説明

ガラスストランド用の物理ゲルの形態であるサイジング組成物、得られたガラスストランドおよびそのストランドを含む複合材

本発明は、物理ゲルの形態であるガラスストランド用のサイジング組成物であって、質量%で、
・0.1〜5%の、キサンタン、グアーおよびサクシノグリカンから選ばれる少なくとも1種の加工剤、
・2〜8%の少なくとも1種の皮膜形成剤、
・0.1〜8%の、可塑剤、界面活性剤および分散剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
・0.1〜4%の少なくとも1種のカップリング剤、
・0〜6%の少なくとも1種の添加剤、
を含むサイジング組成物に関する。
本発明の他の主題は、上記のサイジング組成物でコーティングされたガラスストランドおよび該ガラスストランドで強化された有機または無機材料を含む複合材料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に有機および/または無機マトリックスを強化することを意図したガラスストランド用のサイジング組成物、得られたガラスストランドならびに該ガラスストランドを含む複合材に関する。より具体的には、本発明はチキソトロープ型のレオロジー挙動を有する物理ゲルの形態で提供される水性サイジング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、強化ガラスストランドは、溶融したガラスで満たされたブッシングの複数のオリフィスから重力によって流れ出る溶融ガラス流を機械的に延伸してフィラメントを形成し、これらを互いに集束してベースストランド(base strand)とし、次いでこれらを集めて調製される。
【0003】
延伸の間、およびストランドに集束する前に、ガラスフィラメントは、サイジング部材上を通ることにより、サイジング組成物、一般的には水性サイジング組成物がコーティングされる。
【0004】
サイズ剤の役割は2つの点で必須である。
【0005】
ストランドの製造中、サイズ剤は、プロセスの部材上でのフィラメントの高速での摩擦から生じる摩耗からフィラメントを保護し、潤滑剤として機能する。サイズ剤は、この摩擦の間に生じる静電荷の除去も可能とする。最後に、サイズ剤はフィラメント同士の結合を与えることにより、ストランドに結合力も与える。
【0006】
複合材料を製造する目的に使用する間、サイズ剤はガラスの濡れおよび強化される材料によるストランドの含浸を改善し、ガラスと前記材料との間の接着を向上させ、それにより向上した機械的性質を持つ複合材料をもたらす。
【0007】
種々の形態のガラスストランド(連続ストランド、チョップドストランドもしくはミルドストランド、連続もしくはチョップドストランドのマット、メッシュ、織物、編物など)は、様々な性質のマトリックス、例えば、熱可塑性または熱硬化性材料およびセメントを効果的に強化するために通常用いられる。
【0008】
最も普通に用いられるサイジング組成物は水性組成物、特にはポリマー型の皮膜形成剤を含んだ「プラスチック」サイジング組成物であり、これは特に、最終的なサイズ剤に機械的な結合力を与え、また機械的な損傷や化学物質および環境からの攻撃に対してストランドを保護するという利点を示す。
【0009】
これらのサイジング組成物は、80質量%超の水で構成されており、従って低い粘度、通常は5mPa・s以下を有しており、このことは比較的に単純なサイジング装置、例えばサイジングロールの使用(その上を、ガラスフィラメントを高速で通過させる)で、サイジング組成物を容易に堆積させることを可能にする。この方法の条件は、ストランドをサイジング装置の上を通過させる間に、サイズ剤の所望の量が堆積するように調整される。
【0010】
しかしながら、水がこのように大量にサイジング組成物中に存在することは不都合を示す。
【0011】
非常に粘性ではないという事実のために、このサイジング組成物は、ストランドが巻取機への誘導装置として作用する種々の要素と接触した場合に、ガラスに良好に付着したままではいない。流出現象が起こり、次いで延伸速度の効果で、サイズ剤の遠心力によって投げ出される。また、サイジング組成物の一部は、ストランドの巻取りの間に、遠心力の影響で失われる。この損失量は、サイジング組成物によって、50%以下の範囲である可能性がある。
【0012】
更に、水はガラスストランドと強化される材料との間の接着力を低下させるので、水は最終的な複合材の機械的な性質にとって有害である。従って、水は除去する必要があり、それは通常はストランドの包装体を、包装体の質量およびその初期の含水量に応じて、100〜150℃の水準の温度に加熱した大きなチャンバー中で、10〜20時間乾燥することによって行われる。このことは費用が掛かり、また時間が掛かるという事実は別にしても、乾燥の操作は、サイズ剤の成分の、それらの水への親和性およびそれらの分子量の関数としての選択的な移動をもたらし、それは基本的に包装体の内側から外側への移動であり、また包装体の中心に対して、外周に位置するストランドに、サイズ剤量の著しい増加(800%以下)をもたらす。この変化の結果として、ストランドの性質は包装体の全体の長さに亘って一定ではなく、そのことは特に製織(weaving)操作における加工上の問題および有機マトリックスを有する複合材における含浸欠陥(斑点(spots))の外観をもたらす。
【0013】
この不都合を克服する手段の1つは、必要な量のサイズ剤を含んだストランドの部分のみを確保するために、外周に位置する一定の長さのストランドを取り除くことによる包装体の「剥ぎ取り(peeling)」からなる。通例、包装体中のストランド上のサイズ剤の最大含有量の、サイズ剤の名目の含有量に対する比率が2以下であれば、ストランドの性質は許容できると見做される。この値を超えると、ストランドの品質は目的の用途に対して満足ゆくものではない(前の段落で述べた欠陥の外観)。この比率を満足するために取り除かなければならないストランドの量は、通常、包装体の質量の2〜5%に相当する。この操作は、特別な設備および付加的な操作を必要とするので、費用が掛かる。
【0014】
同様のサイズ剤の移動の現象が平坦側面(straight-sided)包装体、例えばロービング、例えばストランドをブッシングの下で直接に巻き取ることによって得られるロービング、で観察される。しかしながら、この場合にはサイズ剤は、包装体の外周および側面の両方に向かって移動する。このために、上記の剥ぎ取りの解決法は適用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、包装体の乾燥の間のサイズ剤の移動を制限することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的は、本発明により、ガラスストランド用の、前記の組成物に物理ゲルの外観を与えることが出来る加工剤(テクスチュア剤;texturing agent)を含むサイジング組成物によって達成することができる。
【0017】
本発明の他の主題は、該サイジング組成物でコーティングされた上記のガラスストランドである。
【0018】
本発明の更なる主題は、本発明によるガラスストランドによって強化された有機および/または無機マトリックスを含む複合材料である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の目的は、ガラスストランド用の、前記の組成物に物理ゲルの外観を与えることが出来る加工剤(texturing agent)を含むサイジング組成物によって達成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
より具体的には、本発明の主題は、物理ゲルの形態であるサイジング組成物であって、質量%で、
・0.1〜5%の少なくとも1種の加工剤(テクスチュア剤;texturing agent)、
・2〜8%の少なくとも1種の皮膜形成剤、
・0.1〜8%の、可塑剤、界面活性剤および分散剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物、
・0.1〜4%の少なくとも1種のカップリング剤、
・0〜6%の少なくとも1種の添加剤、
を含むサイジング組成物である。
【0021】
本発明によるサイジング組成物は、チキソトロープ型のレオロジー挙動を有する物理ゲルの形態で提供される。
【0022】
用語「物理ゲル」は、量的に勝る液相中に微細に分散した固相の形態に配置することができ、また低密度の、弱い結合の存在のために容易に構造が解体される網状組織を形成することができる化合物を含む系を意味すると理解され、この網状組織は可逆性である。
【0023】
用語「チキソトロープ挙動」は、流体が、せん断力の増加に曝されるとその粘度の低下を経験し、また前記の力がなくなると初期の粘度の水準を回復することを表す機構の組み合わせを意味すると理解される。
【0024】
本発明による物理ゲルは、1×10−1の水準のせん断を受けた場合には、通常100mPa・s未満の低い粘度の液体に変化する能力を有しており、このせん断はガラスフィラメントのサイジング装置上の通過に該当している。
【0025】
本発明によるサイジング組成物の物理ゲル状態は、サイジング組成物に少なくとも1種の加工剤(texturing agent)を添加することによって得られ、この加工剤は高い比率のヒドロキシル官能基を含むことを特徴とする特定のポリマーから選ばれる。
【0026】
本発明による加工剤は、好ましくは100000超、好ましくは10×10未満、そして有利には5×10未満の平均分子量を示す、多糖類、例えばキサンタン、グアー(guars)およびサクシノグリカンから選ばれる。
【0027】
有利には、前記のキサンタンは下図の式(I)に相当し、
【0028】
【化1】

【0029】
ここで、
はNa、Kまたは1/2Ca、
はHまたは−COCHであり、
、RはHもしくは、
【0030】
【化2】

または、
はHであり、またRは−COCHであり、
n≧100、である。
【0031】
有利には、前記のサクシノグリカンは下図の式(II)に相当し、
【0032】
【化3】

【0033】
ここで、
Acは−CO−CH
Sucは−CO−(CH−COOH、
はNa、Kまたは1/2Ca、
n≧80、である。
【0034】
好ましくは、加工剤の含有量は、サイジング組成物の0.15〜2質量%の範囲であり、また有利には0.6質量%未満である。
【0035】
ポリマー皮膜形成剤は幾つかの役割を演じ、一方で、延伸の間のガラスフィラメントの磨耗を防止し、他方で、化学物質および環境からの攻撃からガラスストランドを保護し;ストランドに完全性を与え;最後にサイジング組成物と強化されるマトリックスとの相溶性を向上させる。
【0036】
皮膜形成剤の選択は、主として強化される材料の化学的性質に依存する。
【0037】
皮膜形成剤は、ポリビニルアセテート(ホモポリマーまたは共重合体、例えばビニルアセテートとエチレンとの共重合体)、ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ化合物、ポリアクリル酸(polyacrylics)(単独もしくは共重合体)およびポリウレタンから選ぶことができる。20000以上の質量を備えたポリビニルアセテート、エポキシ化合物およびポリエチレングリコールが好ましい。
【0038】
皮膜形成剤は、通常はエマルジョンの形態でサイジング組成物中に加えられる。
【0039】
好ましくは、皮膜形成剤の含有量は、サイジング組成物の2.5〜7質量%の範囲である。
【0040】
サイジング組成物は、可塑剤、界面活性剤および分散剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含んでおり、その役割は、懸濁を促進させ、そしてこの組成物の種々の成分の均一な分散を可能とし、一方で液相の分離の問題を阻止し、また複合材の製造の間に、ストランドが強化される材料による効率よい、また迅速な濡れを与えることである。可塑剤、界面活性剤および分散剤はしばしば幾つかの機能を有しており、またこのために、それらを上記の分類の一方、または他方へと分類することは難しい。
【0041】
可塑剤、界面活性剤および分散剤から構成される群は、有機化合物および無機化合物を含み、有機化合物は好ましくは、
−脂肪族もしくは芳香族ポリアルコキシル化化合物(場合によってはハロゲン化されており、例えばエトキシル化/プロポキシル化アルキルフェノール、好ましくは1〜30のエチレンオキシド基および0〜15のプロピレンオキシド基を含むもの、エトキシル化/プロポキシル化ビスフェノール、好ましくは1〜40のエチレンオキシド基および0〜20のプロピレンオキシド基を含むもの、エトキシル化/プロポキシル化脂肪族アルコール、そのアルキル鎖が好ましくは8〜20個の炭素原子を含み、また2〜50エチレンオキシド基および20以下のプロピレンオキシド基を含むものである。これらのポリアルコキシル化化合物はブロックまたはランダム共重合体であることができる)、
−ポリアルコキシル化、例えばポリエチレングリコール、脂肪酸エステル(そのアルキル鎖は好ましくは8〜20個の炭素原子を含み、また2〜50のエチレンオキシド基および20以下のプロピレンオキシド基を含む)、
−アミン含有化合物(例えば、場合によってはアルコキシル化されているアミン、アミンオキシド、アルキルアミド、コハク酸ナトリウム、カリウムもしくはアンモニウムまたはタウリン酸ナトリウム、カリウムもしくはアンモニウム、糖誘導体、特にソルビタン、ナトリウム、カリウムもしくはアンモニウムのアルキル硫酸塩(これらは場合によってはアルコキシル化されている)およびナトリウム、カリウムもしくはアンモニウムのエーテルリン酸塩(これらは場合によってはアルキル化またはアルコキシル化されている))、である。
【0042】
無機化合物としては、例えばシリカ誘導体であり、これらの化合物は単独で、または上記の有機化合物との混合物として用いることができる。
【0043】
上記の群から選ばれる化合物の量は、好ましくはサイジング組成物の0.15〜4質量%の範囲である。
【0044】
カップリング剤は、サイズ剤がガラスの表面へ結合することを可能にする。
【0045】
カップリング剤は、加水分解性の化合物から選ばれ、好ましくは酸、例えば酢酸、乳酸もしくはクエン酸の存在で加水分解することができる化合物であって、シラン、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)−トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、スチリルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、およびtert−ブチルカルバモイルプロピルトリメトキシシラン、シロキサン、例えば1,3−ジビニルテトラエトキシジシロキサン、チタン酸塩、ジルコン酸塩の、特にアルミニウム塩、ならびにこれらの化合物の混合物からなる群に属している。好ましくはシランが選ばれる。
【0046】
カップリング剤の量は、好ましくはサイジング組成物の0.15〜2質量%の範囲である。
【0047】
サイズ剤の構造中に本質的に関与する上記の成分に加えて、1種またはそれ以上の成分を添加剤として加えることができる。
【0048】
従って、少なくとも1種の滑剤、例えば脂肪酸エステル(これは場合によってはアルコキシル化されており、例えばラウリン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、トリメチロイルプロパントリオクタノアートおよびトリメチロイルプロパントリデカノアート)、アルキルフェノール誘導体、例えばエトキシル化オクチルフェノール、脂肪族アルコール(これは場合によってはアルコキシル化されており、例えばメチル末端を含むポリエチレングリコールラウラートもしくはステアラートであり、有利には10未満のオキシエチレン単位を含んでおり)、鉱物油、アルキルアミン、ポリエチレンワックスを主成分とする混合物、ならびにこれらの化合物の混合物を加えることができる。
【0049】
また、少なくとも1種の以下の添加剤、錯化剤、例えばEDTA誘導体、没食子酸もしくはホスホン酸誘導体、消泡剤、例えばシリコーン、ポリオールおよび植物油、ならびにカップリング剤の加水分解の間にpHを制御するのに用いられる酸、例えば酢酸、乳酸およびクエン酸を加えることもできる。
【0050】
また、サイジング組成物は、弱い親水性の性質を有するために、ストランドの乾燥工程の後にサイズ剤中に存在する遊離のヒドロキシル基の量を制御することを可能にする化合物を含むことができ、それは湿気の多い環境の中での経時変化への良好な耐性を保持することを可能にする。
【0051】
この化合物はエポキシ化合物およびマスクドイソシアナートから選ばれ、これらは熱的に活性化することができ、好ましくは単官能性もしくは二官能性であり、また1000未満、好ましくは700未満の分子量を有している。
【0052】
このエポキシ化合物は、脂肪族エポキシ化合物、例えばブチルグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、および4以下のエチレンオキシド単位を含むポリオキシエチレンジグリシジルエーテル、脂環式エポキシ化合物、例えばシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、または芳香族エポキシ化合物、例えばフェニルジグリシジルエーテルから選ばれる。
【0053】
マスクドイソシアナートは、熱的な手段によって活性化することができ、1種またはそれ以上のN−オキシム、N−カプロラクタムおよびフルフラール基を含むイソシアナートから選ばれる。マスキングをはずす温度はストランドの乾燥のための温度に相当するものでなければならず、通常は105〜140℃の範囲である。
【0054】
遊離のヒドロキシル基の量を制御することができる化合物はまた、少なくとも2つのカルボキシル官能基を有する有機酸、例えばアジピン酸、クエン酸、ポリ(アクリル酸)およびポリ(メタクリル酸)から選ぶことが出来る。通常は、これらの酸は1000未満、好ましくは500未満の分子量を示す。
【0055】
有利には、ターシャリアミン型の触媒が、エポキシ化合物、またはイソシアナートと組み合わせて用いられる。この触媒は、既知の化合物、例えば置換されたフェノール、例えばトリス(ジメチルアモノメチル)フェノール、およびイミダゾリン、例えばN−ステアリルイミダゾリン、またはそれらの誘導体から選ぶことができる。
【0056】
触媒の量は、サイジング組成物の1質量%を越えない。
【0057】
好ましくは、サイジング組成物中の添加剤の総量は3%を超えない。
【0058】
サイジング組成物を形成するのに用いられる水の量は、3〜15%、好ましくは5〜10%の範囲の固形分(乾燥抽出物)を得るように定められる。
【0059】
サイジング組成物の調製は以下の、
a)適切な場合、カップリング剤を加水分解する工程、
b)カップリング剤、皮膜形成剤、可塑剤、界面活性剤および分散剤、場合によっては添加剤からなる群から選ばれた化合物、ならびに水を混合する工程、
c)好ましくは激しい攪拌を伴って、加工剤を添加する工程、
d)得られた混合物に、均一なゲルを形成するのに十分なせん断力を加える工程、
からなる工程を含んでいる。
【0060】
本発明の他の主題は上記のサイジング組成物でコーティングされたガラスストランドである。
【0061】
本発明において、用語「ストランド」は、ブッシングの下で多数のフィラメントを互いに集束することによるベースストランド、そしてそれらのストランドに由来する製品を意味していると理解され、特にロービングの形態にあるこれらのストランドの集合体である。このような集合体は、ベースストランドの幾つかの包装体を同時に繰り出し、そして次いでそれらをトウ(tows)に集束することによって得ることができ、これを回転する支持体上に巻き取る。また、それらは集合体のロービングと同等の番手(count)(もしくは線密度)を備えた「直接」ロービングであってもよく、ブッシングの下で直接にフィラメントを集束し、そして回転する支持体上に巻き取ることによって得られる。
【0062】
上記のように、水性のサイジング組成物は、フィラメントがベースストランドへと集束される前に、フィラメント上に堆積される。水は通常は、収集の後の、温度および継続時間条件の下でのストランドの乾燥によって取り除かれ、それによって0.25%未満、好ましくは0.1%未満の水分含有量を達成することができる。乾燥は通常は、包装体の種類および初期の水分含有量に応じて、100〜150℃の範囲の温度で、10〜20時間行われる。
【0063】
本発明によるサイジングされたストランドは、いずれの種類のガラス、例えばE、C、R、ARおよびホウ素が低減された量であるガラス(6%未満)からでも作ることができる。EおよびARガラスが好ましい。
【0064】
ストランドを構成するガラスフィラメントの直径は、大幅に、例えば5〜30μmの範囲で変えることができる。同様に、ストランドの線密度は広範に変えることができ、対象とする用途に応じて、11〜4800テックスの範囲であることができる。
【0065】
通例、サイズ剤の量は、最終的なストランドの0.2〜5質量%に相当し、好ましくは0.35〜3質量%の範囲である。
【0066】
本発明の更なる主題は、少なくとも1種の有機および/または無機材料ならびに上記のサイジング組成物でコーティングされたガラスストランドを組み合わせた複合材料である。この有機材料は、1種またはそれ以上の熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーで構成することができ、また無機材料は、例えばセメント材料で構成することができる。
【0067】
複合材料中のガラスの量は、通常は5〜60質量%の範囲である。
【実施例】
【0068】
以下に示す実施例は本発明を説明することを可能にするが、しかしながら本発明を限定するものではない。
以下の実施例では以下の方法を用いた。
【0069】
サイジング組成物
1.調製
a)カップリング剤を、大量の水の中に導入することによって加水分解し(pHが約10〜12;シルケスト(Silquest)(登録商標)A1100およびA1120)、適切ならば酸、例えば酢酸、クエン酸もしくは乳酸で酸性化した(pH3.5〜5;シルケスト(Silquest)(登録商標)A174、A1128、A1387およびA187)。この混合物を、周囲温度で約20分間、攪拌し続けた。
【0070】
b)上記のシランを、適切ならば混合し、そして適度に攪拌しながら、皮膜形成剤、添加剤(滑剤、界面活性剤、可塑剤、触媒)および水を、次いでこのカップリング剤の溶液に加えたが、水は、加えられる加工剤の量を考慮した上で、所望の固形分を得るのに必要な量である。
【0071】
c)加工剤(texturing agent)を、激しい攪拌を伴って工程b)で得た混合物へとゆっくりと加えた。ゲルが発生したら、せん断処理、例えばウルトラタラックス(Ultraturrax)(登録商標)(5000〜9000rpm)を用いて3〜5分間の処理、を加えた。このゲルは解体され、機械的せん断の効果の下で、低粘度の液体を与えた、それにより混合物を均一にすることが可能であったが、また次いで、攪拌が停止された後にゲルが迅速に再形成された。
【0072】
2.成分
−皮膜形成剤
・AMP90、アンガスケミーゲーエムベーハー(Angus Chemie GmbH)から市販されている:2−アミノ−2−メチルプロパノール
・ポリフィニッシュ(Polyfinish)40H、Achitexから市販されている:無水マレイン酸がグラフトされたポロプロピレンの水性エマルジョン;固形分が40%
・Vinamul(登録商標)8808、セラニーズ(Celanese)から市販されている:ビニルアセテートおよびN−メチロールアクリルアミドを主成分とするポリマーの水性エマルジョン;固形分が52%
・Vinamul(登録商標)8852、セラニーズ(Celanese)から市販されている:ポリビニルアセテートの水性エマルジョン;分子量が50000;固形分が50%
・フィルコ(Filco)(登録商標)310、Coimから市販されている:変性エポキシ樹脂の水性エマルジョン;固形分が52%
・Epirez(登録商標)3510W60、ヘキシオン(Hexion)から市販されている:ビスフェノールAエポキシ樹脂の水性エマルジョン;分子量<700;固形分が62%
・Epirez(登録商標)3515W60、ヘキシオン(Hexion)から市販されている:ビスフェノールA−4,4’−(1−メチルエチリデン)と2,2’−[(1−メチル−エチリデン)ビス(4,1−フェニレンオキシメチレン)]ビス−[オキシラン]との共重合体の水性エマルジョン;固形分が62%
・Neoxil(登録商標)962D、DSMから市販されている:低分子量のエポキシエステル樹脂の水性エマルジョン(EEWが470〜550g/eq);固形分が40%
・Neoxil(登録商標)961D、DSMから市販されている:高分子量のエポキシエステル樹脂の水性エマルジョン(EEWが3500〜6000g/eq);固形分が30%
・PEG20000、クラリアント(Clariant)から市販されている:ポリエチレングリコール;分子量が20000
・Naxol(登録商標)SH2500、Scott Baderから市販されている:ポリ(エチレングリコールアジピン酸エステル);固形分が100%
【0073】
−加工剤(Texturing agents)
・Kelzan(登録商標)、ケルコ(Kelco)から市販されている:キサンタン
・Rhodopol(登録商標)23、ローディア(Rhodia)から市販されている:キサンタン
・Rheozan(登録商標)SH、ローディア(Rhodia)から市販されている:サクシノグリカン
【0074】
−カップリング剤
・シルケスト(Silquest)(登録商標)A−174、GEシリコーンから市販されている:γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン
・シルケスト(Silquest)(登録商標)A−1100、GEシリコーンから市販されている:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
・シルケスト(Silquest)(登録商標)A−1128、GEシリコーンから市販されている:ベンジルアミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(メタノール中に50質量%)
・シルケスト(Silquest)(登録商標)A−1120、GEシリコーンから市販されている:β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
・シルケスト(Silquest)(登録商標)A−1387、GEシリコーンから市販されている:ポリシラザン(メタノール中に50質量%)
・シルケスト(Silquest)(登録商標)A−187、GEシリコーンから市販されている:γ−グリシドキシ−プロピルトリメトキシシラン
【0075】
−分散剤、滑剤および可塑剤
・PEG2000、クラリアント(Clariant)から市販されている:ポリエチレングリコール;分子量が2000
・PEG300、クラリアント(Clariant)から市販されている:ポリエチレングリコール;分子量が300
・カルボワックス(Carbowax)(登録商標)1000、ユニオンカーバイド(Union Carbide)から市販されている:ポリエチレングリコール;分子量が1000
・Lutensol(登録商標)AT50、BASFから市販されている:C16〜C18脂肪族アルコール;EO度が50
・Antistatico(登録商標)KN、シグマアルドリッチ(Sigma-Aldrich)から市販されている:(ステアラミドプロピル)ジメチル(β‐ヒドロキシエチル)アンモニウム硝酸塩
・K-Flex(登録商標)500、ノベオン(Noveon)から市販されている:ジエチレン/ジプロピレングリコールジベンゾエート;固形分が100%
・Setilon(登録商標)KN、コグニス(Cognis)から市販されている:エトキシル化C〜C22脂肪族アルコール;固形分が57%
・Texlube(登録商標)NI/CS2、Achitexから市販されている:エトキシル化アルコールとグリセロールエステルとの混合物;固形分が100%
・Lubronyl(登録商標)GF、ケミラシミー(Kemira Chimie)から市販されている:エトキシル化C16〜C18脂肪族アミンとアルキルベンゼン型の石油蒸留物との混合物
・エメレスト(Emerest)(登録商標)2856A、コグニス(Cognis)から市販されている:エトキシル化ペラルゴン酸;EO度が10
・シトロフレックス(Citroflex)(登録商標)B6、Morflexから市販されている:トリ(n−ヘキシル)n−ブチリルクエン酸エステル
【0076】
−触媒/滑剤
・Emery(登録商標)6717L、コグニス(Cognis)から市販されている:酢酸、C〜Cカルボン酸とジエチレントリアミン−エチレンイミンとのポリアミド
・Emery(登録商標)6760、コグニス(Cognis)から市販されている:酢酸、C〜Cカルボン酸とジエチレントリアミン−エチレンイミンとのポリアミド;固形分が50%
・Neoxil(登録商標)AO83634、DSMから市販されている:(C16〜C18)アルキルイミダゾリニウムエチルスルファート;固形分が100%
【0077】
−多糖類のOH基を制御する化学薬品
・Rhodocoat(登録商標)WT1000、ローディア(Rhodia)から市販されている:2−ブタノンオキシムでマスクされた脂肪族ポリイソシアナートの水性エマルジョン;固形分が63%
【0078】
3.粘度
粘度は、LV型のスピンドルを装着したブルックフィールドLVFビスコメータを用いて、以下の条件下で測定した。
直径が9cmの円筒形容器中に存在する500gのサイジング組成物中にスピンドルを浸漬し、このスピンドルを適切な速度(例えば、60rpmで回転させたNo.2スピンドルは、500mPa・s以下の粘度を測定することを可能にする)で1分間回転させ、そして粘度を測定した。粘度は25℃で測定し、そしてmPa・sで表した。
【0079】
測定した値は、粘度の絶対値に相当するのではなく、測定値は相互に比較できる。
【0080】
ガラスストランド
1.強熱減量
強熱減量を、規格ISO1887に従って測定し、%で表した。
【0081】
2.毛羽立ちの量
毛羽立ちの量は、ストランドの磨耗への抵抗力を評価することを可能にする。毛羽立ちの量は、一連の4または6個の円筒形のセラミック棒を、それぞれの棒におけるストランドの偏向角が90°に等しくなるように配置し、この一連の棒の上をストランド通過させた後にストランドから分離した物質の量を秤量することによって測定した。毛羽立ちの量は、試験したストランドの1kg当たりのmgで与えた。
【0082】
3.ストランドの強靭性(Tenacity)
ストランドの強靭性(Tenacity)を、規格ISO3341に定められた条件の下に、引張破断強度を測定することによって評価した。ストランドの強靭性をN/texで表した。
【0083】
4.マイグレーション
マイグレーションは、ロービング中のストランド上で測定されたサイズ剤の最大含有量の、サイズ剤の名目の水準に対する比率Rによって評価した。比率Rが2以下であれば許容できる。
2に等しい比率Rを得るために必要であったロービングから巻き戻されたストランドの長さLもまた示したが、この長さはロービングの「剥ぎ取り」に相当する。この長さをメートルで表した。
【0084】
実施例もしくは比較例1〜16
熱硬化性樹脂の強化のための、エポキシ樹脂を含むサイジング組成物
表1〜3に示した成分を含むサイジング組成物を調製した。
【0085】
このサイジング組成物を、「フルバス(full bath)」サイジングロールを用いて、19μm(実施例もしくは比較例1〜12)または13.6μm(実施例もしくは比較例13〜16)の直径を有するガラスフィラメントに適用し、このガラスフィラメントを互いに集束して、質量が7kgに等しいロービングの形態に巻取られたストランドとした。このロービングを130℃で15時間(実施例もしくは比較例1〜13)、また115℃で15時間次いで150℃で5時間(実施例14)、乾燥した。
【0086】
サイジング組成物およびガラスストランドの性質を表1〜3に示した。
【0087】
実施例5、7および9によるガラスストランドを、規格ISO9291に従い、以下の樹脂を用いて、平行のストランドを含む複合材平板(plaques)を形成するのに用いた。
【0088】
−100質量部のエポキシLY564樹脂(ハンツマン(Huntsman)から市販されている)、および96質量部のアラルダイト(Araldite)XB3486硬化剤(ハンツマン(Huntsman)から市販されている)から構成されるエポキシ樹脂
【0089】
−ポリエステル樹脂1:100質量部の変性オルソフタル酸ポリエステル樹脂および1.5質量部のメチルエチルケトンペルオキシド(アクゾノーベル(Akzo Nobel)から市販されているButanox(登録商標)M50)から構成されるポリタイト(Polytite)(登録商標)413−575樹脂(ライヒホールド(Reichhold)から市販されている)
【0090】
−100質量部のイソフタル酸不飽和ポリエステル樹脂(DSMから市販されているSynolite(登録商標)1717N1)と1.5質量部のメチルイソブチルケトンペルオキシド(アクゾノーベルケミカルズ(Akzo Nobel Chemicals)BVから市販されているトリゴノックス(Trigonox)(登録商標)HM)から構成される、ポリエステル樹脂2
【0091】
平板(plaques)を以下の条件の下に処理した。
温度(℃) 時間(時間)
エポキシ樹脂 80 8
ポリエステル樹脂1 60 16
ポリエステル樹脂2 80 2
120 4
【0092】
平板から試験片を切り出し、そして沸騰水中で72時間(エポキシ樹脂)または24時間(ポリエステル樹脂1および2)処理した。試験片について、横方向の3点曲げ強度を測定し、そしてガラス量100%についての強度を算出した。測定の結果を表4に示した。
【0093】
実施例もしくは比較例17〜22
熱硬化性樹脂強化のための、ポリビニルアセテートを含んだサイジング組成物
表5に示した成分を含むサイジング組成物を調製した。
【0094】
このサイジング組成物を、実施例もしくは比較例1〜16の条件下で、19μm(実施例もしくは比較例17〜19)および14μm(実施例もしくは比較例20〜22)の直径を有するガラスフィラメントに適用した。
【0095】
サイジング組成物およびガラスストランドの性質を表5に示した。
【0096】
実施例もしくは比較例23〜28
熱硬化性樹脂の強化のための、エポキシポリエステルを含むサイジング組成物
表6に示した成分を含むサイジング組成物を調製した。
【0097】
このサイジング組成物を、実施例もしくは比較例1〜16の条件下で、19μm(実施例もしくは比較例23〜25)および14μm(実施例もしくは比較例26〜28)の直径を有するガラスフィラメントに適用した。
【0098】
サイジング組成物およびガラスストランドの性質を表6に示した。
【0099】
実施例もしくは比較例29〜31
熱可塑性樹脂の強化のための、無水マレイン酸をグラフトしたポリプロピレンを含むサイジング組成物
表7に示した成分を含むサイジング組成物を調製した。
【0100】
このサイジング組成物を、実施例もしくは比較例1〜16の条件下でガラスフィラメントに適用した。
【0101】
サイジング組成物およびガラスストランドの性質を表7に示した。
【0102】
細いストランドに適用することを意図したサイジング組成物
表8に示した成分を含むサイジング組成物を調製した。
【0103】
このサイジング組成物を、実施例もしくは比較例1〜16の条件下で、直径が13.5μmに等しいガラスフィラメントに適用した。
【0104】
サイジング組成物およびガラスストランドの性質を表8に示した。
【0105】
【表1】

【0106】
【表2】

【0107】
【表3】

【0108】
【表4】

【0109】
【表5】

【0110】
【表6】

【0111】
【表7】

【0112】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理ゲルの形態であるガラスストランド用のサイジング組成物であって、質量%で、
・0.1〜5%の、キサンタン、グアーおよびサクシノグリカンから選ばれる少なくとも1種の加工剤、
・2〜8%の少なくとも1種の皮膜形成剤、
・0.1〜8%の、可塑剤、界面活性剤および分散剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
・0.1〜4%の少なくとも1種のカップリング剤、
・0〜6%の少なくとも1種の添加剤、
を含むサイジング組成物。
【請求項2】
前記の加工剤が、100000超、好ましくは10×10未満、そして有利には5×10未満の平均分子量を示すことを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記の加工剤が、キサンタンまたはサクシノグリカンであることを特徴とする、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
前記のキサンタンが下記の式、
【化1】

(ここで、
はNa、Kまたは1/2Ca、
はHまたは−COCHであり、
、RはHもしくは、
【化2】

または、
はHであり、またRは−COCHであり、
n≧100、である)に相当することを特徴とする、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
前記のサクシノグリカンが下記の式、
【化3】

(ここで、
Acは−CO−CH
Sucは−CO−(CH−COOH、
はNa、Kまたは1/2Ca、
n≧80、である)に相当することを特徴とする、請求項3記載の組成物。
【請求項6】
前記の加工剤の含有量がサイジング組成物の0.15〜2質量%の範囲、好ましくは0.6質量%未満であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載のサイジング組成物。
【請求項7】
前記の皮膜形成剤がポリビニルアセテート、ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ化合物、ポリアクリル酸およびポリウレタンから選ばれることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載のサイジング組成物。
【請求項8】
前記の皮膜形成剤が、20000以上の質量を備えたポリビニルアセテート、エポキシ化合物およびポリエチレングリコールから選ばれることを特徴とする、請求項7記載のサイジング組成物。
【請求項9】
前記の皮膜形成剤の含有量がサイジング組成物の2.5〜7質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項記載のサイジング組成物。
【請求項10】
前記の可塑剤、界面活性剤および分散剤が脂肪族もしくは芳香族ポリアルコキシル化化合物(場合によってはハロゲン化、ポリアルコキシルか脂肪酸エステルである)およびアミン含有化合物のような有機化合物ならびにシリカ誘導体のような無機化合物から選ばれることを特徴とする、請求項1〜9いずれか1項記載のサイジング組成物。
【請求項11】
前記の可塑剤、界面活性剤および分散剤の含有量がサイジング組成物の0.15〜4質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項記載のサイジング組成物。
【請求項12】
前記のカップリング剤がシラン、チタン酸塩、ジルコン酸塩からなる群に属する加水分解可能な化合物から選ばれることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項記載のサイジング組成物。
【請求項13】
前記のカップリング剤の量がサイジング組成物の0.15〜2質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項記載のサイジング組成物。
【請求項14】
前記の添加剤が、滑剤、錯化剤、没食子酸もしくはホスホン酸誘導体、消泡剤、あるいは酸であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項記載のサイジング組成物。
【請求項15】
更に熱的に活性化することができるエポキシ化合物もしくはマスクドイソシアナートまたは少なくとも2つのカルボキシル官能基を有する有機酸を含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項記載のサイジング組成物。
【請求項16】
前記のエポキシ化合物およびイソシアナートが、1000未満、好ましくは700未満の分子量を示すことを特徴とする、請求項15記載のサイジング組成物。
【請求項17】
前記の酸が、1000未満、好ましくは500未満の分子量を示すことを特徴とする、請求項15記載のサイジング組成物。
【請求項18】
添加剤の総含有量が3%以下であることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項記載のサイジング組成物。
【請求項19】
固形分(乾燥抽出物)が3〜15%の範囲、好ましくは5〜10%の範囲であることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項記載のサイジング組成物。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項記載のサイジング組成物でコーティングされたガラスストランド。
【請求項21】
サイズ剤の量が最終的なストランドの0.2〜5質量%の範囲、好ましくは0.35〜3質量%の範囲であることを特徴とする、請求項20記載のガラスストランド。
【請求項22】
少なくとも1種の有機および/または無機材料ならびにガラスストランドを含む複合材料であって、該ガラスストランドが、その全てもしくは一部を請求項20または21記載のガラスストランドで構成される複合材料。
【請求項23】
ガラスの量が5〜60%の範囲であることを特徴とする、請求項22記載の材料。

【公表番号】特表2010−538176(P2010−538176A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523568(P2010−523568)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際出願番号】PCT/FR2008/051572
【国際公開番号】WO2009/044042
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(507392897)
【Fターム(参考)】