説明

ガス化炉及びボイラ設備

【課題】ガス化炉及びボイラ設備において、バイオマスを乾燥して適正な状態で供給可能とすると共に効率の低下を抑制可能とする。
【解決手段】中空形状をなすガス化炉本体11に対して、ガス化炉本体11内やボイラ本体31内で発生した熱を利用してバイオマスを乾燥する乾燥装置16と、この乾燥装置16により乾燥されたバイオマスをガス化炉本体11に供給可能な燃料供給系と、ガス化用空気をガス化炉本体11に供給可能な空気供給系とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマスを燃焼・ガス化させることで一酸化炭素や水素などを発生させ、これをガス燃料として生成するガス化炉、バイオマスを用いて生成したガス燃料と石炭や油などの化石燃料とを燃料として併用して燃焼させ、この燃焼により発生した熱を回収することが可能なボイラ設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バイオマスを、ガス化させることで一酸化炭素や水素などを発生させ、これをガス燃料として生成するガス化炉が各種提案されている。また、石炭や油などの化石燃料を燃料として燃焼させることで熱を発生させ、この発生した熱を回収するボイラが各種提案されている。そして、ガス化炉で生成したガス燃料をボイラに供給し、このガス燃料と化石燃料とを燃料として併用して燃焼させ、熱を回収するようにした設備が、例えば、下記特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4676177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなガス化炉とボイラとを組み合わせた設備において、ガス化炉は、バイオマスと共に高温空気を供給することで、このバイオマスを燃焼・ガス化させ、発生した可燃性のガスを燃料ガスとして取り出している。この場合、バイオマスに含まれる水分量に応じて適正な量の高温空気を供給し、空気比を調整する必要がある。バイオマスの種類としては、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤなどがあり、その状態(例えば、種類、大きさ、形状、水分率など)に応じて最適な空気比が相違する。そのため、例えば、ガス化炉内に水分量の多いバイオマスが投入されると、ガス化炉内に供給する高温空気の量を増加しなければならず、燃料コストが増加するだけでなく、この高温空気をボイラ設備内で生成されたものを使用する場合には、設備全体の効率が低下してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は上述した課題を解決するものであり、バイオマスを乾燥して適正な状態で供給可能とすると共に効率の低下を抑制可能とするガス化炉及びボイラ設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明のガス化炉は、バイオマスを燃料として燃焼・ガス化させることでガス燃料を生成するガス化炉であって、中空形状をなすガス化炉本体と、該ガス化炉本体内で発生した熱を利用してバイオマスを乾燥する乾燥装置と、該乾燥装置により乾燥されたバイオマスを前記ガス化炉本体内に供給可能な燃料供給系と、ガス化用空気を前記ガス化炉本体内に供給可能な空気供給系と、を備えることを特徴とするものである。
【0007】
従って、未乾燥のバイオマスは、乾燥装置によりガス化炉本体内で発生した熱を利用して乾燥され、乾燥後のバイオマスは、燃料供給系によりガス化炉本体内に供給されることとなり、バイオマスを適正な乾燥状態で燃焼することができる。
【0008】
本発明のガス化炉では、前記ガス化炉本体は、バイオマスと空気と流動材を混合すると共に循環しながら燃焼・ガス化することでガス燃料を生成可能であり、前記乾燥装置は、前記ガス化炉本体で循環する流動材の熱を利用してバイオマスを乾燥することを特徴としている。
【0009】
従って、未乾燥のバイオマスは、高温の流動材の熱を利用して乾燥されるので、バイオマスを適正な乾燥状態で燃焼・ガス化することができる。
【0010】
本発明のガス化炉では、前記ガス化炉本体から高温の流動材を取り出す流動材取出経路と、取り出された流動材にバイオマスを混合するバイオマス混合部と、乾燥後のバイオマスと流動材とを分離する分離部と、乾燥分離されたバイオマスを前記燃料供給系に搬送するバイオマス搬送経路と、分離された流動材を前記ガス化炉本体に戻す流動材戻し経路とを設けることを特徴としている。
【0011】
従って、ガス化炉本体から流動材取出経路により高温の流動材が取り出され、バイオマス混合部で高温の流動材と未乾燥のバイオマスが混合されることでこのバイオマスが乾燥され、分離部により分離された乾燥後のバイオマスは、バイオマス搬送経路により燃料供給系に搬送される一方、分離部により分離された流動材は、流動材戻し経路によりガス化炉本体に戻されることとなり、未乾燥のバイオマスの乾燥と供給を連続的に行うことが可能となり、作業の効率化を可能とすることができる。
【0012】
本発明のガス化炉では、前記バイオマス混合部に高温ガスを供給する高温ガス供給部を設けることを特徴としている。
【0013】
従って、高温ガス供給部によりバイオマス混合部に高温ガスが供給されることで、この高温ガス供給部にて、未乾燥のバイオマスは、高温の流動材から熱を受け取ると共に、高温ガスから熱を受け取ることとなり、バイオマスを短時間で適正に乾燥することができる。
【0014】
本発明のガス化炉では、前記流動材取出経路または前記流動材戻し経路にある流動材から異物を除去する異物除去部を設けることを特徴としている。
【0015】
従って、未乾燥のバイオマスを乾燥させるときに、異物除去部によりバイオマスと共にガス化炉本体内に供給された異物を除去することができる。
【0016】
また、本発明のボイラ設備は、バイオマスを燃料として燃焼・ガス化させることでガス燃料を生成するガス化炉と、該ガス化炉で生成されたガス燃料と化石燃料を燃焼させて発生した熱を回収するボイラと、を備え、前記ガス化炉は、中空形状をなすガス化炉本体と、該ガス化炉本体内または前記ボイラ内で発生した熱を利用してバイオマスを乾燥する乾燥装置と、該乾燥装置により乾燥されたバイオマスを前記ガス化炉本体内に供給可能な燃料供給系と、ガス化用空気を前記ガス化炉本体内に供給可能な空気供給系と、を有する、ことを特徴とするものである。
【0017】
従って、ガス化炉にて、未乾燥のバイオマスは、乾燥装置によりガス化炉本体内で発生した熱を利用して乾燥され、乾燥後のバイオマスは、燃料供給系によりガス化炉本体内に供給されることとなり、バイオマスを適正な乾燥状態で燃焼・ガス化することができ、その結果、ボイラ設備にて、効率の低下を抑制することができる。
【0018】
本発明のボイラ設備では、前記ガス化炉本体は、バイオマスと空気と流動材を混合すると共に循環しながら燃焼・ガス化することでガス燃料を生成可能であり、前記乾燥装置は、前記ガス化炉本体で循環する流動材の熱を利用してバイオマスを乾燥することを特徴としている。
【0019】
従って、未乾燥のバイオマスは、高温の流動材の熱を利用して乾燥されることで、バイオマスを適正な乾燥状態で燃焼・ガス化することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のガス化炉及びボイラ設備によれば、ガス化炉とボイラとを備え、ガス化炉に本体内で発生した熱を利用してバイオマスを乾燥する乾燥装置を設けるので、未乾燥のバイオマスは、ガス化炉本体内やボイラ内で発生した熱を利用して乾燥され、乾燥後のバイオマスがガス化炉本体内に供給されることとなり、バイオマスを適正な乾燥状態で燃焼・ガス化することができ、その結果、効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係るボイラ設備を表す概略構成図である。
【図2】図2は、実施例1のガス化炉における乾燥装置を表す概略構成図である。
【図3】図3は、本発明の実施例2に係るボイラ設備のガス化炉における乾燥装置を表す概略構成図である。
【図4】図4は、本発明の実施例3に係るボイラ設備のガス化炉における乾燥装置を表す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るガス化炉及びボイラ設備の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0023】
図1は、本発明の実施例1に係るボイラ設備を表す概略構成図、図2は、実施例1のガス化炉における乾燥装置を表す概略構成図である。
【0024】
実施例1のボイラ設備は、バイオマスを用いて生成したガス燃料と石炭や油などの化石燃料とを燃料として併用して燃焼させ、この燃焼により発生した熱を回収することが可能なボイラ設備である。
【0025】
この実施例1のボイラ設備は、図1に示すように、バイオマスを燃焼してガス化することでガス燃料を生成するガス化炉10と、このガス化炉10で生成したガス燃料と化石燃料とを燃焼することで発生した熱を回収するボイラ30を有している。
【0026】
ここで、バイオマスとは、再生可能な生物由来の有機性資源であって、化石資源を除いたものと定義する。例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ、及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などであり、ここに提示したものに限定されることはない。
【0027】
ガス化炉10は、循環流動層形式のガス化炉であって、ガス化炉本体11を有している。この場合、循環流動層形式に限らず気泡型循環流動層形式であってもよい。このガス化炉本体11は、中空形状をなして鉛直方向に沿って設置され、上下及び周囲の各壁部が全面耐火材料により構成され、外部への放熱が防止可能な構造であり、例えば、500〜1000℃で運転可能となっている。このガス化炉本体11は、流動材としての流動砂と燃料としてのバイオマスを供給可能となっており、内部でバイオマスを燃焼・ガス化することで流動砂を高温化すると共に、二酸化炭素を主成分とする可燃性ガスが発生し、この可燃性ガスをガス化剤としてガス化反応が起こる。ここで、流動砂としては、例えば、珪砂(主成分として、SiO、Alなど)であり、また、ガス化炉本体11内で発生したガスから硫黄を除去(脱硫)するために、炭酸カルシウム(CaCO)を投入してもよい。
【0028】
燃料供給系として、ホッパ12、スクリューフィーダ13、コンベア14、供給配管15を有している。ホッパ12は、所定量のバイオマスを貯留可能であり、スクリューフィーダ13は、このホッパ12に貯留されたバイオマスを所定量ずつ供給することができる。コンベア14は、スクリューフィーダ13から供給されたバイオマスを搬送可能であり、ここで、図示しない磁選機により釘や蝶番など、混入している金属製の異物を除去する。そして、バイオマスは、供給配管15を通して側部からガス化炉本体11内に投入される。
【0029】
また、燃料供給系にて、ホッパ12の上方には乾燥装置16が設けられている。この乾燥装置16は、バイオマスに含まれる水分を除去する。
【0030】
また、ガス化炉本体11は、可燃性ガスと流動砂を分離するサイクロン17が接続されている。即ち、ガス化炉本体11は、上側部が排出配管18を介してサイクロン17の上側部に連結されており、このサイクロン17は、下部が循環配管19を介してガス化炉本体11の下側部に連結されており、この循環配管19にシールポッド20が装着されている。
【0031】
そして、ガス化炉本体11に対して、ガス化用の空気を供給する空気供給系が設けられている。即ち、空気供給系を構成する空気供給配管21は、端部がガス化炉本体11の下部に連結されると共に、この空気供給配管21から分岐した空気供給分岐配管22がシールポッド20に連結されている。この空気供給配管21は、後述するが、200〜350℃に加熱された高温空気をガス化炉本体11の下部から内部に供給することができると共に、空気供給分岐配管22によりシールポッド20に供給することができる。
【0032】
ガス化炉本体11は、下部にバイオマスに混入していた異物を除去する異物排出配管23が連結されている。
【0033】
また、サイクロン17は、上部に生成した可燃性ガス、つまり、ガス燃料を送給するガス燃料配管24が連結されている。このガス燃料配管24は、ガス燃料をボイラ30まで搬送するためのものであり、中途部に除塵装置25とサイクロン26が設けられている。この除塵装置25は、流速を低減することで、比重が重く、ガス燃料の気流に乗りにくい燃料とならない成分、具体的には、珪砂を主成分とする粉体を集塵除去する。そのため、除塵装置25は、下部に粉体排出配管27が設けられている。また、サイクロン26は、セラミックフィルタを有し、サイクロン17で除去できなかった微細なチャーを除去する。そのため、サイクロン26は、下部にチャー排出配管28が設けられている。
【0034】
なお、ガス化炉10で生成されるガス燃料は、主成分が一酸化炭素(CO)、水素(H)、二酸化炭素(CO)、窒素(N)などから構成され、300〜1100kcal/Nm程度の低カロリーガスであり、650〜850℃の範囲でガス化炉10により生成される。
【0035】
従って、ガス化炉10にて、ガス化炉本体11は、図示しない供給経路から流動砂が供給されており、バイオマスは、乾燥装置16で乾燥された後にホッパ12に貯留され、このホッパ12からスクリューフィーダ13及びコンベア14により供給配管15を通してガス化炉本体11に投入される。また、ガス化炉本体11は、空気供給配管21により下部からガス化用の高温空気が供給される。すると、ガス化炉本体11内にて、流動砂とバイオマスとが流動混合すると共に、バイオマスが燃焼・ガス化して可燃性ガスが発生する。
【0036】
この燃焼・ガス化により発生した可燃性ガスは、流動砂と共に排出配管18を通してサイクロン17に排出され、このサイクロン17により可燃性ガスと流動砂とに分離される。そして、分離された可燃性ガスは、ガス燃料としてガス燃料配管24を通してボイラ30に供給される。このとき、ガス燃料配管24を流動するガス燃料は、除塵装置25により珪砂を主成分とする粉体が集塵除去され、サイクロン26により微細なチャーが除去される。また、サイクロン17で分離された高温の流動砂は、シールポッド20を介して循環配管19によりガス化炉本体11に戻される。
【0037】
一方、ボイラ30は、コンベンショナルボイラであって、ガス燃料と化石燃料とを燃焼可能なボイラ本体31を有している。このボイラ本体31は、中空形状をなして鉛直方向に設置され、このボイラ本体31を構成する火炉壁の下部に燃焼装置32が設けられている。この燃焼装置32は、火炉壁に装着された複数の化石燃料用の燃焼バーナ33と、複数のガス燃料用の燃焼バーナ34とを有している。本実施例にて、化石燃料用の燃焼バーナ33は、周方向に沿って4個配設されたものが上下方向に4段配置されている。一方、ガス燃料用の燃焼バーナ34は、複数の化石燃料用の燃焼バーナ33の下方であって、周方向に沿って4個配設されたものが上下方向に1段配置されている。なお、化石燃料用の燃焼バーナ33とガス燃料用の燃焼バーナ34の配置関係は上下逆であってもよい。また、各燃焼バーナ33,34にて、周方向の数は4個に限るものではなく、段数も4段や1段に限るものではない。更に、各燃焼バーナ33,34対向するように配置してもよい。
【0038】
そして、化石燃料用の燃焼バーナ33は、微粉炭供給部35が供給配管36を介して連結されると共に、燃料油(または、燃料ガス)供給部37が供給配管38を介して連結されており、この場合、化石燃料として、微粉炭または燃料油を供給可能となっている。一方、ガス燃料用の燃焼バーナ34は、ガス化炉10からのガス燃料配管24が連結されている。この場合、ガス燃料配管24からガス燃料用の燃焼バーナ34に供給されるガス燃料は、400℃以上に維持することが望ましい。
【0039】
また、燃焼装置32は、各燃焼バーナ33,34に燃焼用空気を供給可能な空気供給配管39を有しており、この空気供給配管39は、基端部に送風機40が装着され、先端部がボイラ本体31の外周側に設けられた風箱41に連結されている。そのため、この風箱41に供給された空気を各燃焼バーナ33,34に供給することができる。
【0040】
ボイラ本体31は、上部に煙道42が連結されており、この煙道42に、対流伝熱部として排ガスの熱を回収するための、過熱器43,44、再熱器45,46、節炭器47,48,49が設けられており、ボイラ本体31での燃焼で発生した排ガスと水との間で熱交換が行われる。
【0041】
煙道42は、その下流側に熱交換を行った排ガスが排出される排ガス配管50が連結されている。この排ガス配管50は、空気供給配管39との間にエアヒータ51が設けられ、空気供給配管39を流れる空気と、排ガス配管50を流れる排ガスとの間で熱交換を行い、燃焼バーナ33,34に供給する燃焼用空気を200〜300℃の範囲に昇温することが望ましい。
【0042】
また、空気供給配管39は、エアヒータ51より下流側の位置から分岐して、空気供給配管21が設けられている。この空気供給配管21は、塵や埃などの粒子状物質を除去可能な除塵装置52と、高温空気を昇圧可能なブロア53が装着されており、エアヒータ51で200〜300℃に加熱した空気をガス化炉10のガス化炉本体11内に供給することができる。
【0043】
なお、排ガス配管50は、エアヒータ51より上流側に位置して、選択還元型触媒54が設けられ、エアヒータ51より下流側に位置して、電気集塵機55、誘引送風機56、脱硫装置57が設けられ、下流端部に煙突58が設けられている。
【0044】
従って、ボイラ30にて、送風機40を駆動して空気を吸引すると、この空気は、空気供給配管39を通してエアヒータ51で加熱された後に風箱41を介して各燃焼バーナ33,34に供給される。また、化石燃料としての微粉炭または燃料油は、供給配管36,38を通して化石燃料用の燃焼バーナ33に供給されると共に、ガス化炉10からのガス燃料は、ガス燃料配管24を通してガス燃料用の燃焼バーナ34に供給される。
【0045】
すると、化石燃料用の燃焼バーナ33は、燃焼用空気と化石燃料をボイラ本体31に噴射すると同時に着火し、また、ガス燃料用の燃焼バーナ34は、燃焼用空気とガス燃料をボイラ本体31に噴射すると同時に着火する。このボイラ本体31では、燃焼用空気、化石燃料、ガス燃料が燃焼して火炎が生じる。ボイラ本体31内の下部で火炎が生じると、燃焼ガスがこのボイラ本体31内を上昇し、煙道42に排出される。
【0046】
このとき、図示しない給水ポンプから供給された水は、節炭器47,48,49によって予熱された後、図示しない蒸気ドラムに供給され火炉壁の各水管(図示せず)に供給される間に加熱されて飽和蒸気となり、図示しない蒸気ドラムに送り込まれる。更に、図示しない蒸気ドラムの飽和蒸気は過熱器43,44に導入され、燃焼ガスによって過熱される。過熱器43,44で生成された過熱蒸気は、図示しない発電プラント(例えば、タービン等)に供給される。また、タービンでの膨張過程の中途で取り出した蒸気は、再熱器45,46に導入され、再度過熱されてタービンに戻される。なお、ボイラ本体31をドラム型(蒸気ドラム)として説明したが、この構造に限定されるものではない。
【0047】
その後、煙道42の節炭器47,48,49を通過した排ガスは、排ガス配管50にて、選択還元型触媒54でNOxなどの有害物質が除去され、電気集塵機55で粒子状物質が除去され、脱硫装置57により硫黄分が除去された後、煙突58から大気中に排出される。
【0048】
このように構成された本実施例のボイラ設備のガス化炉10において、上述したように、燃料供給系にて、ガス化炉本体11は、ホッパ12の上方に乾燥装置16が設けられており、この乾燥装置16は、未乾燥のバイオマスを乾燥し、ホッパ12に供給するものである。本実施例にて、この乾燥装置16は、ガス化炉本体11内及びボイラ本体31内で発生した熱を利用してバイオマスを乾燥するものである。具体的には、ガス化炉本体11は、バイオマスと空気と流動砂(流動材)を混合すると共に循環しながら燃焼・ガス化することでガス燃料を生成可能であり、乾燥装置16は、ガス化炉本体11で循環する流動砂の熱を利用してバイオマスを乾燥するものである。
【0049】
乾燥装置16において、図2に示すように、バイオマスを搬送する搬送装置としてのベッドアッシュクーラ61は、スクリューコンベアであって、ガス化炉本体11の下方に設置されており、このガス化炉本体11の下部に連結された異物排出配管23の下端部がベッドアッシュクーラ61における上流部の上方に位置している。従って、ガス化炉本体11で高温となった流動砂などは、異物排出配管23によりベッドアッシュクーラ61上に取り出すことができる。この場合、異物排出配管23は、ガス化炉本体11から高温の流動砂を取り出す流動材取出経路として機能する。
【0050】
ベッドアッシュクーラ61は、異物排出配管23から取り出された高温の流動砂を所定の速度で搬送するスクリューを有している。未乾燥のバイオマスを供給する供給系として、ホッパ62、スクリューフィーダ63、コンベア64、供給配管65を有している。ホッパ62は、未乾燥のバイオマスを貯留可能であり、スクリューフィーダ63はホッパ62に貯留された未乾燥のバイオマスを所定量ずつ供給することができる。コンベア64は、スクリューフィーダ63から供給された未乾燥のバイオマスを搬送可能であり、供給配管65を通してベッドアッシュクーラ61の上流部側に供給可能である。
【0051】
ベッドアッシュクーラ61は、異物排出配管23から取り出された高温の流動砂と、ホッパ62からスクリューフィーダ63、コンベア64、供給配管65を介して供給された未乾燥のバイオマスとを混合する。即ち、このベッドアッシュクーラ61では、高温の流動砂と未乾燥のバイオマスとが混合することで、流動砂の熱が未乾燥のバイオマスに伝導し、この未乾燥のバイオマスを加熱乾燥して水分を除去することができる。この場合、ベッドアッシュクーラ61は、取り出された流動砂にバイオマスを混合するバイオマス混合部として機能する。
【0052】
また、ベッドアッシュクーラ61は、下流側で、粒子の小さい流動砂を分級することで分離することができる。そして、ベッドアッシュクーラ61は、下流側に分離した流動砂を搬送する流動砂搬送配管66が連結されると共に、この流動砂搬送配管66の連結より下流側に流動砂が分離された乾燥済のバイオマスを搬送するバイオマス搬送配管67が連結されている。なお、このバイオマス搬送配管67は、下流端部がホッパ12に連結されている。この場合、ベッドアッシュクーラ61は、乾燥後のバイオマスと流動砂とを分離する分離部として機能し、バイオマス搬送配管67は、乾燥分離されたバイオマスをホッパ12に搬送するバイオマス搬送経路として機能する。
【0053】
流動砂搬送配管66は、ベッドアッシュクーラ61で分離された流動砂を配送するものであるが、ここで分離した流動砂には、金属製の異物が混在しているおそれがある。この金属製の異物とは、例えば、廃材木に固定されていた蝶番や釘、タイヤを構成するワイヤなどである。分級機(異物除去部)68は、流動砂搬送配管66の下流端部が連結され、スクリーンまたは磁選機などを用いて流動砂から異物を除去することができる。そして、異物が除去された流動砂は、ホッパ69に貯留され、戻し配管70を通して循環配管19またはシールポッド20に戻される。一方、除去された異物は、ホッパ71に貯留された後、回収配管72を通して回収ボックス73に回収される。この場合、流動砂搬送配管66、分級機68、ホッパ69、戻し配管70は、分離された流動砂をガス化炉本体11に戻す流動材戻し経路として機能する。
【0054】
従って、異物排出配管23によりガス化炉本体11内の流動砂などがベッドアッシュクーラ61上に取り出されると共に、未乾燥のバイオマスがホッパ62、スクリューフィーダ63、コンベア64、供給配管65を介してベッドアッシュクーラ61上に供給される。すると、ベッドアッシュクーラ61は、高温の流動砂と未乾燥のバイオマスを混合することで、この未乾燥のバイオマスを加熱乾燥して水分を除去する。続いて、ベッドアッシュクーラ61は、下流側で、流動砂を分級し、流動砂搬送配管66を通して分級機68に送られ、ここで異物が除去される。そして、異物が除去された流動砂は、ホッパ69から戻し配管70を通して循環配管19またはシールポッド20に戻される。一方、ベッドアッシュクーラ61で、流動砂を分級された乾燥後のバイオマスは、バイオマス搬送配管67を通してホッパ12に供給され、ガス化炉本体11に供給される。
【0055】
このように実施例1のガス化炉にあっては、中空形状をなすガス化炉本体11に対して、ガス化炉本体11内で発生した熱を利用してバイオマスを乾燥する乾燥装置16と、この乾燥装置16により乾燥されたバイオマスをガス化炉本体11に供給可能な燃料供給系と、燃焼・ガス化用空気をガス化炉本体11に供給可能な空気供給系とを設けている。
【0056】
従って、未乾燥のバイオマスは、乾燥装置16によりガス化炉本体11内で発生した熱を利用して乾燥され、乾燥後のバイオマスは、燃料供給系によりガス化炉本体11内に供給されることとなり、バイオマスを適正な乾燥状態で燃焼・ガス化することができる。
【0057】
また、実施例1のガス化炉では、ガス化炉本体11がバイオマスと空気と流動砂を混合すると共に循環しながら燃焼・ガス化することでガス燃料を生成可能とし、乾燥装置16は、ガス化炉本体11で循環する流動砂の熱を利用してバイオマスを乾燥している。従って、未乾燥のバイオマスは、高温の流動砂の熱を利用して乾燥されるので、バイオマスを適正な乾燥状態で燃焼・ガス化することができる。
【0058】
また、実施例1のガス化炉では、ガス化炉本体11から高温の流動砂を取り出す異物排出配管23と、取り出された流動砂にバイオマスを混合した後に分離するベッドアッシュクーラ61と、乾燥分離されたバイオマスを燃料供給系に搬送するバイオマス搬送配管67と、分離された流動砂をガス化炉本体11に戻す流動砂搬送配管66とを設けている。従って、未乾燥のバイオマスの乾燥とガス化炉本体11への供給を連続的に行うことが可能となり、作業の効率化を可能とすることができる。
【0059】
また、実施例1のガス化炉では、流動砂搬送配管66の下流端部に流動砂から異物を除去する分級機68を設けている。従って、未乾燥のバイオマスを乾燥させるときに、バイオマスと共にガス化炉本体11内に供給された異物を除去することができる。その結果、蝶番や釘が固定されている廃材木や古タイヤなど、安価な材料のバイオマスを利用することができ、燃料の低コスト化を可能とすることができる。
【0060】
実施例1のボイラ設備にあっては、バイオマスを燃料として燃焼・ガス化させることでガス燃料を生成するガス化炉10と、ガス化炉10で生成されたガス燃料と化石燃料を燃焼させて発生した熱を回収するボイラ30とを設け、ガス化炉10として、中空形状をなすガス化炉本体11に対して、ガス化炉本体11内で発生した熱、つまり、流動砂の熱を利用してバイオマスを乾燥する乾燥装置16と、この乾燥装置16により乾燥されたバイオマスをガス化炉本体11に供給可能な燃料供給系と、ガス化用空気をガス化炉本体11に供給可能な空気供給系とを設けている。
【0061】
従って、ガス化炉10にて、未乾燥のバイオマスは、乾燥装置16によりガス化炉本体11内で発生した熱を利用して乾燥され、乾燥後のバイオマスは、燃料供給系によりガス化炉本体11内に供給されることとなり、バイオマスを適正な乾燥状態で燃焼・ガス化することができる。その結果、ボイラ30にて、燃焼・ガス化用空気などを未乾燥のバイオマスを乾燥するための熱源として利用する必要はなく、ボイラ本体31に供給する燃焼・ガス化空気を一定に維持することができ、安定した燃焼を可能として熱回収効率の低下を抑制することができる。
【実施例2】
【0062】
図3は、本発明の実施例2に係るボイラ設備のガス化炉における乾燥装置を表す概略構成図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0063】
実施例2のボイラ設備のガス化炉において、図3に示すように、燃料供給系にて、ガス化炉本体11は、ホッパ12に供給する未乾燥のバイオマスを乾燥する乾燥装置81が設けられている。乾燥装置81において、ベッドアッシュクーラ61は、ガス化炉本体11の下方に設置されており、このガス化炉本体11の下部に連結された異物排出配管23の下端部がベッドアッシュクーラ61における上流部の上方に位置している。また、ベッドアッシュクーラ61は、下流端部が配管82により分級機68に連結され、この分級機68は、スクリーンまたは磁選機などを用いて流動砂から異物を除去することができる。そして、除去された異物は、ホッパ71に貯留された後、回収配管72を通して回収ボックス73に回収される。一方、異物が除去された流動砂は、ホッパ83に貯留される。
【0064】
乾燥装置本体(バイオマス混合部)84は、流動層型の乾燥装置であって、内部に流動砂が循環可能であると共に、流動性ガス(蒸気、排ガスなど)がガス配管(高温ガス供給部)85を通して供給可能となっている。即ち、この乾燥装置本体84は、高温の流動砂と未乾燥のバイオマスとを混合すると共に、流動性ガスにより加熱することで、未乾燥のバイオマスを加熱乾燥して水分を除去することができる。この場合、ガス配管85により供給される流動性ガスとして、ボイラ30のボイラ本体31(図1参照)から排出される排ガス(110℃以上で酸素が10w%以下)、高温蒸気(110℃)、高温の不活性ガス(窒素ガス)などを使用するとよい。そして、ホッパ83に貯留された流動砂が供給配管86を通してこの乾燥装置本体84に供給可能である。
【0065】
また、未乾燥のバイオマスを供給する供給系として、ホッパ62、スクリューフィーダ63、コンベア64、供給配管65を有し、未乾燥のバイオマスを乾燥装置本体84に供給可能である。乾燥装置本体84は、下部が配管87により分級機(分離部)88に連結され、この分級機88は、乾燥済のバイオマスと流動砂とを分級することができる。そして、分級された乾燥済のバイオマスは、ホッパ89に貯留された後、バイオマス搬送配管90を介してホッパ91に送られ、ベルトコンベア92によりホッパ12に供給可能となっている。一方、ホッパ69に貯留された流動砂は、戻し配管70を通して循環配管19またはシールポッド20に戻される。
【0066】
また、乾燥装置本体84は、内部で発生したガスや蒸気を排出するガス排出配管93が連結され、このガス排出配管93により排出されたガスや蒸気は、熱交換器94で潜熱が回収されてから煙突などにより大気に開放される。
【0067】
従って、異物排出配管23によりガス化炉本体11内の流動砂などがベッドアッシュクーラ61上に取り出され、分級機68で異物が除去された後、この異物が除去された流動砂がホッパ83に貯留され、供給配管86を通して乾燥装置本体84に供給される。また、未乾燥のバイオマスは、ホッパ62、スクリューフィーダ63、コンベア64、供給配管65を介して乾燥装置本体84に供給される。すると、乾燥装置本体84にて、高温の流動砂と未乾燥のバイオマスが混合されると共に、ガス配管85から流動性ガスが供給されることで、この未乾燥のバイオマスが加熱乾燥されて水分が除去される。そして、乾燥装置本体84から乾燥済のバイオマスと流動砂が分級機88に排出され、ここで、バイオマスと流動砂を分離する。分離された流動砂は、戻し配管70を通して循環配管19またはシールポッド20に戻される。一方、分離された乾燥済のバイオマスは、バイオマス搬送配管90、ベルトコンベア92によりホッパ12に供給され、ガス化炉本体11に供給される。
【0068】
このように実施例2のガス化炉にあっては、中空形状をなすガス化炉本体11に対して、ガス化炉本体11で循環する流動砂の熱を利用してバイオマスを乾燥する乾燥装置81と、この乾燥装置81により乾燥されたバイオマスをガス化炉本体11に供給可能な燃料供給系と、ガス化用空気をガス化炉本体11に供給可能な空気供給系とを設け、乾燥装置本体84内に流動性ガス(高温ガス)を供給するガス配管85を設けている。
【0069】
従って、未乾燥のバイオマスは、乾燥装置81の乾燥装置本体84内にて、ガス化炉本体11から取り出した流動砂の熱と、ガス配管85から供給される高温の流動性ガスを利用して乾燥され、乾燥後のバイオマスは、燃料供給系によりガス化炉本体11内に供給されることとなり、バイオマスを短時間で適正に乾燥し、適正な乾燥状態で燃焼・ガス化することができる。
【実施例3】
【0070】
図4は、本発明の実施例3に係るボイラ設備のガス化炉における乾燥装置を表す概略構成図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0071】
実施例3のボイラ設備のガス化炉10において、図4に示すように、燃料供給系にて、ガス化炉本体11は、ホッパ12に供給する未乾燥のバイオマスを乾燥する乾燥装置101が設けられている。乾燥装置101において、搬送コンベア102は、例えば、ベルトコンベアであって、未乾燥のバイオマスを搬送可能である。この搬送コンベア102は、その上流側端部に、未乾燥のバイオマスを貯留するホッパ103が設けられており、ホッパ103は、搬送コンベア102の上流側に未乾燥のバイオマスを供給可能である。搬送コンベア102は、その下流側端部がホッパ12の上方に位置しており、ホッパ103から供給された未乾燥のバイオマスを搬送し、ホッパ12に供給することができる。
【0072】
搬送コンベア102は、断熱カバー104により周囲が覆われてほぼ密閉状態となっている。そして、断熱カバー104は、下部に高温ガス(例えば、蒸気、排ガスなど)を供給する高温ガス供給配管105が連結されている。そのため、搬送コンベア102により搬送中の未乾燥のバイオマスは、高温ガス供給配管105から供給された高温ガスにより加熱されて乾燥可能となる。一方、断熱カバー104は、上部に高温ガスや内部で発生したガス、蒸気を排出するガス排出配管106が連結され、このガス排出配管106により排出されたガスや蒸気は、熱交換器107で潜熱が回収されてから煙突などにより大気に開放される。
【0073】
従って、未乾燥のバイオマスは、ホッパ103から搬送コンベア102上に供給され、この搬送コンベア102により搬送される。このとき、高温ガス供給配管105から断熱カバー104の内部に高温ガスが供給されることで、未乾燥のバイオマスは、この高温ガスにより加熱乾燥されて水分が除去される。そして、乾燥済のバイオマスは、搬送コンベア102により搬送され、ホッパ12に供給され、ガス化炉本体11に供給される。
【0074】
このように実施例3のガス化炉にあっては、中空形状をなすガス化炉本体11に対して、バイオマスを乾燥する乾燥装置101と、この乾燥装置101により乾燥されたバイオマスをガス化炉本体11に供給可能な燃料供給系と、ガス化用空気をガス化炉本体11に供給可能な空気供給系とを設けている。
【0075】
従って、未乾燥のバイオマスは、乾燥装置101の搬送コンベア102による搬送中に、断熱カバー104内に供給される高温ガスにより乾燥され、乾燥後のバイオマスは、燃料供給系によりガス化炉本体11内に供給されることとなり、バイオマスを短時間で適正に乾燥し、適正な乾燥状態で燃焼・ガス化することができる。
【0076】
なお、上述した各実施例では、各乾燥装置16,81,101にて、ガス化炉本体11により循環する流動砂を異物排出配管23により取り出し、ベッドアッシュクーラ61や乾燥装置本体84内でこの流動砂の熱を利用して未乾燥のバイオマスを乾燥するように構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、ガス化炉本体11に対して異物排出配管23とは別の配管などを用いて流動砂を取り出したり、サイクロン17からの循環配管19から流動砂を取り出したりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明に係るガス化炉及びボイラ設備は、ガス化炉本体内やボイラ本体内で発生した熱を利用してバイオマスを乾燥する乾燥装置を設けることで、バイオマスを乾燥して適正な状態で供給可能とすると共に効率の低下を抑制可能とするものであり、いずれのガス化炉やボイラ設備にも適用することができる。
【符号の説明】
【0078】
10 ガス化炉
11 ガス化炉本体
12 ホッパ(燃料供給系)
15 供給配管(燃料供給系)
16,81,101 乾燥装置
17 サイクロン
21 空気供給配管(空気供給系)
23 異物排出配管(流動材取出経路)
24 ガス燃料配管
25 除塵装置
26 サイクロン
30 ボイラ
31 ボイラ本体
32 燃焼装置
33 化石燃料用の燃焼バーナ
34 ガス燃料用の燃焼バーナ
39 空気供給配管
42 煙道
51 エアヒータ
52 除塵装置
53 ブロア
61 ベッドアッシュクーラ(バイオマス混合部、分離部)
66 流動砂搬送配管(流動材戻し経路)
67,90 バイオマス搬送配管(バイオマス搬送経路)
68 分級機(異物除去部)
70 戻し配管(流動材戻し経路)
84 乾燥装置本体(バイオマス混合部)
85 ガス配管(高温ガス供給部)
88 分級機(分離部)
92 ベルトコンベア
102 搬送コンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオマスを燃料として燃焼・ガス化させることでガス燃料を生成するガス化炉であって、
中空形状をなすガス化炉本体と、
該ガス化炉本体内で発生した熱を利用してバイオマスを乾燥する乾燥装置と、
該乾燥装置により乾燥されたバイオマスを前記ガス化炉本体内に供給可能な燃料供給系と、
ガス化用空気を前記ガス化炉本体内に供給可能な空気供給系と、
を備えることを特徴とするガス化炉。
【請求項2】
前記ガス化炉本体は、バイオマスと空気と流動材を混合すると共に循環しながら燃焼・ガス化することでガス燃料を生成可能であり、前記乾燥装置は、前記ガス化炉本体で循環する流動材の熱を利用してバイオマスを乾燥することを特徴とする請求項1に記載のガス化炉。
【請求項3】
前記ガス化炉本体から高温の流動材を取り出す流動材取出経路と、取り出された流動材にバイオマスを混合するバイオマス混合部と、乾燥後のバイオマスと流動材とを分離する分離部と、乾燥分離されたバイオマスを前記燃料供給系に搬送するバイオマス搬送経路と、分離された流動材を前記ガス化炉本体に戻す流動材戻し経路とを設けることを特徴とする請求項2に記載のガス化炉。
【請求項4】
前記バイオマス混合部に高温ガスを供給する高温ガス供給部を設けることを特徴とする請求項3に記載のガス化炉。
【請求項5】
前記流動材取出経路または前記流動材戻し経路にある流動材から異物を除去する異物除去部を設けることを特徴とする請求項3または4に記載のガス化炉。
【請求項6】
バイオマスを燃料として燃焼・ガス化させることでガス燃料を生成するガス化炉と、
該ガス化炉で生成されたガス燃料と化石燃料を燃焼させて発生した熱を回収するボイラと、
を備え、
前記ガス化炉は、
中空形状をなすガス化炉本体と、
該ガス化炉本体内または前記ボイラ内で発生した熱を利用してバイオマスを乾燥する乾燥装置と、
該乾燥装置により乾燥されたバイオマスを前記ガス化炉本体内に供給可能な燃料供給系と、
ガス化用空気を前記ガス化炉本体内に供給可能な空気供給系と、
を有する、
ことを特徴とするボイラ設備。
【請求項7】
前記ガス化炉本体は、バイオマスと空気と流動材を混合すると共に循環しながら燃焼・ガス化することでガス燃料を生成可能であり、前記乾燥装置は、前記ガス化炉本体で循環する流動材の熱を利用してバイオマスを乾燥することを特徴とする請求項6に記載のボイラ設備。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−219522(P2011−219522A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86802(P2010−86802)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)