説明

ガス状媒体から気体、液体及び/又は固体要素を抽出し、それらを液状媒体に凝集するための方法及び装置

本発明は、ガス状媒体を使用する液状媒体の噴霧化及びこうして生成された散布ミストの凝縮を含む、ガス状媒体から諸要素を抽出してそれらを液状媒体に凝集するのに使用される装置及び方法に関する。この発明的装置は、液状媒体を収容するよう設計されていると共に、ガス状媒体搬送導管(35)、液状媒体を噴霧化する手段(31,33)及びガス状媒体放出導管(45)を具備した、第1の噴霧化・凝縮室(20)と、前記第1の室内に真空又は過剰圧力状態を確立するための手段とを備えている。本発明は、装置が第2の凝集室(40)及びそれを冷却するための手段を更に備えることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス状媒体中に存在しがちな要素を抽出して、それらを液状媒体に凝集し、そうする際、該要素が気体、液体及び/又は固体であるか否かに関係なく、化学的又は生物学的性質に関係なく、しかも該要素が水溶性であるか否かに関係なく行なうための方法及び装置に関するものである。
【0002】
従って、この装置及びこの方法は、燃焼ガス(CO,CO,SO,NO等)、揮発性有機化合物(即ち、VOC:ヘキサン、ヘプタン及びその他のメタン列炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン及びその他の軽芳香族化合物;アセトン、モノエチルケトン及びその他のケトン類;フォルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びその他のアルデヒド類;テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン及びその他の塩素化炭化水素;並びにクロロフルオロカーボン等)、多環式芳香族炭化水素(即ち、PAC:ベンゾピレン、コロネン及びナフタレン等)、重金属(鉛、水銀、塩化ヒ素等)、放射能汚染物質、又は生物学的汚染物質(微生物、花粉)のように、ガス状環境中で気体、液体又は固体の形態で存在しがちな要素を検出するか或いは定量的に測定するのが望ましいどんな分野においても使用されうる。
【0003】
特に、それらの方法及び装置は、例えば、製造ラインの清浄度及びこの製造に関連して排出される物質の清浄度、並びに公共の場所(病院、教育施設、スポーツホール又は公会堂等)或いは私有財産(事務所用ビル又は住居用建物)における清浄度をチェックするために、大気汚染や、さほど閉じ込められていないスペースの質の双方を工業的に制御し監視するのに使用されうる。
【背景技術】
【0004】
ガス状媒体中に存在する諸要素、特に大気汚染物質を分析するために、多くの形式の装置がこれまでに提案されてきており、それらは大ざっぱに分類すると2つの範疇に分けられる。
【0005】
他方、オンライン分析を行なうことを可能にすると共に、例えば、大気汚染を連続的に監視する目的の警報システムとして使用される種々の形式の装置が存在する。
【0006】
これらの形式の装置は、分析すべき要素の屈折率、熱伝導率又は赤外線吸収率のような物理的特性に基づく分析技術を一般的に使用している。従って、それらは、単一要素群或いは単一要素についてのみ較正されており、その結果、それらは単一要素群又はこの単一要素に限られた分析を可能にするに過ぎない。
【0007】
他方、ガス状媒体から、それが含有する諸要素を抽出し、それらを凝縮することを可能にする形式の装置が存在しており、これらの要素は、同定されると共に、この抽出・凝集装置に結合された分析システム(例えば、クロマトグラフ)により或いは研究室において二次的に定量的に測定される。下記のことが特に知られている。
【0008】
ガス状媒体の流れをソリッドフィルタ(例えば、ナイロン又は商品名・テフロンで製作されたフィルタ)でろ過することによりこのガス状媒体内に存在する諸要素を集める形式の装置で、この装置の重欠点は、フィルタの細孔径よりも小さい寸法の要素を保持しないことである。
ガス状媒体内に存在する諸要素を吸着により固相(例えば、チャコールもしくは炭)に対して固定する形式の装置。
ガス状媒体の流れを液体中に方向転換して、このガス状媒体内に存在する諸要素を慣性により分離することにより、このガス状媒体内に存在する諸要素を液体中に集める形式の装置。しかしながら、この装置もまた小さい寸法の要素を抽出することを可能としていない。
ガス状媒体の流れを、液体で満たされていると共に、気体に対してのみ透過性のメンブランにより両端で閉じられた管に通すことにより、このガス状媒体中に存在する諸要素をこの液体中に移す形式の装置(参考文献[1])。従って、これらの形式の装置は、ガス状媒体から、それが含有する気体要素のみを抽出する弱点を有しており(何故なら、液体要素及び固体要素は管の外部に留まっているので)、ガス状媒体及び液体間の接触によっては、この抽出の信頼性を確保するのには不十分である。
同様にガス状媒体中に存在する諸要素を液体中に移す形式の装置であるが、このガス状媒体の流れを使用して液体を噴霧化することによるものではない。
【0009】
より一般的には“ミストチャンバ技術(mist chamber technique)”と呼ばれている噴霧化による抽出・凝集技術は、大気中に極微量レベルで存在する水溶性ガスを分析する目的で西暦1985年に初めて提案された。
【0010】
ガス状媒体の連続的な流れが底部から上方に移行すると共に下方部に水を収容している密閉容器において、この技術は、その水をガス流と接触せしめて、それをガス状媒体中に懸架する微小な水の液体粒子からなるミストに変換し、水溶性ガスの一方から他方への移動の促進に寄与するこの媒体と水との間に大きな相互作用の表面積を得るようにすることからなっている。同時に、水液体粒子は凝集により密閉容器の壁上に凝縮し、こうして形成された液滴はこの壁に沿って密閉容器の下方部に向かい流れる。これらは、それゆえ密閉容器の下方部に水を供給し、従って、この水を連続的に噴霧化して、その中の水溶性ガスを徐々に多くすることを可能にする。
【0011】
その原理を考慮して、その存在のほぼ20年間、噴霧化による抽出・凝集の技術は、水又は水溶液に溶解できる諸要素をガス状媒体から抽出し凝集するためにもっぱら使用されてきており、これら要素は同定されて、通常、イオンクロマトグラフにより二次的に定量測定される。
【0012】
例えば、タルボット(Talbot)等は、それを、硝酸(参考文献[2])或いは蟻酸、酢酸及びピルビン酸(参考文献[3])の対流圏凝集(tropospheric concentration)を測定する目的で使用しているのに対し、キ−ン(Keene)等は、それを、Cl及びHOCl部分を抽出し凝集するためアルカリ水溶液を用い、HCl、NOCl、ClNO及びClNOを抽出し凝集するため酸性水溶液を用いて、海気(参考文献[4])中に存在する塩素を含む無機ガスを定量的に測定するために使用している。
【0013】
上の記載から明らかであるように、ガス状媒体中に検出される諸要素の分析のために今日まで提案されてきた装置の全形式は、それらの実用性が、一方では、どちらも即時であるか又はオフラインである1タイプの分析に限られており、他方では、1種類の要素に限られており、これら要素は、分析に入れられるためには、あるサイズ又はある状態(例えばガス状態)のどちらか、或いはある物理化学的特性(例えば水中での溶解度)に適応しなければならない。
【0014】
特に、大気汚染を制御し監視するために、多目的に使用できる、特に下記のことを可能にする装置を提供することがそれでもなお望ましいと考えられる。
【0015】
ガス状媒体に含まれる気体、固体及び液体要素の網羅的分析と、要素群を対象とした、或いはこれら要素群のうちの1要素でも対象とする分析との双方を行なうこと。
警報システムとして使用できるようにオンラインでも、またオフラインでも差別なく満足にこの分析を行なうこと。
【0016】
更に、この装置は、搬送が容易であり且つ自律的であるために、分析すべきガス状媒体がある場所に関係なく使用可能であることが望ましいであろう。
【0017】
本発明は、気体、固体及び液体要素が検出されるガス状媒体からそれらを抽出すると共に、液状媒体にこれら要素を凝集することを可能にする装置に特に関係しており、その際、ガス状媒体を使用してこの液状媒体を噴霧化すると共に、この噴霧化により生成されたミストを形成する液状媒体の液体粒子を凝縮しており、該装置はこれら全ての要求を満たしている。
【発明の開示】
【0018】
本発明による装置は、噴霧化及び凝縮のため、上方部及び液状媒体を収容するよう企図された下方部を有すると共に、ガス状媒体を搬送する導管、前記液状媒体を噴霧化する手段及び前記ガス状媒体を放出する第1導管を備える第1の密閉容器と、該第1の密閉容器の内部を減圧又は加圧して、前記ガス状媒体がこの第1の密閉容器に入り、その内部を循環し、連続流でそこから排出されるのを可能にする手段とを備える装置において、前記第1の密閉容器から前記ガス状媒体を排出するために前記導管に接続されると共に、前記ガス状媒体を排出するための第2導管を備える、凝縮のための少なくとも1つの第2の密閉容器と、この第2の密閉容器を冷却するための手段とを備えることを特徴としている。
【0019】
従って、本発明による装置は、下記のように少なくとも2つの別個の密閉容器を備える特質を有している。
【0020】
装置が作動可能な状態であるときに、ガス状媒体中に懸架したガス状媒体の微小な液体粒子により形成されるミストを得るように該ガス状媒体によりこの液状媒体を噴霧化するため、及び濡れた表面上の前記液体粒子の凝集によりこれら液体粒子のあるものを凝縮するための双方に使用されるよう企図された第1の密閉容器。
ガス流が移動する方向に関して第1の密閉容器の下流側に配置されながら該第1の密閉容器に接続されると共に、冷却される第2の密閉容器。これは、その役割として、第1の密閉容器において凝縮しなかった液状媒体液体粒子を凝縮するために使用され、この補完的な凝縮は低温表面とのこれら液体粒子の接触により行われる。
【0021】
この重複した凝縮のため、本発明による装置は、ガス状媒体中に存在する気体、液体及び/又は固体要素を噴霧化による抽出・凝集技術によって、それらを抽出すると共に、液状媒体中に凝集もしくは凝縮するが、その際、液状媒体として、水又は水溶液だけでなく、有機溶媒、共沸混合物もしくはアゼオトロープを形成する諸有機溶媒の混合物、或いは共沸混合物もしくはアゼオトロープを形成する水/有機溶媒(単数又は複数)の混合物も使用して行ない、そして、これら要素についての分析結果を偽ることになる効果のあるリスク、即ち抽出・凝集中の蒸発によりこの有機溶媒又はこれら有機溶媒の幾分かが失われるリスクなしにそのように行う。
【0022】
従って、本発明による装置は、ガス状媒体中に存在し、検出又は定量的測定が企図されている諸要素の溶解度特性に完全に適応する液状媒体を利用すると共に、目標とされた抽出・凝集、即ち、例えば水溶性の諸要素に或いは逆に水に不溶性の又は水に殆ど溶けない諸要素に限られた抽出・凝集と、ガス状媒体に見られる諸要素の網羅的な抽出・凝集との双方を行なうことを可能にする。
【0023】
液状媒体を形成する溶媒(単数又は複数)は、以下の条件を溶媒が満たす限り、多数の溶媒から選択することができる。即ち、条件とは、それらの凝縮を容易にするために高い蒸気圧を有しないこと、分析することを企図されている諸要素と同一の諸要素で汚染されていないこと、及びそれらが混合物として使用されるのを企図されている場合、液状媒体が均質であり、共沸混合物もしくはアゼオトロープを形成するように互いに混合できることである。
【0024】
便宜上、以下のようにする。噴霧化により生成されるミストを形成する液体粒子の一部の凝縮又は液体粒子の凝縮は、より簡単にミストの凝縮又はミストの一部の凝縮と呼ぶ。濡れた表面上でのこれら液体粒子の凝集に由来する凝縮は、より簡単に凝集による凝縮と呼ぶ。低温表面との前記液体粒子の接触に由来する凝縮は、より簡単に熱凝縮と呼ぶ。
【0025】
第1の密閉容器のガス状媒体搬送導管は、この第1の密閉容器の外側に配置された第1端及びこの第1の密閉容器内に入っている第2端を有しており、液状媒体を噴霧化する手段は、この導管の第2端と同じ高さに配置されると共に、少なくとも1つのオリフィスを有する噴霧化ノズルと、2つの開口、即ち、第1の密閉容器の下方部に配置される第1開口及び噴霧化ノズルのオリフィスとそろっている第2端を備える噴霧化パイプとから構成されている。
【0026】
本発明の説明の中で、噴霧化ノズルという用語は、少なくとも1つのオリフィスを有すると共に、装置が作動可能な状態であるときに、第1の密閉容器のガス状媒体搬送導管の第2端とそろって配置されることにより、ガス流が第1の密閉容器内に放流される速度を、それが要素の上流に配置された導管の部分において流れる速度と比較して増すことができる任意の要素を意味すると考えられ、こうして第1の密閉容器の下方部内に配置された液状媒体の噴霧化パイプ内へのベンチュリ効果の吸込みと、このパイプが有すると共に、上述の要素のオリフィスとそろう第2開口を介するこの液状媒体の放出とを生じさせるようにしている。
【0027】
本発明によると、噴霧化ノズルは、第1の密閉容器のガス状媒体搬送導管の断面積を徐々に減少させることにより、或いはこの断面積の連続的減少、例えば一連の収縮により形成することができる。
【0028】
変形例として、それは、第1の密閉容器のガス状媒体搬送導管の第2端に、例えば螺着又はスナップ止めにより取り付けられたピースからなっていてよい。この場合、装置は、オリフィスの数及び/又はこれらオリフィスの大きさが互いに異なると共に、第1の密閉容器内へのガス流の出口速度を液状媒体の粘性率に対して最適に合せて、ベンチュリ効果を最適にすることが可能な1組の交換可能なノズルを備えていてよい。
【0029】
本発明による装置の第1実施形態において、噴霧化ノズルのオリフィスは、第1の密閉容器の上方部に向けて方向付けられており、噴霧化パイプの第2端は、オリフィスの直上に配置されている。
【0030】
この第1実施形態において、第1の密閉容器は3つの部分、即ち、第1の密閉容器の下方部を形成すると共に、液状媒体を収容するよう企図されているタンクと、第1の密閉容器の中間部を形成すると共に、噴霧化ノズルのオリフィス及び噴霧化パイプの第2開口を収容している噴霧化室と、第1の密閉容器の上方部を形成する凝縮ドームと、から構成されていることが好ましい。
【0031】
更に、第2の密閉容器は底部及び頂部を有し、ガス状媒体を放出する第1導管は、第2の密閉容器の垂直軸線が第1の密閉容器の垂直軸線に対して相当に心ずれしている、即ち、オフセットしているように、第1の密閉容器の噴霧化室を第2の密閉容器の底部に接続するベンド部を備えた導管であることが好ましい。理想的には、この導管と噴霧化室との結合部は、噴霧化ノズルのオリフィス及び噴霧化パイプのオリフィスがある高さと実質的に同じ高さであるか或いはそれよりも下の高さにあることである。
【0032】
装置が作動可能な状態であるとき、噴霧化ノズルのオリフィス(それ自体が流れの形でガス状媒体を放出する)直上の液状媒体の放出は、第1の密閉容器の噴霧化室にあるガス状媒体中に懸架した液状媒体の微小な液体粒子により形成されるミストの形成をこうして生じさせ、これは、液状媒体及びガス状媒体間の緊密な接触を確実にすることにより、このガス状媒体中に存在する気体、液体及び/又は固体要素が液状媒体中に溶解して、前記ガス状媒体から前記液状媒体に移されることを可能にする。
【0033】
噴霧化ノズルの方向付けに照らして、このミストは、凝縮ドームに向けて上昇し、そのときにそれが凝集により部分的に凝縮し、この場合、濡れた表面は凝縮ドームの壁である。こうして液滴は、このドームの壁上に形成し、次いで第1の密閉容器の下方部を形成するタンクに達するまで、この壁に沿って重力下に流れる。
【0034】
同時に、第1の密閉容器に広がる(その結果、第1の密閉容器に互いに接続されている第2の密閉容器に広がる)減圧又は加圧のために、第1の密閉容器内で未だ凝縮しなかったミストは、ガス状媒体を放出するための第1導管を通りそこから出て第2の密閉容器に入り、そこでミストは熱凝縮を受ける。繰り返して言うと、この凝縮は液滴の形成を引き起こし、液滴は、ガス状媒体を放出するための第1導管内に重力の作用を受けて入り、その後、この導管を第1の密閉容器のタンクから隔てているこの第1の密閉容器の部分に沿って流れ、このタンクに加わる。
【0035】
第1の密閉容器のタンク内に収容された液状媒体が噴霧化されつつあるときに、このタンクは、第1の密閉容器の凝縮ドーム内に形成される液滴により、そして第2の密閉容器内に形成されるものとの双方によりこうして液状媒体を供給され、これは、噴霧化が連続的に行なわれること並びにガス状媒体中に最初に存在する気体、液体及び固体要素が液状媒体中で必要な限り漸進的に凝縮されることを可能にする。
【0036】
更に、第1の密閉容器に関する第2の密閉容器の“心ずれ”配置は、噴霧化により形成された液体粒子の速度を減少させることを可能にする。従って、これらの液体粒子は第2の密閉容器内でより遅い速度で循環し、これは、該液体粒子がこの密閉容器から直接に出るのを回避して、第2の密閉容器の諸低温部分との接触時間を増し、それにより前記第2の密閉容器におけるミストの凝縮を向上させることを可能にする。
【0037】
本発明による装置の第2の好適な実施形態において、噴霧化ノズルのオリフィスは、第1の密閉容器の下方部に向けて方向付けられており、噴霧化パイプの第2端は、このオリフィスの直下に配置されている。
【0038】
本発明による装置の第2の好適な実施形態において、第1の密閉容器は、好ましくは2つの部分、即ち、第1の密閉容器の下方部を形成すると共に液状媒体を収容するよう企図されているタンクであって、装置が作動可能な状態であるときの液状媒体の表面と同じ高さでのこのタンクの断面積よりも小さな表面積の底部を有している前記タンクと、装置の上方部を形成すると共に、噴霧化ノズルのオリフィス及び噴霧化パイプの第2開口を収容している噴霧化室と、から構成されている。
【0039】
特に、タンクは、底部から上方に向かいテーパが付けられた形状、例えば切頭円錐形を有していることが好ましい。
【0040】
この第2の好適な実施形態において、噴霧化室は2つの壁、即ち、ガス状媒体を放出する第1導管が接続されるべき外壁と、タンクから所定距離のところにその完全に上方に配置された内壁とを有しており、この内壁は、該内壁の内側に位置付けられる中央部と、前記外壁及び前記内壁の間に位置付けられる周辺部とを形成するため、噴霧化室を分割しており、噴霧化パイプの第2開口及び噴霧化ノズルのオリフィスは前記中央部の中に入っている、ことが有利である。
【0041】
更に、第2の密閉容器は底部及び頂部を有し、ガス状媒体を放出する第1導管は、第1の密閉容器の噴霧化室を第2の密閉容器の前記底部に接続するベンド部を備えた導管であるので、繰り返し述べると、第2の密閉容器の垂直軸線が第1の密閉容器の垂直軸線に対して相当に心ずれするようになっている。理想的には、この導管と噴霧化室との結合部は、噴霧化ノズルのオリフィス及び噴霧化パイプのオリフィスがある高さと同じ高さであるか或いはそれよりもっと上の高さにあることである。
【0042】
装置が作動可能な状態にあるとき、噴霧化ノズルのオリフィスの直下での液状媒体の放出により生成されたミストは、こうして第1の密閉容器の噴霧化室の中央部において生じる。
【0043】
噴霧化ノズルの方向付けに照らして、このミストは、タンクに向けて下降し、そこでミストは凝集により部分的に凝縮し、この場合、濡れた表面は基本的にこのタンクに収容された液状媒体の表面である。
【0044】
同時に、第1の密閉容器に広がる減圧又は加圧のために、未だ凝縮しなかったミストは、上昇して噴霧化室の周辺部に入り、ガス状媒体を放出するための第1導管を通りそこから出た後、第2の密閉容器に入り、そこでミストは上述したように熱凝縮を受ける。
【0045】
第1の密閉容器のタンクは、こうして、このタンク内に収容された液状媒体の表面に形成される液滴により、そして第2の密閉容器内に形成されるものとの双方により液状媒体を連続的に供給される。
【0046】
第1の密閉容器は液状媒体の表面を安定化するための要素を備えているのが有利であり、この要素は、ミストの凝縮に由来する液滴が通過するのを許容しながら、装置が作動可能な状態であるときのこの表面よりも下方で且つこの表面から短い距離(数mm)のところに置かれている。なお、この距離は液状媒体の性質に応じて最適にすべきである。
【0047】
これを実現するために、例えば、安定化要素は、ガス状媒体から抽出されがちな諸要素に関して不活性であると共に、これら要素並びにポリエチレン又は登録商標・テフロンのような有機溶媒が恐らく有する腐食効果に耐えうる材料からなるか或いはかかる材料で被覆されたメッシュのような薄い厚みの剛な要素であり、この剛な要素は、装置が作動可能な状態であるときの液状媒体の表面と同高部位でのタンクの断面積よりも実質的に小さな断面積を有すると共に、装置が使用中である場合にその表面が受ける高さ変動に関係なく、剛な表面をこの表面から同距離に保持することを可能にするフロートのような要素を随意的に備えている。
【0048】
本発明による装置の実施形態がどれであっても、第2の密閉容器を冷却するための手段はペルチェ効果セルであることが好ましいが、その理由は、かかるセルが登録商標・フレオンのようなフルオロカーボンガスを使用することなく非常に効果的な冷却を確実にするからである。
【0049】
それにもかかわらず、もちろん、その他の冷却システムにより、例えば冷媒が圧縮されるシステムにより密閉容器を冷却することが可能である。
【0050】
本発明によると、第2の密閉容器は空でもよく、その場合、ミストが上で凝縮できる低温表面は、多くてもこの密閉容器の壁の表面積である。また、第2の密閉容器はパッキングを含んでいることが好ましい。
【0051】
本発明の説明において、パッキングという用語は、ガス状媒体から抽出されがちな諸要素に関して不活性であると共に、これら要素及び有機溶媒が恐らく有する腐食効果に耐えうる材料からなるか或いはかかる材料で被覆された1組の要素を意味しており、このパッキングは、一旦第2の密閉容器内に置かれた場合、装置が作動可能な状態であるときにミストを凝縮できる低温表面を増大する効果を有していて、それによりこのミストの凝縮を最適にする。かかるパッキングは、例えば、登録商標・テフロンのビード、ステンレス鋼ビード、又はラシヒリングからなる。
【0052】
第1の密閉容器の下方部は、装置が作動可能な状態であるときにガス状媒体から抽出されて液状媒体に凝集される気体、液体及び/又は固体要素を検出するか又は定量的に測定するための少なくとも1つのシステムを備えていることが好ましい。
【0053】
これは、ガス状媒体中に存在する諸要素がこの媒体から抽出されつつあるときに、またこれら要素の抽出・凝集工程の終りに、かかるシステムの存在がガス状媒体中に存在する諸要素を識別し定量的に測定する機会を提供するからである。
【0054】
後者の場合、更に、これら要素は、装置の検出・定量的測定システムを使用するか、或いは液状媒体を集めた後に分析室でのサービスを使用することにより、或いは例えば装置により得られた結果を分析室で検査することが望ましい場合には、双方を使用することにより分析することができる。
【0055】
本発明による装置は、従って、例えば大気汚染を制御及び監視するために、警報システムとして使用するのが必要であればそれに完全に適している。別の場合では、ガス状媒体中に存在する諸要素の分析を行なうのに必要な時間を最少化することが可能である。
【0056】
この検出・測定システムは、特に以下のものからなりうる。
所定の波長を有する光ビームを放射して分析するための、ダイオード及び光電池からなる光学検知器。光ビームは2つのウィンドウのおかげで第1の密閉容器の下方部を通過し、これは2本の光ファイバにより2つのウィンドウに接続される光電分光光度計又は蛍光分光光度計か、或いは第1の密閉容器の下方部に浸漬される電気化学的プローブを含む。これら種々の手段は結合しうる。
【0057】
抽出・凝集工程の終りに液状媒体を集め易くするために、第1の密閉容器の下方部は取外し可能であることが好ましい。
【0058】
更に、通常第1の密閉容器及び第2の密閉容器は解体することが可能であり、それらの諸構成部分はこれら密閉容器が例えばねじ式に、スナップ止めで、或いは相互鎖錠等で組み立てられるときに耐漏式に互いに接続される。この接続は、前記諸部分に一体化された手段(ねじ組立の場合には例えばねじ山)を使用して、或いは逆にコネクタ又はクランプリングのようにそれらに取り付けられた手段を使用して行なうことができる。その役割として、耐漏性は、登録商品・テフロン製のO−リングシールのような接続領域におけるシールの存在により得られる。
【0059】
この構造の利点は、第1の密閉容器の壁及び/又は第2の密閉容器の壁、並びにこれら密閉容器内に収容される種々の要素を、抽出・凝集工程と抽出・凝集工程との間に洗浄することを容易にし、そのため、前の抽出・凝集工程の間に抽出され凝集された諸要素の残留痕跡により、抽出・凝集工程中に使用されている液状媒体を汚染させるリスクを回避することであり、かかる汚染は分析結果の信頼性を危うくしがちである。
【0060】
本発明によれば、装置は、第1の密閉容器の内部を減圧するための手段を備えており、該手段はガス状媒体を放出するため第2導管に接続されている容積式吸込ポンプであることが好ましい。
【0061】
それは、更に、外部電源(電気幹線、外部バッテリー)に接続可能の、例えば接続ケーブルである手段と、それが自律的に作動するのを許容する、例えばバッテリー、再充電可能な蓄電池等であるそれ自身の電力供給手段との双方から構成されるのが有利な電力供給システムを備えている。
【0062】
本発明による装置の特に好適な実施形態において、それは、1人の人間により運ぶか又は下げることができるコンパクトな構造の形態、例えば、それを運ぶのが可能であると共に分析すべきガス状媒体がある場所ならどこでも使用するのが可能なリュックサック、スーツケース又はブリーフケースである。
【0063】
上述した種々の利点に加えて、本発明による装置はその他多くの利点も有しており、特に、装置はとりわけ感度の点において非常に優れた特性の分析を行なうことが可能であり、装置は使用法が簡単であり、また、装置は希望すればコンパクトで自律的な形態に製造することができ、装置はどんな場所にも運びそこで使用することが可能である。
【0064】
本発明はまた、ガス状媒体を使用して液状媒体を噴霧化すると共に、この噴霧化により生成されたミストを形成する液状媒体の液体粒子を凝縮することにより、前記ガス状媒体から気体、液体及び/又は固体要素を抽出してそれらを液状媒体に凝集するための方法であって、前記液体粒子は、濡れた表面上での凝集により凝縮を受けると共に、低温表面との接触により凝縮を受けることを特徴とする方法に関する。
【0065】
本発明によると、濡れた表面上での凝集による前記液体粒子の凝縮及び低温表面との接触による前記液体粒子の凝縮は、互いに分離されているが互いに連絡している2つの密閉容器内で行われるのが好ましい。
【0066】
特に好ましいのは、低温表面との接触による前記液体粒子の凝縮がパッキングを含む冷却された密閉容器内で行なわれることである。
【0067】
液状媒体は、水、有機溶媒及びそれらの混合物から選択された1種以上の溶媒から構成されている。
【0068】
上述した種々の構成の他に、本発明はまた、本発明による抽出・凝集装置の例示的実施形態に関する、添付図面を参照しての以下の残りの記載に見られるその他の構成も包含している。
【0069】
この残りの記載が、本発明の主題を例示するために単になされており、決してこの主題の限定をする性質のものではない、ことはそれでもやはり明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
図1について先ず参照すると、この図は、本発明による抽出・凝集装置の例示的実施形態の概略図に対応しており、同図において、抽出・凝集装置は小型化した形態、もっと正確に言えば、ブリーフケース11の形態であって、その上部外表面にある握り12を用いて一人で運ばれるように企図されている。
【0071】
この図から分かるように、アルミニウム基合金のような軽金属又はポリプロピレンのような硬質プラスチックからなるブリーフケース11の内部は、垂直の仕切板16によりそれぞれ2つの区画室15a,15bに分けられている。
【0072】
区画室15aは以下のものを含んでいる。垂直方向の長い軸線aを有する第1の密閉容器20。これは、ガス状媒体から抽出し凝集されるよう企図された気体、液体及び/又は固体要素に応じて選択された適当な液状媒体を噴霧化すると共に、凝集によりこうして形成されたミストの幾分かを凝縮するように考えられている。ガス状媒体を第1の密閉容器20内に搬送するのに使用される導管35。これは、そのようにするために、ブリーフケース11の外側に配置される端部35aと、第1の密閉容器20に配置される端部35bとを有する。同様に垂直方向の長い軸線bを有する第2の密閉容器40。その機能は、第1の密閉容器20中で凝縮されなかったミストを熱で凝縮することである。密閉容器20及び40を互いに接続するダクト45。これは、特に、第1の密閉容器20からガス状媒体を放出するために用いられる。第2の密閉容器40からガス状媒体を放出するために用いられる導管50。これは、そうするために、仕切板16を横断して、この密閉容器を区画室15b内に配置された吸込ポンプ60に接続している。
【0073】
区画室15aはまた、第2の密閉容器20の内部温度が、例えば、周囲温度が25℃であれば5〜10℃程であるようにこの密閉容器を冷却するのが役目である装置も含んでいる。
【0074】
図1に例示した実施形態において、この装置はペルチェ効果セル52であり、装置10が作動可能な状態であるときに低温表面として作用するよう企図されたその面53が仕切板16に接触すると共に、区画室15aの内側に向けられているのに対し、高温表面として作用するよう企図された面54は、区画室15b内にある。
【0075】
特にライト(light)溶媒の使用のためのある構造においては、例えば銅から形成される伝熱性材料ブロック(図1には示していない)の助けを借りて、ペルチェ効果セルの低温表面53と第2の密閉容器40との間に熱の逃げ道が確保されている。
【0076】
このセルの効率を増すために、区画室15aの壁体は、この区画室の断熱を行なうことができる材料(図1には示していない)、例えば、ポリウレタン発泡体で被覆されていることが有利である。
【0077】
区画室15bはその部分に以下のものを含んでいる。好ましくは容積式ポンプである吸込ポンプ60。その機能は、密閉容器20及び40の内部を減圧し、従って、ガス状媒体がこれらの密閉容器内に入って、その内部を循環し、そこから連続流で吐き出されるのを可能にすることである。ガス状媒体をブリーフケース11から排出させる機能があり、そうするために、ブリーフケース11の側壁17bを横断して、吸込ポンプ60をその外部に接続する導管65。吸込ポンプ60に接続される流量計61。これは密閉容器20及び40を通過するガスの流量を測定するのに使用される。流量計61に接続されていて、該流量計により測定された瞬時的流量値を累積値に変換する計測器62。これは、所定期間にわたり処理されるガス状媒体の量を確認することを可能にする。ペルチェ効果セルの52の高温面により区画室15b内に放出された熱を該区画室から除去するのに使用されるファンユニット70。装置10を駆動すると共にその作動を制御するために監視・制御ユニット75により管理されるプログラム式電子回路(図1には示していない)。ペルチェ効果セル52、吸込ポンプ60、流量計61、計測器62、ファンユニット70、プログラム式電子回路及び監視・制御ユニット75に供給するよう企図された電力供給システム80。この供給システムは、装置を配電網又は外部バッテリーに接続するための手段、例えば、接続ケーブルを、他方では、それが独立して作動するのを許容する、バッテリー、充電式蓄電池等のような手段を備えているのが有利である。
【0078】
次に図2を参照すると、これは、ペルチェ効果セル52の低温表面53は含まないが、区画室15a内に存在する装置10の諸要素を概略的に表わしている。
【0079】
従って、この図は、第1の密閉容器20、ガス状媒体をこの第1の密閉容器内に運び入れるのに使用される導管35、第2の密閉容器40、2つの密閉容器20及び40を接続する導管45と共に、ガス状媒体を第2の密閉容器から排出に使用される導管50を示している。
【0080】
図2から分かるように、第1の密閉容器20は、好ましくは円形断面を有すると共に、必要なときにはいつでもねじ式に脱着できる3つの部分から構成されている。これらの部分は、底部から上方へ次の通りである。この第1の密閉容器の下方部を形成するタンク21。これは、各抽出・凝集工程の前に、この工程を行なうために選択された所定量のガス状媒体で満たされる。この第1の密閉容器の中間部を形成する噴霧化室23。この第1の密閉容器の上方部を形成する凝縮ドーム24。
【0081】
タンク21、噴霧化室23及び凝縮ドーム24の各々は、それぞれ21a,23a,24aで表わされた円筒形の壁を有しており、タンク21の壁21aがその下端で閉止されているのに対し、凝縮ドーム24の壁24aはその上端で閉じられている。
【0082】
タンク21の壁21aは、その上方部において、上に延びる内側フランジ状部25aを備えており、該フランジ状部の外表面は、噴霧化室23の壁23aの内表面に設けられたねじ山と噛み合うねじ山を備えると共に、この噴霧化室の壁23aの下端が置かれる外周肩部25bを備えている。肩部25bと噴霧化室23の壁23aの下端との間には、このタンク及びこの室間の耐漏性を確保するのに適する第1のO−リングシール26がある。
【0083】
同様に、凝縮ドーム24の壁24aはその下端部に、下方に延びる内側フランジ状部28aを備えると共に、噴霧化室の壁23aの上端を覆う外周肩部28bを備えており、フランジ状部の外表面はこの室の壁23aの内表面に設けられたねじ山と噛み合うねじ山を有している。第2のO−リングシール29は、凝縮ドーム24の壁24aの肩部28bと噴霧化室23の壁23aの下端との間に置かれている。
【0084】
タンク21は、その壁の厚さ方向に部分的に一体化された検出・定量測定システム22を備えている。
【0085】
第1の密閉容器20はまた、一方では、装置10が作動しているときに導管35におけるガス状媒体の流速と比較してこの媒体が噴霧化室23内に放流される速度を増す機能のオリフィス32を有する噴霧化ノズル31を備え、他方では、タンク21内にある液状媒体を該噴霧化ノズル31のオリフィス32の直上に運び放出する機能の噴霧化パイプ33を備えている。
【0086】
図2に例示した実施形態において、噴霧化ノズル31は、導管35の断面積を徐々に減少させることにより形成されている。
【0087】
更に、この実施形態において、該導管は、以下のものから構成されている。一方ではブリーフケース11の外側に接続され、他方では、噴霧化室23の壁23aを横断すると共に実質的にこの室の中央部のところまで延びる、一定断面積の第1部分36(図2に部分的に表わされている)。噴霧化ノズル31に対応する切頭円錐形の第2部分。これは、凝縮ドーム24の方向に噴霧化室23を通り垂直に延びており、その自由端32はこの凝縮ドームに向けて方向付けられている。
【0088】
各端にそれぞれ開口33a,33bを有する噴霧化パイプ33は、その上方部で湾曲しながら第1の密閉容器内に垂直方向に配置されているので、その開口33aは、装置10が作動可能なときにタンク21に収容された液体媒体に浸漬することができるのに対し、その端33bは噴霧化ノズル31の自由端32の直上にある。
【0089】
開口33bは、このパイプの残部よりも実質的に小さな断面積を有していて、断面積のこの差により、装置10が作動可能な状態であるときに液状媒体が前記パイプに流れ込む速度と比較して、同じ媒体がこの開口から放出される速度を増すよう企図されている。
【0090】
図2から分かるように、第2の密閉容器40は、その両端で開放した円筒形の壁40aを有している。
【0091】
壁40aは、その下端と同じ高さのところに、第2の密閉容器の内側断面全体にわたり広がる円形要素41を備えており、該円形要素は、例えば2〜3mmの直径を有する複数の孔が穿孔されている。この要素は、第2の密閉容器40の底部を形成しており、またそれが有する孔は、第1の密閉容器20からくるミストと、このミストの熱凝縮のため第2の密閉容器40内に形成される液体粒子とが、この第2の密閉容器が収容しているパッキング42を保持しながら、装置10が作動可能な状態であるときに通過するのを許容するよう企図されている。
【0092】
このパッキングもまた、好ましくは0.2〜0.5μmの孔径を有するフィルタ43により第2の密閉容器40の上方部内に保持されており、該フィルタは、ガス状媒体が導管50を経て第2の密閉容器40から直前にそのガス状媒体に未だ存在するかも知れない液状媒体の液体粒子に対する最終凝集面を提供している。
【0093】
第2の密閉容器40のは、その下方部において、導管45を囲む支持ブロック44内にねじ込みにより収容され保持されており、この導管は、実質的に、噴霧化ノズル31のオリフィス32及び噴霧化パイプ33の開口33bの高さのところで、特に第2の密閉容器40の底部を第1の密閉容器20の噴霧化室23の壁23aに接続している。第1のO−リングシール51は壁40aの下端と支持ブロック44との間に配設されている。
【0094】
第2の密閉容器40はまた、該密閉容器の頂部を形成すると共にオリフィス47を備える蓋体46を含んでおり、それと同じ高さで、前記密閉容器からガス状媒体を放出するのに使用される導管50(図2には部分的に表わされている)が接続されている。
【0095】
蓋体46は、その下方部に、下向きに延びる内側フランジ状部48aを有しており、その外表面は、第2の密閉容器40の壁40aの内表面に設けられたねじ山と噛み合うねじ山を有しており、また、その自由縁は、フィルタ43上に載っている。また、それは、第2のチャンバ40の壁40aの上縁を覆う外周肩部48bも有している。第2のO−リングシール49は、これと前記自由端との間に収容されている。
【0096】
図1及び図2に表わされた装置10の使用による、ガス状媒体中に存在する気体、液体及び/又は固体要素の抽出・凝集は、次のような方法で実施される。
【0097】
抽出及び凝集を行なうことが企図されている要素に応じて適当に選択された所定量の液状媒体でタンク21を満たし、このタンクを噴霧化室23と組み合わせ、そしてペルチェ効果セル52を作動させた後、吸込ポンプ60をオンにする。これは、第1の密閉容器20及び第2の密閉容器40の内部を減圧し、従って、ブリーフケース11の外側からガス状媒体を取り込んで第1の密閉容器20に入れる(図2において矢印fで表わされている)効果を有している。従って、ガス状媒体は、連続ガス流として導管35を介して噴霧化室23に入り、その流量は流量計61により調節される。
【0098】
第1の密閉容器20に広がる圧力の減少と、ガス流が噴霧化室23内に放流される場合の噴霧化ノズル31による速度幅の増大との共同作用のため、タンク21に収容された液状媒体は、ベンチュリ効果により噴霧化パイプ33内に吸い込まれ、噴霧化ノズル31のオリフィス32の直上に、このパイプがその上方部に有する開口33bから放出される。
【0099】
ガス状媒体中に懸架された液状媒体の微小な液体粒子により形成されたミストは、ガス状媒体及び液状媒体間の密接且つ均一な接触により、このガス状媒体内に存在する気体、液体及び/又は固体要素が液状媒体に溶解するのを可能とし、従って、前記ガス状媒体から前記液状媒体に移されるのを可能とする噴霧化室23においてこうして形成される。
【0100】
このミストは、凝縮ドーム24に向かって上昇する。これら液体粒子の幾分かは、凝縮ドーム24の濡れた壁と接触する凝集により凝縮して、液滴を形成し、該液滴はこの壁に沿って重力の作用で流れ、こうしてタンク21に再び加わる。
【0101】
同時に、第1の密閉容器20内で凝縮しなかったミストは、そこから導管45を通って逃げ、円筒形要素41を通過して第2の密閉容器40に入り、そこで、ミストを構成する液状媒体の液体粒子は、パッキング要素42の低温表面及びこの第2の密閉容器40の壁40aと接触して凝縮する。この凝縮はまた液滴を形成させることになり、該液滴は、重力の作用を受けて導管45内に流れ、次いでこの導管をタンク21から隔てる壁23の部分に沿って流れ、このタンクに再び加わる。
【0102】
タンク21に収容された液状媒体は噴霧化されつつあるので、このタンクには従って凝縮ドーム24内に形成された液滴と第2の密閉容器40内に形成されたものとの双方により液状媒体が供給され、これは、噴霧化が連続的に行なわれること、並びにガス状媒体中に初めに存在する気体、液体及び/又は固体要素が液状媒体中で希望に応じて長く徐々に凝縮されることを可能にする。
【0103】
ガス状媒体は、その役割については、フィルタ43を横断した後、抽出され液状媒体中に凝集され、乾燥された要素が浄化されて、導管50を経て第2の密閉容器40を去る(図2において矢印fで表わされている)。
【0104】
抽出・凝集工程を終了するためには、吸込ポンプ60をオフにすれば十分であり、それは第1の密閉容器20内へのガス状媒体の給送、ベンチュリ効果、噴霧化パイプ33内への液状媒体の取入れ、及びミストの発生を停止する即効を有している。
【0105】
次に図3を参照すると、これは、図2に示されたような装置10の一部の代替実施形態を断面で見られるように概略的に表わしており、この代替実施形態は、第1の密閉容器20の壁が低い湿潤性を有しがちである液状媒体の使用に特に適している。
【0106】
図3において、図2に示されたものと同一の要素は、その中のものと同一の参照符号を有している。
【0107】
この代替実施形態において、第1の密閉容器120は、必要なときにはいつでもねじりにより着脱しうる2つのみの部分から構成されている。円形断面を有するのが好ましいこれらは次の通りである。この第1の密閉容器の下方部を形成するタンク121。その上方部を形成する噴霧化室123。
【0108】
タンク121は、底部151により下端で閉じられた切頭円錐形を形成する壁121aを有しており、該底部は、この切頭円錐形の最小断面積に対応している。この壁に、検出・定量測定システム121が部分的に一体化されている。壁121aは、その上方部にフランジ状部152を備えている。
【0109】
噴霧化室123は2つの壁、即ち、外壁123a及び内壁123bを有しており、それらの各々は切頭円錐形を形成しており、また、それらの両方は上端で閉じられており、この上端は前記切頭円錐形の最小断面積に対応している。
【0110】
噴霧化室123は、こうして2つの部分、即ち、内壁123bの内側に示される中央部153と、この壁及び外壁123aの間に示される外方部154とに分けられている。
【0111】
外壁は、その下方部に、下方に延びる内側フランジ状部156aを備えており、このフランジ状部の外表面は、タンク121の壁121aにより支持されたフランジ状部152の内表面に配置されたねじ山と噛み合うねじ山を備え、また、外壁は、この壁121の上端を覆う外周肩部156bを備えている。例えば登録商標・テフロンで製作されるO−リングシール157はこの肩部と前記上端との間に配置されている。
【0112】
噴霧化室123の下方の壁123bは、その下端に、この室の中央部153の方向に半径方向に延びる内周肩部159を備えている。なお、この肩部は、装置10が作動可能な状態であるときに噴霧化室123の中央部153と周辺部154との間に通路を形成するため、このタンクが最高まで満たされたときに液状媒体により占められる表面に対応するタンク121の横断面から十分な距離のところにある。
【0113】
図3に例示した代替実施形態において、ガス状媒体を第1の密閉容器120内に運び入れるのに使用される導管35は、2つの部分から構成されている。即ち、一方ではブリーフケース11の外側に接続され、他方では噴霧化室123の壁123aを横断して噴霧化室123の中央部のところまで実質的に延びてこの室の中央部153の上方に面する第1部分136(図3に部分的に表わされている)。タンク121の方向に垂直に延び、噴霧化室123の内壁を横断してこの室の中央部153に入り、噴霧化ノズル131で終る第2部分166。なお、該噴霧化ノズルは、この部分の自由端上にねじ式、相互鎖錠、スナップ止め又は他の任意の手段により固定されると共に、タンクに向かい方向付けられたオリフィス132を備えている。
【0114】
図2に例示した実施形態のように、第1の密閉容器120は、その各端にそれぞれ開口133a,133bを備えた噴霧化パイプ133を含んでいる。このパイプは、その上方部で湾曲しながら噴霧化室123の中央部153において垂直に配置されているので、その開口133aは装置が作動可能な状態であるときにタンク121に入っている液状媒体内に浸漬することができるのに対し、その端133bは噴霧化ノズル31のオリフィス132の直下に位置するようになっている。ここでもまた、開口133bはこのパイプの残部の断面積よりも実質的に小さな断面積を有している。
【0115】
図3から分かるように、第1の密閉容器120は噴霧化パイプ133が通り抜けるメッシュ167を有している。開口の大きさが0.05〜0.5mmであるのが有利なこのメッシュは、特に噴霧化ノズル131のオリフィス132から放出されるガス流が液状媒体の表面で乱流を発生するのを防止することにより、装置が作動可能な状態であるときに液状媒体のこの表面を安定化するよう企図されている。
【0116】
そうするために、このメッシュにとって都合がよいのは液状媒体の表面下方に数mmのところにあることであり、また、装置10が作動された後、この表面が噴霧化の結果として降下するときに、メッシュを該表面から隔てている距離が一定に留まっているのが都合よい。従って、メッシュ167は、装置10が作動可能な状態であるときの液状媒体の表面と同高部位でのタンク121の断面積よりも実質的に小さな断面積を有しており、また、それは、メッシュを液状媒体の表面から一定距離に保持することを可能にする1つ以上のフロート(図3には示していない)を備えている。
【0117】
図3に示した代替実施形態において、ガス状媒体を放出するための導管45と第2の密閉容器40とは、導管45が第1の密閉容器120の中間部と同じ高さというよりもその上方部と同じ高さで接続されている事実を除いて、図2に関連して説明したものと同一である。
【0118】
図3に例示した代替実施形態の手段によりガス状媒体中に存在する気体、液体及び構造的固体要素の抽出・凝集を行なうために、上述したような同じ手順が採用されている。
【0119】
この場合、ミストは、第1の密閉容器120の噴霧化室123の中央部153の最上方で単に形成されて、タンク121に向かって降下し、そこで、ミストを構成する液状媒体の液体粒子の幾分かは、このタンクに含まれる液状媒体の表面と接触して凝集することにより復水する。
【0120】
同時に、表面と接触して復水しなかったミストは、噴霧化室123の内壁123bの内周肩部159とタンク121内に収容された液状媒体の表面との間に存在する通路を介してその室の周辺部154の中に逃げ込み、それから導管45を経て第2の密閉容器40に入る。パッキング42の諸要素の低温面及び第2の密閉容器の壁40aと接触するミストの凝縮に由来する液滴は、重力の作用を受けて導管45に入り、次いでこの導管をタンク121から隔てている壁123aの部分に沿って流れ、こうしてタンクに再び加わる。
【0121】
繰り返して言うと、第1の密閉容器120のタンク121は、従って、このタンク内に収容された液状媒体の表面上に形成された液滴により、また第2の密閉容器40において形成されたものにより双方から液状媒体を連続的に供給される。
【0122】
本発明による装置の種々の構成要素は、材料が一方では、ガス状媒体から抽出されがちな要素に関して不活性であると共に、それらがガス状媒体及び液状媒体に接触するのを必要とされる構成要素である場合に、液状媒体として使用されやすい有機溶媒及びこれらの要素により起こりうる腐食に耐えることができ、他方ではそれらが支持体として作用する構成要素である場合に、前記装置が受けがちな機械的応力に耐えることができる限り、種々の材料から形成することができる。望ましいのは、装置が1人の人間により搬送され且つ取り扱われるのに適合する重量を有するように、これらの材料が中間密度を有するべきことである。
【0123】
例えば、ガス状媒体及び液体材料と接触するよう企図されている構成要素は、ポリエチレン又はポリテトラフルオロエチレンから形成しうるのに対し、支持体として作用するよう企図されている構成要素は、ポリプロピレン又はアルミニウム合金から構成されうる。
【0124】
本発明は、今まで詳細に説明してきた実施形態に限定されるものではない。
【0125】
例えば、第1の密閉容器が凝縮ドームを有する場合、装置が前述した第2の密閉容器40に類似する複数の凝縮用密閉容器を例えば直列に装着して備えうるという事実に加え、それは、この凝縮ドームを冷却し、そのため凝集及び熱的効果の双方により第1の密閉容器におけるミストの凝縮を引き起こすための手段も備えていてよい。これは、凝縮ドームの壁が使用されている液状媒体に関して低い湿潤性を有しているときに、特に有効となりうる。
【0126】
装置はまた、ガス状媒体からそれが含む水蒸気を取り除くために、ガス状媒体が第1の密閉容器に入る前にそれを乾燥させるための冷却回路又は乾燥装置(例えば、モレキュラーシーブ)を備えることができる。かかるシステムの存在は、氷の結晶が噴霧化ノズルの1つ又は複数のオリフィスを詰まらせるのを防止するために、装置が0℃に近い温度又は0℃よりも低くない温度で使用されるよう企図されている場合に、特に有用であることを示している。
【0127】
更に、噴霧化手段は上述した例に使用されているものに限定されることはなく、原則的に、ガス又は気体の存在下で液体の微小粒子を発生させうる任意の装置を本発明による装置において使用することができる。
【0128】
(参考文献一覧)
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[3] タルボット(Talbot)等の「地球物理研究学会誌(Journal of Geophysical Research)」100,D5,9335〜9343,西暦1995年
[4] キーン(Keene)等の「環境科学技術(Environ. Sci. Technol.)」27,866〜874、西暦1993年
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明による抽出・凝集装置の例示的実施形態の概要図であり、装置は1人の人間により搬送されるのに適するコンパクトな形態となっている。
【図2】横断面で見られる図1に示した装置の一部の概略的表示である。
【図3】横断面で見られる図2に示した装置の一部の代替実施形態の表示である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス状媒体を使用して液状媒体を噴霧化すると共に、この噴霧化により生成されたミストを形成する液状媒体の液体粒子を凝縮することにより、前記ガス状媒体から気体、液体及び/又は固体要素を抽出してそれらを液状媒体に凝集するための凝集装置(10)であって、
噴霧化及び凝縮のため、上方部(24,123)及び前記液状媒体を収容するよう企図された下方部(21,121)を有すると共に、前記ガス状媒体を搬送する導管(35)、前記液状媒体を噴霧化する手段(31,33,131,133)及び前記ガス状媒体を放出する第1導管(45)を備える第1の密閉容器(20,120)と、
該第1の密閉容器の内部を減圧又は加圧して、前記ガス状媒体がこの第1の密閉容器に入り、その内部を循環し、連続流でそこから排出されるのを可能にする手段(60)とを備える装置(10)において、
前記第1の密閉容器から前記ガス状媒体を排出するために前記導管(45)に接続されると共に、前記ガス状媒体を排出するための第2導管(50)を備える、凝縮のための少なくとも1つの第2の密閉容器(40)と、
この第2の密閉容器を冷却するための手段(52)とを更に備えることを特徴とする凝集装置(10)。
【請求項2】
前記第1の密閉容器(20,120)の前記ガス状媒体搬送導管(35)は、この第1の密閉容器の外側に配置された第1端(35a)及びこの第1の密閉容器内に入っている第2端(35b)を有しており、前記噴霧化する手段は、
この導管の前記第2端(35b)と同じ高さに配置されると共に、少なくとも1つのオリフィス(32,132)を有する噴霧化ノズル(31,131)と、
2つの開口(133a,133b)、即ち、前記第1の密閉容器の前記下方部に配置される第1開口(133a)と、前記噴霧化ノズル(31,131)の前記オリフィス(32,132)とそろっている第2端(133b)とを備える噴霧化パイプ(33,133)とから構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の凝集装置(10)。
【請求項3】
前記噴霧化ノズル(31)は、前記第1の密閉容器(20)の前記ガス状媒体搬送導管(35)の断面積を減少させることにより形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の凝集装置(10)。
【請求項4】
前記噴霧化ノズル(131)は、前記第1の密閉容器(20)の前記ガス状媒体搬送導管(35)の前記第2端(35b)に取り付けられたピースからなっている、ことを特徴とする請求項2に記載の凝集装置(10)。
【請求項5】
前記噴霧化ノズル(31)の前記オリフィス(32)は前記第1の密閉容器(20)の前記上方部に向けて方向付けられており、前記噴霧化パイプ(33)の前記第2端(33b)は前記オリフィスの直上に配置されている、ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の凝集装置(10)。
【請求項6】
前記第1の密閉容器(20)は3つの部分を有し、
前記第1の密閉容器(20)の前記下方部を形成すると共に、前記液状媒体を収容するよう企図されているタンク(21)と、
前記第1の密閉容器の中間部を形成すると共に、前記噴霧化ノズル(32)の前記オリフィス及び前記噴霧化パイプ(31)の前記第2開口(33b)を収容している噴霧化室(23)と、
前記第1の密閉容器の前記上方部を形成する凝縮ドーム(24)と、から構成されている、ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の凝集装置(10)。
【請求項7】
前記第2の密閉容器(40)は底部(41)及び頂部(46)を有し、前記ガス状媒体を放出する前記第1導管(45)は、前記第1の密閉容器(20)の前記噴霧化室(23)を前記第2の密閉容器の前記底部(41)に接続するベンド部を備えた導管である、ことを特徴とする請求項6に記載の凝集装置(10)。
【請求項8】
前記噴霧化ノズル(131)の前記オリフィス(132)は、前記第1の密閉容器(120)の前記下方部に向けて方向付けられており、前記噴霧化パイプ(133)の前記第2端(133b)は、このオリフィスの直下に配置されている、ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の凝集装置(10)。
【請求項9】
前記第1の密閉容器(120)は、好ましくは2つの部分を有し、
前記第1の密閉容器の前記下方部を形成すると共に前記液状媒体を収容するよう企図されているタンク(121)であって、前記装置が作動可能な状態であるときの前記液状媒体の表面と同じ高さでのこのタンクの断面積よりも小さな表面積の底部(151)を有している前記タンク(121)と、
前記装置の上方部を形成すると共に、前記噴霧化ノズル(131)の前記オリフィス(132)及び前記噴霧化パイプ(133)の前記第2開口(133b)を収容している噴霧化室(123)と、から構成されている、ことを特徴とする請求項2〜4及び請求項8のいずれか1項に記載の凝集装置(10)
【請求項10】
前記タンク(123)は、前記底部から上方に向かいテーパが付けられた形状を有している、ことを特徴とする請求項9に記載の凝集装置(10)。
【請求項11】
前記噴霧化室(123)は2つの壁、即ち、前記ガス状媒体を放出する前記第1導管(45)が接続されるべき外壁(123a)と、前記タンク(121)から所定距離のところにその完全に上方に配置された内壁(123b)とを有しており、この内壁は、該内壁(123b)の内側に位置付けられる中央部(153)と、前記外壁(123a)及び前記内壁(123b)の間に位置付けられる周辺部(154)とを形成するため、前記噴霧化室を分割しており、前記噴霧化パイプ(133)の前記第2開口(133b)及び前記噴霧化ノズル(131)の前記オリフィス(132)は前記中央部に入っている、ことを特徴とする請求項9又は10に記載の凝集装置(10)。
【請求項12】
前記第2の密閉容器(40)は底部(41)及び頂部(46)を有し、前記ガス状媒体を放出する前記第1導管(45)は、前記第1の密閉容器(120)の前記噴霧化室(123)を前記第2の密閉容器の前記底部(41)に接続するベンド部を備えた導管である、ことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の凝集装置(10)。
【請求項13】
前記第1の密閉容器(120)は前記液状媒体の前記表面を安定化するための要素(167)を備えており、この要素は、前記ミストの凝縮に由来する液滴が通過するのを許容しながら、前記装置が作動可能な状態であるときのこの表面よりも下方で且つこの表面から短い距離のところに置かれている、ことを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の凝集装置(10)。
【請求項14】
前記第2の密閉容器を冷却するための前記手段(52)はペルチェ効果セルである、ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の凝集装置(10)。
【請求項15】
前記第2の密閉容器(40)はパッキング(42)を含んでいる、ことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の凝集装置(10)。
【請求項16】
前記第1の密閉容器(20,120)の前記下方部は、前記装置が作動可能な状態であるときに前記ガス状媒体から抽出されて前記液状媒体に凝集される気体、液体及び/又は固体要素を検出するか又は定量的に測定するための少なくとも1つのシステム(22,122)を備えている、ことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の凝集装置(10)。
【請求項17】
前記第1の密閉容器(20,120)の前記下方部(21,121)は取外し可能である、ことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の凝集装置(10)。
【請求項18】
前記第1の密閉容器(20,120)及び前記第2の密閉容器(40)は解体することが可能であり、それらの諸構成部分は該密閉容器が組み立てられるときに耐漏式に互いに接続される、ことを特徴とする請求項7、請求項8及び請求項12〜17のいずれか1項に記載の凝集装置(10)。
【請求項19】
前記第1の密閉容器(20,120)の内部を減圧するための手段(60)を備えており、該手段は前記ガス状媒体を放出するため前記第2導管(50)に接続されている、ことを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の凝集装置(10)。
【請求項20】
それは、外部電源に接続可能の手段と、自律的作動のために電力供給手段とから構成される電力供給システム(80)を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の凝集装置(10)。
【請求項21】
それは、1人の人間により運ぶか又は下げることができるコンパクトな構造(11)の形態である、ことを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の凝集装置(10)。
【請求項22】
ガス状媒体を使用して液状媒体を噴霧化すると共に、この噴霧化により生成されたミストを形成する液状媒体の液体粒子を凝縮することにより、前記ガス状媒体から気体、液体及び/又は固体要素を抽出してそれらを液状媒体に凝集するための方法であって、前記液体粒子は、濡れた表面上での凝集により凝縮を受けると共に、低温表面との接触により凝縮を受けることを特徴とする凝集方法。
【請求項23】
濡れた表面上での凝集による前記液体粒子の凝縮及び低温表面との接触による前記液体粒子の凝縮は、互いに分離されているが互いに連絡している2つの密閉容器内で行われる、ことを特徴とする請求項22に記載の凝集方法。
【請求項24】
低温表面との接触による前記液体粒子の凝縮は、パッキングを含む冷却された密閉容器内で行なわれる、ことを特徴とする請求項22又は23に記載の凝集方法。
【請求項25】
前記液状媒体は、水、有機溶媒及びそれらの混合物から選択された1種以上の溶媒から構成されている、ことを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項に記載の凝集方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−503990(P2007−503990A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525172(P2006−525172)
【出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【国際出願番号】PCT/FR2004/050408
【国際公開番号】WO2005/025721
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(590000514)コミツサリア タ レネルジー アトミーク (429)
【Fターム(参考)】