説明

ガス缶の処理方法及び処理装置

【課題】処理中の爆発を確実に防止でき、しかも、小型化が可能なガス缶の処理方法を提供する。
【解決手段】容器内にガス缶を投入する工程と、容器を密閉し、容器内の酸素を減らすために真空ポンプを用いて減圧する工程と、減圧された容器内でガス缶を潰して内部の残留ガスを放出させる工程と、容器内の空気と残留ガスとを真空ポンプを用いて排気し、容器内を減圧する工程と、容器内に不活性ガスを導入して容器内を大気圧に戻す工程とによりガス缶を処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄されたエアゾール缶やスプレー缶などのガス缶を潰して処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
缶の内容物を噴射するために液化石油ガスなどの可燃性ガスを噴射用ガスとして用いるエアゾール缶や、スプレー缶が、多様な用途に使用されている。これらのガス缶は、使用済みになると廃棄されるが、内部に若干のガスや液状物が残ったままで廃棄されるものもあり、そのまま焼却したり、圧縮処理すると、爆発や破裂等を起こすことがある。
【0003】
そこで従来は、廃棄物処理センターでは、回収されたガス缶を処理装置に入れ、処理装置内に配置されている回転ローラのスパイクピンでガス缶の壁面に穿孔して内部のガスと液状物を放出したり、シュレッダのような回転刃でガス缶を切断することによって、内部のガスや液状物を放出し、残滓を圧縮処理するようにしていた。
【0004】
しかし、この場合、処理装置内にガス缶を投入するとき、空気も流入する。また、ガス缶内のガスはプロパンやブタンが多く、これらは非常に良く燃える。そのため、回転ローラのスパイクピンで缶に孔を開けたり、シュレッダのような回転刃で缶を切断したときに出る火花によって、着火して爆発するおそれがあった。
【0005】
これに対し、特許文献1(特開昭52−86272号)や特許文献2(特開平6−79188号)では、スプレー缶を水中に連続的に供給し、水中に浸漬した状態で破断し、内溶液及びガスを連続的に回収する処理装置を提案している。ガスは水中を通って所定の室内に集積され、回収される。内溶液は、水に吸収されるか混和する。
【0006】
また、水中で処理するのに代えて、窒素ガスなどの不活性ガスを充填して処理する方法もある。ただし、この方法は大量の不活性ガスを必要とするので、特許文献3(特開平10−43619号)では、粉砕機内に可燃性ガスを検知するセンサを設け、該センサが可燃性ガスを検知した場合にのみ粉砕機内に水蒸気又は窒素ガスなどの不活性ガスを吹き込む。これによって、ガス缶を粉砕する時に発生する火花などで、爆発が起きないようにすると同時に不活性ガスの消費量を少なくすることができるとしている。
【0007】
また、特許文献4(特開2000−61344号)や特許文献5(特開2000−61345号)では、処理機を複数の部屋に分割し、各部屋ごとに必要に応じて不活性ガスを充填することで、不活性ガスの消費量を抑えるようにしている。
【0008】
しかしながら、前記特許文献1,2のように水中でガス缶を破損するものは、大型の設備が必要となる。また、水溶性ガス以外のガスは回収可能であるが、溶液などは水に混和するので、廃水の処理が問題となる。
【0009】
また、特許文献3,4,5のように不活性ガスを利用するものは、水蒸気を使用すると、ボイラーが必要となり装置が大型化する。また、窒素ガスを用いるものも、大量の窒素ボンベを必要とするなど、装置が大型化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭52−86272号公報
【特許文献2】特開平6−79188号公報
【特許文献3】特開平10−43619号公報
【特許文献4】特開2000−61344号公報
【特許文献5】特開2000−61345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記の事実から考えられたもので、処理中の爆発を確実に防止でき、しかも、小型化が可能なガス缶の処理方法と処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成する本発明のガス缶の処理方法は、容器内にガス缶を投入する工程と、容器を密閉し容器内の酸素を減らすために真空ポンプを用いて減圧する工程と、減圧された容器内でガス缶を潰して内部の残留ガスを容器内へ放出させる工程と、容器内で増加した可燃性ガスを真空ポンプを用いて排気し、容器内を減圧する工程と、容器内に不活性ガスを導入して容器内を大気圧に戻す工程とを有することを特徴としている。
【0013】
前記の目的を達成する本発明のガス缶の処理装置は、ガス缶を潰す缶潰し機を備えた容器と、該容器内の酸素を減らすために減圧する真空ポンプ、容器内に不活性ガスを導入する手段とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるガス缶の処理方法は、容器内を減圧して酸素濃度を低くして行うので、ガス缶を潰す際に、火花が生じても、残留ガスに引火して爆発することを防止することができる。また、容器内を真空ポンプなどで減圧するだけなので、装置を小型化することができる。
【0015】
また、発明の処理方法及び処理装置は、ガス缶内に残存する塗料や殺虫剤などの液状物を、溶剤を通過させることで捕捉するので、燃焼したときの有毒ガスの発生を防止できる。また、減圧手段の負荷を減少させることができる。また、ガス缶処理が終了後又は終了間近になったとき、容器内に不活性ガスを導入して容器内を大気圧に戻すので、容器を安全に開いて潰した缶を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明によるガス缶の処理装置の構成を示す図である。
【図2】ガス缶の潰しに先だって、容器内を減圧するときの空気の流れを示す図である。
【図3】ガス缶を潰して噴出したガスを燃焼室に導くときのガスの流れを示す図である。
【図4】ガス缶を潰して噴出したガスに燃焼に不適当なガスが含まれている場合のガスの流れを示す図である。
【図5】缶潰し機の構成を示す図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】ガス缶を潰す状態を示す図である。
【図8】ガス缶が潰せない場合の処理方法を説明する図である。
【図9】本発明の第2実施例の構成を示す図である。
【図10】本発明の第3実施例の構成を示す図で、容器内をホッパ部、缶処理部、缶取出部に分けた例である。
【図11】本発明の第4実施例の構成を示す図である。
【図12】容器内の可燃性ガスを排出する場合の空気の流れを示す図である。
【図13】補助容器内で可燃物を燃焼させ、排ガスを容器内に送り込む場合の空気等の流れを示す図である。
【図14】本発明の第5実施例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明におけるガス缶の処理装置の構成を示す図である。同図に示すように、本発明のガス缶の処理装置100は、ガス缶を投入する容器110と、この容器110内を減圧する真空ポンプ120と、真空ポンプ120の下流側に設けられたサブタンク121と、真空ポンプ120とは別の管路131で容器110に接続されたファン130と、サージタンク140と、この下流側に接続された燃焼室150と、を主体として構成される。
【0018】
容器110内には、缶潰し機200が嵌装され、上にはガス缶を投入するための蓋111があり、下方には潰したガス缶を取り出すハッチ112がある。容器110の底部にはドレーン用の管路113が接続され、この管路113にはドレーン弁114が設けられている。容器110の上方の側部には、予め決められた種類のガスを検知する1又は複数のガスセンサ115と、容器110内の圧力を測定する圧力計116が接続されている。
【0019】
容器110からファン130に至る管路131には、弁132が接続され、容器110から真空ポンプ120に至る管路122の中間とサブタンク121とを接続するバイパス管路123には弁124が設けられている。また、サブタンク121とファン130を分岐管路125で接続し、中間に弁126を設けている。さらに、サブタンク121からサージタンク140に至る管路129には、弁127がある。
【0020】
以上の構成の他に、図示しないシーケンサを用いた制御装置があり、処理装置全体の制御を行う。そのため、弁132から弁127の全ての弁は電気信号で開閉される電磁弁などが使用され、ガスセンサ115や圧力計116の検知結果は電気信号として制御装置に伝達される。したがって、制御装置は、真空ポンプ120とファン130の運転及び停止から各弁の開閉動作を、シーケンサに予めインストールされたプログラムに従って自動的に行うことができる。
【0021】
本発明の容器110は500リットル程度の容量があるが、その他の部品は小型である。そのため、容器110、真空ポンプ120、サブタンク121、ファン130及び図示しない制御装置までを1つの基台101に載せ、サージタンク140と燃焼室150とを別の基台102に載せることができる。そして、各基台101,102を、それぞれ通常の大きさ(1,100mm×1,100mm)のパレット上に載る大きさにすることが可能である。燃焼室150が無ければ1枚のパレット上に、燃焼室150を入れても2枚のパレット上に装置を載せることができるので、装置をトラックなどに積載して所望の場所に移動することが可能となる。
【0022】
以上で装置の構成の説明を終え、次にガス缶の処理方法について図1から図4を用いて説明する。初期状態として、弁132,弁124、弁126、弁127及びドレーン弁114の全てを閉じておく。蓋111を開いて容器110内に廃棄されたガス缶10を投入する。ガス缶10は、缶潰し機200の上方に設けられたガイド板201上に載る。缶潰し機200が開いていればガス缶10が入るが、ガイド板201上のガス缶10は、缶潰し機200を通過できない状態となっている。ガイド板201の上の空間がガス缶10で満たされると、蓋111を閉じる。同時にハッチ112も閉じる。これで容器110は外部から遮断された状態となる。ガス缶10は、図では、全て同じ径として描かれているが、実際は、多様な径と長さを持ったものが投入される。
【0023】
図1において、弁132を開き、ファン130を運転する。すると、容器110内の空気は矢印の方向に流れ、容器110内はファン130の吸引力によって減圧される。ファン130は真空ポンプ120の吐出量より格段に大きいので、容器110内を短時間で低圧にすることができる。
【0024】
ファン130による減圧が限度に達したら、弁132を閉じ弁126を開き、真空ポンプ120を運転する。弁124は閉じたままである。これによって、図2に示すように、容器110内の空気は真空ポンプ120を通過して弁126を通過し、ファン130から大気に強制的に排気され、容器110内は減圧される。減圧の程度は、ガス缶10から可燃性ガスが噴出しても爆発をしない酸素濃度に維持できる圧力で、大凡約−34.7kPa〜約47.9kPa(−400〜500mmHg前後である。減圧の状態は圧力計116で逐一検知される。この実施例ではファン130で初期の減圧をしたが、この工程を経ず、直接真空ポンプ120で減圧を初めてもよい。
【0025】
容器110内が所定の圧力まで減圧されたら、真空ポンプ120を停止し、弁132,弁124、弁126、及び弁127の全てを閉じ、容器110内の圧力が所定の圧力に下がったのを確認する。
【0026】
圧力が下がったのを確認したら、缶潰し機200を作動させる。缶潰し機200はガス缶10を1個ずつ或いは数個づつ穿孔して押しつぶし、容器110の下に落下させる。このときガス缶10から残留していたガスが噴出し、液状物が流れ出る。液状物は容器110の下部に滴下して溜まる。ガス缶10が潰されるとき、火花が発生することがあるが、容器110内は低酸素状態になっているので、爆発することはない。
【0027】
ガスの噴射によって容器110内の圧力が上昇したら、弁127だけ開いて真空ポンプ120を運転する。容器110内の可燃ガスは、図3の矢印に示すように流れ、サージタンク140に一旦溜まり、燃焼室150へ送り込まれ、燃焼される。
【0028】
ガス缶10によっては、噴射用ガスとしてフロンガスを用いているものがある。このフロンガスは、燃焼するとダイオキシンを発生する。そこで、この実施例では、ガスセンサ115にフロンガス用のガスセンサを設けている。そして、ガスセンサ115がフロンガスを検知したら、図4に示すように、弁127を閉じ、弁126を開き、ファン130を回転する。これによって、フロンガスを燃焼させずにファン130から吐出することができる。
【0029】
ところで、ガスセンサ115がフロンガスを検知してから、弁127を閉じて弁126を開くまでに若干の時間が掛かる。そのため、フロンガスが燃焼室150に流れ込んでしまう可能性がある。この対策として、本発明の実施例では、サブタンク121を設けている。真空ポンプ120から送り出されたガスは一旦サブタンク121に溜まってから弁127を通過して燃焼室150へと進む。すなわち、サブタンク121に一時的に留まることになる。そこで、この留まっている時間内で弁127を閉じ、弁126を開くことで、フロンガスが燃焼室150に入るのを防止することができる。以上はフロンガスを例としたが、他のガスを対象として同様の操作をすることができる。
【0030】
投入されたガス缶10が全て潰され、容器110内に未処理のガス缶10が無くなると、ガス缶10破壊による新規のガスの供給が止まるので、圧力計116の圧力が低下し始める。そこで、適当な圧力を設定しておき、設定圧まで下がったら、処理が終わったとして装置を停止する。そして、容器110内に大気を導入して大気圧にし、ハッチ112を開き、潰されたガス缶10を取り出す。必要に応じてドレーン弁114を開き、容器110内に溜まったガス缶10の液状物を排出する。以上を繰り返すことで、廃棄されたガス缶10を安全に処理することができる。
【0031】
図5は、缶潰し機200の構成を示す図で、図6は図5のVI−VI断面図である。缶潰し機200は、上方にガイド板201があり、その下には、固定板203と圧接板204と穿孔板205とがある。
【0032】
ガイド板201は、中央に向かって下る緩い勾配を有し、ガイド板201の中央の開口202が、ガス缶10よりやや大きくなっている。固定板203はガス缶10を押し潰す力に耐える十分な強度を有するもので、容器110内に適当な方法で固定されている。圧接板204と穿孔板205とは、下端の共通する回動軸206を中心に回動自在である。
【0033】
穿孔板205には、数本の穿孔ピン207が植設され、圧接板204には穿孔ピン207が通過する孔204aが穿設されている。また、穿孔板205は油圧シリンダ210のロッド210aと係合し、油圧シリンダ210の基端は容器110に固定されている。
【0034】
回動軸206は、別の油圧シリンダ215のロッド215aに結合し、圧接板204と穿孔板205の下端が油圧シリンダ215のロッド215aの進退によって移動可能な構成となっている。これらの油圧シリンダ210,215も、前記の制御装置によって制御される。
【0035】
油圧シリンダ210のロッド210aが引っ込み、圧接板204と穿孔板205が図5の状態になると、ガイド板201の間の隙間から1つのガス缶10が落下して固定板203と圧接板204の隙間に入る。この隙間は下に行くほど狭くなっているので、ガス缶10は、隙間の上方に止まる。次に、油圧シリンダ210が作動してロッド210aが伸び、まず、穿孔板205が時計方向に回転して圧接板204に重なる。このとき各穿孔ピン207は圧接板204の孔204aを貫通して反対側に突出する。この状態のままさらに時計方向に回転すると、図7に示すように、穿孔ピン207がガス缶10に突き刺さり、ガス缶10内に残留していたガスや残留液が噴出する。ガス缶10は、10aに示すように潰されるが、完全に潰された状態ではなく、半分程度潰れた状態である。
【0036】
この状態から油圧シリンダ210のロッド210aが引っ込む。すると、圧接板204と穿孔板205とは重なったままの状態で反時計方向に回転する。そして、図5に示すストッパ218に圧接板204が当接すると圧接板204の回転は止められる。穿孔板205はさらに反時計方向に回転し、穿孔ピン207がガス缶10aから抜け、圧接板204からも抜けた状態で停止する。
【0037】
すると半分ほど潰されたガス缶10aは圧接板204と固定板203との隙間の中間位置に降下する。新しいガス缶10が隙間の上方に落下する。油圧シリンダ210が作動して図7の状態になると、新しいガス缶10が10aのように潰され、前のガス缶10aは10bに示すようにもう一段潰される。つぎに図5に戻り、新しいガス缶10が隙間に入り、図7のように潰されると、最初のガス缶は10cのように平らに潰され、缶潰し機200を通過して容器110の下方に落下する。2番目のガス缶は10bのようになり、3番目のガス缶は10aのようになる。以上を繰り返すことで、ガス缶10を平らな状態に押しつぶすことができる。
【0038】
ガス缶10は、薄い鋼鉄板製のものが多いが、ガスボンベを小型化したものもある。このタイプは、穿孔ピン207で穿孔することもできず、押しつぶすこともできない。そのまま放置しておくと装置を破損する可能性がある。そこで、本発明の実施例では、図示しないが、穿孔板205の位置を検知するセンサを設けている。そして、油圧シリンダ210に定格の圧力を加えたとき、穿孔板205が所定の位置まで回動しない場合、ガス缶10が押しつぶせないタイプのガス缶であると判断し、油圧シリンダ215を作動させてロッド215aを引っ込め、回動軸206を図8に示すように移動する。これによって、ガス缶10は隙間を通過して容器110の下方に落下することができ、装置を破損することを防止できる。
【0039】
前記の実施例ではガス缶10を1つずつ潰していたが、穿孔板205の幅を広くして穿孔ピン207の数を増加すれば、複数のガス缶10を縦に並べた状態で一度に穿孔して潰すことができる。また、容器110内に設置する缶潰し機200は、前記の実施例のものに限定されるものではなく、他の種々の缶潰し機を使用することができることは言うまでもない。
【0040】
図9は本発明の第2実施例の構成を示す図である。図1に示す実施例と共通する構成には同じ符号を付し、相違する点を中心に説明する。この実施例では、減圧手段としての真空ポンプ120の上流側に第1タンク160を設け、下流側に第2タンク170を設けている。
【0041】
ガス缶10内には、使い残した塗料、殺虫剤、整髪剤等々の各種の液状物が残留している。これらの液状物は、粘性の弱いさらさらした液体から、粘性の強いゼリー状のものまで各種のものがある。缶潰し機200でガス缶10を潰すとこれらの液状物が流出してくるが、これらの液状物の一部は、容器110内でミスト状になり、真空ポンプ120で吸引され、燃焼室150に送られて燃焼させられる。しかし、これらの多くは、燃焼することによって、有毒ガスを発生する。
【0042】
そこで、この実施例では、溶剤Aを容器110の底部に少量投入している。潰されたガス缶10から流出した液状物は、容器110の底部に達し、溶剤Aに混入する。溶剤Aはこれらの各種液状物を捕捉できるものを使用する。ここで「捕捉する」とは液状物を溶剤A内に溶融させたり、溶剤Aの粘性で混入した液状物を大小の軟らかい塊状(或いは粒状)にして閉じこめたり、ミスト状で空中に浮遊している液状物を液化したりすることを意味するものとする。このような溶剤Aとしては、水をはじめとして種々の溶剤が使用できるが、この実施例では、自動車のエンジンオイルの廃油を使用している。廃油には粘性があり混入した液状物を捕捉し易く、かつ可燃性なので、後の処理を容易にすることができる。
【0043】
第1タンク160内にも、容器110と同じ溶剤Aを充填している。そして、容器110からの管路161の先端をこの溶剤A内に進入させている。管路161には前記シーケンサで作動される弁162が設けられている。
【0044】
第1タンク160には、溶剤Aの上方空間に開口する管路128があり、この管路128は真空ポンプ120の吸引側に接続されている。したがって、真空ポンプ120が作動すると、容器110内の気体は、管路161を通り、溶剤A内を通過して管路128によって真空ポンプ120に吸引されることになる。
【0045】
ガス缶10内に残留する各種の液状物は、容器110内で溶剤Aに混入するが、一部はミスト状で容器内に浮遊している。この浮遊しているミストを溶剤A内を通過させることで、溶剤A内に溶融させたり、軟らかい塊状(或いは粒状)にして溶剤Aの粘性で閉じこめたり、液化させて溶剤Aに溶かしたり、溶剤Aとは分離した液状物としたりして捕捉することができる。
【0046】
こうしてガス缶10を潰した際に流出する容器110内の残留液状物は、溶剤Aで殆ど捕捉され、真空ポンプ120に加わる負荷は、溶剤Aで捕捉できないプロパンガスやブタンガスなどだけになる。このことから、図9の実施例では、真空ポンプ120に加わる負荷を大幅に減少させることができる。また、燃焼室150で燃焼するガスは、プロパンやブタンなどの燃焼しても有毒ガスが発生しないものだけになる。また、燃焼させるガスの量も大幅に減少し、燃焼室150を小型のバーナーにすることができる。その結果、この実施例では、ガス缶10の処理装置100全体を1つの基台101上に構成して、1枚のパレットに載せることが可能となる。
【0047】
この実施例では、真空ポンプ120の下流側に、さらに第2タンク170を設けている。第2タンク170内には、溶剤Bが充填されている。溶剤Bとしては、ここでは水を使用している。そして、真空ポンプ120の吐出側に接続された管路171の先端を溶剤Bに進入させ、管路171には弁172を設けている。第2タンク170の溶剤Bの上方空間には管路141が開口し、この管路141には弁142が設けられ、サージタンク140へ接続されている。すなわち、真空ポンプ120から吐出された気体は、溶剤Bを通過してサージタンク140に送り込まれることになる。このように、溶剤Bとして水を用い、容器110の気体を溶剤Bを通過させることで、可燃ガスに含まれている臭気を除去することができる。また、溶剤Aを入れる第1タンク160や溶剤Bを入れる第2タンク170をそれぞれ複数個にし、多段階で液状物や臭気を捕捉するようにしてもよい。溶剤Bとしては、単に臭気を除去するだけであれば、活性炭を用いることもできる。
【0048】
この実施例では、真空ポンプ120の上流と下流とに第1タンク160と第2タンク170を配置したが、両方のタンクを共に真空ポンプ120の吸引側又は吐出側に纏めて配置してもよい。図示のように第1タンク160を真空ポンプ120の吸引側に設けると、容器110内に浮遊するミスト状の液状物を真空ポンプ120が直接吸引することを避けることができる。
【0049】
また、この実施例では、溶剤Aは別の設備の整った焼却炉で焼却することで、有毒ガスの発生を防止することもでき、廃油の処理とガス缶10の残留液の処理の双方を纏めて行うことができる。
【0050】
図10は、本発明の第3実施例の構成を示す図である。この実施例は、容器110内の空間を、ガス缶10を投入するホッパ部Xと、ガス缶10を潰す缶処理部Yと、潰したガス缶10を取り出す缶取出部Zとの3つの空間に分割した例である。ガイド板201はホッパ部Xと缶処理部Yとの間を仕切る隔壁を兼ねている。缶処理部Yと缶取出部Zとの間には、隔壁224が設けられている。ガイド板201の開口202には蓋体223が、また、隔壁224の開口225には蓋体226がそれぞれ取り付けられている。蓋体223,226は、図示しないソレノイド等で開閉され、ソレノイドは前記のシーケンサにより操作されるものである。
【0051】
減圧手段として第2の真空ポンプ180が設けられ、ホッパ部Xとは管路181と弁182で、缶取出部Zとは管路183と弁184とで接続されている。管路161と弁162は缶処理部Yに接続されている。
【0052】
この実施例の作用を説明する。蓋体223は開口202を閉塞し、蓋体226は開口225を閉塞した状態にしておく。真空ポンプ120は缶処理部Y内の減圧を開始する。蓋111を開けてホッパ部Xにガス缶10を投入する。投入が終了したら、蓋111を閉じ、第2の真空ポンプ180を運転して弁182と184を開き、ホッパ部Xと缶取出部Zとを減圧する。ホッパ部Xと、缶処理部Yと、缶取出部Zとの圧力がほぼ同じになったら、第2の真空ポンプ180は停止し、弁182,184を閉じ、蓋体223と蓋体226とを開く。
【0053】
ホッパ部X内のガス缶10は缶処理部Yに入り、缶処理が開始される(潰される)。そして、潰されたガス缶10は、缶取出部Z内に落下する。なお、缶取出部Z内には、溶剤Aの上方に籠等の網目の容器を入れておき、潰されたガス缶10が溶剤A内に落下しないようにする。また、網目なので、容器内に落下した後でも、内部の液状物を溶剤A内に滴下させ捕捉することができる。
【0054】
ホッパ部X内のガス缶10が無くなったら、蓋体223を閉じ、ホッパ部X内だけを大気圧にして蓋111を開き、新たに処理するガス缶10を投入する。また、缶取出部Z内が満杯になったら、蓋体226を閉じて缶取出部Z内だけを大気圧にしてハッチ112を開け、潰されたガス缶10を取り出す。ホッパ部Xにガス缶10を投入するときもハッチ112から缶を取り出すときも、真空ポンプ120は運転を続け、缶処理部Y内で発生したガスを回収する作業を続けることができる。したがって、この実施例では、連続運転をすることができる。
【0055】
なお、この実施例では第2の真空ポンプ180を追加したが、真空ポンプ120を1台だけで減圧する構成としてもよく、ホッパ部X、缶処理部Y、缶取出部Zのそれぞれに真空ポンプを取り付けてもよい。また、ホッパ部Xにコンベアを接続し、蓋111を開いてコンベアからガス缶10を投入するようにすることもできる。
【0056】
図11は、本発明の第4実施例の構成を示す図である。この実施例は、補助容器190を設け、容器110と補助容器190とを、管路191、水タンク192、及び管路193で接続している。補助容器190内にはフィラメントからなる酸化装置190aを有し、プロパンガス又はブタンガスなどの可燃ガスボンベ196と弁194で開閉される管路195で接続されている。補助容器190からの管路197は、弁198を経由して第2タンク170に接続されるが、弁198の手前で分岐して管路199に接続している。この管路199は、弁199aを介して大気に開口している。
【0057】
管路197は弁198と第2タンク170との中間で分岐し、分岐した管路141はファン230に接続される。管路141には弁142が設けられている。また、ファン230と容器110とは管路231で接続され、この管路231は弁232で開閉される。ファン230の出口には小型の燃焼室150aが接続されている。燃焼室150aは、ファン230からの気体を燃焼して排気し、又は燃焼せずに排気することができる。容器110内の溶剤Aは管路113とドレーン弁114により排出される。
【0058】
容器110には、ファン240が接続され、容器110内に外気を送り込むことができるようになっている。各弁やファンなどは、前記の実施例と同様にシーケンサで制御される。
【0059】
図12は、容器110内の可燃性ガスを排出する場合の空気の流れを示す図である。ここでは、弁162、弁172、弁142を開き、他の弁は閉じている。この状態で真空ポンプ120を運転すると、容器110内の可燃性ガスは、管路161、第1タンク160内の溶剤A、管路128、真空ポンプ120、管路171、管路141、ファン230、を順次経由して燃焼室150aに達し焼却処理される。あるいは、燃焼室150aでは燃焼させずにそのまま大気に放出することもできる。
【0060】
燃焼室150aの火が消えたとき、又は、容器110内にプロパンガスやブタンガスの濃度計を設置して、これらの濃度計に示す可燃ガスの濃度があらかじめ設定されている濃度より下がったときのいずれかによって処理が完了したと判断することができる。
【0061】
図12において、容器110内の可燃ガスを焼却する場合、併せてファン240を運転して外気を容器110内に送り込んでもよい。そして、弁232を開いて管路231からも容器110内の可燃ガスをファン230に送り込む。この場合、燃焼室150aの火は酸素不足で消えるのではなく、可燃ガスが無くなることにより消えることになる。したがって、容器110内の可燃ガスのほぼ全部を焼却することができる。
【0062】
可燃性ガスがメタンガス、ブタンガス以外のガスを若干でも含んでいると、微量ではあるが、ダイオキシンなどの有毒ガスを発生する可能性がある。そこで、燃焼室150aに代えて、活性炭を使用することもできる。溶剤A、溶剤Bを通過した可燃性ガス等を活性炭に吸着させるのである。
【0063】
図13は、補助容器190内で可燃物を燃焼させ、排ガスを容器110内に送り込む場合の空気等の流れを示す図である。この操作は、容器110内のガス缶10の処理が完了し、ハッチ112を開けて潰されたガス缶10を取り出す前に行う。すなわち、ガス缶10を潰し終わり、容器110内の可燃ガスを真空ポンプ120でほぼ吸引し終わったとき、容器110内の圧力は、約26.7kPa(−200mmHg程度になっている。この状態ではハッチ112を開くことができないので、容器110内を大気圧に戻す必要がある。大気圧に戻すとき、大気をそのまま容器110内に導入すると、容器110内に残存している可燃ガスが爆発する可能性がある。そこで、補助容器190の排ガスを容器110内に送り込んで酸欠状態にして爆発の可能性を無くして大気圧に戻すのである。
【0064】
容器110内の可燃ガスの処理が終わるか、あるいは終わりに近づいたら、まず弁162、弁172、弁198を開き、他の弁は閉じる。この状態で真空ポンプ120を運転すると、容器110内の空気は、管路161、第1タンク160、管路128、真空ポンプ120、管路171、第2タンク170、管路197を経由して補助容器190内に入る。補助容器190内の酸化装置190aに通電して加熱しておくと、容器110内の可燃ガスが補助容器190内で燃焼する。そして排気ガスが管路193を経由して水タンク192の水内をくぐり、管路191を経て容器110に戻る。水タンク192は、火炎が容器110内に吹き込むのを防止するためのものである。この操作で容器110内が大気圧に戻れば、ハッチ112を開いて潰されたガス缶10を取り出すことができる。
【0065】
前記の操作で容器110内が大気圧に戻らなければ、弁194を開いて可燃ガスボンベ196から管路195を経由し、可燃ガスを補助容器190内に送り込む。同時に弁199aを開いて大気を補助容器190内に導入する。これによって可燃ガスが補助容器190内で燃焼する。燃焼した排気ガスは、管路193を経由して水タンク192の水内をくぐり、管路191を経て容器110に戻る。このとき真空ポンプ120は停止していてもよいが、運転を続けて容器110内の空気を補助容器190に送り込んでもよい。また、必要に応じて管路199にファンを設けて、大気を補助容器190内の強制的に送り込む構成としてもよい。
【0066】
なお、酸化装置190aとして前記実施例ではフィラメントを用いたが、白金カイロや使い捨てカイロに使用されている各種の酸化触媒を用いてもよい。
【0067】
上記の実施例は、ガス缶10を容器110内で潰したとき、ガス缶10内に残留していた液状物を溶剤A内に捕捉するものである。しかし、これらの液状物の殆どのものは揮発性でかつ、可燃性である。そのため、容器110内を減圧すると、溶剤A内に捕捉されていた液状物が再度蒸発してガス化する。真空ポンプ120は、このガス化した液状物を吸引しなければならなくなり、処理に長時間を要する。また、ガスを燃焼させる場合は、長時間燃焼が続く。そのため、処理能力が低下する。
【0068】
図14は、そのような問題の解決を図ったもので、本発明の第5実施例の構成を示す図である。この実施例では、図11の構成に、液抽出タンク250を追加し、容器110の底部と液抽出タンク250の上部とを管路251で接続し、管路251には弁252を設ける。容器110内には溶剤Aは入れていない。また、液抽出タンク250と管路161とは管路253で接続し、管路253には弁254を設ける。したがって、真空ポンプ120により液抽出タンク250内を減圧できるようになっている。処理装置100全体も小型で、1つの基台101上に載り、通常の大きさのパレットに載せて運ぶことができる大きさにすることができる。
【0069】
容器110内を減圧した後のガス缶10を潰しているとき、潰されたガス缶10内に残留している液状物Cは、容器110の底部に溜まる。そこで、ガス缶10を潰し始めたら、潰し終わる前から弁162を閉じて、弁252,254を開き、真空ポンプ120を運転する。すると、容器110の底部に溜まっている液状物Cは液抽出タンク250内に抽出される。容器110内の液状物Cをほぼ抜き取り終わったら、弁252と弁254とを閉じる。これで、ガス缶10内に残留していた液状物を液抽出タンク250内に回収することができる。液抽出タンク250は、着脱自在にされていることが望ましい。液状物Cを回収した液抽出タンク250は、装置から取り外され、設備の整った焼却設備で焼却することができるからである。
【0070】
液状物Cの吸引時に容器110内のガスも吸引されるが、このガスは、図12で説明したのと同様に第1タンク160の溶剤Aによりミスト状の液状物が捕捉され、第2タンク170を経て燃焼室150aに達し、燃焼される。
【0071】
液状物Cの吸引が完了したら、弁252,254を閉じ、図12に示したのと同様に弁162等を開き、容器110内を減圧する。容器110内には気化する液状物がないので、容器110内は短時間で減圧できることになる。この後、図13に示したように排ガスを送り込んで容器110内を大気圧にするか、ファン240を運転して大気を容器110内に送り込んで容器110内を大気圧にする。または、ファン240に代えて蒸気や窒素ガスなどの不活性ガスを送り込んでもよい。
【符号の説明】
【0072】
10,10a,10b,10c ガス缶、100 ガス缶の処理装置、110 容器、120 真空ポンプ、125 分岐管路、130 ファン、150,150a 燃焼室、160 第1タンク、200 缶潰し機、201 ガイド板(隔壁)、202 開口、223 蓋体、224 隔壁、225 開口、226 蓋体、250 液抽出タンク、A,B 溶剤、C 液状物、X ホッパ部、Y 缶処理部、Z 缶取出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内にガス缶を投入する工程と、
前記容器を密閉し、前記容器内の酸素を減らすために真空ポンプを用いて減圧する工程と、
減圧された前記容器内で前記ガス缶を潰して内部の残留ガスを前記容器内へ放出させる工程と、
前記容器内で増加した可燃性ガス前記真空ポンプを用いて排気し、前記容器内を減圧する工程と、
前記容器内に不活性ガスを導入して、前記容器内を大気圧に戻す工程と
を有することを特徴とするガス缶の処理方法。
【請求項2】
前記容器内の残留ガスを前記真空ポンプで外部に排出する工程の前後に、前記容器内の残留ガスを、溶剤内を通過させ前記残留ガス内に含まれるミスト状の液状物を捕捉する工程を設けたことを特徴とする請求項1記載のガス缶の処理方法。
【請求項3】
前記減圧された容器内で前記ガス缶を潰して内部の前記残留ガスを放出させる際に、前記ガス缶内に残留している液状物を前記容器外に排出する工程を有することを特徴とする請求項2記載のガス缶の処理方法。
【請求項4】
前記不活性ガスとして、蒸気、窒素、及び、可燃物を酸化させて発生した排ガスから選ばれる少なくとも1種類以上を導入することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のガス缶の処理方法。
【請求項5】
前記容器内を約47.9kPa以下に前記真空ポンプを用いて減圧することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のガス缶の処理方法。
【請求項6】
ガス缶を潰す缶潰し機を備えた容器と、
前記容器内の酸素を減らすために減圧する真空ポンプ
前記容器内に不活性ガスを導入する手段と
を有することを特徴とするガス缶の処理装置。
【請求項7】
記容器から排出された気体を燃焼させる燃焼室を設けたことを特徴とする請求項6記載のガス缶の処理装置。
【請求項8】
前記真空ポンプの吸引側又は吐出側に第1タンクを設け、該第1タンク内にガス缶内の液状物を捕捉する溶剤を入れ、前記容器内の気体が減圧されるとき前記第1タンク内の溶剤を通過することを特徴とする請求項6又は7記載のガス缶の処理装置。
【請求項9】
前記ガス缶内に残留する液状物を取り出す液抽出タンクを設けたことを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載のガス缶の処理装置。
【請求項10】
前記容器内を、ガス缶を投入するホッパ部と、ガス缶を潰す缶処理部と、潰したガス缶を取り出す缶取出部と、に分割するための複数の隔壁を設け、各隔壁に隔壁の両側を連通する開口を形成し、該開口を開閉する蓋体を設け、前記真空ポンプが前記隔壁で分割された各部を独立して減圧可能としたことを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載のガス缶の処理装置。
【請求項11】
可燃物を酸化させる補助容器を設け、該補助容器内で発生した排ガスを前記容器内に供給可能に接続したことを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載のガス缶の処理装置。
【請求項12】
前記不活性ガスを導入する手段が、窒素導入手段、蒸気導入手段、及び、可燃物を酸化させて発生した排ガスの導入手段から選ばれる1つ以上であることを特徴とする請求項6から11いずれかに記載のガス缶の処理装置。
【請求項13】
前記容器内を約47.9kPa以下に減圧できる前記真空ポンプを備えることを特徴とする請求項6から12いずれかに記載のガス缶の処理装置。
【請求項14】
前記ガス缶内の液状物を前記第1タンクに通過させるためのファンを備えることを特徴とする請求項13のいずれかに記載のガス缶の処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2010−194612(P2010−194612A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101140(P2010−101140)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【分割の表示】特願2003−316510(P2003−316510)の分割
【原出願日】平成15年9月9日(2003.9.9)
【出願人】(592152510)株式会社中島自動車電装 (12)