説明

ガス発生剤成型体

【課題】多様なガス発生器における要求性能に対応するために、ガス発生剤として容易に燃焼特性の調整が可能なガス発生剤成型体であり、従来技術による性能調整方法では得られなかった性能を持つガス発生剤組成物成型体を提供する。
【解決手段】2種類以上のガス発生剤組成物を含有するガス発生剤成型体において、少なくとも1種類のガス発生剤組成物が顆粒成形体として含まれ、その他のガス発生剤組成物と混合され、一体に成型したガス発生剤成型体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス発生剤成型体、及び該ガス発生剤成型体を用いたガス発生器に関する。特には、エアバッグ用ガス発生器について、燃焼性能を容易に調整し得るガス発生剤成型体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の安全性向上の方策として、ガス発生剤を燃焼させて、そのガス圧力により作動させるエアバッグ装置や、シートベルトプリテンショナー装置が、車両搭載者安全装置として広く採用されている。エアバッグ装置の原理は、ガス発生器が、車両の衝突を検出したセンサーの電気信号を受け、ガス発生器内に充填されたガス発生剤を燃焼させ大容量のガスを生成し、その生成ガス及びガス圧力により乗員と車体内壁との間にエアバッグを展開させるものである。またシートベルトプリテンショナー装置は、電気信号を受けてガス発生器に充填したガス発生剤を燃焼させてガスを発生させ、その生成ガス圧力によりシートベルト巻き取り機構を作動させる。シートベルトの拘束力を高める事により、車両衝突において乗員を保護するというものである。近年における車両安全機能に関する意識の高まりから、エアバッグ装置は、従来装備されてきた運転者及び助手席搭乗者のための前方衝突用エアバッグ以外にも、車両内側壁面及びガラス面に対する衝突緩衝用のエアバッグや、下肢部保護のためのエアバッグの装備が進められている。このようなエアバッグ装置の設置箇所の多様化を受け、エアバッグ展開用ガス発生器は、装置の設置箇所に応じたエアバッグ展開要求に対応した性能を備える事が求められている。
【0003】
エアバッグ装置は、前面衝突保護用、側面衝突保護用、下肢部保護用等、それぞれの設置箇所において、搭乗者と衝突面との距離が異なり、エアバッグ容量も異なる。このため、衝突感知センサーの電気信号を受信してからの起動応答性や、エアバッグ展開時間、展開最大圧力、等のエアバック展開性能において、様々な要求に対応する必要がある。最近では、エアバッグ膨張の勢いによる加害性を考慮し、エアバッグ展開初期は緩やかに膨張し、その後、迅速且つ十分な圧力でエアバッグが膨張する展開挙動制御性能の要望もある。更に、ガス発生器形状の多様化、ガス発生器の小型軽量化等の要求、及び生成ガス成分に関する規制、等エアバッグ装置に対する性能要求は多岐多様である。エアバッグ装置の中核機器であるガス発生器は、これら要求性能に逐一応える必要があり、多様な製品品目を揃えて対応している。したがって、ガス発生器の製造工程において、様々な性能調整が可能であり、且つ性能調整域の広いガス発生器の開発が望まれている。
【0004】
ガス発生器の性能調整法の一つとして、用いるガス発生剤の仕様変更による方法が知られている。ガス発生剤は、その構成成分や成型体形状に基づき、燃焼特性を制御できることから、ガス発生特性に関する直接的な性能調整因子である。そこで、多様なエアバッグ展開要望に応えるため、様々なガス発生特性を示すガス発生剤の開発が進められている。
ガス発生器に用いるガス発生剤は、熱分解や燃焼によりガスを生成する物質を主成分として調製される。かつてはアジ化金属化合物を主成分としたガス発生剤が用いられていた。最近ではこれに替わり、燃料成分と酸化剤成分の混合組成物を主成分としたガス発生剤が調製され、広く用いられている。これらの一般的な組成としては、燃料成分はグアニジン誘導体、テトラゾール誘導体、トリアゾール誘導体などの含窒素有機化合物燃料が用いられている。酸化剤成分としては、硝酸塩、塩基性金属硝酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩等の無機酸化剤が使用されている。該含窒素有機化合物燃料と無機酸化剤は、ガス発生器に要求される燃焼速度、発生ガス量、燃焼熱量、燃焼時に生成されるガス成分、燃焼速度の圧力依存性等の多岐にわたる性能に応じて選定されて混合組成物を調製し、ガス発生剤の主成分として使用されている。
【0005】
ガス発生剤によるガス発生特性を調整する因子として、燃料成分、及び酸化剤成分の選定をはじめとして、燃焼制御剤の添加、及び組成比の最適化などが知られている。更に、各原料成分の粒径規定により、燃料成分や酸化剤成分の反応性の調整、及び燃料成分と酸化剤成分との接触面積の調整する方法が知られている。あるいは、ガス発生剤の成型体形状の設計により燃焼時における着火表面積の制御の検討や、成型体密度の調整による物性の変更検討等によるガス発生剤の検討がなされている。このようなガス発生剤の処方検討により、ガス発生器の多様な要求を満たすものが得られている。
【0006】
上述したように、従来のガス発生剤の組成検討によるガス発生特性の調整方法は、選定される原材料の組合せ、原材料粉末の粒径、及び成型体製造時の製造条件等があるものの、その特性は原材料の組合せ組成に大きく影響され、該組成物固有の一定の燃焼特性をとることになるため、公知の原材料の組合せでは、各エアバッグ装置の要求性能によっては、その要求性能にきめ細かく対応することが困難であった。更に、既存のものとは異なる、特異なガス発生要求に応えるためには、全く新規なガス発生剤組成物の探索から着手せざるを得ず、多品種のガス発生器用途に対応するためには非効率的であった。
これまでにも、燃焼性能が異なる複数の燃料成分及び/又は酸化剤を組み合せた、複雑なガス発生剤組成物により、ガス発生性能を調整することも検討されている。しかしながら、該ガス発生剤組成物では、各成分の平均的な燃焼特性が発現されるのみであり、特異的な性能を有するガス発生剤の開発は困難であった。すなわち、従来技術によるガス発生剤の性能調整因子としては、前記の原料選択や組成比率程度であり、処方設計自由度が少なく性能調整域が狭い問題がある。
【0007】
以下に複数のガス発生剤組成物を用い、ガス発生剤の燃焼調整を行う方法を例示する。
特許文献1に、高エネルギー性含窒素有機化合物と低エネルギー性含窒素有機化合物を含む混合燃料を用いたガス発生剤組成物が記載されている。これは燃焼エネルギーが極端に異なる燃料を組み合せることにより、該ガス発生剤の燃焼初期において燃焼速度が抑制され、初め穏やかに燃焼し、後に激しく燃焼することに伴うガス発生挙動の経時的制御性能が付与されることを開示している。該ガス発生剤として用いられる混合燃料として、5−アミノテトラゾールと粒径が規定された硝酸グアニジン、またはニトログアニジンと粒径規定された硝酸グアニジンが用いられている。該ガス発生剤は、各燃料成分の燃焼特性がそれぞれ発現した特異的なガス発生剤であるが、燃焼特性調整としてガス発生挙動の経時的制御にしか適用出来ないこと、使用できる燃料成分の組合せに制限があること、酸化剤成分が性能調整因子として機能せず性能調整因子が少ないこと、等の課題があった。
【0008】
特許文献2には、着火性の違う2種類以上のガス発生剤組成物成型体をガス発生器に混合充填することで、ガス発生特性を制御する方法が開示されている。すなわち2種類のガス発生剤の混合物を燃焼させると、初め穏やかに燃焼が開始され、後に激しく燃焼すること開示している。このガス発生器は、異なる組成のガス発生剤成型体を同時に燃焼させることで、単一のガス発生剤成型体を燃焼させた場合には得られなかった燃焼特性を得ることが出来るものである。しかしながら、該ガス発生器の燃焼特性の調整は、起動初期の燃焼抑制作用を有するものの、それ以外の機能付与については開示されてなく、燃焼特性における調整範囲には制限を持つ。また該ガス発生器は、2種類のガス発生剤成型体の混合充填状態が、ガス発生器の性能に影響を及ぼすことが懸念される。すなわち、ガス発生器内において、2種類のガス発生剤の充填の偏りに由来する燃焼性能のばらつきを生じる可能性がある。このため、該ガス発生器はその製造において、ガス発生剤充填工程の厳密な工程管理を要し、工業的製造において不利である。
【0009】
特許文献3には、着火性が良好なガス発生剤組成物からなる第1の層、及び着火性が穏やかなガス発生剤組成物からなる第2の層を積層した多層型ガス発生剤を開示している。このガス発生剤は、異なる組成のガス発生剤を組み合わせる事で、単一のガス発生剤組成物成型体を燃焼させた場合には得られなかった燃焼性能を得るものである。すなわち、燃焼初期は表層に配置されるガス発生剤組成物に起因する燃焼特性が発揮され、その後、内層に配するガス発生剤組成物由来の燃焼特性が発現し、経時的な燃焼特性制御を達成する。しかしながら、該ガス発生剤組成物成型体の燃焼性能調整は、本質的には着火性の高いガス発生剤組成物成型体の端面の燃焼の抑制、あるいは着火性の低いガス発生剤組成物成型体の端面の燃焼の促進という2点においてのみ効力を発揮するものであり、性能調製し得る燃焼性能の範囲には一定の制限を持つ事となる。加えて、該ガス発生剤組成物成型体はガス発生器内に充填した際に、点火具の方向に着火性が良好な層が面しているのか、あるいは着火性が穏やかな層が面しているのかによる、ガス発生剤の方向性に起因する燃焼性能の差が生じ、必然的にガス発生器全体の性能に影響を与える事となる。また、単一のガス発生剤組成物からなる成型体に比べ、製造工程が煩雑であり、工業的製造において不利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開WO01/00544パンフレット
【特許文献2】特開2000−226291号公報
【特許文献3】特開平6−48880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、多様なガス発生器における要求性能に対応するために、ガス発生剤として容易に燃焼特性の調整が可能なガス発生剤成型体を提供する事にある。また、本発明の他の目的は、従来技術による性能調整方法では得られなかった性能を持つガス発生剤組成物成型体を提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記目的を達成する為に鋭意検討した結果、複数のガス発生剤組成物を混合し一体に成型したガス発生剤成型体において、少なくとも1種類のガス発生剤組成物を顆粒成形体として混合してなるガス発生剤成型体が、該ガス発生剤組成物成型体の組成を均一に混合した場合とは異なる性能を発現することを見出し、本発明を完成させるに至った。従来技術では、ガス発生剤の性能調整の手段は、主に組成の選定及び組成比の検討、原料の粒径、成型体の形状の最適化のみであったが、本発明により得られるガス発生剤成型体は従来技術に加え、更に、顆粒の組成、顆粒の粒径、及び複数の顆粒成形体を用いることで3種類以上のガス発生剤組成物を適用できる、等の性能調整因子を加えることが出来き、きめ細かな性能調整に対応できる。性能調整因子を多く持つことで、従来技術では実現出来ない性能のガス発生剤組成物成型体を得ることが可能となる。
【0013】
即ち、本発明のガス発生剤成型体は、2種類以上のガス発生剤組成物を含有するガス発生剤成型体において、少なくとも1種類のガス発生剤組成物が顆粒成形体として含まれ、その他のガス発生剤組成物と混合され、一体に成型されたガス発生剤成型体である。
【0014】
本発明のガス発生剤成型体において、ガス発生剤組成物における顆粒成形体の粒径としては0.02mm〜2.0mmであることが望ましい。
【0015】
本ガス発生剤の最終段階の成型手段としては打錠成型が好ましい。成型体の形状としては、例えば球状、棒状、円柱状、円筒状、多孔円筒状成型体、等が挙げられる。本発明のガス発生剤組成物としては円柱状成型体とすることが好ましい。円柱状成形体とは、該円柱状成形体の表面に曲面を形成した形状も含まれる。
【0016】
本発明のガス発生剤成型体において、第1のガス発生剤組成物と第2のガス発生剤組成物の2種類のガス発生剤組成物を含んで構成する場合には、第1と第2のガス発生剤組成物の混合重量比率が5:1〜1:5であることが好ましい。
【0017】
本発明のガス発生剤成型体は、第1と第2のガス発生剤組物の2種類を含み、第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体と第2のガス発生剤組成物の顆粒成形体を含有し、それぞれの顆粒成形体が粒径0.02mm〜2.0mmであることが好ましい。この場合、用いる顆粒の粒径は同じとは限らず、異なる粒径の顆粒を混合して成型体を得ることも出来る。
【0018】
前記ガス発生剤組成物において、少なくとも1種類のガス発生剤組成物が含窒素有機化合物燃料及び酸化剤を含有する混合組成物であることが好ましい。
【0019】
更に本発明は、上記のガス発生剤成型体を充填したガス発生器を含むものである。
【0020】
更に本発明は、第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体を調製する工程、第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体と第2のガス発生剤組成物を混合する工程、第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体と第2のガス発生剤組成物を一体に成型する工程、を含むガス発生剤成型体の製造方法、に関する。
【0021】
前記ガス発生剤成型体の製造方法に関し、第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体を調製する工程、第2のガス発生剤組成物の顆粒成形体を調製する工程、第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体と第2のガス発生剤組成物の顆粒成形体を混合する工程、第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体と第2のガス発生剤組成物の顆粒成形体を一体に成型する工程、を含むガス発生剤成型体の製造方法、と含むものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数種類のガス発生剤組成物を含有するガス発生剤成型体において、ガス発生機能を備えた組成物が、それぞれ一定の塊として分散して存在するガス発生剤成型体とすることにより、個々のガス発生剤組成物のそれぞれの特徴的な燃焼特性を併せて発現させることを可能とする。すなわち、一体のガス発生剤成型体として、複数の燃焼特性を備え発揮されるガス発生剤を提供できる。本発明のガス発生剤成型体は、従来のガス発生剤組成物成型体に比べ、性能調整に係わる要因を多く持ち、その結果としてエアバッグ用ガス発生器の性能上必要となる性能調整をより容易に行う事ができる。また、従来方法による煩雑なガス発生剤製造工程を必要とせずに、複数の燃焼性能を兼ね備えたガス発生剤や、従来得ることの不可能であった性能を持つガス発生剤の調製を可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明は、2種類以上の異なるガス発生剤組成物を含有するガス発生剤成型体に関し、少なくとも1種類のガス発生剤組成物を予め顆粒状に成型したものを含有させ一体のガス発生剤成型体とすることを特徴とする。当該構成により、燃焼性能等の調整をより容易とするとともに、従来の方法では得られ難い燃焼性能や複数の燃焼機能を付与したガス発生剤を調製し得るものである。
【0024】
本発明のガス発生剤成型体は、2種類以上のガス発生剤組成物により構成するものである。本願においてガス発生剤組成物とは、点火装置による微小な発熱を起点とし、熱分解若しくは燃焼により多量のガスを発生する物性を有する機能単位を指す。
熱分解性ガス発生物質としては、単体物質としてはアジ化化合物が挙げられ、アジ化ナトリウムが一般的に使用される。燃焼性ガス発生物質としては、分子内に燃焼性元素と酸化性含酸素官能基を併せ持つ物質が用いられる。好ましくは硝酸エステル類が挙げられ、ポリオールの硝酸エステルが特に好ましく、代表的な燃焼性ガス発生物質としてニトロセルロースが挙げられる。これらは単一化合物としてガス発生機能を備える物質であるが、熱分解性や燃焼性を向上または抑制することを目的として、酸化剤や不燃性無機物等の添加剤を併せた混合物を用いることができる。
【0025】
またガス発生剤組成物として、燃料成分と酸化剤成分を組み合せた混合物も好適に用いられる。燃料成分としては、燃焼性有機化合物であれば特に限定されるものではないが、高炭素含量の炭素系有機化合物燃料、または高窒素含量の含窒素有機化合物燃料が、ガス発生剤において広く用いられており、本発明のガス発生剤組成物として好ましく用いられる。
燃料成分として炭素含量の高い炭素系有機化合物燃料を用いる場合は、燃焼を促すとともに、有毒な一酸化炭素の生成を抑制するため、燃料成分分子中において酸素含量が高い化合物が好ましい。具体的な炭素系有機化合物燃料としては、ペンタエリスリトール、グルコース、ソルボース、アスコルビン酸またはその塩、クエン酸またはその塩、ラクトース、ソルビトース、グルコン酸またはその塩、グルクロン酸またはその塩、フルクトース、エリスリトール、キシリトール、デルタ酸またはその塩、スクエア酸またはその塩、クロコン酸またはその塩、ロジゾン酸またはその塩、シクロヘキサンヘキサオン、1,2,3,4,5−シクロヘキサンペントール、キシリトール、アラビトール、アドニトール等が挙げられる。これら炭素系有機化合物燃料は、1種類単体で用いても良いが、性能調整を目的に、前記の群より選ばれる2種類以上を混合したものを用いることも好ましい例として挙げられる。また、後述する含窒素有機化合物燃料と混合して使用することも好ましい。
【0026】
燃料成分として用いられる含窒素有機化合物燃料は、燃焼を契機として熱分解し、窒素を主成分として放出する物性であるものが好ましく、グアニジン誘導体、テトラゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ビトリアゾール誘導体、ビテトラゾール誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ビドラジン誘導体、及びヒドラジド誘導体が挙げられる。
これらの具体例としては、グアニジン、ニトログアニジン、硝酸グアニジン、硝酸アミノグアニジン、シアノグアニジン、トリアミノグアニジン、トリアミノグアニジン硝酸塩、テトラゾール、5−アミノテトラゾール、硝酸アミノテトラゾール、ニトロアミノテトラゾール、アミノテトラゾールの金属塩、5−アミノテトラゾールの銅錯体、ビテトラゾール金属塩、ビテトラゾールのモノアンモニウム塩、ビテトラゾールのジアンモニウム塩、ビテトラゾール(5,5'−ビ−1H−テトラゾール)、5,5'−ビ−1H−テトラゾールジアンモニウム塩、アゾビステトラゾール、5,5'−アゾテトラゾールジグアニジウム塩、5−オキソ−1,2,4−トリアゾール、トリヒドラジノトリアジン、ビウレット、アゾジカルボンアミド、ビウレア、アゾジカルボンアミド、ヒドラジン金属錯体硝酸塩、ヒドラジン硝酸塩錯体、カルボヒドラジド、カルボヒドラジド遷移金属錯体硝酸塩、カルボヒドラジド硝酸塩錯体、シュウ酸アンモニウム、シュウ酸モノヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、ナトリウムジシアナミド、ビス(ジシアンジアミド)銅(I)硝酸塩、アンミン錯体ジシアナミド、ジシアンジアミド、或いはこれらのアルカリ金属,アルカリ土類金属或いは遷移金属の塩などを挙げることができる。これら含窒素有機化合物燃料は1種類単体で用いても良いが、性能調整を目的に、前記の群より選ばれる2種類以上を混合したものを用いることも好ましい例として挙げられる。また、前記炭素系有機化合物燃料と混合して使用することも好ましい。
【0027】
本発明における酸化剤成分は、燃焼性の有機化合物燃料成分に、燃焼に必要な酸素を供給するものである。酸化剤としては、硝酸塩、塩基性金属硝酸塩、過塩素酸塩、塩素酸塩からなる群より選ばれる1種以上を用いるのが好ましい。
硝酸塩としては、硝酸アンモニウム、相安定化硝酸アンモニウム、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の硝酸塩が挙げられる、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の硝酸塩としては、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウムなどが挙げられる。
本発明に用いることのできる相安定化硝酸アンモニウムとしては、相安定化の方法は特に限定されるものではない。公知技術として、硝酸アンモニウムにカリウム塩を加える方法が挙げられる。本発明では、硝酸アンモニウムに少量の過塩素酸カリウム、硝酸カリウム、塩素酸カリウム、亜硝酸カリウム、硫酸カリウム、塩化カリウム、蓚酸カリウムを加えることにより相安定化した硝酸アンモニウムが好ましく、熱安定性、酸化能力等から考えると、過塩素酸カリウム或いは硝酸カリウムで安定化した相安定化硝酸アンモニウムが特に好ましい。
塩基性金属硝酸塩としては、塩基性硝酸銅、塩基性硝酸コバルト、塩基性硝酸亜鉛、塩基性硝酸マグネシウム、塩基性硝酸鉄が挙げられる。
過塩素酸塩、塩素酸塩としては、これらのアンモニウム塩、アルカリ金属塩、またはアルカリ土類金属塩が挙げられる。具体的な過塩素酸塩、塩素酸塩としては、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ストロンチウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸カルシウム、過塩素酸バリウム、塩素酸アンモニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、塩素酸ストロンチウム塩素酸マグネシウム、塩素酸カルシウム、塩素酸バリウムなどが、それぞれ例示できる。
これら酸化剤は、1種類単体で用いても良いが、性能調整を目的に、前記の群より選ばれる2種類以上を混合した混合酸化剤を用いることも好ましい例として挙げられる。
【0028】
本発明におけるガス発生剤組成物は、更に添加剤を含有してもよい。該添加剤としては、ガス発生器用ガス発生剤組成物に使用可能な一般的な添加剤を用いる事ができる。例えば、成形性や形状保持能力を付与する為のバインダー、燃焼残渣を容易に濾過する事を可能にするためのスラグ形成剤、燃焼調整剤、滑剤、等の添加剤を用いる事ができる。これらは、1種類の単独使用、または2種類以上を併用して添加剤として用いることができる。
【0029】
本発明において使用し得るバインダーとしては、一般的にガス発生剤の添加剤として使用可能なバインダーを用いることができ、本発明のガス発生剤成型体の最終的な成形方法により用いるバインダーは適宜選択されるべきである。すなわち最終成型方法として打錠成型方法または押出成型方法のいずれかを採用するかにより、用いるバインダーを考慮するべきである。
具体的な打錠成型用バインダーとしては合成ヒドロタルサイト、酸性白土、タルク、ベントナイト、ケイソウ土、二硫化モリブデン、シリカ、アルミナ、グラファイト等の無機バインダーや、結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリビニルアルコール等の有機バインダーが挙げられる。押出成型用バインダーとしては、カルボキシメチルセルロースの金属塩、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ニトロセルロース、微結晶性セルロース、グアガム、デンプン等の多糖類誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ステアリン酸等の有機バインダー等が挙げられる。若しくはこれらの混合物の使用を挙げることができる。押出成型の場合、これらバインダーと滑り剤、具体的には界面活性剤、カップリング剤、グラファイト、二硫化モリブデン等を0.5〜5重量%添加することにより、成型性が向上する。なお、ガス発生剤組成物中のバインダー含有量は0〜10重量%、更に好ましくは1〜6重量%であることが好ましい。
【0030】
本発明において使用し得るスラグ形成剤は、一般的にエアバッグ用ガス発生剤に添加剤として使用可能なスラグ形成剤を用いることができ、ガス発生剤組成物の燃焼後に生成する燃焼残渣を容易にろ過する事を可能にする添加剤である。スラグ形成剤の具体例としては窒化珪素、炭化珪素、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪酸塩、酸性白土、クレー等を挙げることができる。なお、ガス発生剤組成物中のスラグ形成剤含有量は0〜10重量%、更に好ましくは2〜5重量%である。
【0031】
本発明において燃焼調整剤を用いることができる。燃焼調整剤は、ガス発生剤組成物の燃焼を調整するための添加剤である。使用可能な燃焼調整剤としてはガス発生剤の燃焼を調整できるものであればよいが、具体的には酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化クロム、酸化コバルト、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン等の金属酸化物、水酸化銅、水酸化コバルト、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、及び活性炭粉末、グラファイト、カーボンブラック等の炭素類等を例示することができる。ガス発生剤組成物中の燃焼調整剤含有量は0〜20重量%、更に好ましくは0〜10重量%である。
【0032】
上記滑剤は、ガス発生剤組成物の調整時において原料成分の混合性向上、流動性改善を目的として添加される。例えば、グラファイト、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、窒化ホウ素、高分散シリカ、タルク等が挙げられる。ガス発生剤組成物に滑剤を適用する場合、滑剤含有量は0〜3重量%、更に好ましくは0.1〜1.0重量%である。
【0033】
本発明に用いるガス発生剤組成物は、ガス発生機能を備えるものであれば特に限定されるものではないが、複数のガス発生剤組成物のうち、少なくとも1種類のガス発生剤組成物は、含窒素有機化合物燃料と酸化剤との組み合わせ混合組成物を用いることが好ましい。含窒素有機化合物燃料と酸化剤を含有するガス発生剤組成物は、ガス発生特性に優れるという利点に加え、含窒素有機化合物及び酸化剤の選択や各含量設定により、ガス発生機能における性能調整域が広くなる点で有利である。用いられる2種類以上のガス発生剤組成物において、その何れも含窒素有機化合物燃料と酸化剤の組み合わせ混合組成物とすることにより、更にガス発生機能における性能調整域を広くすることができ、多様な燃焼特性に調整可能なガス発生剤を提供し得る本発明の特徴を、より顕著に発現させることができる。
【0034】
本発明は、用いるガス発生剤組成物の少なくとも1種類が顆粒成形体として含有することを特徴とする。上述したガス発生剤組成物の各構成成分は、一般的に微細な粉末体として供給されており、これを混合することで当該ガス発生剤組成物が調製される。
本願のガス発生剤組成物の顆粒成形体とは、粉末体のガス発生剤組成物を固め、一定の大きさの粒体としたものである。顆粒成形体の形状は、一定の塊状であれば特に限定されるものではないが、具体例としては、球形顆粒成形体、円柱状顆粒成形体、非定形顆粒成形体、等が挙げられる。
本発明においてガス発生剤組成物を顆粒成形体とすることは、規定の物性のガス発生機能物を、一定の大きさの塊で、ガス発生剤成型体中に分散して存在させることを目的とし、各ガス発生剤組成物のそれぞれのガス発生特性を独立して発揮させることを企図するものである。
【0035】
本発明のガス発生剤成型体において、所望のガス発生特性を発揮させるための性能調整方法として、当該ガス発生剤組成物の顆粒成形体の大きさは重要な調整因子として機能する。したがって前記顆粒成形体の大きさは、ガス発生特性に応じ適宜設定されるものである。すなわち顆粒成形体の粒径を変化させる事で、最終物のガス発生剤成型体にした際に、その表面積中における顆粒成形体の露出比率を変更することができ、ガス発生剤として燃焼初期のガス発生特性の性能調整に寄与することになる。また、粒径の大きな顆粒成形体は燃焼に長時間を要し、逆に粒径の小さな顆粒成形体から成る部分は短時間で燃え尽きる。このような燃焼時間のコントロールにより、ガス発生特性における時間的な性能調整を可能とするものである。
【0036】
本発明における顆粒成形体の大きさに関し、最終的なガス発生剤成型体の大きさ、及び個々のガス発生剤組成物の機能発揮の観点から、顆粒成形体の大きさは一定範囲に設定されることが好ましい。本願では顆粒成形体の大きさを規定する方法として、その長径を以って規定し、これを粒径と設定した球形顆粒体と仮定して説明する。以下、本発明の顆粒成形体の大きさについて、粒径と称し説明する。
本発明における顆粒成形体は、粒径が0.02〜2.0mmの範囲に調製されることが好ましい。粒径が0.02mm以下の顆粒成形体は、ガス発生剤組成物固有のガス発生機能を発揮されにくく、ガス発生剤組成物の粉体を均一に混合したものに近い性能となり、個々のガス発生剤組成物の特性発揮が明確に発現されにくい。一方、粒径が2.0mm以上の顆粒成形体を用いた場合には、他のガス発生剤組成物との混合において、比重差による顆粒の偏在等、後工程の成型時の取り扱いが困難になるため好ましいとは言えない。
ガス発生剤として企図した性能を発揮させるためには、用いる顆粒成形体は規定の粒度をそろえた顆粒体を用いることが重要である。規定範囲の粒度の顆粒成形体を調製する方法は特に限定されるものではなく、顆粒製造における造粒方法、及び分級方法を適宜採用することにより調製される。しかしながら、最終工程において篩分法による分級を行なうことが、所望の大きさの顆粒成形体を調製する方法として最も簡便であり、汎用される。
【0037】
上記ガス発生剤組成物の顆粒成形体は、ガス発生剤組成物の粉末を機械的に圧縮し固めることにより造粒し調製される。使用できる造粒方法としては、一般的な方法を採用して良く、攪拌(転動)造粒法、押出造粒法、流動層造粒法が挙げられる。一般的には、ガス発生剤組成物の粉末に溶媒、又はバインダーを含む溶液を加え、機械的に圧縮し固めることにより造粒し、乾燥して調製されるものである。
用いる造粒方法により、得られる顆粒形状が決定される。攪拌造粒法はガス発生剤組成物の粉末を混合しながら、上記バインダーを含む溶液を噴霧し、攪拌混合する事で一定のサイズの顆粒を得る方法で、主として球形顆粒体が得られる。攪拌混合操作は、手動式にて攪拌しても良く、また攪拌機を用いても良い。押出造粒法はバインダーを含むガス発生剤組成物の混合粉末に溶媒を加えて混練して湿薬を調製し、その後、この湿薬を所定のサイズのメッシュ、あるいは所定の径の穴の開いた多孔板を通過させた後、乾燥することにより顆粒を得るもので、円柱状ペレット形状の顆粒体が得られる。流動層造粒法は、ガス発生剤組成物の粉末を容器内で温風を吹きかける事で流動層状態にしたものにバインダー溶液を噴霧し造粒するもので、非定型顆粒体が調製される。
【0038】
一般的な造粒方法として、水や有機溶剤等の溶媒、若しくはこれらの溶媒にバインダー剤を溶解させたバインダー溶液を、ガス発生剤組成物の混合粉末に添加して造粒工程に処する。溶媒としては、水、またはメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、アセトン、メチルブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエステル類が挙げられる。バインダー類としては、ガス発生剤組成物で使用できる前述のバインダー剤と同じものを用いることができる。媒体とバインダーの組合せは、カルボキシメチルセルロースの金属塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等に例示される親水性バインダーを用いる場合は、水、アルコール類、含水アルコール類を溶媒として用いる。一方、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ニトロセルロース等に例示される疎水性バインダーを用いる場合は、ケトン類、エステル類を溶媒として用いる。
バインダー溶液は、ガス発生剤組成物の混合粉末に添加し、湿薬状態としたものを造粒しても良いし、スラリー状としたものをスプレードライ法にて顆粒としても良い。また、ガス発生剤組成物の混合粉末に噴霧し、半湿状の顆粒としてもよい。バインダー剤は顆粒成形体調製時において、バインダー剤溶液として別途添加する形態でも良く、若しくは、予めバインダー剤を含有するガス発生剤組成物の混合粉末に対し前記溶媒を加え、造粒工程を行なう形態でも良い。また、ガス発生剤組成物の酸化剤、燃料として選定される原料によっては、別途バインダー剤を必要とせず、溶媒のみで造粒することもできる。造粒工程により顆粒体に成形後、乾燥により添加した溶媒を除去し、顆粒成形体を得る。乾燥工程には送風式乾燥機、自然対流式乾燥機、強制対流式乾燥機、真空式乾燥機等が使用され、好ましくは溶媒の沸点以上の温度にて乾燥するが、安全面を考慮し、溶媒の沸点よりも低い温度にて長時間をかけて溶媒を揮発させても良い。より好ましくは、乾燥後に篩分法等により分級し、所定の大きさの顆粒成形体として調製される。
【0039】
本発明のガス発生剤成型体は、少なくとも1種類のガス発生剤組成物の顆粒成形体と、その他のガス発生剤組成物を混合し、一体に成型することを特徴とする。他のガス発生剤組成物は、顆粒成形体としたガス発生剤組成物とはガス発生特性や着火特性、燃焼特性において異なる物性のガス発生剤組成物を使用することが望まれる。他のガス発生剤組成物の使用形態としては、粉体形態、水や有機溶剤を添加した湿状混練物、若しくは顆粒成形体であっても良い。複数のガス発生剤組成物が十分に混合されるためには、乾式混合法を採用することが好ましいことから、その他のガス発生剤組成物は粉体状態、若しくは顆粒成形体として添加されることが好ましい。
前記ガス発生剤組成物の顆粒成形体と、その他のガス発生剤組成物との混合方法としては、ガス発生剤組成物の顆粒成形体、及びその他のガス発生剤組成物の粉末を所定量測りとり、V型混合機、ロッキングミキサー、混合攪拌機、ダブルコーン型混合機等により均一に混合する。この際、予め調製した顆粒成形体に過剰な力が加わり、所定の顆粒形態が変形、若しくは粉化してしまうのを防ぐことが重要である。このため、V型混合機を使用して混合することが好ましい。薬剤量が少量の場合は、攪拌棒やゴムへら等を用い手動により混合して、目視にて均一に混合されたことを確認する方法が好ましい。
【0040】
本発明のガス発生剤成型体において、複数のガス発生剤組成物の混合における混合重量比率は、所望のガス発生特性を発揮させるための性能調整因子として特に重要である。このため、複数のガス発生剤組成物の混合重量比率は、ガス発生特性に応じ適宜設定されるものである。この場合、当然のことながら、混合含量の多いガス発生剤組成物の物性が、当該ガス発生剤の特性発揮に関し支配的となり、主たるガス発生特性を決定付ける。
2種類のガス発生剤組成物を用いる場合、第1のガス発生剤組成物と第2のガス発生剤組成物の混合重量比率は1:5〜5:1の範囲であることが好ましい。2種類のガス発生剤組成物の混合比率が1:5〜5:1の範囲外となった場合には、一方のガス発生剤組成物の性能が極端に支配的になり、性能調整効果が低くなってしまう。
【0041】
本発明において、混合された複数のガス発生剤組成物を一体に成型するものである。その成型方法に関し、打錠成型、または押出成型の何れを採用しても良い。しかしながら、一体のガス発生剤に成型する際に、過大な応力を伴う攪拌操作や混合工程を伴う成型方法は、予め調製した顆粒成形体の形状及び大きさの変化をもたらし、ガス発生剤として所望の性能発揮が得られない可能性がある。このため、少なくとも顆粒成形体の形状変化に十分留意して、成型方法及び成型条件を決定する必要がある。
打錠成型の場合、前記顆粒成形体を含む複数のガス発生剤組成物の混合物を、打錠機に投入し成型する。打錠成型工程に供する際において、更に、前記複数のガス発生剤組成物の混合物に、任意にバインダー剤、滑剤を添加することもできる。適用するバインダー剤、滑剤としては、前述のガス発生剤組成物に適用できるものを使用することができ、該ガス発生剤組成物の調製時において、予めこれらバインダー剤、滑剤を添加しておくことで、本工程の打錠成型における添加剤として機能させることもできる。打錠条件は、予め調製したガス発生剤組成物の顆粒成形体の形状変化を伴わない条件にする必要がある。特に打錠圧力に留意するべきであり、打錠荷重100MPa以下で行なう必要がある。より好ましくは、50MPa荷重による打錠成型であるが、打錠荷重はこの範囲に限定されるものではなく、成型体形状に応じて選定される。打錠により成型する事で、予め調製した顆粒成形体の形状及び大きさの変化を極力抑え、想定した通りの性能を得ることが出来る。得られる打錠成型体の形状は、直径2〜10mm、厚さ1〜5mmのディスク状、ペレット状、球状等の錠剤に成型される。得られた打錠成形体は必要により、成型後に100〜120℃で2〜24時間程度の条件で熱処理する事により、経時変化の少ないガス発生剤成形体を得る事ができる。
【0042】
押出成型の場合、前記顆粒成形体を含む複数のガス発生剤組成物の混合物を、押出成型機に投入し成型する。この際、前記混合物は適度な粘度を有する湿状混合物が好ましい。したがって、水または有機溶剤等の媒体を含む湿状混合物とすることが必要である。更に、混合物の粘度調製のため、任意にバインダー剤を媒体と共に加えることも好ましい。媒体、及びバインダー剤は前記ガス発生剤組成物に適用できるものを使用することができ、該ガス発生剤組成物の調製時において、予めバインダー剤添加しておくことで、本工程の押出成型における添加剤として機能させることもできる。押出成型において、予め調製したガス発生剤組成物の顆粒成形体の形状変化をもたらさないよう、混合条件や媒体の選択、押出し条件の設定に留意する必要がある。押出成型されたガス発生剤は、添加した媒体を溜去する乾燥工程を経て、ガス発生剤成型体として成型される。成型体の形状は主として柱状体であり、直径1〜5mm、長さ2〜10mmの円柱状、単孔円筒状、多孔円筒状に成型され得る。得られた押出成型体は、成形後に50〜120℃の温度で2〜24時間程度熱処理する事により、経時変化の少ないガス発生剤成形体を得る事ができる。この熱処理工程は、前記媒体溜去のための乾燥工程を兼ねて行なっても良い。
【0043】
すなわち本発明のガス発生剤成型体は、上述した詳細な説明を適用させて製造することができ、その製造工程は特に限定されるものではない。しかしながら、以下の製造工程の手順に従って製造することが好ましい。(1)第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体を調製する工程、(2)前記第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体と、第2のガス発生剤組成物を混合する工程、(3)前記工程による第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体と第2のガス発生剤組成物の混合物を一体に成型する工程、を含む製造工程により本発明の企図したガス発生剤成型体を製造することができる。
【0044】
本発明のガス発生剤成型体の別の態様として、第1のガス発生剤組成物と第2のガス発生剤組成物の2種類を含むガス発生剤であり、その2種類のガス発生剤組成物が共に顆粒成形体として含み、一体に成型されたガス発生剤成型体を挙げることができる。2種類のガス発生剤組成物は、それぞれ異なるガス発生特性を示すもの同士を組み合せて適用される。組み合せて用いる2種類のガス発生剤組成物をそれぞれ顆粒成形体として、これを一体に成型することにより、個々のガス発生剤組成物のガス発生特性や燃焼特性を顕在化させ、得られるガス発生剤成型体として、固有の機能特性を付与することが可能となる。また、2種類のガス発生剤組成物のそれぞれの長所利点を併せ持ち、且つ短所を補った従来技術では達し得ない特性を付与することを可能とする。
【0045】
2種類のガス発生剤組成物を、それぞれの顆粒成形体として混合使用する場合、各顆粒成形体の形状について、一定の粒状塊であれば特に限定されるものではない。顆粒成形体形状の具体例としては、球形顆粒成形体、円柱状顆粒成形体、非定形顆粒成形体、等が挙げられる。2種類のガス発生剤組成物は同一の形状であっても、異なる形状であってもどちらでも良い。
しかしながら、各顆粒成形体の大きさに関し、用いる粒径の組み合せは、本発明のガス発生剤成型体の特性に大きく影響し、性能調整因子として非常に重要である。すなわち、各顆粒成形体のそれぞれの粒径は、ガス発生特性に応じ適宜設定されるものである。組み合わせるガス発生剤組成物の顆粒成形体の粒径は同一であっても良く、また異なる粒径であっても良い。本発明のガス発生剤成型体の特性調整機能を付与する場合において、小さい粒径の顆粒成形体と大きい粒径の顆粒成形体を併用する条件では、小さい粒径の顆粒成形体は、最終成型体の表面において占める面積が広く、大きい粒径の顆粒成形体は最終成型体表面において占める面積が狭くなり、着火性の調整に大きく影響する。また、小さい粒径の顆粒成形体は、速やかに短時間で燃焼するため、ガス発生剤として燃焼初期特性に寄与する。一方、粒径の大きい顆粒成形体は燃焼に長時間を要するため、ガス発生剤として燃焼中〜後期特性に影響を与える。したがって、2種類のガス発生剤組成物の顆粒成形体を混用する態様によって、顆粒成形体の組成種類とその粒径の組合せにより、ガス発生剤の燃焼初期と中〜後期特性を変えることができ、経時的特性変化を付与することが出来る。
【0046】
2種類のガス発生剤組成物を顆粒成形体として用いる場合、これらの粒径は適宜設定されるものである。しかしながら、最終的なガス発生剤成型体の大きさを考慮すると共に、顆粒成形体同士の混合性や、個々のガス発生剤組成物の機能発揮の観点から、顆粒成形体の大きさはその長径を以って規定し、長径を粒径と設定した球形顆粒体と見なした粒径が0.02〜2.0mmの範囲に調製されることが好ましい。粒径が0.02mm以下の顆粒成形体は、ガス発生剤組成物固有のガス発生機能を発揮されにくく、ガス発生剤組成物の粉体を均一に混合したものに近い性能となる。一方、2.0mm以上の顆粒成形体を用いた場合には、顆粒体同士の混合工程において、比重差による顆粒の偏在等、後工程のガス発生剤成型体調製時の取り扱いが困難になる。
ガス発生剤として企図した性能を発揮させるためには、用いる顆粒成形体は規定の粒度の顆粒体を用いることが重要である。規定の粒度の顆粒成形体を得る方法は特に限定されるものではなく、顆粒製造における造粒方法、及び分級方法を適宜選択することにより調製される。しかしながら、最終工程において篩分法による分級を行なうことが、所望の大きさの顆粒成形体を調製する方法として最も簡便であり、汎用される。
【0047】
2種類のガス発生剤組成物を顆粒成形体として用いる場合も、その混合比率は、所望のガス発生特性を発揮させるための性能調整因子として特に重要である。混合含量の高いガス発生剤組成物の物性が、当該ガス発生剤の特性発揮に関し支配的となり、主たるガス発生特性を決定付ける。
2種類のガス発生剤組成物をそれぞれ顆粒成形体として用いる場合、第1のガス発生剤組成物顆粒成形体と第2のガス発生剤組成物顆粒成形体の混合重量比率は1:5〜5:1の範囲であることが好ましい。2種類のガス発生剤組成物の混合比率が1:5〜5:1の範囲外となった場合には、一方のガス発生剤組成物の性能が支配的になり過ぎ、性能調整効果が低くなってしまう。
【0048】
2種類のガス発生剤組成物をそれぞれ顆粒成形体として用いる場合、2種類の顆粒成形体を混合し、これを一体に成型するものである。混合工程は、顆粒成形体が粉砕や変形を受けない程度の応力において、2種類の顆粒成形体が十分に混和分散する工程である。具体的な方法として、各ガス発生剤組成物の顆粒成形体を所定量測りとり、混合機にて均一に混合する。顆粒成形体形状保持を考慮するとV型混合機の使用が好ましい。また供試試料が少量の場合は、攪拌棒やゴムへらにより手動にて攪拌し、目視にて混合均一性を確認する方法を採用しても良い。
【0049】
2種類の顆粒成形体を一体に成型する方法に関し、打錠成型、または押出成型の何れを採用しても良い。しかしながら、一体のガス発生剤に成型する際に、過大な応力を伴う攪拌操作や混合工程を伴う成型方法は、予め調製した顆粒成形体の形状及び大きさの変化をもたらし、ガス発生剤として所望の性能発揮が得られない可能性がある。このため、少なくとも顆粒成形体の形状変化に十分留意して、成型方法及び成型条件を決定する必要がある。
顆粒成形体の形状を維持したまま一体のガス発生剤成型体とするには、この場合、打錠成型方法が好ましい。打錠成型方法の場合、2種類のガス発生剤組成物の顆粒成形体を含む混合物を、打錠機に投入し成型する。打錠成型工程に供する際に、更に任意にバインダー剤、滑剤を添加することもできる。適用するバインダー剤、滑剤としては、前記ガス発生剤組成物に適用できるものを使用することができ、該ガス発生剤組成物の調製時において、予めこれらバインダー剤、滑剤を添加しておくことで、本工程の打錠成型における添加剤として機能させることもできる。打錠条件は、予め調製したガス発生剤組成物の顆粒成形体の形状変化を伴わない条件にする必要がある。特に打錠圧力に留意するべきであり、打錠荷重100MPa以下で行なう必要がある。より好ましくは、50MPa荷重による打錠成型であるが、打錠荷重はこの範囲に限定されるものではなく、成型体形状に応じて選定される。打錠により成型する事で、予め調製した顆粒成形体の形状及び大きさの変化を極力抑え、想定した通りの性能を得ることが出来る。得られる打錠成型体の形状は、直径2〜10mm、厚さ1〜5mmのディスク状、ペレット状、球状等の錠剤に成型される。得られた打錠成形体は必要により、成型後に100〜120℃で2〜24時間程度の条件で熱処理する事により、経時変化の少ないガス発生剤成形体を得る事ができる。
【0050】
押出成型を採用する場合、2種類のガス発生剤組成物の顆粒成形体を含む混合物を、押出成型機に投入し成形する。この際、前記混合物は適度な粘度を有する湿状混合物が好ましい。したがって、水または有機溶剤等の媒体を含む湿状混合物とすることが必要である。更に、混合物の粘度調製のため、任意にバインダー剤を媒体と共に加えることも好ましい。媒体、及びバインダー剤は前記ガス発生剤組成物に適用できるものを使用することができる。押出成型において、予め調製したガス発生剤組成物の顆粒成形体の形状変化をもたらさないよう、混合条件や媒体の選択、押出し条件の設定に留意する必要がある。押出成型されたガス発生剤は、添加した媒体を溜去する乾燥工程を経て、ガス発生剤成型体として成型される。成型体の形状は主として柱状体であり、直径1〜5mm、長さ2〜10mmの円柱状、単孔円筒状、多孔円筒状に成型され得る。得られた押出成型体は、成形後に50〜120℃の温度で2〜24時間程度熱処理する事により、経時変化の少ないガス発生剤成形体を得る事ができる。この熱処理工程は、前記媒体溜去のための乾燥工程を兼ねて行なっても良い。
【0051】
すなわち本発明の別の態様である、第1のガス発生剤組成物と第2のガス発生剤組成物の2種類を含むガス発生剤であり、その2種類のガス発生剤組成物が共に顆粒成形体として含み、一体に成型されたガス発生剤成型体は、上述した詳細な説明を適用させて製造することができ、その製造工程は特に限定されるものではない。しかしながら、以下の製造工程の手順に従って製造することが好ましい。(1)第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体を調製する工程、(2)第2のガス発生剤組成物の顆粒成形体を調製する工程、(3)前記第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体と、第2のガス発生剤組成物の顆粒成形体を混合する工程、(4)前記工程による第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体と第2のガス発生剤組成物の混合物を一体に成型する工程、を含む工程により企図したガス発生剤成型体を製造することができる。
【0052】
本発明は2種類以上のガス発生剤組成物を用いる。本発明において、2種類のガス発生剤組成物の組合せとして好ましい第1の態様としては、硝酸グアニジンと塩基性硝酸銅を含む第1のガス発生剤組成物、並びに5−アミノテトラゾールと硝酸ストロンチウムを含む第2のガス発生剤組成物の組み合わせが挙げられる。第2の態様として、硝酸グアニジンと塩基性硝酸銅を含む第1のガス発生剤組成物、並びに5−アミノテトラゾール、硝酸ストロンチウム及び過塩素酸カリウムを含む第2のガス発生剤組成物の組み合わせが挙げられる。第3の態様としては、硝酸グアニジンと硝酸ストロンチウムを含む第1のガス発生剤組成物、並びに5−アミノテトラゾールと硝酸ストロンチウムを含む第2のガス発生剤組成物の組み合わせが挙げられる。第4の態様としては、硝酸グアニジンと塩基性硝酸銅を含む第1のガス発生剤組成物、並びに硝酸グアニジンと過塩素酸アンモニウムを含む第2のガス発生剤組成物の組み合わせが挙げられる。上記の好ましい態様は、任意に補助酸化剤として、その他の酸化剤、または燃焼調整を担う不燃物を含有しても良い。
上述した好ましい態様における、第1のガス発生剤組成物及び第2のガス発生剤組成物は、篩分け分級により、それぞれの粒径が0.02〜2.0mmの顆粒成形体として用いられることが好ましい。より好ましくは篩分け分級によりそれぞれのガス発生剤組成物の粒径が0.045〜1.0mmの顆粒成形体で用いられる事が好ましい。また、該2種類のガス発生剤組成物における、該第1のガス発生剤組成物と該第2のガス発生剤組成物の混合重量比は5:1〜1:5で用いられることが好ましい。上記、顆粒成形体の粒径、及び混合重量比は、本発明に係るガス発生剤成型体の燃焼特性に関わる因子であり、所望の性能に応じ、適宜変更し得る。
【0053】
本発明のガス発生剤成型体は、点火器を備え燃焼機構によりガスを発生させるガス発生器に充填して使用するものである。すなわち前記ガス発生剤成型体を充填したガス発生器も本発明の要旨とする。当該ガス発生器は、車両搭乗者安全装置の作動装置として適用されるものであり、具体的には、エアバッグ展開用ガス発生器、またはシートベルトプリテンショナー用ガス発生器を挙げることができる。車両搭乗者安全装置は、車両の衝突事故を検知し、迅速に作動することを絶対条件とするものである。一方で、エアバック装置が車両室内の様々な箇所に設置される傾向があり、エアバッグ装置の設置箇所に応じ、それぞれ要求性能が異なる。
すなわち運転席前方設置用エアバッグについては、エアバッグを展開する為に必要な所定量のガスを、搭乗員への加害性が最小となる最適な発生速度にて供給する必要がある。これに対して助手席前方設置用エアバッグは、搭乗員乗車位置からエアバッグまでの距離が遠く、より広い空間をカバーする為、エアバッグ容積が大きくなっている。このため、助手席前方設置用エアバッグにはより多くのガスをより長時間に渡って供給する性能が求められる。また、側突対策用の再度エアバッグにおいては、搭乗員と車内壁面の距離が短く、衝突からエアバッグの展開までがより短時間である事が要求される。このため、サイドエアバッグには、点火具の火炎に速やかに応答する着火性の高さと、前方設置用エアバッグよりも早いガス発生速度が必要となる。
これら要求性能を満たす為には、ガス発生器の構造変更による性能調整と共に、ガス発生器内に含まれるガス発生剤によるガス発生特性の性能調整が重要となっており、本発明のように性能調整が容易なガス発生剤成型体が重要なものとなる。
【実施例】
【0054】
以下、実施例、製造例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0055】
製造例1;顆粒aの調製
硝酸グアニジン54.8重量部、塩基性硝酸銅43.2部、酸性白土2.0重量部を、バット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で、原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒aを調製した。
【0056】
製造例2;顆粒bの調製
5−アミノテトラゾール32.5重量部、硝酸ストロンチウム60.2重量部、窒化珪素3.0重量部、合成ヒドロタルサイト4.3重量部を、バット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてにポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒bを調製した。
【0057】
製造例3;顆粒cの調製
硝酸グアニジン53.3重量部、塩基性硝酸銅46.7重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜212μmの顆粒cを調製した。
【0058】
製造例4;顆粒dの調製
5−アミノテトラゾール36.5重量部、硝酸ストロンチウム63.5重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜212μmの顆粒dを調製した。
【0059】
製造例5;顆粒eの調製
硝酸グアニジン53.3重量部、塩基性硝酸銅46.7重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径0.5〜1.0mmの顆粒eを調製した。
【0060】
製造例6;顆粒fの調製
5−アミノテトラゾール36.5重量部、硝酸ストロンチウム63.5重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径0.5〜1.0mmの顆粒fを調製した。
【0061】
製造例7;顆粒gの調製
硝酸グアニジン53.3重量部、塩基性硝酸銅46.7重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒gを調製した。
【0062】
製造例8;顆粒hの調製
5−アミノテトラゾール36.5重量部、硝酸ストロンチウム63.5重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒hを調製した。
【0063】
製造例9;顆粒iの調製
硝酸グアニジン48.1重量部、塩基性硝酸銅41.9重量部、酸性白土10.0重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒iを調製した。
【0064】
製造例10;顆粒jの調製
5−アミノテトラゾール18.3重量部、硝酸グアニジン26.6重量部、硝酸ストロンチウム31.7重量部、塩基性硝酸銅23.4重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒jを調製した。
【0065】
製造例11;顆粒kの調製
5−アミノテトラゾール41.5重量部、硝酸ストロンチウム48.5重量部、過塩素酸カリウム10.0重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒kを調製した。
【0066】
製造例12;顆粒lの調製
硝酸グアニジン55.9重量部、硝酸ストロンチウム39.1重量部、酸性白土5.0重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒lを調製した。
【0067】
製造例13;顆粒mの調製
硝酸グアニジン45.0重量部、過塩素酸アンモニウム45.0重量部、酸化銅10.0重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒mを調製した。
【0068】
製造例14;顆粒nの調製
硝酸グアニジン58.7重量部、硝酸ストロンチウム41.3重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒nを調製した。
【0069】
製造例15;顆粒oの調製
硝酸グアニジン50.0重量部、硝酸ストロンチウム20.0重量部、塩基性硝酸ビスマス20.0重量部、酸化銅10.0重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒oを調製した。
【0070】
製造例16;顆粒pの調製
硝酸グアニジン55.0重量部、塩基性硝酸マグネシウム17.5重量部、硝酸ストロンチウム17.5重量部、酸化銅10.0重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒pを調製した。
【0071】
製造例17;顆粒qの調製
硝酸グアニジン39.6重量部、塩基性硝酸亜鉛50.4重量部、酸化銅10.0重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒qを調製した。
【0072】
製造例18;顆粒rの調製
硝酸グアニジン47.2重量部、塩基性硝酸亜鉛21.4重量部、硝酸ストロンチウム21.4重量部、酸化銅10.0重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒rを調製した。
【0073】
製造例19;顆粒sの調製
ニトログアニジン54.0重量部、過塩素酸カリウム36.0重量部、酸化銅4.0重量部、酸化鉄(Fe2O3)6.0重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒sを調製した。
【0074】
製造例20;顆粒tの調製
ニトログアニジン54.0重量部、硝酸ストロンチウム18.0重量部、過塩素酸カリウム18.0重量部、酸化銅4.0重量部、酸化鉄(Fe2O3)6.0重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒tを調製した。
【0075】
製造例21;顆粒uの調製
ニトログアニジン42.3重量部、過塩素酸アンモニウム47.7重量部、酸化銅4.0重量部、酸化鉄(Fe2O3)6.0重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒uを調製した。
【0076】
製造例22;顆粒vの調製
ヒダントイン32.5重量部、過塩素酸カリウム67.5重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒vを調製した。
【0077】
製造例23;顆粒wの調製
ペンタエリスリトール23.5重量部、過塩素酸カリウム71.5重量部、酸化銅5.0重量部をバット上で導電性ゴムへらを用いて5分程混合した。その後、混合粉末を目開き212μmの篩を通過させる事で原料の凝集した塊を砕き、均一な混合粉末とした。この混合粉末をバット上に広げ、霧吹きにてポリビニルアルコール0.67重量%水溶液を噴霧しながら、水分の偏りを生じぬように導電性ゴムへらにて攪拌し、半湿状の顆粒とした。この顆粒を100℃で3時間乾燥させた後、篩分により粒径45μm〜1.0mmの顆粒wを調製した。
【0078】
実施例1
製造例1の顆粒aと、製造例2の顆粒bを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0079】
実施例2
製造例1の顆粒aと、製造例2の顆粒bを重量比1:3にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0080】
実施例3
製造例1の顆粒aと、製造例2の顆粒bを重量比3:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0081】
実施例4
製造例3の顆粒cと、製造例4の顆粒dを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0082】
実施例5
製造例3の顆粒cと、製造例6の顆粒fを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0083】
実施例6
製造例5の顆粒eと、製造例4の顆粒dを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0084】
実施例7
製造例5の顆粒eと、製造例6の顆粒fを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0085】
実施例8
製造例7の顆粒gと、製造例8の顆粒hを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0086】
実施例9
製造例9の顆粒iと、製造例8の顆粒hを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0087】
実施例10
製造例7の顆粒gと、製造例8の顆粒hを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0088】
実施例11
製造例7の顆粒gと、製造例11の顆粒kを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0089】
実施例12
製造例9の顆粒iと、製造例11の顆粒kを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0090】
実施例13
製造例8の顆粒hと、製造例12の顆粒lを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0091】
実施例14
製造例8の顆粒hと、製造例14の顆粒nを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0092】
実施例15
製造例7の顆粒gと、製造例13の顆粒mを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0093】
実施例16
製造例8の顆粒hと、製造例15の顆粒oを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0094】
実施例17
製造例8の顆粒hと、製造例16の顆粒pを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0095】
実施例18
製造例8の顆粒hと、製造例17の顆粒qを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0096】
実施例19
製造例8の顆粒hと、製造例18の顆粒rを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0097】
実施例20
製造例7の顆粒gと、製造例19の顆粒sを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0098】
実施例21
製造例7の顆粒gと、製造例20の顆粒tを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0099】
実施例22
製造例7の顆粒gと、製造例21の顆粒uを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0100】
実施例23
製造例7の顆粒gと、製造例22の顆粒vを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0101】
実施例24
製造例7の顆粒gと、製造例11の顆粒wを重量比1:1にてバット上に測り取り、導電性ゴムへらを用いて顆粒を砕かないように5分程混合し、2種類の顆粒が外観上均一に混合されていることを確認した。これをハンドプレスにて25MPa荷重し、直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレット形状のガス発生剤成型体を調製した。
【0102】
比較例1
製造例10の顆粒jをハンドプレスにて25MPa荷重して直径5.0mm×高さ2.0mmの円形ペレットを得た。
【0103】
試験方法1:密閉容器内燃焼試験
ガス発生剤組成物成型体2.0gを容量18ccの燃焼用密閉容器内に充填し、点火具にて着火し、燃焼させた。燃焼時に発生するガスによるタンク内圧力の変化を圧力センサーを用いて測定した。
【0104】
試験方法2:密閉容器内燃焼試験
ガス発生剤組成物成型体2.0gを容量18ccの燃焼用密閉容器内に充填し、点火具及び、伝火薬としてボロン硝石0.2gを使用して着火し、燃焼させた。燃焼時に発生するガスによるタンク内圧力の変化を圧力センサーを用いて測定した。
【0105】
試験例1
本発明の2種類のガス発生剤組成物の顆粒を混合して一体に成型したガス発生剤成型体と、比較例として同じ組成の2種類のガス発生剤組成物が均一に混合され成型したガス発生剤成型体との燃焼性能差を確認する為、実施例8と比較例1のガス発生剤組成物成型体について、試験方法1による密閉容器内燃焼試験を実施した。試験で得られた圧力―時間曲線を図1に示した。
図1から明らかなように、実施例8は比較例1と同等の圧力上昇速度となっているが、着火から圧力上昇開始までの時間は短くなった。本発明に係る実施例8は、圧力上昇速度の性能を維持しつつ、着火性能を向上させた。この結果から、本発明の実施例8は、圧力上昇速度と着火性能の2つの性能調整の両立を可能とするものであった。また、本発明に係るガス発生剤成型体は、同じ組成の2種類のガス発生剤組成物が均一に混合され成型したガス発生剤成型体とは、異なる燃焼特性を示す事が証明された。
【0106】
[図1]

【0107】
試験例2
本発明の2種類のガス発生剤組成物の顆粒を混合し一体に成型して得られるガス発生剤成型体について、2種類の顆粒の混合比率を変更した場合の性能差を確認した。実施例1〜3のガス発生剤組成物成型体について、試験方法2の手順にて密閉容器内燃焼試験を実施した。試験で得られた圧力―時間曲線を図2に示した。
図2から明らかなように、顆粒aと顆粒bの混合比率を変更することにより、圧力上昇速度を調整することが可能であった。すなわち、顆粒aを多くすることで圧力上昇速度を抑制できる。一方、顆粒bの混合比率を多くすることで、圧力上昇速度を速めることができた。本試験例にて、顆粒混合比率が圧力上昇速度の調整因子となり得ることが示された。
【0108】
[図2]

【0109】
試験例3
本発明のガス発生剤成型体において、各種燃焼調整に係る添加剤を加えて各ガス発生剤組成物の組成を調整した場合の、ガス発生における性能調整域を確認した。実施例1、8、9のガス発生剤組成物成型体について、試験方法2による密閉容器内燃焼試験を実施した。試験で得られた圧力―時間曲線を図3に示した。
本発明のガス発生剤成型体において、ガス発生剤組成物に不燃物である酸性白土を添加することにより、燃焼試験において圧力上昇速度を抑制することができた。その速度抑制の程度は、酸性白土の添加量により調整が可能であった。組成中にスラグ形成剤等の不燃物を含む実施例1や実施例9は、不燃物を含まない実施例8に比べて圧力上昇速度を低く抑えることができた。実施例1のように、2つのガス発生剤組成物の双方に不燃物を含む場合、実施例9のように一方のガス発生剤組成物にのみ不燃物を含むものより、圧力上昇速度の抑制作用に関する寄与が大きい。一方、実施例9のように、一方のガス発生剤組成物に不燃物を加えた組成とすることで、着火性等の燃焼性能の低下を極力避けつつ、圧力上昇速度に関する性能調整が容易であると言える。
【0110】
[図3]

【0111】
試験例4
本発明のガス発生剤成型体において、第1のガス発生剤組成物(硝酸グアニジン、塩基性硝酸銅)と第2のガス発生剤組成物(5−アミノテトラゾール、硝酸ストロンチウム)の同一組成物からなるガス発生剤成型体において、ガス発生剤組成物の顆粒成形体の粒径を変更した際の性能調整域を確認した。実施例4〜7のガス発生剤成型体について、試験方法1による密閉容器内燃焼試験を実施した。試験で得られた圧力―時間曲線を図4に示した。
実施例5、実施例7の結果に見られるように、第2のガス発生剤組成物の顆粒粒径が大きい(顆粒f)場合には、圧力上昇速度が高い傾向にあった。着火から圧力上昇開始までの時間は、第1のガス発生剤組成物の顆粒が大きい(顆粒e)場合、若しくは、第2のガス発生剤の顆粒粒径が小さい(顆粒d)場合において短く、良好な着火性を示した。一方、第1のガス発生剤組成物の顆粒粒径が小さい(顆粒c)程、圧力上昇開始が遅延する傾向が確認された。例外的に、実施例4のように第1のガス発生剤組成物、及び第2のガス発生剤組成物の粒径がともに小さい(顆粒c、顆粒d)場合には、試験例1にて示した組成を均一に混合して得られたガス発生剤成型体(比較例4)の性能に近似した燃焼特性を示し、圧力上昇速度、着火性共に低くなった。本試験の結果より、2種類の顆粒それぞれについて粒径を変更する事で多様な性能調整が可能であることが示唆された。
【0112】
[図4]

【0113】
試験例5
本発明のガス発生剤成型体において、第1のガス発生剤組成物(5−アミノテトラゾール、硝酸ストロンチウム)の顆粒成形体をより燃焼性能の高い組成とし、第2のガス発生剤組成物(硝酸グアニジン、塩基性硝酸銅)の顆粒成形体をより燃焼性能の低い組成に変更し、性能調整域を確認した。
実施例9〜12のガス発生剤成型体について、試験方法1による密閉容器内燃焼試験を実施した。試験で得られた圧力―時間曲線を図5に示した。
第1及び第2のガス発生剤組成物に添加剤がない実施例10に対し、第1のガス発生剤に過塩素酸カリウムを添加した実施例11のガス発生剤成型体の場合には、着火から圧力上昇までの時間が短く、圧力上昇速度が高い傾向にあった。この実施例11における第2のガス発生剤組成物に対し、不燃物である酸性白土を添加した実施例12は、実施例11と比較し、着火から圧力上昇までの時間を維持しつつ、圧力上昇速度を抑制することができた。一方、実施例10において、第2のガス発生剤に不燃物である酸性白土を添加した実施例9の場合には、着火から圧力上昇までの時間が長く、圧力上昇速度が低い傾向にあった。本試験の結果より、2種類のガス発生剤組成物の顆粒において、それぞれに燃焼に影響を与える添加剤を処方した該組成物として、本発明に係るガス発生剤成型体を調製することにより、多様な性能調整が可能である事が示唆されている。
【0114】
[図5]

【0115】
試験例6
本発明のガス発生剤成型体において、第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体(5−アミノテトラゾール、硝酸ストロンチウム)を固定し、燃料成分を硝酸グアニジンとした第2のガス発生剤組成物の顆粒成形体において、酸化剤成分の変更及び添加剤の有無を変動因子として、それぞれ本発明に係るガス発生剤成型体を調製し、性能調整域を確認した。
実施例10、13、14のガス発生剤成型体について、試験方法1による密閉容器内燃焼試験を実施した。試験で得られた圧力―時間曲線を図6に示した。
実施例10の第2のガス発生剤組成物(硝酸グアニジン、塩基性硝酸銅)に対し、第2のガス発生剤組成物の酸化剤を硝酸ストロンチウムに変更した実施例14のガス発生剤組成物(第2のガス発生剤組成物;硝酸グアニジン、硝酸ストロンチウム)は、着火から圧力上昇までの時間が短くなり、圧力上昇速度は低下した。一方、実施例14において、第2のガス発生剤組成物に不燃物である酸性白土を添加(第2のガス発生剤組成物;硝酸グアニジン、硝酸ストロンチウム、酸性白土)した実施例13は、着火から圧力上昇までの時間が実施例10と同程度であり、圧力上昇速度が抑制できた。
本試験結果より、一方のガス発生剤組成物の酸化剤及び添加剤に関する組成を変更する事で着火から圧力上昇までの時間の調整、及び圧力上昇速度を抑制するような性能調整が可能である。
【0116】
[図6]

【0117】
試験例7
本発明のガス発生剤成型体において、第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体(硝酸グアニジン、塩基性硝酸銅)を固定し、第2のガス発生剤組成物の顆粒成形体を変動因子として、それぞれ変更した本発明に係るガス発生剤成型体を調製し、性能調整域を確認した。
実施例10、15のガス発生剤成型体について、試験方法1による密閉容器内燃焼試験を実施した。試験で得られた圧力―時間曲線を図7に示した。
実施例10における第2のガス発生剤組成物(5−アミノテトラゾール、硝酸ストロンチウム)を、燃料成分、酸化剤成分、添加剤の処方変更を行なった実施例15(第2のガス発生剤;硝酸グアニジン、過塩素酸アンモニウム、酸化銅、酸化鉄)を調製し、燃焼性能の比較を行なった。その結果、実施例15は着火から圧力上昇開始までの時間が短くなり、圧力上昇速度が低下した。第1のガス発生剤組成を固定した場合でも、第2のガス発生剤組成を変更することにより、着火性の改善と燃焼速度の抑制という2つの性能を両立することができた。
【0118】
[図7]

【0119】
試験例8
本発明のガス発生剤成型体において、第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体(5−アミノテトラゾール、硝酸ストロンチウム)を固定し、第2のガス発生剤組成物の顆粒成形体における酸化剤成分を主たる変動因子として、それぞれ本発明に係るガス発生剤成型体を調製し、性能調整域を確認した。
実施例10、16〜19のガス発生剤成型体について、試験方法2による密閉容器内燃焼試験を実施した。試験で得られた圧力―時間曲線を図8に示した。
実施例10は、第2のガス発生剤組成物の酸化剤として塩基性硝酸銅を用いたガス発生剤成型体である。これに対し、実施例16は第2のガス発生剤組成物の酸化剤として塩基性硝酸ビスマス、実施例19は塩基性硝酸亜鉛と硝酸ストロンチウムの混合酸化物を第2のガス発生剤組成物を用いた例である。第2のガス発生剤組成物の酸化剤を塩基性硝酸銅を実施例16、19に係る処方に変更する事で、着火から圧力上昇開始までの時間は短く、圧力上昇速度は高くなった。実施例18は、該酸化剤を塩基性硝酸亜鉛に変更する事で、該酸化剤として塩基性硝酸銅を用いた実施例10と、着火から圧力上昇開始までの時間が同等、かつ圧力上昇速度が向上したガス発生剤成型体となった。該酸化剤を塩基性硝酸マグネシウムに変更した実施例17は、着火から圧力上昇開始までの時間を遅延させることができ、その燃焼における圧力上昇速度は実施例10と同等の性能であった。
以上の結果より、本発明のガス発生剤成型体において、第1のガス発生剤及び第2のガス発生剤の燃料成分を固定した条件であっても、第2のガス発生剤の酸化剤成分を変更する事で着火性や燃焼速度などの諸性能について多様な調整が可能であった。
【0120】
[図8]

【0121】
試験例9 本発明のガス発生剤成型体において、第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体(硝酸グアニジン、塩基性硝酸銅)を固定し、第2のガス発生剤組成物の顆粒成形体を燃料成分をニトログアニジンを用い、種々の酸化剤成分によるガス発生剤組成物として、それぞれ本発明に係るガス発生剤成型体を調製し、性能調整域を確認した。
実施例20〜22のガス発生剤成型体について、試験方法1による密閉容器内燃焼試験を実施した。試験で得られた圧力―時間曲線を図9に示した。
本発明のガス発生剤成型体は、第2のガス発生剤組成物としてニトログアニジンを燃料成分として適用する事ができた。実施例20の、第2のガス発生剤組成物の酸化剤として過塩素酸カリウムを用いた例、及び実施例22の該酸化剤として過塩素酸アンモニウムを用いた例は、着火から圧力上昇までの時間が速く、また圧力上昇速度が速い燃焼特性を示した。更にこれらは、共に到達圧力の最高値が高いガス発生剤成型体となった。一方、第2のガス発生剤組成物の酸化剤を過塩素酸カリウムと硝酸ストロンチウムの混合酸化剤とした実施例21は、着火から圧力上昇までの時間を遅延させることができ、また圧力上昇速度が抑制された。
本発明のガス発生剤成型体において、ガス発生剤組成物の燃料成分としてニトログアニジンを適用できる事が明らかとなった。また一方のガス発生剤組成物においてニトログアニジンを用いたガス発生剤成型体において、一方のガス発生剤の酸化剤成分を変更する事で着火性、燃焼速度、発生ガス量等の性能を大幅に調整することができた。
【0122】
[図9]

【0123】
試験例10
本発明のガス発生剤成型体において、第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体(硝酸グアニジン、塩基性硝酸銅)を固定し、第2のガス発生剤組成物の顆粒成形体における燃料成分として、ヒダントインまたはペンタエリスリトールを用い、それぞれ本発明に係るガス発生剤成型体を調製し、性能調整域を確認した。
実施例20,23、24のガス発生剤成型体について、試験方法1による密閉容器内燃焼試験を実施した。試験で得られた圧力―時間曲線を図10に示した。
実施例20の第2のガス発生剤組成物の燃料をニトログアニジンから、実施例23のヒダントインに変更する事で着火から圧力上昇開始までの時間が長く、圧力上昇速度が低くなった。燃料を実施例24のペンタエリスリトールに変更した場合には実施例23と同等の着火性、圧力上昇速度となった。
本発明のガス発生剤成型体において、ガス発生剤組成物の燃料成分として、ヒダントイン、またはペンタエリスリトールを用いる事ができた。また一方のガス発生剤組成物において燃料成分を変更する事で、第1のガス発生剤及び第2のガス発生剤の酸化剤成分を固定した条件であっても、燃焼性能を調整することができた。
【0124】
[図10]


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種類以上のガス発生剤組成物を含有するガス発生剤成型体において、少なくとも1種類のガス発生剤組成物が顆粒成形体として含まれ、その他のガス発生剤組成物と混合され、一体に成型したガス発生剤成型体。
【請求項2】
前記顆粒成形体が、粒径0.02mm〜2.0mmの顆粒成形体である請求項1に記載のガス発生剤成型体。
【請求項3】
前記ガス発生剤成型体が、打錠成型による成型体である請求項1または2に記載のガス発生剤成型体。
【請求項4】
前記ガス発生剤成型体が、第1のガス発生剤組成物と第2のガス発生剤組成物の2種類を含有し、これらの混合重量比率が5:1〜1:5である請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス発生剤成型体。
【請求項5】
前記ガス発生剤成型体が、第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体と第2のガス発生剤組成物の顆粒成形体を含有し、それぞれの顆粒成形体が粒径0.02mm〜2.0mmである請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス発生剤成型体。
【請求項6】
前記ガス発生剤組成物において、少なくとも1種類のガス発生剤組成物が含窒素有機化合物燃料及び酸化剤を含有する混合組成物である請求項1〜5のいずれか一項に記載のガス発生剤成型体。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のガス発生剤成型体を充填したガス発生器。
【請求項8】
第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体を調製する工程、前記第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体と第2のガス発生剤組成物を混合する工程、第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体と第2のガス発生剤組成物の前記混合物を一体に成型する工程、を含むガス発生剤成型体の製造方法。
【請求項9】
第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体を調製する工程、第2のガス発生剤組成物の顆粒成形体を調製する工程、前記第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体と前記第2のガス発生剤組成物の顆粒成形体を混合する工程、第1のガス発生剤組成物の顆粒成形体と第2のガス発生剤組成物の顆粒成形体の前記混合物を一体に成型する工程、を含むガス発生剤成型体の製造方法。

【公開番号】特開2012−111682(P2012−111682A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236674(P2011−236674)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000004086)日本化薬株式会社 (921)
【Fターム(参考)】