャンバー中の圧力は、10−5〜10−10トールの範囲である可能性がある。より軽い成分とより重い成分間の分離は、上記の様な分離デバイス805内で行われる。より軽い成分に富化した第1のガス生産物(すなわち、中間段階の軽いガスのフラクション)は、ブースターポンプ825によってライン823を経由して回収され、ライン827、任意選択的なフィルター827a、およびフロー制限オリフィス827bを経由して流れ、そして前のステージn−2(示されていない)からのライン829中の第2のガス生産物(すなわち、中間段階の重いガスのフラクション)と混合される。ライン831中の混合されたガスは、汎用ステージn−1、すなわち、分離デバイス803の入り口ポートに入る。ブースターポンプ825は、任意選択的であり、そしてステージnからステージn−1へガスを移送するために必要な場合に、圧力の上昇を与える。ブースターポンプ825は、分離デバイス801、803、805、807、および809中で使用されるポンプに類似するターボ分子ポンプアセンブリを利用してもよい。
【0051】
分離デバイス803、すなわち、汎用ステージn−1を通ったガスフローは、上記のように分離され、ライン817を経由する中間段階の重いガスのフラクションを与え、そしてライン833を経由する分離デバイス803から流れる第1のガス生産物、またはさらにより軽い成分に富化した中間段階の軽いガスのフラクションは、任意選択的なブースターポンプ(示されていない)を通過する。この軽いガスのフラクションは、汎用ステージn−3(示されていない)からのより重い成分に富化した第2のガス生産物と混合され、そして混合されたガスは、汎用ステージn−2(示されていない)の入り口ポートに流れる。
【0052】
運転は、一連のガスフローは、より軽い成分に富化し、そしてより重い成分を減少させた汎用ステージ1または分離デバイス801で終了する要求に応じて一連のステージを通して同様に続く。より軽い成分にさらに富化した第1のガスのフラクションは、任意選択的なターボ分子ブースターポンプ835を経由するステージ2(示されていない)から回収され、ライン837、任意選択的なフィルター837a、フロー制限オリフィス837bを通過し、軽いガス生産物のライン839中の減少した圧力部分と混合され、そして混合ガスは、汎用ステージ1または分離デバイス801の入り口ポートに流れる。分離デバイス801を通るガスフローは、上記のように分離され、ライン811を経由する汎用ステージ1から軽いガス生産物を与える。このガスは、任意選択的なターボ分子ブースターポンプ841を通し、およびフォアポンプ843を通して回収され、ライン845中に通常大気圧で、または大気圧近辺の軽いガス生産物を与える。この軽いガス生産物は、ライン847を通って放出される最終の軽いガス生産物と、軽いガス部分に分離され、該部分ライン849、任意選択的なフィルター849a、およびフロー制限オリフィス849bを経由して流れ、上記の様な分離デバイス801を供給するライン839内の減少した圧力軽いガスを与える。中間段階の重いガスのフラクションは、ライン851を経由して分離デバイス801から回収され、任意選択的なフィルター851aおよびフロー制限オリフィス851bを通って流れ、そして汎用ステージ2(示されていない)の入り口ポートへ、ライン852を経由して流れる。
【0053】
分離デバイス805、すなわち、汎用ステージnからの重いガスのフラクションは、ライン853、任意選択的なフィルター853a、およびフロー制限オリフィス853bを経由して放出され、汎用ステージn+2(示されていない)からライン855を経由する軽いガスのフラクションと混合され、そしてライン857中の該混合ガス流は、分離デバイス807、すなわち、汎用ステージn+1の供給ポートに導入される。分離デバイス807、すなわち、汎用ステージn+1を通るガスフローは、上記の様に分離され、ライン859を経由する中間段階の重いガスのフラクション、およびライン861を経由する中間段階の軽いガスのフラクションを与える。該軽いガスのフラクションは、任意選択的なターボ分子ブースターポンプ863を通過して、上記のライン819を経由する軽いガスのフラクションを与える。ライン859を経由する中間段階の重いガスのフラクションは、任意選択的なフィルター859aおよびフロー制限オリフィス859bを通って、汎用ステージn+2(示されていない)の入り口ポートへ流れる。汎用ステージn+2(示されていない)から軽いガスのフラクションは、任意選択的なターボ分子ブースターポンプ865を通って流れライン867、任意選択的なフィルター867aを経由して、軽いガスのフラクションを与え、フロー制限オリフィス867bを流れ、そして上記のライン855中の軽いガスのフラクションを与える。
【0054】
運転は、必要に応じて一連のガスフローがより軽い成分を減少させより重い成分を富化し、そして汎用ステージNまたは分離デバイス809で終了する一連のステージを通じて同様に続く。より重い成分に富化した重いガスのフラクションは、ライン869を経由してステージN−1(示されていない)から回収され、そして汎用ステージNの供給ポートへ導入される。分離デバイス809を通ったガスフローは、上記の様に分離され、ターボ分子ブースターポンプ(示されていない)へ、そしてステージN−1(示されていない)へ流れるライン871を経由する軽いガス生産物と中間段階の軽いフラクションを与える。最終の重いガス生産物は、ライン813を経由してフォアポンプ814によって回収される。
【0055】
上記のマルチステージシステム中の何れかの分離ステージは、ステージの所望の出口圧力に応じて重い生産物の出口または中間段階の重いフラクション出口とフロー連通するフォアポンプ(示されていない)を含んでもよい。
【0056】
いずれかの商業的に入手可能なターボ分子ポンプは、上記の態様中のブースターポンプのために使用してもよく、上記の様に、分離デバイス中での使用のために改良されてもよい。代表的なターボ分子ポンプの製造メーカーは、例えば、アルカテル(アディクセン)、ファイファー、へリックステクノロジー、およびカートJレスカー社を含む。
【0057】
上記の態様中のターボ分子ブースターポンプの何れかで、ターボ分子ポンプ出口とフロー連通する入り口(吸引)終端があるフォアポンプを使用してもよい。フォアポンプは、真空のシステムの初期の排気および運転ターボ分子ポンプの出口からの連続的なガスの除去を与えるために役立つ。そうしたフォアポンプの例は、ロータリーベインポンプおよびダイアフラムポンプを含む。なんらかの商業的に使用可能であるポンプは、上の態様中で使用されてもよく、代表的なフォアポンプの製造メーカーはバリアン社である。
【0058】
図8の例示的な段階的なシステムが、図解の目的で、垂直の配置で示されるが、ステージはいずれかの所望の配置で配置可能である。例えば、複数のステージは、生産設備中の必要な床スペースを最小化するために、水平のおよび/又は垂直の平面中に平行および/又は直交する軸に沿って配置できる。別の例では、循環する配置が単一の平面中内または複数の平行な平面内で使用出来る。上記のフロー制限オリフィスの何れかは、所望であれば調節可能なスロットルバルブで置き換えてもよい。
【0059】
図8を参照して上記の例では、供給ガスは、複数ステージの軽い生産物に冨化したセクションと、複数ステージの重い生産物冨化したセクションとの間に位置する中間ステージに導入される。別の態様では、供給ガスは、1とNを含む1〜Nの参照番号であるいずれかの汎用ステージへ導入されてもよい。供給ステージの選択は、生産物純度および回収要件によって決定される。一実施態様では、例えば、所望の生産物は、多成分混合物中の最も軽い成分であり、高純度および高回収が要求されており、そして重い成分の回収が必要ない。このケースにおいては、供給ステージは汎用ステージNであろうし、供給ガスは図8のライン869中の中間段階ガスと混合されるであろう。別の態様では、所望の生産物は、多成分の混合物中の最も重い成分であり、高純度および高回収が要求されており、軽い成分回収する必要がない。このケースにおいては、供給ステージは、汎用ステージ1であろうし、供給ガスは、図8のライン852中の中間段階ガスと混合される。別の態様では、複数の供給ガスフローは、所望の生産物成分の異なる濃度であり、システムの適切なステージで導入される複数の供給ステージが、想定可能である。
【0060】
図8の例中のガスの中間段階フローは、ステージ間の圧力差によって行われる。所与のステージ中の個々のターボ分子ポンプアセンブリは、ステージの入り口終端から出口終端へのガス圧力を増加するように運転するため、圧力差は、本質的に個々のステージ中で起こるであろう。圧力は、より重い成分が冨化する方向で、ターボ分子ポンプアセンブリによって増加しているため、ステージからステージへ中間段階の重いガスのフラクションを動かすために必要な圧力差は、本質的に充分である可能性がある。ステージからステージへ中間段階の軽いガスのフラクションを動かす有用な圧力差は、しかし、システム設計およびターボ分子ポンプアセンブリの運転の特徴によるであろう、最も重要なことは、供給ガス混合物中の成分のポンプ圧縮比および最大可能ポンプの出口圧力である。圧縮比およびポンプの出口圧力が充分高ければ、ステージからステージへ軽いガスのフラクションを動かす中間段階ブースターポンプは、必要ないかもしれない。しかし、もし圧縮比が不充分であれば、ブースターポンプは、図8の例で示される様に、個々のステージ間で必要となる可能性がある。別のケースでは、ブースターポンプは、いくつかのステージ間でだけ必要となる可能性がある。
【0061】
したがって、異なる運転態様が、システム設計およびターボ分子ポンプアセンブリの運転の特徴により想定可能である。第1の態様では、全てのステージは、同一の第1のチャンバー(すなわち、入り口終端)圧力、および同一の第2のチャンバー(すなわち、出口終端)圧力で運転されるであろうし、そして圧力ブースターが個々の軽いガスの中間段階フローで使用されるであろう。第2の態様では、個々のステージの第1のチャンバー(すなわち、入り口終端)中の圧力は、軽い成分冨化の方向で(例えば図8中のステージNからステージ1へ)単調に減少するであろうし、そして圧力ブースターは必要ではないであろう。第3の態様では、圧力ブースターが使用されるが、全てのステージではないであろう。第1群の一連のステージ中の第1のチャンバー圧力は、軽いガスのフラクションの中間段階フローを行うために充分であろう、圧力ブースターは、ステージの第1の群の軽いガスの出口に設置されるであろうし、圧力ブースターは軽いガスのフラクションの中間段階フロー、および要求に応じて、その他を行うための充分な圧力勾配がある第2の数の一連のステージへ放出するであろう。
【0062】
上記の態様のための典型的なステージ運転圧力は、ポンプ特徴および分離される混合物によって変わるかもしれない。典型的なステージ入り口圧力は、10−5〜10−10トールの範囲中で、典型的なステージ出口圧力は10〜10−2トールの範囲中である可能性がある。
上記の分離デバイス中の典型的な運転温度は0℃〜30℃の範囲、または通常20℃近辺である。
【実施例】
【0063】
実施例1
0.21/0.79のモル比率のO/N混合物を、上記の様に分離デバイス使用して99.0モル%Oおよび1.0モル%Nを含む生産物ガスに富化する。ステージ分離ファクター以下の式4から推測される。
〜(32/28)4.83=1.91
これは、ほかの方法に比較して、空気分離には、過度な高ステージ分離ファクターを示す。冨化を完了するために必要なステージSの全数は、下の式6から見出せる。
S+1〜ln[(0.99/0.01)/(0.21/0.79)]/ln(1.91)=9.15
S〜8.15〜9
この様にたった9ターボ分子ポンプステージが、必要とされる99%へのO冨化を行うために必要である。
【0064】
実施例2
モル比率0.9223/0.0467/0.0310の28SiF/29SiF/30SiF混合物を、上記の様に、分離デバイス使用して、99.0モル%28SiFおよび1.0モル%29SiF30SiFに富化する。29SiFは105の分子量であり、30SiFは106の分子量である。しかし、29SiF30SiFの混合物は、保守的に推定して105の平均分子量である。式4からのステージ分離ファクターは、次のようである、
〜(105/104)4.83=1.0473
これは、同位体分離には、過度に高ステージ分離ファクターを表す。この結果は、図4内に示される回帰当てはめ曲線のより高分子量のガスへの補外に基づいている。冨化を完了するために必要な分離ステージSの全数は、以下の式6に見出せる。
S+1〜ln[(0.99/0.01)/(0.922/0.078)]/ln(1.0473)=46.00、そしてSは45に等しい。
この様にたった45のターボ分子ポンプステージが、必要とされる28SiFの99.0%への冨化を行うために必要である。
【0065】
実施例3
SiHの同位体冨化は、分子のより高い分子量割合、およびそれに応じたより高いステージ分離ファクターにより、SiFより容易である。モル比率0.9223/0.0467/0.0310である28SiH29SiH30SiH混合物を、上記の様に、分離デバイス使用して、99.0モル%28SiHおよび1モル%29SiHに富化した。
29SiHは、33の分子量であり、30SiHは、34の分子量である。しかし、29SiH30SiHの混合物は、33の平均分子量であると保守的に推定される。式4からのステージ分離ファクターは、以下のように保守的に決定される。
〜(33/32)4.83=1.16
これは、同位体分離としては過度に高いステージ分離ファクターを表す。冨化を完了するために必要なステージSの全数は、式6から次のように見出せる。
S+1〜ln[(0.99/0.01)/(0.922/0.078)]/ln(1.16)=14.33
S〜13.33〜14
この様にたった14ターボ分子ポンプステージが、必要な28SiH99.0%への冨化を行うために必要である。
【0066】
分離デバイスは、分離ステージとして、改良されたアルカデル(アディクセン)型ATP900ターボ分子ポンプ、ブースターポンプとして、ストックアルカテル(アディクセン)型ATP900ターボ分子ポンプ、およびフォアポンプとしてパスカル型2005を使用する。アディクセン型ATP900ポンプは、最高3.8x10−10トールの出口圧力(負荷なしで)およびSiHのための約0.1トールより下の圧力で、約900リッター/秒のポンピングスピードである。SiH入り口フロー下で、個々のポンプを、第1のチャンバー(すなわち、入り口終端)中で3.8x10−9トールで運転する。28SiHの分子量は、図3の回帰当てはめ曲線の範囲内である。式3から計算される28SiHのための圧縮比は、68.7(32)4.83=1.279x10である。したがって個々のターボ分子ポンプの第2のチャンバー(すなわち、出口終端)は、(3.8×10−9)(1.279×10)=4.86トールである。個々のフロー制限オリフィス(またはスロットルバルブ)を、これらの圧力下で所望のフロー流速を与えるように設定する。図8の代表的な分離ステージn内および周辺での圧力を、図9中の本実施例で示す。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、商業的に入手可能なターボ分子ポンプのゼロフロー圧縮比対フォアライン圧力のプロットである。
【図2】図2は、別の商業的に入手可能なターボ分子ポンプのゼロフロー圧縮比対フォアライン圧力のプロットである。
【図3】図3は、表1のデータからのゼロフロー圧縮比対ガス分子量のプロットである。
【図4】図4は、本発明の態様に従った分離デバイスのスキーム図である。
【図5】図5は、本発明の別の態様に従った分離デバイスのスキーム図である。
【図6】図6は、図5のデバイス中で使用される供給分配バッフルである。
【図7】図7は、図5のデバイス中で使用される別の供給分配バッフルである。
【図8】図8は、図4または図5の分離デバイスを利用した複数のステージの分離システムの図式フローダイアグラムである。
【図9】図9は、実施例3のガス圧力を示すの図8のセグメントの図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含むガス混合物の分離のためのシステム:
(a)複数の分離ステージ(個々のステージを参照番号nによって示し、nは1とNを含む1〜Nの値である整数であり、そしてNはステージの全数である)で、個々のステージが以下を含む、
(a1)ハウジング;
(a2)該ハウジング内に配置され、そして入り口終端および出口終端があるターボ分子ポンプアセンブリ;
(a3)該ターボ分子ポンプの入り口終端に隣接し、そして入り口ポートおよび第1の出口ポートがある該ハウジング内の第1のチャンバー;および、
(a4)該ターボ分子ポンプアセンブリの出口終端に隣接し、そして第2の出口ポートがある該ハウジング内の第2のチャンバー;
(b)隣接する分離ステージn+1の第1の出口ポートと、分離ステージnの入り口ポートとを接続する通路;
(c)該分離ステージn+1の入り口ポートと、分離ステージnの第2の出口ポートとを接続する通路;
(d)参照番号がn(ここで、供給ステージの参照番号nは、1とNを含む1〜Nの値である整数)であり、そして供給ステージとして定義されるいずれかの分離ステージの入り口ポートとフロー連通する供給通路;
(e)参照番号nが1である分離ステージの第1のチャンバーとフロー連通する第1の生産物回収通路;および、
(f)参照番号nがNである分離ステージの第2のチャンバーとフロー連通する第2の生産物回収通路。
【請求項2】
以下を含む請求項1のシステム:
(a5)隣接する分離ステージn−1の第2の出口ポートと、分離ステージnの入り口ポートとを接続する通路;および、
(a6)隣接する分離ステージn−1の入り口ポートと、分離ステージnの第1の出口ポートとを接続する通路。
【請求項3】
供給ステージの参照番号nが2である請求項1のシステム。
【請求項4】
供給ステージの参照番号nがNである請求項1のシステム。
【請求項5】
供給ステージの参照番号nが2を超え且つN未満である請求項2のシステム。
【請求項6】
隣接する分離ステージn+1の第1の出口ポートと、分離ステージnの入り口ポートとを接続する通路内に設置されるブースターポンプを含み、該ブースターポンプが、隣接する分離ステージn+1からステージnへのガスの移送に適合する請求項1のシステム。
【請求項7】
当該ブースターポンプと、分離ステージnの入り口ポートとの間の通路に設置されるフローコントロールデバイスを含む請求項6のシステム。
【請求項8】
当該供給通路が、供給ステージの入り口ポートと、フローコントロールデバイスの出口との間の通路とフロー連通する請求項7のシステム。
【請求項9】
当該フローコントロールデバイスが、スロットルバルブおよびフロー制限オリフィスからなる群から選択される請求項7のシステム。
【請求項10】
第1の生産物回収通路内に設置され、そして分離ステージnが1のチャンバーからの生産物ガスを回収するために適合された生産物回収ポンプを含む請求項2のシステム。
【請求項11】
第2の生産物回収通路内に設置され、そして分離ステージnがNの第2のチャンバーから生産物ガスを回収するために適合された生産物回収ポンプを含む請求項2のシステム。
【請求項12】
隣接する分離ステージn+1の第1の出口ポートと、分離ステージnの入り口ポートとを接続する通路内に設置されるフローコントロールデバイスを含む請求項1のシステム。
【請求項13】
当該フローコントロールデバイスが、スロットルバルブおよびフロー制限オリフィスからなる群から選択される請求項12のシステム。
【請求項14】
分離ステージn+1の入り口ポートと、分離ステージnの第2の出口ポートとを接続する通路内に設置されるフローコントロールデバイスを含む請求項1のシステム。
【請求項15】
当該フローコントロールデバイスが、スロットルバルブおよびフロー制限オリフィスからなる群から選択される請求項14のシステム。
【請求項16】
以下を含むガス混合物の分離のためのデバイス
(a)軸を有する円筒形ハウジング;
(b)該ハウジング内に配置され、そして入り口終端および出口終端があるターボ分子ポンプアセンブリ;
(c)ターボ分子ポンプアセンブリの入り口終端に隣接する該ハウジング内の第1のチャンバー、該チャンバーは、ターボ分子ポンプアセンブリの入り口終端に供給ガスを送達するために、該ポンプアセンブリの軸上または軸に隣接して適合された供給ガスの入り口、および供給ガスの入り口から離間し第1のガス生産物の回収に適合した第1の出口ポートを有する;および、
(d)ターボ分子ポンプアセンブリの出口終端に隣接し、第2のガス生産物の回収に適合した第2の出口ポートがある該ハウジング内の第2のチャンバー。
【請求項17】
第1のチャンバー内に配置され、そしてターボ分子ポンプアセンブリの軸に直交する平面内に位置するガス分配バッフルを含み、該バッフルの1つの側が供給ガスの入り口終端でターボ分子ポンプアセンブリのローターに隣接する、請求項16のデバイス。
【請求項18】
供給ガスの入り口が、ターボ分子ポンプアセンブリの軸上または軸に隣接してガス分配バッフルを通過する供給ガスの入り口管を含む請求項17のデバイス。
【請求項19】
ターボ分子ポンプアセンブリに向き合った側上のガス分配バッフルに取り付けられている複数のフローガイドフィンを含み、該フローガイドフィンが、ガス分配バッフルと伴に供給ガス管の交差点から放射状に外側へ伸びる請求項18のデバイス。
【請求項20】
以下を含むガス混合物の分離のための方法:
(a)第2の成分が第1の成分より大きい分子量である少なくとも第1の成分および第2の成分を含む供給ガス混合物を与える工程;
(b)以下を含むガス分離システムを与える工程
(b1)参照番号n(nは1とNを含む1〜Nの値である整数であり、そしてNはステージの全数である)によって示される個々のステージである複数の分離ステージであって、個々のステージが以下を含む:
ハウジング、
該ハウジング内に配置され、そして入り口終端および出口終端があるターボ分子ポンプアセンブリ、
ターボ分子ポンプアセンブリの入り口終端に隣接し、そして入り口ポートおよび第1の出口ポートがある該ハウジング内の第1のチャンバー、および
該ターボ分子ポンプアセンブリの出口終端に隣接し、そして第2の出口ポートがある該ハウジング内の第2のチャンバー;
(b2)隣接する分離ステージn+1の第1の出口ポートと、分離ステージnの入り口ポートとを接続する通路;
(b3)該分離ステージn+1の入り口ポートと、分離ステージnの第2の出口ポートとを接続する通路;
(b4)参照番号がn(ここで、供給ステージの参照番号nは、1とNを含む1〜Nの値である整数)であり、そして供給ステージとして定義されるいずれかの分離ステージの入り口ポートとフロー連通する供給通路。
(b5)分離ステージnが1の第1のチャンバーとフロー連通する第1の生産物回収通路;および、
(b6)分離ステージnがNの第2のチャンバーとフロー連通する第2の生産物回収通路。
(c)当該供給通路へ供給ガス混合物を導入し、そして複数の分離ステージ内のガスを分離する工程;
(d)第1の成分を富化した第1の生産物ガスを、第1の生産物回収通路を経由して回収する工程;および、
(e)第2の成分に富化した第2の生産物ガスを、第2の生産物回収通路を経由して回収する工程。
【請求項21】
前記供給ガス混合物が、28SiH29SiH、および30SiHを含む請求項20の方法。
【請求項22】
前記供給ガス混合物が、28SiF29SiF、および30SiFを含む請求項20の方法。
【請求項23】
前記供給ガスが、酸素、窒素、アルゴン、クリプトン、およびキセノンからなる群から選択される2種または3種以上の成分を含む請求項20の方法。
【請求項24】
前記供給ガスが、水素、重水素およびトリチウムからなる群から選択される2種または3種以上の成分を含む請求項20の方法。
【請求項25】
前記供給ガスが、ヘリウム、水素、重水素およびトリチウムからなる群から選択される2種または3種以上の成分を含む請求項20の方法。
【請求項26】
いずれかの分離ステージの第1のチャンバー中のガス圧力が、約10−5トール〜約10−10トールである請求項20の方法。
【請求項27】
いずれかの分離ステージの第2のチャンバー中のガス圧力が、約10−2トール〜約10トールの間である請求項20の方法。
【請求項28】
参照番号がnである分離ステージの第1のチャンバー中のガス圧力が、参照番号がn+1である隣接する分離ステージの第1のチャンバー中のガス圧力未満である請求項20の方法。
【請求項29】
2〜10のファクターで、参照番号がnである分離ステージの第1のチャンバー中のガス圧力が、参照番号がn+1である分離ステージの第1のチャンバー中のガス圧力未満である請求項28の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−296517(P2007−296517A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−94187(P2007−94187)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】