Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
ガス検出装置
説明

ガス検出装置

【課題】経年的な劣化による接触燃焼式ガスセンサの検出能力の低下を抑制する。
【解決手段】切換スイッチSWが切換制御されることにより、第1及び第2のセンサ抵抗Sn1,Sn2のうちいずれか一つのセンサ抵抗を、ブリッジ回路を構成する素子として選択している。個々のセンサ抵抗Sn1,Sn2は、無通電状態において触媒の劣化がほとんど生じないため、いずれか一つのセンサ抵抗Sn1,Sn2を選択的に使用することで、残余のセンサ抵抗Sn1,Sn2を無通電状態で保持することができる。これにより、一つのセンサ抵抗を連続的に使用する場合と比較して、センサ抵抗Sn1,Sn2一つあたりの経年的な劣化度合いを抑制することができるので、接触燃焼式ガスセンサの検出能力の低下を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、接触燃焼式ガスセンサと、このセンサからの出力に応じて検出対象ガスの濃度を検出するコントローラと、を含むガス検出装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。接触燃焼式ガスセンサは、例えば、センサ抵抗と、リファレンス抵抗と、一対の固定抵抗とを含んでブリッジ回路を構成し、検出対象ガスをセンサ抵抗の触媒作用により燃焼させ、この燃焼熱をセンサ抵抗の抵抗値変化として捉えるように構成されている。この類のガス検出装置では、消費電力を大幅に下げるため、センサ抵抗及びリファレンス抵抗を半導体チップ上の微細な素子として構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−106872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような微細な素子としてセンサ抵抗を構成した場合には、触媒の量も少なくなるため、経年的な触媒劣化にともないセンサの検出能力が低下するという問題がある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、経年的な劣化による接触燃焼式ガスセンサの検出能力の低下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、本発明は、センサ抵抗ユニットと、検出対象ガスの濃度変化に対応して抵抗値が変化しないリファレンス抵抗とを含んでブリッジ回路を構成するセンサ部と、ブリッジ回路の出力に基づいて、検出対象ガスの濃度を算出する算出部と、算出部により算出された検出対象ガスの濃度が警報判定点に到達した場合に、警報手段に対して警報の発生を指示する処理部と、センサ部を制御する制御部と、を有するガス検出装置を提供する。この場合、センサ抵抗ユニットは、それぞれが、検出対象ガスの濃度変化に対応して抵抗値が変化する複数のセンサ抵抗と、制御部によって切換制御されることにより、複数のセンサ抵抗のうちいずれか一つのセンサ抵抗を、ブリッジ回路を構成する素子として選択する切換手段と、を備える。
【0007】
ここで、第1の発明において、処理部は、複数のセンサ抵抗に対応した警報判定点をそれぞれ保持し、制御部により選択されたセンサ抵抗に対応して警報判定点も切り換えることが好ましい。
【0008】
また、第1の発明において、制御部は、センサ抵抗の劣化を推定し、当該推定結果に基づいて、センサ抵抗の選択を行うことが好ましい。
【0009】
この場合、制御部は、センサ抵抗のそれぞれを選択的に切り替えて、検出部が検出する検出対象ガスの濃度を相互に比較することにより、一のセンサ抵抗の劣化を推定した場合には、劣化の少ない残余のセンサ抵抗を優先的に選択することが好ましい。
【0010】
あるいは、制御部は、センサ抵抗のそれぞれを選択した際に検出される検出対象ガスの濃度を履歴情報として保持するとともに、当該履歴情報に基づいてセンサ抵抗のそれぞれの劣化度合いを推定することにより、当該劣化度合いが均等化されるように、前記センサ抵抗の選択を行うことが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
個々のセンサ抵抗は、無通電状態において劣化がほとんど生じないため、いずれか一つのセンサ抵抗を選択的に使用することで、残余のセンサ抵抗を無通電状態で保持することができる。これにより、一つのセンサ抵抗を連続的に使用する場合と比較して、センサ抵抗一つあたりの経年的な劣化度合いを抑制することができる。そのため、接触燃焼式ガスセンサの検出能力の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ガス検出装置の構成を模式的に示す説明図
【図2】接触燃焼式ガスセンサ10の詳細を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態に係るガス検出装置1の構成を模式的に示す説明図である。このガス検出装置1は、接触燃焼式ガスセンサ10と、コントローラ30と、警報部40とを主体に構成されている。
【0014】
接触燃焼式ガスセンサ10は、検出対象となるガス(以下「検出対象ガス」という)の濃度に応じた出力をするセンサ部である。検出対象ガスとしては、例えば、水素ガスやメタンガスあるいは一酸化炭素ガス等の可燃性ガスが挙げられる。
【0015】
この接触燃焼式ガスセンサ10は、センサ抵抗ユニットSUと、リファレンス抵抗Refと、一対の固定抵抗R1,R2とを備え、これら4つの要素SU,Ref,R1,R2によりブリッジ回路が構成されている。
【0016】
具体的には、センサ抵抗ユニットSUは、一端が電圧供給源である電源部50側に接続され、他端が接続点Aに接続されている。リファレンス抵抗Refは、一端が接続点Aに接続され、他端が接地点(グランド)に接続されている。一方の固定抵抗R1は、一端が電源部50側に接続され、他端が接続点Bに接続されている。他方の固定抵抗R2は、一端が接続点Bに接続され、他端が接地点(グランド)に接続されている。なお、ブリッジ回路の各要素SU,Ref,R1,R2の配置は、上記に限らず、後述するような濃度検出を行い得る限り、他の配置関係であってもよい。
【0017】
センサ抵抗ユニットSUは、切換スイッチSWと、第1及び第2のセンサ抵抗Sn1,Sn2とを備えている。
【0018】
切換スイッチSWは、a接点、b接点及びc接点を有し、c接点をa接点及びb接点のうち一方の接点と接続する。ここで、c接点は、電源部50側に接続され、これに対して、a接点は、第1のセンサ抵抗Sn1に接続され、b接点は、第2のセンサ抵抗Sn2に接続されている。
【0019】
第1及び第2のセンサ抵抗Sn1,Sn2は、検出対象ガスの濃度変化に対応して抵抗値が変化するものである。第1のセンサ抵抗Sn1は、一端が切換スイッチSW(a接点−c接点)を介して電源部50側に接続され、他端が接続点Aに接続されている。第2のセンサ抵抗Sn2は、一端が切換スイッチSW(b接点−c接点)を介して電源部50側に接続され、他端が接続点Aに接続されている。
【0020】
このような構成のセンサ抵抗ユニットSUにおいて、切換手段である切換スイッチSWは、コントローラ30によって切換制御されることにより、第1及び第2のセンサ抵抗Sn1,Sn2のうち一方のセンサ抵抗を、ブリッジ回路を構成する素子として選択する。そのため、スイッチSWを切換制御することにより、第1のセンサ抵抗Sn1と、リファレンス抵抗Refと、一対の固定抵抗R1,R2とにより構成されるブリッジ回路と、第2のセンサ抵抗Sn2と、リファレンス抵抗Refと、一対の固定抵抗R1,R2とにより構成されるブリッジ回路とを選択することができる。
【0021】
これに対して、リファレンス抵抗Refは、検出対象ガスの濃度変化に対応して抵抗値が変化しないものである。
【0022】
図2は、接触燃焼式ガスセンサ10の詳細を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は(a)におけるAA断面を示す断面図である。この接触燃焼式ガスセンサ10は、半導体製造プロセス技術を用いて製造された超小型センサである。
【0023】
具体的には、シリコンウェハ11上には、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜及び酸化ハフニウム膜等からなる絶縁膜12が形成されており、絶縁膜12上に個々のセンサ抵抗Sn1,Sn2と、リファレンス抵抗Refとがそれぞれ設けられている。
【0024】
個々のセンサ抵抗Sn1,Sn2は、白金からなる抵抗体であって、この抵抗体を包むように触媒層13a,13bが設けられている。触媒層13a,13bは、例えばパラジウムを担持したアルミナからなるPd/Alによって構成されている。また、リファレンス抵抗Refは、センサ抵抗Sn1,Sn2と同様に白金からなる抵抗体であって、この抵抗体を包むようにアルミナ層14が設けられている。すなわち、リファレンス抵抗Refには、触媒層が設けられていない。
【0025】
また、シリコンウェハ11上には、4つのボンディングパッド15a,15b,16,17が形成されている。第1のボンディングパッド15aは電源部50側、具体的には、切換スイッチSWのa接点側に接続され、第2のボンディングパッド15bは電源部50側、具体的には、切換スイッチSWのb接点側に接続される。また、第3のボンディングパッド16は接続点Aとされ、第4のボンディングパッド17はグランド接続される。
【0026】
さらに、シリコンウェハ11は、各センサ抵抗Sn1,Sn2に対応する位置に、裏面から異方性エッチングによって凹部18a,18bが形成されており、リファレンス抵抗Refに対応する位置に、裏面から異方性エッチングによって凹部19が形成されている。接触燃焼式ガスセンサ10は、これらの凹部18a,18b,19によって熱容量が小さくなっている。
【0027】
固定抵抗R1,R2は、予め定められた固定値の電気抵抗を生じる周知の電子部品である。固定抵抗R1,R2は、複数の固定抵抗器を直列、並列、又は、直列及び並列に組み合わせて構成してもよく、或いは、ガス濃度測定時に抵抗値を固定して用いるものであれば、例えば、平衡調整のためなどに抵抗値を変更できる、可変抵抗器であってもよい。
【0028】
計装アンプ60は、差動入力・シングルエンド出力の平衡入力アンプであり、周知の増幅器である。計装アンプ60は、それぞれ高インピーダンスの一対の差動入力端子に入力された信号の電位差を、所定の増幅率で増幅して出力する。計装アンプ6の差動入力端子の一方(V+)には、接続線を介して接続点Bが接続されており、その他方(V−)には、接続線を介して接続点Aが接続されている。つまり、計装アンプ6は、センサ抵抗ユニットSUとリファレンス抵抗Refとの中点電圧と、一対の固定抵抗R1,R2の中点電位と、が入力されている。計装アンプ6は、各中点電圧の電位差(中点電位差)を、所定の増幅率で増幅して出力端子から出力する。
【0029】
A/Dコンバータ61は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する周知のアナログ−デジタル変換器である。A/Dコンバータ61の入力部には、計装アンプ6において増幅された中点電位差が入力される。また、A/Dコンバータ61の出力部は、コントローラ30に接続されており、デジタル信号に変換された中点電位差がコントローラ30に出力される。
【0030】
コントローラ30としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。コントローラ30は、これを機能的に捉えた場合、算出部31と、処理部32と、制御部33とを有している。
【0031】
算出部31は、A/Dコンバータ61からデジタル信号に変換された中点電位差を受信して、この中点電位差に基づいて、検出対象ガスの濃度を検出(算出)する。
【0032】
処理部32は、算出された検出対象ガス濃度が警報判定点に到達した場合に、警報部40に対して警報信号を出力することにより、警報の発生を指示する。
【0033】
また、本実施形態の特徴の一つとして、制御部33は、接触燃焼式ガスセンサ10を制御する。具体的には、制御部33は、センサ抵抗ユニットSUにおける切換スイッチSWを切換制御する。これにより、制御部33は、第1及び第2のセンサ抵抗Sn1,Sn2のうち一方のセンサ抵抗を、ブリッジ回路を構成する素子として選択する。なお、制御部33による切換スイッチSWの切換制御の詳細については後述する。
【0034】
警報部40としては、処理部32からの警報信号に応答して音響又は表示により警報を発生するものである。警報部40としては、スピーカーなどの出力装置や、LEDなどの点灯手段又は液晶ディスプレイ等の表示装置などを広く用いることができる。
【0035】
つぎに、本実施形態に係るガス検出装置1の基本動作を説明する。なお、説明の便宜上、センサ抵抗ユニットSUにおいて、切換スイッチSWは、第1及び第2のセンサ抵抗Sn1,Sn2のうち第1のセンサ抵抗Sn1を選択しているものとする。なお、切換スイッチSWが第2のセンサ抵抗Sn2を選択している場合であっても、同様の動作により、ガス濃度の検出が行われる。
【0036】
まず、制御部33が電源部50に所定の駆動信号を出力すると、電源部50から接触燃焼式ガスセンサ10(ブリッジ回路)に低温駆動電圧が印加される(低温駆動)。上述したように、第1のセンサ抵抗Sn1は触媒層13を備えているが、リファレンス抵抗Refは触媒層を備えていない。そのため、検出対象ガスが存在する雰囲気では、第1のセンサ抵抗Sn1において検出対象ガスが触媒層13に吸着され、リファレンス抵抗Refでは検出対象ガスがアルミナ層14に吸着されない。
【0037】
その後、制御部33が電源部50に所定の駆動信号を出力すると、電源部50から接触燃焼式ガスセンサ10(ブリッジ回路)に高温駆動電圧が印加される(高温駆動)。検出対象ガスが存在する雰囲気では、第1のセンサ抵抗Sn1において検出対象ガスが燃焼し、その一方で、リファレンス抵抗Refでは検出対象ガスが燃焼しない。すなわち、第1のセンサ抵抗Sn1は検出対象ガスと感応し、リファレンス抵抗Refは検出対象ガスと感応しない。
【0038】
第1のセンサ抵抗Sn1及びリファレンス抵抗Refは、検出対象ガスを含む雰囲気中において、電源部50によって低温駆動電圧が印加された後に高温駆動電圧が印加されると、第1のセンサ抵抗Sn1に吸着した検出対象ガスが爆発的に燃焼する。すると、この燃焼エネルギーにより第1のセンサ抵抗Sn1の温度がリファレンス抵抗Refの温度より高くなり、これらの抵抗Sn1,Refのそれぞれに検出対象ガスの濃度に応じた温度差が生じる。そして、この温度差によって、第1のセンサ抵抗Sn1とリファレンス抵抗Refとの抵抗値に差が生じる。
【0039】
そして、この抵抗値の差が、ブリッジ回路における一対の中点間に電位差として現れる。この一対の中点間の電位差は前述の中点電位差に相当し、計装アンプ60からの出力は、中点電位差、すなわち、第1のセンサ抵抗Sn1に付着していた検出対象ガスの分子量(すなわちガス濃度)に応じた値を示すこととなる。そして、算出部31は、得られた出力に基づいて、検出対象ガスの濃度を検出し、また、処理部32は、検出対象ガスの濃度が警報判定点に到達した場合に、警報信号を出力する。
【0040】
このような濃度検出動作を前提として、制御部33は、切換スイッチSWの切換制御により、第1及び第2のセンサ抵抗Sn1,Sn2のうち一方のセンサ抵抗を、ブリッジ回路を構成する素子として選択している。例えば、センサ抵抗Sn1,Sn2の選択動作は、低温駆動及びその後の高温駆動を1動作とする検出動作毎に、第1のセンサ抵抗Sn1と第2のセンサ抵抗Sn2とを交互に選択してもよいし、複数回の検出動作毎に、第1のセンサ抵抗Sn1と第2のセンサ抵抗Sn2とを交互に選択に切り換えてもよい。
【0041】
また、処理部32は、第1及び第2のセンサ抵抗Sn1,Sn2に対応した警報判定点をそれぞれ保持している。個々の警報判定点は、いずれのセンサ抵抗Sn1,Sn2によりブリッジ回路が構成された場合であっても、規定の濃度に到達したことを条件に警報信号が出力されるように、個々のセンサ抵抗Sn1,Sn2に応じて、その最適値が予め設定されている。そして、処理部32は、制御部33によりセンサ抵抗Sn1,Sn2の選択がなされると、選択されたセンサ抵抗に対応して警報判定点も切り換えることとしている。
【0042】
このように本実施形態によれば、切換スイッチSWが切換制御されることにより、第1及び第2のセンサ抵抗Sn1,Sn2のうちいずれか一つのセンサ抵抗を、ブリッジ回路を構成する素子として選択している。個々のセンサ抵抗Sn1,Sn2は、無通電状態において触媒の劣化がほとんど生じないため、いずれか一つのセンサ抵抗Sn1,Sn2を選択的に使用することで、残余のセンサ抵抗Sn1,Sn2を無通電状態で保持することができる。これにより、一つのセンサ抵抗を連続的に使用する場合と比較して、センサ抵抗Sn1,Sn2一つあたりの経年的な劣化度合いを抑制することができるので、接触燃焼式ガスセンサの検出能力の低下を抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態によれば、選択されたセンサ抵抗Sn1,Sn2に対応して、警報判定点も切り換えることとしている。かかる構成によれば、第1及び第2のセンサ抵抗Sn1,Sn2のそれぞれに個体差が存在する場合であっても、これに対応して警報判定点も切り換えることにより、選択したセンサ抵抗Sn1,Sn2によって警報がなされる濃度で相違してしまうといった事態を抑制することができる。これにより、ガス検出装置1の信頼性の向上を図ることができる。
【0044】
なお、上述した実施形態では、第1及び第2のセンサ抵抗Sn1,Sn2を交互に、或いは、所定回数毎に切り換えているが、これに限定されない。制御部33は、センサ抵抗Sn1,Sn2の劣化を推定し、当該推定結果に基づいて、センサ抵抗の選択を行ってもよい。
【0045】
例えば、制御部33は、一方のセンサ抵抗、例えば第1のセンサ抵抗Sn1を選択している状況において、検出部31が読み込んだ計装アンプ60の出力が所定の濃度判定点に到達した場合、制御部33は、センサ抵抗の選択を他方のセンサ抵抗、例えば第2のセンサ抵抗Sn2に切り替える。そして、第2のセンサ抵抗Sn2を選択しながら、数回にわたり濃度検出動作を連続的に行いながら、制御部33は、検出部31が検出した検出対象ガスの濃度(計装アンプ60の出力)の平均を算出する。制御部33は、前述の第1のセンサ抵抗Sn1の選択に対応して検出された検出対象ガスの濃度が、その平均値に対して所定値以下の値を示している場合には、第1のセンサ抵抗Sn1が劣化している又は劣化しそうな状況であると推定する。この場合、制御部30は、第1のセンサ抵抗Sn1をそれ以降選択しないとしたり、一定期間だけは継続的に使用するものの、それ以降は、第2のセンサ抵抗Sn2を選択するといった如くである。
【0046】
あるいは、制御部33は、第1及び第2のセンサ抵抗Sn1,Sn2のうち、一方のセンサ抵抗、例えば第1のセンサ抵抗Sn1を初期的に選択し、当該選択を継続しながら濃度検出動作を行う。検出部31が検出した検出対象ガスの濃度が所定の濃度判定点に到達した場合には、センサ抵抗の選択を、未使用の第2のセンサ抵抗Sn2に切り替える。そして、数回にわたり濃度検出動作を連続的に行いながら、制御部33は、検出部31が検出した検出対象ガスの濃度の平均値を算出する。制御部33は、前述の第1のセンサ抵抗Sn1の選択に対応して検出された検出対象ガスの濃度が、その平均値に対して所定値以下の値を示している場合には、第1のセンサ抵抗Sn1が劣化している又は劣化しそうな状況であると推定する。この場合、制御部30は、第1のセンサ抵抗Sn1をそれ以降選択しないとしたり、一定期間だけは継続的に使用するものの、それ以降は、第2のセンサ抵抗Sn2を選択するといった如くである。
【0047】
このように、センサ抵抗Sn1,Sn2を交互に選択して、検出部31が検出する検出対象ガスの濃度を相互に比較し、当該比較結果から一方のセンサ抵抗Sn1,Sn2の劣化を推定した場合には、劣化していない方のセンサ抵抗Sn1,Sn2を優先的に選択している。かかる構成によれば、センサ抵抗Sn1,Sn2の劣化を容易に推定することができるので、センサ抵抗Sn1,Sn2一つあたりの経年的な劣化度合いを抑制することができる。
【0048】
また、別な手法として、以下に示すような手法が挙げられる。すなわち、制御部33は、センサ抵抗Sn1,Sn2のそれぞれが検出した検出対象ガスの濃度を履歴情報として保持し、この履歴情報に基づいて、センサ抵抗Sn1,Sn2のそれぞれの劣化度合いを推定し、これが均等化されるように、第1及び第2のセンサ抵抗Sn1,Sn2のうちのいずれか一つのセンサ抵抗を選択してもよい。
【0049】
具体的には、制御部33は、濃度検出動作により得られた検出対象ガスの濃度を、その検出を行った際に選択されているセンサ抵抗Sn1,Sn2に関連付けて記憶する。そして、制御部33は、センサ抵抗Sn1,Sn2毎に、当該センサ抵抗Sn1,Sn2によって検出されたガス濃度の積算値を算出し、この情報を履歴情報として保持する。そして、コントローラ30は、履歴情報に基づいて、センサ抵抗Sn1,Sn2について算出されたガス濃度の積算値が均衡するように、次回の検出動作に供するセンサ抵抗Sn1,Sn2を選択する。
【0050】
かかる構成によれば、センサ抵抗Sn1,Sn2の経年的な劣化度合いをバランスさせることができる。これにより、一方のセンサ抵抗Sn1,Sn2のみの劣化が進行し、選択されるセンサ抵抗Sn1,Sn2によって、接触燃焼式ガスセンサの検出能力に差異が生じるといった事態を抑制することができる。これにより、安定的な検出能力を継続的に持続することができるので、ガス検出装置1の信頼性の向上を図ることができる。
【0051】
以上、本実施形態にかかるガス検出装置について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されることなく、その発明の範囲において種々の変更が可能である。また、センサ抵抗ユニットを構成するセンサ抵抗の数は2つに限らない。すなわち、複数のセンサ抵抗をもうけ、これらを択一的に切り換えて使用してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 ガス検出装置
10 接触燃焼式ガスセンサ
SU センサ抵抗ユニット
Sn1 第1のセンサ抵抗
Sn2 第2のセンサ抵抗
Ref リファレンス抵抗
R1 固定抵抗
R2 固定抵抗
30 コントローラ
31 算出部
32 処理部
33 制御部
40 警報部
50 電源部
60 計装アンプ
61 A/Dコンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ抵抗ユニットと、検出対象ガスの濃度変化に対応して抵抗値が変化しないリファレンス抵抗とを含んでブリッジ回路を構成するセンサ部と、
前記ブリッジ回路の出力に基づいて、前記検出対象ガスの濃度を算出する算出部と、
前記算出部により算出された前記検出対象ガスの濃度が警報判定点に到達した場合に、警報手段に対して警報の発生を指示する処理部と、
前記センサ部を制御する制御部と、を有し、
前記センサ抵抗ユニットは、
それぞれが、前記検出対象ガスの濃度変化に対応して抵抗値が変化する複数のセンサ抵抗と、
前記制御部によって切換制御されることにより、前記複数のセンサ抵抗のうちいずれか一つのセンサ抵抗を、前記ブリッジ回路を構成する素子として選択する切換手段と、
を備えることを特徴とするガス検出装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記複数のセンサ抵抗に対応した警報判定点をそれぞれ保持し、前記制御部により選択されたセンサ抵抗に対応して前記警報判定点も切り換えることを特徴とする請求項1に記載されたガス検出装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記センサ抵抗の劣化を推定し、当該推定結果に基づいて、前記センサ抵抗の選択を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載されたガス検出装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記センサ抵抗のそれぞれを選択的に切り替えて、前記検出部が検出する検出対象ガスの濃度を相互に比較することにより、一のセンサ抵抗の劣化を推定した場合には、劣化の少ない残余のセンサ抵抗を優先的に選択することを特徴とする請求項3に記載されたガス検出装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記センサ抵抗のそれぞれを選択した際に検出された検出対象ガスの濃度を履歴情報として保持するとともに、当該履歴情報に基づいて前記センサ抵抗のそれぞれの劣化度合いを推定することにより、当該劣化度合いが均等化されるように、前記センサ抵抗の選択を行うことを特徴とする請求項3に記載されたガス検出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2013−113621(P2013−113621A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257861(P2011−257861)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(501418498)矢崎エナジーシステム株式会社 (79)
【Fターム(参考)】