ガス回収・充填装置
【課題】特に変電所における小型の開閉設備からの絶縁性ガスの回収に好適なガス回収・充填装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ガス回収・充填装置1は、加圧ポンプ22を備える加圧ポンプユニット20と、真空ポンプ32、33を備える真空ポンプユニット30と、回収対象となるガスの流路を構成する流路R1〜R7を構成する配管と、流路の切り替えを行うためのバルブV1〜V12を備える配管部ユニット40と、を備え、加圧ポンプユニット20、真空ポンプユニット30、および配管部ユニット40は作業者が人力で持ち運び可能な重さとされている。このため可搬性、作業性に優れ、GCB等の小型の開閉設備のガス回収・充填にきわめて好適である。
【解決手段】ガス回収・充填装置1は、加圧ポンプ22を備える加圧ポンプユニット20と、真空ポンプ32、33を備える真空ポンプユニット30と、回収対象となるガスの流路を構成する流路R1〜R7を構成する配管と、流路の切り替えを行うためのバルブV1〜V12を備える配管部ユニット40と、を備え、加圧ポンプユニット20、真空ポンプユニット30、および配管部ユニット40は作業者が人力で持ち運び可能な重さとされている。このため可搬性、作業性に優れ、GCB等の小型の開閉設備のガス回収・充填にきわめて好適である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス回収・充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
変電設備に備えられるガス遮断器(GCB)の内部には、絶縁性ガスとしてSF6ガスが充填されている。
ところで、SF6ガスは、温室効果がきわめて高いことが最近になって指摘されており、また、分解までの寿命も長いことから、排出規制対象として指定されるに至っている。このため、機器の点検・修理等の際にはこのSF6ガスを外部に漏らさぬようにガス遮断器の内部からいったん回収し、作業終了後に再びガス遮断器の内部に充填する必要がある。また、ガス遮断器の劣化取替工事の際にも、このSF6ガスを大気中に漏らすことなく確実に回収する必要がある。
【0003】
このような用途に使用されるガス回収・充填装置としては、例えば特許文献1に開示のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−111226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、SF6ガスの温暖化効果が問題視されるようになったのは最近のことであり、ガス遮断器(GCB)等の小型の開閉装置に封入されるガス量がごく少量であること等から、これら小型の開閉装置からのガス回収に適した回収装置の開発は遅れているのが実情である。このため、小型の開閉装置からの少量のガスの回収であっても、上記特許文献のような、大型の絶縁開閉装置から大量の絶縁性ガスを液化して回収する大型の回収装置を流用する他なかった。このため、ガス遮断器が地下変電所等の狭い場所に設置されている場合などには、対応に苦慮していた。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、特に変電設備における小型の開閉設備からの少量の絶縁性ガスの回収に好適なガス回収・充填装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための手段として、本発明のガス回収・充填装置は、変電所の開閉設備に封入される絶縁性ガスを回収および充填するためのガス回収・充填装置であって、加圧ポンプを備える加圧ポンプユニットと、真空ポンプを備える真空ポンプユニットと、前記開閉設備、および、前記開閉設備から回収される前記絶縁性ガスを貯蔵する回収容器に連結可能であって、前記加圧ポンプまたは前記真空ポンプを通過して前記絶縁性ガスが流れる複数の流路を構成する配管と、前記複数の流路の切り替えを行うための弁体とを備える配管部ユニットと、を備え、前記加圧ポンプユニット、真空ポンプユニット、および配管部ユニットは作業者が人力で持ち運び可能な重さとされているものである。
【0008】
本発明のガス回収・充填装置は、前記加圧ポンプユニット、前記真空ポンプユニット、および前記配管部ユニットが互いに積み重ね可能とされているものであってもよい。
【0009】
また、本発明のガス回収・充填装置は、前記加圧ポンプユニット、前記真空ポンプユニット、および前記配管部ユニットの前面に、前記加圧ポンプおよび前記真空ポンプと前記配管とを連結するための接続用配管が接続可能な継手が設けられているものであってもよい。
【0010】
さらに、本発明のガス回収・充填装置は、前記真空ポンプが前記真空ポンプユニットに対して着脱可能に取り付けられているものであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のガス回収・充填装置は可搬性および作業性に優れており、変電設備における小型の開閉設備からの少量の絶縁性ガスの回収に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態のガス回収・充填装置における装置本体の正面図
【図2】装置本体の側面図
【図3】追加ユニットの斜視図
【図4】装置本体から取り外された第1真空ポンプと台座とを示す側面図
【図5】ガス回収・充填装置の配管図
【図6A】ガス回収・充填装置を用いたガス回収・充填の工程図(A)
【図6B】ガス回収・充填装置を用いたガス回収・充填の工程図(B)
【図6C】ガス回収・充填装置を用いたガス回収・充填の工程図(C)
【図6D】ガス回収・充填装置を用いたガス回収・充填の工程図(D)
【図6E】ガス回収・充填装置を用いたガス回収・充填の工程図(E)
【図6F】ガス回収・充填装置を用いたガス回収・充填の工程図(F)
【図6G】ガス回収・充填装置を用いたガス回収・充填の工程図(G)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のガス回収・充填装置を具体化した実施形態について、図1〜図6を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
1.装置の構成
1)全体構成
本実施形態のガス回収・充填装置1は、特にGCB60の交換や点検・修理等の際に、GCB60の内部に封入されている少量のSF6ガスを液化することなく気体のままで回収し、回収されたガスをGCB60に再充填するために適したものである。このガス回収・充填装置1は、装置本体10と、追加ユニット50とを備える。本実施形態の装置本体の正面図を図1、側面図を図2に、また追加ユニット50を図3に示した。
【0015】
装置本体10は、加圧ポンプユニット20、真空ポンプユニット30、および配管部ユニット40の3つに分割されている。各ユニット20、30、40は、ほぼ同形の矩形箱状で耐荷重性のあるケーシング21、31、41の内部に必要な部材等が収容されたものとなっており、互いに積み重ねることが可能となっている。1つのユニットの重さは作業者1〜2名が人力で持ち運び可能な重さ、具体的には30kg以内とされている。ケーシング21、31、41の両側面には、それぞれ、持ち運びのための持ち手11が取り付けられている。
【0016】
2)加圧ポンプユニット
3つのユニット20、30、40のうち、最下部に配される加圧ポンプユニット20は、ケーシング21の内部に加圧ポンプ22を備えるものである。加圧ポンプ22の吸気口および排気口は、それぞれ配管(図示せず)を介して、ケーシング21の前面に配された継手(加圧ポンプ側吸気継手C1A、加圧ポンプ側排気継手C1B)に接続されている。
【0017】
3)真空ポンプユニット
この加圧ポンプユニット20の上側に重ねられる真空ポンプユニット30は、ケーシング31の内部に第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33を備えるものである。第1真空ポンプ32の吸気口、排気口、および第2真空ポンプ33の吸気口は、それぞれ配管を介して、ケーシング31の前面に配された継手(第1真空ポンプ側吸気継手C2A、第1真空ポンプ側排気継手C2B、第2真空ポンプ側吸気継手C3)に接続されている。第2真空ポンプ33の排気口は大気に開放されている。
【0018】
なお、第1真空ポンプ32は台座34に固定されており、ケーシング31に対して台座34ごと取り外しが可能とされている(図4参照)。台座34は、平板状の底板35と、この底板35の前端から上方に立ち上がり、ケーシング31の前面の開口部を塞ぐ前板36とで構成されており、第1真空ポンプ32が底板35の上面に固定されている。この台座34は、ケーシング31の前面に設けられた開口部から内部に挿入され、前板36をケーシング31にねじ止めすることによりケーシング31に固定される。上記した継手のうち、第1真空ポンプ側吸気継手C2Aおよび第1真空ポンプ側排気継手C2Bは、前板36に設けられており、これらの継手C2A、C2Bおよびこの継手C2A、C2Bと第1真空ポンプ32の吸気口、排気口を連結する配管も台座34と共に取り外せるようにされている。
【0019】
4)配管部ユニット
この真空ポンプユニット30の上側に重ねられる配管部ユニット40は、ケーシング41の内部に、加圧ポンプ22または真空ポンプ32、33を通過してガスが流れる複数の流路R1〜R7を構成する配管と、これらの流路の切り替えを行うためのバルブV1〜V12が収容され、併せて、回収・再充填されるガスから水分、油、ダストを除去するための2種のフィルタ42(水分補修用フィルタ42A、油・ダスト補修用フィルタ42B)と、流量計43、圧力計44等の計器とが収容されている。また、ケーシング41の前面には7つの継手が配されている。各継手は、それぞれ、一対の加圧ポンプ接続用継手(加圧ポンプ用吸気継手C4A、加圧ポンプ用排気継手C4B)、一対の第1真空ポンプ接続用継手(第1真空ポンプ用吸気継手C5A、第2真空ポンプ用排気継手C5B)、第2真空ポンプ接続用継手(第2真空ポンプ用吸気継手C6)、GCB60との接続用の機器用継手C7、回収容器61との接続用の回収用継手C8である。
【0020】
図5には、ガス回収・充填装置1の配管図を示した。配管部ユニット40内の流路R1〜R7の構成は以下のようである。
i)機器−回収接続流路R1
機器−回収接続流路R1は、加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32および第2真空ポンプを通過せずに機器用継手C7と回収用継手C8とを結ぶ流路である。この機器−回収接続流路R1には、バルブV5が備えられている。
【0021】
ii)フィルタ用流路R2
フィルタ用流路R2は、機器用継手C7とバルブV5との間で機器−回収接続流路R1から分岐し、直列に接続された2つのフィルタ42A、42Bを介して、機器−回収接続流路R1におけるバルブV5と回収用継手C8との間に再び接続する流路である。このフィルタ用流路R2において、フィルタ42の前後には圧力計44(機器用継手側...第1圧力計44A、回収用継手側...第2圧力計44B)が、また、フィルタ42と第2圧力計44Bとの間には流量計43が、それぞれ備えられている。また、機器−回収接続流路R1からの分岐点と第1圧力計44Aとの間にはバルブV1が、第1圧力計44Aとフィルタ42との間にはバルブV6が、第2圧力計44Bと機器−回収接続流路R1への接続点との間にはバルブV3が、それぞれ備えられている。
【0022】
iii)加圧ポンプユニット用流路R3
加圧ポンプユニット用流路R3は、バルブV6とフィルタ42との間でフィルタ用流路R2から分岐し、加圧ポンプ22を介して、機器−回収接続流路R1においてフィルタ用流路R2との接続点とバルブV5との間に接続する流路である。この流路は、フィルタ用流路R2からの分岐点と加圧ポンプ用排気継手C4Bとの間、および、加圧ポンプ用吸気継手C4Aとフィルタ用流路R2への接続点との間を接続する流路で成り立っている。この流路において、フィルタ用流路R2からの分岐点と加圧ポンプ用排気継手C4Bとの間にはバルブV12が、また加圧ポンプ用吸気継手C4Aとフィルタ用流路R2への接続点には、加圧ポンプ用吸気継手C4Aに近い側からバルブV7、バルブV4が、それぞれ備えられている。
【0023】
iv)第1バイパス流路R4
第1バイパス流路R4は、フィルタ用流路R2においてバルブV1とバルブV6との間から分岐し、加圧ポンプユニット用流路R3においてバルブV7とバルブV4との間に接続する流路である。
【0024】
v)第1真空ポンプ用流路R5
第1真空ポンプ用流路R5は、加圧ポンプユニット用流路R3において加圧ポンプ用吸気継手C4AとバルブV7との間から分岐し、第1バイパス流路R4に接続する流路である。この流路は、加圧ポンプユニット用流路R3からの分岐点と第1真空ポンプ用排気継手C5Bとの間、および、第1真空ポンプ用吸気継手C5Aと第1バイパス流路R4への接続点との間を接続する流路で成り立っている。この流路において、加圧ポンプユニット用流路R3からの分岐点と第1真空ポンプ用排気継手C5Bとの間にはバルブV9が、第1真空ポンプ用吸気継手C5Aと第1バイパス流路R4への接続点との間にはバルブV8が、それぞれ備えられている。
【0025】
vi)フィルタバイパス用流路R6
フィルタバイパス用流路R6は、機器−回収接続流路R1において機器用継手C7とフィルタ用流路R2への分岐点との間で分岐し、フィルタ用流路R2において第2圧力計44BとバルブV3との間に接続する流路である。この流路には、バルブV2が備えられている。
【0026】
vii)第2真空ポンプ用流路R7
第2真空ポンプ用流路R7は、機器−回収接続流路R1においてフィルタ用流路R2への分岐点からさらに分岐し、第2真空ポンプ用吸気継手C6に接続する流路である。この流路には、バルブV10、および第3圧力計44Cが備えられている。
【0027】
なお、以上のバルブV1〜V12は制御装置により自動制御されるようになっていても構わない。
【0028】
5)追加ユニット
装置本体10とは別体で設置される追加ユニット50は、容器51の内部に追加真空ポンプ52と配管、バルブ等を収容したものである。追加真空ポンプ52は、詳細には下記2.で説明するように、ガスの回収操作、および再充填操作を行う前に、回収容器61やGCB60の内部をあらかじめ真空としておくための吸引操作を短時間で行うために用いられるものである。したがって、追加真空ポンプ52としては、追加ユニット50全体の重さが作業者1〜2名が人力で持ち運び可能な重さ(30kg以内)を超えないことを限度として、比較的大型のものが選択される。
【0029】
6)各ユニット間の接続
配管部ユニット40内部の流路R1〜R7と、加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32および第2真空ポンプ33は、加圧ポンプユニット20、および真空ポンプユニット30の前面に配された継手C1〜C3と、配管部ユニット40の前面に配された継手C4〜C6とを接続用配管T1〜T3により接続することで連結される。具体的には、加圧ポンプ側吸気継手C1Aと加圧ポンプ用吸気継手C4Aとの間が接続用配管T1A、加圧ポンプ側排気継手C1Bと加圧ポンプ用排気継手C4Bとの間が接続用配管T1B、第1真空ポンプ側吸気継手C2Aと第1真空ポンプ用吸気継手C5Aとの間が接続用配管T2A、第1真空ポンプ側排気継手C2Bと第1真空ポンプ用排気継手C5Bとの間が接続用配管T2B、第2真空ポンプ側吸気継手C3と第2真空ポンプ用吸気継手C6との間が接続用配管T3により接続されている。これらの接続用配管T1〜T3の両端には、詳細には図示しないが、継手が備えられており、各ユニットの対応する継手C1〜C6と接続可能である。なお、継手としては、例えばワンタッチ接続が可能な「カプラ(登録商標)」を好適に用いることができる。
【0030】
7)装置本体10とGCB60および回収容器61との接続
配管部ユニット40に設けられた機器用継手C7は、高圧ホース62、および機器弁Vgを介してGCB60のガス補給口と接続されている。なお、GCB60と機器用継手C7とを繋ぐ配管は途中で分岐しており、ここにはバルブV13を介して追加真空ポンプ52が接続されている。また、配管部ユニット40に設けられた回収用継手C8は、高圧ホース62、およびタンク弁Vtを介して回収容器61に接続されている。なお、回収容器61としては、例えば、作業者が1〜2名で持ち運び可能な小型のガスボンベの複数を並列に接続して用いることができる。
【0031】
2.ガス回収・充填装置を用いた回収・充填工程
次に、上記の様に構成されたガス回収・充填装置1を使用して、GCB60内に充填されているSF6ガスの回収および再充填を行う工程について説明する。
【0032】
1)装置の搬入、組み立て
装置本体10の3つのユニット20、30、40、接続用配管T1〜T3、追加ユニット50、回収容器61、および、装置本体10とGCB60、回収容器61、追加ユニット50を接続する高圧ホース62等を、GCB60の設置現場へ搬入する。
【0033】
このとき、3つのユニット20、30、40および追加ユニット50は、それぞれ作業者が1〜2名で持ち運び可能な大きさ及び重さとされているので、GCB60の設置現場が階段や小型のエレベータを用いてしか行くことの出来ない屋内変電所および地下変電所内などであっても、容易に搬入を行うことができる。
【0034】
搬入が完了したら、装置本体10を組み立てる。加圧ポンプユニット20、真空ポンプユニット30、および配管部ユニット40をこの順に下から積み重ねる。次いで、加圧ポンプユニット20、および真空ポンプユニット30の前面に配された継手C1〜C3と、配管部ユニット40の前面に配された継手C4〜C6とを接続用配管T1〜T3により接続することにより、配管部ユニット40内部の流路R1〜R7と、加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33とを接続する。装置本体10の組み立てが完了したら、高圧ホース62等により、配管部ユニット40に設けられた機器用継手C7および回収用継手C8と、GCB60、追加ユニット50および回収容器61との間を接続する。
【0035】
このとき、装置本体10は3つのユニット20、30、40が積み重ねられるようにされているので、GCB60の設置現場が狭い場所であっても、装置本体10を容易に設置することができる。また、ガスの流路R1〜R7を構成する配管、バルブV1〜V12、フィルタ42、計器類が予め組み立てられた状態で配管部ユニット40にひとまとめに収納されており、設置現場で取り回す配管は3つのユニット20、30、40を接続する接続用配管T1〜T3、および装置本体10とGCB60、追加ユニット50および回収容器61との間を接続する高圧ホース62等の配管のみとされているので、装置の組み立てを簡易かつ迅速に行うことができる。
【0036】
2)回収工程
まず、GCB60内に充填されているガスを回収容器61内に回収する回収工程について説明する。各工程の配管図を図6A〜図6Cに示した。なお、図6A〜図6Cにおいて、ガスの流れる経路を太線で、ガスの流れる方向を矢印で示している。
【0037】
なお、回収操作の開始前に、回収容器61の内部、および装置本体10の配管の内部をあらかじめ真空ポンプで吸引し、真空としておく。回収されるSF6ガスに空気が混入すると再利用ができなくなるためである。なお、この吸引操作は第2真空ポンプ33および追加真空ポンプ52を用いて行えばよい。この吸引操作は、装置本体10に内蔵された第2真空ポンプ32に加え、追加ユニット50に備えられた比較的大型の追加真空ポンプ52を用いることにより、短時間で行うことができる。
【0038】
A)自然回収工程(図6A)
自然回収工程では、加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33、追加真空ポンプ52の電源をオフとする。また、バルブV1、V3、V6、機器弁Vg、タンク弁Vtを開とし、その他は閉とする。この状態では、ガスは、相対的に高圧のGCB60内部から、フィルタ42A、42Bを通り、加圧ポンプ22及び真空ポンプ32、33を経由しない経路で回収容器61に流れ込む。GCB60の内圧と回収容器61の内圧がほぼ等しくなるまで、GCB60内部のガスが回収容器61に自然流入する。
【0039】
B)加圧回収工程(図6B)
GCB60の内圧と回収容器61の内圧がほぼ等しくなり、GCB60内部のガスの回収容器61への流れが止まったら、加圧回収工程を行う。この工程では、第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33および追加真空ポンプ52の電源をオフとし、加圧ポンプ22の電源をオンにする。また、バルブV1、V3、V7、V12、機器弁Vg、タンク弁Vtを開とし、その他は閉とする。すると、GCB60内部のガスが、加圧ポンプ22およびフィルタ42A、42Bをこの順に経由する経路で回収容器61に流れる。加圧ポンプ22の作動により、GCB60の内圧がほぼ0MPaGとなるまで、GCB60内部のガスを回収容器61内に押し込む。
【0040】
C)加圧真空回収工程(図6C)
GCB60の内圧がほぼ0MPaGとなったら、加圧真空回収工程を行う。この工程では、第2真空ポンプ33および追加真空ポンプ52の電源をオフにし、第1真空ポンプ32、加圧ポンプ22の電源をオンにする。また、バルブV1、V3、V8、V9、V12、機器弁Vg、タンク弁Vtを開とし、その他は閉とする。すると、GCB60内部のガスが第1真空ポンプ32、加圧ポンプ22およびフィルタ42A、42Bをこの順に経由する経路で回収容器61に流れる。GCB60内部に残る僅かなガスを第1真空ポンプ32によって吸引し、加圧ポンプ22によって回収容器61に押し込む。
ガス回収率の向上を目指し、GCB60内部の真空度が2kPa・absに達するまで回収を行うことができる。
【0041】
加圧真空回収工程を終了したら、加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33、追加真空ポンプ52の電源をオフにし、すべてのバルブV1〜12、Vg、Vtを閉鎖する。この後、GCB60の撤去・点検・修理等の作業を行う。
【0042】
3)再充填工程
GCB60の劣化取替工事に伴う撤去の場合には、撤去されるGCB60にガスを再充填する工程は不要であるが、点検・修理等の場合には、作業終了後のGCB60に回収されたガスを再充填する工程が必要となる。以下、再充填の工程について説明する。各工程の配管図を図6D〜図6Gに示した。なお、図6D〜図6Gにおいて、ガスの流れる経路を太線で、ガスの流れる方向を矢印で示している。
【0043】
D)機器真空吸引工程(図6D)
充填操作の開始前に、GCB60の内部をあらかじめ真空ポンプで吸引し、真空としておく。GCB60の内部に空気が残っていると、充填されるSF6ガスに空気が混じり、必要な絶縁性能が充分保たれなくなるためである。加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32の電源をオフとし、第2真空ポンプ33および追加真空ポンプ52の電源をオンにする。また、機器弁Vg、バルブV10、V13を開とし、その他を閉とする。GCB60の内部がほぼ真空となるまで吸引を行う。この吸引操作は、装置本体10に内蔵された第2真空ポンプ32に加え、追加ユニット50に備えられた比較的大型の追加真空ポンプ52を用いることにより、短時間で行うことができる。
作業品質の向上を目指し、真空度1Torr(133Pa・abs)まで真空引きを行うことができる。
【0044】
E)自然充填工程(図6E)
自然充填工程では、加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33、追加真空ポンプ52の電源をオフとする。また、バルブV2、V4、V6、機器弁Vg、タンク弁Vtを開とし、その他は閉とする。この状態では、ガスは、相対的に高圧の回収容器61内部から、フィルタ42A、42Bを通り、加圧ポンプ22及び真空ポンプ32、33を経由しない経路でGCB60に流れ込む。GCB60の内圧と回収容器61の内圧がほぼ等しくなるまで、回収容器61内部のガスがGCB60に自然流入する。
【0045】
F)加圧充填工程(図6F)
GCB60の内圧と回収容器61の内圧がほぼ等しくなり、回収容器61内部のガスのGCB60への流れが止まったら、加圧充填工程を行う。この工程では、第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33および追加真空ポンプ52の電源をオフとし、加圧ポンプ22の電源をオンにする。また、バルブV2、V4、V7、V12、機器弁Vg、タンク弁Vtを開とし、その他は閉とする。すると、回収容器61内部のガスが、加圧ポンプ22およびフィルタ42A、42Bをこの順に経由する経路でGCB60に流れる。加圧ポンプ22の作動により、回収容器61の内圧がほぼ0MPaGとなるまで、回収容器61内部のガスをGCB60内に押し込む。
【0046】
G)加圧真空充填工程(図6G)
回収容器61の内圧がほぼ0MPaGとなったら、加圧真空充填工程を行う。この工程では、第2真空ポンプ33および追加真空ポンプ52の電源をオフにし、第1真空ポンプ32、加圧ポンプ22の電源をオンにする。また、バルブV2、V5、V8、V9、V12、機器弁Vg、タンク弁Vtを開とし、その他は閉とする。すると、回収容器61内部のガスが第1真空ポンプ32、加圧ポンプ22およびフィルタ42A、42Bをこの順に経由する経路でGCB60に流れる。回収容器61内部に残る僅かなガスを第1真空ポンプ32によって吸引し、加圧ポンプ22によってGCB60に押し込む。
【0047】
4)装置の解体・撤収
回収・再充填工程が完了したら、加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33、追加真空ポンプ52の電源をオフにし、すべてのバルブV1〜12、Vg、Vtを閉鎖する。
【0048】
次いで、装置本体10を解体する。3つのユニット20、30、40を接続する接続用配管T1〜T3、および装置本体10とGCB60、追加ユニット50および回収容器61との間を接続する配管をすべて取り外す。その後、ガス回収・充填装置1を撤収する。この際にも、上記の搬入・組み立て時と同様に、解体・撤収作業を容易に行うことができる。
【0049】
3.まとめ
以上のように本実施形態によれば、ガス回収・充填装置1の装置本体10が3つのユニット20、30、40に分割されており、各ユニットは作業者が1〜2名で持ち運び可能な大きさ及び重さとされている。また、回収・充填の際に、あらかじめ回収容器61やGCB60の内部を真空としておくために必要な比較的大型の追加真空ポンプ52は別置の追加ユニット50に収容され、この追加ユニット50についても作業者が1〜2名で持ち運び可能な大きさ及び重さとされている。このため、GCB60の設置現場が階段や小型のエレベータを用いてしか行くことの出来ない屋内変電所内および地下変電所内などであっても、人力で容易に搬入を行うことができる。また、自然回収・充填、加圧回収・充填、加圧真空回収・充填をGCB60から回収容器61、回収容器61からGCB60の双方向で行えるようにするための複雑な流路R1〜R7を構成する配管とバルブV1〜12、およびフィルタ42や計器類を予め組み立てられた状態で1つの配管部ユニット40に収納しており、設置現場で取り回す配管が最小限とされているので、装置の組み立てを簡易かつ迅速に行うことができる。
【0050】
また、3つのユニット20、30、40が積み重ね可能とされているので、装置本体10をコンパクトに設置可能である。このため、GCB60の設置現場が狭い場所であっても、装置本体10を設置し、作業をするためのスペースを確保することができる。
【0051】
さらに、装置本体10の各ユニット20、30、40において、他のユニット20,30,40またはGCB60、追加ユニット50および回収容器61との接続のための配管を取り付けるための継手は、全てケーシング21、31、41の前面に配されている。このため、設置現場が装置本体10の側面や背面での作業スペースを確保できないような狭い場所であっても、ガス回収・充填装置1の組み立ておよび撤去作業を容易に行うことができる。
【0052】
このように本実施形態のガス回収・充填装置1は、可搬性、作業性に優れ、GCB等の小型の開閉設備のガス回収・充填にきわめて好適である。
【0053】
加えて、第1真空ポンプ32は台座34に固定されており、ケーシング31に対して台座34ごと取り外しが可能とされている。ここで、例えば負荷断路器(LDS)など、GCBよりもさらに小型の開閉装置からの少量の絶縁性ガスの回収を行う際には、小型の真空ポンプがあれば足りる。このような場合には、この第1真空ポンプ32を装置本体10から取り外してLDSの設置現場へ持参し、ガス回収の作業を行うことができる。
【0054】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、ガス回収・充填装置1には追加ユニット50が備えられていたが、例えばGCBの劣化取替時のように、回収工程のみが行われ、回収したガスの再利用が行われない場合には、追加ユニットは不要である。また、作業に充分な時間がある場合、設置現場が極めて狭く追加ユニット50の持ち込みが困難な場合等においては、回収操作の開始前における回収容器61の内部と装置本体10の配管の内部の吸引、および、機器真空吸引工程におけるGCB60の内部の吸引を、第2真空ポンプ33を用いて行うことができる。このような場合にも、追加ユニットは不要である。
【符号の説明】
【0055】
1...ガス回収・充填装置
20...加圧ポンプユニット
22...加圧ポンプ
30...真空ポンプユニット
32...第1真空ポンプ
33...第2真空ポンプ
40...配管部ユニット
60...GCB(開閉設備)
61...回収容器
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス回収・充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
変電設備に備えられるガス遮断器(GCB)の内部には、絶縁性ガスとしてSF6ガスが充填されている。
ところで、SF6ガスは、温室効果がきわめて高いことが最近になって指摘されており、また、分解までの寿命も長いことから、排出規制対象として指定されるに至っている。このため、機器の点検・修理等の際にはこのSF6ガスを外部に漏らさぬようにガス遮断器の内部からいったん回収し、作業終了後に再びガス遮断器の内部に充填する必要がある。また、ガス遮断器の劣化取替工事の際にも、このSF6ガスを大気中に漏らすことなく確実に回収する必要がある。
【0003】
このような用途に使用されるガス回収・充填装置としては、例えば特許文献1に開示のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−111226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、SF6ガスの温暖化効果が問題視されるようになったのは最近のことであり、ガス遮断器(GCB)等の小型の開閉装置に封入されるガス量がごく少量であること等から、これら小型の開閉装置からのガス回収に適した回収装置の開発は遅れているのが実情である。このため、小型の開閉装置からの少量のガスの回収であっても、上記特許文献のような、大型の絶縁開閉装置から大量の絶縁性ガスを液化して回収する大型の回収装置を流用する他なかった。このため、ガス遮断器が地下変電所等の狭い場所に設置されている場合などには、対応に苦慮していた。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、特に変電設備における小型の開閉設備からの少量の絶縁性ガスの回収に好適なガス回収・充填装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための手段として、本発明のガス回収・充填装置は、変電所の開閉設備に封入される絶縁性ガスを回収および充填するためのガス回収・充填装置であって、加圧ポンプを備える加圧ポンプユニットと、真空ポンプを備える真空ポンプユニットと、前記開閉設備、および、前記開閉設備から回収される前記絶縁性ガスを貯蔵する回収容器に連結可能であって、前記加圧ポンプまたは前記真空ポンプを通過して前記絶縁性ガスが流れる複数の流路を構成する配管と、前記複数の流路の切り替えを行うための弁体とを備える配管部ユニットと、を備え、前記加圧ポンプユニット、真空ポンプユニット、および配管部ユニットは作業者が人力で持ち運び可能な重さとされているものである。
【0008】
本発明のガス回収・充填装置は、前記加圧ポンプユニット、前記真空ポンプユニット、および前記配管部ユニットが互いに積み重ね可能とされているものであってもよい。
【0009】
また、本発明のガス回収・充填装置は、前記加圧ポンプユニット、前記真空ポンプユニット、および前記配管部ユニットの前面に、前記加圧ポンプおよび前記真空ポンプと前記配管とを連結するための接続用配管が接続可能な継手が設けられているものであってもよい。
【0010】
さらに、本発明のガス回収・充填装置は、前記真空ポンプが前記真空ポンプユニットに対して着脱可能に取り付けられているものであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のガス回収・充填装置は可搬性および作業性に優れており、変電設備における小型の開閉設備からの少量の絶縁性ガスの回収に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態のガス回収・充填装置における装置本体の正面図
【図2】装置本体の側面図
【図3】追加ユニットの斜視図
【図4】装置本体から取り外された第1真空ポンプと台座とを示す側面図
【図5】ガス回収・充填装置の配管図
【図6A】ガス回収・充填装置を用いたガス回収・充填の工程図(A)
【図6B】ガス回収・充填装置を用いたガス回収・充填の工程図(B)
【図6C】ガス回収・充填装置を用いたガス回収・充填の工程図(C)
【図6D】ガス回収・充填装置を用いたガス回収・充填の工程図(D)
【図6E】ガス回収・充填装置を用いたガス回収・充填の工程図(E)
【図6F】ガス回収・充填装置を用いたガス回収・充填の工程図(F)
【図6G】ガス回収・充填装置を用いたガス回収・充填の工程図(G)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のガス回収・充填装置を具体化した実施形態について、図1〜図6を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
1.装置の構成
1)全体構成
本実施形態のガス回収・充填装置1は、特にGCB60の交換や点検・修理等の際に、GCB60の内部に封入されている少量のSF6ガスを液化することなく気体のままで回収し、回収されたガスをGCB60に再充填するために適したものである。このガス回収・充填装置1は、装置本体10と、追加ユニット50とを備える。本実施形態の装置本体の正面図を図1、側面図を図2に、また追加ユニット50を図3に示した。
【0015】
装置本体10は、加圧ポンプユニット20、真空ポンプユニット30、および配管部ユニット40の3つに分割されている。各ユニット20、30、40は、ほぼ同形の矩形箱状で耐荷重性のあるケーシング21、31、41の内部に必要な部材等が収容されたものとなっており、互いに積み重ねることが可能となっている。1つのユニットの重さは作業者1〜2名が人力で持ち運び可能な重さ、具体的には30kg以内とされている。ケーシング21、31、41の両側面には、それぞれ、持ち運びのための持ち手11が取り付けられている。
【0016】
2)加圧ポンプユニット
3つのユニット20、30、40のうち、最下部に配される加圧ポンプユニット20は、ケーシング21の内部に加圧ポンプ22を備えるものである。加圧ポンプ22の吸気口および排気口は、それぞれ配管(図示せず)を介して、ケーシング21の前面に配された継手(加圧ポンプ側吸気継手C1A、加圧ポンプ側排気継手C1B)に接続されている。
【0017】
3)真空ポンプユニット
この加圧ポンプユニット20の上側に重ねられる真空ポンプユニット30は、ケーシング31の内部に第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33を備えるものである。第1真空ポンプ32の吸気口、排気口、および第2真空ポンプ33の吸気口は、それぞれ配管を介して、ケーシング31の前面に配された継手(第1真空ポンプ側吸気継手C2A、第1真空ポンプ側排気継手C2B、第2真空ポンプ側吸気継手C3)に接続されている。第2真空ポンプ33の排気口は大気に開放されている。
【0018】
なお、第1真空ポンプ32は台座34に固定されており、ケーシング31に対して台座34ごと取り外しが可能とされている(図4参照)。台座34は、平板状の底板35と、この底板35の前端から上方に立ち上がり、ケーシング31の前面の開口部を塞ぐ前板36とで構成されており、第1真空ポンプ32が底板35の上面に固定されている。この台座34は、ケーシング31の前面に設けられた開口部から内部に挿入され、前板36をケーシング31にねじ止めすることによりケーシング31に固定される。上記した継手のうち、第1真空ポンプ側吸気継手C2Aおよび第1真空ポンプ側排気継手C2Bは、前板36に設けられており、これらの継手C2A、C2Bおよびこの継手C2A、C2Bと第1真空ポンプ32の吸気口、排気口を連結する配管も台座34と共に取り外せるようにされている。
【0019】
4)配管部ユニット
この真空ポンプユニット30の上側に重ねられる配管部ユニット40は、ケーシング41の内部に、加圧ポンプ22または真空ポンプ32、33を通過してガスが流れる複数の流路R1〜R7を構成する配管と、これらの流路の切り替えを行うためのバルブV1〜V12が収容され、併せて、回収・再充填されるガスから水分、油、ダストを除去するための2種のフィルタ42(水分補修用フィルタ42A、油・ダスト補修用フィルタ42B)と、流量計43、圧力計44等の計器とが収容されている。また、ケーシング41の前面には7つの継手が配されている。各継手は、それぞれ、一対の加圧ポンプ接続用継手(加圧ポンプ用吸気継手C4A、加圧ポンプ用排気継手C4B)、一対の第1真空ポンプ接続用継手(第1真空ポンプ用吸気継手C5A、第2真空ポンプ用排気継手C5B)、第2真空ポンプ接続用継手(第2真空ポンプ用吸気継手C6)、GCB60との接続用の機器用継手C7、回収容器61との接続用の回収用継手C8である。
【0020】
図5には、ガス回収・充填装置1の配管図を示した。配管部ユニット40内の流路R1〜R7の構成は以下のようである。
i)機器−回収接続流路R1
機器−回収接続流路R1は、加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32および第2真空ポンプを通過せずに機器用継手C7と回収用継手C8とを結ぶ流路である。この機器−回収接続流路R1には、バルブV5が備えられている。
【0021】
ii)フィルタ用流路R2
フィルタ用流路R2は、機器用継手C7とバルブV5との間で機器−回収接続流路R1から分岐し、直列に接続された2つのフィルタ42A、42Bを介して、機器−回収接続流路R1におけるバルブV5と回収用継手C8との間に再び接続する流路である。このフィルタ用流路R2において、フィルタ42の前後には圧力計44(機器用継手側...第1圧力計44A、回収用継手側...第2圧力計44B)が、また、フィルタ42と第2圧力計44Bとの間には流量計43が、それぞれ備えられている。また、機器−回収接続流路R1からの分岐点と第1圧力計44Aとの間にはバルブV1が、第1圧力計44Aとフィルタ42との間にはバルブV6が、第2圧力計44Bと機器−回収接続流路R1への接続点との間にはバルブV3が、それぞれ備えられている。
【0022】
iii)加圧ポンプユニット用流路R3
加圧ポンプユニット用流路R3は、バルブV6とフィルタ42との間でフィルタ用流路R2から分岐し、加圧ポンプ22を介して、機器−回収接続流路R1においてフィルタ用流路R2との接続点とバルブV5との間に接続する流路である。この流路は、フィルタ用流路R2からの分岐点と加圧ポンプ用排気継手C4Bとの間、および、加圧ポンプ用吸気継手C4Aとフィルタ用流路R2への接続点との間を接続する流路で成り立っている。この流路において、フィルタ用流路R2からの分岐点と加圧ポンプ用排気継手C4Bとの間にはバルブV12が、また加圧ポンプ用吸気継手C4Aとフィルタ用流路R2への接続点には、加圧ポンプ用吸気継手C4Aに近い側からバルブV7、バルブV4が、それぞれ備えられている。
【0023】
iv)第1バイパス流路R4
第1バイパス流路R4は、フィルタ用流路R2においてバルブV1とバルブV6との間から分岐し、加圧ポンプユニット用流路R3においてバルブV7とバルブV4との間に接続する流路である。
【0024】
v)第1真空ポンプ用流路R5
第1真空ポンプ用流路R5は、加圧ポンプユニット用流路R3において加圧ポンプ用吸気継手C4AとバルブV7との間から分岐し、第1バイパス流路R4に接続する流路である。この流路は、加圧ポンプユニット用流路R3からの分岐点と第1真空ポンプ用排気継手C5Bとの間、および、第1真空ポンプ用吸気継手C5Aと第1バイパス流路R4への接続点との間を接続する流路で成り立っている。この流路において、加圧ポンプユニット用流路R3からの分岐点と第1真空ポンプ用排気継手C5Bとの間にはバルブV9が、第1真空ポンプ用吸気継手C5Aと第1バイパス流路R4への接続点との間にはバルブV8が、それぞれ備えられている。
【0025】
vi)フィルタバイパス用流路R6
フィルタバイパス用流路R6は、機器−回収接続流路R1において機器用継手C7とフィルタ用流路R2への分岐点との間で分岐し、フィルタ用流路R2において第2圧力計44BとバルブV3との間に接続する流路である。この流路には、バルブV2が備えられている。
【0026】
vii)第2真空ポンプ用流路R7
第2真空ポンプ用流路R7は、機器−回収接続流路R1においてフィルタ用流路R2への分岐点からさらに分岐し、第2真空ポンプ用吸気継手C6に接続する流路である。この流路には、バルブV10、および第3圧力計44Cが備えられている。
【0027】
なお、以上のバルブV1〜V12は制御装置により自動制御されるようになっていても構わない。
【0028】
5)追加ユニット
装置本体10とは別体で設置される追加ユニット50は、容器51の内部に追加真空ポンプ52と配管、バルブ等を収容したものである。追加真空ポンプ52は、詳細には下記2.で説明するように、ガスの回収操作、および再充填操作を行う前に、回収容器61やGCB60の内部をあらかじめ真空としておくための吸引操作を短時間で行うために用いられるものである。したがって、追加真空ポンプ52としては、追加ユニット50全体の重さが作業者1〜2名が人力で持ち運び可能な重さ(30kg以内)を超えないことを限度として、比較的大型のものが選択される。
【0029】
6)各ユニット間の接続
配管部ユニット40内部の流路R1〜R7と、加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32および第2真空ポンプ33は、加圧ポンプユニット20、および真空ポンプユニット30の前面に配された継手C1〜C3と、配管部ユニット40の前面に配された継手C4〜C6とを接続用配管T1〜T3により接続することで連結される。具体的には、加圧ポンプ側吸気継手C1Aと加圧ポンプ用吸気継手C4Aとの間が接続用配管T1A、加圧ポンプ側排気継手C1Bと加圧ポンプ用排気継手C4Bとの間が接続用配管T1B、第1真空ポンプ側吸気継手C2Aと第1真空ポンプ用吸気継手C5Aとの間が接続用配管T2A、第1真空ポンプ側排気継手C2Bと第1真空ポンプ用排気継手C5Bとの間が接続用配管T2B、第2真空ポンプ側吸気継手C3と第2真空ポンプ用吸気継手C6との間が接続用配管T3により接続されている。これらの接続用配管T1〜T3の両端には、詳細には図示しないが、継手が備えられており、各ユニットの対応する継手C1〜C6と接続可能である。なお、継手としては、例えばワンタッチ接続が可能な「カプラ(登録商標)」を好適に用いることができる。
【0030】
7)装置本体10とGCB60および回収容器61との接続
配管部ユニット40に設けられた機器用継手C7は、高圧ホース62、および機器弁Vgを介してGCB60のガス補給口と接続されている。なお、GCB60と機器用継手C7とを繋ぐ配管は途中で分岐しており、ここにはバルブV13を介して追加真空ポンプ52が接続されている。また、配管部ユニット40に設けられた回収用継手C8は、高圧ホース62、およびタンク弁Vtを介して回収容器61に接続されている。なお、回収容器61としては、例えば、作業者が1〜2名で持ち運び可能な小型のガスボンベの複数を並列に接続して用いることができる。
【0031】
2.ガス回収・充填装置を用いた回収・充填工程
次に、上記の様に構成されたガス回収・充填装置1を使用して、GCB60内に充填されているSF6ガスの回収および再充填を行う工程について説明する。
【0032】
1)装置の搬入、組み立て
装置本体10の3つのユニット20、30、40、接続用配管T1〜T3、追加ユニット50、回収容器61、および、装置本体10とGCB60、回収容器61、追加ユニット50を接続する高圧ホース62等を、GCB60の設置現場へ搬入する。
【0033】
このとき、3つのユニット20、30、40および追加ユニット50は、それぞれ作業者が1〜2名で持ち運び可能な大きさ及び重さとされているので、GCB60の設置現場が階段や小型のエレベータを用いてしか行くことの出来ない屋内変電所および地下変電所内などであっても、容易に搬入を行うことができる。
【0034】
搬入が完了したら、装置本体10を組み立てる。加圧ポンプユニット20、真空ポンプユニット30、および配管部ユニット40をこの順に下から積み重ねる。次いで、加圧ポンプユニット20、および真空ポンプユニット30の前面に配された継手C1〜C3と、配管部ユニット40の前面に配された継手C4〜C6とを接続用配管T1〜T3により接続することにより、配管部ユニット40内部の流路R1〜R7と、加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33とを接続する。装置本体10の組み立てが完了したら、高圧ホース62等により、配管部ユニット40に設けられた機器用継手C7および回収用継手C8と、GCB60、追加ユニット50および回収容器61との間を接続する。
【0035】
このとき、装置本体10は3つのユニット20、30、40が積み重ねられるようにされているので、GCB60の設置現場が狭い場所であっても、装置本体10を容易に設置することができる。また、ガスの流路R1〜R7を構成する配管、バルブV1〜V12、フィルタ42、計器類が予め組み立てられた状態で配管部ユニット40にひとまとめに収納されており、設置現場で取り回す配管は3つのユニット20、30、40を接続する接続用配管T1〜T3、および装置本体10とGCB60、追加ユニット50および回収容器61との間を接続する高圧ホース62等の配管のみとされているので、装置の組み立てを簡易かつ迅速に行うことができる。
【0036】
2)回収工程
まず、GCB60内に充填されているガスを回収容器61内に回収する回収工程について説明する。各工程の配管図を図6A〜図6Cに示した。なお、図6A〜図6Cにおいて、ガスの流れる経路を太線で、ガスの流れる方向を矢印で示している。
【0037】
なお、回収操作の開始前に、回収容器61の内部、および装置本体10の配管の内部をあらかじめ真空ポンプで吸引し、真空としておく。回収されるSF6ガスに空気が混入すると再利用ができなくなるためである。なお、この吸引操作は第2真空ポンプ33および追加真空ポンプ52を用いて行えばよい。この吸引操作は、装置本体10に内蔵された第2真空ポンプ32に加え、追加ユニット50に備えられた比較的大型の追加真空ポンプ52を用いることにより、短時間で行うことができる。
【0038】
A)自然回収工程(図6A)
自然回収工程では、加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33、追加真空ポンプ52の電源をオフとする。また、バルブV1、V3、V6、機器弁Vg、タンク弁Vtを開とし、その他は閉とする。この状態では、ガスは、相対的に高圧のGCB60内部から、フィルタ42A、42Bを通り、加圧ポンプ22及び真空ポンプ32、33を経由しない経路で回収容器61に流れ込む。GCB60の内圧と回収容器61の内圧がほぼ等しくなるまで、GCB60内部のガスが回収容器61に自然流入する。
【0039】
B)加圧回収工程(図6B)
GCB60の内圧と回収容器61の内圧がほぼ等しくなり、GCB60内部のガスの回収容器61への流れが止まったら、加圧回収工程を行う。この工程では、第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33および追加真空ポンプ52の電源をオフとし、加圧ポンプ22の電源をオンにする。また、バルブV1、V3、V7、V12、機器弁Vg、タンク弁Vtを開とし、その他は閉とする。すると、GCB60内部のガスが、加圧ポンプ22およびフィルタ42A、42Bをこの順に経由する経路で回収容器61に流れる。加圧ポンプ22の作動により、GCB60の内圧がほぼ0MPaGとなるまで、GCB60内部のガスを回収容器61内に押し込む。
【0040】
C)加圧真空回収工程(図6C)
GCB60の内圧がほぼ0MPaGとなったら、加圧真空回収工程を行う。この工程では、第2真空ポンプ33および追加真空ポンプ52の電源をオフにし、第1真空ポンプ32、加圧ポンプ22の電源をオンにする。また、バルブV1、V3、V8、V9、V12、機器弁Vg、タンク弁Vtを開とし、その他は閉とする。すると、GCB60内部のガスが第1真空ポンプ32、加圧ポンプ22およびフィルタ42A、42Bをこの順に経由する経路で回収容器61に流れる。GCB60内部に残る僅かなガスを第1真空ポンプ32によって吸引し、加圧ポンプ22によって回収容器61に押し込む。
ガス回収率の向上を目指し、GCB60内部の真空度が2kPa・absに達するまで回収を行うことができる。
【0041】
加圧真空回収工程を終了したら、加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33、追加真空ポンプ52の電源をオフにし、すべてのバルブV1〜12、Vg、Vtを閉鎖する。この後、GCB60の撤去・点検・修理等の作業を行う。
【0042】
3)再充填工程
GCB60の劣化取替工事に伴う撤去の場合には、撤去されるGCB60にガスを再充填する工程は不要であるが、点検・修理等の場合には、作業終了後のGCB60に回収されたガスを再充填する工程が必要となる。以下、再充填の工程について説明する。各工程の配管図を図6D〜図6Gに示した。なお、図6D〜図6Gにおいて、ガスの流れる経路を太線で、ガスの流れる方向を矢印で示している。
【0043】
D)機器真空吸引工程(図6D)
充填操作の開始前に、GCB60の内部をあらかじめ真空ポンプで吸引し、真空としておく。GCB60の内部に空気が残っていると、充填されるSF6ガスに空気が混じり、必要な絶縁性能が充分保たれなくなるためである。加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32の電源をオフとし、第2真空ポンプ33および追加真空ポンプ52の電源をオンにする。また、機器弁Vg、バルブV10、V13を開とし、その他を閉とする。GCB60の内部がほぼ真空となるまで吸引を行う。この吸引操作は、装置本体10に内蔵された第2真空ポンプ32に加え、追加ユニット50に備えられた比較的大型の追加真空ポンプ52を用いることにより、短時間で行うことができる。
作業品質の向上を目指し、真空度1Torr(133Pa・abs)まで真空引きを行うことができる。
【0044】
E)自然充填工程(図6E)
自然充填工程では、加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33、追加真空ポンプ52の電源をオフとする。また、バルブV2、V4、V6、機器弁Vg、タンク弁Vtを開とし、その他は閉とする。この状態では、ガスは、相対的に高圧の回収容器61内部から、フィルタ42A、42Bを通り、加圧ポンプ22及び真空ポンプ32、33を経由しない経路でGCB60に流れ込む。GCB60の内圧と回収容器61の内圧がほぼ等しくなるまで、回収容器61内部のガスがGCB60に自然流入する。
【0045】
F)加圧充填工程(図6F)
GCB60の内圧と回収容器61の内圧がほぼ等しくなり、回収容器61内部のガスのGCB60への流れが止まったら、加圧充填工程を行う。この工程では、第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33および追加真空ポンプ52の電源をオフとし、加圧ポンプ22の電源をオンにする。また、バルブV2、V4、V7、V12、機器弁Vg、タンク弁Vtを開とし、その他は閉とする。すると、回収容器61内部のガスが、加圧ポンプ22およびフィルタ42A、42Bをこの順に経由する経路でGCB60に流れる。加圧ポンプ22の作動により、回収容器61の内圧がほぼ0MPaGとなるまで、回収容器61内部のガスをGCB60内に押し込む。
【0046】
G)加圧真空充填工程(図6G)
回収容器61の内圧がほぼ0MPaGとなったら、加圧真空充填工程を行う。この工程では、第2真空ポンプ33および追加真空ポンプ52の電源をオフにし、第1真空ポンプ32、加圧ポンプ22の電源をオンにする。また、バルブV2、V5、V8、V9、V12、機器弁Vg、タンク弁Vtを開とし、その他は閉とする。すると、回収容器61内部のガスが第1真空ポンプ32、加圧ポンプ22およびフィルタ42A、42Bをこの順に経由する経路でGCB60に流れる。回収容器61内部に残る僅かなガスを第1真空ポンプ32によって吸引し、加圧ポンプ22によってGCB60に押し込む。
【0047】
4)装置の解体・撤収
回収・再充填工程が完了したら、加圧ポンプ22、第1真空ポンプ32、第2真空ポンプ33、追加真空ポンプ52の電源をオフにし、すべてのバルブV1〜12、Vg、Vtを閉鎖する。
【0048】
次いで、装置本体10を解体する。3つのユニット20、30、40を接続する接続用配管T1〜T3、および装置本体10とGCB60、追加ユニット50および回収容器61との間を接続する配管をすべて取り外す。その後、ガス回収・充填装置1を撤収する。この際にも、上記の搬入・組み立て時と同様に、解体・撤収作業を容易に行うことができる。
【0049】
3.まとめ
以上のように本実施形態によれば、ガス回収・充填装置1の装置本体10が3つのユニット20、30、40に分割されており、各ユニットは作業者が1〜2名で持ち運び可能な大きさ及び重さとされている。また、回収・充填の際に、あらかじめ回収容器61やGCB60の内部を真空としておくために必要な比較的大型の追加真空ポンプ52は別置の追加ユニット50に収容され、この追加ユニット50についても作業者が1〜2名で持ち運び可能な大きさ及び重さとされている。このため、GCB60の設置現場が階段や小型のエレベータを用いてしか行くことの出来ない屋内変電所内および地下変電所内などであっても、人力で容易に搬入を行うことができる。また、自然回収・充填、加圧回収・充填、加圧真空回収・充填をGCB60から回収容器61、回収容器61からGCB60の双方向で行えるようにするための複雑な流路R1〜R7を構成する配管とバルブV1〜12、およびフィルタ42や計器類を予め組み立てられた状態で1つの配管部ユニット40に収納しており、設置現場で取り回す配管が最小限とされているので、装置の組み立てを簡易かつ迅速に行うことができる。
【0050】
また、3つのユニット20、30、40が積み重ね可能とされているので、装置本体10をコンパクトに設置可能である。このため、GCB60の設置現場が狭い場所であっても、装置本体10を設置し、作業をするためのスペースを確保することができる。
【0051】
さらに、装置本体10の各ユニット20、30、40において、他のユニット20,30,40またはGCB60、追加ユニット50および回収容器61との接続のための配管を取り付けるための継手は、全てケーシング21、31、41の前面に配されている。このため、設置現場が装置本体10の側面や背面での作業スペースを確保できないような狭い場所であっても、ガス回収・充填装置1の組み立ておよび撤去作業を容易に行うことができる。
【0052】
このように本実施形態のガス回収・充填装置1は、可搬性、作業性に優れ、GCB等の小型の開閉設備のガス回収・充填にきわめて好適である。
【0053】
加えて、第1真空ポンプ32は台座34に固定されており、ケーシング31に対して台座34ごと取り外しが可能とされている。ここで、例えば負荷断路器(LDS)など、GCBよりもさらに小型の開閉装置からの少量の絶縁性ガスの回収を行う際には、小型の真空ポンプがあれば足りる。このような場合には、この第1真空ポンプ32を装置本体10から取り外してLDSの設置現場へ持参し、ガス回収の作業を行うことができる。
【0054】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、ガス回収・充填装置1には追加ユニット50が備えられていたが、例えばGCBの劣化取替時のように、回収工程のみが行われ、回収したガスの再利用が行われない場合には、追加ユニットは不要である。また、作業に充分な時間がある場合、設置現場が極めて狭く追加ユニット50の持ち込みが困難な場合等においては、回収操作の開始前における回収容器61の内部と装置本体10の配管の内部の吸引、および、機器真空吸引工程におけるGCB60の内部の吸引を、第2真空ポンプ33を用いて行うことができる。このような場合にも、追加ユニットは不要である。
【符号の説明】
【0055】
1...ガス回収・充填装置
20...加圧ポンプユニット
22...加圧ポンプ
30...真空ポンプユニット
32...第1真空ポンプ
33...第2真空ポンプ
40...配管部ユニット
60...GCB(開閉設備)
61...回収容器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変電所の開閉設備に封入される絶縁性ガスを回収および充填するためのガス回収・充填装置であって、
加圧ポンプを備える加圧ポンプユニットと、
真空ポンプを備える真空ポンプユニットと、
前記開閉設備、および、前記開閉設備から回収される前記絶縁性ガスを貯蔵する回収容器に連結可能であって、前記加圧ポンプまたは前記真空ポンプを通過して前記絶縁性ガスが流れる複数の流路を構成する配管と、前記複数の流路の切り替えを行うための弁体とを備える配管部ユニットと、を備え、
前記加圧ポンプユニット、真空ポンプユニット、および配管部ユニットは作業者が人力で持ち運び可能な重さとされている、ガス回収・充填装置。
【請求項2】
前記加圧ポンプユニット、前記真空ポンプユニット、および前記配管部ユニットが互いに積み重ね可能とされている、請求項1に記載のガス回収・充填装置。
【請求項3】
前記加圧ポンプユニット、前記真空ポンプユニット、および前記配管部ユニットの前面に、前記加圧ポンプおよび前記真空ポンプと前記配管とを連結するための接続用配管が接続可能な継手が設けられている、請求項1または請求項2に記載のガス回収・充填装置。
【請求項4】
前記真空ポンプが前記真空ポンプユニットに対して着脱可能に取り付けられている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のガス回収・充填装置。
【請求項1】
変電所の開閉設備に封入される絶縁性ガスを回収および充填するためのガス回収・充填装置であって、
加圧ポンプを備える加圧ポンプユニットと、
真空ポンプを備える真空ポンプユニットと、
前記開閉設備、および、前記開閉設備から回収される前記絶縁性ガスを貯蔵する回収容器に連結可能であって、前記加圧ポンプまたは前記真空ポンプを通過して前記絶縁性ガスが流れる複数の流路を構成する配管と、前記複数の流路の切り替えを行うための弁体とを備える配管部ユニットと、を備え、
前記加圧ポンプユニット、真空ポンプユニット、および配管部ユニットは作業者が人力で持ち運び可能な重さとされている、ガス回収・充填装置。
【請求項2】
前記加圧ポンプユニット、前記真空ポンプユニット、および前記配管部ユニットが互いに積み重ね可能とされている、請求項1に記載のガス回収・充填装置。
【請求項3】
前記加圧ポンプユニット、前記真空ポンプユニット、および前記配管部ユニットの前面に、前記加圧ポンプおよび前記真空ポンプと前記配管とを連結するための接続用配管が接続可能な継手が設けられている、請求項1または請求項2に記載のガス回収・充填装置。
【請求項4】
前記真空ポンプが前記真空ポンプユニットに対して着脱可能に取り付けられている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のガス回収・充填装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【公開番号】特開2013−16309(P2013−16309A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147315(P2011−147315)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】
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