説明

ガス検知システム

本発明は、モニタリングされている雰囲気中のガス(標的ガス)と反応することができる材料(12、14)を有する基材(10)を備え、この反応により、材料は、放射を吸収又は放射するその場所で放射を変化させる(色変化材料)、比色式ガス検知器を提供する。材料は、基材の少なくとも1つの離散領域(12、14)に設置される。離散領域に色変化材料を供給することにより、このような材料の量を低減させることができ、異なる種類の色変化材料を、共通の基材上に含ませ、2種又はそれ以上のガスを同時に検知することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知器特に毒ガスを検知するための検知器に関するものであって、この検知器は、検知されているガス又は蒸気(或いはガス又は蒸気の一群)(今後は「標的ガス」(target gas)と呼ぶ)と反応する材料を有し、この反応により、材料の放射吸収の変化通常、可視スペクトルにおける色の変化により証明される変化が生じる。
【背景技術】
【0002】
特殊な化学材料を含浸させた紙テープを有する化学カセットを使用して毒ガスを検知することは公知である。この紙は通常、吸収剤であり、材料溶液の容器(trough)中に紙を浸漬することによって、化学材料が含浸させられる。その後、このテープを乾燥し、カセットに装着する。使用中、紙テープは、テープを通してモニタリングされている雰囲気からガスを吸い込む分析器の中に置かれる。テープ上の化学材料は、標的ガスと反応し、色を変えるように選択される。色変化の程度は、モニタリングされている雰囲気中の標的ガスの濃度の尺度である。分析器は、色の変化を検知し、分析器に予めプログラムされている既知のガスの応答表と比較することによってガス濃度を計算する。テープは、テープの新しい分を、標的ガスが吸収され、さらに測定するためにテープの新しい分を曝露することができる分析器内の位置に持ってくるように、定期的に引きとられる。テープシステムの1つの主要な利点は、テープの目に見える色変化によって見られる通りの、明確なガス応答の永続的な視覚的記録が存在することである。
【0003】
本システムは、いくつかの問題を引き起こす。第1に、標的ガスに曝露された際に放射吸収特性を変化させる、テープ上に担持された材料(今後は、「色変化材料」と呼ぶ)は、標的ガスとの反応中にガスを放出することがある。この放出されたガスは、測定における不正確さをもたらしうる。
【0004】
第2に、テープ及び色変化材料には、温度、湿度及び/又は光に対する応答が、時がたつにつれて劣化する恐れがある。従って、この材料は、保存寿命に限りがあり、使用者は、ほんの限られた在庫しか持つことができない。
【0005】
テープは、標的ガスの所与量に対して、確実に一定の応答をするようにするために、長さ方向に沿って均一であることが、極めて重要である。従って、テープ中でのばらつきは避けなければならない。また、紙テープが、厚さの変動、例えばテープの紙の材料内部に「ランプ(lump)」を含む場合は、このために、分析器が動かなくなることがある。さらに、テープ内の「ランプ」は、テープを通るガス流れの変動をもたらすことができ、従って、測定のさらなる不正確さを招き、最終的には、恐らく、間違った警報又は検知システムが正常に作動していないことを示す警報(故障警報)を発生させる。
【0006】
色変化材料は、標的ガス以外の、モニタリングされている雰囲気中のガスの影響を受けることがある。しばしば、水蒸気は、標的ガスに対する色変化材料の応答を変化させ、測定の不正確さを生じさせうる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記問題のいくつか又はすべてを克服又は緩和すること及び/又は2種又はそれ以上のガスを検知するために使用されうる色変化材料を有するシステムを提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明により、標的ガスと反応することができ、材料によって吸収される放射を変化させる材料を有する基材を含み、材料が基材の1つ又は複数の、好ましくは2つ又はそれ以上の離散領域(discrete area)に設置される、比色式ガス検知器が提供される。
【0009】
材料を基材上の離散領域に限定することは、色変化材料がより少量しか必要とされないという利点を有する。加えて、以下で考察するように、シートが、従来技術ではできなかった追加の機能を実行することができるようになる。
【0010】
第1の実施形態によれば、基材の1つの離散領域において使用される色変化材料は、1つ又は複数の別の領域において使用されるものとは異なっている。例えば、1つの領域においては、色変化材料は、別の領域におけるものと較べて、異なる量又は用量で存在できるはずである。これにより、ガスの広範囲にわたる濃度を検知することが可能になる。このような配置を使用することにより、高濃度の標的ガスが、モニタリングされている雰囲気中に存在している場合は、色変化材料の低用量領域におけるすべての材料は、その色を変化させることになり、標的ガスの濃度のさまざまなレベル間での識別ができなくなる。これに反して、高用量領域においては、色変化材料のほんの一部が色を変化させることになり、それ故に、標的ガスの濃度を表示することができる。逆に、標的ガスが低濃度で存在する場合は、色変化材料を低用量含有している領域は、高用量領域における場合よりも、より良好にガス濃度を表示するはずである。従って、色変化材料を異なる量又は用量で有する、2つ又はそれ以上の離散領域を使用することによって、高濃度及び低濃度の両方の標的ガスを測定することができる。
【0011】
別法として、2つ又はそれ以上の標的ガスを同時に検知することができるように、異なる色変化材料を異なる離散領域に供給することができる。そのような配置は、以下に記述される如く、相互推測ガス(cross inference gas)の影響を消し去るために、又は少なくとも、相互推測ガスの存在をオペレータに注意するために、使用することもできる。
【0012】
色変化材料が標的ガスだけでなく、モニタリングされている雰囲気中に存在する可能性がある1種又は複数種の別のガスとも反応する場合は、第1の領域に、標的ガス及び交差反応ガス(cross−reacting gas)の両方と反応する色変化材料を供給し、同時に、第2の領域に、交差反応ガスのみと反応する第2の色変化材料を供給することができる。これらの状況下では、交差反応ガスの濃度を、第2の領域から得て、第1の領域で測定された色変化から差し引くことができ、これにより標的ガスの濃度を表示する。
【0013】
好ましくは、異なる離散領域をグループに一まとめにして、これらの領域が適切な数の感光性素子によって同時に読み取ることができるようにする。従って、第1の領域は半円であることができ、第2の領域は隣接する半円を形成し、これらが一緒になって完全な円を完成させるようにする。別法として、さまざまな領域を、基材を横断して直列に設置されたストライプのように形成することができる。
【0014】
基材は、カセット中に収納されうるストリップ又はテープであってよく、ストリップ又はテープの連続した領域は、上記の如く、現在使用されているものと同一の配置においてモニタリングされている雰囲気に曝露されるようになっている。この場合は、基材は、ガス多孔質であり、モニタリングされている領域からのガスの試料を、基材を通り抜けて又は通り過ぎて吸収することができる。加えて、基材は、好ましくは液体吸収性であり、液体吸収材料が基材によって容易に保持されるようになっている。しかし、基材は、色変化材料の堆積された領域が、意図されている離散領域から移動するほど吸収力があってはならない。このことは、2つ又はそれ以上の領域が互いに隣接して設置されている場合は、特に重要である。
【0015】
色変化材料の色変化の程度が、モニタリングされている雰囲気中の標的ガスの量を指示するために使用されつつある場合は、一定用量の色変化材料が堆積されなければならないこと、或いは、システムが較正可能でなければならないことが重要である。いかなる離散領域に堆積される色変化材料の量も、色変化材料がそれ自体着色される場合は、直接、例えば比色式で、測定することができる。しかし、色変化材料が着色されない場合には、カラーマーカーは、どの離散領域においても色変化材料の量を測定できるように堆積されているインキ中に含ませることができる。
【0016】
また、このような配置は、色変化材料が堆積された際に、特に、堆積された材料が、堆積されなければ無色である場合に、色変化材料が堆積されつつあるという、目に見える表示を与える。
【0017】
本発明は、また、色変化材料が、例えば、少なくとも1つのインクジェットによって、個別の離散領域に堆積させられる、上記で定義された比色式ガス検知器を作製する方法に関する。また、タンパー印刷(tamper printing)、オフセット平板印刷などのその他の印刷技術も使用することができる。インクジェット印刷を使用することの利点は、色変化材料を、比較的低い設備投資で基材に適用することができて、使用者が自分自身の検知器(すなわち、色変化材料を有する基材)を作製することができ、それによって、検知器の保存寿命が短いために、頻繁に製造元から検知器を取り寄せなければならないという問題を克服できることである。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、モニタリングされている雰囲気中のガスを検知する方法であって、雰囲気からの試料を持ち込んで、例えば、基材を通り抜けて又は通り過ぎて試料ガスを吸収することにより、上記で定義された比色式ガス検知器の1つ又は複数の離散領域と接触させることを含む方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
最初に図1を参照すると、一列のドット12、14が堆積された基材10からなるテープが示されている。交互に現れるドットは、異なる色変化材料によって形成されており、例えば、ドット12は、ある種類の色変化材料から構成されることができ、ドット14は、ドット内で異なるクロスハッチングによって示される、別の種類の色変化材料から形成されうる。ドットは、インクジェット印刷技術により堆積される。
【0020】
現在の比色式ガス検知と同様に、モニタリングされている雰囲気からのガスは、ドット12、14を順次通り抜けて又は通り過ぎて吸収されうるか、又はドット12、14の隣接する対を同時に通り抜けて又は通り過ぎて吸収されうる。
【0021】
ドット12、14は、公知の圧電性印刷ジェットヘッドを使用したインクジェットから堆積される。
【0022】
堆積物の配合物において使用されうる材料の例としては、色変化をもたらすのに適した、従来技術で知られているもののいずれであってもよく、以下に3つの例を示す:
材料1
水又はメタノールなどの有機溶媒の溶液であり以下を含有する。
フルオシン(fluoscine)ベースの染料である、エオシンイエローイッシュ(色指数:acid red87)0.1重量%
パラトルエンスルホン酸0.3重量%
グリセリンなどの多価アルコール15重量%
この材料は乾燥されると、材料のpHが、酸によって非常に低く維持されるので(染料は中性又は塩基性の時のみ発色する)、実質的に透明又は非常に淡いピンク色である。この材料は、材料を一層塩基性にするガスにより、塩基性ガス成分(アンモニアなど)の濃度を検出するために使用することができ、従って、染料の自然の色が出現しうる。色変化−透明からイエロー。
材料2
エオシンイエローイッシュを、ローズベンザル(rose benzal)、フィロキシン、エオシンブルーイッシュ、又はエリスロシンで置換した以外は、材料1と同じ。パラトルエンスルホン酸を、ナフタレンスルホン酸又はベンゼンスルホン酸によって置換することができる。材料2もまた、塩基性ガスを検知するために使用する。
材料3
溶媒: 濃硝酸 1.5ml
グリセロール25ml
メタノール224ml
活性成分:硝酸銀2.5g
基材: ケイ酸(又はシリカゲル)によって被覆された紙テープ
【0023】
この材料は、アルシン、ホスフィン、ジボランなどの金属水素化物を検知するために使用されうる。これらの材料に曝露されると、堆積された材料は透明から灰色/黒への色変化を受ける。
濃硝酸の代わりに、他の有機又は無機酸、例えば、材料1及び2において予め記載されているように、材料1及び2において記述された酸の1つを使用することができる。アルコール(メタノール)は、テープが加工処理された場合、水ベースの溶液と比較して容易に乾燥するので、溶媒として選択された。ただし、他のアルコール及び溶媒、例えば、エチルアルコール及びイソプロピルアルコールも使用することができるが、揮発性溶媒が好ましい。グリセロールは、入ってくる水素化物ガスとテープの試薬との間で意図されている反応が生じうるように、テープの湿度を十分高く維持することによって、テープの吸着能力を増大させる。その他のグリコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール及びトリメチレングリコールを使用することができる。しかし、メタノール及びグリセロールを使用することが、コスト面から好ましい。
【0024】
上記の材料3が堆積されているテープは、光から保護され、室温における通常の保管条件下では、少なくとも6ヶ月間は白地を維持する。6ヶ月後でさえも、テープは水素化物ガスに対して、感度(±10%)を示すことができる。
【0025】
硝酸銀活性成分に適したより一般化された溶媒は、以下の通りである。
0.1〜5%酸
5〜20%グリコール
94.9〜75%アルコール
【0026】
例えば、ドット12は、材料1の堆積物であることがあり、ドット14は材料3の堆積物であることがある。この配置により、単一雰囲気中で塩基性ガス及び水素化物の両方を検知することができる。
【0027】
モニタリングされている雰囲気からの試料ガスが、ドット12、14を通り抜けて又は通り過ぎて吸収されると、ドットは、可視放射源(単純に周囲光でよい)に、順次又は同時に曝露され、ドット12、14により透過された放射は、検知器に向かい、検知器は予めプログラムされた参照表に従って、色変化を測定する。色変化の程度は、雰囲気内のガス濃度に依存するはずだから、色の変化は、標的ガスの濃度の表示である。
【0028】
上述のように、ドット12、14は光学的に分析される。割り出し(index)マーキング16は、ドットと光学放射源及び検知器とが正確な位置で整列することを確実にするように、テープ上に設けることができる。
【0029】
ドット12及び14は、異なる化学物質から作製される代わりに、同じ物質だが異なる用量で作製することができる。この方法で、上述の如く、標的ガスの広範囲にわたる濃度を測定することができる。
【0030】
上で考察されたように、色変化テープを作製する公知の方法は、色変化材料の浴を収容しているコーティング容器を通して基材テープを織り、テープ全体に色変化材料を含浸させることを含む。次いで、テープは、長時間かけて乾燥される。このようにして、テープ全体に、色変化材料が含浸させられる。本発明の配置は、より少量の色変化材料を使用するので、色変化材料を節約するだけでなく、また、全体のテープを乾燥することを節約し、さらに、使用中にオフガスを放出しうる色変化材料の領域をより小さくする(この「オフガス」は標的ガスの測定を妨害しうる)。加えて、基材への色変化材料のインキジェット堆積及びより精密な用量の投与により乾燥時間が低減することによって、本発明のテープは、従来技術のテープより遥かに迅速に製造することが可能となる。
【0031】
別の実施形態においては、ドット12は、標的ガスと相互干渉ガス(cross−interfering gas)(例えば、それぞれ一酸化炭素と水蒸気)に敏感でありうる。次いで、ドット14を水蒸気のみに敏感である材料から作製し、雰囲気中の水蒸気の量を、ドット14を使用して測定し、ドット12による一酸化炭素と水蒸気との複合測定値から水蒸気の効果を差し引いて、一酸化炭素全体の濃度を得ることができる。2つの個別のドット12、14を設ける代わりに、単一ドット18(図2を参照されたい)を設けることができる。各ドット18は、2つの半円形20、22から構成され、これらはそれぞれ、上述の如き、ドット12、14において使用された色変化材料を含有している。図2の配置の利点は、半円形20、22における両方の色変化材料が、モニタリングされている雰囲気からのガスに同時に曝露されることができ、好ましくはそれぞれの半円形から透過される放射を検知するための、個別の感光性センサを使用して、色変化を同時に試験することができることである。
【0032】
勿論、2つの異なる色変化材料の半円形を設ける代わりに、3又は4種類の異なる色変化材料を使用することができ、この場合はドットを3又は4個の部分(segment)に分割しなければならない。ドットは、例えば円形又は正方形などどんな形のものでもよく、いかなる寸法であってもよい。
【0033】
図3に示される配置は、半円形を有する代わりに、異なる色変化材料の2つのストライプが使用されていることを除いて、図2に示されているものと同じである。このような配置は、モニタリングされている雰囲気からの試料ガスを、色変化材料に接触できるようにするために、色変化材料とガスの入口との位置合わせをするための、又はドットと放射源/センサとの位置合わせをするための、割り出し(index)マーキング16を備える必要がないという図1及び2に勝る利点を有する。
【0034】
図4に示される配置は、テープの軸に対して横断するように配列された4つのドットの列を使用する。それぞれのドットは、異なる色変化材料及び/又は濃度の異なる同一色変化材料を使用して、広範囲にわたる濃度の多数のガスの検知をもたらし、ことによると、測定すべき相互敏感性(cross−sensitive)ガス又は水蒸気からの干渉をも考慮される。精密な色変化を測定する代わりに、個々の領域に適切なパターンを設けることによって、ガスの濃度及び性質を、パターン認識によって知りうることが可能となる。
【0035】
個々の領域により送られる放射は、感光セルに到達する放射を、色変化材料が標的ガスと反応したときに送られる放射に制限する適切なフィルタを有する感光セルによって、検知することができる。これは、静止又はビデオカメラを使用して、色変化材料の領域の画像を、色で又はグレイスケールで形成すること、並びに色変化を検知し、場合によりその記録をもする領域の画像を形成するピクセルを分析することにより、達成される。
【0036】
インクジェットプリンタは比較的安価であり、従って、工場で紙テープを収容するカセットを製造し、顧客へ出荷する代わりに、顧客が顧客自身のテープを調製することができる。このことは、運搬する必要がある在庫の量を減少させることができ、長すぎる保管の間に、テープが劣化することがないことを意味する。そのときは、色変化材料は、交換可能なインクジェットカートリッジで供給することができる。
【0037】
別法として、1つ又は複数のインクジェット印刷ヘッドをガス検知配置に組み込み、色変化材料が、モニタリングされている雰囲気に曝露される直前に、堆積され、乾燥されるようにする。
【0038】
第3の可能性は、テープを、モニタリングされている雰囲気に曝露する前に乾燥させないことであり、従って色変化材料は湿っていることになる。しかし、これには、色変化材料が堆積してからモニタリングされている雰囲気へ曝露されるまでの時間が比較的短いこと、又は堆積してからモニタリングされている雰囲気へ曝露されるまでの間、注意深く制御された雰囲気が保持されていることが必要である。明らかに、このような配置は、色変化材料が湿気に敏感な場合は、使用することができない。
【0039】
色変化材料が、読み取りが始まる直前にその場で堆積される場合は、堆積された色変化材料の量を、前に検知した標的ガスの濃度に最適な応答をするように、調整することができる。このようにして、システムは、システムが遭遇することになっている標的ガスの最も可能性の高い濃度を「学習」し、堆積された色変化材料の用量を、適切な感度をもたらすように調節する。別法としては、一定用量の色変化材料が堆積しうるが、色変化材料がモニタリングされている雰囲気に曝露される時間を調節して、標的ガス濃度の以前の読み取り値によって推定される、標的ガスの「学習した」濃度に対して最適の感度をもたらすようにすることができる。
【0040】
上記の説明は、テープに関連して具体的に記述されたが、色変化材料の離散領域を含む基材がテープでなければならないことは、必ずしも必要ではなく、他のフォーマット、例えばA4シートの紙、を使用することができる。
【0041】
一実施形態においては、色変化材料を含み、モニタリングされている雰囲気に同時に接触させられる基材の複数の離散領域が、互いに分離されて、雰囲気の個々の試料に曝露されるのではなく、同じ雰囲気に曝露される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】比色式ガス検知配置において使用するためのシート又はテープの代替形態を示す図である。
【図2】比色式ガス検知配置において使用するためのシート又はテープの代替形態を示す図である。
【図3】比色式ガス検知配置において使用するためのシート又はテープの代替形態を示す図である。
【図4】比色式ガス検知配置において使用するためのシート又はテープの代替形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタリングされている雰囲気中のガス(「標的ガス」)と反応することができる材料を有する基材、例えばシート、ストリップ又はテープを備え、この反応により、前記材料は、前記材料が放射線を吸収又は放射するその場所で放射を変化させ(「色変化材料」)、前記材料が基材の少なくとも1つの離散領域に設置されている、比色式ガス検知器。
【請求項2】
材料が少なくとも2つの離散領域に設置されている、請求項1に記載の比色式ガス検知器。
【請求項3】
1つの離散領域における色変化材料の濃度が、さらなる離散領域における色変化材料の濃度とは異なり、及び/又は第1の色変化材料が第1の離散領域に供給され、第2の異なる色変化材料がさらなる離散領域に存在し、前記第1及びさらなる領域が好ましくは互いに隣接する、請求項2に記載の比色式ガス検知器。
【請求項4】
前記第1の色変化材料が、標的ガス及び第2の相互干渉ガスと反応することができ、又は前記第2の相互干渉ガスの存在が、前記第1の色変化材料と標的ガスとの反応に影響を及ぼすことができ、前記第2の色変化材料が、前記第2の相互干渉ガスとは反応することができるが、標的ガスとは反応することができない、請求項3に記載の比色式ガス検知器。
【請求項5】
繰り返しパターンで配置された複数の離散領域が提供される、請求項2から4のいずれか一項に記載の比色式ガス検知器。
【請求項6】
第1及びさらなる領域が、それぞれストライプである、請求項2から5のいずれか一項に記載の比色式ガス検知器。
【請求項7】
少なくとも1つの離散領域の位置を、マーキングと比較して画定するためのマーキングを割り出すことを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の比色式ガス検知器。
【請求項8】
基材が、ガス多孔質及び/又は液体吸収性である、請求項1から7のいずれか一項に記載の比色式ガス検知器。
【請求項9】
色変化材料が、個々の離散領域において、印刷、例えばインキジェット印刷により堆積させられる、請求項1から8のいずれか一項に記載の比色式ガス検知器を作製する方法。
【請求項10】
例えば、少なくとも1つの領域を通り抜けて又は通り過ぎて試料を吸収することにより、雰囲気からの試料を、請求項1から11までのいずれか一項に記載の比色式ガス検知器の少なくとも1つの離散領域と接触させることを含み、場合により、少なくとも1つの領域からの放射透過率及び/又は放射反射を測定すること、及び場合により、透過された及び/又は反射された放射と参照試料とを比較し、そこから標的ガスの濃度の測定量を導き出すことをも含む、モニタリングされている雰囲気中のガス(「標的ガス」)を検知する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−516221(P2008−516221A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535245(P2007−535245)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【国際出願番号】PCT/GB2005/003877
【国際公開番号】WO2006/038028
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(507113155)ハネウェル アナリティクス アーゲー (4)
【Fターム(参考)】