説明

ガス配管のガス漏れ箇所修理方法及びガス漏れ箇所修理用光硬化性樹脂組成物及びガス配管のガス漏れ箇所修理部材

【課題】短時間で管壁からのガス漏れを止めて、しかも、持続的にその状態を維持できるようにする。
【解決手段】予め透明樹脂フィルム1の一方の面に光硬化性樹脂組成物2を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておいて、その未硬化樹脂層付着部をガス配管3における管外壁のガス漏れ箇所4に貼着させて被覆部を形成し、透明樹脂フィルム1をその外方から管外壁側に押付けて気密性を維持しながら、被覆部に透明樹脂フィルム1を通して光を照射して光硬化性樹脂組成物2を硬化反応させ、管外壁のガス漏れ箇所4に対するシール部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス配管の管壁からのガス漏れ箇所を修理する方法及びガス漏れ箇所修理用光硬化性樹脂組成物及びガス配管のガス漏れ箇所修理部材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、都市ガス又はプロパンガス等を供給する場合、ガス導管の一つとして鋼管が使用されている。そして、その鋼管からなるガス配管が、高温多湿な配管環境や長期使用により、腐食して管壁に孔が開いたり、地中埋設管の場合は土木工事により不測に孔を開けてしまったり、また、建築工事の場合は、ドリルなどにより不測に孔を開けてしまい、管壁からガス漏れが発生することがある。
このような場合、配管の更新を行わなければならないが、ガスが供給されている活管状態では、早急にガス漏れを止めなければならず、その管壁の孔の開いた箇所に粘着テープを巻くか、もしくは、エポキシ樹脂等の合成樹脂接着剤等を、管壁に塗布してその外側からブチルゴムとポリエステルフィルムからなるシールテープを巻く等の方法が行われていた。尚、前記配管としては、鋼管のみならず、鋳鉄管やポリエチレン管も多く使用され、それらも修理の対象となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した方法では、前者の場合は、管壁と粘着テープとの密着性が水分や砂の混入により低下したり、管壁等に粘着テープが一時的に密着したとしても、管壁に開いた孔からのガス圧により、管壁と粘着テープとの間にガス漏洩路が形成される虞があり、また、後者の場合は、エポキシ樹脂などの合成樹脂接着剤の硬化に長時間を要し、未硬化状態の合成樹脂接着剤中に、ガス圧によるガス漏れ流路が形成されたりして、持続的にガス漏れを止めることは困難であった。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、短時間で鋼管、鋳鉄管、ポリエチレン管の管壁等からのガス漏れを止めて、しかも、持続的にその状態を維持できるようにするところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1のガス配管のガス漏れ箇所修理方法の特徴構成は、予め透明樹脂フィルムの一方の面に光硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておいて、その未硬化樹脂層付着部をガス配管における管外壁のガス漏れ箇所に貼着させて被覆部を形成し、前記透明樹脂フィルムをその外方から前記管外壁側に押付けて気密性を維持しながら、前記被覆部に前記透明樹脂フィルムを通して光を照射して前記光硬化性樹脂組成物を硬化反応させ、前記管外壁のガス漏れ箇所に対するシール部を形成するところにある。
【0006】
本発明の第1の特徴構成によれば、予め透明樹脂フィルムの一方の面に光硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておくことで、いつでも短時間でガス配管の管壁に貼着することができ、管外壁に被覆部を形成して管壁からのガス漏れを止めることができる。その上、透明樹脂フィルムに塗布した光硬化性樹脂組成物に対し、透明樹脂フィルムを通して光を照射して硬化反応させることにより、管壁等に形成されるガス漏れ孔からのガス圧に持続的に対抗できるシール部を、短時間で形成できる。
従って、短時間で管壁からのガス漏れを止めて、しかも、持続的にその状態を維持できる。
【0007】
本発明の第2の特徴構成は、前記透明樹脂フィルムは、光硬化性樹脂組成物が硬化した後に剥離するところにある。
【0008】
本発明の第2の特徴構成によれば、透明樹脂フィルムを通して光を照射して光硬化性樹脂組成物を硬化反応させた後に、透明樹脂フィルムを剥離することにより、被覆部は、その表面を切削したりして滑らかに整えることができ、その後の塗装仕上げ加工などが良好に行える。
また、光硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、防食性が高まる。特に地中埋設管で付近に温泉などがある場合、イオウ成分やアルカリ成分、酸成分が多く、ガス管が腐食する場合が多いが、この光硬化性樹脂組成物を塗布し硬化させたガス管は、腐食に強く錆が発生しにくくなる。
【0009】
本発明の第3の特徴構成は、前記光硬化性樹脂組成物は、(A)ビスフェノールA型エポキシアクリレート30〜40質量部、(B)チタノセン化合物1.0〜2.0質量部、(C)充填材37〜48質量部を混合した物であるところにある。
【0010】
本発明の第3の特徴構成によれば、ビスフェノールA型エポキシアクリレート30〜40質量部を主材として使用することにより、耐水性、耐候性を有し、機械的強度の大きい被覆部ができ、チタノセン化合物1.0〜2.0質量部を光重合開始剤として使用することで可視光の波長で重合反応を開始して、迅速に硬化させることができ、また、充填材37〜48質量部を混合したことにより、全体の流動性を抑えて管外壁のガス漏れ箇所に、光硬化性樹脂組成物を密着保持させることができる。
しかも、上記組成物から形成されるシール部は、一般的に残存するアルコールや、エポキシ樹脂の硬化剤から発生するアミン臭などのガス検知器に感応する成分が残存しにくく、ガス検知器に感応しないために、被覆部形成後に、迅速にガス漏れ検査を行なって、補修箇所のガス漏洩が止まっている状態の確認をできるようになった。
【0011】
本発明の第4の特徴構成は、光の波長が400〜650nmの光源を有し、測光量150ルーメンス以上を有する照明器具で前記被覆部に照射するところにある。
【0012】
本発明の第4の特徴構成によれば、120ルーメンスでも硬化をさせることは可能であるが、ガス漏れを活管状態で緊急に止めるためには、硬化時間を短くせねばならないため、測光量は150ルーメンス以上が適している。尚、これ以上高い光量では、硬化性に大きな差がない。従って、可視光域の簡単な照明器具を使用して光硬化性樹脂組成物を迅速に硬化反応させ、実用性及び取扱い上の安全性を向上させることができる
【0013】
本発明の第5のガス漏れ箇所修理用光硬化性樹脂組成物の特徴構成は、ガス配管におけるガス漏れ箇所に付着させた状態で、光を照射して硬化反応させることにより、管外壁のガス漏れ箇所に対するシール部を形成するためのガス漏れ箇所修理用光硬化性樹脂組成物であって、(A)ビスフェノールA型エポキシアクリレート30〜40質量部、(B)チタノセン化合物1.0〜2.0質量部、(C)充填材37〜48質量部を混合してあるところにある。
【0014】
本発明の第5の特徴構成によれば、ビスフェノールA型エポキシアクリレート30〜40質量部を主材として使用することにより、耐水性、耐候性を有し、機械的強度の大きい被覆部ができ、チタノセン化合物1.0〜2.0質量部を光重合開始剤として使用することで可視光の波長で重合反応を開始して、迅速に硬化させることができ、また、充填材37〜48質量部を混合したことにより、全体の流動性を抑えて管外壁のガス漏れ箇所に、光硬化性樹脂組成物を密着保持させることができる。
しかも、上記組成物から形成されるシール部は、一般的に残存するアルコールや、エポキシ樹脂の硬化剤から発生するアミン臭などのガス検知器に感応する成分が残存しにくく、ガス検知器に感応しないために、被覆部形成後に、迅速にガス漏れ検査を行なって、補修箇所のガス漏洩が止まっている状態の確認をできるようになった。
【0015】
本発明の第6のガス配管のガス漏れ箇所修理部材の特徴構成は、前記ガス漏れ箇所修理用光硬化性樹脂組成物を、透明樹脂フィルムの一方の面に未硬化の状態で塗布してあるところにある。
【0016】
本発明の第6の特徴構成によれば、透明樹脂フィルムの一方の面に未硬化の状態で前記ガス漏れ箇所修理用光硬化性樹脂組成物を塗布してあるガス漏れ箇所修理部材を、ガス配管のガス漏れ箇所に貼着させて被覆することで、応急にガス漏れを抑えることができながら、その透明樹脂フィルム越しに光を照射することで、光硬化性樹脂組成物が硬化反応してそのガス漏れ抑制状態を維持できるようになる。
従って、短時間でガス漏れ箇所の修理ができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)ガス漏れ箇所に光硬化性樹脂組成物を貼着する前の状態説明図、(b)ガス漏れ箇所に光硬化性樹脂組成物を貼着した後の状態説明図である。
【図2】(a)光硬化性樹脂組成物を貼着した状態の部分縦断面図、(b)光硬化性樹脂組成物に光照射する状態の部分縦断面図、(c)透明樹脂フィルムを剥離した後の部分縦断面図である。
【図3】各光硬化性樹脂(1)〜(11)の組成を表す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔実施形態1〕
ガス配管3の管壁に形成されるガス漏れ箇所4を修理してガス漏れを止める方法として、図1〜図2に示すように、予め透明樹脂フィルム1の一方の面に光硬化性樹脂組成物2を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておき(図1(a))、その未硬化樹脂層付着部をガス配管3における管外壁のガス漏れ箇所4に貼着させて被覆部を形成し(図2(a))、透明樹脂フィルム1をその外方から管外壁側に押付けて圧入して気密性を維持しながら、被覆部に透明樹脂フィルム1を通して光を照射して光硬化性樹脂組成物2を硬化反応させ(図1(b)、図2(b))、管外壁のガス漏れ箇所4に対するシール部を形成し、その後、透明樹脂フィルム1は剥離する(図2(c))。
【0019】
光硬化性樹脂組成物2として、図3に示す表のように、光硬化性樹脂(1)〜(11)の各種異なった組成物を、製造例1〜製造例11に基づいて製作準備した。尚、図3において、各数値は、質量部を表す。また、ビスコート#192はフェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学株式会社製)を示し、KAYAMER PM−21はエチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート(日本化薬株式会社製)を示し、Quantacure ITXは、イソプロピルチオキサントン(日本シイベルヘグナー株式会社製)を示す。
【0020】
製造例1
ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂 30.0質量部(Miwon Comercial Co.Ltd 製 品名 Miramer PE210)、フェノキシエチルアクリレート20.0質量部(大阪有機化学株式会社製 品名 ビスコート#192)、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート1.0質量部(日本化薬株式会社製 品名 KAYAMER PM−21)、チタノセン化合物 1.0質量部(チバ・ジャパン株式会社製 製品名 IRGACURE 784)、充填剤 48.0質量部(製品名 NK−64 富士タルク株式会社製)を、暗室内で、ミキサーで混錬して、パテ状物(光硬化性樹脂(1))を得た。
【0021】
製造例2
ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂 40.0質量部(Miwon Comercial Co.Ltd 製 品名 Miramer PE210)、フェノキシエチルアクリレート20.0質量部(大阪有機化学株式会社製 品名 ビスコート#192)、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート1.0質量部(日本化薬株式会社製 品名 KAYAMER PM−21)、チタノセン化合物 1.0質量部(チバ・ジャパン株式会社製 製品名 IRGACURE 784)、充填剤 38.0質量部(製品名 NK−64 富士タルク株式会社製)を、暗室内で、ミキサーで混錬して、パテ状物(光硬化性樹脂(2))を得た。
【0022】
製造例3
ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂 30.0質量部(Miwon Comercial Co.Ltd 製 品名 Miramer PE210)、フェノキシエチルアクリレート20.0質量部(大阪有機化学株式会社製 品名 ビスコート#192)、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート1.0質量部(日本化薬株式会社製 品名 KAYAMER PM−21)、チタノセン化合物 1.0質量部(チバ・ジャパン株式会社製 製品名 IRGACURE 784)、イソプロピルチオキサントン 0.5質量部(日本シイベルヘグナー株式会社製 品名 Quantacure ITX)、トリエタノールアミン 0.5質量部(昭和化学株式会社製)、充填剤 47.0質量部(製品名 NK−64 富士タルク株式会社製)を、暗室内で、ミキサーで混錬して、パテ状物(光硬化性樹脂(3))を得た。
【0023】
製造例4
ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂 40.0質量部(Miwon Comercial Co.Ltd 製 品名 Miramer PE210)、フェノキシエチルアクリレート20.0質量部(大阪有機化学株式会社製 品名 ビスコート#192)、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート1.0質量部(日本化薬株式会社製 品名 KAYAMER PM−21)、チタノセン化合物 1.0質量部(チバ・ジャパン株式会社製 製品名 IRGACURE 784)、イソプロピルチオキサントン 0.5質量部(日本シイベルヘグナー株式会社製 品名 Quantacure ITX)、トリエタノールアミン 0.5質量部(昭和化学株式会社製)、充填剤 37.0質量部(製品名 NK−64 富士タルク株式会社製)を、暗室内で、ミキサーで混錬して、パテ状物(光硬化性樹脂(4))を得た。
【0024】
製造例5
ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂 30.0質量部(Miwon Comercial Co.Ltd 製 品名 Miramer PE210)、フェノキシエチルアクリレート20.0質量部(大阪有機化学株式会社製 品名 ビスコート#192)、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート1.0質量部(日本化薬株式会社製 品名 KAYAMER PM−21)、チタノセン化合物 2.0質量部(チバ・ジャパン株式会社製 製品名 IRGACURE 784)、イソプロピルチオキサントン 0.5質量部(日本シイベルヘグナー株式会社製 品名 Quantacure ITX)、トリエタノールアミン 0.5質量部(昭和化学株式会社製)、充填剤 46.0質量部(製品名 NK−64 富士タルク株式会社製)を、暗室内で、ミキサーで混錬して、パテ状物(光硬化性樹脂(5))を得た。
【0025】
製造例6
ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂 30.0質量部(Miwon Comercial Co.Ltd 製 品名 Miramer PE210)、フェノキシエチルアクリレート20.0質量部(大阪有機化学株式会社製 品名 ビスコート#192)、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート1.0質量部(日本化薬株式会社製 品名 KAYAMER PM−21)、チタノセン化合物 0.8質量部(チバ・ジャパン株式会社製 製品名 IRGACURE 784)、イソプロピルチオキサントン 0.5質量部(日本シイベルヘグナー株式会社製 品名 Quantacure ITX)、トリエタノールアミン 0.5質量部(昭和化学株式会社製)、充填剤 47.2質量部(製品名 NK−64 富士タルク株式会社製)を、暗室内で、ミキサーで混錬して、パテ状物(光硬化性樹脂(6))を得た。
【0026】
製造例7
ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂 30.0質量部(Miwon Comercial Co.Ltd 製 品名 Miramer PE210)、フェノキシエチルアクリレート20.0質量部(大阪有機化学株式会社製 品名 ビスコート#192)、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート1.0質量部(日本化薬株式会社製 品名 KAYAMER PM−21)、チタノセン化合物 0.4質量部(チバ・ジャパン株式会社製 製品名 IRGACURE 784)、充填剤 48.6質量部(製品名 NK−64 富士タルク株式会社製)を、暗室内で、ミキサーで混錬して、パテ状物(光硬化性樹脂(7))を得た。
【0027】
製造例8
ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂 30.0質量部(Miwon Comercial Co.Ltd 製 品名 Miramer PE210)、フェノキシエチルアクリレート20.0質量部(大阪有機化学株式会社製 品名 ビスコート#192)、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート1.0質量部(日本化薬株式会社製 品名 KAYAMER PM−21)、チタノセン化合物 2.5質量部(チバ・ジャパン株式会社製 製品名 IRGACURE 784)、充填剤 46.5質量部(製品名 NK−64 富士タルク株式会社製)を、暗室内で、ミキサーで混錬して、パテ状物(光硬化性樹脂(8))を得た。
【0028】
製造例9
ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂 55.0質量部(Miwon Comercial Co.Ltd 製 品名 Miramer PE210)、フェノキシエチルアクリレート5.0質量部(大阪有機化学株式会社製 品名 ビスコート#192)、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート1.0質量部(日本化薬株式会社製 品名 KAYAMER PM−21)、チタノセン化合物 1.0質量部(チバ・ジャパン株式会社製 製品名 IRGACURE 784)、充填剤 38.0質量部(製品名 NK−64 富士タルク株式会社製)を、暗室内で、ミキサーで混錬して、パテ状物(光硬化性樹脂(9))を得た。
【0029】
製造例10
ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂 25.0質量部(Miwon Comercial Co.Ltd 製 品名 Miramer PE210)、フェノキシエチルアクリレート20.0質量部(大阪有機化学株式会社製 品名 ビスコート#192)、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート質量1.0部(日本化薬株式会社製 品名 KAYAMER PM−21)、チタノセン化合物 1.0質量部(チバ・ジャパン株式会社製 製品名 IRGACURE 784)、充填剤 53.0質量部(製品名 NK−64 富士タルク株式会社製)を、暗室内で、ミキサーで混錬して、パテ状物(光硬化性樹脂(10))を得た。
【0030】
製造例11
ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂 30.0質量部(Miwon Comercial Co.Ltd 製 品名 Miramer PE210)、フェノキシエチルアクリレート7.0質量部(大阪有機化学株式会社製 品名 ビスコート#192)、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート1.0質量部(日本化薬株式会社製 品名 KAYAMER PM−21)、チタノセン化合物 1.0質量部(チバ・ジャパン株式会社製 製品名 IRGACURE 784)、充填剤 61.0質量部(製品名 NK−64 富士タルク株式会社製)を、暗室内で、ミキサーで混錬して、パテ状物(光硬化性樹脂(11))を得た。
【0031】
次に、前記光硬化性樹脂(1)〜(11)を夫々使用して、実施例1〜5、比較例1〜11の性能試験を、以下に示すように行った。
【0032】
〔実施例1〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(1)を使用した。ガス漏れ修理作業は、以下のように行った。硬質塩化ビニル被覆鋼管(口径25A 商標 PLV メーカー JFE継手株式会社製)の管外壁に孔5を開け、ガス漏れ箇所4を形成した。ガスを低圧(2.5kPa)で通流させ、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液でガス漏れを確認した。その管外壁のガス漏れ箇所4に、ガス漏れ修理を行った。
つまり、予め透明樹脂フィルム1としてポリエチレンフィルムの一方の面に光硬化性樹脂組成物2を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておいて、その未硬化樹脂層付着部をガス配管3における管外壁のガス漏れ箇所4に貼着させて被覆部を形成し、しっかり巻きつけて手で押し付けて密着させるべく空気を追い出し遮断した。その後、ポリエチレンフィルムを通過してガスが漏れていないことを、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液で確認した。この状態で、外部より、白色光を発光するLEDライト6(波長 550nm 強度150ルーメンス)を、光の当たっている部位に3分程度あて、順次、照射位置を移動させ、各部に対して、3分照射し、全周に照射させた。照射させた後、無着色透明ポリエチレンフィルムを剥がした。光硬化性樹脂(1)の硬化物は、完全にタックフリーとなって、硬化していた。その後、ガス検知器 (可燃性ガス検知器 XP―702IIZ−B 検知感度 10ppm)で検知したが、ガス漏れはなかった。
また、同時に、ガス検知用発泡液で確認したが、ガス漏れはなかった。また、防食試験として、この施工したガス配管3そのものを、塩水噴霧試験240時間を行なった。本材料の塗り付けたものは、全く剥がれておらず、且つ、その部分から発錆もなく、保護性能は高く、良好であった。
【0033】
〔実施例2〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(2)を使用した。ガス漏れ修理作業は、以下のように行った。硬質塩化ビニル被覆鋼管(口径25A 商標 PLV メーカー JFE継手株式会社製)の管外壁に孔5を開け、ガス漏れ箇所4を形成した。ガスを低圧(2.5kPa)で通流させ、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液でガス漏れを確認した。その管外壁のガス漏洩箇所に、ガス漏れ修理を行った。
つまり、予め透明樹脂フィルム1としてポリエチレンフィルムの一方の面に光硬化性樹脂組成物2を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておいて、その未硬化樹脂層付着部をガス配管3における管外壁のガス漏れ箇所4に貼着させて被覆部を形成し、しっかり巻きつけて手で押し付けて密着させるべく空気を追い出し遮断した。その後、ポリエチレンフィルムを通過してガスが漏れていないことを、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液で確認した。この状態で、外部より、白色光を発光するLEDライト6(波長 550nm 強度180ルーメンス)を、光の当たっている部位に3分程度あて、順次、照射位置を移動させ、各部に対して、3分照射し、全周に照射させた。照射させた後、無着色透明ポリエチレンフィルムを剥がした。光硬化性樹脂(2)の硬化物は、完全にタックフリーとなって、硬化していた。その後、ガス検知器 (可燃性ガス検知器 XP―702IIZ−B 検知感度 10ppm)で検知したが、ガス漏れはなかった。
また、同時に、ガス検知用発泡液で確認したが、ガス漏れはなかった。また、防食試験としていつも、この施工したガス配管3そのものを、塩水噴霧試験240時間を行なった。本材料の塗り付けたものは、全く剥がれておらず、且つ、その部分から発錆もなく、保護性能は高く、良好であった。
【0034】
〔実施例3〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(3)を使用した。ガス漏れ修理作業は、以下のように行った。硬質塩化ビニル被覆鋼管(口径25A 商標 PLV メーカー JFE継手株式会社製)の管外壁に孔5を開け、ガス漏れ箇所4を形成した。ガスを低圧(2.5kPa)で通流させ、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液でガス漏れを確認した。その管外壁のガス漏れ箇所4に、ガス漏れ修理を行った。
つまり、予め透明樹脂フィルム1としてポリエチレンフィルムの一方の面に光硬化性樹脂組成物2を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておいて、その未硬化樹脂層付着部をガス配管3における管外壁のガス漏れ箇所4に貼着させて被覆部を形成し、しっかり巻きつけて手で押し付けて密着させるべく空気を追い出し遮断した。その後、ポリエチレンフィルムを通過してガスが漏れていないことを、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液で確認した。この状態で、外部より、白色光を発光するLEDライト6(波長 550nm 強度180ルーメンス)を、光の当たっている部位に3分程度あて、順次、照射位置を移動させ、各部に対して、3分照射し、全周に照射させた。照射させた後、無着色透明ポリエチレンフィルムを剥がした。光硬化性樹脂(3)の硬化物は、完全にタックフリーとなって、硬化していた。その後、ガス検知器 (可燃性ガス検知器 XP―702IIZ−B 検知感度 10ppm)で検知したが、ガス漏れはなかった。
また、同時に、ガス検知用発泡液で確認したが、ガス漏れはなかった。また、防食試験として、この施工したガス配管3そのものを、塩水噴霧試験240時間を行なった。本材料の塗り付けたものは、全く剥がれておらず、且つ、その部分から発錆もなく、保護性能は高く、良好であった。
実施例2に比較して、光増感剤であるチオキサントン化合物およびアミン化合物を併用することにより、硬化性が改善され、より早く硬化し、ガス漏れを止めることができた。
【0035】
〔実施例4〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(4)を使用した。ガス漏れ修理作業は、以下のように行った。硬質塩化ビニル被覆鋼管(口径25A 商標 PLV メーカー JFE継手株式会社製))の管外壁に孔5を開け、ガス漏れ箇所4を形成した。ガスを低圧(2.5kPa)で通流させ、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液でガス漏れを確認した。その管外壁のガス漏れ箇所4に、ガス漏れ修理を行った。
つまり、予め透明樹脂フィルム1としてポリエチレンフィルムの一方の面に光硬化性樹脂組成物2を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておいて、その未硬化樹脂層付着部をガス配管3における管外壁のガス漏れ箇所4に貼着させて被覆部を形成し、しっかり巻きつけて手で押し付けて密着させるべく空気を追い出し遮断した。その後、ポリエチレンフィルムを通過してガスが漏れていないことを、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液で確認した。この状態で、外部より、白色光を発光するLEDライト(波長 550nm 強度180ルーメンス)を、光の当たっている部位に3分程度あて、順次、照射位置を移動させ、各部に対して、3分照射し、全周に照射させた。照射させた後、無着色透明ポリエチレンフィルムを剥がした。光硬化性樹脂(4)の硬化物は、完全にタックフリーとなって、硬化していた。その後、ガス検知器 (可燃性ガス検知器 XP―702IIZ−B 検知感度 10ppm)で検知したが、ガス漏れはなかった。
また、同時に、ガス検知用発泡液で確認したが、ガス漏れはなかった。また、防食試験としていつも、この施工したガス配管3そのものを、塩水噴霧試験240時間を行なった。本材料の塗り付けたものは、全く剥がれておらず、且つ、その部分から発錆もなく、保護性能は高く、良好であった。
実施例2に比較して、光増感剤であるチオキサントン化合物およびアミン化合物を併用することにより、硬化性が改善され、より早く硬化し、ガス漏れを止めることができた。
【0036】
〔実施例5〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(5)を使用した。ガス漏れ修理作業は、以下のように行った。硬質塩化ビニル被覆鋼管(口径25A 商標 PLV メーカー JFE継手株式会社製)の管外壁に孔5を開け、ガス漏れ箇所4を形成した。ガスを低圧(2.5kPa)で通流させ、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液でガス漏れを確認した。その管外壁のガス漏洩箇所に、ガス漏れ修理を行った。
つまり、予め透明樹脂フィルム1としてポリエチレンフィルムの一方の面に光硬化性樹脂組成物2を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておいて、その未硬化樹脂層付着部をガス配管3における管外壁のガス漏れ箇所4に貼着させて被覆部を形成し、しっかり巻きつけて手で押し付けて密着させるべく空気を追い出し遮断した。その後、ポリエチレンフィルムを通過してガスが漏れていないことを、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液で確認した。この状態で、外部より、白色光を発光するLEDライト6(波長 550nm 強度180ルーメンス)を、光の当たっている部位に3分程度あて、順次、照射位置を移動させ、各部に対して、3分照射し、全周に照射させた。照射させた後、無着色透明ポリエチレンフィルムを剥がした。光硬化性樹脂(5)の硬化物は、完全にタックフリーとなって、硬化していた。その後、ガス検知器 (可燃性ガス検知器 XP―702IIZ−B 検知感度 10ppm)で検知したが、ガス漏れはなかった。
また、同時に、ガス検知用発泡液で確認したが、ガス漏れはなかった。また、防食試験としていつも、この施工したガス配管3そのものを、塩水噴霧試験240時間を行なった。本材料の塗り付けたものは、全く剥がれておらず、且つ、その部分から発錆もなく、保護性能は高く、良好であった。
【0037】
〔比較例1〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(6)を使用した。ガス漏れ修理作業は、以下のように行った。硬質塩化ビニル被覆鋼管(口径25A 商標 PLV メーカー JFE継手株式会社製)の管外壁に孔5を開け、ガス漏れ箇所4を形成した。ガスを低圧(2.5kPa)で通流させ、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液でガス漏れを確認した。その管外壁のガス漏洩箇所に、ガス漏れ修理を行った。
つまり、予め透明樹脂フィルム1としてポリエチレンフィルムの一方の面に光硬化性樹脂組成物2を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておいて、その未硬化樹脂層付着部をガス配管3における管外壁のガス漏れ箇所4に貼着させて被覆部を形成し、しっかり巻きつけて手で押し付けて密着させるべく空気を追い出し遮断した。その後、ポリエチレンフィルムを通過してガスが漏れていないことを、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液で確認した。この状態で、外部より、白色光を発光するLEDライト6(波長 550nm 強度180ルーメンス)を、光の当たっている部位に3分程度あて、順次、照射位置を移動させ、各部に対して、3分照射し、全周に照射させた。照射させた後、無着色透明ポリエチレンフィルムを剥がした。光硬化性樹脂(6)の硬化物は、完全にタックフリーとはならず表面がベタついて、半硬化状態であった。また、ガス漏れは、完全には止まらなかった。
【0038】
〔比較例2〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(1)を使用した。ガス漏れ修理作業は、以下のように行った。硬質塩化ビニル被覆鋼管(口径25A 商標 PLV メーカー JFE継手株式会社製)の管外壁に孔5を開け、ガス漏れ箇所4を形成した。ガスを低圧(2.5kPa)で通流させ、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液でガス漏れを確認した。その管外壁のガス漏れ箇所4に、ガス漏れ修理を行った。
つまり、予め透明樹脂フィルム1としてポリエチレンフィルムの一方の面に光硬化性樹脂組成物2を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておいて、その未硬化樹脂層付着部をガス配管3における管外壁のガス漏れ箇所4に貼着させて被覆部を形成し、しっかり巻きつけて手で押し付けて密着させるべく空気を追い出し遮断した。その後、ポリエチレンフィルムを通過してガスが漏れていないことを、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液で確認した。この状態で、屋内でのガス漏れを予定して、直射日光の当たらないようにして、1時間放置した。光硬化性樹脂(1)は、全く硬化せず、ガス漏れを止めることはできなかった。
【0039】
〔比較例3〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(1)を使用した。ガス漏れ修理作業は、以下のように行った。硬質塩化ビニル被覆鋼管(口径25A 商標 PLV メーカー JFE継手株式会社製)の管外壁に孔5を開け、ガス漏れ箇所4に形成した。ガスを低圧(2.5kPa)で通流させ、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液でガス漏れを確認した。その管外壁のガス漏れ箇所4に、ガス漏れ修理を行った。
屋内で、ガス漏れ修理作業としては、硬質塩化ビニル被覆鋼管の露出した管壁部のガス漏れ箇所4に、光硬化性樹脂組成物2を、管壁部全体に塗りつけた。その後、透明無着色ポリエチレンフィルムで覆わずに、この状態で、外部より、白色光を発光するLEDライト(波長 550nm 強度180ルーメンス)を、光の当たっている部位に3分程度あて、順次、照射位置を移動させ、各部に対して、3分照射し、全周に照射させた。光硬化性樹脂(1)の硬化物は、タックフリーとならず、表面が未硬化でべたつきが残った。その後、ガス検知器 (可燃性ガス検知器 XP―702IIZ−B 検知感度 10ppm)で検知したが、ガス検知器で感応し、ガス漏れを止めることはできなかった。
【0040】
〔比較例4〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(1)を使用した。ガス漏れ修理作業は、以下のように行った。硬質塩化ビニル被覆鋼管(口径25A 商標 PLV メーカー JFE継手株式会社製)の管外壁に孔5を開け、ガス漏れ箇所4を形成した。ガスを低圧(2.5kPa)で通流させ、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液でガス漏れを確認した。その管外壁のガス漏れ箇所4に、ガス漏れ修理を行った。
つまり、予め透明樹脂フィルム1としてポリエチレンフィルムの一方の面に光硬化性樹脂組成物2を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておいて、その未硬化樹脂層付着部をガス配管3における管外壁のガス漏れ箇所4に貼着させて被覆部を形成し、しっかり巻きつけて手で押し付けて密着させるべく空気を追い出し遮断した。その後、ポリエチレンフィルムを通過してガスが漏れていないことを、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液で確認した。この状態で、外部より、365nmを発光するブラックライトを使用したライト(パナソニック株式会社 型番 BF−644)で、光の当たっている部位に3分程度あて、順次、照射位置を移動させ、各部に対して、3分照射し、全周に照射させた。照射させた後、無着色透明ポリエチレンフィルムを剥がした。光硬化性樹脂(1)の硬化物は、硬化不良であった。表面に、べたつきがあった。その後、ガス検知器 (可燃性ガス検知器 XP―702IIZ−B 検知感度 10ppm)に感応し、ガス漏れを止められなかった。
【0041】
〔比較例5〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(1)を使用した。ガス漏れ修理作業は、以下のように行った。硬質塩化ビニル被覆鋼管(口径25A 商標 PLV メーカー JFE継手株式会社製)の管外壁に孔5を開け、ガス漏れ箇所4を形成した。ガスを低圧(2.5kPa)で通流させ、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液でガス漏れを確認した。その管外壁のガス漏れ箇所4に、ガス漏れ修理を行った。
つまり、予め透明樹脂フィルム1としてポリエチレンフィルムの一方の面に光硬化性樹脂組成物2を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておいて、その未硬化樹脂層付着部をガス配管3における管外壁のガス漏れ箇所4に貼着させて被覆部を形成し、しっかり巻きつけて手で押し付けて空気を追い出し遮断した。その後、ポリエチレンフィルムを通過してガスが漏れていないことを、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液で確認した。この状態で、外部より、700nmを発光する砲弾型LEDを10個使用したライトで、光の当たっている部位に3分程度あて、順次、照射位置を移動させ、各部に対して、3分照射し、全周に照射させた。照射させた後、無着色透明ポリエチレンフィルムを剥がした。光硬化性樹脂(1)の硬化物は、硬化不良であった。表面に、べたつきがあった。その後、ガス検知器 (可燃性ガス検知器 XP―702IIZ−B 検知感度 10ppm)に感応し、ガス漏れを止められなかった。
【0042】
〔比較例6〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(7)を使用した。ガス漏れ修理作業は、以下のように行った。硬質塩化ビニル被覆鋼管(口径25A 商標 PLV メーカー JFE継手株式会社製)の管外壁に孔5を開け、ガス漏れ箇所4を形成した。ガスを低圧(2.5kPa)で通流させ、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液でガス漏れを確認した。その管外壁のガス漏れ箇所4に、ガス漏れ修理を行った。
つまり、予め透明樹脂フィルム1としてポリエチレンフィルムの一方の面に光硬化性樹脂組成物2を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておいて、その未硬化樹脂層付着部をガス配管3における管外壁のガス漏れ箇所4に貼着させて被覆部を形成し、しっかり巻きつけて手で押し付けて密着させるべく空気を追い出し遮断した。その後、ポリエチレンフィルムを通過してガスが漏れていないことを、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液で確認した。この状態で、外部より、白色光を発光するLEDライト(波長 550nm 強度180ルーメンス)を、光の当たっている部位に3分程度あて、順次、照射位置を移動させ、各部に対して、3分照射し、全周に照射させた。照射させた後、無着色透明ポリエチレンフィルムを剥がした。硬化性が悪く、未硬化であった。その後、ガス検知器 (可燃性ガス検知器 XP―702IIZ−B 検知感度 10ppm)で検知したが、ガス検知器は感応した。ガス漏れを止めることはできなかった。
【0043】
〔比較例7〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(8)を使用した。ガス漏れ修理作業は、以下のように行った。硬質塩化ビニル被覆鋼管(口径25A 商標 PLV メーカー JFE継手株式会社製)の管外壁に孔5を開け、ガス漏れ箇所4を形成した。ガスを低圧(2.5kPa)で通流させ、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液でガス漏れを確認した。その管外壁のガス漏れ箇所4に、ガス漏れ修理を行った。
つまり、予め透明樹脂フィルム1としてポリエチレンフィルムの一方の面に光硬化性樹脂組成物2を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておいて、その未硬化樹脂層付着部をガス配管3における管外壁のガス漏れ箇所4に貼着させて被覆部を形成し、しっかり巻きつけて手で押し付けて密着させるべく空気を追い出し遮断した。その後、ポリエチレンフィルムを通過してガスが漏れていないことを、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液で確認した。この状態で、外部より、白色光を発光するLEDライト(波長 550nm 強度180ルーメンス)を、光の当たっている部位に3分程度あて、順次、照射位置を移動させ、各部に対して、3分照射し、全周に照射させた。照射させた後、無着色透明ポリエチレンフィルムを剥がした。硬化性は良好であったが、少しの光で硬化するために、ガス配管3に貼り付ける過程で、硬化が始まり、きれいに塗付できなく、作業性が悪かったと同時に、光硬化性樹脂(8)は、安定性も悪く、使用できない。
【0044】
〔比較例8〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(9)を使用した。パテの混錬があまりに粘度が高くて、不可能であった。作業効率が極めて悪く、適さなかった。
【0045】
〔比較例9〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(10)を使用した。パテの混錬があまりに粘度が高くて、不可能であった。作業効率が極めて悪く、適さなかった。
【0046】
〔比較例10〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(11)を使用した。パテの混錬があまりに粘度が高くて、不可能であった。作業効率が極めて悪く、適さなかった。
【0047】
〔比較例11〕
ガス配管3のガス漏れ箇所4の被覆部に、光硬化性樹脂(1)を使用した。ガス漏れ修理作業は、以下のように行った。硬質塩化ビニル被覆鋼管(口径25A 商標 PLV メーカー JFE継手株式会社製)の管外壁に孔5を開け、ガス漏れ箇所4を形成した。ガスを低圧(2.5kPa)で通流させ、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液でガス漏れを確認した。その管外壁のガス漏れ箇所4に、ガス漏れ修理を行った。
つまり、予め透明樹脂フィルム1としてポリエチレンフィルムの一方の面に光硬化性樹脂組成物2を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておいて、その未硬化樹脂層付着部をガス配管3における管外壁のガス漏れ箇所4に貼着させて被覆部を形成し、しっかり巻きつけて手で押し付けて密着させるべく空気を追い出し遮断した。その後、ポリエチレンフィルムを通過してガスが漏れていないことを、ガス検知器およびガス漏れ検知用発泡液で確認した。この状態で、外部より、白色光を発光するLEDライト6(波長 550nm 強度120ルーメンス)を、光の当たっている部位に3分程度あて、順次、照射位置を移動させ、各部に対して、3分照射し、全周に照射させた。照射させた後、無着色透明ポリエチレンフィルムを剥がした。光硬化性樹脂(1)の硬化物は、完全に硬化せずに、ベタ付きがあった。
また、同時に、ガス検知用発泡液で確認したが、ガス漏れはなかったが、ガス漏れ修理作業には、適していなかった。
【0048】
尚、本発明のガス漏れ箇所の修理方法は、ガス配管のみならず、ガス管のネジ部やメカニカル継手のメカニカル部からの老朽化等によるガス漏れが発生する箇所にも、採用できるガス漏れ箇所修理方法である。
【符号の説明】
【0049】
1 透明樹脂フィルム
2 光硬化性樹脂組成物
3 ガス配管
4 ガス漏れ箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め透明樹脂フィルムの一方の面に光硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化樹脂層付着部を形成しておいて、その未硬化樹脂層付着部をガス配管における管外壁のガス漏れ箇所に貼着させて被覆部を形成し、前記透明樹脂フィルムをその外方から前記管外壁側に押付けて気密性を維持しながら、前記被覆部に前記透明樹脂フィルムを通して光を照射して前記光硬化性樹脂組成物を硬化反応させ、前記管外壁のガス漏れ箇所に対するシール部を形成するガス配管のガス漏れ箇所修理方法。
【請求項2】
前記透明樹脂フィルムは、光硬化性樹脂組成物が硬化した後に剥離する請求項1に記載のガス配管のガス漏れ箇所修理方法。
【請求項3】
前記光硬化性樹脂組成物は、(A)ビスフェノールA型エポキシアクリレート30〜40質量部、(B)チタノセン化合物1.0〜2.0質量部、(C)充填材37〜48質量部を混合した物である請求項1または2に記載のガス配管のガス漏れ箇所修理方法。
【請求項4】
光の波長が400〜650nmの光源を有し、測光量150ルーメンス以上を有する照明器具で前記被覆部に照射する請求項3に記載のガス配管のガス漏れ箇所修理方法。
【請求項5】
ガス配管におけるガス漏れ箇所に付着させた状態で、光を照射して硬化反応させることにより、管外壁のガス漏れ箇所に対するシール部を形成するためのガス漏れ箇所修理用光硬化性樹脂組成物であって、
(A)ビスフェノールA型エポキシアクリレート30〜40質量部、(B)チタノセン化合物1.0〜2.0質量部、(C)充填材37〜48質量部を混合してあるガス漏れ箇所修理用光硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項5に記載のガス漏れ箇所修理用光硬化性樹脂組成物を、透明樹脂フィルムの一方の面に未硬化の状態で塗布してあるガス配管のガス漏れ箇所修理部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−2561(P2013−2561A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134470(P2011−134470)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(305028763)株式会社コスモマテリアル (14)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【Fターム(参考)】