説明

ガス検知用センサヘッド

【課題】検知の遅れを短縮させるガス検知用センサヘッドを提供する。
【解決手段】防塵防水用フィルタ9の外径は20〜40mmであり、内殻3と上記防塵防水用フィルタ9との隙間は0.4〜0.6mmであり、防塵防水用フィルタ9の外周の面積をAとし、防塵防水用フィルタ9及びエンドキャップ27内の空間の容積をVとしたとき、比V/Aが0.71以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知の遅れを短縮させるガス検知用センサヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、雰囲気中に存在する各種ガスの濃度を赤外吸収等のガス吸光現象を利用して検知することが行われている。ガス検知を行う対象雰囲気の場所から遠隔な場所で検知装置が動作できるように、光源光及びガス透過光は検知装置から対象雰囲気の場所まで光ファイバで伝送され、対象雰囲気の場所にはガス吸光現象を生じさせたい一定距離間のみ光の空間伝播を行うガス検知用センサヘッド(以下、単にセンサヘッドと呼ぶ)が設置される。
【0003】
図7に示されるように、従来のセンサヘッド71は、光伝播用空間72の周囲を囲む内殻73と、内殻73の光伝播用空間72を挟んで対向する位置に配置された光入射部74及び光出射部75と、内殻73に配置されたガス流入口76と、内殻73の外周を覆う防塵防水用フィルタ79と、防塵防水用フィルタ79の端部を閉じて光出射部75の光ファイバを収容する図示しないエンドキャップを備える。
【0004】
一般に、センサヘッド71は、内殻73が円筒状に形成され、光入射部74及び光出射部75が内殻73の両端に配置され、光入射部74から光出射部75に向けて空間伝播する光の光軸が内殻73の中心軸と平行になる。図示例では、光入射部74及び光出射部75が内殻73の両端の中心、すなわち円筒状の内殻73の中心軸上に配置される。よって、該中心軸に光軸が一致する。
【0005】
一方、ガス流入口76は内殻73の側面に配置される。ガス流入口76は内殻73の反対側側面にも対向して配置される。ガスは、対象雰囲気であるセンサヘッド71の外部からガス流入口76を通って光伝播用空間72へと流入する。
【0006】
防塵防水用フィルタ79は、対象雰囲気からガス流入口76までの間で、塵埃、水分を除去するためのものである。防塵防水用フィルタ79は、ガスを透過させ、塵埃、水分は透過させないフィルタ材料で構成される。防塵防水用フィルタ79は、長期信頼性を保つように配慮されている。
【0007】
従来のセンサヘッド71は、防塵防水用フィルタ79や内殻73の寸法が、防塵防水用フィルタ79と内殻73との取り付け易さ、あるいは対象雰囲気への設置し易さを考慮して決められている。
【0008】
【特許文献1】特開平5−256769号公報
【特許文献2】特開2005−61992号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図7に示した従来のセンサヘッド71は、対象雰囲気のガスが光伝播用空間72の中心にある光軸に到達する速度が遅い(時間がかかる)という問題がある。例えば、燃料ガスを生産・配給する設備において、その設備の周辺にセンサヘッド71を設置して設備からのガス漏れを監視しようとする場合、対象雰囲気から光軸にガスが到達する速度が遅いと、ガス濃度の変化を迅速に知ることができない。
【0010】
JIS M 7626 定置形可燃性ガス検知警報器には、検知の遅れとその試験方法について規定しており、検知の遅れは30秒以内でなければならない。
【0011】
この要求に応ずるべく、ガス濃度の変化を迅速に検知するには、対象雰囲気から光軸にガスが到達する速度を速くする必要がある。
【0012】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、検知の遅れを短縮させるガス検知用センサヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、光伝播用空間の周囲を囲む内殻と、該内殻の上記光伝播用空間を挟んで対向する位置に配置された光入射部及び光出射部と、上記内殻に配置されたガス流入口と、上記内殻の外周を覆う防塵防水用フィルタと、該防塵防水用フィルタの端部を閉じて上記光出射部の光ファイバを収容するエンドキャップとを備え、上記防塵防水用フィルタの外径は20〜40mmであり、上記内殻と上記防塵防水用フィルタとの隙間は0.4〜0.6mmであり、上記防塵防水用フィルタの外周の面積をAとし、上記防塵防水用フィルタ及びエンドキャップ内の容積をVとしたとき、比V/Aが0.71以下であるものである。
【0014】
上記ガス流入口が楕円等の一方向に長く他の方向に短い形状に形成されていてもよい。
【0015】
上記内殻が円筒、角筒等の筒状であり、上記光入射部及び光出射部が該内殻の両端面に配置され、上記ガス流入口が該内殻の側面に配置されていてもよい。
【0016】
上記ガス流入口が互い違いに配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0018】
(1)検知の遅れを短縮させるさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0020】
図1に示されるように、本発明に係るガス検知用センサヘッド1は、光伝播用空間2の周囲を囲む内殻3と、該内殻3の上記光伝播用空間2を挟んで対向する位置に配置された光入射部4及び光出射部5と、上記内殻3に複数配置されたガス流入口6と、上記内殻の外周を覆う防塵防水用フィルタ9と、該防塵防水用フィルタ9の端部を閉じて上記光出射部の光ファイバを収容するエンドキャップ(図示せず)とを備え、上記防塵防水用フィルタ9の外径は20〜40mmであり、上記内殻3と上記防塵防水用フィルタ9との隙間は0.4〜0.6mmであり、上記防塵防水用フィルタ9の外周の面積をAとし、上記防塵防水用フィルタ9及びエンドキャップ内の容積をVとしたとき、比V/Aが0.71以下であるものである。
【0021】
内殻3は円筒、角筒(多角筒)等の筒状にするのが好ましく、本実施形態では、内殻3は円筒状にしている。内殻3は、所定の肉厚を有する材料(本実施形態ではSUS)を所定の外径を有する円筒状に形成したものである。
【0022】
光入射4部及び光出射部5は、互いに対向していれば内殻3のどこに配置してもよいが、本実施形態では、内殻3が円筒状で、その両端面が互いに平行であるので、光入射4部及び光出射部5は内殻3の両端面に配置している。特にここでは、光入射部4及び光出射部5が内殻3の両端面の中心に配置され、内殻3の中心軸上に光軸が一致する。
【0023】
光入射部4及び光出射部5は、光ファイバ7の先端にレンズ8を設け、そのレンズ8を内殻3の端面外部から光伝播用空間2へ貫通させたものである。レンズ8は、光の干渉を防止するために斜めに研磨される。光出射部5の光ファイバ7は、エンドキャップに囲まれた空間内でループ状に折り返して光入射部4の光ファイバ7と並べて配線される。
【0024】
ガス流入口6は、内殻3のどこに配置してもよいが、本実施形態では、対象雰囲気から内殻3の光伝播用空間2へと流入されるガスが光軸に対して直角に流れるよう、ガス流入口6を内殻3の側面とその反対側の側面に対向配置している。ガス流入口6からその反対側のガス流入口6へとガスが光軸に対して直角に流れることでガスが流れ易くなり、対象雰囲気から光伝播用空間2にガスが流入される時間を短縮することができる。
【0025】
本実施形態では、ガス流入口6を楕円、長円、長方形、扁平な六角形など、一方向に長く他の方向に短い形状にしている。長い方の開口径を長軸、短い方の開口径を短軸と呼ぶことにする。図示したものでは、ガス流入口6は、二辺が長軸に平行であり別の二辺が短軸に平行である扁平な八角形に形成されている。
【0026】
本実施形態では、ガス流入口6は、内殻3の周方向に短軸を向け、内殻3の軸方向に長軸を向けている。よって、ガス流入口6の長軸が光入射部4と光出射部5を結ぶ光軸と平行である。
【0027】
また、本実施形態では、複数のガス流入口6の長軸が同一直線上になるよう、ガス流入口6が一列に整列配置されている。
【0028】
防塵防水用フィルタ9は、塵埃、水分を除去するためのものであり、例えば、焼結金属フィルタで構成される。防塵防水用フィルタ9は、所定の肉厚を有するフィルタ材料を所定の内径を有する円筒状に形成し、両端のフランジ(図示せず)をエンドキャップ及び後述する光ファイバ収容部に固定したものである。
【0029】
図2に示されるように、ガス検知用センサヘッド1の一端は、光入射部4の光ファイバ7に連結する光コネクタと光ファイバ7の余長を収容した光ファイバ収容部26に取り付けられる。ガス検知用センサヘッド1の他端にはエンドキャップ27が取り付けられる。
エンドキャップ27は、内殻3に囲まれた光伝播用空間2に連通する空間を有し、先端が閉じているものである。ガス検知用センサヘッド1の光出射部5の光ファイバ7は、エンドキャップ27内でループ状に折り返して内殻3の外側を通して光ファイバ収容部26内に戻り、光コネクタに連結される。光ファイバケーブル24は、光源部及びガス濃度検出部と光ファイバ収容部26を接続する。
【0030】
図3に示されるように、ガス濃度検出装置31は、ガス検知用センサヘッド1に光源光を提供する光源部32と、ガス検知用センサヘッド1の透過光を受光してガス濃度を検出するガス濃度検出部33とを備える。
【0031】
光源部32は、変調中心波長の掃引幅及び掃引周期を規定する三角波を発生する三角波発生器321、その三角波に基づいてバイアス電圧を出力するバイアス電源322、交流成分を遮断するインダクタ323、変調周波数及び振幅を規定する正弦波電圧を発生する発振器324、直流成分を遮断するコンデンサ325、正弦波を2倍周する倍周器326、バイアス電圧と正弦波電圧が重畳して印加されるレーザ発光素子327、レーザ発光素子327を加熱・冷却するペルチェ素子328、ペルチェ素子を駆動してレーザ発光素子327の温度を制御する温度制御電源329を備える。
【0032】
ガス濃度検出部33は、ガス検知用センサヘッド1からの透過光を受光する受光素子331、その受光信号について発振器の信号Aと倍周器の信号Bにより位相敏感検波を行う位相検波回路332、検波した信号を時系列として記憶する信号記憶部333、その時系列を演算処理することにより、ガス濃度を計算する信号処理部334を備える。
【0033】
ガス濃度検出システム31において、ガス検知用センサヘッド1は、光源部32からガス濃度検出部33に至る光ファイバ7に、直列あるいは並列に任意の個数挿入して、多点計測に使用することができる。
【0034】
ガス濃度検出システム31におけるガス濃度検出の方法は周知慣用の技術であるから説明は省く。
【0035】
ガス濃度検出システム31は、光による伝送と電子装置による情報処理を行っているので、ガス検知用センサヘッド1の光伝播用空間2にガスが流入すれば、ただちにそのガス濃度が検知できる。よって、JISに規定する検知の遅れは、対象雰囲気から光軸にガスが到達する速度に依存する。
【0036】
図1のガス検知用センサヘッド1の作用効果を説明する。
【0037】
図1のガス検知用センサヘッド1は、防塵防水用フィルタ9の外周の面積(以下、表面積と称する)をAとし、防塵防水用フィルタ9及びエンドキャップ27内の空間の容積
(以下、内容積と称する)をVとしたとき、比V/Aが0.71以下であるという特徴を有する。この特徴を従来と比較するために、図4を参照する。
【0038】
図4(a)に示されるように、防塵防水用フィルタ9の外径を30mmとすると、その表面積Aは、
2×π×1.5cm×10cm≒94cm
である(図示寸法はmmであるが計算式はcmを使用;以下同)。
【0039】
防塵防水用フィルタ9に囲まれた円柱状の空間(内殻3は除去してある)の体積(防塵防水用フィルタ9単体の容積)V1は、内径がφ26であるから、
V1=π×1.3cm×10cm=53cm
である。
【0040】
エンドキャップ27に囲まれた円柱状の空間の体積(エンドキャップ27の容積)V2は、内径がφ44mm、長さ36mmであるから、
V2=π×2.2cm×3.6cm≒55cm
である。
【0041】
図4(b)に示されるように、従来の内殻73の体積V3は、外径がφ20mmであり、長さが100mmであるから、
V3=π×1.0cm×10cm≒31cm
である。
【0042】
ガス流入口76が両側面に5個ずつ、上下に5個ずつ配置されることにより、対抗するガス流入口76間に形成される空間(ガス流入口部分という)が10個あるものとすると、そのガス流入口部分の総容積V4は、口径がφ10mmであり、深さは内殻73の外径20mmと等しいとして、
V4=π×0.5cm×2×10個≒16cm
である。
【0043】
このとき、内殻73を防塵防水用フィルタ9に収容すると、防塵防水用フィルタ9単体の容積V1とエンドキャップ27の容積V2とを合わせたものから内殻73の体積V3が除去される。ガス流入口76部分の総容積V4を足すことで、内容積Vが求まる。すなわち、内容積Vは、
V=V1+V2−V3+V4
=53+55−31+16=93
となる。ここで、光伝播用空間72の容積は小さいことから、計算から除外している。
【0044】
従って、比V/Aは、
V/A=93/94≒1
となる。
【0045】
図4(c)は、本発明の第1の実施形態であり、内殻3の外径を大きくしたものである。本発明の内殻3の体積V3は、外径がφ25mmであり、長さが100mmであるから、
V3=π×1.25m×10cm≒49cm
である。
【0046】
ガス流入口6は長円形のものが両側面に1個ずつ、上下に1個ずつ配置されることにより、対抗するガス流入口6間に形成される空間(ガス流入口部分)が2個あるものとすると、そのガス流入口部分の総容積V4は、幅が2.5mm、Rが1.25mmであり、深さは内殻3の外径25mmと等しいとして、
V4=(5.75cm×0.25cm+π×0.125cm
×2.5cm×2個
≒7.4cm
である。
【0047】
このとき、内殻3を防塵防水用フィルタ9に収容すると、内容積Vは、
V=V1+V2−V3+V4
=53+55−49+7.4=66.4
となる。ここで、光伝播用空間2の容積は小さいことから、計算から除外している。
【0048】
従って、比V/Aは、
V/A=66.4/94≒0.71
となる。
【0049】
図4(b)の従来技術では、比V/Aが1であり、このとき検知の遅れは30秒である。この値は、JISの基準をぎりぎり満足しているものの、マージンがなく、十分に速いとは言えない。図4(c)の本発明では、比V/Aが0.71であり、検知の遅れは20秒となり、従来に比べて検知の遅れを短縮することができる。
【0050】
このように、本発明では、内殻3の外径を大きくし、防塵防水用フィルタ9との隙間を小さく(上記実施形態では0.5mm)することにより、比V/Aを小さくし、ガス検知の応答を速くしている。比V/Aは、防塵防水用フィルタと内殻の寸法をいずれか又はそれぞれ変えることで任意に設定できる。ただし、対象雰囲気への設置などを考慮すると、防塵防水用フィルタ9の外径の好適値は、φ20〜40mmである。したがって、この好適値の範囲内で比V/Aが0.71以下となるように防塵防水用フィルタと内殻の寸法を選択するのが望ましい。内殻3と防塵防水用フィルタ9との隙間は、小さくすることが好ましく、その取り付け性を考慮して、0.4〜0.6mmが好適値である。
【0051】
図4(a)から分かるように、エンドキャップ27内の空間が防塵防水用フィルタ9内の空間に連通しており、内容積Vの一部を占める。したがって、エンドキャップ27を変更することで、内容積Vを変えることができる。図4(d)は、本発明の他の実施形態であり、エンドキャップ27の内径及び長さを縮小し、本発明の第1の実施形態のガス検知用センサヘッド1に適用した。
【0052】
エンドキャップ27に囲まれた円柱状の空間の体積(エンドキャップ27の容積)V2は、内径がφ26mm、長さ20mmであるから、
V2=π×1.3cm×2cm≒11cm
である。
【0053】
よって、内容積Vは、
V=V1+V2−V3+V4
=53+11−49+7.4=22.4
となる。
【0054】
従って、比V/Aは、
V/A=22.4/94≒0.24
となる。検知の遅れは8秒となる。
【0055】
このようにエンドキャップ27の内径あるいは長さを縮小することによっても、比V/Aを小さくすることができる。ただし、エンドキャップ27内では、光ファイバ7が折り返して収容されるので、光ファイバ7の曲率が大きくならない程度にエンドキャップ27内の空間を確保するのが望ましい。
【0056】
図5に、比V/Aと検知の遅れの関係を示す。比V/Aを0.71以下とすることにより、検知の遅れを20秒以下とすることができ、JIS規格の検知の遅れ30秒以内を達成できる。
【0057】
本発明の他の特徴について説明する。
【0058】
図1に示されるように、ガス流入口6を一方向に長く他の方向に短い形状にしたことにより、内殻3の機械的強度を損なうことなく開口面積を大きくすることができる。開口面積を大きくすることで、ガスが流入される速度を向上させることができる。従来のセンサヘッド71のようにガス流入口76が円形であると、ガス流入口76の開口面積を大きくするには、開口径を全方向に一様に大きくするしかなく、その結果、内殻73の機械的強度が低下する。その点、本発明のガス検知用センサヘッド1のガス流入口6は、短軸は伸ばさず、長軸を伸ばすことで開口面積を大きくすることができ、この場合、内殻3の機械的強度が低下しない。
【0059】
ガス流入口6を長くする方向は、光軸に平行な方向とは限らず、内殻3の周方向でも斜め方向でも任意であり、機械的強度を低下させないようにすればよい。
【0060】
本発明のガス検知用センサヘッド1は、ガス流入口6の開口面積が大きくなったことで対象雰囲気から光伝播用空間2にガスが流入される時間を短縮することができる。よって、ガス検知用センサヘッド1をガス濃度検出システム21に用いることにより、対象雰囲気のガス濃度の変化を迅速に検知することができる。
【0061】
次に、図6に示したガス検知用センサヘッド61は、ガス流入口6を互い違いに配置したものである。すなわち、図1のガス検知用センサヘッド1では複数のガス流入口6の長軸同士が同一直線上になるよう一列に整列配置したが、図6のガス検知用センサヘッド61では、内殻3の軸方向に隣接し合うガス流入口6の長軸同士が同一直線上にならないよう、内殻3の周方向に異なる位置にガス流入口6を配置してある。互いに距離の離れたガス流入口6はこの限りでなく、長軸同士が同一直線上になってもよい。
【0062】
また、本実施形態では、内殻3の周方向にも複数のガス流入口6が配置されている。これにより、ガス流入口6の個数がガス検知用センサヘッド1より多い。
【0063】
ガス検知用センサヘッド61は、ガス流入口6を互い違いに配置したので、内殻3の機械的強度をより確保することができると共に、耐振動性も向上させることができる。
【0064】
また、ガス検知用センサヘッド61は、ガス流入口6を互い違いに配置したので、内殻3の機械的強度を損なうことなく、ガス流入口6の個数を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態を示すガス検知用センサヘッドの側面、破断側面及び中心軸に沿った断面図である。
【図2】ガス検知用センサヘッドの外観図である。
【図3】ガス濃度検出装置の概略構成図である。
【図4】表面積Aと内容積Vの定義及び具体例寸法を示す図であり、(a)は防塵防水用フィルタとエンドキャップ、(b)は従来の内殻、(c)は本発明の内殻、(d)は本発明のエンドキャップを示す。
【図5】ガス検知用センサヘッドにおける比V/Aに対する検知の遅れ特性図である。
【図6】本発明の一実施形態を示すガス検知用センサヘッドの中心軸に沿った断面図である。
【図7】従来のガス検知用センサヘッドの側面、破断側面及び中心軸に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 ガス検知用センサヘッド
2 光伝播用空間
3 内殻
4 光入射部
5 光出射部
6 ガス流入口
7 光ファイバ
8 レンズ
9 防塵防水用フィルタ
27 エンドキャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光伝播用空間の周囲を囲む内殻と、該内殻の上記光伝播用空間を挟んで対向する位置に配置された光入射部及び光出射部と、上記内殻に配置されたガス流入口と、上記内殻の外周を覆う防塵防水用フィルタと、該防塵防水用フィルタの端部を閉じて上記光出射部の光ファイバを収容するエンドキャップとを備え、上記防塵防水用フィルタの外径は20〜40mmであり、上記内殻と上記防塵防水用フィルタとの隙間は0.4〜0.6mmであり、上記防塵防水用フィルタの外周の面積をAとし、上記防塵防水用フィルタ及びエンドキャップ内の容積をVとしたとき、比V/Aが0.71以下であることを特徴とするガス検知用センサヘッド。
【請求項2】
上記ガス流入口が楕円等の一方向に長く他の方向に短い形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のガス検知用センサヘッド。
【請求項3】
上記内殻が円筒、角筒等の筒状であり、上記光入射部及び光出射部が該内殻の両端面に配置され、上記ガス流入口が該内殻の側面に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のガス検知用センサヘッド。
【請求項4】
上記ガス流入口が互い違いに配置されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のガス検知用センサヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−298636(P2008−298636A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−146173(P2007−146173)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【出願人】(504117958)独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (101)
【出願人】(000221546)東電設計株式会社 (44)
【Fターム(参考)】