説明

ガス機器システム、ガス機器、及びガス管

【課題】ガス管接続部の簡易な構造を維持しながらも、ガス管接続部に適正なガス管を接続させて、ガス機器本体の安全な運転を実行する。
【解決手段】運転操作受付部で受け付ける運転操作に基づいた運転を装着状態で許容する運転許容具50を備えると共に、運転許容具50を装着可能な運転許容具装着部51を備え、運転許容具50が運転許容具装着部51に装着されている場合に、運転操作受付部への運転操作に伴う機器の運転を許容し、装着されていない場合に、運転操作受付部への運転操作にもかかわらず機器の運転を禁止する運転操作受入判定手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一端に管継手を備えたガス管(小口径強化ガスホースという)と、前記ガス管が接続されるガス管接続部と前記ガス管接続部から受け入れられた燃料ガスを燃焼用空気と共に燃焼させる燃焼部と外部から運転操作を受け付ける運転操作受付部とを有するガス機器とで構成され、前記運転操作受付部への運転操作の受け入れの可否を判定するガス機器システムに関するとともに、このようなガス機器システムで使用するガス機器、さらには、ガス管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガス機器は、燃料ガスを供給するガス管が、ガス機器本体のガス管接続部に接続されている状態において、運転操作を受付けた場合に、燃料ガスが燃焼する運転状態に移行するように構成されている(特許文献1を参照)。
上記特許文献1に記載のガス機器では、ガス管接続部にガス用ゴム管が誤接続されることを防止するため、ガス管接続部と管継手との接続を検知する接続検知手段が、ガス管接続部に設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−83989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ガス管接続部は、ガス漏洩等を防止する観点から、JIS等により厳しい規格が決められており、上述のような接続検知手段を設けることは好ましくない。換言すれば、ガス管接続部は、ガス管の管継手との接続を確実にしてガス漏洩を防止する観点から、その構造はなるべく簡易な構造にされるのが好ましい。
一方、ガス管接続部とガス管との適正な接続の観点からは、ガス管接続部に不適合なガス用ゴム管が差し込まれて使用されることを防止する必要がある。具体的には、管継手を備えないガス用ゴム管の接続を阻止する必要がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス管接続部の簡易な構造を維持しながらも、ガス管接続部に適正なガス管を接続させて、ガス機器本体の安全な運転を確保することができるガス機器システム、ガス機器、及びガス管を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためのガス機器システムは、
一端に管継手を備えたガス管と、
前記ガス管が前記管継手を介して接続されるガス管接続部と前記ガス管接続部から受け入れられた燃料ガスを燃焼用空気と共に燃焼させる燃焼部と外部から運転操作を受け付ける運転操作受付部とを有するガス機器とで構成され、
前記運転操作受付部への運転操作の受け入れの可否を判定するガス機器システムであって、その特徴構成は、
前記運転操作受付部で受け付ける運転操作に基づいた運転を装着状態で許容する運転許容具を前記ガス機器とは別体に備えると共に、前記ガス機器に前記運転許容具を装着可能な運転許容具装着部を備え、
前記運転許容具が前記運転許容具装着部に装着されている場合に、前記運転操作受付部への運転操作に伴う機器の運転を許容し、装着されていない場合に、前記運転操作受付部への運転操作にもかかわらず機器の運転を禁止する運転操作受入判定手段を備えた点にある。
【0006】
上記特徴構成を有するガス機器システムは、ガス管、ガス機器と運転許容具とで成立する。そして、運転操作受入判定手段が、運転許容具が運転装着部に装着されている場合に、運転操作受付部への運転操作に伴う機器の運転を許容し、装着されていない場合には、運転操作受付部への運転操作にもかかわらず機器の運転を禁止する。即ち、本発明のガス機器システムにおいては、使用者は、運転許容具がないと、ガス機器を運転できないように構成されている。
ガス機器システムをこのように構成しておくと、例えば、機器販売業者が、ガス機器のガス管接続部に適合するガス管と共に運転許容具を配布するようにすれば、使用者は、運転許容具を運転許容具装着部に装着すると共に、運転許容具と共に配布されたガス管をガス管接続部に正常に接続して使用することとなる。即ち、このシステム構成では、ガス機器に対して、ガス用ゴム管を接続しようとしても、使用者は運転許容具を所持していないため、ガス管の接続が必要なガス機器にガス用ゴム管を接続して使用することができず、ガス用ゴム管の使用を阻止できる。
結果、ガス管接続部の簡易な構造を維持しながらも、ガス管接続部に適正なガス管を接続させて、ガス機器本体の安全な運転を実行することができる。
【0007】
本発明に係るガス機器システムの更なる特徴構成は、
前記運転許容具装着部には、前記運転許容具が前記運転許容具装着部へ装着された場合に、非導通状態から導通状態に切り替わる切替スイッチが設けられている点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、切替スイッチ(接点スイッチ、又は、無接点スイッチ等)が、運転許容具が運転許容具装着部へ装着された場合に、非導通状態から導通状態に切り替わるように構成されているので、運転操作受入判定手段は、当該切替スイッチの導通状態に基づいて、比較的簡易に、運転許容具の運転許容具装着部への装着を判定できる。
【0009】
本発明に係るガス機器システムの更なる特徴構成は、前記運転許容具は、その内部で電気的に導通している導電部を備えており、
前記運転許容具装着部には、前記運転許容具が前記運転許容具装着部に装着された場合に、非導通状態から前記導電部を介した導通状態へと切り替わる接点端子を備えている点にある。
【0010】
運転許容具が運転許容具装着部に装着されることを検知する構成について、例えば、運転許容具装着部に運転許容具が装着された場合に、運転許容具の装着による機械的な動作により、ON・OFF状態が切り替わる接点スイッチが考えられる。しかしながら、このような接点スイッチは、外部から機械的操作を加えられるとON・OFF状態が切り替わり、不正に使用されることがある。
上記特徴構成によれば、運転許容具装着部に設けられた接点端子は、運転許容具の導電部を介することで、非導通状態から導通状態に切り替わる構成を採用しているから、外部からの機械的操作によりON・OFF状態が切り替わることはなく、不正に使用されることを良好に防止できる。
【0011】
本発明に係るガス機器システムの更なる特徴構成は、前記運転許容具と前記ガス管とを連結する連結部材を備えている点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、予め、連結部材により運転許容具をガス管に連結することにより、運転許容具がガス管に繋がった状態とでき、運転許容具を紛失することを防止できる。
また、使用者には、運転許容具を運転許容具装着部に装着させたときに、運転許容具に連結している適正なガス管をガス管接続部に接続させことを促すことができる。
【0013】
本発明に係るガス機器システムの更なる特徴構成は、前記運転許容具が、運転許容具本体と前記ガス管と連結する連結部とを有し、
前記運転許容具の前記導電部は、その両端部位が前記運転許容具本体の内部に設けられると共に、前記両端部位の間の中間部位が前記連結部の内部の一端から他端までに設けられている点にある。
【0014】
運転許容具とガス管とを連結している場合、使用者は、運転許容具のみを取り外して使用すべく、運転許容具とガス管との連結部位を切断する場合が考えられる。
上記特徴構成によれば、運転許容具がガス管と連結する連結部を備えており、運転許容具の導電部は、その両端部位が運転許容具本体の内部に設けられると共に、両端部位の間の中間部位が連結部の内部の一端から他端までに設けられているので、当該連結部を切断すると、連結部の内部の導電部までを切断することとなる。導電部が切断されると、運転許容具が運転許容具装着部に装着されている場合であっても、運転許容具装着部の接点端子間が導通状態とならないため、機器の運転を禁止できる。
即ち、上記特徴構成によれば、使用者が、連結部材を切断し運転許容具とガス管とを分離し、運転許容具のみを運転許容具装着部に装着して、機器を不正に運転しようとした場合、機器の運転を禁止できる。
【0015】
本発明に係るガス機器システムの更なる特徴構成は、
機器本体の外面で前記ガス管接続部と前記燃焼部に供給される燃焼用空気の吸込口との間の部位に、前記運転許容具装着部が設けられ、
前記運転許容具の前記導電部には、火炎発生判定閾値温度以上となった場合に断線する火炎感知部位が設けられ、
前記運転許容具の前記導電部が、断線した場合に、機器の運転を停止する運転停止手段を備えている点にある。
【0016】
仮に、ガス機器が運転中で吸込口から燃焼用空気を吸込んでいるときで、ガス管接続部とガス管との接続部位からガス漏洩が生じ、漏洩ガスに引火して火炎が生じた場合、当該火炎は、ガス管接続部から燃焼用空気の吸込口の側へ導かれることとなる。
上記特徴構成によれば、運転許容具装着部が、ガス管接続部と燃焼用空気の吸込口との間の部位に設けられているので、当該運転許容具装着部に運転許容具が装着されているときには、運転許容具の火炎感知部位が火炎を感知できる状態となる。そして、当該火炎感知部位が火炎発生判定閾値温度以上となったときには、火炎感知部位が断線する。これにより、運転停止手段がガス機器の運転を禁止して、火炎が燃え広がることを防止できる。
【0017】
上記目的を達成することが可能で、さらに、上記ガス機器システムを実現できるガス機器は、
燃料ガスを燃焼用空気と共に燃焼させる燃焼部と、外部から運転操作を受け付ける運転操作受付部とを備え、前記運転操作受付部により受け付けられた運転操作に基づいて前記燃焼部の燃焼を制御するガス機器であって、その特徴構成は、
前記運転操作受付部で受け付ける運転操作に基づいた運転を装着状態で許容する運転許容具を装着可能な運転許容具装着部を備え、
前記運転許容具が前記運転許容具装着部に装着されている場合に、前記運転操作受付部への運転操作に伴う機器の運転を許容し、装着されていない場合に、前記運転操作受付部への運転操作にもかかわらず機器の運転を禁止する運転操作受入判定手段を備える点にある。
【0018】
上記特徴構成を有するガス機器では、上述したガス機器システムと同様に、ガス管接続部の簡易な構造を維持しながらも、ガス管接続部に適正なガス管を接続させて、ガス機器本体の安全な運転を実行できる。
【0019】
上記目的を達成することが可能で、さらに、上記ガス機器システムを実現できるガス管は、
運転操作受付部により受け付けられた運転操作に基づいて前記燃焼部の燃焼を制御するガス機器に設けられるガス管接続部に管継手を介して接続されるガス管であって、その特徴構成は、
前記ガス機器に設けられる運転許容具装着部に装着可能な運転許容具を備え、
前記運転許容具は、前記運転許容具装着部に装着されている状態で、前記運転操作受付部で受け付ける運転操作に基づいた運転を許容するように構成されている点にある。
【0020】
上記特徴構成を有するガス管では、接続対象のガス機器のガス管接続部を簡易な構造に維持しながらも、ガス管接続部に適正なガス管を接続させて、ガス機器本体の安全な運転を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】運転許容具及び運転許容具装着部の概略構成図である。
【図2】ガス機器の内部の概略構成図である。
【図3】ガス機器の運転操作受付部の概略構成図である。
【図4】ガス機器の制御装置及び制御対象の各機器を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態における運転許容具の運転許容具装着部への装着状態及び非装着状態を示す図である。
【図6】運転操作受入判定の制御フロー図である。
【図7】第2実施形態における運転許容具の運転許容具装着部への装着状態及び非装着状態を示す図である。
【図8】第3実施形態における運転許容具及び運転許容具装着部を示す図である。
【図9】第3実施形態に係る制御フロー図である。
【図10】別実施形態に係る運転許容具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1〜図6に示すように、本発明のガス機器システム200は、ガス機器100のガス管接続部53に対し、ガス管接続部53に不適合なガス用ゴム管が接続されて使用されることを防止すべく、従来にない特徴構成として、特に、ガス機器100の運転操作受付部9で受け付ける運転操作に基づいた運転を装着状態で許容する運転許容具50、56を備え、当該ガス機器100には、運転許容具50、56を装着可能な運転許容具装着部51、57を備え、使用者が、当該運転許容具50、56を運転許容具装着部51、57に装着する場合に限り、ガス機器100の運転を許容する運転操作受入判定を行うように構成されている。
以下では、まず、ガス機器システム200の基本的な構成について説明した後、本発明の特徴構成、及び運転操作受入判定に係る制御について説明する。
【0023】
〔第1実施形態〕
本発明のガス機器システム200は、図1、図2(a)(b)に示すように、一端に管継手54を備えたガス管52を備えると共に、ガス管52が管継手54を介して接続されるガス管接続部53と、ガス管接続部53から受け入れられた燃料ガスGを燃焼用空気Aと共に燃焼させるバーナ2(燃焼部の一例)と、外部から運転操作を受け付ける運転操作受付部9とを有するガス機器100とで構成されている。
【0024】
上記バーナ2は、図2(a)(b)に示す様に、燃料ガスGを導く燃料ガス流路7が連通接続されており、当該燃料ガス流路7から供給される燃料ガスGと、本体1の背面に設けられた吸込口17から吸引される燃焼用空気Aとに、点火プラグ13にて点火し火炎を形成する。
上記燃料ガス流路7には、燃料ガスGの通流を止める、又は許容する第1電磁弁8a及び第2電磁弁8bと、燃料ガスGの流量を調整可能な比例弁10と、燃料ガスGを燃焼用空気Aと混合しながらバーナ2に向けて噴射する噴射ノズル11とが、上流側から下流側に向けて順に設けられている。尚、上述の如く、電磁弁として、2つの第1電磁弁8aと第2電磁弁8bとが設けられている理由は、燃料ガスGが燃料ガス流路7の下流側に漏出することを、より確実に防止するためである。
【0025】
対流用ファン3は、クロスフローファン15と、当該クロスフローファン15を周方向に回転させるモータ16とから構成されている。モータ16が、クロスフローファン15を回転させることにより、吸込口17から外気が取り入れられ、その一部は、燃焼用空気Aとしてバーナ2の燃焼室18へ導かれ、他部は、バーナ2に形成された火炎により加熱される。そして、燃焼後の燃焼排ガスが温風として、吹出口19より外部へ吹き出される。
【0026】
〔温度センサ関係〕
本体1の外面には、室内温度を測定する室内温度センサ22が設けられている。後述する制御装置4は、当該室内温度センサ22の測定結果に基づいて、バーナ2及び対流用ファン3の運転状態を制御する。
本体1の内部には、本体1の内部の温度を測定する本体内用温度センサ23が設けられており、制御装置4は、例えば、当該本体内用温度センサ23の測定温度が、異常高温域に達している場合、バーナ2を停止する等の制御を行う。
さらに、本体1の制御装置4等を構成する回路には、本体1の内部の温度が回路の耐熱温度以上となった場合に、当該回路を断線する温度ヒューズが設けられている。これにより、本体1の内部の温度が、回路の耐熱温度を超える場合、当該回路を断線して、回路を保護することができる。
【0027】
〔運転操作受付部〕
図2(a)に示すように、本体1の天面には、外部から運転操作を受け付ける運転操作受付部9が設けられている。
当該運転操作受付部9には、図3に示すように、使用者等により操作させるスイッチとして、所定の時間経過した後に運転停止の設定が可能なおやすみタイマースイッチ26、所定の時間経過した後に運転開始の設定が可能なおはようタイマースイッチ27、目標温度や目標運転時間等を設定する温度/時間設定スイッチ31、運転状態と運転停止状態とを切り替える運転スイッチ32等が設けられている。
一方、使用者等に機器の状態を知らせる表示部分として、おやすみタイマー及びおはようタイマーが設定されていることを示す設定表示ランプ28、温度や時間やエラー状態等を示す7セグ表示パネル29、各運転状態を示す運転表示ランプ33、燃焼用空気Aの吸込口17に設けられているエアフィルタ20に塵埃等が溜まった場合に点灯するエアフィルタお掃除ランプ35、制御装置4がガス管接続部53に正常にガス管52が接続されていないと認めた場合に点灯するガス管接続異常ランプ36、漏洩したガスが燃えている等の緊急時に点灯する緊急警報ランプ37等が設けられている。
尚、上記各種スイッチを操作した場合の制御装置4による各表示部等への点灯・点滅等の制御は、通常のガス機器と略同一であるので、以下では、その詳細な説明を割愛する。
【0028】
〔運転許容具及び運転許容具受入部〕
そして、本発明のガス機器システム200には、図1に示すように、運転操作受付部9にて受け付ける運転操作に基づいた運転を装着状態で許容するプラグ50(運転許容具の一例)が設けられ、当該プラグ50を装着可能なプラグ装着部51(運転許容具装着部の一例)が、本体1の背面で、ガス管接続部53の近傍に設けられている。
説明を加えると、プラグ50は、図5(a)(b)に示すように、プラグ50のプラグ装着部51への装着状態において、プラグ装着部51の側へ挿入する挿入部50aが設けられている。
プラグ装着部51は、プラグ50のプラグ装着部51への装着状態において、挿入部50aを挿入可能な開口部51aを有している。当該開口部51aの内部には、挿入部50aが開口部51aに挿入されていないとき(図5(a)に示す状態のとき)に非導通状態となり、挿入部50aが開口部51aに挿入されているとき(図5(b)に示す状態のとき)に導通状態となる接点スイッチ51b(切替スイッチの一例)が設けられている。
【0029】
当該接点スイッチ51bは、制御装置4(運転操作受入判定手段m1の一例)と電気的に接続されている。詳細は後述するが、制御装置4は、接点スイッチ51bが導通状態か否かを監視可能に構成されており、導通状態である場合、プラグ50がプラグ装着部51に装着されていると判定し、非導通状態である場合、プラグ50がプラグ装着部51に装着されていないと判定し、後述する運転操作受入判定を行う。
【0030】
プラグ50は、連結部材55によりガス管52と、取り外しできない状態で連結されている。これにより、プラグ50の紛失を防止できる。また、プラグ50を、予め、ガス管接続部53に適合して接続可能なガス管52に連結しておくことで、使用者に対し、ガス管接続部53に適合するガス管52を接続させることができる。
【0031】
〔制御装置〕
制御装置4は、図4に示すように、上記運転操作受付部9の各操作スイッチ及び各表示部と電気的に接続されており、各操作スイッチの操作に基づいて、各表示部に操作状態を表示すると共に、ガス機器100の運転を制御するように構成されている。制御装置4による当該ガス機器100の運転制御については、従来のものと変わるところがない。
【0032】
制御装置4は、プラグ50がプラグ装着部51に装着されている場合に、運転操作受付部9への運転操作に伴う機器の運転を許容し、装着されていない場合に、運転操作受付部9への運転操作にも関わらず機器の運転を禁止する運転操作受入判定手段m1として働く。
具体的には、制御装置4(運転操作受入判定手段m1の一例)は、プラグ装着部51の開口部51aに設けられた接点スイッチ51bと電気的に接続されており、当該接点スイッチ51bが導通状態であるとき(図5(b)に示す状態にあるとき)には、プラグ50がプラグ装着部51に装着されていると判定し、ガス管接続部53に正常にガス管52が接続されていると認定し、ガス機器100の運転を許容する。一方、当該接点スイッチ51bが非導通状態であるとき(図5(a)に示す状態にあるとき)には、プラグ50がプラグ装着部51に装着されていないと判定し、ガス管接続部53に正常にガス管52が接続されていないと認定し、ガス機器100の運転を禁止する。
これにより、ガス機器100の安全な運転を確保する。
【0033】
〔運転操作受入判定処理〕
本発明のガス機器システム200は、これまで説明してきたように、制御装置4が運転操作受入判定に係る制御に特徴がある。
以下では、図6の制御フローに基づいて、運転操作受入判定処理について説明する。
ガス機器100を運転停止状態から運転状態へ移行させる場合、運転操作受付部9の運転スイッチ32が押下される(♯101)。
制御装置4(運転操作受入判定手段m1の一例)は、運転スイッチ32が押下されると、プラグ50がプラグ装着部51に装着されていることを確認するべく、プラグ装着部51の接点スイッチ51bが導通状態にあるか否かを判定する(♯102)。
制御装置4は、プラグ装着部51の接点スイッチ51bが導通状態にあり、プラグ50がプラグ装着部51に装着されていると判定すると、ガス管接続部53に適正にガス管52が接続されている(ガス管接続異常なし)と認定し、ガス機器100の運転を許容する。
【0034】
運転が許容されると、制御装置4は、運転表示ランプ33を点灯し、第1電磁弁8a及び第2電磁弁8bを開状態とし、比例弁10を所定の開度に設定し、対流用ファン3を働かせる等して、ガス機器100を運転停止状態から運転状態へ移行させる(♯103、104)。
一方、制御装置4は、プラグ装着部51の接点スイッチ51bが非導通状態にあり、プラグ50がプラグ装着部51に装着されていないと判定すると、ガス管接続部53に対し、ガス管接続部53に適合するガス管52が接続されていない(ガス管接続異常あり)と認定し、ガス機器100の運転を禁止する。また、制御装置4は、ガス管接続部53へのガス管52の接続異常を外部に知らせるべく、ガス管接続異常ランプ36を点灯させる(♯105)。
【0035】
〔第2実施形態〕
ガス機器システム200の第2実施形態では、第1実施形態に対して、運転許容具及び運転許容具接続部の構成が異なる。以下では、その構成について重点的に説明し、第1実施形態と同様の構成及び制御については、説明を割愛することがある。
【0036】
図7(a)(b)に示すように、第2実施形態の運転許容具は、その内部で電気的に導通している導電部56aを有するコネクタ56として構成されている。
当該コネクタ56を装着可能なコネクタ装着部57(運転許容具装着部の一例)は、コネクタ56が装着されている状態において、コネクタ56の導電部56aを介して導通状態となる接点端子57aが設けられている。
本実施形態の如く、コネクタ装着部57に接点端子57aを設ける構成は、第1実施形態に示した接点スイッチ51bを設ける構成に比べて、外部から機械的操作等がなされてしようされることが少なく、本発明の目的をより良く達成できる。
【0037】
接点端子57aは、制御装置4(運転操作受入判定手段m1の一例)と電気的に接続されている。
制御装置4(運転操作受入判定手段m1の一例)は、接点端子57aが導電部56aを介して導通状態となっている場合(図7(b)に示す場合)、即ち、コネクタ56がコネクタ装着部57に装着されている場合に限り、ガス管接続部53に対してガス管接続部53に適合するガス管52が接続されている(ガス管接続異常なし)と認定し、運転操作受付部9への運転操作に伴うガス機器100の運転を許容する。一方、接点端子57aが非導通状態である場合(図7(a)に示す場合)、即ち、コネクタ56がコネクタ装着部57に装着されていない場合、「ガス管接続異常あり」判定により、ガス機器100の運転を禁止する。
【0038】
〔第3実施形態:ガス漏洩による火炎検出に係る構成〕
第3実施形態では、ガス機器システム200は、第2実施形態の構成に加え、ガス管接続部53とガス管52との接続部位からガス漏洩が生じて火炎が発生した場合に、当該火炎を検知して、ガス機器100の運転を停止する機能を発揮するように、構成されている。
【0039】
具体的には、図8(a)に示すように、ガス機器100の本体1の外面でガス管接続部53と燃焼用空気Aとなる外気が吸い込まれる吸込口17との間の部位(図8(a)における網掛け部位)に、運転許容具装着部としてのコネクタ装着部57を設ける。そして、運転許容具としてのコネクタ56の導電部56aは、図8(a)に示すように、火炎発生判定閾値温度以上となった場合に断線する火炎感知部位56bを設ける。ここで、火炎発生判定閾値温度とは、例えば、その近傍にて火炎が所定時間以上発生した場合の温度である。
コネクタ装着部57にコネクタ56が装着されている状態において、ガス管接続部53とガス管52との接続部位からガス漏洩が生じ火炎が形成された場合、当該火炎が燃焼用空気Aの吸込口17に向けて形成される。この場合、コネクタ56の導電部56aの火炎感知部位56bは、火炎の放射熱により、火炎発生判定閾値温度以上となって断線する。導電部56aの火炎感知部位56bが断線すると、コネクタ装着部57の接点端子57aは、導通状態から非導通状態となる。
制御装置4(運転停止手段m2の一例)は、接点端子57aと電気的に接続しており、ガス機器100が運転状態である場合において、コネクタ装着部57の接点端子57aが、導通状態から非導通状態となった場合、火炎感知部位56bが断線したと認定し、ガス管接続部53とガス管52との接続部位からガス漏洩に伴う火炎が発生していると判定し、ガス機器100の運転を停止する。
【0040】
次に、ガス漏洩に伴う火炎が発生した場合の運転停止処理について、図9の制御フローに基づいて説明する。尚、ガス機器100が運転状態となるまで(ステップ♯204まで)の制御は、第1実施形態のステップ♯104までの制御と同様であるので、ここでは、それ以降の制御についてのみ説明する。
【0041】
制御装置4は、ガス機器100が運転状態である場合において、コネクタ装着部57の接点端子57aが、導通状態から非導通状態となった場合、ガス管接続部53とガス管52との接続部位にて火炎が発生していると判定し(♯206)、緊急警報ランプ37を点灯する(♯207)と共に、ガス機器100の運転を停止する(♯208)。
一方、制御装置4は、コネクタ56がコネクタ装着部57に装着されている状態で、ガス機器100が運転状態である場合において、コネクタ装着部57の接点端子57aの導通状態が維持されている場合、ガス管接続部53とガス管52との接続部位には火炎が発生していないと判定し(♯206)、ガス機器100の運転を継続する(♯204)。
【0042】
〔ガス機器〕
これまで説明してきたように、本願は、上述の構成を有するガス機器システム200により、その機能を良好に発揮するものである。このガス機器システム200で採用するガス機器100は、以下の構成となっている。
即ち、ガス機器100を、燃料ガスGを燃焼用空気Aと共に燃焼させるバーナ2と、外部から運転操作を受け付ける運転操作受付部9とを備え、運転操作受付部9により受け付けた運転操作に基づいてバーナ2の燃焼を制御するように構成し、運転操作受付部9で受け付ける運転操作に基づいた運転を装着状態で許容する運転許容具50、56を装着可能な運転許容具装着部51、57を備え、運転許容具50、56が運転許容具装着部51、57に装着されている場合に、運転操作受付部9への運転操作に伴う機器の運転を許容し、装着されていない場合に、運転操作受付部9への運転操作にも関わらず機器の運転を禁止する制御装置4(運転操作受入判定手段m1の一例)を備えて、構成する。
【0043】
〔ガス管〕
ガス管52についても、以下の構成となっている。
即ち、ガス管52を、運転操作受付部9により受け付けられた運転操作に基づいてバーナ2の燃焼を制御するガス機器100に設けられるガス管接続部53に管継手54を介して接続されるように構成し、ガス機器100に設けられる運転許容具装着部51、57に装着可能な運転許容具50、56を備え、運転許容具50、56は、運転許容具装着部51、57に装着されている状態で、運転操作受付部9で受け付ける運転操作に基づいた運転を許容するように構成する。
【0044】
〔別実施形態〕
(1)上記第1実施形態において、切替スイッチとして接点スイッチ51bを示したが、当該切替スイッチは、例えば、光学式等の無接点スイッチにより構成しても構わない。
【0045】
(2)第2実施形態(図7)に係るコネクタ56の別の構成について説明する。コネクタ56は、図10に示すように、コネクタ本体56eとガス管52に連結する連結部56dを備え、コネクタ56の導電部56aを、その両端部位56bをコネクタ本体56eの内部に設けると共に、両端部位56bの間の中間部位56cが、連結部56dの内部の一端から他端までに設けるように構成しても構わない。
これにより、コネクタ56とガス管52とを連結する連結部56dを切断され、コネクタ56が、ガス管52から分離された状態で、コネクタ装着部57に装着された場合、コネクタ装着部57の接点端子57aは非導通状態のままとなる。結果、制御装置4(運転操作受入判定手段m1の一例)は、運転操作を受け付けない。即ち、コネクタ56のみを、ガス管52から分離して使用されることを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のガス機器システム、ガス機器、及びガス管装置は、ガス管接続部の簡易な構造を維持しながらも、ガス管接続部に適正なガス管を接続させて、ガス機器本体の安全な運転を実行することができるものとして、有効に利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
2 :バーナ
4 :制御装置
9 :運転操作受付部
50 :プラグ
50a :挿入部
51 :プラグ装着部
51a :開口部
51b :切替スイッチ
52 :ガス管
53 :ガス管接続部
54 :管継手
55 :連結部材
56 :コネクタ
56a :導電部
56b :両端部位
56b :火炎感知部位
56c :中間部位
56d :連結部
56e :コネクタ本体
57 :コネクタ装着部
57a :接点端子
100 :ガス機器
200 :ガス機器システム
A :燃焼用空気
G :燃料ガス
m1 :運転操作受入判定手段
m2 :運転停止手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に管継手を備えたガス管と、
前記ガス管が前記管継手を介して接続されるガス管接続部と前記ガス管接続部から受け入れられた燃料ガスを燃焼用空気と共に燃焼させる燃焼部と外部から運転操作を受け付ける運転操作受付部とを有するガス機器とで構成され、
前記運転操作受付部への運転操作の受け入れの可否を判定するガス機器システムであって、
前記運転操作受付部で受け付ける運転操作に基づいた運転を装着状態で許容する運転許容具を前記ガス機器とは別体に備えると共に、前記ガス機器に前記運転許容具を装着可能な運転許容具装着部を備え、
前記運転許容具が前記運転許容具装着部に装着されている場合に、前記運転操作受付部への運転操作に伴う機器の運転を許容し、装着されていない場合に、前記運転操作受付部への運転操作にもかかわらず機器の運転を禁止する運転操作受入判定手段を備えたガス機器システム。
【請求項2】
前記運転許容具装着部には、前記運転許容具が前記運転許容具装着部へ装着された場合に、非導通状態から導通状態に切り替わる切替スイッチが設けられている請求項1に記載のガス機器システム。
【請求項3】
前記運転許容具は、その内部で電気的に導通している導電部を備えており、
前記運転許容具装着部には、前記運転許容具が前記運転許容具装着部に装着された場合に、非導通状態から前記導電部を介した導通状態へと切り替わる接点端子を備えている請求項1に記載のガス機器システム。
【請求項4】
前記運転許容具と前記ガス管とを連結する連結部材を備えている請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガス機器システム。
【請求項5】
前記運転許容具が、運転許容具本体と前記ガス管と連結する連結部とを有し、
前記運転許容具の前記導電部は、その両端部位が前記運転許容具本体の内部に設けられると共に、前記両端部位の間の中間部位が前記連結部の内部の一端から他端までに設けられている請求項3に記載のガス機器システム。
【請求項6】
機器本体の外面で前記ガス管接続部と前記燃焼部に供給される燃焼用空気の吸込口との間の部位に、前記運転許容具装着部が設けられ、
前記運転許容具の前記導電部には、火炎発生判定閾値温度以上となった場合に断線する火炎感知部位が設けられ、
前記運転許容具の前記導電部が、断線した場合に、機器の運転を停止する運転停止手段を備えている請求項3又は5に記載のガス機器システム。
【請求項7】
燃料ガスを燃焼用空気と共に燃焼させる燃焼部と、外部から運転操作を受け付ける運転操作受付部とを備え、前記運転操作受付部により受け付けられた運転操作に基づいて前記燃焼部の燃焼を制御するガス機器であって、
前記運転操作受付部で受け付ける運転操作に基づいた運転を装着状態で許容する運転許容具を装着可能な運転許容具装着部を備え、
前記運転許容具が前記運転許容具装着部に装着されている場合に、前記運転操作受付部への運転操作に伴う機器の運転を許容し、装着されていない場合に、前記運転操作受付部への運転操作にもかかわらず機器の運転を禁止する運転操作受入判定手段を備えるガス機器。
【請求項8】
運転操作受付部により受け付けられた運転操作に基づいて前記燃焼部の燃焼を制御するガス機器に設けられるガス管接続部に管継手を介して接続されるガス管であって、
前記ガス機器に設けられる運転許容具装着部に装着可能な運転許容具を備え、
前記運転許容具は、前記運転許容具装着部に装着されている状態で、前記運転操作受付部で受け付ける運転操作に基づいた運転を許容するように構成されているガス管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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