説明

ガス濃縮検出装置

【課題】呼気をわざわざ吹き込むことなく自然に呼吸するだけで、呼気中の検出対象ガスの濃度を高感度かつ高精度に検出することができるようにする。
【解決手段】呼気判定部が、酸素センサからの出力濃度に基づいて、呼気導入管内の空気に呼気が含まれるか否かを判定する。呼気判定部から呼気スタート信号が入力されたときに、第1バルブを切り替えて、第1捕集管へのガス流路を開いて、呼気導入管内の呼気空気中のエタノールガス成分を第1捕集管に吸引捕集する。また、呼気判定部から呼気終了信号が入力されたときに、第2バルブを切り替えて、第2捕集管へのガス流路を開いて、呼気導入管内の車室内空気中のエタノールガス成分を、第2捕集管に吸引捕集する。そして、第1捕集管及び第2捕集管の各々に捕集されたエタノールガス成分を加熱脱着して、アルコールセンサによって、エタノールガス濃度を各々検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス濃縮検出装置に係り、特に、運転者の呼気に含まれるアルコールの濃度を検出することができるガス濃縮検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲酒運転を防止するための、運転者の呼気中アルコール濃度検出装置は多数提案されている。例えば、運転者が呼気を吹き込み、呼気中のアルコール濃度を検出し、一定濃度以上のアルコールが検出された場合に、エンジン始動できないようにするインターロックシステム(ドレーゲル社製)が知られている。このシステムでは、呼気のみが検出器に導入されるため、呼気が希釈されず、また車室内空気成分の影響をうけることなく呼気中アルコールを検出することができる。
【0003】
また、不正操作防止のために、運転者の吹き付け動作に対応して呼気中アルコール濃度を検出する飲酒運転防止装置が知られている(特許文献1)。この装置では、アルコールセンサの他に、温度センサ、湿度センサ、圧カセンサ、流量センサの何れか一以上が内蔵され、運転者の呼気吹き付け動作にのみ反応して、呼気中のアルコール濃度を検出することにより、不正操作による違法運転(飲酒運転)を防止している。
【0004】
また、呼気採取容器と、これに連通する捕集管及び吸引ポンプとを備えた呼気濃縮捕集装置が知られている(特許文献2)。この装置は、捕集管の継手の自動着脱機構により、作業時間の短縮化、作業の単純化、及び捕集管の外気汚染等の防止を目的としている。
【0005】
また、気体中の希薄な成分を分析する場合、目的の成分に応じた吸着剤を充填した捕集管を用いて濃縮捕集した後、脱着させてガス分析装置に導入し、分析する方法が知られている。
【特許文献1】特開2005−96663
【特許文献2】特開平10−108850
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のインターロックシステムでは、運転者が呼気を吹き込まなければならないため、運転者にとってわずらわしい、という問題がある。
【0007】
また、上記特許文献1に記載の技術では、検出器に吹き付けられた呼気中の希薄な成分を検出する場合、そのままでは感度が不足して成分を検出できない場合がある、という問題がある。
【0008】
また、上記特許文献2に記載の技術では、単に車室内空気を捕集管に吸引し濃縮捕集して検出すると、目的とする運転者の呼気成分とその他の車室内空気成分(例えば同乗者の呼気成分や車両の内装材から揮発した成分、運転者または同乗者の香水や化粧品の成分、車室内のフレグランス商品の成分等)との区別が困難になり、精度よく呼気成分を検出することができない、という問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたもので、呼気をわざわざ吹き込むことなく自然に呼吸するだけで、呼気中の検出対象ガスの濃度を高感度かつ高精度に検出することができるガス濃縮検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のガス濃縮検出装置は、検出対象の気体中に呼気が含まれるか否かを判定する呼気判定手段と、前記呼気判定手段によって呼気が含まれると判定されたときに、前記検出対象の気体を吸引して検出対象ガス成分を捕集する吸引捕集手段と、前記吸引捕集手段によって捕集された検出対象ガス成分を放出して、検出対象ガスの濃度を検出する検出対象ガス濃度検出手段と、前記検出対象ガス濃度検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度に基づいて、呼気中の前記検出対象ガスの濃度を算出する算出手段とを含んで構成されている。
【0011】
本発明のガス濃縮検出装置によれば、呼気判定手段によって、検出対象の気体中に呼気が含まれるか否かを判定し、吸引捕集手段によって、呼気判定手段によって呼気が含まれると判定されたときに、検出対象の気体を吸引して検出対象ガス成分を捕集する。
【0012】
そして、検出対象ガス濃度検出手段によって、吸引捕集手段によって捕集された検出対象ガス成分を放出して、検出対象ガスの濃度を検出し、算出手段によって、検出対象ガス濃度検出手段によって検出された検出対象ガスの濃度に基づいて、呼気中の前記検出対象ガスの濃度を算出する。
【0013】
このように、検出対象の気体中に呼気が含まれるときに、検出対象の気体を吸引して検出対象ガス成分を捕集することにより、呼気が含まれる気体中の検出対象ガス成分を区別して捕集して、検出対象ガスの濃度を検出することができるため、呼気をわざわざ吹き込むことなく自然に呼吸するだけで、呼気中の検出対象ガスの濃度を高感度かつ高精度に検出することができる。
【0014】
本発明に係るガス濃縮検出装置は、検出対象の気体中に含まれる参照ガスの濃度を検出する参照ガス濃度検出手段を更に含み、呼気判定手段は、参照ガス濃度検出手段によって検出された参照ガスの濃度に基づいて、検出対象の気体中に呼気が含まれるか否かを判定することができる。これによって、検出対象の気体中に含まれる参照ガスの濃度に基づいて、呼気が含まれるか否かを精度よく判定することができる。
【0015】
上記の参照ガス濃度検出手段を含むガス濃縮検出装置において、算出手段は、検出対象ガス濃度検出手段によって検出された検出対象ガスの濃度、及び参照ガス濃度検出手段によって検出された参照ガスの濃度に基づいて、呼気中の検出対象ガスの濃度を算出することができる。
【0016】
本発明に係る吸引捕集手段は、検出対象ガス成分を捕集する複数の捕集部を備え、呼気判定手段による判定結果に応じて、複数の捕集部の何れかに切り替えて、検出対象の気体を吸引して切り替えられた捕集部に検出対象ガス成分を捕集し、検出対象ガス濃度検出手段は、複数の捕集部の各々に捕集された検出対象ガス成分を放出して検出対象ガスの濃度を各々検出し、算出手段は、検出対象ガス濃度検出手段によって複数の捕集部の各々の検出対象ガス成分を放出して各々検出された検出対象ガスの濃度に基づいて、呼気中の検出対象ガスの濃度を算出することができる。これによって、検出対象の気体中に呼気が含まれるか否かの判定結果に応じて、捕集部を切り替えて検出対象ガス成分を捕集することにより、呼気が含まれる気体及び呼気が含まれない気体の各々について、検出対象ガスの濃度を検出することができる。
【0017】
上記の捕集部を含むガス濃縮検出装置において、検出対象ガス濃度検出手段は、所定の吸引時間の吸引により捕集部に捕集された検出対象ガス成分を放出して検出対象ガスの濃度を検出することができる。これによって、所定の吸引時間吸引するため、所望の感度で、検出対象ガスの濃度を検出することができる。
【0018】
上記の捕集部を含むガス濃縮検出装置において、吸引捕集手段は、呼気判定手段による判定結果に応じて、複数の捕集部の何れかに切り替えると共に、所定の吸引時間の吸引毎に複数の捕集部の何れかに切り替えて、検出対象の気体を吸引して切り替えられた捕集部に検出対象ガス成分を捕集し、検出対象ガス濃度検出手段は、捕集部に検出対象ガス成分を捕集する毎に、捕集部に捕集された検出対象ガス成分を放出して検出対象ガスの濃度を検出することができる。これによって、所定の吸引時間の吸引毎に捕集部を切り替えて、検出対象ガス成分を捕集して、検出対象ガスの濃度を検出することにより、所望の時間分解能で検出対象ガスの濃度を検出することができる。
【0019】
上記の捕集部を含むガス濃縮検出装置において、吸引捕集手段は、呼気判定手段による判定結果に応じて、複数の捕集部の何れかへのガス流路を開くようにバルブを切り替えて、ポンプの作動によって検出対象の気体を吸引して切り替えられた捕集部に検出対象ガス成分を捕集することができる。
【0020】
上記の捕集部を含むガス濃縮検出装置は、検出対象の気体中に含まれる参照ガスの濃度を検出する参照ガス濃度検出手段を更に含み、算出手段は、検出対象ガス濃度検出手段によって複数の捕集部の各々の検出対象ガス成分を放出して各々検出された検出対象ガスの濃度、呼気判定手段によって呼気が含まれると判定されたときに参照ガス濃度検出手段によって検出された参照ガスの濃度、呼気判定手段によって呼気が含まれないと判定されたときに参照ガス濃度検出手段によって検出された参照ガスの濃度、及び予め求められた呼気中の参照ガスの濃度に基づいて、呼気中の検出対象ガスの濃度を算出することができる。
【0021】
この算出手段は、呼気判定手段によって呼気が含まれると判定されたときに参照ガス濃度検出手段によって検出された参照ガスの濃度、呼気判定手段によって呼気が含まれないと判定されたときに参照ガス濃度検出手段によって検出された参照ガスの濃度、及び予め求められた呼気中の参照ガスの濃度に基づいて、呼気希釈率を算出し、算出された呼気希釈率、及び検出対象ガス濃度検出手段によって複数の捕集部の各々の検出対象ガス成分を放出して各々検出された検出対象ガスの濃度に基づいて、呼気中の前記検出対象ガスの濃度を算出することができる。
【0022】
上記の検出対象ガスを、エタノールガスとし、参照ガスを、酸素、二酸化炭素、及び水蒸気の何れか1つとすることができる。
【0023】
上記の参照ガス濃度検出手段は、人間の顔から放射された赤外線との相互作用によって生じる吸収スペクトルであって二酸化炭素のC−O伸縮振動による吸収スペクトルを含む所定波長帯域の赤外線を透過する二酸化炭素用光学フィルタと、二酸化炭素用光学フィルタを透過した赤外線を電気信号に変換する二酸化炭素用変換手段とを含む二酸化炭素検出手段、人間の顔から放射された赤外線との相互作用によって生じる吸収スペクトルであって水蒸気による吸収スペクトルを含む所定波長帯域の赤外線を透過する水蒸気用光学フィルタと、水蒸気用光学フィルタを透過した赤外線を電気信号に変換する水蒸気用変換手段とを含む水蒸気検出手段、水蒸気、二酸化炭素、及び酸素の少なくとも1種のガスからなる参照ガスの濃度を検出するガスセンサ、赤外線を放射する光源と赤外線検出器とで構成された水蒸気センサ、または赤外線を放射する光源と赤外線検出器とで構成された二酸化炭素センサで構成することができる。
【0024】
参照ガスの濃度を検出するガスセンサとしては、酸化物半導体または高分子膜静電容量を用いて水蒸気の濃度を検出する水蒸気センサ、固体電解質を用いて二酸化炭素の濃度を検出する二酸化炭素センサ、または、固体電解質を用いて酸素濃度を検出する酸素センサを用いることができる。
【0025】
また、上記の検出対象ガス濃度検出手段は、人間の顔から放射された赤外線との相互作用によって生じる吸収スペクトルであってエタノールのC−O伸縮振動による吸収スペクトルを含む所定波長帯域の赤外線を透過するエタノール用光学フィルタと、前記エタノール用光学フィルタを透過した赤外線を電気信号に変換するエタノール用変換手段とを含むエタノール検出器、酸化物半導体を用いてエタノールガスの濃度を検出するガスセンサ、または赤外線を放射する光源と赤外線検出器とで構成されたアルコールセンサで構成することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように本発明によれば、検出対象の気体中に呼気が含まれるときに、検出対象の気体を吸引して検出対象ガス成分を捕集することにより、呼気が含まれる気体中の検出対象ガス成分を区別して捕集して、検出対象ガスの濃度を検出することができるため、呼気をわざわざ吹き込むことなく自然に呼吸するだけで、呼気中の検出対象ガスの濃度を高感度かつ高精度に検出することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、ドライバの呼気からアルコールの一種であるエタノールの濃度を検出するエタノール濃度検出装置に、本発明を適用した場合を例に説明する。
【0028】
図1に示すように、第1の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置10は、運転席に設けられたステアリングコラム12の、ドライバの呼気が到達可能な位置に取り付けられている。
【0029】
図2に示すように、エタノール濃度検出装置10は、先端部に拡径した吸い込み口20Aが形成された細長円筒状の呼気導入管20を備えており、呼気導入管20によって、後述する吸引濃縮部22に、吸い込み口20Aから吸い込まれた空気が送られる。呼気導入管20の中間部の内部には、酸素の濃度を検出する酸素センサ24が取り付けられている。
【0030】
酸素センサ24は、呼気導入管20内を流れる空気中の酸素の濃度を検出するセンサであり、例えば、ジルコニア固体電解質を用いたFCX−MVL(フジクラ社製、商品名)を使用することができる。
【0031】
また、エタノール濃度検出装置10は、先端部に清浄空気生成用のガスフィルタ26Aが形成された細長円筒状の清浄空気導入管26を備えており、ガスフィルタ26Aによって車室内空気または外気から生成された清浄空気が、清浄空気導入管26によって吸引濃縮部22に送られる。
【0032】
エタノール濃度検出装置10は、吸引濃縮部22によって濃縮された気体を導入するための濃縮空気導入管28を備えている。また、濃縮空気導入管28の中間部の内部には、エタノールガスの濃度を検出するアルコールセンサ30及び測定セル(図示省略)が取り付けられている。濃縮空気導入管28によって、吸引濃縮部22によって濃縮された気体が測定セルに導入され、測定セルに導入された気体中のエタノールガス濃度(ppm)をアルコールセンサ30によって測定する。
【0033】
アルコールセンサ30は、エタノールガスを検出するセンサであり、例えば、酸化錫の半導体を用いたTGS822(フィガロ技研社製、商品名)を使用することができる。
【0034】
吸引濃縮部22は、図3に示すように、エタノール捕集用吸着剤(例えばシリカゲル)を充填させた呼気を含む空気(以下、呼気空気)中のエタノールガス成分を吸引捕集するための捕集部としての第1捕集管50と、エタノール捕集用吸着剤を充填させた車室内空気中のエタノールガス成分を吸引捕集するための捕集部としての第2捕集管52と、呼気導入管20内の空気のガス流路を、第1捕集管50及び第2捕集管52の何れかへ開くように切り替えると共に、清浄空気導入管26からの清浄空気のガス流路を、第1捕集管50及び第2捕集管52の何れかへ開くように切り替えるための第1バルブ54と、第1捕集管50及び第2捕集管52の各々で捕集された呼気空気中のエタノールガス成分及び車室内空気中のエタノールガス成分を切り替えて、濃縮空気導入管28を介してアルコールセンサ30に導入させるための第2バルブ56と、作動することにより第1捕集管50又は第2捕集管52に呼気導入管20内の空気を吸引すると共に、第1捕集管50及び第2捕集管52に吸引捕集されたエタノール成分をアルコールセンサ30に導入するポンプ58と、第1捕集管50及び第2捕集管52の各々に囲うように設けられ、かつ、第1捕集管50及び第2捕集管52の各々に充填されたエタノール捕集用吸着剤を加熱して、エタノール捕集用吸着剤に吸着された呼気空気中のエタノールガス成分及び車室内空気中のエタノールガス成分を脱着させるための加熱脱着用の加熱炉(図示省略)とを備えている。
【0035】
第1バルブ54及び第2バルブ56の切り替え、ポンプ58の作動、及び加熱炉の温度制御は、後述する制御部32から、第1バルブ54、第2バルブ56、ポンプ58、及び加熱炉の各々に入力される制御信号によって制御される。なお、ポンプ58は、簡単のため、一定の流量で吸引するものとする。
【0036】
エタノール濃度検出装置10は、酸素センサ24、アルコールセンサ30、及び吸引濃縮部22に接続され、かつ、吸引濃縮部22を制御すると共に、呼気中のエタノールガスの濃度を算出する制御部32を備えている。
【0037】
制御部32は、コンピュータで構成され、CPU、プログラムを記憶したROM、データ等を記憶するRAM、及びこれらを接続するバスを含んで構成されている。この制御部32をハードウエアとソフトウエアとに基づいて定まる機能実現手段毎に分割した機能ブロックで説明すると、図3に示すように、酸素センサ24からの出力濃度に基づいて、呼気導入管20内を流れる空気中に呼気が含まれるか否かを判定すると共に、呼気が含まれる場合と呼気が含まれない場合との各々における酸素センサ24からの出力濃度を出力する呼気判定部40と、吸引時間を設定する吸引時間設定部41と、呼気判定部40の判定結果に応じて、吸引濃縮部22を制御する吸引脱着制御部42と、呼気が含まれる場合と呼気が含まれない場合との各々における酸素センサ24からの出力濃度、及びアルコールセンサ30からの出力濃度に基づいて、呼気中に含まれるエタノールガスの濃度を算出するエタノール濃度算出部44とを備えている。
【0038】
呼気判定部40は、酸素センサ24の出力濃度の変化に基づいて、呼気導入管20内の気体中に呼気が含まれるか否かを判定し、酸素センサ24の出力濃度が所定の濃度以下になったときに、呼気が含まれると判定し、呼気スタート信号を、吸引脱着制御部42に出力する。一方、呼気判定部40は、酸素センサ24の出力濃度が所定の濃度より大きくなったときに、呼気が含まれていないと判定し、呼気終了信号を、吸引脱着制御部42に出力する。また、呼気判定部は、呼気が含まれると判定したときの酸素センサ24の出力濃度を、呼気空気中の酸素濃度として出力すると共に、呼気が含まれていないと判定したときの酸素センサ24の出力濃度を、車室内空気中の酸素濃度としてエタノール濃度算出部44に出力する。
【0039】
なお、呼気が含まれるか否かを判定するための所定の濃度は、予め設定しておくか、もしくは、直前の所定時間の平均値、最大値、及び最小値の少なくとも一つを用いて算出すればよい。例えば、判定直前の10秒間の平均値を、呼気が含まれるか否かを判定するための所定の濃度とする。
【0040】
吸引時間設定部41は、必要とされる感度と時間分解能とに対応して、操作部(図示省略)の操作によって入力された吸引時間を設定する。
【0041】
吸引脱着制御部42は、ポンプ58の作動を制御し、吸引時間設定部41によって設定された吸引時間と、呼気判定部40から入力された呼気スタート信号及び呼気終了信号に応じて、吸引濃縮部22の第1バルブ54によるガス流路を切り替えると共に、呼気空気中のエタノールガス成分及び車室内空気中のエタノールガス成分の各々を第1捕集管50及び第2捕集管52の各々に吸引捕集する。
【0042】
図4に示すように、呼気判定部40から呼気スタート信号が入力されたときに、第1バルブ54を切り替えて、第1捕集管50へのガス流路を開いて、呼気導入管20内の呼気空気中のエタノールガス成分を第1捕集管50に吸引捕集する。また、呼気判定部40から呼気終了信号が入力されたときに、第2バルブ56を切り替えて、第2捕集管52へのガス流路を開いて、呼気導入管20内の車室内空気中のエタノールガス成分を、第2捕集管52に吸引捕集する。
【0043】
ここで、車室内空気中のエタノールガス成分と区別して、ドライバの呼気空気中のエタノールガス濃度を、適切な感度で測定するためには、濃縮による高感度化と時間分解能の確保との両立が必要である。そこで、必要とされる感度と時間分解能とに応じて吸引時間の長さを設定し、呼気空気中のエタノールガス成分と車室内空気中のエタノールガス成分とを区別して、それぞれを濃縮捕集し、エタノールガス濃度を検出する。
【0044】
本実施の形態では、濃縮による高感度化のため、上記の吸引時間を、呼吸時間(約3秒)の1/2よりも長い時間、例えば5秒間に設定する。吸引脱着制御部42は、呼気空気の累積吸引時間(Tr1+Tr2+Tr3+Tr4)が設定時間(5秒間)に達するまで、呼気空気中のエタノールガス成分を吸引捕集するように制御する。
【0045】
呼気空気の累積吸引時間が設定時間(5秒間)に達したら、吸引脱着制御部42は、吸引濃縮部22の第1バルブ54によるガス流路を切り替えて、清浄空気導入管26から第1捕集管50へのガス流路を開くように第1バルブ54を制御すると共に、第2バルブ56によるガス流路を切り替えて、第1捕集管50からアルコールセンサ30へのガス流路を開くように第2バルブ56を制御する。そして、吸引脱着制御部42は、第1捕集管50のエタノール捕集用吸着剤に吸着された呼気空気中のエタノールガス成分を加熱脱着させて放出するように加熱炉を制御すると共に、作動中のポンプ58によって、清浄空気導入管26から第1捕集管50に清浄空気を流し、吸引捕集された呼気空気中のエタノールガス成分を、アルコールセンサ30へ導入する。呼気空気中のエタノールガス成分のアルコールセンサ30による検出が終了すると、吸引脱着制御部42は、吸引濃縮部22の第1バルブ54によるガス流路を切り替えて、清浄空気導入管26から第2捕集管52へのガス流路を開くように第1バルブ54を制御すると共に、第2バルブ56によるガス流路を切り替えて、第2捕集管52からアルコールセンサ30へのガス流路を開くように第2バルブ56を制御する。そして、吸引脱着制御部42は、第2捕集管52のエタノール捕集用吸着剤に吸着された車室内空気中のエタノールガス成分を加熱脱着させて放出するように加熱炉を制御すると共に、作動中のポンプ58によって、清浄空気導入管26から第2捕集管52に清浄空気を流し、吸引捕集された車室内空気中のエタノールガス成分を、アルコールセンサ30へ導入する。
【0046】
エタノール濃度算出部44は、呼気判定部40から出力された呼気空気中の酸素濃度及び車室内空気中の酸素濃度と、アルコールセンサ30によって検出された呼気空気中のエタノールガス濃度及び車室内空気中のエタノールガス濃度と、予め求められた呼気中の酸素濃度とに基づいて、呼気中のエタノールガス濃度を算出する。ここで、呼気中の酸素濃度は、ほぼ一定濃度であり、例えば、約16%である。
【0047】
エタノール濃度算出部44は、以下に説明するように、検出された呼気空気の希釈倍率(ドライバ呼気が何倍に希釈されたかを表わす倍率)を算出し、呼気空気中のエタノールガス濃度、車室内空気中のエタノールガス濃度、及び希釈倍率から、ドライバの呼気中のエタノールガス濃度を算出する。
【0048】
アルコールセンサ30で検出された呼気空気中のエタノールガス濃度をエタノール濃度1、車室内空気中のエタノールガス濃度をエタノール濃度2とすると、まず、以下の(1)式により、単位呼気空気量当たりのエタノール濃度を算出する。
単位呼気空気量当たりのエタノール濃度(Ebreath)=
エタノール濃度1×脱着空気量÷呼気空気吸引量 ・・・(1)
【0049】
ただし、脱着空気量は、加熱脱着するときにポンプ58を作動した作動時間とポンプ58の定流量との積から求められる量であり、呼気空気吸引量は、呼気空気を第1捕集管50に吸引するときにポンプを作動した作動時間(吸引時間Tと等しい)とポンプ58の定流量との積から求められる量である。
【0050】
また、以下の(2)式により、単位車室内空気量当たりのエタノール濃度を算出する。
単位車室内空気量当たりのエタノール濃度(Ebase)=
エタノール濃度2×脱着空気量÷車室内空気吸引量 ・・・(2)
【0051】
ただし、車室内空気吸引量は、車室内空気を第2捕集管52に吸引するときにポンプを作動した作動時間(後述する吸引時間Tと等しい)とポンプ58の定流量との積から求められる量である。
【0052】
そして、以下の(3)式により、単位呼気空気量当たりの酸素濃度を算出する。
単位呼気空気量当たりの酸素濃度(Obreath)=
呼気空気中の酸素濃度の吸引期間における積分値÷呼気空気吸引量 ・・・(3)
【0053】
次に、以下の(4)式により、単位車室内空気量当たりの酸素濃度を算出する。
単位車室内空気量当たりの酸素濃度(Obase)=
車室内空気中の酸素濃度の吸引期間における積分値÷車室内空気吸引量 ・・・(4)
【0054】
そして、以下の(5)式により、ドライバの呼気中のエタノールガス濃度を算出する。
ドライバの呼気中のエタノールガス濃度=
(Ebreath−Ebase)*(O−Obase)/(Obreath−Obase)+Ebase
・・・(5)
ただし、Oは呼気中酸素濃度(約16%)を表わし、(O−Obase)/(Obreath−Obase)は、検出された呼気空気の希釈倍率を表す。
【0055】
次に、第1の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置10の作用について説明する。ドライバが車両シートに着座すると、ドライバの呼気が呼気導入管20に吹き込まれる状態となり、ドライバによってイグニッションスイッチがオンされると、エタノール濃度検出装置10の制御部32において、図5に示す呼気判定処理ルーチンが実行される。なお、吸引時間が、ドライバによって予め設定されている場合を例に説明する。
【0056】
まず、ステップ100において、酸素センサ24からの出力濃度を取得し、ステップ102において、上記ステップ100で取得した出力濃度が、所定の濃度(直前の10秒間の酸素濃度の平均値)以下であるか否かを判定し、酸素センサ24からの出力濃度が所定の濃度より大きい場合には、呼気導入管20内の空気に呼気が含まれていないと判断し、上記ステップ100へ戻る。一方、酸素センサ24からの出力濃度が所定の濃度以下である場合には、呼気導入管20内の空気に呼気が含まれていると判断し、ステップ104において、吸引脱着制御部42に呼気スタート信号を出力する。
【0057】
そして、ステップ106において、酸素センサ24からの出力濃度を取得し、ステップ108において、上記ステップ106で取得した出力濃度が、所定の濃度より大きいか否かを判定し、酸素センサ24からの出力濃度が所定の濃度以下である場合には、呼気導入管20内の空気に呼気が含まれていると判断し、上記ステップ106へ戻る。一方、酸素センサ24からの出力濃度が所定の濃度より大きい場合には、呼気導入管20内の空気に呼気が含まれていないと判断し、ステップ110において、吸引脱着制御部42に呼気終了信号を出力し、上記ステップ100へ戻る。
【0058】
上記のように、呼気判定処理ルーチンを実行すると、ドライバが呼気を呼気導入管20に吹き込み、呼気導入管20内の空気に呼気が含まれるようになると、吸引脱着制御部42に呼気スタート信号が出力される。また、ドライバが呼気を呼気導入管20に吹き込まなくなり、呼気導入管20内の空気に呼気が含まれなくなると、吸引脱着制御部42に呼気終了信号が出力される。
【0059】
また、エタノール濃度検出装置10の制御部32において、図6に示す吸引脱着処理ルーチンが実行される。まず、ステップ118において、呼気導入管20内に呼気吸気を吸引するように、ポンプ58を作動させる。そして、ステップ120において、呼気空気の吸引時間を表わす変数T及び車室内空気の吸引時間を表わす変数Tの各々を初期値の0にセットし、ステップ122において、吸引脱着制御部42に呼気スタート信号が入力されたか否かを判定する。吸引脱着制御部42に呼気スタート信号が入力されると、ステップ124へ進み、第1捕集管50へのガス流路を開くように第1バルブ54の切り替えを制御する。これによって、呼気導入管20内の呼気空気が吸引され、第1捕集管50に呼気空気中のエタノールガス成分が捕集される。次のステップ127では、呼気空気中の酸素濃度として、酸素センサ24からの出力濃度を取得する。
【0060】
そして、ステップ128において、呼気終了信号が入力されたか否かを判定する。呼気終了信号が入力されない場合には、ステップ127へ戻るが、一方、吸引脱着制御部42に呼気終了信号が入力されると、ステップ130へ進み、呼気空気が第1捕集管50に吸引された吸引時間を、Tに加算する。
【0061】
次のステップ131では、吸引時間Tが、設定時間である5秒以上であるか否かを判定し、吸引時間Tが設定時間に達していない場合には、ステップ132へ移行するが、一方、吸引時間Tが設定時間に達している場合には、ステップ133において、第1捕集管50における加熱脱着処理を開始して、ステップ132へ移行する。上記ステップ133では、第1捕集管50に捕集された呼気空気中のエタノールガス成分がアルコールセンサ30へ導入されるように第2バルブ56の切り替えを制御すると共に、ガスフィルタ26Aによって生成された清浄空気が第1捕集管50に流れるように第1バルブ54の切り替えを制御する。また、加熱炉の温度を制御し、第1捕集管50にエタノール捕集用吸着剤に吸着された呼気空気中のエタノールガス成分を加熱脱着して、アルコールセンサ30へ導入する。
【0062】
ステップ132では、第2捕集管52へのガス流路を開くように第1バルブ54の切り替えを制御する。これによって、呼気導入管20内の車室内空気が吸引され第2捕集管52に車室内空気中のエタノールガス成分が捕集される。次のステップ135では、車室内空気中の酸素濃度として、酸素センサ24からの出力濃度を取得する。
【0063】
次のステップ136では、呼気スタート信号が入力されたか否かを判定する。呼気スタート信号が入力されない場合には、ステップ135へ戻るが、吸引脱着制御部42に呼気スタート信号が入力されると、ステップ138へ進み、車室内空気が第2捕集管52に吸引された吸引時間を、Tに加算する。そして、ステップ140において、吸引時間Tが、設定時間である5秒以上であるか否かを判定し、吸引時間Tが設定時間に達していない場合には、ステップ124へ戻るが、一方、吸引時間Tが設定時間に達している場合には、ステップ144へ移行する。
【0064】
ステップ144では、捕集された呼気空気中のエタノールガス成分が上記ステップ133で加熱脱着されてアルコールセンサ30に導入されたときにアルコールセンサ30から出力される濃度を、呼気空気中のエタノールガス濃度として取得する。
【0065】
そして、ステップ146において、第2捕集管52における加熱脱着処理を開始する。上記ステップ146では、第2捕集管52に捕集された車室内空気中のエタノールガス成分がアルコールセンサ30へ導入されるように第2バルブ56の切り替えを制御すると共に、ガスフィルタ26Aによって生成された清浄空気が第2捕集管52に流れるように第1バルブ54の切り替えを制御する。また、加熱炉の温度を制御し、第2捕集管52のエタノール捕集用吸着剤に吸着された車室内空気中のエタノールガス成分を加熱脱着して、アルコールセンサ30へ導入する。
【0066】
次のステップ148では、捕集された車室内空気中のエタノールガス成分が加熱脱着されてアルコールセンサ30に導入されたときにアルコールセンサ30から出力される濃度を、車室内空気中のエタノールガス濃度として取得する。
【0067】
そして、ステップ150において、上記ステップ127で取得された呼気空気中の酸素濃度、上記ステップ135で取得された車室内空気中の酸素濃度、吸引時間T、吸引時間T、上記ステップ144で取得された呼気空気中のエタノールガス濃度、及び上記ステップ148で取得された車室内空気中のエタノールガス濃度を用いて、上記(1)式〜(5)式に従って、ドライバの呼気中のエタノールガス濃度を算出する。そして、ステップ152において、上記ステップ150で算出された呼気中のエタノールガス濃度を、車室内に設けられた表示部(図示省略)によって表示して、吸引脱着処理ルーチンを終了する。
【0068】
以上説明したように、第1の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置によれば、呼気導入管内の空気に呼気が含まれるときに、呼気空気を吸引してエタノールガス成分を捕集することにより、呼気空気中のエタノールガス成分を区別して捕集して、呼気空気中のエタノールガスの濃度を検出することができるため、呼気をわざわざ吹き込むことなく自然に呼吸するだけで、呼気中のエタノールガスの濃度を高感度かつ高精度に検出することができる。
【0069】
また、呼気導入管内の空気に呼気が含まれるか否かの判定結果に応じて、捕集管を切り替えてエタノールガス成分を捕集することにより、呼気空気及び車室内空気を区別して、呼気空気及び車室内空気の各々について、エタノールガスの濃度を検出することができる。
【0070】
また、酸素センサによって検出された呼気導入管内の空気中の酸素濃度に基づいて、呼気が含まれるか否かを精度よく判定することができる。
【0071】
また、呼気空気を所定の吸引時間だけ吸引してエタノールガス成分を濃縮して捕集するため、所望の感度で、エタノールガスの濃度を検出することができる。
【0072】
また、必要とされる感度と時間分解能とに応じ、吸引時間の長さを設定し、呼気空気と車室内空気を区別してそれぞれ別の捕集管に吸引して、捕集したエタノールガス成分からエタノールガス濃度を検出することにより、適切な感度と時間分解能とで呼気空気中のエタノールガス濃度を検出することができる。また、検出時の呼気希釈率を算出し、呼気希釈率を用いて、希釈される前の呼気中のエタノールガス濃度を算出することができる。この結果、呼気を吹き込まなくても、適切な感度で選択的にドライバ呼気中のエタノールガス濃度を検出することができる。
【0073】
次に、第2の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となっている部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0074】
第2の実施の形態では、高い時間分解能を得るために吸引時間を短く設定している点が第1の実施の形態と異なっている。
【0075】
第2の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置10の制御部32では、吸引時間設定部41によって、吸引脱着制御部42の吸引時間が、例えば1秒間に設定される。また、第1捕集管50及び第2捕集管52の各々には、呼気空気中のエタノールガス成分及び車室内空気中のエタノールガス成分の双方が吸引捕集される。
【0076】
吸引脱着制御部42は、ポンプ58の作動を制御し、吸引時間設定部41によって設定された吸引時間と、呼気判定部40から入力された呼気スタート信号及び呼気終了信号に応じて、吸引濃縮部22の第1バルブ54によるガス流路を切り替えると共に、呼気導入管20内の空気を第1捕集管50及び第2捕集管52の各々に吸引して空気中のエタノールガス成分を捕集する。
【0077】
図7に示すように、設定された吸引時間(1秒)毎に、第1捕集管50及び第2捕集管52の何れか一方へのガス流路を開いて、呼気導入管20内の空気を吸引するように、第1バルブ54の切り替えを制御して、呼気導入管20内の空気中のエタノールガス成分を第1捕集管50及び第2捕集管に交互に吸引捕集する。
【0078】
また、1秒間の吸引途中であっても、呼気判定部40から呼気スタート信号または呼気終了信号が入力された場合は、第1バルブ54の切り替えを制御して、吸引捕集する捕集管を第1捕集管50及び第2捕集管の一方から他方に切り替える。
【0079】
設定された吸引時間(1秒)が終了し、もしくは、呼気判定部40から呼気スタート信号または呼気終了信号が入力されて、第1捕集管50への吸引捕集が終了したら、吸引脱着制御部42は、吸引濃縮部22の第1バルブ54によるガス流路を切り替えて、清浄空気導入管26から第1捕集管50へのガス流路を開くように第1バルブ54を制御すると共に、第2バルブ56によるガス流路を切り替えて、第1捕集管50からアルコールセンサ30へのガス流路を開くように第2バルブ56を制御する。そして、吸引脱着制御部42は、第1捕集管50のエタノール捕集用吸着剤に吸着された呼気空気中又は車室内空気中のエタノールガス成分を加熱脱着させるように加熱炉を制御すると共に、作動中のポンプ58によって、清浄空気導入管26から第1捕集管50に清浄空気を流し、吸引捕集された呼気空気中又は車室内空気中のエタノールガス成分を、アルコールセンサ30へ導入する。
【0080】
また、設定された吸引時間(1秒)が終了し、もしくは、呼気判定部40から呼気スタート信号または呼気終了信号が入力されて、第2捕集管52への吸引捕集が終了したら、第1捕集管50への吸引捕集が終了した場合と同様に、吸引脱着制御部42は、第1バルブ54によるガス流路の切り替え、第2バルブ56によるガス流路の切り替え、及び加熱炉を制御して、第2捕集管52に吸引捕集された呼気空気中又は車室内空気中のエタノールガス成分を、アルコールセンサ30へ導入する。
【0081】
次に、第2の実施の形態に係る吸引脱着処理ルーチンの内容について図8を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の処理については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0082】
まず、ステップ118において、呼気導入管20内に呼気吸気を吸引するように、ポンプ58を作動させる。そして、ステップ122において、吸引脱着制御部42に呼気スタート信号が入力されたか否かを判定する。吸引脱着制御部42に呼気スタート信号が入力されると、ステップ124へ進み、第1捕集管50へのガス流路を開くように第1バルブ54の切り替えを制御する。これによって、呼気導入管20内の空気(初期は呼気空気)が第1捕集管50に吸引され、空気中(初期は呼気空気中)のエタノールガス成分が第1捕集管50に吸引捕集される。次のステップ127では、呼気空気中又は車室内空気中の酸素濃度(初期は呼気空気中の酸素濃度)として、酸素センサ24からの出力濃度を取得する。
【0083】
そして、ステップ250において、吸引脱着制御部42に呼気スタート信号又は呼気終了信号が入力されたか、または、第1捕集管50への吸引時間が、設定時間(1秒)に達したか否かを判定する。呼気スタート信号及び呼気終了信号の何れもが入力されない場合であって、吸引時間が設定時間に達していない場合には、ステップ127へ戻る。一方、呼気スタート信号又は呼気終了信号が入力された場合や、吸引時間が設定時間に達した場合には、ステップ133に進む。
【0084】
ステップ133では、第1捕集管50における加熱脱着処理を開始する。上記ステップ133では、第1捕集管50に捕集されたエタノールガス成分がアルコールセンサ30へ導入されるように第2バルブ56の切り替えを制御すると共に、清浄空気が第1捕集管50に流れるように第1バルブ54の切り替えを制御する。また、加熱炉の温度を制御し、第1捕集管50に吸着されたエタノールガス成分を加熱脱着して、アルコールセンサ30へ導入する。そして、ステップ132では、第2捕集管52へのガス流路を開くように第1バルブ54の切り替えを制御する。これによって、呼気導入管20内の空気が第2捕集管52に吸引され、呼気導入管20内の空気中のエタノールガス成分が第2捕集管52に吸引捕集される。
【0085】
次のステップ144では、アルコールセンサ30から出力される濃度を、呼気空気中又は車室内空気中のエタノールガス濃度として取得する。なお、呼気空気中のエタノールガス濃度および車室内空気中のエタノールガス濃度の何れであるかは、直前に入力された信号が呼気スタート信号及び呼気終了信号の何れであるかに基づいて判断すればよい。
【0086】
そして、ステップ135では、呼気空気中または車室内空気中の酸素濃度として、酸素センサ24からの出力濃度を取得する。
【0087】
そして、ステップ252において、吸引脱着制御部42に呼気スタート信号又は呼気終了信号が入力されたか、または、第2捕集管52への吸引時間が、設定時間(1秒)に達したか否かを判定する。呼気スタート信号及び呼気終了信号の何れもが入力されない場合であって、吸引時間が設定時間に達していない場合には、ステップ135へ戻る。一方、呼気スタート信号又は呼気終了信号が入力された場合や、吸引時間が設定時間に達した場合には、ステップ146に進む。
【0088】
ステップ146では、第2捕集管52における加熱脱着処理を開始する。上記ステップ146では、第2捕集管52に捕集されたエタノールガス成分がアルコールセンサ30へ導入されるように第2バルブ56の切り替えを制御すると共に、清浄空気が第2捕集管52に流れるように第1バルブ54の切り替えを制御する。また、加熱炉の温度を制御し、第2捕集管52に吸着されたエタノールガス成分を加熱脱着して、アルコールセンサ30へ導入する。
【0089】
次のステップ253では、第1捕集管50へのガス流路を開くように第1バルブ54の切り替えを制御する。これによって、呼気導入管20内の空気が第1捕集管50に吸引され、空気中のエタノールガス成分が第1捕集管50に吸引捕集される。
【0090】
次のステップ148では、アルコールセンサ30から出力される濃度を、呼気空気中又は車室内空気中のエタノールガス濃度として取得する。
【0091】
そして、ステップ254において、吸引濃縮処理を終了するか否かを判定し、例えば、アルコールセンサ30から、終了条件として設定された回数だけエタノールガス濃度を取得したか否かを判定し、設定された回数に達していない場合には、上記ステップ127へ戻るが、一方、設定された回数に達した場合には、ステップ256へ進む。
【0092】
そして、ステップ256において、上記ステップ127で取得された呼気空気中又は車室内空気中の酸素濃度、上記ステップ135で取得された呼気空気中又は車室内空気中の酸素濃度、上記ステップ144で取得された呼気空気中又は車室内空気中のエタノールガス濃度、及び上記ステップ148で取得された呼気空気中又は車室内空気中のエタノールガス濃度を用いて、上記第1の実施の形態と同様に、上記(1)式〜(5)式に従って、ドライバの呼気中のエタノールガス濃度を算出する。そして、ステップ258において、上記ステップ256で算出された呼気中のエタノールガス濃度を、車室内に設けられた表示部によって表示して、吸引脱着処理ルーチンを終了する。
【0093】
以上説明したように、第2の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置によれば、所定の吸引時間の吸引毎に、捕集管を切り替えて、エタノールガス成分を捕集して、エタノールガスの濃度を検出することにより、所望の時間分解能でエタノールガスの濃度を検出することができる。また、吸引時間を短い時間に設定して、高い時間分解能で呼気中のエタノールガスの濃度を検出することができる。
【0094】
また、吸引時間を短くすることにより、短い時間でエタノールガス濃度を検出することができる。
【0095】
次に、第3の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となっている部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0096】
第3の実施の形態では、参照ガスとして二酸化炭素を検出する二酸化炭素センサを用いている点が第1の実施の形態と異なっている。
【0097】
第3の実施の形態に係るエタノール検出装置では、呼気導入管20の中間部の内部に、二酸化炭素の濃度を検出する二酸化炭素センサが取り付けられており、二酸化炭素センサの出力濃度が制御部32に入力される。
【0098】
二酸化炭素センサは、呼気導入管20内を流れる気体中に含まれる二酸化炭素を検出するセンサであり、例えば、固体電解質を用いたCDM4160(フィガロ技研社製、商品名)を使用することができる。
【0099】
なお、参照ガスの濃度として二酸化炭素の濃度を用いる場合には、酸素の濃度を用いる場合とは反対に、大気中に比べて呼気中の濃度は増加するので、二酸化炭素センサの出力濃度は、大気中の二酸化炭素センサの出力濃度より増加することになる。
【0100】
制御部32の呼気判定部40は、二酸化炭素センサの出力濃度の変化に基づいて、呼気導入管20内の気体中に呼気が含まれるか否かを判定し、二酸化炭素センサの出力濃度が所定の濃度以上になったら、呼気が含まれると判定し、呼気スタート信号を、吸引脱着制御部42に出力する。一方、二酸化炭素センサの出力濃度が所定の濃度未満になったら、呼気が含まれていないと判定し、呼気終了信号を、吸引脱着制御部42に出力する。また、呼気判定部は、呼気が含まれると判定したときの二酸化炭素センサの出力濃度を、呼気空気中の二酸化炭素濃度として出力すると共に、呼気が含まれていないと判定したときの二酸化炭素センサの出力濃度を、車室内空気中の二酸化炭素濃度としてエタノール濃度算出部44に出力する。
【0101】
エタノール濃度算出部44は、呼気判定部40から出力された呼気空気中の二酸化炭素濃度及び車室内空気中の二酸化炭素濃度と、アルコールセンサ30によって検出された呼気空気中のエタノールガス濃度及び車室内空気中のエタノールガス濃度と、予め求められた呼気中の二酸化炭素濃度とに基づいて、上記第1の実施の形態と同様に、呼気中のエタノールガス濃度を算出する。ここで、呼気中の二酸化炭素濃度は、ほぼ一定濃度であり、例えば、約40000ppmである。
【0102】
次に、第4の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置について説明する。第4の実施の形態では、参照ガスとして水蒸気を検出する水蒸気センサを用いている点が第1の実施の形態と異なっている。
【0103】
第4の実施の形態に係るエタノール検出装置では、呼気導入管20の中間部の内部に、水蒸気の濃度を検出する水蒸気センサが取り付けられており、水蒸気センサの出力濃度が制御部32に入力される。
【0104】
水蒸気センサとしては、酸化錫の半導体を用いたTGS2180(フィガロ技研社製、商品名)を用いることができる。また、高分子膜静電容量を用いた水蒸気センサを用いてもよい。
【0105】
なお、参照ガスの濃度として水蒸気の濃度を用いる場合には、酸素の濃度を用いる場合とは反対に、大気中に比べて呼気中の濃度は増加するので、水蒸気センサの出力濃度は、大気中の水蒸気センサの出力濃度より増加することになる。
【0106】
制御部32の呼気判定部40は、水蒸気センサの出力濃度の変化に基づいて、呼気導入管20内の気体中に呼気が含まれるか否かを判定し、水蒸気センサの出力濃度が所定の濃度以上になったら、呼気が含まれると判定し、呼気スタート信号を、吸引脱着制御部42に出力する。一方、水蒸気センサの出力濃度が所定の濃度未満になったら、呼気が含まれていないと判定し、呼気終了信号を、吸引脱着制御部42に出力する。また、呼気判定部は、呼気が含まれると判定したときの水蒸気センサの出力濃度を、呼気空気中の水蒸気濃度として出力すると共に、呼気が含まれていないと判定したときの水蒸気センサの出力濃度を、車室内空気中の水蒸気としてエタノール濃度算出部44に出力する。
【0107】
エタノール濃度算出部44は、呼気判定部40から出力された呼気空気中の水蒸気濃度及び車室内空気中の水蒸気濃度と、アルコールセンサ30によって検出された呼気空気中のエタノールガス濃度及び車室内空気中のエタノールガス濃度と、予め求められた呼気中の水蒸気濃度とに基づいて、上記第1の実施の形態と同様に、呼気中のエタノールガス濃度を算出する。ここで、呼気中の水蒸気濃度は、ほぼ一定濃度であり、例えば、例えば、34℃の飽和水蒸気濃度の値である。
【0108】
上記の実施の形態では、上記(1)式〜(5)式に従って、呼気中のエタノールガスの濃度を算出する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、以下の(6)式〜(8)式のいずれか1つの式に従って、呼気中のエタノールガスの濃度を算出するようにしてもよい。
【0109】
エタノールガスの濃度=(Δa/Δb) ・・・(6)
エタノールガスの濃度=(Δa/Δb)・BG ・・・(7)
エタノールガスの濃度=(Δa/Δb)・(BG−AG)
+[EtOH]base・・・(8)
【0110】
ただし、Δaは、呼気空気中のエタノールガスの濃度との変化量、変化率、または所定時間内の積分値、Δbは、酸素センサ等で検出された酸素などの濃度の変化量、変化率、または所定時間内の積分値、BGは予め求められた呼気中の酸素などの濃度、AGは酸素センサなどで検出された車室内空気中の酸素などの濃度、[EtOH]baseは、アルコールセンサで検出された車室内空気中のエタノールガスの濃度である。
【0111】
また、アルコールセンサと、酸素センサ、二酸化炭素センサ、又は水蒸気センサとを用いて構成した場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、二酸化炭素濃度を検出する構成として、二酸化炭素用光学フィルタと二酸化炭素用光学フィルタを透過した赤外線を電気信号に変換する変換部とを含む二酸化炭素検出部、又は赤外線を放射する光源と赤外線検出器とで構成された二酸化炭素センサを設けた構成としてもよい。また、水蒸気濃度を検出する構成として、水蒸気用光学フィルタと水蒸気用光学フィルタを透過した赤外線を電気信号に変換する変換部とを含む水蒸気検出部、又は赤外線を放射する光源と赤外線検出器とで構成された水蒸気センサを設けた構成としてもよい。
【0112】
また、エタノールガスの濃度を検出する構成として、エタノール用光学フィルタとエタノール用光学フィルタを透過した赤外線を電気信号に変換する変換部とを含むエタノール検出器、又は赤外線を放射する光源と赤外線検出器とで構成されたアルコールセンサを設けた構成としてもよい。
【0113】
また、算出された呼気中のエタノールガスの濃度を表示する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、算出したエタノールガス濃度と予め定めた閾値とを比較し、算出したエタノールガス濃度が閾値以上の場合にエタノールの濃度が高いと判定し、エンジンが始動できないようにする等の不正ができないように制御するようにしてもよい。
【0114】
また、吸引脱着処理ルーチンでは、1回だけ呼気中のエタノールガス濃度を算出する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、エタノールガス濃度を算出するための一連の処理を繰り返し実行するようにしてもよい。
【0115】
上記では、ドライバの呼気からエタノールを検出する例について説明したが、エタノール濃度検出装置を携帯可能に構成する等により、本発明はドライバ以外の人間の呼気からエタノールを検出する場合にも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本実施の形態のエタノール濃度検出装置を運転席のステアリングコラムに取り付けた状態を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の制御部及び吸引濃縮部の構成を示すブロック図である。
【図4】呼気スタート信号及び呼気終了信号の入力に応じて、捕集する捕集管を切り替える様子を示すイメージ図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置の呼気判定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置の吸引脱着処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図7】吸引時間毎に、捕集する捕集管を切り替える様子を示すイメージ図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置の吸引脱着処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0117】
10 エタノール濃度検出装置
20 呼気導入管
22 吸引濃縮部
24 酸素センサ
26A ガスフィルタ
26 清浄空気導入管
28 濃縮空気導入管
30 アルコールセンサ
32 制御部
40 呼気判定部
42 吸引脱着制御部
44 エタノール濃度算出部
50 第1捕集管
52 第2捕集管
54 第1バルブ
56 第2バルブ
58 ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象の気体中に呼気が含まれるか否かを判定する呼気判定手段と、
前記呼気判定手段によって呼気が含まれると判定されたときに、前記検出対象の気体を吸引して検出対象ガス成分を捕集する吸引捕集手段と、
前記吸引捕集手段によって捕集された検出対象ガス成分を放出して、検出対象ガスの濃度を検出する検出対象ガス濃度検出手段と、
前記検出対象ガス濃度検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度に基づいて、呼気中の前記検出対象ガスの濃度を算出する算出手段と、
を含むガス濃縮検出装置。
【請求項2】
前記検出対象の気体中に含まれる参照ガスの濃度を検出する参照ガス濃度検出手段を更に含み、
前記呼気判定手段は、前記参照ガス濃度検出手段によって検出された前記参照ガスの濃度に基づいて、前記検出対象の気体中に呼気が含まれるか否かを判定する請求項1記載のガス濃縮検出装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記検出対象ガス濃度検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度、及び前記参照ガス濃度検出手段によって検出された前記参照ガスの濃度に基づいて、呼気中の前記検出対象ガスの濃度を算出する請求項2記載のガス濃縮検出装置。
【請求項4】
前記吸引捕集手段は、前記検出対象ガス成分を捕集する複数の捕集部を備え、前記呼気判定手段による判定結果に応じて、前記複数の捕集部の何れかに切り替えて、前記検出対象の気体を吸引して前記切り替えられた前記捕集部に前記検出対象ガス成分を捕集し、
前記検出対象ガス濃度検出手段は、前記複数の捕集部の各々に捕集された前記検出対象ガス成分を放出して前記検出対象ガスの濃度を各々検出し、
前記算出手段は、前記検出対象ガス濃度検出手段によって前記複数の捕集部の各々の前記検出対象ガス成分を放出して各々検出された前記検出対象ガスの濃度に基づいて、呼気中の前記検出対象ガスの濃度を算出する請求項1〜請求項3の何れか1項記載のガス濃縮検出装置。
【請求項5】
前記検出対象ガス濃度検出手段は、所定の吸引時間の吸引により前記捕集部に捕集された前記検出対象ガス成分を放出して前記検出対象ガスの濃度を検出する請求項4記載のガス濃縮検出装置。
【請求項6】
前記吸引捕集手段は、前記呼気判定手段による判定結果に応じて、前記複数の捕集部の何れかに切り替えると共に、所定の吸引時間の吸引毎に前記複数の捕集部の何れかに切り替えて、前記検出対象の気体を吸引して前記切り替えられた前記捕集部に前記検出対象ガス成分を捕集し、
前記検出対象ガス濃度検出手段は、前記捕集部に前記検出対象ガス成分を捕集する毎に、前記捕集部に捕集された前記検出対象ガス成分を放出して前記検出対象ガスの濃度を検出する請求項4記載のガス濃縮検出装置。
【請求項7】
前記吸引捕集手段は、前記呼気判定手段による判定結果に応じて、前記複数の捕集部の何れかへのガス流路を開くようにバルブを切り替えて、ポンプの作動によって前記検出対象の気体を吸引して前記切り替えられた前記捕集部に前記検出対象ガス成分を捕集する請求項4〜請求項6の何れか1項記載のガス濃縮検出装置。
【請求項8】
前記検出対象の気体中に含まれる参照ガスの濃度を検出する参照ガス濃度検出手段を更に含み、
前記算出手段は、前記検出対象ガス濃度検出手段によって前記複数の捕集部の各々の前記検出対象ガス成分を放出して各々検出された前記検出対象ガスの濃度、前記呼気判定手段によって呼気が含まれると判定されたときに前記参照ガス濃度検出手段によって検出された前記参照ガスの濃度、前記呼気判定手段によって呼気が含まれないと判定されたときに前記参照ガス濃度検出手段によって検出された前記参照ガスの濃度、及び予め求められた呼気中の前記参照ガスの濃度に基づいて、呼気中の前記検出対象ガスの濃度を算出する請求項4〜請求項7の何れか1項記載のガス濃縮検出装置。
【請求項9】
前記算出手段は、前記呼気判定手段によって呼気が含まれると判定されたときに前記参照ガス濃度検出手段によって検出された前記参照ガスの濃度、前記呼気判定手段によって呼気が含まれないと判定されたときに前記参照ガス濃度検出手段によって検出された前記参照ガスの濃度、及び予め求められた呼気中の前記参照ガスの濃度に基づいて、呼気希釈率を算出し、前記算出された呼気希釈率、及び前記検出対象ガス濃度検出手段によって前記複数の捕集部の各々の前記検出対象ガス成分を放出して各々検出された前記検出対象ガスの濃度に基づいて、呼気中の前記検出対象ガスの濃度を算出する請求項8記載のガス濃縮検出装置。
【請求項10】
前記検出対象ガスを、エタノールガスとし、
前記参照ガスを、酸素、二酸化炭素、及び水蒸気の何れか1つとした請求項1〜請求項9の何れか1項記載のガス濃縮検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−58398(P2009−58398A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−226580(P2007−226580)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】