説明

ガラスクロス、プリプレグの製造方法、プリプレグおよび積層板

【課題】本発明の目的は、成形性に優れたプリプレグ、さらに低熱膨張、および耐熱性に優れた積層板を提供するものである。
【解決手段】ガラスクロスを構成するガラス糸の単繊維が、第一の単繊維と、前記第一の単繊維と径の異なる第二の単繊維とを含み、前記第一の単繊維と前記第二の単繊維は、混糸され、経糸と緯糸とから構成されるガラスクロスの前記経糸および前記緯糸のいずれもが、前記第一の単繊維と前記第二の単繊維とが混糸されたものであり、前記第一の単繊維の径は、5μm以上、10μm以下であり、前記第二の単繊維の径が2μm以上、5μm以下であることを特徴とするガラスクロスである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスクロス、プリプレグの製造方法、プリプレグおよび積層板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の高機能化等の要求に伴い、高密度実装対応の多層プリント配線板の小型化かつ高密度化が求められている。この多層プリント配線板の小型化かつ高密度化により、多層プリント配線板に用いられる積層板は、従来よりも、より低熱膨張化が求められ、更なる高い絶縁信頼性及び高剛性が求められる。
【0003】
積層板は、ガラス繊維等の基材に熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に溶解分散させた樹脂ワニスを含浸し、乾燥させたプリプレグを所定枚数積層し、片側または両側に銅箔を配して加熱加圧成形することで製造される。
【0004】
これまで、積層板の低熱膨張化は、用いる熱硬化性樹脂組成物に熱膨張率の低い無機充填材を配合し無機成分の体積分率を上げた樹脂組成物とすることで達成している。しかしながら、さらなる低熱膨張化のため、無機充填材を多量に配合した樹脂組成物とすることで、例えば、プリプレグ作製において、樹脂ワニス中の無機充填材の沈降、塗布時の外観不良、および含浸性の低下といった恐れがあった。また、積層板製造時において、プリプレグの加熱加圧成形時の流動性が低下するための成形性低下、積層板において、熱硬化性樹脂と無機充填材との界面が増加するための絶縁性低下および耐熱性低下の恐れがあった。
【0005】
これらの対策として、樹脂組成物、樹脂ワニス、および基材の処理を含むプリプレグでの改善が報告されている。例えば、沈降防止剤、基材、無機充填材の表面処理などが挙げられる(例えば特許文献1)。
【0006】
また、ガラスクロスを更に高密度化し、積層板を低熱膨張化する方法がある。例えば、隣合うガラス糸同士の隙間を小さくすることでガラスクロス密度を上げる方法であるが、樹脂の含浸性、成形性など十分とはいえなかった(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第97/01595号パンフレット
【特許文献2】特開2005−132857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、含浸性、成形性、低熱膨張性、耐熱性に優れたガラスクロス、プリプレグの製造方法、プリプレグおよび積層板を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、下記(1)〜(7)により達成される。
(1)ガラスクロスを構成するガラス糸の単繊維が、第一の単繊維と、前記第一の単繊維と径の異なる第二の単繊維とを含み、前記第一の単繊維と前記第二の単繊維は、混糸されていることを特徴とするガラスクロス。
(2)経糸と緯糸とから構成されるガラスクロスであって、前記経糸および前記緯糸のいずれもが、前記第一の単繊維と前記第二の単繊維とが混糸されたものである上記(1)に記載のガラスクロス。
(3)前記第一の単繊維の径は、5μm以上、10μm以下であり、前記第二の単繊維の径が2μm以上、5μm以下である上記(1)または(2)に記載のガラスクロス。
(4)前記第一の単繊維の本数(a)と、前記第二の単繊維の本数(b)との比を(a)/(b)としたとき、0.3〜10である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のガラスクロス。
(5)上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のガラスクロスを用意する工程と、樹脂成分から構成される塗布液を用意する工程と、前記ガラスクロスに前記塗布液を含浸させる工程と、前記含浸させた工程の後乾燥する工程とを有することを特徴とするプリプレグの製造方法。
(6)上記(5)に記載の製造方法によって得られたプリプレグ。
(7)上記(6)に記載のプリプレグを1枚以上積層成形してなる積層板。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、含浸性、成形性、低熱膨張性、耐熱性に優れたガラスクロス、プリプレグの製造方法、プリプレグおよび積層板を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明のガラスクロス、プリプレグの製造方法、プリプレグおよび積層板について説明する。
【0012】
まず、本発明のガラスクロスについて説明する。
【0013】
本発明のガラスクロスは、ガラスクロスを構成するガラス糸の単繊維が、第一の単繊維と、前記第一の単繊維と径の異なる第二の単繊維とを含み、前記第一の単繊維と前記第二の単繊維は、混糸されていることを特徴とする。
【0014】
ガラスクロスは、原料となる珪酸を主成分として、溶融炉で加熱溶融され白金合金の紡糸ノズルから引き出されてガラスフィラメント(単繊維)となり、集束させながら集束剤を塗布し紡糸機で巻き取る。その後、巻き返しをしてヤーンとし、製織したのちヒートクリーニングを経てガラスクロスとなる。
【0015】
ガラスクロスを構成するガラス糸に使用される単繊維の製造方法は、特に限定されないが、例えば、溶融ガラスを第一の径と第二の径とを有する白金合金のノズルからそれぞれ高速で引き出し集束させる前に単繊維同士が混糸するようにし、集束剤を付与してガラス糸とし、巻き返して撚をかけて、あるいはかけないで巻き取り機で巻き取る工程で製造される。各単繊維の混糸は、ノズルから引き出し集束させる間にすることが好ましい。第一の単繊維と第二の単繊維が、混糸されていることにより、ガラス糸としたとき、断面視におけるガラス糸の単繊維の分布が均一となる。また、異径種の単繊維を使用することで、同径種で集束させた場合に発生する単繊維どうしの隙間を他径種で埋めることが可能となる。これにより、積層板としたとき全体の無機成分(ガラスクロス+無機充填材)の比率が上がり、低熱膨張化できる。また、プリプレグとしたとき、単繊維間の空隙は、予め他径種の単繊維で充填されており樹脂で含浸させる必要がないため含浸性に優れる。また、第一の単繊維の間に第二の単繊維が配置されるので最密充填にちかい状態となる。これにより、プリプレグとしたとき、プリプレグ全体に占める無機成分の含有量を上げることができるので、積層板としたとき低熱膨張化された積層板とすることができる。
【0016】
本発明のガラスクロスは、経糸と緯糸とから構成されるガラスクロスであって、経糸および緯糸のいずれもが、第一の単繊維と第二の単繊維とが混糸されるようにしてもよい。これにより、積層板のX方向とY方向の熱膨張率を均一化できるので反りの少ない積層板とすることができる。
【0017】
上記集束剤としては、特に限定はされないが、例えば帯電防止剤、界面活性剤、重合開始剤、重合抑制剤、酸化防止剤、被膜形成剤(結束剤ともいう)、カップリング剤、あるいは潤滑剤等の各種の薬剤を適量混合して作製することが可能である。
【0018】
本発明のガラスクロスは、第一の単繊維の径は、5μm以上、10μm以下であり、第二の単繊維の径が2μm以上、5μm以下であることが好ましい。ここで、ガラス糸は、JIS−R−3413に規定され、ガラス糸を構成する単繊維の直径はJIS−R−3420による。第一および第二の単繊維の径が上記範囲内であれば、ガラスクロスとしたとき、ガラスクロスの厚さを厚くすることなくガラス糸の充填密度を1〜20%上げることができる。すなわち、同一の単繊維の径の場合に比べて、第一の単繊維より径の小さい第二の単繊維が混糸されていることにより、第一の単繊維間の空間を第二の単繊維で埋めることができるようになるため、同径のガラス糸で比較したとき充填密度を上げることが可能となる。
【0019】
本発明のガラスクロスは、前記第一の単繊維の本数(a)と、前記第二の単繊維の本数(b)との比を(a)/(b)としたとき、0.3〜10であることが好ましく、好ましくは0.5〜7であり、さらに好ましくは1〜5である。第一および第二の単繊維を使用することで、同径種で集束させた場合に発生する単繊維どうしの隙間を他径種で埋めることが可能となる。これにより、積層板としたとき全体の無機成分の比率が上げることが可能となり低熱膨張化できる。
【0020】
また、ガラスの組成も、特に限定はされないが、一般的に電気絶縁板又は印刷回路用のガラス組成のものが使用できる。例えばEガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、Hガラス等が挙げられる。これらの中でもEガラス、Tガラス、Sガラス、Hガラス、Dガラスが好ましい。これにより、ガラスクロスの高弾性化を達成することができ、熱膨張係数も小さくすることができる。
【0021】
本発明のガラスクロスの製造方法は、特に限定されないが、例えば、脱糊工程で集束剤などの有機物をガラスクロス表面から取り除き、複合材のマトリックス樹脂の種類、使用目的に合わせて、表面処理剤を付与する工程からなる一連のガラスクロス加工工程により製造されるものである。
【0022】
本発明のガラスクロスは、経糸と緯糸が交織されてなり、織り組織には平織り、ななこ織り、綾織り、朱子織り、模紗織り、からみ織り等があるが、本発明に用いられるガラスクロスの組織は特に限定されないが、平織りが好ましい。原糸紡糸時及び経糸整経時に集束剤として用いた有機物が付着しているため、通常、製織後にヒ−トクリ−ニングや水洗などの公知の方法で脱糊する。
【0023】
ガラスクロスを製織する製造方法としては、特に限定はされないが、例えば、ジェット織機(例えばエアージェット織機またはウォータージェット織機等)、スルザー織機またはレピヤー織機等を用いて製織することができる。
【0024】
ガラスクロスの表面処理は、特に限定はされないが、例えば、表面処理剤の稀薄溶液、例えば稀薄水溶液中にガラスクロスを浸漬するか、稀薄水溶液をガラスクロスに散布すればよい。ここで、表面処理剤とは、ガラスクロスと結合材である樹脂との架橋効果を発揮し、両者間の結合力を高めるものを意味し、使用する樹脂結合材に合わせて、適宜選択される。
【0025】
ガラスクロスを表面処理する際に用いる表面処理剤としては、特に限定はされないが、例えば、エポキシシラン、スチリルシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシラン、メルカプトシラン、N−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−アリルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、(シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルメトキシルジエトキシシラン、(フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリエトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルシラン、イソシアネートシラン、スルフィドシラン、クロロプロピルシラン、ウレイドシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、オクタメチルトリシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン化合物等を挙げることができ、これらから選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中から対応する樹脂により適合するものを選択され、特に限定されるものではない。表面処理をすることで、ガラスクロスと熱硬化性樹脂の密着力を高めることができる。
【0026】
ガラスクロスは、開繊処理を施すこともできる。開繊処理の方法としては、特に限定はされないが、例えば、高圧水による開繊、液体を媒体とした高周波の振動による開繊、面圧を有する流体の圧力による加工、ロールによる加圧での加工等をガラスクロスに施し、ガラスクロスの経糸並びに緯糸をばらけさせると共に偏平化させる。これらの開繊処理法の中では、高圧水による開繊、または、液体を媒体とした高周波の振動による開繊を使用することが、均一性のためにより好ましい。また、開繊処理の効果を高めるためには、ガラスクロスにかかる張力を少なくした状態での開繊処理を施すことが好ましい。この開繊処理により、ガラス単繊維間の隙間を広げることにより、ワニスの含浸性を上げ、耐熱性等の特性を改善することができる。
【0027】
次に、プリプレグの製造方法について説明する。
【0028】
本発明のプリプレグの製造方法は、上述のガラスクロスを用意する工程と、樹脂成分から構成される塗布液を用意する工程と、ガラスクロスに塗布液を含浸させる工程と、含浸させた工程の後乾燥する工程とを有している。これにより、成形性に優れ、低熱膨張、耐熱性等の各種特性に優れた積層板を製造するのに好適なプリプレグを得ることができる。
【0029】
塗布液を構成する樹脂成分として、マトリックス樹脂を含む。マトリックス樹脂として使用可能な樹脂は、ポリイミド樹脂、フェノ−ル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などに代表される熱硬化性樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン、フッ素樹脂に代表される熱可塑性樹脂の中から目的に合わせて選択され、特に限定されるものではない。これらのなかでも、熱硬化性樹脂を含む樹脂成分で構成されていることが好ましい。
【0030】
前記熱硬化性樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂(BT樹脂)、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。
【0031】
前記樹脂成分には、必要に応じて硬化剤または硬化促進剤を用いても良い。前記硬化剤および硬化促進剤としては公知の物を用いることが出来る。例えばナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ポリアミドポリアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、ジシアンジアミド、またはアジピン酸ヒドラジン等のポリアミン系硬化剤、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水コハク酸、無水クロレンディック酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメート)、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、無水トリメリット酸またはポリアゼライン酸無水物等の酸無水物系硬化剤、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリ(ジアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリ(ジアミノメチル)フェノールのトリ−2−エチルヘキシル酸塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン系化合物硬化剤、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールまたは1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物硬化剤、フェノール、フェノールノボラック、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸等のカルボキシル基を有する化合物、パラトルエンスルホン酸等の有機酸等、またはこの混合物が挙げられる。硬化促進剤として、これらの中の誘導体も含めて1種類を単独で用いることもできるし、これらの誘導体も含めて2種類以上を併用したりすることもできる。
【0032】
また、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等のポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマ−、ポリブタジエン、エポキシ変性ポリブタジエン、アクリル変性ポリブタジエン、メタクリル変性ポリブタジエン等のジエン系エラストマーを併用しても良い。また、前記樹脂組成物には、必要に応じて、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤等の上記成分以外の添加物を添加しても良い。
【0033】
前記樹脂成分は、必要に応じて無機充填材を添加してもよい。無機充填材としては、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。
【0034】
また、前記無機充填材は、必要に応じて表面処理を実施してもよい。無機充填材の表面処理剤としては、例えばエポキシシラン、スチリルシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシラン、メルカプトシラン、N−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−アリルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、(シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルメトキシルジエトキシシラン、(フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリエトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルシラン、イソシアネートシラン、スルフィドシラン、クロロプロピルシラン、ウレイドシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、オクタメチルトリシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン化合物等を挙げることができる。表面処理をすることで、無機充填材と熱硬化性樹脂の密着力を高めることができ、絶縁信頼性を確保することができる。
【0035】
前記表面処理剤で表面処理された無機充填材への表面処理剤量は特に限定されないが、前記無機充填材に対して0.01重量%以上5重量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.1重量%以上3重量%以下が好ましい。表面処理剤の含有量が前記上限値を超えると、絶縁樹脂組成物にクラックが入る場合があり、前記下限値未満であると、樹脂成分との密着力が低下する場合がある。
【0036】
前記無機充填材への表面処理剤の処理法は特に限定されないが、湿式方式または乾式方式が好ましい。
【0037】
前記無機充填材は、上記の中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。これらの中でも特に、シリカが好ましく、より好ましくは溶融シリカであり、特に好ましくは、球状溶融シリカである。シリカは、低熱膨張性に優れる点で好ましい。
【0038】
前記球状シリカは、特に限定されることなく、公知の方法によって得られるもの使用することができる。前記球状シリカの種類としては、例えば乾式シリカ、湿式シリカ、ゾル-ゲル法によるシリカを挙げることができる。
【0039】
前記無機充填材の形状は、特に限定されないが、破砕状、球状が挙げられ、例えば、プリプレグ製造時において、樹脂組成物の基材への含浸をさせる場合には、含浸性を確保するために樹脂組成物の溶融粘度を下げるのに球状シリカを使うことが好ましい。その用途・目的に応じて好ましい無機充填材の形状が採用できる。
【0040】
前記無機充填材の粒径は、特に限定されないが、平均粒径が、0.01〜5.0μmであることが好ましい。さらに好ましくは0.1〜4.0μmである。無機充填材の平均粒径が上記下限値未満であると、本発明の樹脂組成物を用いて樹脂ワニスを調製する際に、樹脂ワニスの粘度が高くなるため、プリプレグを作製する際の作業性に影響を与える場合がある。一方、上記上限値を超えると、樹脂ワニス中で無機充填材の沈降等の現象が起こる場合がある。無機充填材の平均粒子径を上記範囲内とすることにより、作業性に優れたものとすることができる。
【0041】
また、前記無機充填材は、特に限定されないが、平均粒径が単分散の無機充填材を用いることもできるし、平均粒子径が多分散の無機充填材を用いることもできる。さらに平均粒子径が単分散及び/または、多分散の無機充填材を1種類または2種類以上とを併用したりすることもできる。
【0042】
前記無機充填材の含有量は、特に限定されないが、前記樹脂組成物全体の5〜80重量%であることが好ましい。さらに好ましくは10〜75重量%である。無機充填材の含有量が前記下限値未満であると、低熱膨脹性、低吸水性を付与する効果が低下する場合がある。また、前記上限値を超えると、絶縁樹脂組成物の流動性の低下により絶縁樹脂層の成形性が低下する場合がある。シリカの含有量を前記範囲内とすることにより、これらの特性のバランスに優れたものとすることができる。
【0043】
ガラスクロスに塗布液を含浸させる工程と、含浸させた工程の後乾燥する工程として、特に限定されないが、公知の方法で製造することができる。例えば、前述した樹脂組成物を用いて塗布液を調製し、ガラスクロスに塗布液を浸漬する方法、各種コーターにより塗布する方法、スプレーにより吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、ガラスクロスを塗布液に浸漬する含浸方法が好ましい。これにより、ガラスクロスに対する樹脂成分の含浸性を向上することができる。なお、ガラスクロスを塗布液に浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。
【0044】
前記塗布液に用いられる溶媒は、前記樹脂組成物中の樹脂成分に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒は、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系等が挙げられる。
【0045】
上述のプリプレグの製造方法によりプリプレグを得ることができる。
【0046】
次に、積層板について説明する。
【0047】
本発明の積層板は、プリプレグを1枚以上積層成形して得ることができる。また、前記プリプレグを少なくとも1枚もしくは複数枚積層したものの上下両面もしくは片面に、金属箔を重ね、加熱、加圧することで金属張積層板を得ることができる。
【0048】
前記加熱する温度は、特に限定されないが、150〜270℃が好ましく、特に180〜230℃が好ましい。また、前記加圧する圧力は、特に限定されないが、0.1〜5MPaが好ましく、特に1〜4MPaが好ましい。これにより、誘電特性、高温多湿化での機械的、電気的接続信頼性に優れた積層板を得ることができる。
【0049】
前記金属箔は、特に限定されないが、例えば銅及び銅系合金、アルミ及びアルミ系合金、銀及び銀系合金、金及び金系合金、亜鉛及び亜鉛系合金、ニッケル及びニッケル系合金、錫及び錫系合金、鉄および鉄系合金等の金属箔が挙げられる。
【0050】
前記金属箔の厚さは、特に限定されないが、0.1μm以上70μm以下であることが好ましい。さらには1μm以上35μ以下が好ましく、さらに好ましくは1.5μm以上18μm以下が好ましい。前記金属箔の厚さが上記下限値未満であると、金属箔の傷つき、ピンホールの発生、金属箔をエッチングし導体回路として用いて場合、回路パターン成形時のメッキバラツキ、回路断線、エッチング液やデスミア液等の薬液の染み込みなどが発生する怖れがあり、前記上限値を超えると、金属箔の厚みバラツキが大きくなったり、金属箔粗化面の表面粗さバラツキが大きくなったりする場合がある。
【0051】
また、前記金属箔は、キャリア箔付き極薄金属箔を用いることもできる。キャリア箔付き極薄金属箔とは、剥離可能なキャリア箔と極薄金属箔とを張り合わせた金属箔である。キャリア箔付き極薄金属箔を用いることで前記絶縁層の両面に極薄金属箔層を形成できることから、例えば、セミアディティブ法などで回路を形成する場合、無電解メッキを行うことなく、極薄金属箔を直接給電層として電解メッキすることで、回路を形成後、極薄銅箔をフラッシュエッチングすることができる。キャリア箔付き極薄金属箔を用いることによって、厚さ10μm以下の極薄金属箔でも、例えばプレス工程での極薄金属箔のハンドリング性の低下や、極薄銅箔の割れや切れを防ぐことができる。前記極薄金属箔の厚さは、0.1μm以上10μm以下が好ましい。さらに、0.5μm以上5μm以下が好ましく、さらに好ましくは1μm以上3μm以下が好ましい。
【0052】
通常、キャリア箔付き極薄金属箔は、プレス成形後の積層板に回路パターン形成する前にキャリア箔を剥離する。
【0053】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【実施例】
【0054】
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0055】
実施例及び比較例において用いた原材料は以下の通りである。
(1)無機充填材/球状溶融シリカ:アドマテックス社製・「SO-25H」、平均粒子径0.5μm
(2)カップリング剤/エポキシシランカップリング剤:日本ユニカー社製・「A−187」
(3)エポキシ樹脂/ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂:日本化薬社製・「NC-3000」、エポキシ当量275
(4)シアネート樹脂/ノボラック型シアネート樹脂:ロンザ社製・「プリマセットPT-30」
(5)フェノール樹脂:明和化成社製「MEH7851−4L」、水酸基当量187
(実施例1)
(1)ガラスクロスの作製
Eガラスの組成を有するガラス糸(呼び径7:直径約7.0μm、集束本数204本)と、Eガラスの組成を有するガラス糸(呼び径5:直径約5.0μm、集束本数本51本)を混糸し、紡糸中にガラスクロス用集束剤を塗布し巻き取る。これを巻き返してガラスヤーンを得た。このガラスヤーンを用い、エアジェット織機で織物密度を経糸60本/インチ、緯糸58本/インチの平織ガラスクロスを作成した。このガラスクロスをヒートクリーニング後、表面処理し、ガラスクロスを得た。
(2)塗布液の調整
シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセットPT−30)19.9重量部、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000、エポキシ当量275)11.9重量部、フェノール樹脂(明和化成社製、MEH7851−4L、水酸基当量187)7.9重量部をメチルエチルケトンに溶解して、分散させた。さらに、無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO−25H、平均粒径0.5μm)60重量部とカップリング剤としてエポキシシラン型カップリング剤(日本ユニカー社製、A−187)0.3重量部を添加して、高速攪拌装置を用いて30分間攪拌して、塗布液を調製した。
(3)プリプレグの作製
ガラスクロスに、上記で調整した塗布液を含侵塗布させ、100℃で溶剤を乾燥させてプリプレグを得た。
(4)積層板の作製
上記プリプレグを2枚重ね、両面に12μmの銅箔(三井金属社製)を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で2時間加熱加圧成形することによって、両面に銅箔を有する積層板を得た。
(実施例2)
ガラスクロスは、実施例1と同じものを用いた。
【0056】
塗布液として、シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセットPT−30)17.3重量部、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000、エポキシ当量275)10.5重量部、フェノール樹脂(明和化成社製、MEH7851−4L、水酸基当量187)6.8重量部をメチルエチルケトンに溶解して、分散させた。さらに、無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO−25H、平均粒径0.5μm)65重量部とカップリング剤としてエポキシシラン型カップリング剤(日本ユニカー社製、A−187)0.4重量部を添加して、高速攪拌装置を用いて30分間攪拌して、塗布液を調製した以外は、実施例1と同様の手順でプリプレグおよび積層板を得た。
(実施例3)
Eガラスの組成を有するガラス繊維(呼び径7:直径約7.0μm、集束本数204本)と同じくEガラスの組成を有するガラス繊維(呼び径3:直径約3.0μm、集束本数本142本)を混糸したガラスクロスを用いた以外は、実施例2と同様の手順でワニスを調整し、プリプレグおよび積層板を得た。
(実施例4)
ガラスクロスは、実施例3と同じものを用いた。
【0057】
塗布液として、シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセットPT−30)15.8重量部、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000、エポキシ当量275)9.5重量部、フェノール樹脂(明和化成社製、MEH7851−4L、水酸基当量187)6.2重量部をメチルエチルケトンに溶解、分散させた。さらに、無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO−25H、平均粒径0.5μm)68重量部とカップリング剤としてエポキシシラン型カップリング剤(日本ユニカー社製、A−187)0.5重量部を添加して、高速攪拌装置を用いて30分間攪拌して、塗布液を調製した以外は、実施例1と同様の手順でプリプレグおよび積層板を得た。
<比較例1>
ガラスクロスを市販のIPCスタイル:2116タイプ(ガラス繊維(呼び径7:直径約7.0μm、収束本数204本))を用いた以外は実施例1と同様の手順でワニスを調整し、プリプレグおよび積層板を得た。
<比較例2>
ガラスクロスを市販のIPCスタイル:2116タイプ(ガラス繊維(呼び径7:直径約7.0um、収束本数204本))を用いた以外は実施例3と同様の手順でワニスを調整し、プリプレグおよび積層板を得た。
【0058】
評価方法は下記のとおりである。
1.外観(成形性)の評価
上記プレスにて作製した両面銅張積層板をエッチング機にて全面エッチングし、銅を除去した基板の外観、表面を目視にて異常の有無を調べた。
○:成形ボイドなし
×:成形ボイドあり
2.成形性の評価(吸湿半田耐熱性)
上記プレスで作製した両面銅張積層板から50mm×50mmに切り出し、JIS C 6481に従い半面エッチングを行ってテストピースを作成した。121℃のプレッシャークッカーで2時間処理した後、260℃のはんだ槽に積層板の銅箔面を下にして浮かべ、120秒後の外観異常の有無を調べた。
○:膨れなし
×:膨れあり
3.熱膨張率の評価(TMA)
熱機械測定装置(TAインスツルメント社製)を用い、窒素雰囲気下、引っ張りモードで昇温速度10℃/min、温度25〜300℃、荷重10g、2サイクルでの測定を行った。熱膨張率は、2サイクル目の温度50〜150℃における平均線熱膨張係数とした。
尚、評価サンプルは、前記で得られた両面に銅箔を有する積層板の銅箔をエッチング除去後、所定の大きさに切断し用いた。
4.壁間絶縁信頼性(HAST)の評価
厚さ0.4mmの両面に銅箔を有する積層板に、メカニカルドリルを用いて径0.4mm、壁間距離0.4mmのスルーホールを開け、その後メッキ、回路配線を形成して、85℃、85%RH、印加電圧50Vの条件下で処理し、短絡する時間を測定した。なお、前記絶縁信頼性試験に用いた積層板は、前記積層板の製造において0.1mm厚のプリプレグを4枚重ねて作製したものを用いた。
【0059】
実施例および比較例で得られた結果について表1に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
表1から明らかなように、実施例1〜4は、熱膨張率が7〜9ppm前後で良好な結果であった。このため、実装時の信頼性に優れる。また、実施例1〜4は、成形性(外観)、半田耐熱性においても優れた結果であった。
【0062】
本発明のガラスクロスは、実施例1〜4でも明らかなように、成形性、低熱膨張、耐熱性に優れるものである。
【0063】
一方、比較例1は成形性には優れるが、耐熱性、低熱膨張に劣り、比較例2は、樹脂成分として無機充填材を多く含むためガラスクロスを構成するガラス糸の単繊維間への樹脂成分の浸透が不十分なため、成形性および耐熱性、壁間絶縁信頼性に問題があった。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明によれば、成形性に優れたプリプレグ、さらに低熱膨張、および耐熱性に優れた積層板を提供するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスクロスを構成するガラス糸の単繊維が、第一の単繊維と、前記第一の単繊維と径の異なる第二の単繊維とを含み、前記第一の単繊維と前記第二の単繊維は、混糸されていることを特徴とするガラスクロス。
【請求項2】
経糸と緯糸とから構成されるガラスクロスであって、前記経糸および前記緯糸のいずれもが、前記第一の単繊維と前記第二の単繊維とが混糸されたものである請求項1に記載のガラスクロス。
【請求項3】
前記第一の単繊維の平均径は、5μm以上、10μm以下であり、前記第二の単繊維の平均径が2μm以上、5μm以下である請求項1または2に記載のガラスクロス。
【請求項4】
前記第一の単繊維の本数(a)と、前記第二の単繊維の本数(b)との比を(a)/(b)としたとき、0.3〜10である請求項1ないし3のいずれかに記載のガラスクロス。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のガラスクロスを用意する工程と、前記ガラスクロスに塗布液を含浸させる工程と、塗布液を含浸させた前記ガラスクロスを乾燥させプリプレグを得る工程とを有することを特徴とするプリプレグの製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の製造方法によって得られるプリプレグ。
【請求項7】
請求項6に記載のプリプレグを1枚以上積層成形してなる積層板。

【公開番号】特開2011−17113(P2011−17113A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164079(P2009−164079)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】