説明

ガス分離装置及び方法

本願において、(1)回転軸の周りに対称に配置されて内部空間を囲む多孔質ロータと、(2)外側ケーシングであって、前記外側ケーシングと前記ロータが環状空間により分離された外側ケーシングと、(3)前記回転軸の周りに前記ロータを回転するように構成されたモータと、(4)前記回転軸に沿って配置され、前記内部空間に流体接続された注入口と、(5)前記内部空間に流体接続された第1の排出口とを備える装置が開示される。本願において、少なくとも一つの開示された装置を備えるシステムが開示される。本願において、供給ガスを第1の区画と第2の区画に分離する方法であって、前記第1の区画が前記第2の区画の平均分子量より低い平均分子量を有することを特徴とする方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦支援の研究又は開発に関する記述
該当なし
【背景技術】
【0002】
技術分野
本発明は概ねガス分離に関する。より詳細には、本発明は遠心分離による供給ガスの軽質成分と重質成分の分離に関する。なおより詳細には、諸実施例において、本発明は多孔質ロータを利用した遠心分離によるガス分離に関する。
【0003】
発明の背景
ガス、特に似た分子量を有するガスの分離は骨の折れる作業である。同位体分離は特に困難であり、エネルギー集約型活動である。例えば、ウラン235及び天然ウラン238へのウランの分離である。天然ウランのおよそ99.284%はウラン238%であり、約0.711%はウラン235であり、約0.0058%はウラン234である。二つの同位元素は極めて同一の化学特性をもち、原子量が非常に似ており、ウラン235はウラン238より1.26%軽いだけであるのでウランの濃縮は困難である。同位元素の原子量のわずかな差を利用する拡散技術及び遠心分離方法を含む分離方法は、ウランの同位元素を分離して主として238同位元素から成る劣化ウランと天然より多い量のウラン235同位元素を有する濃縮ウランを作るために採用されてきた。
【0004】
拡散技術は似た分子量のガスを分離するために使用される。ガス拡散はガス状六フッ化ウランを半透膜、典型的には銀亜鉛膜に強制的に通し、拡散速度の差により異なる同位体を分離することにより濃縮ウランを作るために使用される技術である。ウラン238はウラン235より重く、従ってそれよりわずかに遅く拡散するので、これはウラン235とウラン238を含む分子間のわずかな分離を生み出す。熱拡散は同位体分離を達成するために薄い液体又はガスを横切る熱伝達を応用する。このプロセスは、より軽いウラン235ガス分子が高温面に向かって拡散し、より重いウラン238ガス分子が低温面に向かって拡散することを利用する。
【0005】
遠心分離は似た分子量のガスの分離としても知られている。ガス遠心分離機は詳細には、高速で材料を回転する機構内にガス混合物を入れてその材料に力を加えることによりウラン238からウラン235を分離するために開発された分離機である。ガス遠心分離プロセスは直列及び並列構成の多数の回転円筒を使用する。各円筒の回転は強い反遠心力を作り出して質量に基づいて分子を加速し、ウラン238を含むより重いガス分子を円筒の外側に向かって移動させ、ウラン235濃度の高いより軽いガス分子をより中心近くに集める。ガス遠心分離では古いガス拡散プロセスと同様の分離を達成するのに必要なエネルギーはずっと少なく、従って、ガス遠心分離は濃縮方法としてガス拡散に大きく取って代わってきた。ジッペ式遠心分離機は標準のガス遠心分離機の改良機であり、主な相違は熱の使用である。回転円筒の底が加熱され、ウラン235を円筒の上に移動する対流を生み出し、そこでそれを収集できる。
【0006】
全ての大規模濃縮方式に共通の特徴は、それらがより高濃度のウラン235を連続生産するために多くの同一ステージを採用することである。各ステージは次のステージに送られる前に前の段階の生成物をさらに濃縮する。同様に、各ステージの尾鉱はさらに処理するために前のステージに戻される。この逐次濃縮システムはカスケードと呼ばれる。例えば、ガス遠心分離は遠心分離機のカスケードを使用した多重遠心分離行程を用いて行われる。
【0007】
例えばもう一つの費用のかかるガス分離はダウンホールで得られたメタンから不所望成分を分離することである。パイプライン等級メタンを供給するためにメタンから二酸化炭素及びその他の成分を除去することは一般的に非常に低い温度及び/又はアミン装置の使用を伴う。そのような装置は費用がかかり、それらの動作は時間がかかる。
【0008】
従って、関係技術を考えれば、効率的で経済的なガス分離装置及び方法の必要性がある。望ましくは、分離は分離ステージの大きなカスケードのステージなしに行われ、かつ/あるいは冷却なしに行われる。
【発明の概要】
【0009】
本願において、
(1)回転軸の周りに対称に配置されて内部空間を囲む多孔質ロータと、
(2)外側ケーシングであって、前記外側ケーシングと前記ロータが環状空間により分離された外側ケーシングと、
(3)前記回転軸の周りに前記ロータを回転するように構成されたモータと、
(4)前記回転軸に沿って配置され、前記内部空間に流体接続された注入口と、
(5)前記内部空間に流体接続された第1の排出口と、
を備える装置が開示される。諸実施例において、装置の注入口は内部空間まで延びている。
【0010】
諸実施例において、装置のロータは実質的に管状である。諸実施例において、装置の多孔質ロータは選択透過性材料で作られ、あるいはそれを備える。一定の実施例において、選択透過性材料は焼成金属又はセラミックを含む。いくつかの実施例において、装置の多孔質ロータは約4インチ(10.2cm)ないし約12インチ(30.5cm)の範囲の直径を有する。いくつかの実施例において、装置の多孔質ロータは約8(20.3cm)ないし約20インチ(50.8cm)の範囲の長さを有する。一定の実施例において、装置のモータは少なくとも約7,500RPMに至る多孔質ロータの回転数を与えることができる。一定の実施例において、装置はさらに、環状空間に流体接続された第2の排出口を備える。
【0011】
本開示のもう一つの態様は既述の少なくとも一つの装置を備えるシステムを含む。一定の実施例において、開示されるシステムはさらに、少なくとも一つのポンプを備える。いくつかの実施例において、システムはさらに、注入口に流体連通する供給ラインと、第1の排出口に流体接続された第1の排出ラインとを備え、前記少なくとも一つのポンプは供給ライン又は第1の排出ライン上に配置される。
【0012】
本願において、供給ガスを第1の区画と第2の区画に分離する方法であって、前記第1の区画が前記第2の区画の平均分子量より低い平均分子量を有することを特徴とする方法も開示される。開示される方法は、
(1)ガス遠心分離機のロータ内の内部空間に前記供給ガスを導入する段階であって、前記ロータがガスに対して透過性であり、回転軸の周りに対称に配置される段階と、
(2)前記回転軸の周りに前記ロータを回転し、それにより、前記供給ガスの重い分子が前記ロータに向かって押される段階と、
(3)前記回転軸に近接する前記内部空間内から前記第1の区画を抽出し、前記第2の区画を前記内部空間に残す段階と
を含む。いくつかの実施例において、回転軸の周りにロータを回転する段階は少なくとも7,500RPMの回転数を与える。
【0013】
いくつかの実施例において、方法はさらに、内部空間から第2の区画を抽出する段階を含む。いくつかの場合、内部空間から第2の区画を抽出する段階は第2の区画を多孔質ロータに通し、ロータの外部から第2の区画を抽出する段階を含む。一定の実施例において、ロータの外部から第2の区画を抽出する段階はさらに、真空の適用により第1の区画の抽出を補助する段階を含む。
【0014】
一定の実施例において、多孔質ロータは焼成金属又はセラミックを含む。いくつかの実施例において、回転軸に近接する内部空間内から第1の区画を抽出する段階は焼成金属管を介して第1の区画を抽出する段階を含む。一定の実施例において、焼成金属管は分級点径を超える粒子を排除する平均孔径を有する。一定の他の実施例において、焼成金属管を介して第1の区画を抽出する段階はさらに、内部空間への真空の適用により第1の区画の抽出を補助する段階を含む。
【0015】
これら及び他の実施例と潜在的利点は以下の詳細な説明と図面において明らかとなろう。
【0016】
本発明の好ましい実施例のより詳細な説明のために、今度は以下の添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この開示の実施例によるシステムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
表記及び命名
本願で使用する場合、ガス流の成分又は区画に言及するときの修飾語「軽」及び「重」の使用は相対重量を示す。すなわち、「軽質」成分又は区画が「重質」成分又は区画より低い分子量を有することを示す。
【0019】
本願で使用する場合、ガス流の成分又は区画に言及するときの修飾語「大」及び「小」の使用は相対分子径を示す。すなわち、「大きい」成分又は区画が「小さい」成分又は区画より大きい分子径を有することを示す。
【0020】
詳細な説明
I.概説
本願では、供給ガスを軽量区画又は成分と重量区画又は成分に分離するシステム及び方法が開示される。重量区画又は成分は軽量区画又は成分より高い分子量を有する。
【0021】
遠心分離はその質量に従って分子を分離するために疑似重力(反遠心力を用いた)の効果に頼り、液体と気体材料の両方に適用できる。高速で材料を回転する機構(すなわち遠心分離機)内に材料を置くことにより力が加えられる。在来のガス遠心分離機は質量に基づいて分子を加速する反遠心力の原理に頼る。直列及び/又は並列のガス遠心分離機のカスケードで従来行われるように、遠心分離は異なる分子量を有する成分の分離を生じる。この開示によれば、焼成材料(すなわち多孔質ロータ及び/又は静止焼成金属管)を利用した遠心分離は多数の(数千に至る)ガス遠心分離機を備えるカスケードを必要とせずに1又は数ユニットによる有効な分離を可能にする。
【0022】
システムとプロセスは理論的には、強制的に溶液を膜に通すために圧力が使用されて溶液を一方の側に保持して純粋溶媒を他方の側に通過させる逆浸透に似ている。
【0023】
II.ガス分離システム
この開示のガス分離システムは少なくとも一つの遠心分離機を備える。少なくとも一つの遠心分離機は少なくとも一つの多孔質焼成金属ロータ又は管を備える。諸実施例において、システムは少なくとも一つの多孔質ロータを備える。システムはさらに一つ以上のポンプを備えてもよい。ガス分離システムはさらに一つ以上の流量制御弁を備えてもよい。システムはガス遠心分離機に出入りする流量をモニタ及び制御する制御システムと電子通信していてもよい。
【0024】
今度はこの開示によるガス分離システムが図1を参照して述べられる。図1はこの開示の実施例によるガス分離システム100の模式図である。ガス分離システム100はガス遠心分離機110、供給ポンプ130A、第1の排出ポンプ130B、及び第2の排出ポンプ130Cを備える。
【0025】
この開示のシステムは少なくとも一つのガス遠心分離機110を備える。開示されたシステムの一つ以上のガス遠心分離のそれぞれは外側ケーシング、多孔質ロータ又は多孔質排出管から選択された少なくとも一つの多孔質部品、少なくとも一つの注入口、及び少なくとも二つの生成物排出口を備える。図1の実施例において、ガス遠心分離機110は外側ケーシング165、多孔質ロータ185、注入口120、第1の区画排出口140、及び第2の区画排出口190を備える。
【0026】
ガス遠心分離機110は外側ケーシング165を備える。図1に示されるように、外側ケーシング165はロータ185を囲む。外側ケーシング165はその外側及び/又は内側表面が円筒であってもよい。外側ケーシング165は有害材料がガス遠心分離機110の使用者に害を与えないように特有の材料で出来ていてもよい。諸用途において、ケーシング165のようなガス遠心分離機110の部品はステンレス鋼で出来ている。
【0027】
多孔質ロータ又は静止多孔質管
一つ以上のガス遠心分離機のそれぞれは少なくとも一つの多孔質部品を備える。多孔質部品は多孔質ロータ又は静止多孔質管であってもよい。諸実施例において、ガス分離システムは多孔質ロータを備える。図1の実施例に示されるように、多孔質ロータ185はケーシング165内に回転軸103の周りに対称に配置される。多孔質ロータ185は、多孔質ロータ185の外壁186と外側ケーシング165の内面との間に間隙又は環状空間105が作り出されるように外側ケーシング165内に配置される。ロータ185は、動作時にほぼ無摩擦回転を与えるために使用に先立ち空気を抜くことができるように構成された内部空間122を囲む。多孔質ロータ185は選択透過性又は粒径排除ロータを備えてもよい。ロータは形状が管状、例えば焼成金属管でもよい。多孔質ロータ185は、所望径のガス状成分に対して透過性となるように設計される。
【0028】
諸用途において、システムは多孔質管を備える。例えば、諸実施例において、第1の排出口140は静止多孔質管150の一端である。静止多孔質管150の壁は粒径排除又は選択透過性材料を備えても、その中に含んでもよい。
【0029】
多孔質部品は焼成金属を備えても、含んでもよい。諸実施例において、多孔質ロータは、所望の孔径と多孔性に対して調整可能で回転に耐える全体強度を有する何れかの材料で出来た選択透過性円筒で出来ていても、含んでもよい。適する多孔質材料は例えばセラミックでもステンレス鋼でもよい。諸実施例において、多孔質材料は316ステンレス鋼を備える。諸用途において、多孔質材料の多孔性(密度)と平均孔径は、分級点径より大きい径を有する成分の通過を排除しながら所望の分級点径より小さい成分の通過を許すように調整される。
【0030】
多孔質材料は焼成金属でもよい。諸実施例において、焼成金属の密度は約3g/cm3ないし約6g/cm3の範囲にある。諸用途において、焼成金属の密度は約3g/cm3、3.5g/cm3、4g/cm3、4.5g/cm3、5g/cm3、又は6g/cm3より大きくてもよい。諸用途において、多孔質材料の密度は約3.5g/cm3、4g/cm3、4.5g/cm3、5g/cm3、又は5.5g/cm3である。諸実施例において、選択透過性多孔質材料の平均孔径は約200μm未満、約50μm未満、約20μm未満、約10μm未満、約5μm未満、約3μm未満、約1μm未満、又は約0.5μm未満である。諸実施例において、平均孔径は数オングストロームの範囲にある。
【0031】
諸実施例において、多孔質材料は金型に金属粉末、例えばステンレス鋼粉末を入れ、高圧の下でそれをプレスすることにより形成される。諸実施例において、粉末を圧縮し、多孔質材料を形成するために20,000psigより大きい圧力が利用される。諸実施例において、粉末を圧縮し、多孔質材料を形成するために50,000psigより大きい圧力が利用される。諸実施例において、粉末を圧縮し、多孔質材料を形成するために150,000psigに至る圧力が利用される。プレスは出発粉末の厚さを少なくとも60%少なくする可能性がある。次いで、プレスされた材料は炉内でか焼される。形成中の収縮を回避するために、材料は溶融温度に近くかつそれ未満の温度にされてもよく、収縮を回避/最小化するために十分な時間にわたり冷却が制御されてもよい。ロータの多孔質材料の形成中の温度制御は酸化物の形成も防止できる。
【0032】
ロータの多孔質材料は材料の所望の曲がり、多孔性(密度)及び平均孔径を有するガス流路を与えるために特注品であってもよい。例えば、粉末はハニカム構造にプレスされてもよく、あるいは蝋が添加され、続いてか焼されてハニカム又は蝋構造を除去し、ロータの多孔質材料内にハニカム又は他の模様が付いた調整された経路又は空洞を残してもよい。このように、多孔質ロータは所望の平均孔径及び/又は流路で設計されてもよい。
【0033】
多孔質ロータは一定の用途に適するように決定された直径と長さを有してもよく、ガス遠心分離機は何れの所望の公称サイズを有してもよい。従って、与えられた寸法はそれに限定することを意図しているわけではない。諸用途において、多孔質ロータ185は約2インチ(5.1cm)ないし約12インチ(30.5cm)、約4インチ(10.2cm)ないし約10インチ(25.4cm)、約4インチ(10.2cm)ないし約8インチ(20.3cm)、又は約4インチ(10.2cm)ないし約6インチ(15.2cm)の範囲の直径を有する。多孔質ロータ185は約8インチ(20.3cm)ないし約20インチ(50.8cm)、約10インチ(25.4cm)ないし約17インチ(43.2cm)、又は約12インチ(30.5cm)ないし約15インチ(38.1cm)の範囲の垂直長さを有してもよい。ガス遠心分離機110の公称容量は約10ガロン(37.85リットル)でも、約5ガロン(18.925リットル)でも、約1ガロン(3.785リットル)でもよい。ロータの焼成材料の厚さは所望の表面積を与えるように調整されてもよい。諸実施例において、ロータは約1/4インチ(0.64cm)、約1/2インチ(1.27cm)、約3/4インチ(1.91cm)、又は約1インチ(2.54cm)の厚さを有する焼成材料を備えてもよい。
【0034】
多孔質部品(例えば静止金属排出管150)の所望の透過性又は平均孔径は所定の孔径(例えば30ないし100μm)の焼成材料を供給し、続いて分子篩又は膜を用いて焼成材料を処理することにより得られてもよい。焼成金属材料の外面は1層以上の分子篩で覆われてもよい。適する分子篩は以下に限定することなく、炭素篩、ALPOS、SAPOS、シリカ、チタンケイ酸塩、及びゼオライトを含む。諸実施例において、分子篩は3オングストローム(A)ないし約20A(約0.3nmないし約2nm)の範囲の孔径を有する。コーティングは自動車マフラーに使用されるモノリス及び/又はハニカム触媒コンバータ上に触媒面を作成するために利用される方法と同様の方法により塗布されてもよい。
【0035】
多孔質ロータ185は焼成金属を備えても含んでもよい。ロータは透過性材料で出来ていても、それを含んでもよい。透過性材料は所望の動作回転に耐える全体強度を有する所望の孔径及び多孔性に対して調整されてもよい。諸用途において、ロータは炭素繊維を備えてもよい。
【0036】
以上に述べられたように、ロータ185は多孔質でもよく、焼成材料を備えても含んでもよい。ロータは透過性材料で出来ていても、それを含んでもよい。透過性材料は所望の動作回転に耐える全体強度を有する所望の孔径及び多孔性に対して調整されてもよい。諸実施例において、多孔質ロータ185は外側支持体186と内側支持体188の間にサンドイッチされた透過性材料187を備える。例えば多孔質ロータ185の外壁186と内壁188が支持材料であってもよい。ロータ185の多孔質材料を支持体間に配置することにより、その強度が増加されてもよい。内側及び外側支持体186及び188は多孔質材料が中にサンドイッチされる支持体材料の籠に似ていてもよい。内側及び外側支持体は、多孔質材料が中にサンドイッチされる網籠(例えばステンレス鋼網籠)として構成されてもよい。内側及び外側支持体は、支持をもたらすことで知られかつガスが容易に通過する何れの材料でもよい。ロータの頂部189と底部184はガスに対して不透過性であってもよく、多孔質材料を備えてもよい。
【0037】
開示されたシステムの少なくとも一つのガス遠心分離機はさらに、少なくとも一つの注入口を備えてもよい。図1の実施例のシステム100は注入口120を備える。注入口120は多孔質ロータ185により定められる内部空間122に供給ガスを導入するように構成される。注入口120の一端125はガス遠心分離機110の内部空間122に流体連通している。注入口120の排出端125はガス遠心分離機110の内部空間122に流体連通している。注入口120の排出端125は回転軸103に近接して配置される。注入口120の排出端125は内部空間122の頂部189と底部184の間に配置される。諸実施例において、注入口120の排出端125は内部空間122の下部内に配置される。諸実施例において、注入口120の排出端125は内部空間122の底部184又はその近傍に配置される。諸用途において、注入口120の排出端125は内部空間122の上部内に配置される。諸実施例において、注入口120の排出端125は内部空間122の頂部189又はその近傍に配置される。注入口120の他端はその中に反応供給ガスを導入するように構成される。供給ガスライン115は内部空間122の外側にある注入口120の端部に流体接続される。
【0038】
開示されたシステムの一つ以上のガス遠心分離機のそれぞれはガス遠心分離機からそれぞれ軽質区画と重質区画を除去するように構成された少なくとも二つの排出口を備える。図1の実施例において、システム100は軽質区画又は第1の排出口140と重質区画又は第2の排出口190を備える。
【0039】
軽質区画排出口140は内部空間122に流体連通している。諸実施例において、軽質区画排出口140は多孔質管150の一端である。多孔質管はシステム100の動作中に静止していても回転していてもよい。多孔質管150の壁は内部空間122の全長にわたっている。諸用途において、多孔質管150の壁は、多孔質部品に関して上に述べられた粒径排除材料を備える。このように、例えば多孔質管150の壁は所望径のガスに対して選択透過性であってもよい。従って、諸実施例において、第1の排出口140は軸103に沿って多孔質ロータ185の全長にわたる静止焼成金属管の一端を備える。静止焼成金属管は分級点径未満の径を有するガス分子に対して選択透過性であってもよい。例えば、壁150はメタンガスに対して透過性で、二酸化炭素に対して不透過性であってもよい。第1又は軽質区画排出口140は軽質ガス排出ライン155に流体連通している。
【0040】
ケーシング165の内面と多孔質ロータ185の外面186はそれらの間に環状領域105を作り出す。重質区画排出口190の一端192は環状領域105に流体連通している。生成物排出口190の端部192は環状領域105の例えば頂部、底部、又は中心に向かって環状領域105内の何れかの場所に垂直に配置されてもよい。諸実施例において、第2の排出口190の端部192は環状領域105の底部に向かって配置される。諸実施例において、生成物排出口190の端部192はケーシング165の内面に近接して配置される。あるいは、生成物排出口190の端部192はケーシング165の内面の先端に配置される。あるいは、生成物排出口190の端部192はケーシング165の内面とロータ185の外面186の間の実質的に中間に水平に配置される。重質区画排出口190は重質区画排出ライン195に流体連通している。
【0041】
諸実施例において、注入口120の注入及び/又は排出端、第1の区画排出口140、及び/又は重質区画排出口190は1/2インチ(1.27cm)、3/4インチ(1.91cm)、又は1インチ(2.54cm)の直径を有する。
【0042】
ガス遠心分離機はさらに多孔質ロータに結合されたモータを備える。モータは回転軸の周りに多孔質ロータの回転を与えることができる。ロータの回転はロータ内の供給ガスに反遠心力を加える。例えば図1の実施例において、モータ145は多孔質ロータ185に結合され、回転軸103の周りに多孔質ロータ185を回転できる。モータは、多孔質ロータ185が時計方向又は反時計方向に回転できるように多孔質ロータ185に結合されてもよい。高速モータは90,000RPMに至る回転数が可能であってもよい。あるいは、何らかの他の手段が高回転数を与えてもよい。諸実施例において、高速モータは少なくとも分当たり5千、7千、7千5百、1万、1万5千、2万、2万5千、3万、4万、5万、6万、7万、8万、又は9万回転の回転数(RPM)を作り出すことができる。
【0043】
ガス分離システムはさらに、それに出入りする流量を制御するために一つ以上の流量制御弁及び/又はポンプを備えてもよい。一つ以上のポンプはガス遠心分離機110を通る流量を増すために真空及び圧力補助を行うように動作可能であってもよい。例えば図1の実施例において、ガス分離システム100は3つのポンプ130A、130B、及び130Cを備える。供給ポンプ130Aは供給ライン115上に配置され、圧力の下に強制的に供給ガスをガス遠心分離機110に入れる役目をしてもよい。第1の排出ポンプ130Bは生成物排出ライン155上に配置され、第1の排出口140を介してガス流を制御(補助又は最小化)するように動作可能である。例えば第1の排出ポンプ130Bは内部空間122から軽質ガス区画の真空除去をもたらす役目をしてもよい。第2の排出ポンプ130Cは第2の排出ライン195上に配置され、第2の排出口190を介してガス流を制御(補助又は最小化)するように動作可能である。代わりに、又は加えて、一つ以上の流量制御弁がそれぞれ供給ライン115、第1の排出ライン155、及び第2の排出ライン195上に配置されてもよく、そこを通る流量を制御するために使用されてもよい。
【0044】
システム100はコンピュータ及びセンサを含む制御システムと電子通信していてもよく、それにより、注入口120、第1の排出口140、及び/又は第2の排出口190に出入りする流量、及び/又は内部空間122内のガス組成がモニタ及び/又は制御されてもよい。
【0045】
ヒータ
一定の用途に対し、ガス遠心分離機110の全部又は一部がガス成分の分離を向上するために加熱されることが考えられる。例えば、ケーシング165の全部又は一部が関係技術において知られた装置と方法を用いて加熱されてもよい。そのような用途において、第2の排出口190が望ましくは環状空間105の下部内に配置されてもよく、注入口120の注入端125が内部空間105の底部又はその近傍に配置されてもよく、かつ/あるいは第1の排出口140の排出端が内部空間184の頂部189又はその近傍に配置されてもよい。
【0046】
二つ以上のガス遠心分離機が直列及び/又は並列に構成されてもよい。諸実施例において、第1のガス遠心分離機の第1の排出ライン155が第2のガス遠心分離機の供給ガスライン115に流体接続される。第1のガス遠心分離機は第1の分級点径未満のガス分子を含む軽質ガス区画を作るように動作可能であり、第2のガス遠心分離機は第1の分級点径より大きい第2の分級点径未満のガス成分を含む第2の軽質ガス区画を作るように動作可能である。諸実施例において、第1のガス遠心分離機の第2の排出ライン195は第2のガス遠心分離機の供給ライン115に流体接続される。この実施例において、第1のガス遠心分離機は第1の分級点径を超えるガス分子を含む重質ガス区画を作るように動作可能であり、第2のガス遠心分離機は第1の分級点径より大きい第2の分級点径を超えるガス成分を含む第2の重質ガス区画を作るように動作可能である。このように、供給ガスは異なる平均分子量を有する三つ以上のガス区画に区画されてもよい。
【0047】
ケーシング165は密閉容器を提供する。従って、ガス遠心分離機110内の温度と圧力は設計限界内で所望通りに調整可能である。ガス遠心分離機110は以下に限定されることなく、少なくとも15psig、500psig、1000又は1455psigに至る圧力で動作可能であってもよい。ガス遠心分離機110は以下に限定されることなく、150℃、200℃、250℃、300℃、400℃、450℃、500℃、550℃に至る温度、又は約600℃に至る温度に対して動作可能であってもよい。
【0048】
III.ガス分離方法
今度はこの開示による、ガスの軽質区画と重質区画を分離する方法が図1を参照して成される。供給ガスが供給ライン115と注入口120を介してガス遠心分離機110に導入される。供給ガスは注入口120を介してロータ185の壁内に含まれる内部空間122に導入される。諸実施例において、供給ガスは内部空間122の頂部又はその近傍に導入される。諸実施例において、供給ガスは内部空間122の底部又はその近傍に導入される。供給ガスは回転軸103に近接する内部領域122に導入される。
【0049】
供給ガスは、回転軸103の周りにロータ185の回転を生じるモータ145により反遠心力を受ける。ロータは5千、7千、7千5百、1万、1万5千、2万、2万5千、3万、4万、5万、6万、7万、8万、又は9万RPMの回転数で回転してもよい。反遠心力は供給ガスの重い分子量成分をロータ185の内壁188に向かって押し、一方、供給ガスの低分子量成分は内部空間122の中心、すなわち回転軸103に向かう傾向にある。低分子量ガスは第1の排出口140と第1の排出ライン155を介して抽出される。高分子量ガスは第2の排出口190と第2の排出ライン195を介して抽出される。第1のポンプ130B及び/又は第2のポンプ130Cにより真空及び/又は圧力補助を行って第1の排出口140と第1の排出ライン155を介した軽質ガス区画、及び/又は第2の排出口190と第2の排出ライン195を介した重質ガス区画の抽出を向上してもよい。諸用途において、抽出された軽質ガスの組成に基づいて内部空間122内のガスの組成がモニタ又は計算されながら、供給ガスが導入され、軽質ガスが抽出される。内部空間122での組成が所望の重質ガス区画濃度に達したら、第2の排出口190と第2のガス排出ライン195を介して重質ガスが抽出されてもよい。
【0050】
上で議論されたように、諸用途において、第1の排出口140は多孔質焼成金属管150の一端であり、あるいはそれに流体連通している。多孔質管150は所望の分級点径未満の分子のみがそれを通過できる選択透過性材料で出来ていてもよい。諸実施例において、供給ガスが内部空間122に導入され、第1の排出ポンプ130Bにより真空が与えられて排出管140を介した低分子量ガス成分の抽出を補助する。環状領域105を介するガスの移動を防止するために圧力が第2の排出ポンプ130C又は閉じられた適当な弁を介して環状領域105に加えられてもよい。軽質ガスが第1の排出口140から引き出される。内部空間122内の重質ガス成分の濃度が所望値を超えたときは、供給ガスの導入は遮断され、低分子量ガスの抽出が完了し、ポンプ130Cが動作し、かつ/あるいは適当な弁が開いて多孔質ロータ185を介した環状領域105からの重質ガス成分の抽出をもたらす。
【0051】
このように、真空及び/又は圧力補助は、ガス遠心分離機110から所望成分を抽出するために開示された方法に従って使用されてもよい。
【0052】
ガス遠心分離機110はケーシング165により囲まれた密閉容器であるので、動作温度及び圧力は所望の性能に基づいて選択されてもよい。諸用途において、動作温度は約25℃ないし約600℃の範囲にあってもよい。諸用途において、動作温度は約100℃又は150℃ないし約300℃、400℃、又は500℃の範囲にあってもよい。諸実施例において、ガス分離/区画は室温で行われる。諸実施例において、ガス分離/区画は5℃ないし45℃の範囲内の温度で行われる。諸実施例において、ガス分離/区画は20℃ないし40℃の範囲内の温度で行われる。諸実施例において、ガス分離/区画は25℃ないし35℃の範囲内の温度で行われる。動作圧力は設計材料の限界内の所望圧力であってもよい。高温の利用は室温でガス状ではない供給ガスの気相分離を可能にするかもしれない。
【0053】
ガス遠心分離プロセスは一定の用途においてガス遠心分離機にガスが常時流入及び流出する設計を利用する。バッチ処理に頼るほとんどの遠心分離機と違って、開示されたガス遠心分離機は連続又は半連続処理を可能にする。そのような用途において、ガスはそれぞれ第1の排出ライン155と第2の排出ライン195を介して環状領域105及び/又は内部空間122から連続又は半連続的に抽出されてもよい。
【0054】
直列動作
ガス分離方法の諸実施例において、第1のガス遠心分離機からの生成ガスは第2のガス遠心分離機にそれに対する供給ガスとして直接導入される。第1のガス遠心分離機は供給ガスから第1の重質成分を除去するように動作してもよく、第2のガス遠心分離機は供給ガスから第2の重質成分を除去するように動作してもよい等々である。このように、供給ガスは三つ以上の成分又は区画に区画されてもよい。
【0055】
設計代案
ある実施例において、非多孔質ロータが多孔質粒径排除管150と組み合わされる。遠心分離は高分子量分子を非多孔質ロータ185の内壁188に向かい易くし、低分子量分ガス分子を回転軸103に一致する内部空間122の中心に向かい易くすることになる。内部空間内の重い分子量ガスの濃度が所望レベルを超えたら、供給ガスの導入が遮断されてもよく、重質ガスは内部空間122から除去されてもよい。内部空間122内の重質ガスの濃度は直接決定されても、流入供給ガスと、第1の排出口140と第1のガス排出ライン155を介して除去される軽質ガスとの差の計算により決定されてもよい。内部空間122内から重質ガスを抽出するために第2の排出口が設けられてもよい。そのような第2の排出口は回転軸103の周りに対称に内部空間122まで延びていてもよく、一旦内部空間122内に入ってロータ185の内壁188に近接する位置まで延びていてもよい。
【0056】
例1
特定の実施例において、GCに連続的に導入された供給ガスは二酸化炭素と、メタンの分子量より高い分子量を有する他のガス状不純物とを含む低質メタンガスを含む。そのような場合、メタンは第1の排出口140を介して内部空間122から除去されてもよく、一方、二酸化炭素と他の重質成分を含む重質区画は環状領域105から除去される。分離を向上するために、メタンを受け入れ、二酸化炭素を排除する孔径を有する壁を有する粒径排除排出管150が使用されてもよい。内部空間122の中心からメタンを引き出すのを補助するために真空130Bが使用されてもよい。二酸化炭素を含む所望濃度の高分子量成分が内部空間122内に残存するまでロータ185と環状領域105を介するガスの移動を防止するために環状空間105に圧力が加えられてもよい。このとき、供給ガスの導入は遮断されてもよい。122から低分子成分の最終量を除去するために真空130Bはしばらく続けられてもよい。次いで、真空130Bが遮断され、多孔質ロータ185と環状領域105を介して高分子量材料を抽出するためにポンプ130Cが利用されてもよい。軽量区画が後続のガス遠心分離機に導入されてもよく、メタンを含む軽質成分又は区画は、例えば窒素を含む第2の重質区画から分離されてもよい。
【0057】
諸実施例において、メタンガスからの二酸化炭素のこの分離は室温で行われる。諸実施例において、メタンガスからの二酸化炭素のこの分離は5℃ないし45℃の範囲内の温度で行われる。諸実施例において、メタンガスからの二酸化炭素のこの分離は20℃ないし40℃の範囲内の温度で行われる。諸実施例において、メタンガスからの二酸化炭素の分離は25℃ないし35℃の範囲内の温度で行われる。このように、パイプライン等級メタンは冷却及び/又はアミンシステムなしに作られてもよい。
【0058】
例2
ある用途において、第1の排出口140は第1の分級点径で設計された多孔質管150の一端であり、あるいはそれに流体接続される。ガス成分1は分級点径未満の分子量を有し、一方、ガス成分2及び3は分級点径を超える径を有する。この実施例において、ガス成分1を含む軽質ガス区画は第1のガス排出口140を介して内部空間122から除去されてもよい。排除された成分2及び3を含む重質ガスは第2のガス排出口190を介してガス遠心分離機から抽出されてもよい。排除された成分2及び3を含む重質ガスは続いて、第1の分級点径より大きい第2の分級点径で設計された焼成金属管を備える、第1の排出口140を備える第2のガス遠心分離機に供給ガスとして導入される。このように、ガス成分2は第1の排出口140を介して除去され、従ってガス成分3から分離されてもよく、これは多孔質ロータ185と環状領域105を介して抽出されてもよい。分離を向上するために真空及び/又は圧力補助が利用されてもよい。
【0059】
例3
特定の実施例において、開示されたシステム及び方法はウランを濃縮するために利用される。そのような用途において、粒径排除GCに連続的に導入された供給ガスはウラン235とウラン238を含むガス状六フッ化ウランを含む。そのような場合、軽質ガス成分のウラン235は第1の排出口140を介して除去され、重質成分のウラン238は第2の排出口190を介して抽出される。
【0060】
発明の好ましい実施例が示され、述べられてきたが、その変形は、発明の精神と教示から逸脱することなく関係技術において技術を有する者により成すことができる。本願に述べられた諸実施例は例示に過ぎず、限定することを意図しているわけではない。本願に開示された発明の多くの変種と変形が可能であり、これらは発明の範囲内にある。数値範囲又は限界が明示的に述べられた場合、そのような特定の範囲又は限界は、明示的に述べられた範囲又は限界内に入る同様の大きさを有する反復範囲又は限界を含むと理解すべきである(例えば、1ないし10は2、3、4、等を含み、0.10より大きいは0.11、0.12、0.13等々を含む)。請求項の何れかの要素に関する用語「随意に」は対象要素が必要であり、あるいは必要でないことを意味することを意図している。両選択肢は請求項の範囲内にあることを意図している。備える、含む、有する等のようなより広い用語の使用は、〜から成る(consisting of)、実質的に〜から成る(consisting essentially of)、実質的に〜から構成される(comprised substantially of)等のようなより狭い用語を補助すると理解すべきである。
【0061】
従って、保護範囲は上に述べられた説明により限定されず、以下の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲は特許請求の範囲の主題の全ての均等物を含む。どの請求項も本発明の実施例として明細書に援用される。従って、特許請求の範囲はさらなる説明であり、本発明の好ましい実施例への追加である。全ての特許、特許出願及び本願に引用された刊行物の開示は、それらが本願に述べられたものを補足する例示的、手続的又は他の詳細を提供する限りにおいて、本願により引用して援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸の周りに対称に配置されて内部空間を囲む多孔質ロータと、
外側ケーシングであって、前記外側ケーシングと前記ロータが環状空間により分離された外側ケーシングと、
前記回転軸の周りに前記ロータを回転するように構成されたモータと、
前記回転軸に沿って配置され、前記内部空間に流体接続された注入口と、
前記内部空間に流体接続された第1の排出口と、
を備える装置。
【請求項2】
前記注入口は前記内部空間まで延びている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ロータは実質的に管状である請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記多孔質ロータは選択透過性材料で作られ、又は選択透過性材料を備える請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記選択透過性材料は焼成金属又はセラミックを有する請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記多孔質ロータは4インチ(10.2cm)から12インチ(30.5cm)の範囲の直径を有する請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記多孔質ロータは8インチ(20.3cm)から20インチ(50.8cm)の範囲の長さを有する請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記モータは少なくとも7,500RPMまで多孔質ロータの回転数を与えることができる請求項1に記載の装置。
【請求項9】
環状空間に流体接続された第2の排出口をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置を少なくとも一つ備えるシステム。
【請求項11】
少なくとも一つのポンプをさらに備える請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記注入口に流体連通する供給ラインと、前記第1の排出口に流体接続された第1の排出ラインとをさらに備え、前記少なくとも一つのポンプは前記供給ライン又は前記第1の排出ラインに配置される請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
供給ガスを第1の区画と第2の区画に分離する方法であって、前記第1の区画が前記第2の区画の平均分子量より低い平均分子量を有し、
ガス遠心分離機のロータ内の内部空間に前記供給ガスを導入する段階であって、前記ロータがガスに対して透過性であり、回転軸の周りに対称に配置される段階と、
前記回転軸の周りに前記ロータを回転し、それにより、前記供給ガスの重い分子が前記ロータに向かって押される段階と、
前記回転軸に近接する前記内部空間内から前記第1の区画を抽出し、前記第2の区画を前記内部空間に残す段階と、
を有する方法。
【請求項14】
前記内部空間から前記第2の区画を抽出する段階をさらに有する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記内部空間から前記第2の区画を抽出する段階は、前記第2の区画を前記多孔質ロータに通し、前記ロータの外部から前記第2の区画を抽出する段階を有する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ロータの外部から前記第2の区画を抽出する段階は、真空を使用することで前記第1の区画の抽出を補助する段階をさらに有する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記回転軸の周りに前記ロータを回転する段階は少なくとも7,500RPMの回転数を与える請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記多孔質ロータは焼成金属又はセラミックを有する請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記回転軸に近接する前記内部空間内から前記第1の区画を抽出する段階は、焼成金属管を介して前記第1の区画を抽出する段階を有する請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記焼成金属管は分級点径を超える粒子を排除する平均孔径を有する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
焼成金属管を介して前記第1の区画を抽出する段階は、前記内部空間への真空の適用により前記第1の区画の抽出を補助する段階をさらに有する請求項20に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−518533(P2012−518533A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551247(P2011−551247)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/024721
【国際公開番号】WO2010/096645
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(509218652)エイチ アール ディー コーポレーション (17)
【Fターム(参考)】