説明

ガラスを使用した装身具の製造方法

【課題】ガラスを使用した装身具において、自由にデザインを展開できるガラス付き装身具を提供する。
【解決手段】ガラス2を使用した装身具において、貴金属製あるいは金属製の土台にガラス2固定用の細工を設けた後、必要に応じて宝石などを設置したり、デザインなどを設置したりしながら、1色あるいは2色以上のガラス2を、貴金属製あるいは金属製の土台の中に、ガラス2を溶融した後、凝固、固定化させることによって作られるガラス付き装身具10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は金属などの土台を使用した装身具において、ガラスを使用することにより、そのデザイン性を高めるとともに、比較的安価な装身具の製造方法である。
【背景技術】
【0002】
ガラスを使用した装身具を製造する場合、その多くがあらかじめガラスを装飾体として作り、その後に金属ワイヤーや紐などでガラスを固定し、装身具としている。
【0003】
しかし、あらかじめ装飾体として作られたガラスは、大きさにバラツキがあるものが多く、金属ワイヤーや紐などで固定する作業は1個ずつの複雑なものとなってしまっていて、大量生産やコストダウンが難しいもとなってしまっている。
【0004】
このことから、特許公開2009−490のように、2枚のガラスの間に金属ワイヤーなどを挟み、この後にガラスを溶融して金属ワイヤーを固定するという技法も公開されている。
【0005】
しかしながら、特許公開2009−490では、金属ワイヤーの物理的固定方法やガラスの均等成形や溶融に大きな問題を抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許公開2009−490
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は前述した問題点を解決するものであり、ガラスを使用した装身具において、容易に安定的な品質や形状のガラス装身具を提供することができる、装身具の製造方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、この発明は、ガラスを使用した装身具において、あらかじめ貴金属や金属で、その内側に凸形状もしくは凹形状や固定可能な細工の付いた土台とガラスから成り立っていて、前述の問題点を解決し、安定的な品質や形状のガラス装身具を製造することができることを特徴とするものである。
【0009】
この発明は、ガラスを使用した装身具において、安定した品質や形状のガラス装身具を容易に製造できることを特徴とする。
【0010】
この発明の貴金属や金属で作られた土台には、凸形状もしくは凹形状や固定可能な細工が付いていて、その枠にガラスが固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、ガラス装身具において、金属ワイヤーや紐などでガラスを固定するというわずらわしさを取り除き、容易に安定した品質や形状のガラス装身具を作ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の全体図である。
【図2】この発明の実施形態を示す図である。
【図3】この発明の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明の形態で、ガラスを使用した装身具である
図1に示すように、ガラス付き装飾体10は、金属本体1とガラス2から形成されている。
【0014】
ガラス付き装飾体10の金属本体は貴金属製か金属であるので、指輪やペンダントやイヤリング、ブローチ、ブレスレットなど全ての装身具を作ることができる。
【0015】
ガラス付き装飾体10の台1は、一般的に使用されている素材なので、自由な形状で製作することができる。
【0016】
ガラス付き装飾体10に用いられるガラス2は一般的なガラスで鉛入りガラスやソーダガラスである。
【0017】
図2に示すように、ガラス付き装飾体10は金属本体1とガラス2とで形成されている。
【0018】
図2のように、ガラス付き装飾体10の金属本体1には、ガラスが抜け落ちることのないように、固定溝3がある。
【0019】
溶融したガラス3は、金属本体1に入り込み固体化し、固定溝3によって固定される。
【0020】
金属本体1に固定されるガラスは、高温で溶融してから固定されるので、金属本体1の形状にしたがって自由な形に成形され、固定溝によって固定されるので抜け落ちることはない。
【0021】
金属本体1に設けられるガラス1の固定用細工3は、図3に示すような凹凸形状の他に金属本体1の中に格子状や模様、デザインなどを形成しておくことによっても代用が出来る。
【0022】
金属本体1に溶融後固定されるガラスは、いろんな色を混ぜ合わせたり、積層状にすることによって、様々なデザインを表現することができる。
【0023】
そして、金属本体内に宝石や金属のデザイン物などをあらかじめ設置しておくことによって、それらをガラス内に固定することができる。
【0024】
このような工程を経て製造されたガラス付き装身具10は、安価で様々なデザインが展開できる、従来になかった装飾体となった。
【産業上の利用可能性】
【0025】
この発明の装身具は、従来のような形状が限定されるガラス装飾体を、デザインに制限されることのない装身具として提供できるものである。
【符号の説明】
【0026】
1 金属本体
2 ガラス
3 固定用溝
4 固定用突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスを使用した装身具において、貴金属製あるいは金属製の土台に固定用細工を設けた後、ガラスを溶融して固定化させることによって作られるガラス付き装身具。
【請求項2】
ガラスが鉛入りガラスがソーダガラスであることを特徴とする請求項1に記載の装身具。
【請求項3】
金属製の台にあらかじめ宝石が設置されている請求項1に記載の装身具。
【請求項4】
金属製の台にあらかじめデザインが設置されている請求項1に記載の装身具。
【請求項5】
2色以上のガラスを混合、溶融させてなる請求項1に記載の装身具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−71027(P2012−71027A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219517(P2010−219517)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(591043101)株式会社内藤貴金属製作所 (14)
【Fターム(参考)】