説明

ガス採取器、ガス採取システム、排ガス分離方法および排ガス分析方法

【課題】排ガス中のガス成分を簡易、かつ、より高精度に分析するガス採取器、ガス採取システム、排ガス分離方法および排ガス分析方法を提供する。
【解決手段】本発明の第一の実施の形態に係るガス採取器10Aは、外筒11Aと、外筒11A内に挿抜自在に設けられた内筒12Aとからなり、内筒12Aの引き抜き時に所定量のオフガスを収容する収容部13を有する注射筒14Aと、内筒12A内に形成され、所定量の排ガス中の特定の成分を吸収する吸収液を仕込む吸収液仕込み部15とを有し、前記吸収液を収容部13内に供給する。オフガスを採取する際、目的成分に応じた吸収液を吸収液仕込み部15に仕込むことで、オフガス中の析出の主因となる成分を前記吸収液により吸収分離し、前記吸収液中の成分濃度と、残りの残ガス中の他成分濃度を分析することで、オフガスのガス組成全体のバランスを把握する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス中のガス成分を分析するために用いるガス採取器、ガス採取システム、排ガス分離方法および排ガス分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフガスの組成分析は、IGCC(Integrated Gasification Combined Cycle)のガス精製設備などプラントの運転において非常に重要である。一般に用いられる公知の分析方法として、例えば排ガス中のアンモニア(NH3)分析方法(非特許文献1参照。)、排ガス中の硫化水素(H2S)分析方法(非特許文献2参照。)、ガス中のダスト濃度の分析方法(水分測定含む)(非特許文献3参照。)、排ガス中の二酸化炭素(CO2)自動計測器(非特許文献4参照。)、試料非吸引採取方式分析計による排ガス成分の自動計測システム(非特許文献5参照。)などがある。
【0003】
【非特許文献1】JIS K 0099
【非特許文献2】JIS K 0108
【非特許文献3】JIS Z 8808
【非特許文献4】JIS B 7986
【非特許文献5】JIS B 7993
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えばNH3を採取する際、非特許文献1の公定法に基づいた公定法ベースの吸収法に依ると、図10に示すように、配管101内の排ガス102を排ガス吸引ライン103から吸引した際、リボンヒータ104を通過して吸収瓶105、106に送給される前に冷却されたところで炭酸アンモニウム((NH4CO3)の固体が析出し吸収瓶105、106のうち第1段目の入口が閉塞し易く、NH3が非常に高濃度であるため、保持容量がオーバしてNH3の回収率を大幅に低下させたり、二次吸収(NH3吸収液に捕集されたNH3がCO2を捕集する)を起こし、ガス計測器107でのメータの測定値が極端に低下する、という問題がある。
【0005】
また、常温では(採取時にガスが冷却されると)CO2とNH3が即座に反応して炭酸アンモニウム((NH42CO3)化合物を生成、析出するため、正確な分析ができないという問題がある。
【0006】
即ち、H2S、CO2を採取する際、非特許文献2に基づいた公定法ベースの吸収法に依ると、図11に示すように、配管101内の排ガス102を排ガス吸引ライン103から吸引した際、パーマピュアドライアー110以降の冷却されるところで、炭酸アンモニウム((NH4CO3)の固体が析出し、管111が閉塞しやすくなると共に、(NH4CO3の固体析出により採取ガスにおけるCO2の損失が起きるため、精度が低下する、という問題がある。
【0007】
また、H2Oを採取する際、非特許文献3に基づいた公定法ベースの吸収法に依ると、図12に示すように、配管101内の排ガス102を排ガス吸引ライン103から吸引してリボンヒータ104を通過して冷却されたところで、炭酸アンモニウム((NH4CO3)の固体析出により無水塩化カルシウム等の吸湿剤を充てんした塩化カルシウム吸収管113の入口が閉塞しやすく、採取ガス中のNH3、CO2の損失が起きるため、ガス計測器107を通過するガス量が低下し、精度が低下する、という問題がある。
【0008】
更に、(NH4CO3の固体が塩化カルシウム吸収管中に析出するため、重量が増加し、分析の精度が低下する、という問題がある。
【0009】
また、排ガス成分としてNH3以外に例えばCO2などを採取する際、非特許文献4、5などに基づいて自動計測器法に依ろうとしても、濃度が高すぎてレンジオーバーとなる場合があり、共存する高濃度ガスによる妨害などが起こる、という問題がある。
【0010】
本発明は、前記問題に鑑み、排ガス中のガス成分を簡易、かつ、より高精度に分析するガス採取器、ガス採取システム、排ガス分離方法および排ガス分析方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、外筒と、前記外筒内に挿抜自在に設けられた内筒とからなり、前記内筒引き抜き時に所定量の排ガスを収容する収容部を有する注射筒と、所定量の前記排ガス中の特定の成分を吸収する吸収液を前記収容部内に供給する吸収液供給手段と、を有することを特徴とするガス採取器にある。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記吸収液供給手段が、前記吸収液を仕込む吸収液仕込み部を有する内筒であることを特徴とするガス採取器にある。
【0013】
第3の発明は、第2の発明において、前記吸収液が仕込まれた吸収液仕込み部の入口部にヘキサンが設けられてなることを特徴とするガス採取器にある。
【0014】
第4の発明は、第1の発明において、前記吸収液供給手段が、前記収容部が形成された後に、前記吸収液を前記収容部内に送給可能な吸収液送給ラインを有する内筒であることを特徴とするガス採取器にある。
【0015】
第5の発明は、第4の発明において、前記吸収液送給ラインが、前記収容部内に送給された排ガスをパージすることを特徴とするガス採取器にある。
【0016】
第6の発明は、第1乃至5の何れか一つの発明において、前記吸収液が、硫酸又はエタノールであることを特徴とするガス採取器にある。
【0017】
第7の発明は、所定量の排ガスを収容する収容部を有する外筒に送給するガス採取ラインと、第1、4乃至6の何れか一つの発明のガス採取器と、前記ガス採取ラインに連結され、前記吸収液と前記排ガスとを混合した後、前記吸収液に吸収されず残存する成分を含む残ガスを抜出す残ガス採取ラインと、前記残ガス採取ラインに設けられ、前記残ガスを回収する残ガス回収部とを有することを特徴とするガス採取システムにある。
【0018】
第8の発明は、所定量の排ガスを収容する収容部を有する外筒に送給するガス採取ラインと、第1、4乃至6の何れか一つの発明の排ガス採取前のガス採取器と、前記ガス採取器を収容する恒温槽とを有する排ガス採取装置と、排ガス採取後のガス採取器と、前記ガス採取器を振とうさせる振とう器と、前記振とう器と連結し、前記吸収液と前記排ガスとを混合した後、前記吸収液に吸収されず残存する成分を含む残ガスを抜出す残ガス採取ラインと、前記残ガス採取ラインに設けられ、前記残ガスを回収する残ガス回収部とを有する採取ガス吸収・回収装置とからなることを特徴とするガス採取システムにある。
【0019】
第9の発明は、所定量の排ガスを収容する収容部を有する外筒に送給するガス採取ラインと、第1乃至6の何れか一つの発明のガス採取器とを用い、採取した排ガスを前記吸収液と混合して、前記排ガス中の成分を前記吸収液と前記吸収液に吸収されず残存する残ガスとに分離することを特徴とする排ガス分離方法にある。
【0020】
第10の発明は、所定量の排ガスを収容する収容部を有する外筒に送給するガス採取ラインと、第1乃至3、6の何れか一つの発明のガス採取器とを用い、採取した排ガスを前記吸収液と混合して、前記排ガス中の成分を前記吸収液と前記吸収液に吸収されず残存する残ガスとに分離し、前記残ガスと、前記排ガス中の成分を吸収した吸収液とを各々回収し、前記残ガス中の成分と、前記排ガス中の成分を吸収した吸収液中の成分との分析を各々行うことを特徴とする排ガス分析方法にある。
【0021】
第11の発明は、第7又は8の発明のガス採取システムを用い、採取した排ガスを前記吸収液と混合して、前記排ガス中の成分を前記吸収液と前記残ガスとに分離し、前記残ガスと、前記排ガス中の成分を吸収した吸収液とを各々回収し、前記残ガス中の成分と、前記排ガス中の成分を吸収した吸収液中の成分との分析を各々行うことを特徴とする排ガス分析方法にある。
【0022】
第12の発明は、第10又は11の発明において、前記吸収液として硫酸を用い、前記排ガスを前記硫酸と混合し、前記排ガス中のアンモニア、水分を前記硫酸に吸収し、前記排ガス中の硫化水素、二酸化炭素、窒素、水素、メタンは残ガスとして前記硫酸に吸収されず、前記硫酸に吸収されたアンモニアは、イオンクロマトグラフィーによりアンモニウムイオンを定量し、アンモニア濃度を求め、前記残ガス中の硫化水素、二酸化炭素、窒素、水素、メタンはガスクロマトグラフィーにより前記残ガスを分析し、前記残ガスの濃度を求めることを特徴とする排ガス分析方法にある。
【0023】
第13の発明は、第10又は11の発明において、前記吸収液としてエタノールを用い、前記排ガスを前記エタノールと混合し、前記排ガス中の水、極性成分及び有機成分を前記エタノールに吸収し、前記エタノールに吸収された水、極性成分及び有機成分は、カールフィッシャー滴定法により水分を定量し、水の濃度を求めることを特徴とする排ガス分析方法にある。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、外筒と、前記外筒内に挿抜自在に設けられた内筒とからなり、前記内筒引き抜き時に所定量の排ガスを収容する収容部を有する注射筒と、所定量の前記排ガス中の特定の成分を吸収する吸収液を前記収容部内に供給する吸収液供給手段とを有し、排ガス中の析出の主因となる成分を前記吸収液により吸収分離することができる。このため、吸収液中の成分濃度と、残りの残ガス中の他成分濃度とを分析することで、排ガスのガス組成全体のバランスを把握することができ、排ガス中のガス成分を簡易、かつ、より高精度に分析することができる。
特に、石炭ガス化ガスなどの精製オフガス系において、主成分である二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)、水分(H2O)、アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)などを簡易、かつより高精度に分析することができ、プラントプロセスの運転をより最適化、安定化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0026】
[第一の実施の形態]
本発明による第一の実施の形態に係るガス採取器を適用した排ガス分離方法および排ガス分析方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第一の実施の形態に係るガス採取器の構成を示す断面図であり、図2は、本発明の第一の実施の形態に係るガス採取器を適用した排ガス分離方法および排ガス分析方法の工程を模式的に示す図である。
なお、本実施の形態では、石炭ガス化ガスなどの精製オフガスを用いて説明する。
ここで言うオフガスとは、石炭ガス化ガスの精製過程において、石炭ガス化ガスから除去された成分が濃縮したものであり、アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)などを主要組成とする副生ガスである。
図1に示すように、本発明の第一の実施の形態に係るガス採取器10Aは、外筒11Aと、外筒11A内に挿抜自在に設けられた内筒12Aとからなり、内筒12Aの引き抜き時に所定量の排ガスG(図2参照)を収容する収容部13を有する注射筒14Aと、所定量の排ガスG中の特定の成分を吸収する吸収液を収容部13内に供給する吸収液供給手段として内筒12A内に形成され、前記吸収液を仕込む吸収液仕込み部15とを有するものである。内筒12Aには空洞状に加工した吸収液仕込み部15が設けられているため、ガス採取器10Aは、オフガスGを採取する際、目的成分に応じた前記吸収液を吸収液仕込み部15に収容することができる。
【0027】
まず、内筒12Aに前記吸収液を仕込む準備をする。図2に示すように、前記吸収液として所定濃度(例えば20%)の硫酸(H2SO4)16を所定量(例えば20mL)内筒12Aの中に仕込み、その上にヘキサン17を数mL仕込む。即ち、吸収液仕込み部15は、硫酸16を収容する入口部14aにヘキサン17を設けるようにしている。ヘキサン17は、硫酸16とオフガスGとが混合するのを防ぐ蓋として機能し、外筒11A内に仕込まれるオフガスGの吸引採取時にオフガスGが前記吸収液に接触し、直ちにNH3などが吸収されるのを防止し、オフガスGの採取ガス容量の精度が悪化するのを防止することができる。
【0028】
次に、オフガスGを採取する。ガス採取器10Aのガス採取口18をガス採取ライン19と接続した後、所定量(例えば200mL)のオフガスGを予め収容部13内に採取することができるように、内筒12Aを外筒11A内に設定する。そして、弁V11、V12を開放し、所定量(例えば200mL)のオフガスGを素早くガス採取器10Aのガス採取口17から収容部13内に吸引し、弁V11を閉鎖し、採取する。また、オフガスGを収容部13内に収容する際、ガス採取ライン19に設けている弁V13を一度開放してオフガスGをパージしてから収容部13内にオフガスGを吸引するようにしてもよい。
【0029】
また、配管20内を通過するオフガスGは、ガス採取ライン19の先端にろ過材21を設け、ダストなどがオフガスGに同伴してガス採取器10Aに採取されるのを防止する。また、ガス採取ライン19は、ガス採取ライン19の周りに設けたリボンヒータ22で加温してオフガスGが冷却され、炭酸アンモニウム((NH42CO3)が析出するのを防止する。
【0030】
また、オフガスGは、吸引時に冷却されて炭酸アンモニウムが析出するのを防ぐため、例えば200mLのオフガスGを収容部13内に採取する場合、オフガスGを例えば1秒程度で収容部13内に吸引する。
【0031】
また、ガス採取ライン19が減圧系の場合、例えばハンディポンプなどを用いて正圧としてオフガスGを採取するようにする。
【0032】
次に、採取したオフガスGを収容部13内で十分に振とうする。硫酸16には採取したオフガスG中のアンモニア(NH3)と水分(H2O)が吸収され(このNH3とH2Oとが吸収された吸収液を「硫酸16A」とする。)、硫酸16に吸収されない硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)、水素(H2)、メタン(CH4)などが残ガス(非吸収ガス)23の残ガス成分としてガス採取器10A内の収容部13内に留まる。
【0033】
次に、採取した残ガス23と硫酸16Aとを回収する。ガス採取器10Aのガス採取口18をガス採取ライン19から取り外し、残ガス採取ライン24と接続する。残ガス採取ライン24には塩化カルシウム(CaCl2)25を充填したガラスカラム26を設け、ガラスカラム26の入口部26a側からガス採取器10Aからの残ガス23を回収し、その出口部26bに弁V15が設けられている。弁V12、V15を開放し、ガラスカラム26の入口部26a側でガス採取器10Aからの残ガス23を回収し、ガラスカラム26内の塩化カルシウム(CaCl2)25により残ガス23中の残ガス成分のうちH2OとH2SO4ミストを除去する(残ガス23から残ガス23中の残ガス成分のうちH2OとH2SO4ミストを除去した残ガスを「残ガス23A」とする。)。
【0034】
この残ガス23Aの回収に残ガス採取用採取器(残ガス回収部)27が用いられ、出口部26bから排出された残ガス23Aを残ガス採取用採取器27内に移し換え確保する。この残ガス採取用採取器27は、ガス採取器10Aと同様に、外筒28と外筒28内に挿抜自在に設けられた内筒29とからなるものである。残ガス採取用採取器27に採取された残ガス23Aは残ガス回収ライン30より回収する。
一方、ガス採取器10Aの内筒12Aに残った硫酸16Aは弁V14を開放して回収する。
【0035】
次に、吸収液として、硫酸16に代えてエタノール(C25OH)31を用いて上述と同様の操作を行なう。
図3は、本実施の形態に係るガス採取器に吸収液としてエタノールを用いて行なうときのガス採取方法及びガス分析方法の工程を示す図である。
図3に示すように、吸収液としてエタノール31をガス採取器10Aの内筒12A内に所定量(例えば20mL)仕込んだ後、その上にヘキサン17を数mL仕込む。そして、ガス採取器10Aのガス採取口18をガス採取ライン19に接続し、所定量(例えば200mL)のオフガスGを予め収容部13内に採取することができるように、内筒12Aを外筒11A内に設定する。そして、ガス採取器10Aの採取口17から所定量(例えば200mL)のオフガスGを収容部13内に例えば1秒程度で素早く吸引し、採取する。その後、収容部13内にオフガスGを採取したガス採取器10Aを十分に振とうする。エタノール31には、採取したオフガスG中のH2Oをはじめとした極性成分や有機成分が吸収される(オフガスG中のH2Oなどを吸収した吸収液を「エタノール31A」とする。)。一方、吸収されないH2S、CO2、N2、H2、NH3などは残ガスのガス成分として収容部13内に留まる。この収容部13内に残ったエタノール31Aを弁V14を開放して回収する。
【0036】
[ガス成分の分析]
次に、回収した残ガス23A、硫酸16A、エタノール31Aの分析を行う。
[残ガス23Aの分析]
残ガス23Aはガスクロマトグラフィー(GC)/熱伝導度検出器(TCD)により分析し、残ガス23A中のH2S、CO2、N2、H2、CH4などの濃度を求める。
[硫酸16Aの分析]
吸収液Bはイオンクロマトグラフィー(IC)により分析してアンモニウムイオン(NH4-)を定量し、NH3濃度を求める。
[エタノール31Aの分析]
吸収液Cはカールフィッシャー滴定法(KF)により分析してH2Oを定量し、H2O濃度を求める。
[オフガスGの主要組成の把握]
上述の結果より、硫酸16A、エタノール31A中の成分濃度と、残ガス23A中の他成分の濃度を分析することで、オフガスGの主要組成を網羅することができる。
【0037】
このように、本実施の形態に係るガス採取器を適用した排ガス分離方法及びガス分析方法によれば、外筒11Aと、外筒11A内に挿抜自在に設けられた内筒12Aとからなり、内筒12Aの引き抜き時に所定量の排ガスGを収容する収容部13を有する注射筒14Aと、所定量の排ガスG中の特定の成分を吸収する吸収液を収容部13内に供給する吸収液供給手段として内筒12A内に形成され、前記吸収液を仕込む吸収液仕込み部15とを有するガス採取器10Aを用い、採取したオフガスG中の目的とするガス成分に応じた吸収液を内筒12Aの吸収液仕込み部15に予め仕込み、採取したオフガスGと前記吸収液とを混合することで、排ガス中の析出の主因となる成分を前記吸収液により吸収分離し、前記吸収液にオフガスG中の目的とするガス成分のみを採取することができる。このため、前記吸収液中のガス成分の濃度と、残ガス23中のガス成分の濃度とを分析することで、排ガスのガス組成全体のバランスを把握することができ、排ガス中のガス成分を簡易、かつ、より高精度に分析することができる。
【0038】
したがって、JISに基づく公定法ベースの吸収法に依ることなく、オフガスGの採取からそのオフガスG中のガス成分の分析結果の算出に要する時間を従来より短時間(例えば2時間程度)で行うことができる。また、JISに基づく公定法ベースの吸収法などよりも分析精度を大幅に向上させることができ、信頼性の高いデータを得ることができる。また、オフガスGの採取に用いる機材としてはガス採取器10Aと吸収液を準備するだけでよいため、JISに基づく公定法ベースの吸収法で用いるガスメータなどの大型機材が不要であり、非常にシンプルかつ容易に行なうことができるため、人的負担を軽減することができる。更に、オフガスGの採取時間も非常に短時間(例えば1秒程度)で済むため、オフガスGの採取を複数回行なう場合、オフガスG中のガス成分の分析を繰り返し行う場合、あるいはオフガスG中のガス成分の分析のやり直しを行う場合でも容易に行なうことができる。
【0039】
また、本実施の形態に係る採取器を適用した採取方法及び排ガス分析方法を用いて行なった試験結果を表1に示す。
試料ガスとして2種類のオフガスA、Bを用いた。水分を含まないオフガスをオフガスAとし、水分を含むオフガスをオフガスBとした。
【0040】
【表1】

【0041】
表1に示すように、本実施の形態に係るガス採取器10Aを適用した排ガス分離方法及び排ガス分析方法を用いて行なった実施例1、2は、JIS法に基づいて行なわれた比較例1、2よりもオフガスA、B中のH2O、NH3、H2S、CO2の濃度を正確に分析することができた。
【0042】
よって、本実施の形態に係るガス採取器10Aを適用した採取方法及び排ガス分析方法を用いれば、ガス精製設備などプラントの運転条件から計画値等の分析が可能となり、信頼性の高いデータを得ることができる。
【0043】
また、本実施の形態においては、ガス採取口18側の外筒11Aの面11aおよび内筒12Aの面12aの形状を平面としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図4に示すように、ガス採取口18側の外筒11Bの面11aおよび内筒12Bの面の形状をすり鉢状とした注射筒14Bを用いるようにしてもよい。これにより、振とう後の吸収液の流れ込みが良く、オフガスG中の特定のガス成分を吸収した吸収液を収容部13内から効率よく回収することができる。
【0044】
また、図5に示すように、ガス採取口18側の外筒11Cの面11aおよび内筒12Cの面の形状をすり鉢状とした注射筒14Cを用いるようにしてもよい。これにより、振とう時に前記吸収液の分散性が良く、デッドボリュームも小さいので前記吸収液の濃度分布を均等にすることができると共に、振とう後の前記吸収液の流れ込みが良いため、オフガスG中の前記吸収液に回収される特定のガス成分の回収率を向上させることができる。
【0045】
また、本実施の形態では、硫酸16とオフガスGとが混合するのを防ぐため、ヘキサン17を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばデカン、流動パラフィンなどを用いることもできる。
【0046】
また、H2Oをはじめとした極性成分や有機成分を吸収するための吸収液としてエタノール31を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばメタノール(CH3OH)、イソプロピルアルコールなどを用いることもできる。
【0047】
このように、本実施の形態に係るガス採取器10Aを適用した排ガス分離方法は、オフガスGを収容する収容部13を有する外筒11に送給するガス採取ライン19と、ガス採取器10Aとを用い、採取したオフガスGを前記吸収液と混合して、オフガスG中の成分を前記吸収液と前記吸収液に吸収されず残存する残ガス23とに分離することにより行なわれる。
【0048】
また、排ガス分析方法は、オフガスGを収容する収容部13を有する外筒11に送給するガス採取ライン19と、ガス採取器10Aとを用い、採取したオフガスGを前記吸収液と混合して、オフガスG中の成分を前記吸収液と前記吸収液に吸収されず残存する残ガス23とに分離し、残ガス23と、オフガスG中の成分を吸収した吸収液とを各々回収し、残ガス23中の成分と、オフガスG中の成分を吸収した吸収液中の成分との分析を各々行うことにより行なわれる。
【0049】
以上より、本実施の形態に係るガス採取器10Aを適用した採取方法及び排ガス分析方法を用いることにより、排ガス中の析出の主因となる成分を吸収液により吸収分離することができる。このため、吸収液中の成分濃度と、残りの残ガス中の他成分濃度を分析することで、排ガスのガス組成全体のバランスを把握することができ、排ガス中のガス成分を簡易、かつ、より高精度に分析することができる。
【0050】
特に、石炭ガス化ガスなどの精製オフガス系において、主成分である二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)、水分(H2O)、アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)などを簡易、かつより高精度に分析することができ、プラントプロセスの運転をより最適化、安定化させることができる。
【0051】
また、本実施例では、石炭ガス化ガスなどで精製されるオフガスの場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばIGCCのガス精製設備、NH3プラントや石油精製プラントなどから排出される排ガスのモニタリング、分析などにも用いることができる。
【0052】
[第二の実施の形態]
本発明による第二の実施の形態に係るガス採取器を適用したガス採取システムについて、図面を参照して説明する。
図6は、本発明の第二の実施の形態に係るガス採取器を適用したガス採取システムの構成を模式的に示す図であって、オフガス採取前の状態を示す図であり、図7は、オフガス採取後の状態を示す図である。
本実施の形態に係るガス採取器を適用したガス採取システムは、図1に示す第一の実施の形態のガス採取器およびこれを用いたガス採取システムの構成と同様であるため、同一部材には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
なお、第一の実施の形態と同様、排ガスとして石炭ガス化ガスなどのオフガスを用いて説明する。
図6に示すように、本実施の形態に係るガス採取器を適用したガス採取システム40は、オフガスを採取する工程と、採取したオフガス中のガス成分を吸収した吸収液と残ガスとを分離する工程とを同一のシステムで構成したものである。
即ち、図6、7に示すように、本実施の形態に係るガス採取器を適用したガス採取システム40は、所定量のオフガスGを収容する収容部13を有する外筒11Aに送給するガス採取ライン19と、ガス採取器41と、ガス採取ライン19に連結され、前記吸収液とオフガスGとを混合した後、前記吸収液に吸収されず残存する成分を含む残ガス23を抜出す残ガス採取ライ24と、残ガス採取ライン24に設けられ、残ガス23を回収する残ガス採取用採取器(残ガス回収部)27とを有するものである。
【0053】
また、図6、7に示すように、本実施の形態に係るガス採取器41は、収容部13が形成された後に、前記吸収液を収容部13内に送給可能な吸収液送給ライン42を有する内筒43を収液供給手段として用いたものであり、外筒11Aと、外筒11A内に挿抜自在に設けられた内筒43とからなり、内筒43の引き抜き時に所定量のオフガスGを収容する収容部13を有する注射筒44を有するものである。内筒43には内筒43の内部を貫通した吸収液送給ライン42が設けられているため、ガス採取器41は、採取したオフガスG中に含まれるガス成分に応じた吸収液の収容部13内への供給、前記吸収液の注射筒44の外への排出、純水45の収容部13内への供給又は注射筒44の外への排出を適宜行うことができる。
【0054】
まず、図6に示すように、ガス採取器41をガス採取ライン19と接続した後、所定量(例えば200mL)のオフガスGを予め収容部13内に採取することができるように、内筒43を外筒11A内に設定する。そして、収容部13内にオフガスGを吸引するため、弁V21〜V24を開放し、その他の弁V25〜V29は閉鎖する。これにより、ガス採取ライン19を介して収容部13内にオフガスGを吸引し、吸収液送給ライン42は、外筒11A内に送給されたオフガスGを収容部13の外部にパージすることができる。次に、弁V21、V22、V24を閉鎖した後、弁V23を閉鎖し、弁V24を一度開放して弁V23、V24間のオフガスを抜出した後、弁V24も閉鎖する。これにより、外筒11A内に所定量(例えば200mL)のオフガスGを採取することができる。
【0055】
また、ガス採取ライン19が減圧系の場合、例えば弁V21の上流側にポンプ(不図示)を設け、正圧としてオフガスGを採取するようにする。
【0056】
また、ガス採取ライン19にはリボンヒータ22を設け、100℃程度に常時加温し、炭酸アンモニウムが析出するのを防止する。
【0057】
また、ガス採取器41は、恒温槽46内に設けられている。オフガスGを採取する際、ガス採取器41を恒温槽46内に設け、恒温槽46内を例えば100℃程度とし、ガス採取ライン19から採取したオフガスGの温度を維持することで、炭酸アンモニウムが析出するのを防止することができると共に、温度一定条件下でオフガスGの採取及び確保を実現することができるため、オフガスGの採取精度を向上させることができる。
【0058】
外筒11A内に所定量のオフガスGを採取した後、恒温槽46を例えば40℃程度にまで冷却する。そして、弁V23、V25を開放して吸収液として所定濃度(例えば20%)の硫酸16を所定量(例えば20mL)収容部13内に仕込んだ後、弁V23、V25を閉鎖する。
【0059】
次に、ガス採取器41を振とうさせて収容部13内で硫酸16とオフガスGとを混合し、硫酸16にオフガスG中のNH3とH2Oを吸収する(オフガスG中のNH3とH2Oなどを吸収した吸収液を「硫酸16A」とする。)。このとき、外筒11A内は減容されるため、内筒43は上昇する。また、残ガス23中には、H2S、CO2、N2、H2、CH4などが残る。
また、ガス採取器41には振とう機能(不図示)を備え、恒温槽46内でガス採取器41を自動で振とうさせるようにしてもよい。
【0060】
硫酸16とオフガスGとを混合した後、図7に示すように、外筒11A内にある残ガス23を回収する。具体的には、弁V22、V26〜V28を開放し、その他の弁は閉鎖する。このとき、内筒43を上昇し、収容部13を狭くして、外筒11A内の残ガス23をパージする。その後、弁V28を閉鎖して、予め設定してある内筒42の移動可能範囲の限界まで到達した後、弁V22、V26、V27を閉鎖する。これにより、残ガス採取ライン24を介してガラスカラム26内の塩化カルシウム(CaCl2)により残ガス23中の残ガス成分からH2OとH2SO4ミストを除去した残りの残ガス23Aを残ガス採取用採取器27内に採取する。残ガス採取用採取器27内に採取した残ガス23Aは残ガス回収ライン30により回収する。
【0061】
次に、収容部13内にある硫酸16Aを回収する。具体的には、弁V23、V29を開放し、その他の弁は閉鎖したままとする。このとき、収容部13内の硫酸16Aを回収するため、内筒43を上昇させ、収容部13を狭くする。これにより、収容部13内にある硫酸16Aを回収することができる。硫酸16Aを回収した後、弁V23、V29を閉鎖する。
【0062】
次に、収容部13内の洗いこみを行なう。具体的には、内筒43を移動可能とした後、弁V23、V25を開放し、その他の弁は閉鎖したままで、吸収液送給ライン42を介して収容部13内に純水45を所定量供給し、弁V23、V25を閉鎖する。再び、弁V23、V29を開放し、その他の弁は閉鎖したまま、内筒43を上昇させ、収容部13を狭くして、収容部13内の純水45を回収する。この収容部13内に純水45を所定量供給し、排出する一連の操作を繰り返し行なうことにより、硫酸16Aを収容部13内から完全に抜出すことができ、収容部13内の洗いこみを行なうことができる。
【0063】
次に、収容部13内を洗浄する。具体的には、内筒43を移動可能とした後、弁V23、V25を開放し、その他の弁は閉鎖したまま、吸収液送給ライン42を介して収容部13内に純水45を所定量供給する。収容部13内に純水45を所定量供給した後、弁V23、V25を閉鎖し、ガス採取器41を振とうさせる。その後、弁V23、V29を開放して内筒43を上昇させ、収容部13内の純水45を抜出す。これにより、収容部13内を洗浄することができる。
【0064】
また、本実施の形態では、収容部13内に純水45を所定量供給した後、ガス採取器41を振とうさせて収容部13内を洗浄するようにしているが、収容部13内に純水45を所定量供給する操作を繰り返し行ない、収容部13内を洗浄するようにしてもよい。
【0065】
次に、吸収液として、硫酸16に代えてエタノール(C25OH)31を用いて上述と同様の操作を行なう。
即ち、ガス採取器41をガス採取ライン19に接続し、所定量(例えば200mL)のオフガスGを予め収容部13内に採取することができるように、内筒12Aを外筒11A内に設定する。そして、収容部13内にオフガスGを吸引し、パージした後、外筒11A内に所定量(例えば200mL)のオフガスGを採取する。このとき、ガス採取ライン19にはリボンヒータ22を設けると共に、恒温槽46内にガス採取器41を設けて行なう。これにより、ガス採取ライン19から採取したオフガスGの温度を維持し、炭酸アンモニウムが析出するのを防止することができると共に、温度一定条件下でオフガスGを吸引し採取することができるため、オフガスGの採取精度を向上させることができる。
【0066】
外筒11A内に所定量のオフガスGを採取した後、恒温槽46を例えば40℃程度にまで冷却する。その後、吸収液としてエタノール31を所定量(例えば20mL)外筒11A内に仕込み、ガス採取器41を振とうさせて硫酸16とオフガスGとを混合し、エタノール31中にオフガスG中のH2Oをはじめとした極性成分や有機成分を吸収する(オフガスG中のH2Oなどを吸収した吸収液を「エタノール31A」とする。)。
【0067】
次に、収容部13内にあるエタノール31Aを回収する。具体的には、弁V23、V29を開放し、その他の弁は閉鎖したままとする。このとき、収容部13内のエタノール31Aを回収するため、内筒43を上昇させ、収容部13を狭くする。これにより、収容部13内にあるエタノール31Aを回収することができる。エタノール31Aを回収した後、弁V23、V29を閉鎖する。
【0068】
次に、収容部13内の洗いこみを行なう。内筒43を移動可能とした後、吸収液送給ライン42を介して収容部13内に純水45を所定量供給し、内筒43を上昇させ、収容部13内の純水45を回収する。この収容部13内に純水45を所定量供給し排出する一連の操作を繰り返し行なうことにより、収容部13内の洗いこみを行なうことができる。
また、吸収液として、エタノール31を用いる場合、収容部13内にはオフガスG中のH2Oをはじめとした極性成分や有機成分以外を含んだ残ガスがあるが、この残ガスは分析に用いることはないため、収容部13内にある前記残ガスを回収する必要はない。
【0069】
次に、収容部13内を洗浄する。内筒43を移動可能とした後、吸収液送給ライン42を介して収容部13内に純水45を所定量供給し、ガス採取器41を振とうさせる。その後、収容部13内の純水45を抜出す。これにより、収容部13内を洗浄することができる。
【0070】
次に、残ガス23A、硫酸16A、エタノール31Aの分析を行う。
具体的には、第一の実施の形態において説明したのと同様の操作により行なわれる。
即ち、残ガス23Aは、ガスクロマトグラフィー(GC)/熱伝導度検出器(TCD)により分析し、残ガス23A中のH2S、CO2、N2、H2、CH4などの濃度を求める。
硫酸16Aは、イオンクロマトグラフィー(IC)により分析してNH4-イオンを定量し、NH3濃度を求める。
エタノール31Aは、カールフィッシャー滴定法(KF)により分析してH2Oを定量し、H2O濃度を求める。
これにより、硫酸16A、エタノール31A中のガス成分の濃度と、残ガス(非吸収ガス)23A中の他成分濃度を分析することができ、オフガスGの主要組成を網羅することができる。
【0071】
オフガスGの採取、分析を手動で行う際、NH3、H2Sなどの非常に高濃度の有害ガスが採取対象であり、中毒の危険がある。また、高濃度H2SO4などを吸収液として使用するため、薬傷の危険がある。また、ガス採取器などを複数回使用し、かつ素早い操作が要求されるため、熟練を要する。また、分析の精度上、オフガスGが冷却されない状態で採取することが望ましいが、吸収液を仕込んでいるガス採取器でオフガスGを採取する必要があるため、ガス採取器Gを加温できないという操作上の不便があるなどの問題もある。
【0072】
しかしながら、本実施の形態に係るガス採取器を適用したガス採取システムによれば、より安全、かつ高精度に実施することができる。即ち、オフガスGの採取からオフガスG中にガス成分の分析結果の算出に要する時間をJISに基づく公定法ベースの吸収法より短時間(例えば2時間程度)で行うことができる。また、上記第一の実施の形態よりも分析精度を大幅に向上させることができ、更に信頼性の高いデータを得ることができる。また、本実施の形態に係るガス採取器を適用したガス採取システムは、システム化・ユニット化することで自動採取も可能であり、人的負担を軽減すると共に、安全性も大幅に向上させることができる。
【0073】
更に複数回採取や繰り返し、あるいはやり直し分析も容易となる上、回収した残ガスと吸収液をそのまま分析装置へ導入する系統を追加することで、オンラインによる自動分析も可能とすることができる。
【0074】
[第三の実施の形態]
本発明による第三の実施の形態に係るガス採取器を用いたガス採取システムについて、図面を参照して説明する。
図8は、本発明の第三の実施の形態に係るガス採取器を適用したガス採取システムの排ガス採取装置を模式的に示す図であり、図9は、本発明の第三の実施の形態に係るガス採取器を適用したガス採取システムの採取ガス吸収・回収装置を模式的に示す図である。
本実施の形態に係るガス採取器を用いたガス採取システムは、図1に示す第一の実施の形態のガス採取器を用いたガス採取システムおよび図6に示す第二の実施の形態のガス採取器を用いたガス採取システムの構成と同様であるため、同一部材には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
なお、第一の実施の形態および第二の実施の形態と同様、排ガスとして石炭ガス化ガスなどの精製オフガスを用いて説明する。
【0075】
図8、9に示すように、本実施例に係るガス採取器41を適用したガス採取システムは、図6に示す第二の実施の形態のガス採取器を用いたガス採取システム40のオフガスを採取する工程と、採取したオフガス中のガス成分を吸収した吸収液と残ガスとを分離する工程とを別々の場所で行なうようにしたものである。
即ち、本実施例に係るガス採取器41を適用したガス採取システムは、所定量のオフガスGを収容する収容部13を有する外筒11Aに送給するガス採取ライン19と、オフガスG採取前のガス採取器41と、ガス採取器41を収容する恒温槽46とを有する排ガス採取装置51と、オフガスG採取後のガス採取器41と、ガス採取器41を振とうさせる振とう器52と、振とう器52と連結し、前記吸収液とオフガスGとを混合した後、前記吸収液に吸収されず残存する成分を含む残ガス23を抜出す残ガス採取ライン24と、残ガス採取ライン23に設けられ、残ガス23を回収する残ガス採取用採取器27(残ガス回収部)とを有する採取ガス吸収・回収装置53とからなるものである。
ガス採取器41には、ガス採取ライン19とガスパージライン54とを各々連結する連結部55A、55Bが設けられている。ガス採取器41に連結部55A、55Bを設けることで、ガス採取器41は恒温槽46から着脱自在とすることができる。
【0076】
本実施の形態に係るガス採取器41を適用したガス採取システムの排ガス採取装置51の操作手順について説明する。
まず、収容部13内に所定量(例えば200mL)のオフガスGを吸引することができるように、収容部13内の内筒42の位置を設定し、ガス採取器41を恒温槽46内に設ける。
【0077】
収容部13内にオフガスGを吸引するため、弁V31〜V34を開放し、ガス採取器41は収容部13内にオフガスGを吸引し、パージした後、弁V31〜V34を閉鎖する。これにより、収容部13内に所定量(例えば200mL)のオフガスGを採取することができる。
【0078】
また、ガス採取ライン19が減圧系の場合、上述のように、例えば弁V31の上流側にポンプ(不図示)を設け、正圧としてオフガスGを採取するようにする。
【0079】
また、ガス採取ライン19にはリボンヒータ22を設け、100℃程度に常時加温し、炭酸アンモニウムが析出するのを防止する。
【0080】
また、ガス採取器41は、恒温槽46内に設けられ、オフガスGを採取する際には、恒温槽46内を例えば100℃程度とし、ガス採取ライン19から採取したオフガスGの温度を維持する。
【0081】
次に、収容部13内に所定量のオフガスGを採取した後、内筒43を移動可能とし、恒温槽46を例えば40℃程度にまで冷却する。このとき、収容部13内は減容されるため、内筒43は上昇する。
【0082】
次に、ガス採取器41は連結部55A、55Bより恒温槽46から取り外し、振とう器52内に設け、残ガス採取ライン24と溶液送給・排出ライン56とを連結部55A、55Bにより各々連結する。
【0083】
次に、NH3を吸収液に回収する。具体的には、振とう器52内にガス採取器41を設けた後、弁V34、V35を開放し、その他の弁は閉鎖する。収容部13内に吸収液として所定濃度(例えば20%)の硫酸16を所定量(例えば20mL)収容部13内に仕込んだ後、弁V34、V35を閉鎖する。
【0084】
次に、ガス採取器41を振とう器52に設けた振とう発生部57により自動で振とうさせて硫酸16とオフガスGとを混合させて、硫酸16にオフガスG中のNH3とH2Oを吸収させる(オフガスG中のNH3とH2Oなどを吸収した吸収液を「硫酸16A」とする。)。このとき、外筒11A内は減容されるため、内筒43は上昇する。また、残ガス23中には、H2S、CO2、N2、H2、CH4などが残る。
【0085】
次に、収容部13内にある残ガス23を回収する。具体的には、まず弁V33、V36〜V39を開放し、その他の弁は閉鎖して、内筒43を上昇させて収容部13を狭くして、収容部13内の残ガス23をパージする。残ガス採取ライン24には、塩化カルシウム(CaCl2)25を充填したガラスカラム26を設け、ガラスカラム26の入口部26a側からガス採取器41からの残ガス23を回収し、ガラスカラム26内の塩化カルシウム(CaCl2)25により残ガス23中の残ガス成分のうちH2OとH2SO4ミストを除去する(残ガス23から残ガス23中の残ガス成分のうちH2OとH2SO4ミストを除去した残ガスを「残ガス23A」とする。)。
【0086】
次に、弁V39を閉鎖して、予め設定してある内筒43の移動可能範囲の限界まで内筒43が到達した後、弁V33、V36〜V38を閉鎖する。これにより、残ガス採取ライン24を介して残ガス採取用採取器27内には、ガラスカラム26の出口部26bから排出された残ガス23Aを残ガス採取用採取器27内に採取する。
【0087】
次に、収容部13内にある硫酸16Aを回収する。具体的には、弁V34、V40を開放し、その他の弁は閉鎖したままとする。このとき、収容部13内の硫酸16Aを回収するため、内筒43を上昇させる。これにより、収容部13内にある硫酸16Aを回収することができる。硫酸16Aを回収した後、弁V34、V40を閉鎖する。
【0088】
次に、収容部13内の洗いこみを行なう。具体的には、内筒43を移動可能とした後、弁V34、V35を開放し、その他の弁は閉鎖したまま、吸収液送給ライン42を介して純水45を収容部13内に所定量供給する。そして、弁V35を閉鎖した後、弁V40を開放し、内筒43を上昇させ、外筒11A内の純水45を押し出す。この収容部13内に純水45を所定量供給し、排出する一連の操作を繰り返し行なうことにより、硫酸16Aを収容部13内から完全に抜出すことができ、収容部13内の洗いこみを行なうことができる。
【0089】
次に、収容部13内を洗浄する。具体的には、内筒43を移動可能とした後、弁V35を開放し、その他の弁は閉鎖したまま、吸収液送給ライン42を介して純水45を外筒11A内に所定量供給した後、弁V35を閉鎖する。そして、弁V41を開放し、その他の弁は閉鎖したまま、内筒43を上昇させ、収容部13内の純水45を排出する。この収容部13内に純水45を所定量供給し、排出する一連の操作を繰り返し行なう。これにより、外筒11A内を洗浄することができる。
【0090】
また、本実施の形態では、収容部13内に純水45を所定量供給し、排出する操作を繰り返し行ない、収容部13内を洗浄するようにしているが、収容部13内に純水45を所定量供給した後、ガス採取器41を振とうさせて収容部13内を洗浄するようにしてもよい。
【0091】
次に、吸収液として、硫酸16に代えてエタノール(C25OH)31を用いて上述と同様の操作を行なう。
即ち、図8に示すように、外筒11A内に所定量(例えば200mL)のオフガスGを吸引することができるように、ガス採取器41内の内筒43の位置を設定し、ガス採取器41を恒温槽46内に設ける。ガス採取ライン19にはリボンヒータ22を設けると共に、恒温槽46内にガス採取器41を設け、ガス採取ライン19、恒温層46は100℃程度となるようにして配管20内の温度と同等にし、ガス採取ライン19から採取したオフガスGの温度を維持し、炭酸アンモニウムが析出するのを防止する。ガス採取器41は収容部13内にオフガスGを吸引し、パージした後、収容部13内に所定量(例えば200mL)のオフガスGを採取する。
【0092】
収容部13内に所定量のオフガスGを採取した後、内筒43を移動可能とし、恒温槽46を例えば40℃程度にまで冷却する。その後、ガス採取器41は連結部55A、55Bより恒温槽46から取り外し、振とう器52内に設け、連結部55A、55Bで固定し、残ガス採取ライン24と溶液送給・排出ライン56とを連結部55A、55Bにより各々連結する。
次に、弁V34、V35を開放し、その他の弁は閉鎖して、内筒43内に吸収液としてエタノール31を所定量(例えば20mL)供給した後、弁V34、V35を閉鎖し、ガス採取器41を振とうさせてエタノール31中にオフガスG中のH2Oをはじめとした極性成分や有機成分を吸収する(オフガスG中のH2Oなどを吸収した吸収液を「エタノール31A」とする。)。
次に、収容部13内にあるエタノール31Aを回収する。具体的には、弁V34、V40を開放し、その他の弁は閉鎖したままとする。このとき、収容部13内のエタノール31Aを回収するため、内筒43を上昇させる。これにより、収容部13内にあるエタノール31Aを回収することができる。エタノール31Aを回収した後、弁V34、V40を閉鎖する。
【0093】
次に、収容部13内の洗いこみを行なう。内筒43を移動可能とした後、吸収液送給ライン42及び溶液送給・排出ライン56を介して収容部13内に純水45を所定量供給した後、内筒43を上昇させて収容部13を狭くし、収容部13内の純水45を押し出し排出する。この収容部13内に純水45を所定量供給し排出する一連の操作を繰り返し行なうことにより、収容部13内の洗いこみを行なうことができる。
また、吸収液として、エタノール31を用いる場合、収容部13内にはオフガスG中のH2Oをはじめとした極性成分や有機成分以外を含んだ残ガスがあるが、この残ガスは用いることはないため、収容部13内にある前記残ガスを回収する必要はない。
【0094】
また、収容部13内を洗浄する。内筒43を移動可能とした後、吸収液送給ライン42を介して収容部13内に純水45を所定量供給した後、内筒43を上昇させて収容部13を狭くし、収容部13内の純水45を押し出し排出する。この外筒11A内に純水45を所定量供給し排出する一連の操作を繰り返し行なう。これにより、収容部13内を洗浄することができる。
【0095】
次に、残ガス23A、硫酸16A、エタノール31Aの分析を行う。
残ガス23A、硫酸16A、エタノール31Aの分析の分析方法は、上述と同様の操作にして行なわれる。
即ち、残ガス23Aは、ガスクロマトグラフィー(GC)/熱伝導度検出器(TCD)により分析し、残ガス23A中のH2S、CO2、N2、H2、CH4などの濃度を求める。
硫酸16Aは、イオンクロマトグラフィー(IC)により分析してNH4-イオンを定量し、NH3濃度を求める。
エタノール31Aは、カールフィッシャー滴定法(KF)により分析してH2Oを定量し、H2O濃度を求める。
これにより、硫酸16A、エタノール31A中の成分濃度と、残ガス23A中の他成分濃度を分析することができ、オフガスGの主要組成を網羅することができる。
【0096】
このように、本実施の形態に係るガス採取器41を適用したガス採取システムによれば、所定量のオフガスGを収容する収容部13を有する外筒11Aに送給するガス採取ライン19と、オフガスG採取前のガス採取器41と、ガス採取器41を収容する恒温槽46とを有する排ガス採取装置51と、オフガスG採取後のガス採取器41と、ガス採取器41を振とうさせる振とう器52と、振とう器52と連結し、前記吸収液とオフガスGとを混合した後、前記吸収液に吸収されず残存する成分を含む残ガス23を抜出す残ガス採取ライン24と、残ガス採取ライン23に設けられ、残ガス23を回収する残ガス採取用採取器27とを有する採取ガス吸収・回収装置53とにより、オフガスGを採取する工程と、採取したオフガスG中の成分を吸収した吸収液と残ガス23とを分離する工程を別々で行なっても、上記第二の実施の形態と同様に、より安全に、短時間で、かつ高精度に実施することができ、排ガスの自動採取も可能であるため、人的負担を軽減すると共に、安全性も大幅に向上させることができる。また、回収した残ガスと吸収液をそのまま分析装置へ導入する系統を追加することにより、オンラインによる自動分析も可能とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
以上のように、本発明に係るガス採取器を用いたガス採取システムによれば、排ガス中の複数成分の分析を簡易、且つ高精度に分析することができるため、排ガスの採取、分析を行うのに用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係るガス採取器の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係るガス採取器を適用した排ガス分離方法および排ガス分析方法の工程を模式的に示す図である。
【図3】本実施の形態に係るガス採取器に吸収液としてエタノールを用いて行なうときのガス採取方法及びガス分析方法の工程を示す図である。
【図4】ガス採取器の他の構成を示す図である。
【図5】ガス採取器の他の構成を示す図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態に係るガス採取器を適用したガス採取システムの構成を模式的に示す図であって、オフガス採取前の状態を示す図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態に係るガス採取器を適用したガス採取システムの構成を示す図であって、オフガス採取後の状態を示す図である。
【図8】本発明の第三の実施の形態に係るガス採取器を適用したガス採取システムの排ガス採取装置を模式的に示す図である。
【図9】図9は、本発明の第三の実施の形態に係るガス採取器を適用したガス採取システムの採取ガス吸収・回収装置を模式的に示す図である。
【図10】公定法を採用した吸収法を簡単に示す図である。
【図11】他の公定法を採用した吸収法を簡単に示す図である。
【図12】他の公定法を採用した吸収法を簡単に示す図である。
【符号の説明】
【0099】
10A、41 ガス採取器
11A〜11C、28 外筒
12A〜12C、29、42 内筒
13 収容部
14A、44 注射筒
15 吸収液仕込み部(吸収液供給手段)
15a 入口部
16、16A 硫酸(吸収液)
17 ヘキサン
18 ガス採取口
19 ガス採取ライン
20 配管
21 ろ過材
22 リボンヒータ
23、23A 残ガス(非吸収ガス)
24 残ガス採取ライン
25 塩化カルシウム(CaCl2
26 ガラスカラム
26a 入口部
26b 出口部
27 残ガス採取用採取器(残ガス回収部)
30 残ガス回収ライン
31、31A エタノール(吸収液)
40 ガス採取システム
42 吸収液送給ライン
45 純水
46 恒温槽
51 排ガス採取装置
52 振とう器
53 採取ガス吸収・回収装置
54 ガスパージライン
55A、55B 連結部
56 溶液送給・排出ライン
57 振とう発生部
G オフガス
V11〜V16、V21〜V29、V31〜V41 弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒と、前記外筒内に挿抜自在に設けられた内筒とからなり、前記内筒引き抜き時に所定量の排ガスを収容する収容部を有する注射筒と、
所定量の前記排ガス中の特定の成分を吸収する吸収液を前記収容部内に供給する吸収液供給手段と、
を有することを特徴とするガス採取器。
【請求項2】
請求項1において、
前記吸収液供給手段が、前記吸収液を仕込む吸収液仕込み部を有する内筒であることを特徴とするガス採取器。
【請求項3】
請求項2において、
前記吸収液が仕込まれた吸収液仕込み部の入口部にヘキサンが設けられてなることを特徴とするガス採取器。
【請求項4】
請求項1において、
前記吸収液供給手段が、前記収容部が形成された後に、前記吸収液を前記収容部内に送給可能な吸収液送給ラインを有する内筒であることを特徴とするガス採取器。
【請求項5】
請求項4において、
前記吸収液送給ラインが、前記収容部内に送給された排ガスをパージすることを特徴とするガス採取器。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一つにおいて、
前記吸収液が、硫酸又はエタノールであることを特徴とするガス採取器。
【請求項7】
所定量の排ガスを収容する収容部を有する外筒に送給するガス採取ラインと、
請求項1、4乃至6の何れか一つのガス採取器と、
前記ガス採取ラインに連結され、前記吸収液と前記排ガスとを混合した後、前記吸収液に吸収されず残存する成分を含む残ガスを抜出す残ガス採取ラインと、
前記残ガス採取ラインに設けられ、前記残ガスを回収する残ガス回収部とを有することを特徴とするガス採取システム。
【請求項8】
所定量の排ガスを収容する収容部を有する外筒に送給するガス採取ラインと、請求項1、4乃至6の何れか一つの排ガス採取前のガス採取器と、前記ガス採取器を収容する恒温槽とを有する排ガス採取装置と、
排ガス採取後のガス採取器と、前記ガス採取器を振とうさせる振とう器と、前記振とう器と連結し、前記吸収液と前記排ガスとを混合した後、前記吸収液に吸収されず残存する成分を含む残ガスを抜出す残ガス採取ラインと、前記残ガス採取ラインに設けられ、前記残ガスを回収する残ガス回収部とを有する採取ガス吸収・回収装置とからなることを特徴とするガス採取システム。
【請求項9】
所定量の排ガスを収容する収容部を有する外筒に送給するガス採取ラインと、
請求項1乃至6の何れか一つのガス採取器とを用い、
採取した排ガスを前記吸収液と混合して、前記排ガス中の成分を前記吸収液と前記吸収液に吸収されず残存する残ガスとに分離することを特徴とする排ガス分離方法。
【請求項10】
所定量の排ガスを収容する収容部を有する外筒に送給するガス採取ラインと、
請求項1乃至3、6の何れか一つのガス採取器とを用い、
採取した排ガスを前記吸収液と混合して、前記排ガス中の成分を前記吸収液と前記吸収液に吸収されず残存する残ガスとに分離し、
前記残ガスと、前記排ガス中の成分を吸収した吸収液とを各々回収し、
前記残ガス中の成分と、前記排ガス中の成分を吸収した吸収液中の成分との分析を各々行うことを特徴とする排ガス分析方法。
【請求項11】
請求項7又は8のガス採取システムを用い、
採取した排ガスを前記吸収液と混合して、前記排ガス中の成分を前記吸収液と前記残ガスとに分離し、
前記残ガスと、前記排ガス中の成分を吸収した吸収液とを各々回収し、
前記残ガス中の成分と、前記排ガス中の成分を吸収した吸収液中の成分との分析を各々行うことを特徴とする排ガス分析方法。
【請求項12】
請求項10又は11において、
前記吸収液として硫酸を用い、
前記排ガスを前記硫酸と混合し、前記排ガス中のアンモニア、水分を前記硫酸に吸収し、前記排ガス中の硫化水素、二酸化炭素、窒素、水素、メタンは残ガスとして前記硫酸に吸収されず、
前記硫酸に吸収されたアンモニアは、イオンクロマトグラフィーによりアンモニウムイオンを定量し、アンモニア濃度を求め、
前記残ガス中の硫化水素、二酸化炭素、窒素、水素、メタンはガスクロマトグラフィーにより前記残ガスを分析し、前記残ガスの濃度を求めることを特徴とする排ガス分析方法。
【請求項13】
請求項10又は11において、
前記吸収液としてエタノールを用い、
前記排ガスを前記エタノールと混合し、前記排ガス中の水、極性成分及び有機成分を前記エタノールに吸収し、
前記エタノールに吸収された水、極性成分及び有機成分は、カールフィッシャー滴定法により水分を定量し、水の濃度を求めることを特徴とする排ガス分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−133875(P2010−133875A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311502(P2008−311502)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】