説明

ガス抜きモード保持機構および、ガス抜きモード保持機構を備えたエアゾール式製品

【課題】ガス抜きモード保持機構の構成の簡単化やその製造コストの低減化を図る。
【解決手段】容器本体1のカバー体2の天井部2cにガス抜きモード設定用のスライド部材3を設けた。静止モードからガス抜きモードに移行するには、レバー式のアクチュエータ5の操作部5bを押圧操作してからスライド部材3を図示右方向にスライド操作すればよい。このときアクチュエータ5は接続部5aを中心に反時計方向に回動し、ステム4が作動モード位置へ押下げられる。この押下げ状態は、アクチュエータ5の高天面5eにスライド部材3の突状部3aが当接することにより保持される。また、スライド部材自体はその左側の凹状部3bが天井部2cの右側の凸状部2dと係合している。なお、静止モードのスライド部材3に対する右方向へのスライド操作のみによってその突状部3aでアクチュエータ5を押下げ、ガス抜きモードへ移行させることも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール式製品を対象としたガス抜きモード保持機構に関し、特にエアゾール式製品の作動モード(=内容物噴射状態)と、静止モード(=内容物封止状態)とを選択的に設定するためのアクチュエータを、それと、エアゾール容器のカバー体に設けたガス抜きモード設定部材との係止作用により、ガス抜き用の作動モード対応位置に簡単,確実に保持するものである。なお、このガス抜きモードは、ステムの動作状態からみると連続作動モードともいえる。
【0002】
本明細書では、アクチュエータおよびガス抜きモード設定部材に関する「係止」や「係止作用」の語を、アクチュエータがガス抜きモード設定部材に少なくとも接して受け止められることを示す意で用いる。
【0003】
また、「アクチュエータ」の語を、作動モード設定用の操作部のみではなく、ステムと連結して内容物を外部空間に噴射するための内容物通路の形成部分を含む、ステム駆動用の作動部の総称として用いる。
【0004】
また、容器内容物の放出孔の側を「前」とし、それと反対側を「後」としている。すなわち図1および図2の左側方向が「前」で、右側方向が「後」となる。
【0005】
ガス抜きモード保持機構は、使用済みエアゾールを廃棄するときに初めて必要となり、まだ容器内容物が存在しているエアゾール式製品の使用段階では不要なものである。
【0006】
そのため、ガス抜きモード保持機構の形態は、エアゾール式製品の通常の使用段階では内容物噴射動作の障害とならず、また利用者にとっていわば目障りにもならず、そしてガス抜きモードの設定に際しては利用者がその作動状態に簡単にセットできるようになっていることが望ましく、本発明はこの要請に応えるものである。
【背景技術】
【0007】
従来、エアゾール容器のカバー体に設けたガス抜きモード設定部材を用いることにより使用済みエアゾール式製品のガス抜きを行う機構としては、
・ステムに取り付けた噴霧ヘッド(アクチュエータ)の上面の押圧操作部とは別の部分に、当該押圧操作部より高い部分からなる段部を形成し、
・噴霧ヘッドを覆って回動可能なヘッドカバー(カバー体)には、当該アクチュエータの段部に係合する垂直状の押し板(ガス抜きモード設定部材)を固定的に形成した、
ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
このガス抜きモード保持機構の場合、ヘッドカバー(カバー体)をエアゾール容器に対して回動操作することにより、当該ヘッドカバーの押し板(ガス抜きモード設定部材)で噴霧ヘッド(アクチュエータ)の段部を押下げ、かつその状態をガス抜きモードとして保持する。
【特許文献1】特開2003−165588号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような従来のガス抜きモード保持機構は、ヘッドカバー(カバー体)の回動操作にともなって、当該ヘッドカバーが噴霧ヘッド(アクチュエータ)を押下げることを基本的構成にしている。
【0010】
そのため、本来は容器外周面側の凹状部に嵌合させて固定するだけでよい(回動可能にする必要がない単一の)ヘッドカバーを、当該固定用の支持台B1と、この支持台に対して回動する肩カバーB2との別部材で構成しなければならず、ガス抜きモード保持機構の構成が複雑となりその製造にもコストがかかるなどの問題点があった。
【0011】
また、利用者がエアゾール式製品をガス抜きモードに設定する場合、一方の手で容器を持って他方の手でヘッドカバーを回動させるといったように両方の手を使わなければならず、ガス抜きモード設定操作上の利便性に欠けるという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明では、エアゾール容器の作動モード設定用のアクチュエータをそのガス抜きモード位置(=作動モード対応位置)に保持するためのスライド部材をカバー体天井部に形成して、ガス抜きモード保持機構の構成の簡単化およびその製造コストの低減化を図ることを目的とする。
【0013】
また、アクチュエータとしてカバー体と一体のレバー式のものを用い、当該アクチュエータの回動基部から遠い部分をガス抜きモード位置のスライド部材で押し下げるようにして、すなわち当該アクチュエータを押し下げる際にその「てこ」作動を利用して、ガス抜きモード設定動作の簡単化を図ることを目的とする。
【0014】
また、利用者が、エアゾール容器を持った方の片手でこの片部をスライドさせてアクチュエータ(ステム)をガス抜きモードの位置へと移動させることができるようにして、ガス抜きモード設定操作上の利便化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
(1)エアゾール式製品の作動モード設定用のアクチュエータ(例えば後述のアクチュエータ5)を、その作動モード対応位置に、ガス抜きモード設定部材と当該アクチュエータとの係止作用により保持するガス抜きモード保持機構の、前記ガス抜きモード設定部材として、前記エアゾール容器(例えば後述の容器本体1)のカバー体(例えば後述のカバー体2)の天井部(例えば後述の天井部2c)に設けられたスライド部材(例えば後述のスライド部材3)を用いる。
(2)上記(1)の前記アクチュエータとして、その回動基部(例えば後述のアクチュエータ5の接続部5a)が前記カバー体と一体になっているレバー式のものを用い、また、前記スライド部材として、それがガス抜きモード位置へとスライド操作されたときに、前記アクチュエータのステム結合部に対して前記回動基部とは反対側の部分を保持する位置態様で設けられているものを用いる。
(3)上記(1),(2)の前記スライド部材として、その底面側に、ガス抜きモード位置へのスライド操作にともない、前記アクチュエータの上面側に当接して当該アクチュエータを前記作動モード対応位置に移動させるための突状部(例えば後述の突状部3a)を形成したものを用い、また、前記アクチュエータとして、その上面側に、前記スライド操作にともない、前記突状部と当接して前記作動モード対応位置への駆動力を受ける作用面(例えば後述の高天面5e)を形成したものを用いる。
【0016】
このような構成からなるガス抜きモード保持機構および、このガス抜きモード保持機構を備えたエアゾール式製品を本発明の対象としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、このように、カバー体天井部に設けたスライド部材の作動により作動モード設定用のアクチュエータをそのガス抜きモード位置に保持しているので、ガス抜きモード保持機構の構成の簡単化およびその製造コストの低減化を図ることができる。
【0018】
また、アクチュエータとしてカバー体と一体のレバー式のものを用い、ガス抜きモード設定時の当該アクチュエータの押下げ操作の際にその「てこ」作動を利用しているので、ガス抜きモード設定動作の簡単化を図ることができる。
【0019】
また、後述のように、利用者はエアゾール容器を持った方の片手でこのスライド部材をガス抜きモード位置へと移動させ得るので、ガス抜きモード設定操作上の利便化を図ることができる。
【0020】
また、後述のように、スライド部材の静止モードおよびガス抜きモードそれぞれの位置のスライド部材をカバー体天井部に係止しているので、非ガス抜きモード(静止モード,作動モード)のスライド部材が不用意に(利用者の意に反して)ガス抜きモード位置へと簡単に移動してしまうのを防止するとともに、いったんガス抜きモードに設定されたスライド部材をその位置に確実に保持し得るので、ガス抜きモード設定動作の効率化,安定化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1および図2を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0022】
ここで、
図1は、本発明のガス抜きモード保持機構であって、(a)は静止モードを、(b)は操作ボタン(アクチュエータ)を下動位置に保持した状態のガス抜きモードをそれぞれ示し、
図2は、図1のガス抜きモード保持機構の上面図を示している。
【0023】
なお、以下のアルファベット付き参照番号の構成要素(例えばアンダーカット1a)は原則として、そのアルファベットなし参照番号の構成要素(例えば容器本体1)の一部であることを示している。
【0024】
これらの図において、
1は後述の内容物および噴射用ガスを収納したエアゾール式製品の容器本体,
1aは当該容器本体の外周面の一部であって後述のカバー体を嵌合させる際に用いる環状のアンダーカット,
2は当該アンダーカットに嵌合状態で取り付けられるカバー体,
2aは当該カバー体の下方筒状部の内周下端部分に形成されてアンダーカット1aと嵌合する環状突部,
2bは当該カバー体の上面側部分に形成されて後述の押圧操作部6bを露出させるための開口域,
2cは当該カバー体の天井部,
2dは当該天井部のスライドガイド面に形成されたスライド部材位置決め用の(後述の凹状部3bに対応した)凸状部,
3は当該天井部に、その前後方向に移動可能な態様で取り付けられたガス抜きモード保持用のスライド部材(ガス抜きモード設定部材),
3aは当該スライド部材の底面に形成されたアクチュエータ押下げ動作用の(かまぼこ形状の)突状部,
3bは当該スライド部材のスライド面に形成されたスライド位置特定用の凹状部,
4は弾性力により上方向に付勢されている周知のステム(バルブ作用部),
5は当該ステムと連結して容器本体1の内容物を放出させるためのもので、かつ、カバー体2と一体になったいわゆるレバー式(てこ式)のアクチュエータ,
5aは当該アクチュエータとカバー体2との接続部(回動基部),
5bは当該接続部に続くスロープ状の作動モード設定用の操作部,
5cはステム3の出力側に連結されてこれに続く内容物通路空間域を形成するL字状通路部,
5dは当該L字状通路部の前後方向部分の上面であって非ガス抜きモード(静止モード/作動モード)におけるスライド部材3の突状部3aが対向(または当接)する低天面,
5eは当該L字状通路部の前後方向部分の上面であってガス抜きモードにおけるスライド部材3の突状部3aが当接して押下げられる高天面,
5fはこの低天面と高天面との間の(上端側が曲面形状の)起立部,
5gは当該L字状通路部の出力側に取り付けられた周知の2ウェイ用噴射部材(特開2000−61370号公報参照)の噴射基部,
5hは当該噴射基部の共通通路,
5iは当該共通通路に続く部分で噴射基部4dに対して回動可能な選択通路部,
5jは当該選択通路部を形成する短尺ノズル(短尺通路),
5kは当該選択通路部を形成する長尺ノズル(長尺通路),
をそれぞれ示している。
【0025】
ここで、カバー体2,スライド部材3,ステム4,アクチュエータ5はポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものであり、それぞれ外力を受けることによりいくらか変形し、当該外力を受けなくなると元の形状に略復帰する。
【0026】
カバー体2は、その下方筒状部の環状突部2aが容器本体1のアンダーカット1aに嵌合・保持されている。
【0027】
また、アクチュエータ5は、その接続部5aを介して回動可能な形でカバー体2と一体になっている。
【0028】
静止モード(a)のとき、
(11) スライド部材3は、そのスライド面に形成された二個の凹状部3bがそれぞれカバー体天井部2cのスライドガイド面に形成された二個の凸状部2dと係合して、そのアクチュエータ押下げ動作用の突状部3aがL字状通路部5cの低天面5dに対向し、
(12) アクチュエータ5は、ステム4を上方向に付勢するコイルスプリング(図示省略)などの作用により上動している。
【0029】
ステム4がこの上動位置に保持されることにより、容器本体1の内部と外部空間とを連通させる周知のステム孔部(図示省略)が閉じた状態の静止モードに設定される。
【0030】
静止モード(a)のエアゾール式製品をガス抜きモード(b)に移行させる場合、利用者は、(21) 操作部5bの押圧操作によりアクチュエータ5を作動モード位置の方に回動させてから、すなわち高天面5eを静止モードの位置よりも下方にシフトさせてからスライド部材3を後方にスライドさせる、
(22) 容器本体1やカバー体2などを把持した手の例えば人差し指でスライド部材3の上面を押しながら後方にスライドさせる、
などの操作をすればよい。
【0031】
このスライド部材3に対する後方へのスライド操作にともない、当該スライド部材は、そのかまぼこ形状(曲面形状)の突状部3aがアクチュエータ5(L字状通路部5c)の低天面5dとの対向位置から高天面5eの方へと移動する。
【0032】
特に(22)の操作の場合は、この移動にともない、スライド部材3の突状部3aの曲面が起立部5fに当たってこれを押下げながら最終的には高天面5eと当接した状態に移行する。なお、起立部5fをテーパ状にすればこの操作がスムーズなものとなる。
【0033】
この突状部3aの高天面5eへの移行により、アクチュエータ5(L字状通路部5c)はその接続部5aを中心にして図示反時計方向に回動した状態に保持される。すなわちガス抜きモード(b)の状態に移行する。
【0034】
そして、図示のガス抜きモード(b)へ移行した後のスライド部材5は、その前方側の凹状部3bがカバー体天井部2cの後方側の凸状部2dと係合し、また、その突状部3aがL字状通路部5cの高天面5eに当接してアクチュエータ5およびステム4を作動モード対応位置に押下げた状態になっている。
【0035】
スライド部材5は、この前方側の凹状部3bと後方側の凸状部2dとの係合作用によりガス抜きモード位置に確実に保持される。
【0036】
ガス抜きモードにおいては、ステム4がそれに対する上方向への弾性力に抗して下動し、容器本体1の内部と外部空間とを連通させる周知のステム孔部(図示省略)が開いた作動モードの状態に設定される。
【0037】
したがって容器本体1の残留ガスなどは、概略、容器本体1−ステム孔部−ステム内通路−L字状の通路部5c−共通通路5h−選択通路部5i(短尺ノズル5jまたは長尺ノズル5k)の経路により外部空間に放出される。
【0038】
図示の選択通路部5iは短尺ノズル5jの使用モードを示している。長尺ノズル5kを用いるには、選択通路部5iを図示時計方向に90度回動させて、共通通路5hに当該長尺ノズルを連通させればよい。なお、長尺ノズル側の通路途中の短尺ノズル通路とのいわば交差部分は、長尺ノズル側通路が短尺ノズル通路を迂回する形になっている。
【0039】
なお、通常の作動モードに設定するにはアクチュエータ5の操作部5bを押圧して、当該アクチュエータを回動させればよい。この回動によりステム4が下動して、上述のようにステム孔部がそれまでの閉状態から開状態へとシフトする。
【0040】
本発明が図示の内容に限定されないことは勿論であり、例えば、
(31) スライド部材3の突状部3aと、L字状通路部5cの低天面5d,高天面5eおよび起立部5fとの形状関係を略逆にする、すなわちスライド部材3の底面部分に前方側の下底面と後方側の上底面とを起立部を介して形成し、かつ、L字状通路部5cの前後方向部分の上面(図示の低天面5dおよび高天面5eの部分)を段差なしとしてその後方側にかまぼこ形状の突状部(≒突状部3a)を形成して、静止モード(非ガス抜きモード)では当該突状部にスライド部材3の当該上底面を対向(または当接)させ、後方向へのスライド操作に基づくガス抜きモードでは当該突状部にスライド部材3の当該下底面を当接させる、
(32) スライド部材のガス抜きモードへのスライド操作方向を前方向とし、かつ、図示の突状部3a,低天面5dおよび高天面5eの前後方向の位置関係や、(21)の突状部,上底面および下底面の前後方向の位置関係をそれぞれ逆にする、
(33) カバー体2に連結されていない上下動タイプの操作ボタンからなるアクチュエータを用いる、
(34) 2ウェイ用噴射部材を用いずに、短尺ノズルに対応した単一の連続通路のみを形成し、または長尺ノズルに対応した回動タイプの通路のみを形成する、
ようにしてもよい。
【0041】
本発明が適用されるエアゾール式製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,液滴状のもの(ビタミンなど),医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤などの各種用途のものがある。
【0042】
容器本体に収納する内容物は、例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分などである。
【0043】
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
【0044】
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
【0045】
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【0046】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【0047】
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼインなどを用いる。
【0048】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル,メントールなどの清涼剤、エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース,アスパルテームなどの甘味料、エポキシ樹脂,ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。
【0049】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【0050】
エアゾール式製品における内容物噴射用ガスとしては、炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,酸素ガス,希ガス,これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液化石油ガス,ジメチルエーテル,フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の、ガス抜きモード保持機構であって、(a)は静止モードを、(b)は操作ボタン(アクチュエータ)をその下動位置に保持した状態のガス抜きモードをそれぞれ示す説明図である。
【図2】本発明の、図1のガス抜きモード保持機構の上面を示す説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1:エアゾール式製品の容器本体
1a:環状のアンダーカット
2:カバー体
2a:環状突部
2b:開口域
2c:天井部
2d:スライド部材位置決め用の凸状部
3:スライド部材(ガス抜きモード設定部材)
3a:かまぼこ形状の突状部,
3b:スライド位置特定用の凹状部
4:ステム
5:レバー式(てこ式)のアクチュエータ
5a:アクチュエータとカバー体との接続部(回動基部)
5b:操作部
5c:L字状通路部
5d:低天面
5e:高天面
5f:起立部
5g:2ウェイ用噴射部材の噴射基部
5h:共通通路
5i:選択通路部
5j:短尺ノズル(短尺通路)
5k:長尺ノズル(長尺通路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール式製品の作動モード設定用のアクチュエータを、その作動モード対応位置に、ガス抜きモード設定部材と当該アクチュエータとの係止作用により保持するガス抜きモード保持機構において、
前記ガス抜きモード設定部材は、前記エアゾール容器のカバー体の天井部に設けられたスライド部材である、
ことを特徴とするガス抜きモード保持機構。
【請求項2】
前記アクチュエータは、その回動基部が前記カバー体と一体になっているレバー式のものであり、
前記スライド部材は、それがガス抜きモード位置へとスライド操作されたときに、前記アクチュエータのステム結合部に対して前記回動基部とは反対側の部分を保持する位置態様で設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載のガス抜きモード保持機構。
【請求項3】
前記スライド部材は、その底面側に、ガス抜きモード位置へのスライド操作にともない、前記アクチュエータの上面側に当接して当該アクチュエータを前記作動モード対応位置に移動させるための突状部を形成したものであり、
前記アクチュエータは、その上面側に、前記スライド操作にともない、前記突状部と当接して前記作動モード対応位置への駆動力を受ける作用面を形成したものである、
ことを特徴とする請求項1または2記載のガス抜きモード保持機構。
【請求項4】
請求項1乃至3記載のガス抜きモード保持機構を備え、かつ、噴射用ガスおよび内容物を収容した、
ことを特徴とするエアゾール式製品。

【図1】
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【図2】
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