説明

ガラスコーティング剤及びガラスコーティング剤の製造方法

【課題】ガラスへの密着性がよく、ガラスの熱、薬品、衝撃等による割れを防止し、かつ、万が一割れた場合においてもガラス破片の飛散を防止する効果を奏する、ガラスコーティング剤を提供する。
【解決手段】下塗り層及び上塗り層の2層の塗膜を形成するガラスコーティング剤を提供する。下塗り剤は、変性エポキシ樹脂及びアミノ樹脂を主成分として重量比で100:15〜35の割合で含み、直接ガラス表面上に塗布され、1層以上の下塗り層を形成する。上塗り剤は、アクリル樹脂ワニス及びウレタン樹脂ワニスを主成分として重量比で100:150〜250の割合で含み、塗布された前記下塗り剤により形成された前記下塗り層の上に塗布され、1層以上の上塗り層を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスの割れ防止及び飛散防止の効果を有するガラスコーティング剤及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス製品、特に科学実験室等で使用されるビーカー、フラスコ等の理化学ガラス製品は、熱、薬品、衝撃等で割れや飛散等を生じるおそれがあり、割れたガラスの破片や、飛散したガラス片によって作業者が負傷する危険も想定される。
【0003】
このようなガラス製品の割れに伴う飛散を防止するために、ガラス製品の表面に、例えば、特許文献1に示すような樹脂による被覆(コーティング)が施されてきた。しかし、従来より行われている樹脂コーティングは、ガラスへの密着性が不十分で剥離しやすい、コーティングの透明性が低く、ガラス器具内部の状態を視認するのが困難となる、等の問題が見られた。また、ガラスの飛散防止のみでなく、割れ自体を防止することが望まれるところ、ガラスを割れにくくする効果は殆ど見られない、という問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−180793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の主たる課題は、ガラスへの密着性がよく、ガラスの熱、薬品、衝撃等による割れを防止し、かつ、万が一割れた場合においてもガラス破片の飛散を防止する効果を奏する、ガラスコーティング剤を提供することである。また、本発明のもう一つの課題は、加えて、理化学ガラス製品に好適な、塗膜の耐薬品性や透明性を有するガラスコーティング剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次記の通りである。
<請求項1記載の発明>
変性エポキシ樹脂及びアミノ樹脂を主成分として重量比で100:15〜35の割合で含み、直接ガラス表面上に塗布され、1層以上の下塗り層を形成する下塗り剤と、
アクリル樹脂ワニス及びウレタン樹脂ワニスを主成分として重量比で100:150〜250の割合で含み、塗布された前記下塗り剤により形成された前記下塗り層の上に塗布され、1層以上の上塗り層を形成する上塗り剤と、
を有することを特徴とするガラスコーティング剤。
【0007】
(作用効果)
塗膜成分の異なる2層のコーティングをガラス表面上に形成することを特徴とする、ガラスコーティング剤を提供するものである。樹脂の中でも、比較的機械強さの強い変性エポキシ樹脂と、表面硬さの高いアミノ樹脂とを配合して下塗り層とすることで、ガラスを強化し、衝撃等からのガラスの割れを防止することが可能である。一方で、比較的柔軟性の高いアクリル樹脂と、伸縮性の高いウレタン樹脂とを配合して上塗り層とすることで、仮にガラスが割れたとしても、上塗り層の塗膜がその破片を包み込むことで割れの衝撃を吸収し、破片の飛散を防止する効果を奏する。このように、本発明は、ガラス表面に2層以上の異なる性状の塗膜を形成することにより、それぞれの層の効果を十分に奏し得るものである。
なお、本発明における「変性エポキシ樹脂」とは、硬化剤を使用することなく1液で硬化可能なエポキシ樹脂を広く示すものであり、その変性剤の種類を限定するものではない。
下塗り剤の塗膜成分として、強度が高く、透明性の高い層を形成するために、変性エポキシ樹脂とアミノ樹脂との重量比が100:15〜35となるように配合する。
また、上塗り剤の塗膜成分として、柔軟性、伸縮性、使用感のよさを実現するために、アクリル樹脂ワニスとウレタン樹脂ワニスとの重量比が100:150〜250となるように配合する。
本発明のコーティング剤の塗膜成分である、変性エポキシ樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂はいずれも100℃以上の耐熱性を有し、耐水性であり、酸アルカリへの耐性も高いため、特に理化学ガラス製品への使用に適しているといえる。
【0008】
<請求項2記載の発明>
前記下塗り剤が、溶剤として炭化水素、ケトン、アルコール、酢酸エステル、及びグリコールエーテルを、重量比で100:55〜75:35〜55:15〜35:10〜20の割合で含み、
塗膜成分100重量部に対し、溶剤成分を200〜300重量部含む、請求項1記載のガラスコーティング剤。
【0009】
(作用効果)
塗膜成分(樹脂成分)のみでなく、溶剤を炭化水素、ケトン、アルコール、酢酸エステル、及びグリコールエーテルを規定の割合で混合したものとすることで、下塗り層に十分な硬度及び強度を持たせるのみでなく、充分な厚み、ガラスへの密着性、安定性、透明性を確保することができる。
【0010】
<請求項3記載の発明>
前記上塗り剤が、アクリル樹脂ワニスを含む主剤と、ウレタン樹脂ワニスを含む硬化剤とを有し、前記主剤と前記硬化剤が使用時に混合されて塗布される、請求項1または2に記載のガラスコーティング剤。
【0011】
(作用効果)
アクリル樹脂とウレタン樹脂とは、混合状態で保存すると硬化が一部進んでゲル化しやすい、という問題がある。本発明では、上塗り剤を2液型とし、主剤がアクリル樹脂、硬化剤がウレタン樹脂を含有する構成とした。なお、本発明の「主剤」及び「硬化剤」は2液性の塗料を構成するもので、使用時に混合されて被塗布物に塗布されるものを示すものとする。
【0012】
<請求項4記載の発明>
前記上塗り剤が、前記主剤と前記硬化剤とを混合させた状態で、溶剤として酢酸エステル、炭化水素、グリコール、グリコールエステルを、重量比で100:85〜105:5〜15:5〜15の割合で含み、
アクリル樹脂ワニス及びウレタン樹脂ワニスの合計100重量部に対し、溶剤70〜90重量部を混合してなる、請求項3記載のガラスコーティング剤。
【0013】
(作用効果)
上塗り剤の溶剤を、炭化水素、ポリオール、グリコールエステル、酢酸エステルを規定の割合で混合したものとすることで、上塗り層の十分な厚みと安定性を確保することが可能となる。
【0014】
<請求項5記載の発明>
前記上塗り剤が、前記主剤と前記硬化剤とを混合させた状態で、0.5〜2.5重量%の紫外線吸収剤を含む、請求項3または4に記載のガラスコーティング剤。
【0015】
(作用効果)
従来、試薬ビン等に使用されるガラスは紫外線の影響を回避するために茶色に着色されており、内部を視認し難い、使用後の回収が困難である、等の問題を有していた。本発明によれば、ガラス本体を着色することなく、無色透明のコーティング層に紫外線吸収剤を含有させているため、コーティングされたガラスは、紫外線は透過しないが、可視光は十分に透過する。そのため、試薬ビンに使用された場合においては、内部の試薬が紫外線による影響を受けることがなく、かつ、使用者が内部を視認しやすくなる。また、使用後のガラスは、加熱・洗浄処理によりコーティングの除去が可能であるため、通常のガラスと同様に廃棄処理することができる。
【0016】
<請求項6記載の発明>
変性エポキシ樹脂100重量部に対して、アミノ樹脂15〜35重量部、溶剤250〜350重量部を加えて下塗り剤とし、
アクリル樹脂ワニス100重量部に対して、溶剤170〜200重量部を加えて上塗り剤の主剤とし、ウレタン樹脂ワニス100重量部に対して、溶剤30〜50重量部を加えて上塗り剤の硬化剤とする、
ことを特徴とする、ガラスコーティング剤の製造方法。
【0017】
(作用効果)
本発明に係るガラスコーティング剤の上塗り剤は、アクリル樹脂ワニス、ウレタン樹脂ワニスの各種ワニスに所望の溶剤等を加えて製造する。ワニスのみを単独で、または2種以上のワニスを単純に混合してガラスに塗布するのでは、塗膜の被塗布物への密着性、塗膜の安定性、透明性(非起泡性)、強度及び伸縮性のうち、いずれかまたは全てにおいて所望の性能を有するコーティングを得ることができない。発明者らは、鋭意検討の結果、ワニスに規定の溶剤を加え、かつ複数のワニス成分、または樹脂成分を混合することで、ガラスへの塗布時の操作性に加え、塗膜の被塗布物への密着性、定着性、安定性、膜厚、透明性、及び強度または伸縮性において所望の性能を確保することを見出したものである。
【0018】
<請求項7記載の発明>
前記下塗り剤に加える溶剤は、炭化水素、ケトン、アルコール、酢酸エステル、及びグリコールエーテルを、重量比で100:55〜75:35〜55:15〜35:10〜20の割合で含み、
前記上塗り剤の主剤に加える溶剤は、炭化水素、酢酸エステル、グリコールエステル及びグリコールを、重量比で100:30〜45:5〜15:5〜10の割合で含み、
前記上塗り剤の硬化剤に加える溶剤は、酢酸エステル及びグリコールを重量比で100:2〜5の割合で含む、
請求項6記載のガラスコーティング剤の製造方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ガラスの割れ防止効果を奏し、割れた場合においても飛散防止効果を奏するガラスコーティング剤を提供することが可能である。さらに、該ガラスコーティング剤は、透明性、耐熱性、耐水性、耐薬品性、使用感にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のガラスコーティング剤を塗布したナスフラスコを7回落下させた後の状態を示す写真(a)市販の飛散防止コーティング済みナスフラスコを1回落下させた後の状態を示す写真(b)及びである。
【図2】本発明のガラスコーティング剤を塗布したガラス、及び他社製品のコーティング剤を密着させたガラスの透過スペクトルである。
【図3】本発明のガラスコーティング剤を塗布したガラス、及び他社製品のコーティング剤を密着させたガラスの反射スペクトルである。
【図4】本発明のガラスコーティング剤を塗布したガラスの紫外領域を含む透過スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係るガラスコーティング剤は、下塗り剤及び上塗り剤に分けられる。以下、下塗り剤、上塗り剤のそれぞれについて、その組成、製造方法及び特性について詳説する。
<下塗り剤>
下塗り剤とは、被塗布物であるガラスの表面に直接塗布され、下塗り層を形成する塗料をいう。
下塗り層を形成する固形分(塗膜成分)は、変性エポキシ樹脂及びアミノ樹脂を主成分とする。エポキシ樹脂は、具体的にはビスフェノールA型、ノボラック型等があるが、本発明においては、何れも使用可能である。本発明において、「変性エポキシ樹脂」とは、硬化剤を使用することなく単独で硬化可能なエポキシ樹脂の総称を指し、フェノール変性エポキシ樹脂、イソシアネート変性エポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂等が知られるが、一剤で硬化可能なものであれば、その種類は特に限定されない。アミノ樹脂としては、尿素樹脂、メラミン樹脂等が知られ、いずれも使用可能であるが、表面硬さ、光沢性、耐薬品性等に優れるメラミン樹脂の使用が特に好ましい。
【0022】
変性エポキシ樹脂とアミノ樹脂とは、重量比で100:15〜35、特に100:20〜30となるよう配合することが好ましい。変性エポキシ樹脂は、操作性がよく、塗膜の強度が高いが、単独使用時には塗膜が黄変しやすい、という問題があった。発明者らは、鋭意検討の結果、変性エポキシ樹脂とアミノ樹脂を、特に上記の配合率で混合した場合に、塗膜のガラス割れ防止効果が向上し、かつ、黄変が軽減されることを見出した。なお、アミノ樹脂を規定より多くした場合は、ガラスへの密着性に劣る、という問題が生じる。
【0023】
下塗り剤の溶剤は、樹脂の溶解性、樹脂を溶解した状態の粘度、非起泡性、及びガラス表面へのなじみやすさ、塗布時の膜厚のとりやすさ等の要件を満たすようにその配合を検討し、決定したものである。下塗り剤の溶剤は、炭化水素、ケトン、アルコール、酢酸エステル、及びグリコールエーテルを、重量比で100:55〜75:35〜55:15〜35:10〜20、より好適には100:60〜70:40〜50:20〜30:13〜17の割合で含む。ここでいう炭化水素とは、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノルマルヘプタン、イソオクタン、ノルマルデカン等のうちの1つ、または2以上を混合したものを指す。ケトンとは、具体的にはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のうちの1つ、または2以上を混合したものを示す。アルコールは、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール、ターシャリーブタノール、ブタンジオール、エチルヘキサノール、ベンジルアルコール等のうちの1つ、または2以上を混合したものを指す。また、酢酸エステルとは、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸セロソルブ、酢酸アミル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のうちの1つ、または2以上を混合したものを指す。グリコールエーテルとは、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のうちの1つ、または2以上を混合したものを指す。
【0024】
上記の溶剤には、メチルフェニルシリコーン、メトキンシルコール、シラノール等のシリコーンレジンまたはシランカップリング剤を1種類または2種類以上、合計重量で1重量%未満、特に0.05〜0.5重量%となるように添加してもよい。このようなシリコン化合物の添加により、下塗り層の強度を高めることが可能である。シリコン化合物には、樹脂の硬化を促進するとともに、ガラス表面と樹脂成分の密着性を高め、より剥離にくい塗膜とすることができる、という効果を有するものと考えられる。また、シリコン化合物には、消泡剤としての効果もあり、塗膜の透明性を高める効果も有すると考えられる。また、溶剤には、酢酸セルロースを0.5〜1.5重量%添加してもよい。
【0025】
下塗り剤は、塗膜成分(樹脂成分)100重量部に対し、上記の溶剤成分を200〜300重量部、より好ましくは230〜270重量部含む。
【0026】
下塗り剤を塗布するに際しては、専用の薄め液(シンナー)で1.5〜2.2倍(重量比)に薄めて使用することが好ましい。薄め液の成分としては、本剤の溶剤と同じものを使用してもよいが、配合を変えてもよい。特に、シリコン化合物等の添加は省略してもよい。特に好適な薄め液は、炭化水素、ケトン、アルコール、グリコールエステル、グリコールエーテルを、重量比で100:75〜90:55〜65:25〜35:20〜30で混合したものである。すなわち、主剤の溶剤成分より、炭化水素の含有率を減じ、かつ、グリコールエステルを添加したものである。薄め液の配合を上記のようにすることで、塗布時の膜厚を均一にしやすい、という効果を有する。なお、ここでいうグリコールエステルとは、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のうちの1つ、または2以上を混合したものを指す。
【0027】
下塗り剤の塗布方法は、スプレー塗布、浸漬塗布、刷毛塗り、ローラー塗布等の公知の方法をいずれも使用できる。なお、本発明に係る下塗り剤は、焼付け塗料であるため、塗布後、加熱炉またはヒートガン等で160℃±5℃で、30分±10分の加熱処理を行う必要がある。
【0028】
下塗り層の膜厚は、充分な強度を持たせるため、25μm以上、特に25μm〜50μmとすることが好ましい。1回の塗布で上記の膜厚としてもよいが、2層以上を塗布して、総膜厚(下塗り層全体の膜厚)を25μm以上とすることが、スプレー塗布の場合の操作性からみても現実的であり、好ましいといえる。
【0029】
<上塗り剤>
上塗り剤は、アクリル樹脂ワニスを主成分とする主剤と、ウレタン樹脂ワニスを主成分とする硬化剤を有する二剤型とする。
アクリル樹脂ワニスは、旧JIS規格 JIS K 5653に適合するアクリル樹脂ワニスであればいずれも使用可能である。アクリル樹脂としては、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、共重合体、及びこれらの混合体のいずれも使用可能である。また、ウレタン樹脂ワニスは、JASS 18 M−301またはJASS 18 M−502の規格に適合するものであれば、いずれも使用可能である。
【0030】
アクリル樹脂ワニスとウレタン樹脂ワニスとは、2液混合時に重量比で100:150〜250、特に100:180〜220の割合となるよう配合する。ウレタン樹脂ワニスのみでは、柔軟性、伸縮性に富み、飛散防止の効果は有するものの、塗膜表面にベタつき感が生じ、使用者に違和感や不快感を生じさせる。アクリル樹脂ワニスを混合して配合することで、塗膜をガラス様の感触の表面とすることができる。一方で、アクリル樹脂は比較的柔軟性のある樹脂であるが、ウレタン樹脂ほどの伸縮性を有さないため、アクリル樹脂ワニスの配合量が多すぎれば、充分な飛散防止効果が得られない、という問題が生じる。
【0031】
上塗り剤の溶剤は、2液混合時に、炭化水素、酢酸エステル、グリコール及びグリコールエステルを、重量比で100:85〜105:5〜15:5〜15、特に100:90〜100:8〜12:8〜12の割合で含む。ここでいう炭化水素とは、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノルマルヘプタン、イソオクタン、ノルマルデカン等のうちの1つ、または2以上を混合したものを指す。また、グリコールとは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール系のグリコールのうちの1つ、または2以上を混合したものを指す。グリコールエステルとは、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のうちの1つ、または2以上を混合したものを指す。酢酸エステルとは、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸セロソルブ、酢酸アミル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のうちの1つ、または2以上を混合したものを指す。
【0032】
溶剤には、0.1〜1.5重量%、特に0.3〜0.9重量%の硬化剤(ケチミン等)、及び、0.1〜1.5重量%、特に0.5〜1.2重量%のホルムアルデヒドを添加してもよい。これらの添加により、1回で塗布できる膜厚を高くすることができ、かつ、飛散防止効果を高めることができる。
【0033】
また、上記溶剤には、紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、イミダゾール系の紫外線吸収剤を好適に使用できる。ベンゾトリアゾール系とイミダゾール系を混合して使用してもよい。また、他の紫外線吸収剤、たとえば酸化インジウム等を併せて使用してもよい。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用する場合においては、その添加量は、2剤混合時の全重量に対して、0.5〜2.5重量%となるように添加することが好ましい。0.5重量%未満でも、2.5重量%超でも、所望の紫外線遮蔽効果が得られない、という知見に基づくものである。なお、上記紫外線吸収剤は、ケチミンと併用すると溶剤中に均一に分散されにくい、という問題が生じ得るため、紫外線吸収剤使用時にはケチミンを添加しないことが好ましい。
【0034】
上塗り剤は、主剤と硬化剤の二剤に分かれており、使用時に混合して塗布される。主剤は、アクリル樹脂ワニス100重量部に対して、炭化水素、酢酸エステル、グリコールエステル及びグリコールを、重量比で100:30〜45:5〜15:5〜10、特に100:35〜42:8〜12:6〜9で含む溶剤を170〜200重量部、特に180〜190重量部添加することで製造されるのが好ましい。硬化剤は、ウレタン樹脂ワニス100重量部に対して、酢酸エステル、グリコールを、重量比で100:2〜5、特に100:3〜4の割合で含む溶剤を30〜50重量部添加して製造されるのが好ましい。なお、ケチミンあるいは紫外線吸収剤等の添加物を加える場合は、主剤の溶剤に添加することが好ましい。
【0035】
上塗り剤の別の例として、主剤にアクリル樹脂ワニス、変性ウレタン樹脂ワニス、溶剤を重量比100:45〜65:200〜300、特に100:50〜60:220〜280の割合で含み、硬化剤にポリイソシアネートプレポリマー、溶剤を重量比100:140〜180、特に100:150〜170の割合で含む形態とすることもできる。しかし、この形態の上塗り剤を使用する場合は、既出の上塗り剤と比して、塗布1回あたりの膜厚が薄くなる傾向があるため、所望の膜厚の上塗り層を得るためには、多数回の塗布が必要となる。
【0036】
上塗り剤の塗布時には、主剤と硬化剤に加え、薄め液を添加して使用することが好ましい。薄め液としては、上記の溶剤成分と同様のものを使用してもよいが、異なる配合のものを使用してもよい。特に硬化剤、ホルムアルデヒドは省略することが好ましい。具体的には、炭化水素、酢酸エステル、グリコールエステル及びグリコールを重量比で、100:65〜80:3〜7:2〜5となるように配合することが好ましい。主剤、硬化剤及び薄め液の配合重量比は、100:90〜110:75〜125とすることが好ましい。
【0037】
上塗り剤の塗布方法は、スプレー塗布、浸漬塗布、刷毛塗り、ローラー塗布等の公知の方法をいずれも使用できる。上塗り剤は、熱硬化型塗料であるため、塗布後、加熱炉等で80℃±5℃、30分±10分の加熱処理を行う必要がある。
【0038】
上塗り層の膜厚は、30μm以上、特に35〜70μmとすることが好ましい。1回の塗布で上記の膜厚としてもよいが、2層以上を塗布して、総膜厚を30μm以上とすることが、スプレー塗布の場合の操作性からみても現実的であり、好ましいといえる。2層以上の上塗り層を形成する場合、すべての層の成分を同一のものとしてもよく、また、異なる成分としてもよい。特に好ましい形態は、ケチミンを添加した上塗り剤を下塗り層の上に1層以上塗布し、その上に紫外線吸収剤を添加した上塗り剤(以下、「紫外線吸収層形成剤」と記載する)を1層以上塗布した形態である。紫外線吸収層形成剤は、着色剤、ケチミン等の添加に適さないため、より高い飛散防止効果や美粧性を望む場合に、単独ではこれらを実現できない、という問題があるが、紫外線吸収剤を含まない上塗り層を組み合わせることで、着色、飛散防止効果の増強を実現させることができるものである。
【実施例】
【0039】
1.下塗り剤の製造
〔主剤〕以下の成分を混合し、下塗り剤を調製した。
変性エポキシ樹脂 22.5重量部
アミノ樹脂 5.9重量部
メチルエチルケトン 19.0重量部
酢酸ブチル 7.0重量部
エチレングリコールモノブチルエーテル 4.0重量部
シクロヘキサン 11.0重量部
キシレン 15.7重量部
n−ヘキサン 1.5重量部
イソプロピルアルコール 12.4重量部
シリコン化合物 0.2重量部
〔薄め液〕以下の配合の薄め液を調製した。
トルエン 32.0重量部
エチレングリコールモノブチルエーテル 8.0重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0重量部
メチルエチルケトン 28.0重量部
イソプロピルアルコール 20.0重量部
キシレン 1.0重量部
エチルベンゼン 1.0重量部
【0040】
2.上塗り剤の製造
〔主剤〕以下の成分を混合し、主剤を調製した。
アクリル樹脂ワニス 35.0重量部
トルエン 16.0重量部
エチルベンゼン 13.0重量部
キシレン 13.0重量部
プロピレングリコール 3.0重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 4.0重量部
酢酸ブチル 15.0重量部
ケチミン 0.4重量部
ホルムアルデヒド 0.6重量部
〔硬化剤〕以下の成分を混合し、硬化剤を調製した。
ウレタン樹脂ワニス 71.0重量部
酢酸エチル 28.0重量部
プロピレングリコール 1.0重量部
〔薄め液〕以下の配合の薄め液を調製した。
酢酸ブチル 40.0重量部
トルエン 36.0重量部
エチルベンゼン 10.0重量部
キシレン 9.4重量部
プロピレングリコール 2.0重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 2.6重量部
【0041】
3.紫外線吸収層形成剤の製造
〔主剤〕以下の成分を混合し、主剤を調製した。
アクリル樹脂 35.0重量部
ベンゾトリアゾール 3.0重量部
トルエン 16.0重量部
エチルベンゼン 13.0重量部
キシレン 13.0重量部
プロピレングリコール 2.4重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 2.5重量部
酢酸ブチル 15.0重量部
〔硬化剤〕以下の成分を混合し、硬化剤を調製した。
ウレタン樹脂 67.0重量部
酢酸エチル 32.0重量部
プロピレングリコール 1.0重量部
〔薄め液〕以下の配合の薄め液を調製した。
酢酸ブチル 40.0重量部
トルエン 36.0重量部
エチルベンゼン 10.0重量部
キシレン 9.4重量部
プロピレングリコール 2.0重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 2.6重量部
【0042】
4.コーティング
〔下塗り層〕
上記下塗り剤の主剤と薄め液を重量比1:1で混合し、ガラス試料の表面全面にスプレー塗布にて塗布した。塗布後のフラスコを、160℃のガス炉内で20分間加熱処理し、焼き付けを行った。塗布・焼き付けを2回繰り返し、下塗り層の平均膜厚を約30μmとした。
〔上塗り層〕
上記上塗り剤の主剤、硬化剤及び薄め液を、重量比1:1:1で混合し、下塗り層を形成したガラス試料の下塗り層上の全面にスプレー塗布にて塗布した。塗布後のフラスコを、80℃のガス炉内で30分間加熱処理した。上塗り層の平均膜厚を約50μmとした。
〔紫外線吸収層〕
上記紫外線吸収層形成剤の主剤、硬化剤及び薄め液を、重量比1:1:1で混合し、上記上塗り層を形成した1L丸フラスコの上塗り層上の前面にスプレー塗布にて塗布した。塗布後のフラスコを、80℃のガス炉内で30分間加熱処理した。紫外線吸収層の平均膜厚を約20μmとした。
【0043】
5.試験例1 落下試験
200mLナスフラスコに上記のコーティングを施し、落下試験に供した。上記のコーティングを施した200mL丸フラスコ、及び比較例として市販の飛散防止コーティング済み200mLナスフラスコにそれぞれ100mLの水を入れ、それぞれ60cmの高さからコンクリート床に向かって自然落下させ、割れが生じるまでの落下回数を調査した。具体的には、フラスコ下端が高さ60cmとなるようナイロン紐で吊るし、紐を切断することでフラスコを自然落下させた。実施例、比較例ともに20個のナスフラスコについて落下試験を行い、割れが生じるまでの平均落下回数を求めたところ、実施例は10回、比較例は1回であった。
また、割れが生じた際のガラス破片の飛散の有無、内部の水の飛散の有無を調査したところ、実施例、比較例ともにガラス破片の飛散は見られなかったものの、比較例においては、落下地点周辺に水の飛散が見られた。一方実施例においては、水の飛散もみられなかった。
落下時のフラスコの形状を観察したところ、比較例においては落下により割れが生じた際に、破片の飛散は見られなかったものの、フラスコの形状が大きく歪んでいるのが観察された。これに対し、実施例のフラスコは割れが生じた際にもその形状には殆ど変化が見られなかった。
以上より、従来品である比較例の飛散防止コーティングと比して、実施例のコーティングは、高いガラスの割れ防止効果を奏し、かつ、ガラスの破片のみならず、液体内包物の飛散をも防止できることが示された。
7回落下させた後の実施例のナスフラスコを図1(a)、1回落下させた後の比較例のナスフラスコを図1(b)に示す。
【0044】
6.試験例2 光透過性試験
実施例として20mm・40mmのガラス板の片面に上記のコーティングを施し、光透過性試験に供した。比較例として、市販の飛散防止コーティング済みの理化学ガラス製品より塗膜を剥がして、20mm・40mmのガラス板に密着させたものを準備した。実施例、比較例ともに積分球を用いた透過率と反射率を,分光光度計により350〜800nmの波長域で測定した。
透過率のデータを図2に、反射率のデータを図3に示す。実施例において、ガラス板の光透過率は、400〜850nmの範囲では、ほぼ90%で一定であり、ガラス容器に使用した場合に、内部視認にほとんど影響がないことが分かった。一方で、比較例の透過率は、実施例と比較し全体的に低いことが分かった。反射率においても、実施例は測定波長範囲全てで1%未満と低い値を示したのに対し、比較例は1〜2%程度と高い値を示した。
実施例については、さらに紫外領域を含めた透過性の調査を行った。図4に、その透過スペクトルを示す。実施例のガラス板は、200〜380nmの紫外領域において、その透過性がほぼ0であることが示された。
以上より、実施例に係るガラス板は、比較例と比して有意に透明性が高いことが示され、かつ、高い紫外線遮蔽効果を有することが示された。
【0045】
7.試験例3 浸漬試験
実施例として20mm・40mmのガラス板の片面に上記のコーティングを施し、浸漬試験に供した。試料を105℃にて絶乾後、デシケーター中で放冷し、重量を測定して初期値とした。重量測定後の試料を、各種薬品(10%硫酸、5%水酸化ナトリウム、トルエン)45mLを入れた共栓試薬瓶に入れて蓋をした後、25℃の恒温槽内に入れて処理した。処理時間は、24、120、240時間とした。処理後の試料は、洗浄、風乾したのち、絶乾・放冷(デシケーター内)して重量測定及び外観観察を行った。
各試料の重量変化、外観変化を表1に示す。
10%硫酸に浸漬した場合、一部にガラス側面の塗膜が剥がれるものが認められたが、主たる塗布面については,外観に変化は認められなかった。また,重量減少率は全ての処理時間でほぼ0.01%以下と小さい値であった。従って、この処理条件では、塗膜への影響はほとんどないものと思われた。
5%水酸化ナトリウムに浸漬した場合24時間後には重量減少率の値や外観にほとんど変化は認められなかった。しかしながら、120時間後には試料の周囲から白っぽい曇りの発生が観られ、240時間後にはこの曇りが顕著となった。従って、この処理条件では、長時間処理では次第に塗膜の劣化が進行するものと考えられた。
トルエンに浸漬した場合には、24時間後の外観変化は認められなかったが、120時間以上では塗膜の膨潤と剥離が確認された。重量減少率については,処理時間が長くなることによる値の上昇はあまり観られないものの、酸やアルカリ処理での24時間後の値と比べると一桁程高い値となっていることから、浸漬による何らかの成分の溶出が考えられる。
以上より、本発明に係るコーティング剤による塗膜は、酸に浸漬した場合に比較的長時間、外観や重量に変化がみられず、安定して使用できる可能性が高い。また、24時間の短時間であれば、アルカリ、有機溶媒中でも大きな外観変化、重量変化は見られなかった。しかし、アルカリ、有機溶媒中での浸漬が長時間にわたれば、曇り、剥がれ等が生じ、その品質が著しく劣化することが示された。
【0046】
【表1】

【0047】
8.試験例4 硬度試験
200mLナスフラスコに上記のコーティングを施し、塗膜を剥がして、20mm・40mmのガラス板の片面に密着させたものを実施例とする。比較例として、市販の飛散防止コーティング済み200mLナスフラスコの塗膜を剥がして、同様に20mm・40mmのガラス板の片面に密着させたものを用意した。
微小押し込み硬さ試験機(NanoindenterG200(アジレント・テクノロジー(株)製)を用いて、ISO14577に準拠した押し込み硬さHITを測定した。使用圧子はパーコビッチ(三角錐)、最大荷重は0.2gfとした。各サンプルについて、4回(200μm間隔で2・2の配列)の試験を行った。
実施例及び比較例の微小押し込み硬さHITを表2に示す。実施例が、比較例よりも10倍程度高い値を示しており、有意に硬いことが判明した。
【0048】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明に係るガラスコーティング剤は、理化学ガラス製品のみならず、建築物、車両、航空機に使用されるガラス製品、食器等に使用されるガラス製品等、割れ防止、飛散防止効果を要するガラス製品であれば、いずれにも利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変性エポキシ樹脂及びアミノ樹脂を主成分として重量比で100:15〜35の割合で含み、直接ガラス表面上に塗布され、1層以上の下塗り層を形成する下塗り剤と、
アクリル樹脂ワニス及びウレタン樹脂ワニスを主成分として重量比で100:150〜250の割合で含み、塗布された前記下塗り剤により形成された前記下塗り層の上に塗布され、1層以上の上塗り層を形成する上塗り剤と、
を有することを特徴とするガラスコーティング剤。
【請求項2】
前記下塗り剤が、溶剤として炭化水素、ケトン、アルコール、酢酸エステル、及びグリコールエーテルを、重量比で100:55〜75:35〜55:15〜35:10〜20の割合で含み、
塗膜成分100重量部に対し、溶剤成分を200〜300重量部含む、請求項1記載のガラスコーティング剤。
【請求項3】
前記上塗り剤が、アクリル樹脂ワニスを含む主剤と、ウレタン樹脂ワニスを含む硬化剤とを有し、前記主剤と前記硬化剤が使用時に混合されて塗布される、請求項1または2に記載のガラスコーティング剤。
【請求項4】
前記上塗り剤が、前記主剤と前記硬化剤とを混合させた状態で、溶剤として酢酸エステル、炭化水素、グリコール、グリコールエステルを、重量比で100:85〜105:5〜15:5〜15の割合で含み、
アクリル樹脂ワニス及びウレタン樹脂ワニスの合計100重量部に対し、溶剤70〜90重量部を混合してなる、請求項3記載のガラスコーティング剤。
【請求項5】
前記上塗り剤が、前記主剤と前記硬化剤とを混合させた状態で、0.5〜2.5重量%の紫外線吸収剤を含む、請求項3または4に記載のガラスコーティング剤。
【請求項6】
変性エポキシ樹脂100重量部に対して、アミノ樹脂15〜35重量部、溶剤250〜350重量部を加えて下塗り剤とし、
アクリル樹脂ワニス100重量部に対して、溶剤170〜200重量部を加えて上塗り剤の主剤とし、ウレタン樹脂ワニス100重量部に対して、溶剤30〜50重量部を加えて上塗り剤の硬化剤とする、
ことを特徴とする、ガラスコーティング剤の製造方法。
【請求項7】
前記下塗り剤に加える溶剤は、炭化水素、ケトン、アルコール、酢酸エステル、及びグリコールエーテルを、重量比で100:55〜75:35〜55:15〜35:10〜20の割合で含み、
前記上塗り剤の主剤に加える溶剤は、炭化水素、酢酸エステル、グリコールエステル及びグリコールを、重量比で100:30〜45:5〜15:5〜10の割合で含み、
前記上塗り剤の硬化剤に加える溶剤は、酢酸エステル及びグリコールを重量比で100:2〜5の割合で含む、
請求項6記載のガラスコーティング剤の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−229143(P2012−229143A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98865(P2011−98865)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(511105850)株式会社富士見技研 (1)
【Fターム(参考)】