説明

ガラスフレーク基材を含む効果顔料

本発明は、コーティングを有するガラスフレークを基材として含む効果顔料に関し、前記コーティングは、少なくとも1層の少なくとも1種の高屈折率物質(前記物質は少なくとも1.8の屈折率を有する)、および/または少なくとも1層の少なくとも1種の半透明の金属質物質を含み、ここで、前記ガラスフレークが、前記ガラスフレークの重量を基準にして、以下の組成を有する:
65〜75重量%の酸化ケイ素、好ましくはSiO
2〜9重量%の酸化アルミニウム、好ましくはAl
0.0〜5重量%の酸化カルシウム、好ましくはCaO
5〜12重量%の酸化ナトリウム、好ましくはNa
8〜15重量%の酸化ホウ素、好ましくはB
0.1〜5重量%の酸化チタン、好ましくはTiO
0.0〜5重量%の酸化ジルコニウム、好ましくはZrO
本発明は、さらに、その効果顔料を製造するための方法、さらには前記効果顔料の使用にも関する。
本発明は、さらに、その効果顔料をベースとするコーティング配合物にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティングを有する、ガラスフレークを含む効果顔料に関するが、前記コーティングは、少なくとも1層の少なくとも1種の高屈折率物質(前記物質は少なくとも1.8の屈折率を有する)、および/または少なくとも1層の少なくとも1種の半透明の金属質物質を含む。本発明は、さらに、これらの効果顔料の使用、さらには前記効果顔料を含む配合物および調合物にも関する。さらに、本発明は、これらの効果顔料を製造する方法にも関する。本発明は、さらに、これらの効果顔料を含むコーティング組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年になって、効果顔料、特に真珠光沢顔料のための基材として、ガラスフレークがますます注目されるようになってきた。ガラスフレークまたはガラス微小板は極めて滑らかな表面を有しており、真珠光沢顔料における基材として従来から使用されているマイカ基材(WO 2005/063637 A1)に比較して、かなり均一な厚みで製造することができる。ガラスフレーク基材をベースとする真珠光沢顔料は、従来からのマイカベースの顔料と比較すると、改善された光学的性質、たとえば、より強い彩度、より高い色純度、およびより高い光沢を示す。
【0003】
US 3,331,699には、その上に金属酸化物化合物の極めて薄い造核表面をまず析出させた、実質的にガラスフレークからなる顔料組成物が開示されている。次いで、前記の薄い造核表面の上に高屈折率金属酸化物を沈殿させる。造核層は、酸化スズまたは酸化水酸化アルミニウムからなっていてよいが、その後に適用する金属酸化物層の接着性を改善する必要がある。WO 02/090448に示されるように、US 3,331,699の教示に従って得られる効果顔料は、今日における要請や期待のレベルでは品質的に劣っている。
【0004】
US 2,863,783には、真珠光沢組成物の中において、ガラスの微小板または薄板を使用することが開示されている。ガラスの薄板は、TiOの含量が50.4%、屈折率が1.80であると記載されている。そのような組成物は、真珠光沢顔料の基材物質として使用するには屈折率が高すぎる。さらに、それは極めて高い軟化点を有し、またTiOの含量が高いために極めて高価である。
【0005】
JP 7−246366には、二酸化チタンとシリカの層を交互にコーティングしたCガラスフレークをベースとする真珠光沢顔料が開示されている。JP 7−246366の教示においては、TiOの層の接着性を改善するために酸化スズも使用されている。
【0006】
EP 0 912 640 B1にも、その上に、酸化鉄またはルチル型二酸化チタンを含む第一のコーティングを有するCガラスのフレークを含む真珠光沢顔料が開示されている。EP 0 912 640 B1の教示に従うと、金属酸化物を用いてコーティングされたAガラスまたはEガラスのフレークをベースとしたのでは、高品質を有する真珠光沢顔料を得ることは不可能である。当業者であれば、EP 0 912 640 B1から、Cガラスのフレークが、高品質の効果顔料の製造を可能とする唯一のガラスフレークであるということを読み取る。
【0007】
WO 02/090448 A2においても同様に、1μm未満の厚みを有し、高屈折率および/または低屈折率を有する1層または複数層を用いてコーティングされたガラスフレークをベースとする効果顔料が開示されている。WO 02/090448 A2の教示に従えば、石英ガラスが、効果顔料のための基材として好適なガラスである。さらに、≧800℃の軟化点を有するその他の各種のガラス組成物、たとえば、Schott DuranまたはSupremaxタイプのものが使用可能である。
【0008】
800℃を超えるような軟化点を有するガラスのタイプは、そのガラスフレークを製造するためのコストが高くなるので不利である。効果顔料は印刷インキ、コーティング組成物、プラスチックなどにおいて大量に使用されるので、効果顔料を経済的に製造することを可能とするために、ガラスフレークの製造コストをより下げることが望まれる。
【0009】
EP 1 340 715には、その上にルチルタイプの酸化チタンを析出させたガラスフレークが開示されている。ルチルタイプの酸化チタンの固着性を促進させるためには、白金、パラジウムおよびパラジウム化合物の群から選択される化合物を、ガラスフレークにまず適用することができる。その教示によれば、ガラスフレーク基材のために使用されるガラスのタイプには特段の制限はない。
【0010】
DE 10 2004 039 554 A1には、ガラスフレークをベースとする真珠光沢顔料が開示されている。DE 10 2004 039 544 A1には、EP 1 340 715の場合と同様に、その使用特性では、ガラスフレーク基材の組成は重要ではないとの教示がある。
【0011】
JP 2005−187782 Aには、ガラスフレーク基材をベースとする真珠光沢顔料の使用が教示されているが、そのガラスフレーク基材は、ホウ酸または酸化鉛を全く含まないAガラスまたはEガラスの組成を有する。
【0012】
さらに、Al微小板をベースとする真珠光沢顔料が公知である。しかしながら、これらの真珠光沢顔料は、約30μm未満のサイズでしか入手できない。しかしながら、化粧料市場のための真珠光沢顔料の製造では、単一の基材原料をベースとして、各種のサイズの製品プログラムを提供することが求められている。SiOフレークは、製造コストが高く、一定の品質で製造するのが極めて困難である。それに加えて、それらは極端に高いカラーフロップ性を示すが、これは必ず要求されるというものではない。ガラスフレークは、効果顔料、特に真珠光沢顔料のための人工的な基材としては最善の選択となるであろうが、その理由は、それらがかなり低コストで再現性よく生産することが可能であり、また各種のサイズおよび厚みで入手可能であるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
真珠光沢顔料のための基材として、ガラスフレークがマイカまたはAl微小板の代替えとなりうることは公知であったが、特に化粧料に使用した場合に、より良好な光沢性と皮膚感触性を有する効果顔料が得られるような、さらに最適化されたフレークが依然として必要とされている。
【0014】
従来技術において直面する欠陥に鑑みて、経済的に製造することが可能であり、かつ現行技術において公知のものよりも高品質を有する効果顔料を製造することを可能とする、ガラスフレークをベースとする効果顔料を提供することが望まれる。
【0015】
さらには、低エネルギーコストで経済的に製造することが可能であり、次の層で均質にコーティングされて改善された光学的外観を有する真珠光沢顔料を与えることが可能な表面特性を有する、ガラスフレークを使用することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の根底にある目的は、コーティングを有するガラスフレークを基材として含む効果顔料を提供することにより解決されるが、前記コーティングは、少なくとも1層の少なくとも1種の高屈折率物質(前記物質は少なくとも1.8の屈折率を有する)、および/または少なくとも1層の少なくとも1種の半透明の金属質物質を含み、ここで、前記ガラスフレークが、前記ガラスフレークの重量を基準にして、以下の組成を有する:
65〜75重量%の酸化ケイ素、好ましくはSiO
2〜9重量%の酸化アルミニウム、好ましくはAl
0.0〜5重量%の酸化カルシウム、好ましくはCaO
5〜12重量%の酸化ナトリウム、好ましくはNa
8〜15重量%の酸化ホウ素、好ましくはB
0.1〜5重量%の酸化チタン、好ましくはTiO
0.0〜5重量%の酸化ジルコニウム、好ましくはZrO
【0017】
好ましい実施態様は、従属請求項2〜20において特定される。
【0018】
本発明のまた別な目的は、以下の工程を含む、効果顔料を製造する方法によって解決される:
(a)ガラスフレークの重量を基準にして、以下の組成:
65〜75重量%の酸化ケイ素、好ましくはSiO
2〜9重量%の酸化アルミニウム、好ましくはAl
0.0〜5重量%の酸化カルシウム、好ましくはCaO
5〜12重量%の酸化ナトリウム、好ましくはNa
8〜15重量%の酸化ホウ素、好ましくはB
0.1〜5重量%の酸化チタン、好ましくはTiO
0.0〜5重量%の酸化ジルコニウム、好ましくはZrO
を有するガラスフレークを、少なくとも1層の少なくとも1種の高屈折率物質(前記物質は少なくとも1.8の屈折率を有する)、および/または少なくとも1層の少なくとも1種の半透明の金属質物質を用いてコーティングする工程
(b)場合によっては、工程(a)により得られた前記層化されたガラスフレークをか焼する工程。
【0019】
本願発明者らは、ガラスフレーク基材の組成物に酸化チタンを添加することによって、それに続く層の接着強度に関して、有利な効果が得られることを見出した。驚くべきことには、前述したような少量の酸化チタンが、少なくとも1.8の屈折率を有する高屈折率物質、好ましくは(1種または複数の)金属酸化物、および/または金属質物質の次の層の接着強度を向上させる。
【0020】
効果顔料の機械的安定性は、あらゆる用途において根本的に重要である。
【0021】
たとえば、皮膚に化粧料配合物中の顔料を適用する際、顔料調合物もしくはマスターバッチの印刷や製造の際、または循環ラインの中で効果顔料の分散体をポンプ輸送する際の剪断力によって示されるような、機械的な応力がかかると、従来技術においては、(1または複数の)金属酸化物層、または(1または複数の)半透明の金属質層の部分的または全面的な層剥離が観察されることが多く、これは重大な問題を意味している。
【0022】
剪断力は、通常、効果顔料を混合や分散させる際や、ライン循環させる際や、適用自体、たとえばノズルスプレーの際などのいずれかで、かかってくる。たとえばパウダーラッカーのオーバースプレー分をリサイクルさせるような、適用した後で効果顔料をリサイクルさせる場合にも、リサイクルさせた効果顔料を再使用するためには、十分な機械的安定性が必要とされる。効果顔料が十分な機械的安定性を有していない場合には、顔料が損傷を受け、高品質用途では再使用することができない。
【0023】
したがって、高屈折率物質、たとえば、(1または複数の)金属酸化物層、および/または金属質物質、たとえば(1または複数の)半透明の金属質層が、後ほど剪断力を加えられた場合、たとえば効果顔料を含むプラスチックを押出加工する際に、破壊されたり剥離されたりすることを防止するためには、高屈折率物質、たとえば(1または複数の)金属酸化物層、および/または金属質物質は、基材に対して堅固に接着していなければならない。真珠光沢顔料の機械的安定性が不十分なために、ガラスフレークへの(1または複数の)金属酸化物層および/または(1または複数の)半透明の金属質層の接着性に限度があると、光沢および真珠光沢効果が顕著に損なわれる結果となる。少しの割合でしか顔料粒子が損傷を受けていないような場合であったとしても、顔料の最終用途、たとえば自動車のコーティングにおいて、色特性および輝度の顕著な低下を引き起こす可能性がある。
【0024】
驚くべきことには、本発明の効果顔料の製造に使用されるガラス組成物の中に、少量の酸化チタン、好ましくは二酸化チタンを組み入れることによって、接着強度をさらに改善することができる。本発明の効果顔料の、少なくとも1層の高屈折率物質および/または少なくとも1層の半透明の金属質物質は、酸化チタン、好ましくは二酸化チタンを含むガラスフレークに堅固に接着される。酸化チタンの含量は、前記ガラスフレークの重量を基準にして、好ましくは0.5〜2.5重量%の範囲、より好ましくは1〜2重量%の範囲である。
【0025】
TiOの含量が5重量%を超えても、請求項1において特定されるようなガラス組成物における次の層の接着強度がさらに改善されることはない。したがって、酸化チタンの含量をさらに増やすことは、必要もなくコストを上昇させ、ガラス基材と、少なくとも1つの高屈折率層および/または半透明の金属質層との間の屈折率の差を低下させることとなる。ガラスフレーク基材と、それに続く高屈折率物質および/または半透明の金属質物質の(1または複数の)層との間の屈折率の差が大きいほど、得られる真珠光沢顔料の干渉効果が強い。干渉効果が強くなると、たとえば、真珠光沢顔料のカラーフロップ性をより強くすることができる。
【0026】
さらに、発明者らは、本発明の真珠光沢顔料が優れた機械的安定性と低硬度とを有することを見出した。本発明の文脈においては、「機械的安定性」とは、機械的な力、たとえばライン循環、すなわち真珠光沢顔料を含む媒体を環状パイプを通してポンプ輸送する場合に、真珠光沢顔料に加わる剪断力に対して、真珠光沢顔料が安定であるということを意味している。真珠光沢顔料の硬度が低いことの大きな利点は、たとえば、その中を真珠光沢顔料含有媒体が、たとえば塗料または印刷インキとしてポンプ輸送されるパイプまたはノズルが、高い硬度を有する顔料の場合のような摩耗による損傷を受けることがないという点である。
【0027】
驚くべきことには、本発明の真珠光沢効果顔料は、まさに、優れた機械的安定性と低硬度の特徴を併せ持っている。硬度が低いのは、ガラス組成物の中における酸化アルミニウムおよび酸化カルシウムそれぞれの含量が低いことと関係があると考えられる。
【0028】
驚くべきことには、本発明の真珠光沢顔料は、より柔らかな皮膚感触性を有しており、そのことによって、これらの真珠光沢顔料が化粧料のための成分として特に有用となっている。
【0029】
好ましくは、前記ガラス組成物は、前記ガラスフレークの重量を基準にして、67〜73重量%の酸化ケイ素、好ましくはSiOの含量を有する。
【0030】
好ましくは、前記ガラス組成物は、前記ガラスフレークの重量を基準にして、4〜7重量%の酸化アルミニウム、好ましくはAlの含量を有する。
【0031】
好ましくは、前記ガラス組成物は、前記ガラスフレークの重量を基準にして、0.5〜2.5重量%、より好ましくは1〜2.5重量%の酸化カルシウム、好ましくはCaOの含量を有する。
【0032】
好ましくは、前記ガラス組成物は、前記ガラスフレークの重量を基準にして、8.5〜14重量%の酸化ホウ素、好ましくはB、より好ましくは9〜13重量%の酸化ホウ素、好ましくはBの含量を有する。
【0033】
好ましくは、前記ガラス組成物は、前記ガラスフレークの重量を基準にして、0.05〜3.0重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%の酸化ジルコニウム、好ましくはZrOの含量を有する。
【0034】
好ましくは、前記ガラス組成物は、前記ガラスフレークの重量を基準にして、6〜11重量%の酸化ナトリウム、好ましくはNaOの含量を有する。
【0035】
前記ガラス組成物のさらなる実施態様においては、以下のさらなる成分が含まれる:
それぞれ0〜6重量%、好ましくは1〜4重量%の、酸化カリウムおよび/または酸化リチウム、好ましくはKOおよびLiO、および/または0〜6重量%、好ましくは1.0〜4.0重量%の酸化マグネシウム、好ましくはMgO。
【0036】
上述のガラス組成物のすべての成分(上に記載されていない成分も含む)を合計したものは、それぞれを合わせて100重量%とする。
【0037】
本発明のガラスフレーク組成物は、その優れた耐食性を特徴とするCガラスではない。本発明の効果顔料のために使用されるガラスフレーク組成物は、Cガラスよりも耐食性が低い。特に蒸留水中および酸性環境下においては、本発明において使用されるガラスフレーク組成物の耐食性が低いことが判った。
【0038】
Cガラスフレークのみが高品質の真珠光沢顔料の製造に使用することができるという、EP 0 912 640 B1の教示から考えると、より低い耐食性を有するガラスフレーク組成物を用いて極めて高い光学的品質を有する真珠光沢顔料が得られるというのは、極めて驚くべきことである。
【0039】
TiOのような高屈折率物質を用いたガラスフレークのコーティングは、通常、pH1〜2の水性媒体中、高温で実施される。これらの条件下で低耐食安定性のガラスフレークを使用すると、イオンが溶解するためにガラスフレークの表面が極めて粗くなると、予想されるであろう。このことは、最終的に、光沢性および/またはカラーフロップ性のような光学的性質に関して、真珠光沢顔料の品質を低下させることになるであろう。
【0040】
驚くべきことには、本発明者らの見出したところでは、本発明のガラスフレーク組成物を使用して、Cガラスと比較しても、より高い光沢を有する真珠光沢顔料を製造することが可能である。
【0041】
理論に捕らわれることなく言えば、この予想もできなかった効果は、その高屈折率物質のコーティングの粒子サイズが極めて細かいためであると考えられる。高屈折率物質、特に金属酸化物が酸化物結晶粒の形態でコーティングされることは周知である。50nmを超える、たとえば75nmを超える、そしてたとえば100nmを超える範囲の、より大きな結晶粒は、顕著な散乱をもたらす可能性があり、それが、そのような真珠光沢顔料の光沢を低下させる。
【0042】
驚くべきことには、本発明において使用されるガラスフレークの表面上に形成された酸化物結晶粒が、極めて小さいかまたは細かく、その結果、金属酸化物層(1種または複数)を用いたコーティング、たとえば、酸化チタンおよび/または酸化鉄のコーティングが極めて滑らかとなり、そのために本発明の真珠光沢顔料の優れた光学的性質が得られるということが判った。
【0043】
本発明の組成物のガラスフレークがなぜそのような効果を与えるのかについては、現在のところ不明である。
【0044】
理論に捕らわれることなく言えば、一般的に使用されるCガラスに比較して、本発明のガラスフレークの耐食性が低いことが、上述の効果の理由であると現在のところ考えられている。TiOのような高屈折率物質のコーティングは、約1〜2の低いpH値で起きる。ガラスフレークの金属のいくつかはこれらの条件下で溶解する可能性があり、それによって傷が発生して、ガラスフレークの表面上に金属水酸化物と特にシラノール官能基を生成する確率が高くなる。これらのヒドロキシド基は、金属酸化物前駆体を沈殿させるための優れた結合部位、したがって核生成中心として機能することができる。したがって、金属酸化物は、ガラスフレークの表面により良好に結合するが、このことは、沈殿プロセスの極めて初期の段階においては非常に重要である。次いで、金属酸化物が、極めて細かい結晶粒サイズで沈殿することができる。高屈折率金属酸化物の結晶粒サイズがそのように細かくなると、その結果、散乱が低くなり、それによって光沢および光学的性質が向上する。
【0045】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記ガラス組成物が800℃未満の軟化点を有する。そのようなガラスは、より低いエネルギーコスト、したがってより低いトータルコストで製造することができる。本発明の一つの好ましい実施態様によれば、ガラス組成物の軟化点は、600℃から800℃未満まで、好ましくは620℃〜750℃、さらに好ましくは650℃〜700℃の範囲である。
【0046】
上述のガラス組成物が、本発明においては特に有用であることが判明した。従来技術においては、ガラスフレークの組成は、重要とはみなされていなかったか(たとえばEP 1 340 715 A1、またはDE 10 2004 039 554 A1参照)、あるいは、Cガラスのみが選択対象のガラスとみなされていたか(たとえばEP 0 912 640 B1参照)のいずれかであった。
【0047】
本発明の発明者らは、ガラス基材の表面の組成が、特にこれらのガラスフレークがいくつかの層でコーティングされている場合には、基材としてガラスフレークを使用した真珠光沢顔料の光学的性質に顕著な影響を与えることができることを実感した。本明細書に記載の組成を有するガラスフレーク基材を使用すれば、傑出した効果顔料が得られる。
【0048】
好ましくは酸化チタンを含む、本発明において使用されるガラスフレークは、1.8未満の屈折率を有しているのが好ましい。最も好ましくは、ガラスフレークの屈折率が1.40〜1.80の範囲内、より好ましくは1.45〜1.7の範囲内、最も好ましくは1.50〜1.60の範囲内である。
【0049】
本発明のまた別な好ましい実施態様によれば、酸化チタンを含むガラスフレークと、次いで適用される(1種または複数の)高屈折率物質の1層または複数層との屈折率の間の差は、少なくとも0.6、より好ましくは少なくとも0.8、さらに好ましくは少なくとも1.0である。また別な好ましい実施態様によれば、ガラスフレーク基材と、次いで適用される(1種または複数の)高屈折率物質の(1または複数の)層との間の屈折率の差は、0.9〜1.3の範囲である。
【0050】
請求項1において特定される二酸化チタンの含量を有する、ガラスフレークの上に、高屈折率物質として、2.7の屈折率を有するルチル変態の形態の二酸化チタンを適用すると、前記ガラスフレークとその次の二酸化チタン層との間に、0.9〜1.3、好ましくは1.0〜1.2の範囲に入る屈折率の差を得ることが可能となる。
【0051】
本発明の一つの実施態様によれば、1層または複数層の(1種または複数の)高屈折率物質、たとえば(1種または複数の)金属酸化物または(1種または複数の)金属硫化物を相互に直接的にコーティングすることが可能である。
【0052】
高屈折率物質、たとえば、(1種または複数の)金属酸化物、(1種または複数の)金属硫化物は、好ましくは少なくとも2.0、さらに好ましくは少なくとも2.2の屈折率を有する。本発明のまた別な実施態様によれば、(1種または複数の)高屈折率物質の屈折率は、少なくとも2.3である。屈折率は、2.7まで、2.9まで、または3.2までとすることができる。
【0053】
たとえば、TiOの層を、酸化チタン、好ましくはTiOを含むガラスフレークの表面上に直接的に適用した後に、次のFeの層を適用することもできるし、その逆も可能である。ガラスフレーク基材が、酸化チタン、好ましくはTiOを含んでいるならば、そのガラスフレーク基材そのものが、高屈折率物質、たとえばTiO、または金属質物質を用いて次いでコーティングするのに極めて適しているが、この場合、その次の(1または複数の)層がガラスフレーク基材に堅固に接着する。言うまでもないことであるが、各種の高屈折率物質、たとえば金属硫化物もしくは金属酸化物の混合物からなる層を直接的に適用することもまた可能である。金属酸化物の特に有用な混合物は、TiOとFeとの混合物である。
【0054】
本発明のまた別な実施態様によれば、ガラスフレークの表面に直接的に適用した高屈折率物質、たとえば、金属酸化物および/または金属硫化物の層を、酸化スズおよび/または酸化アルミニウムを用いてドープすることも可能である。酸化スズおよび/または酸化アルミニウムを用いたそのようなドーピングによって、ガラスフレークの表面上での高屈折率物質の層の間の接着力を向上させることもあり得る。酸化アルミニウムの中間層を適用したり、あるいはドーピング剤として酸化アルミニウムを使用したりする場合には、ベーマイト変態の形態にある酸化アルミニウムを使用するのが好ましい。
【0055】
本発明の一つの好ましい実施態様によれば、高屈折率物質は、金属カルコゲニド、特に金属酸化物、金属亜酸化物および金属硫化物、金属オキシハライド、金属窒化物、金属炭化物、半透明の金属ならびにそれらの混合物からなる群より選択される。
【0056】
好ましくは、前記高屈折率物質が、二酸化チタン、酸化鉄、たとえば、ヘマタイト、マグネタイト、ゲータイト、酸化クロム、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化バナジウム、酸化ニッケル、酸化アンチモン、酸化鉛、酸化銀、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、亜酸化物、ならびにそれらの混合物からなる金属酸化物の群から選択されるのが好ましい。
【0057】
本発明のまた別な実施態様によれば、前記高屈折率物質が、硫化チタン、硫化鉄、硫化クロム、硫化銅、硫化亜鉛、硫化スズ、硫化ニッケル、硫化バナジウム、硫化コバルト、硫化アンチモン、硫化鉛、硫化銀、ランタン硫化物、好ましくは、硫化セリウム、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化ジルコニウム、亜硫化物、ならびにそれらの混合物からなる金属硫化物の群から選択される。
【0058】
本発明の特に好ましい効果顔料は、請求項1に記載の組成を有するガラスフレークであって、特定の高屈折率物質を用いたコーティングを含むか、それらからなる:
ガラスフレーク+TiO層(そのTiOはルチル変態の形態にある)
ガラスフレーク+TiO層(そのTiOはアナターゼ変態の形態にある)
ガラスフレーク+Fe
ガラスフレーク+TiO/Fe層(そのTiOはルチル変態の形態にある)
ガラスフレーク+TiO/Fe層(そのTiOはアナターゼ変態の形態にある)
ガラスフレーク+TiO層+Fe層(そのTiOはルチル変態の形態にある)
ガラスフレーク+TiO層+Fe層(そのTiOはアナターゼ変態の形態にある)
ガラスフレーク+Fe層+TiO層(そのTiOはルチル変態の形態にある)
ガラスフレーク+Fe層+TiO層(そのTiOはアナターゼ変態の形態にある)
ガラスフレーク+TiFe
ガラスフレーク+Cr
ガラスフレーク+ZrO
ガラスフレーク+Sn(Sb)O
ガラスフレーク+BiOCl層
ガラスフレーク+Al層+TiO層(そのTiOはルチル変態の形態にある)
ガラスフレーク+SnO層+TiO層(そのTiOはルチル変態の形態にある)
ガラスフレーク+Al/TiO層(そのTiOはルチル変態の形態にある)
ガラスフレーク+SnO/TiO層(そのTiOはルチル変態の形態にある)
ガラスフレーク+Ce
ガラスフレーク+MoS層。
【0059】
TiOコーティングは、ルチルまたはアナターゼ変態の形態で存在することができるが、好ましくはルチルである。二酸化チタンコーティングをルチル変態の形態で適用するためには、SnO、AlまたはFeを含むかまたはそれらからなるプレコートをまず適用し、引き続いて二酸化チタンの次の層を適用する。SnOまたはFeのプレコートの厚みは、好ましくは<10nm、最も好ましくは<5nmである。
【0060】
高屈折率物質の層、たとえば金属酸化物層、たとえばTiO層またはFe層の厚みは、通常は0.1nm〜1000nmの範囲、好ましくは5nm〜500nmの範囲、より好ましくは10nm〜300nmの範囲である。高屈折率物質、たとえば(1種または複数の)金属酸化物の層の厚みも、25nm〜100nmの範囲とすることができる。上述の厚みの値は、(1または複数の)金属硫化物層にも同様にあてはまる。
【0061】
本発明のまた別な実施態様によれば、前記半透明の金属質物質は、アルミニウム、クロム、チタン、銅、銀、金、白金、モリブデン、鉄、スズ、亜鉛、タンタル、その混合物および合金からなる群より選択される。
【0062】
「半透明」という用語は、それぞれ、10〜90%、好ましくは30〜70%、最も好ましくは40〜60%の透明度を意味している。これらの透明度の金属薄層は、下にあるガラスフレーク基材と共に、干渉効果を起こさせることができる。
【0063】
これらの半透明の金属層の厚みは、好ましくは2nm〜20nmの間、好ましくは3nm〜15nmの間の範囲である。
【0064】
半透明の金属は、ガラスフレークの上に直接的にコーティングすることができる。この場合においては、かなり金属的な外観を有する干渉効果顔料が得られる。本発明のまた別な実施態様においては、高屈折率物質を用いてこの干渉顔料をさらにコーティングすることも可能である。
【0065】
本発明のまた別な実施態様においては、半透明の金属層を、高屈折率物質の第一の層の上にコーティングする。
【0066】
本発明の特に好ましい効果顔料は、請求項1に記載の組成を有するガラスフレークであって、特定の半透明の金属を用いたコーティングを含むか、それらからなる:
ガラスフレーク+Al層
ガラスフレーク+Ag層
ガラスフレーク+TiO層+Al層
ガラスフレーク+TiO層+Ag層
ガラスフレーク+Fe層+Al層
ガラスフレーク+Fe層+Ag層。
【0067】
金属層は、公知の方法、たとえばCVD法、PVD法によるか、または無電解めっき法によって析出させることができる。
【0068】
さらに好ましい実施態様においては、真珠光沢顔料が、少なくとも1層の低屈折率物質と、少なくとも1層の高屈折率物質とを含む。
【0069】
低屈折率物質とは、<1.8、好ましくは<1.7の屈折率を有する物質を指す。
【0070】
本発明のまた別な実施態様によれば、効果顔料が、低屈折率物質、および高屈折率物質、たとえば(1種または複数の)金属酸化物および/または(1種または複数の)金属硫化物の複数の層を含む。本発明のまた別な実施態様によれば、前記の低屈折率物質および高屈折率物質の層が、互いに交互に配列される。
【0071】
高屈折率物質と低屈折率物質との交互の層が特に好ましい。そのような真珠光沢顔料は特に強い干渉色を示すことが知られている。そのような交互の層を有する真珠光沢顔料は、たとえば、DE 196 18 566 A1、DE 196 38 708、JP 7−246366、EP 1 025 168 A1、またはEP 0 753 545 A2からも公知である。
【0072】
さらに、低屈折率物質が、シリカ、シリカ水和物、酸化水酸化ケイ素、酸化水酸化ケイ素水和物、アルミナ、アルミナ水和物、酸化水酸化アルミニウム、酸化水酸化アルミニウム水和物、およびそれらの混合物からなる群より選択されることが可能な金属酸化物であることが好ましい。
【0073】
1.8よりも高い屈折率を有する好適な金属酸化物の例は、TiO、Fe、TiFe、Ti亜酸化物、Fe、Cr、ZrO、ZnO、SnO、Sn(Sb)O、またはそれらの混合物である。
【0074】
TiO層は、ルチルまたはアナターゼ変態の形態であってよいが、好ましくはTiO層はルチルである。TiOおよび/またはFeを用いてコーティングされたガラスフレークが特に好ましい。
【0075】
一つの好ましい実施態様によれば、ガラスフレークが、1層または複数層の好ましくはTiO、Feおよびそれらの混合物からなる群より選択される金属酸化物を用いてコーティングされているのが好ましい。
【0076】
TiOおよび/またはFeの(1または複数の)層の厚み、ならびに低屈折率層の厚みに応じて、広い範囲の色彩効果を作ることができる。
【0077】
本発明のまた別な実施態様によれば、二酸化チタンの1または複数の金属酸化物層は、ルチル変態の形態にある。ルチルは、アナターゼに比較して、より高い屈折率を有しており、光活性はより低い。
【0078】
高屈折率コーティングの中にTiOを含む本発明の効果顔料を、屋外用途、たとえば自動車用途に使用する場合、それに続く保護コーティング、たとえば、酸化ケイ素および/または酸化セリウムの層を適用して、光活性を(いくらかでもあれば)抑制するのが好ましい。保護コーティングは、酸化ケイ素の第一の層と酸化セリウムの第二の層(またはその逆)からなるようにすることができるが、ここで、後者の層の配列が特に好ましい。
【0079】
さらに好ましい実施態様においては、真珠光沢顔料が、以下のコーティングを含む、いわゆる多層顔料である:
(A)屈折率nが>1.8で、かつ平均厚みが50〜350nmであるコーティング
(B)屈折率nが<1.8で、かつ平均厚みが50〜500nmであるコーティング
(C)屈折率nが>1.8で、かつ平均厚みが20〜350nmであるコーティング。
【0080】
コーティング(A)(B)または(C)の厚みは、等しくてもよいし、あるいは相互に異なっていてもよい。層(A)および(C)の厚みは、好ましくは20〜350nm、より好ましくは50〜250nm、特に好ましくは70〜150nmの範囲である。コーティング(B)は、好ましくは50〜500nmの、より好ましくは100〜200nmの、特に好ましくは130〜180nmの厚みを有し、好ましくはB、SiOおよび/またはAlである。
【0081】
コーティング(A)と(C)の厚みは、等しくてもよいし、あるいは相互に異なっていてもよい。最も好ましい実施態様においては、コーティング(A)および(C)は無色のコーティング、特にTiOコーティングである。TiOコーティングは、ルチルまたはアナターゼ変態の形態で存在することができるが、好ましくはルチルである。二酸化チタンコーティングをルチル変態の形態で適用するためには、SnO、AlまたはFeからなるプレコートをまず適用し、引き続いて二酸化チタンの次の層を適用する。SnOまたはFeのプレコートの厚みは、好ましくは<10nm、最も好ましくは<5nmである。
【0082】
本発明の特に好ましい多層真珠光沢顔料は、請求項1に記載の組成を有するガラスフレークであって、特定の高屈折率物質および低屈折率物質を用いたコーティングを含むか、それらからなる:
ガラスフレーク+TiO+SiO+TiO
ガラスフレーク+Fe+SiO+TiO
ガラスフレーク+TiO+SiO+TiO/Fe
ガラスフレーク+TiO/Fe+SiO+TiO/Fe
ガラスフレーク+TiO/Fe+SiO+TiO
ガラスフレーク+TiO/Fe+SiO+Fe
ガラスフレーク+Fe+SiO+TiO/Fe
ガラスフレーク+SiO+TiO+SiO+TiO
ガラスフレーク+SiO+Fe+SiO+TiO
ガラスフレーク+SiO+TiO+SiO+TiO/Fe
ガラスフレーク+SiO+TiO/Fe+SiO+TiO/Fe
ガラスフレーク+SiO+TiO/Fe+SiO+TiO
ガラスフレーク+SiO+TiO/Fe+SiO+Fe
ガラスフレーク+SiO+Fe+SiO+TiO/Fe
【0083】
本発明において使用されるガラスフレークは、好ましくは0.05〜10μm、さらに好ましくは0.1μm〜2.0μmの範囲の厚みを有する。本発明のまた別な実施態様によれば、ガラスフレークの厚みは、0.05μm〜1.0μm、より好ましくは0.1μm〜0.45μmの範囲である。
【0084】
極めて薄いガラスフレークが好ましいが、その理由は、それらを用いれば極めて鮮やかな色彩効果が得られるからである。ガラスフレークは、WO 2004/056716 A1、WO 2005/063637 A1、およびEP 0 289 240 A1に開示されている方法によって製造するのが好ましい(これらの特許を、参照することにより本明細書に取り入れたものとする)。
【0085】
さらに、本発明の効果顔料を含むコーティング組成物のためには、基材として極めて薄いガラスフレークを使用するのが好ましい。コーティング、特に自動車用コーティングは、適用する場合にかなり薄い厚みを有する。したがって、薄い基材をベースとする効果顔料は、コーティングの中において、それら自体が極めて良好に配列する傾向がある。
【0086】
本発明において使用されるガラスフレークの平均粒子サイズは、好ましくは1〜1000μmの範囲、より好ましくは5〜500μmの範囲である。ガラスフレークは、10〜200μmの範囲の平均粒子サイズを有しているのが好ましい。
【0087】
ガラスフレークのアスペクト比は、好ましくは20〜10,000の範囲、好ましくは200〜3,000の範囲である。本発明のまた別な実施態様によれば、アスペクト比は、300〜1,500の範囲である。
【0088】
高屈折率物質がTiOを、単独または他の化合物との混合物(たとえばTiO/Fe)で含む場合、真珠光沢顔料の光触媒活性を周囲から隔離させたいのならば、続いてSiOおよび/または酸化セリウムの層を適用するのが好ましい。そのような保護コーティングは、DE 10 2004 041 592 A1およびDE 10 2004 041 586 A1に記載されている(これらの特許の内容を、参照することにより本明細書に取り入れたものとする)。そのような効果顔料は、自動車用コーティングにおいて特に好ましい。
【0089】
さらに、プラスチック用途においては特に有用な、抗黄変処理を、コーティングされたガラスフレークに適用することもできる。そのようなコーティングは、DE 38 24 809、DE 44 29 797、およびEP 0 520 313に記載されている(これらの特許の内容を、参照することにより本明細書に取り入れたものとする)。
【0090】
高屈折率物質の(1または複数の)層、たとえば金属酸化物層、または低屈折率物質の層、たとえばSiOもしくはAlの層、または少なくとも1層の高屈折率物質を含むコーティングの表面上への独立した層の中に、染料、着色剤などの着色物質をさらに含ませることもまた可能である。そのような着色物質は、たとえば、カルミン、プルシアンブルー(シアノ鉄酸(II)第二鉄)、カーボンブラック、銅フタロシアニン、ジケトピロロピロリドン、キナクリドン、インドリン、イソインドリン、アゾ顔料、アントラキノン、FD&C染料またはFD&Cレーキとすることができる。
【0091】
本発明の効果顔料の表面が、有機化学的に修飾されていてもよい。そのような有機化学的表面修飾によって、リーフィング挙動または非リーフィング挙動を効果顔料に与えることができる。
【0092】
さらに、そのような有機化学的表面修飾には、コーティング、塗料、インキ、印刷インキなどの結合剤と化学反応することが可能な化学的反応性基を導入してもよい。反応性基を結合させた表面を結合剤と化学的に反応させることによって、得られるコーティングの耐候安定性が著しく改善される。そのような有機化学的表面修飾は、WO 99/57204から公知であるが、そこでは、反応性配向補助剤が効果顔料の表面に結合されている。WO 99/57204の内容を、参照することにより本明細書に取り入れたものとする。
【0093】
特に有用な、効果顔料の表面に結合させる反応性配向補助剤またはカップリング剤は、有用な有機官能基を有する以下の有機官能性シランである。Degussa、Rheinfelden、Germanyによって商品名Dynasylan(登録商標)で、またはOSi Specialtiesによって商品名Silquest(登録商標)で市販されているシランが特に有用である。さらに、Wacker AG、Munchen、Germanyによって商品名GENIOSIL(登録商標)で市販されているオルガノシラン、特にいわゆるα−シランもまた同様に使用することができる。
【0094】
以下の化合物が特に好ましい:3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan MEMO、Silquest A−174NT)、ビニルトリメトキシ[またはエトキシ]シラン(それぞれDynasylan VTMO,VTEO、それぞれSilquest A−151,A−171)、3−メルカプトプロピルトリメトキシ[またはエトキシ]シラン(Dynasylan MTMOまたは3201;Silquest A−189)、3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan GLYMO、Silquest A−187)、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(Silquest Y−11597)、ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(Silquest A−189)、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド(Silquest A−1289)、ビス−(3−トリエトキシシリル)ジスルフィド(Silquest A−1589)、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(Silquest A−186)、ビス(トリエトキシシリル)エタン(Silquest Y−9805)、ガンマ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(Silquest A−Link35、GENIOSIL GF40)、(メタクリルオキシメチル)トリメトキシ[またはエトキシ]シラン(GENIOSIL XL33、XL36)、(メタクリルオキシメチル)メチル[またはエチル]ジメトキシシラン(GENIOSIL XL32、XL34)、イソシアナトメチル)トリメトキシシラン(GENIOSIL XL43)、(イソシアナトメチル)メチルジメトキシシラン(GENIOSIL XL42)、(イソシアナトメチル)トリメトキシシラン(GENIOSIL XL43)、3−(トリエトキシシリル)プロピル無水コハク酸(GENIOSIL GF20)またはそれらの混合物。
【0095】
さらには、いわゆるα−シランもまたカップリング剤として使用することができる。
【0096】
本発明のまた別な好ましい実施態様によれば、好ましくは上述のシランに加えて、少なくとも1種のアミノ官能性シランを用いて効果顔料をコーティングすることができる。アミノ官能性は有機官能基であって、ほとんどの結合剤の化学基と化学的な相互作用を持つことができる。その相互作用は、たとえば結合剤のイソシアナト基との共有結合、結合剤のOH基もしくはCOOH基との水素結合、またはイオン的相互作用であってよい。アミノ官能性は、広く各種の結合剤と化学結合を作るには有用な化学的官能性である。
【0097】
以下の化合物が特に好ましい:アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan AMMO;Silquest A−1110)、アミノプロピルトリエトキシシラン(Dynasylan AMEO)またはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan DAMO、Silquest A−1120)またはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、トリアミノ官能性トリメトキシシラン(Silquest A−1130)、ビス−(ガンマ−トリメトキシシリルプロピル)アミン(Silquest A−1170)、N−エチル−ガンマ−アミノイソブチルトリメトキシシラン(Silquest A−Link15)、N−フェニル−ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン(Silquest Y−9669)、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン(Silquest Y−11637)、N−シクロヘキシルアミノメチルメチルジエトキシシラン(GENIOSIL XL924)、(N−シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン(GENIOSIL XL926)、(N−フェニルアミノメチル)トリメトキシシラン(GENIOSIL XL973)、またはそれらの混合物。
【0098】
本発明の効果顔料は、その光学的性質さらには機械的安定性に関して特有の品質を特徴としている。先にも説明したように、たとえば、効果顔料を循環ラインを通してポンプ輸送する時、もしくは顔料を塗料、インキ、プラスチックなどの中に混合する時、または、効果顔料の塗布、たとえばノズルスプレー作業の間、もしくは、使用後の効果顔料のリサイクル作業の間に、効果顔料には剪断力が加わることが多い。
【0099】
本発明の効果顔料は、多くの目的において有利に使用することができるが、その様な用途としては、たとえば、プラスチック、ガラス、セラミック製品、農業用フォイル、装飾的化粧料配合物、特にコーティング、特に自動車用コーティング、ならびに印刷インキを含むインキの着色が挙げられる。
【0100】
本発明の効果顔料は、従来からのすべての印刷プロセス、たとえば、オフセット印刷、凹版印刷、ブロンズ印刷、フレキソ印刷などにおいて使用することができる。本発明の効果顔料は、さらに、導電性顔料のような機能性顔料として、磁気顔料として、あるいはレーザーマーク可能な媒体製造のために使用することもできる。媒体は、たとえば、プラスチック、板材製品、または紙であってよい。本発明の効果顔料は、さらに、たとえば、マニキュア液、口紅、メイクアップ、ヘアケア製品、スキン配合物、マスカラ、アイシャドー、アイライナー、シャワージェル、シャンプー、ルージュ、パヒューム、オードトワレ、コスメティックパウダー(プレスドまたはルース)、練り歯磨き、または刺青配合物などの化粧料配合物中で使用することもできる。
【0101】
本発明の効果顔料は、また、充填顔料、透明顔料、または隠蔽白色、着色、黒色有機および/または無機顔料と混合した形で、上述の用途で有利に使用することもできる。本発明の効果顔料は、さらに、金属酸化物コーティングされたマイカ、TiOフレーク、SiOフレーク、もしくはAlフレーク、および、コーティングされるか、またはされていない、金属顔料、コレステリックフレーク、BiOCl顔料、微小板形状酸化鉄、もしくはグラファイトフレークをベースとする、慣用される透明、着色もしくは黒色真珠光沢顔料と混合した形で使用することも可能である。
【0102】
本発明の効果顔料は、慣用される効果顔料、たとえば金属効果顔料、もしくは真珠光沢顔料と組み合わせて、深み効果を有することが可能な、特に艶のある色合いを作るのに特に適している。本発明による効果顔料は、特に耐久性が高く、高光沢で、高彩度の真珠光沢顔料である。その金属効果顔料には、たとえば、アルミニウム、黄銅、銅、もしくは鉄、またはそれらの合金から製造した金属効果顔料が含まれる。
【0103】
さらに、本発明の顔料混合物には、有機もしくは無機着色剤、チキソトロピー剤、湿潤剤、分散剤、水、および/または有機溶媒、もしくは溶媒混合物などが含まれていてもよい。
【0104】
本発明の効果顔料は、自由流動性の顔料パウダーとして配合することができる。顔料パウダーは、粉塵飛散性が低いかまったくない、本発明の効果顔料のパウダーであるのが好ましい。
【0105】
本発明の効果顔料は、さらに、たとえば結合剤と組み合わせて、粒状物、ペレット、錠剤、またはペースト状粘稠物の形態で配合することも可能である。
【0106】
本発明の顔料混合物は、単純であり、取扱いやすい。その顔料混合物は、シンプルに混合することによって、それを使用するいかなる系の中にも組み入れることができる。顔料のための、手間のかかる摩砕および分散手順は必要としない。
【0107】
本発明の効果顔料は、材料、印刷インキ、プラスチック、農業用フィルム、ボタンペーストの顔料着色および/またはコーティングのため、種子のコーティングのため、食品の着色、食品、薬剤、もしくは化粧料配合物のコーティングのために使用することができる。
【0108】
顔料着色または着色のために使用される系の中における本発明の効果顔料の濃度は、一般的に、その系の全固形分含量を基準にして、0.01〜50重量%の間、好ましくは0.1〜5重量%の間である。その濃度は、一般的に、その特定の用途に依存する。
【0109】
本発明の顔料混合物を、着色プラスチックの重量を基準にして、0.1〜50重量%、特には0.5〜7重量%の量で含むプラスチックは、多くの場合、独特の輝度を特徴とする。
【0110】
コーティング分野、特に自動車の仕上げにおいては、ガラスフレークが、着色コーティング組成物の重量を基準にして、0.1〜10重量%の量で採用される。
【0111】
バインダー系の顔料着色において、たとえば、塗料、および、凹版印刷、オフセット印刷もしくはスクリーン印刷のための印刷インキの場合、顔料を、着色印刷インキ、塗料などの重量を基準にして、2〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、特には8〜15重量%の量で印刷インキの中に組み入れる。
【0112】
さらに、本発明は、本発明の効果顔料、バインダー、および所望により添加剤を含む顔料調合物を提供するが、前記調合物は、実質的に無溶媒で自由流動性の粒状物の形態である。
【0113】
そのような粒状物は、本発明の顔料を95重量%までの量で含むことができるが、その残りの量は、結合剤および/または溶媒および/または添加剤などである。本発明のガラスフレークが、バインダーと共に、および水および/または有機溶媒と共に、添加剤と共にもしくは添加剤なしで、ペースト化され、そのペーストが次いで乾燥されて、圧縮された粒子の形状、たとえば、粒状物、ペレット、ブリケット、マスターバッチまたは錠剤となっているような顔料調合物は、印刷インキのための前駆体として特に好適であるが、ただし、その用途に限定される訳ではない。
【0114】
本発明の根底にある目的は、さらに、請求項1〜20のいずれか1項の効果顔料を製造するための方法によって解決されるが、それに含まれるのは以下の工程である:
(a)ガラスフレークの重量を基準にして、以下の組成:
65〜75重量%の酸化ケイ素、好ましくはSiO
2〜9重量%の酸化アルミニウム、好ましくはAl
0.0〜5重量%の酸化カルシウム、好ましくはCaO
5〜12重量%の酸化ナトリウム、好ましくはNa
8〜15重量%の酸化ホウ素、好ましくはB
0.1〜5重量%の酸化チタン、好ましくはTiO
0.0〜5重量%の酸化ジルコニウム、好ましくはZrO
を有するガラスフレークを、少なくとも1層の少なくとも1種の高屈折率物質(前記物質は少なくとも1.8の屈折率を有する)、および/または少なくとも1層の少なくとも1種の半透明の金属質物質を用いてコーティングする工程、
(b)場合によっては、工程(a)により得られた前記層化されたガラスフレークをか焼する工程。
【0115】
一つの好ましい実施態様によれば、ガラスフレークは、少なくとも1層の高屈折率物質および/または少なくとも1層の少なくとも1種の半透明の金属質物質を用いて、湿式化学的コーティング法、物理蒸着法、化学蒸着法、または無電解めっきによってコーティングされている。
【0116】
たとえば、マイカベースの真珠光沢顔料の場合と同様にして、ガラスフレークをコーティングすることが可能である。金属酸化物を用いたコーティングは、各種公知の方法により達成してもよいが、たとえば、加熱またはアルカリにより金属塩を加水分解させて水和金属酸化物を析出させ、場合によってはその後でか焼する。
【0117】
その手順が含むことができるのは、一般的に、適切な溶媒、たとえば、有機溶媒もしくは水もしくは水/有機溶媒混合物の中にガラスフレークを分散させる工程と、その分散体を前駆体と組み合わせて、フレークの上に含水金属酸化物膜コーティングまたは半透明の金属質コーティングを形成させる工程である。前駆体は、金属塩であってよく、それは加水分解され、次いでガラスフレークの表面上に析出される。
【0118】
たとえば、ガラスフレークを水中に分散させ、適当な容器に入れてから、適当な金属塩を添加する。得られた分散体のpHを、金属塩を添加する間、適切な塩基、たとえば水酸化ナトリウムを同時に供給することによって適当なレベルに維持して、ガラスフレークの上に含水金属酸化物の沈殿を起こさせる。水性の酸、たとえば、塩酸を使用してpHを調節することができる。コーティングされた微小板は、所望により、洗浄、乾燥してから、か焼して最終的な顔料とすることができる。適当な手順は以下の特許に詳しく説明されている:US特許5,433,779、ならびに独国特許14 67 468、19 59 998、20 09 566、22 14 545、22 15 191、22 44 298、23 13 331、25 22 572、31 37 808、31 37 809、31 51 343、31 51 354、31 51 355、3211 602、および32 53 017(これらの特許の内容を、参照することにより本明細書に取り入れたものとする)。
【0119】
別の方法として、アルコキシ金属化合物を有機溶媒の中に分散させることも可能である。有機溶媒の重量を基準にして、たとえば約1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%の量の水を添加することによって、前記アルコキシ金属化合物の加水分解を開始させることができる。アルコキシ金属化合物を加水分解させた後には、ガラスフレークの表面の上に金属酸化物層が形成される。有機溶媒としては、好ましくはアルコール、たとえば、エタノール、n−プロパノールまたはイソプロパノール、およびそれらの混合物を使用することができる。
【0120】
湿式化学的コーティング法によって得られる効果顔料の特徴は、1または複数の均質な層が、ガラスフレーク、すなわちガラスフレークの全部の面と縁をくるみこんでいる点にある。
【0121】
本発明の効果顔料は、また、揮発性金属化合物の気相分解法、たとえばCVD(化学蒸着)法またはPVD(物理蒸着)法、または無電解めっき法によって、当技術分野で公知の手順に従って調製することもできる。
【0122】
本発明の根底にある目的は、さらに、請求項1〜20のいずれか1項の効果顔料を、プラスチック、コーティング、粉体コーティング、塗料、インキ、印刷インキ、ガラス、セラミック、農業用フォイル、化粧料、刺青配合物、および食品の中で使用することにより解決される。
【0123】
本発明の目的は、さらに、請求項1〜20のいずれか1項の効果顔料を含む配合物および調合物により解決される。前記配合物および調合物には、プラスチック、レーザーマーク可能なプラスチック、コーティング、粉体コーティング、塗料、インキ、印刷インキ、ガラス、セラミック、農業用フォイル、化粧料、刺青配合物および食品が含まれる。
【0124】
本発明の効果顔料を含むコーティングが特に好ましい。効果顔料を含むコーティング配合物は、少なくとも1種のバインダー、および少なくとも1種の溶媒、たとえば水および/または(1種または複数の)有機溶媒をさらに含んでいるのが好ましい。
【0125】
そのコーティングは、自動車用コーティング、粉体コーティング、さらには産業用コーティングを含むことができる。自動車用コーティングが特に好ましい。
【0126】
たとえば粉体ラッカーのような粉体コーティングにおいては、コーティング組成物を本質的に無溶媒とすることが可能であり、好ましくは無溶媒である。
【0127】
バインダーは、物理的、または熱的、または熱と化学線照射とで硬化可能であるのがよい。後者は、当技術分野ではデュアル硬化と呼ばれている。
【0128】
本発明の文脈においては、「物理的硬化」という用語は、コーティング物質から溶媒が失われることを通して、コーティングの内部で、バインダーのポリマー分子の環化を介して起きる結合を用いて膜が形成されることにより、コーティング物質の層を硬化させることを意味している(この用語に関しては、Roempp Lexikon、Lacke und Druckfarben、1998、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、Germany、73〜74ページ、“Bindemittel”を参照のこと)。別の方法として、膜形成は、バインダー粒子を融合させる方法によっても起きる(Roempp、前掲書中、274〜275ページ、“Haertung”を参照のこと)。この目的においては、架橋剤は、通常、必要としない。所望により、大気中の酸素によるか、加熱によるか、または、化学線照射に曝露させることによって、物理的硬化を支援してもよい。
【0129】
バインダーを熱的に硬化させることが可能である場合には、それらを熱的に外部架橋させたり自己架橋させてよいが、特に外部架橋させる。本発明の文脈においては、「自己架橋」という用語は、それ自体で架橋反応するバインダーの性質を指している。このための前提条件は、バインダーが、熱的な架橋のために必要となる相補的な反応性官能基の両方を既に含んでいるか、「それ自体で」反応することが可能な反応性官能基を既に含んでいるということである。その一方で「外部架橋」というのは、相補的な反応性官能基の一方がバインダーの中に存在し、他方が硬化剤または架橋剤の中に存在しているバインダーを指すのに使用される用語である。さらなる詳細については、Roempp、前掲書中、“Haertung”、274〜276ページ、特に275ページ下部を参照されたい。
【0130】
コーティングのバインダーは、オリゴマー性およびポリマー性樹脂である。オリゴマーは、分子の中に少なくとも2〜15個のモノマー単位を含む樹脂を意味している。本発明の文脈においては、ポリマーは、分子の中に少なくとも10個のくり返しモノマー単位を含む樹脂である。これらの用語についてのさらに詳しいことは、Roempp、前掲書中、425ページ、“Oligomere”を参照されたい。
【0131】
好適なバインダーの例としては、以下のものが挙げられる:エチレン性不飽和モノマーの、ランダム、交互および/またはブロックの、直鎖状および/または分岐状および/または櫛形の付加(コ)ポリマー、または重付加樹脂および/または重縮合樹脂。これらの用語については、Roempp、前掲書中、457ページ、“Polyaddition”および“Polyadditionsharze(Polyaddukte)”、ならびに463および464ページ、“Polyckondensate”、“Polykondensation”、および“Polykondensationsharze”、さらには、73および74ページ、“Bindemittel”を参照されたい。
【0132】
適切な付加(コ)ポリマーの例としては、以下のものが挙げられる:(メタ)アクリレート(コ)ポリマーまたは部分鹸化ポリビニルエステル、特に(メタ)アクリレートコポリマー、特にポリウレタン変性(メタ)アクリレートコポリマー。
【0133】
適切な重付加樹脂および/または重縮合樹脂の例としては、以下のものが挙げられる:ポリエステル、アルキド、ポリウレタン、ポリラクトン、ポリカーボネート、ポリエーテル、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂−アミンアダクト、ポリウレア、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル−ポリウレタン、ポリエーテル−ポリウレタン、もしくはポリエステル−ポリエーテル−ポリウレタン、特にポリエステルおよびポリウレタン。
【0134】
カルボキシル基を含み、好ましくは10〜100mgKOH/gバインダー、より好ましくは40〜80mgKOH/gバインダーの酸価を有しているバインダーを使用するのが好ましい。さらに、これらのバインダーが500〜約5,000g/モルの分子量を有しているのが好ましい。
【0135】
本発明の効果顔料のバインダーに対する重量比率は、10:1〜1:10、好ましくは5:1〜1:5、より好ましくは3:1〜1:3である。
【0136】
本発明のコーティング組成物は、水および/または(1種または複数の)有機溶媒をさらに含む。(1種または複数の)有機溶媒は、水と混和性であるのが好ましい。
【0137】
本発明の文脈においては、水と混和性である有機溶媒は、水といかなる割合でも混和する、典型的な塗料溶媒であって、たとえば以下のものが挙げられる:エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチルグリコール、およびそのメチル、エチルまたはプロピルエーテル、ケトンたとえばアセトンもしくはジアセトンアルコール、環状エーテル、たとえばテトラヒドロフランもしくはジオキサン、またはアミド、たとえばN,N−ジメチルホルムアミドもしくはN−メチルピロリドン(Paints Coatings and Solvents、edited by Dieter Stoye and Werner Freitag、second edition、Wiley−VCH、Weinheim and New York、1998、329および330ページ参照)。
【0138】
水と非混和性であるか、または水とほとんど混和しない有機溶媒は、水および溶媒を基準にして、20℃で、好ましくは10未満、より好ましくは9未満、特には8重量%未満の水に順応する。逆に、水は、水および溶媒を基準にして、20℃で、好ましくは6未満、より好ましくは5未満、特には4重量%未満で順応する。水と非混和性であるか、または水とほとんど混和しない適切な有機溶媒の例としては、以下のものが挙げられる:ケトン、たとえばメチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンもしくはトリメチルシクロヘキサノン、エーテル、たとえばジブチルエーテル、エステル、たとえば、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、エチルグリコールアセテートもしくはブチルグリコールアセテート、または高級アルコール、たとえばヘキサノール、シクロヘキサノール、トリメチルシクロヘキサノールもしくは2−エチル−1−ヘキサノール(イソオクタノール)(Paints Coatings and Solvents、edited by Dieter Stoye and Werner Freitag、second edition、Wiley−VCH、Weinheim and New York、1998、329および330ページ参照)。
【0139】
さらに、コーティング組成物は、場合によっては、適切な充填剤を含んでいてもよい。適切な有機および無機充填剤の例としては、以下のものが挙げられる:チョーク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸塩、たとえばタルク、マイカもしくはカオリン、シリカ、酸化物、たとえば水酸化アルミニウムもしくは水酸化マグネシウム、ガラスフレーク、または有機充填剤、たとえばポリマー粉体、特にポリアミドもしくはポリアクリロニトリルの粉体。さらなる詳細については、Roempp、前掲書中、250ページ〜、“Fuellstoffe”を参照されたい。微小板形状の無機充填剤、たとえばタルクもしくはマイカと、非微小板形状の無機充填剤、たとえばチョーク、ドロマイト、硫酸カルシウムもしくは硫酸バリウムとの混合物を使用するのが有利となるが、その理由は、この手段によって、粘度およびレオロジーを効果的に設定することが可能となるからである。
【0140】
本発明のコーティング物質は、さらに、たとえばナノ粒子、または熱的もしくは化学線照射により硬化することが可能な反応性希釈剤のような添加剤を含んでいてもよい。本発明の文脈においては、化学線とは、電磁照射、たとえば近赤外線、可視光線、UV照射またはX線、特にUVおよび粒子線、たとえば電子ビームである。
【0141】
さらに、本発明のコーティング組成物は、たとえば以下のさらなる添加剤を含んでいてもよい:UV吸収剤、光安定剤、フリーラジカル捕捉剤、熱不安定性のフリーラジカル開始剤、光重合開始剤および光共重合開始剤、架橋剤、熱架橋触媒、不揮発化剤、スリップ添加剤、重合禁止剤、消泡剤、乳化剤、湿潤剤、分散剤、接着促進剤、レベリング剤、膜形成補助剤、レオロジー調節添加剤(増粘剤)、難燃剤、乾燥剤、乾燥添加剤、皮張り防止剤、腐食防止剤、ワックス、および/または艶消し剤。
【実施例】
【0142】
以下の実施例で本発明をさらに説明するが、それらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0143】
実施例1:
200gのガラスフレーク(Glassflakes Ltd.Forster Street Leeds LS10 1PW、United Kingdom製)(表Aにおいて特定されるような組成を有し、平均粒子厚みが1μm、粒子直径が50〜150μmの範囲、d50が88μm)を、2Lの脱イオン水の中に分散させ、その懸濁液を撹拌下で80℃にまで加熱した。次いで、希塩酸を用いてそのpHを1.9に調節し、60mLの希塩酸中3gのSnCl・5HOの酸性溶液をその懸濁液に60分以内で添加した。それと同時に、水酸化ナトリウムの溶液(水中10%w/w)を計量注入して、pHを1.9の一定に維持した。スズ化合物を添加した後、反応混合物を15分間撹拌して、完全に沈殿させた。次いで、希塩酸を用いてそのpHを1.6まで下げ、TiClの水溶液(400gTiCl/L)を0.33mL/分で懸濁液に添加した。水酸化ナトリウム(水中10%w/w)を同時注入して、pH値を1.6の一定に維持した。4時間後に、鮮やかな銀の色調が得られた。TiCl溶液の添加を停止し、反応混合物をさらに15分間撹拌した。濾過により固形分を分離してから、脱イオン水を用いてそのフィルターケーキを洗浄し、650℃で30分間かけてか焼した。銀白色の反射色を有する極めて鮮やかな真珠光沢顔料が得られる。X線粉末回折分析によれば、そのTiOの結晶変態は純粋なルチルである。
【0144】
【表1】

【0145】
比較例2
表Bにおいて特定されるような組成を有し、50〜150μmの同じ粒子サイズおよびd50が87μmのECRガラス組成物のガラスフレークを使用して、実施例1と同じ手順を繰り返した。
【0146】
【表2】

【0147】
実施例3:
実施例1と類似であるが、ただし、TiCl溶液を0.33mL/分で23時間かけて添加すると、強い赤色の干渉色を有する真珠光沢顔料が得られた。
【0148】
比較例4
市販の真珠光沢顔料:Reflecks Sparkling Red(BASF Catalysts)。
【0149】
比較例5:
市販の真珠光沢顔料:Miraval 5422 Magic Red(MERCK)。
【0150】
実施例1および3、さらには比較例2、4および5の顔料を、慣用されるニトロセルロースラッカー(Erco Bronzelack、Dr.Renger、Germany)の中に混ぜ込み、コントラスト紙の上でドローダウンを作った。Micro−Tri−Gloss装置(Byk−Gardner)を使用して、その光沢を60度で測定した。その結果を表1に示す。
【0151】
【表3】

【0152】
実施例1の真珠光沢顔料の光沢は、比較例2の顔料よりも顕著に高い。いずれのサンプルも銀色の干渉色を示し、同程度の粒子サイズ、粒子サイズ分布および厚みであった。実施例3ならびに比較例4および5の赤色干渉色真珠光沢顔料、さらには本発明の顔料もまた、現行技術の顔料よりも高い光沢を示した。光沢における差は、銀色顔料の場合よりもさらに大きい。
【0153】
実施例6:
SnOの沈殿およびTiOの沈殿の初期段階を分析した。この目的のために、実施例1を実質的に繰り返したが、ただしコーティングされたガラスフレークの少量のサンプルを、反応混合物から所定の反応時間のところで取り出した(表1)。TiOを用いたコーティングは、2時間のところで最終的に停止した。
【0154】
サンプルは、真空下60℃で乾燥させた。最後にサンプルを、650℃で30分間かけてか焼した。
【0155】
SEMを用い、各種の倍率でサンプルの表面を分析した。
【0156】
比較例7:
比較例2を基材として比較例2のECRガラスのガラスフレークを使用して実質的に繰り返したが、ここで、実施例6におけるのと同じ反応時間にサンプルを取り出した。これらのサンプルを乾燥させてから、SEMにより分析した。
【0157】
【表4】

【0158】
図1a、bにおいて、表2にまとめた実施例6および比較例7の選択したサンプルのSEM写真を比較する。金属酸化物を用いてガラスフレークをコーティングする極めて初期の段階、たとえばSnOコーティングの15分後、およびTiOコーティングの5分後(図1a)では、実施例6の酸化物結晶粒は、比較例7に比較してはるかに小さいことが明瞭に認められる。図1bにおいては、さらなるコーティングの過程において、酸化物結晶粒がより大きく成長していることが見て取れる。しかしながら、実施例6の酸化物結晶粒は、常に、比較例7のそれに比較すると、顕著に小さいままである。か焼した後(サンプルg)であっても、その差は変わらない。したがって、か焼の際に起こりうるTiO層の再結晶過程でさえも、それより前に既に存在していた酸化物結晶粒の寸法における差に影響を与えない。サンプルgにおいては、100nmの範囲およびそれよりも大きいサイズを有する大量の酸化物結晶粒が比較例6では観察することができる。そのような粒子は、この顔料の光沢を既に大幅に低下させている。しかしながら、実施例6のサンプルgでは、そのような大きな酸化物粒子は認められない。
【0159】
サンプルgが、チタニアを用いて2時間かけてコーティングしたサンプルに相当することに注目されたい。しかしながら、銀の色調は、4時間のコーティング時間で達成される。したがって、サンプルgは「銀色の手前(pre−silver)」の真珠光沢顔料と呼ぶことができる。銀色は、一連の干渉の最初の色調として知られており、それに続けて金色、赤色、青色、緑色、そして次いで二次色となる。したがって、これらの着色真珠顔料は、さらにより大きな酸化物結晶粒を示し、光沢低下散乱効果がさらに増大するであろう。このようにして、本発明の真珠光沢顔料の酸化物結晶粒がより小さいという利点は、金属酸化物の厚みがより大きいところで次第に増大するであろう。
【0160】
皮膚感触性に関する試験
a 3点試験法
比較例8:
市販の化粧料用Firemist Blue(BASF Catalysts製の真珠光沢顔料)。
【0161】
実施例1の顔料と比較例8の顔料とを3点試験法で比較した。この試験は、2種類の顔料が皮膚感触性における差を示すかどうかを見ることを目的としている。
【0162】
手順:
2種類の異なった顔料の3つのコード付きサンプルをパネリストの前腕に塗布した。パネリストの腕を箱の中に入れさせて、パネリストが腕を見ることができないようにした。2つのサンプルは同一であり、1つのサンプルが別のものである。パネリストにサンプルを触らせて、次の問いに答えてもらった:「どの2つが同じだと思いますか?」。
【0163】
結果:
20人のパネリストの中の11人が正解であった。このことは、実施例1のサンプルと比較例8のサンプルが、有意に異なっていることを示している(α=0.05の有意水準)。
【0164】
b 皮膚感触性のパネル試験
実施例1および比較例2の顔料を用いて、皮膚感触性に関するパネル試験を実施した。
【0165】
手順:
2つのコード付きサンプルをパネリストの前腕に塗布した。パネリストの腕を箱の中に入れさせて、パネリストが腕を見ることができないようにした。パネリストにサンプルを触らせて、その2つのサンプルを「滑らかさ」のパラメータについて比較してもらい、それを0(滑らか)から10(粗い)の間でランク付けさせた。20人のパネリストに評価させた。
【0166】
この手順は、化粧料業界においては標準的なものであって、以下の文献に記載がある:Morten C.Meilgaard/Gail Vance Civille/B.Thomas Carr“Sensory Evaluation Techniques”;CRC Press、4th edition、Chapter 7:Attribute Difference Tests。
【0167】
結果:
サンプルのランク付けの平均値を統計学的に比較してみると、2つのサンプルは、滑らかさの点で有意に異なる皮膚感触性を有していることを示している(α=0.05の有意水準)。
【0168】
実施例1の顔料は、比較例2の顔料よりも有意に良好な皮膚感触性を有している。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】図1a:各種のプローブの倍率:50,000でのSEM写真
【図2】図1b:各種のプローブの倍率:50,000でのSEM写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティングを有するガラスフレークを基材として含む効果顔料であって、前記コーティングは、少なくとも1層の少なくとも1種の高屈折率物質(前記物質は少なくとも1.8の屈折率を有する)、および/または少なくとも1層の少なくとも1種の半透明の金属質物質を含み、
前記ガラスフレークが、前記ガラスフレークの重量を基準にして、以下の組成:
65〜75重量%の酸化ケイ素、好ましくはSiO
2〜9重量%の酸化アルミニウム、好ましくはAl
0.0〜5重量%の酸化カルシウム、好ましくはCaO
5〜12重量%の酸化ナトリウム、好ましくはNa
8〜15重量%の酸化ホウ素、好ましくはB
0.1〜5重量%の酸化チタン、好ましくはTiO
0.0〜5重量%の酸化ジルコニウム、好ましくはZrO
を有することを特徴とする、効果顔料。
【請求項2】
前記ガラス組成物が、前記ガラスフレークの重量を基準にして、0.5〜2.5重量%の範囲の酸化チタン、好ましくはTiOの含量を含む、請求項1に記載の効果顔料。
【請求項3】
前記ガラス組成物が、前記ガラスフレークの重量を基準にして、67〜73重量%の酸化ケイ素、好ましくはSiOの含量を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項4】
前記ガラス組成物が、前記ガラスフレークの重量を基準にして、4〜7重量%の酸化アルミニウム、好ましくはAlの含量を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項5】
前記ガラス組成物が、前記ガラスフレークの重量を基準にして、0.5〜2.5重量%の酸化カルシウム、好ましくはCaOの含量を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項6】
前記ガラス組成物が、8.5〜14重量%の酸化ホウ素、好ましくはBの含量を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項7】
前記ガラス組成物が、前記ガラスフレークの重量を基準にして、0.05〜3重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%の範囲の酸化ジルコニウム、好ましくはZrOの含量をさらに含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項8】
前記ガラス組成物が、前記ガラスフレークの重量を基準にして、6〜11重量%のNaOの含量を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項9】
前記ガラス組成物が、以下のさらなる成分:
それぞれ0〜6重量%、好ましくは1〜4重量%の、酸化カリウムおよび/または酸化リチウム、好ましくはKOおよびLiO、および/または
0〜6重量%、好ましくは1.0〜4.0重量%の酸化マグネシウム、好ましくはMgO、
を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項10】
前記ガラス組成物が、800℃未満の軟化点を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項11】
前記効果顔料が、少なくとも1層の低屈折率物質および少なくとも1層の高屈折率物質および/または半透明の金属質物質を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項12】
前記少なくとも1層の少なくとも1種の高屈折率物質が、金属カルコゲニド、特に金属酸化物、金属亜酸化物および金属硫化物、金属オキシハライド、金属窒化物、金属炭化物、ならびにそれらの混合物、からなる群より選択される、先行する請求項のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項13】
前記少なくとも1層の少なくとも1種の高屈折率物質が、二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化バナジウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化アンチモン、酸化鉛、酸化銀、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、亜酸化物、およびそれらの混合物、からなる金属酸化物の群より選択される、請求項12に記載の効果顔料。
【請求項14】
酸化スズおよび/または酸化アルミニウムが、前記ガラスフレークとそれに続く高屈折率物質の層との間にコーティングされている、先行する請求項のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項15】
前記高屈折率物質が、硫化チタン、硫化鉄、硫化クロム、硫化銅、硫化亜鉛、硫化スズ、硫化バナジウム、硫化コバルト、硫化アンチモン、硫化鉛、硫化銀、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化ジルコニウム、亜硫化物、およびそれらの混合物、からなる金属硫化物の群より選択される、請求項12に記載の効果顔料。
【請求項16】
前記少なくとも1層の低屈折率物質が、低屈折率金属酸化物、特にシリカ、シリカ水和物、酸化水酸化ケイ素、酸化水酸化ケイ素水和物、アルミナ、アルミナ水和物、酸化水酸化アルミニウム、酸化水酸化アルミニウム水和物、およびそれらの混合物、からなる群より選択される、請求項11に記載の効果顔料。
【請求項17】
前記ガラスフレークが、1層または複数層の、TiO、Fe、およびそれらの混合物からなる群より選択される金属酸化物を用いてコーティングされている、先行する請求項のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項18】
高屈折率物質が、ルチル変態の形態の二酸化チタンである、先行する請求項のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項19】
前記半透明の金属質物質が、アルミニウム、クロム、チタン、銅、銀、金、白金、モリブデン、鉄、スズ、亜鉛、タンタル、その混合物および合金、からなる群の金属より選択される、先行する請求項のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項20】
前記ガラスフレークの平均厚みが、0.05〜10μmの間、好ましくは100nm〜1.000nmの間の範囲にある、先行する請求項のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の効果顔料を製造する方法であって、
(a)ガラスフレークの重量を基準にして、以下の組成:
65〜75重量%の酸化ケイ素、好ましくはSiO
2〜9重量%の酸化アルミニウム、好ましくはAl
0.0〜5重量%の酸化カルシウム、好ましくはCaO
5〜12重量%の酸化ナトリウム、好ましくはNa
8〜15重量%の酸化ホウ素、好ましくはB
0.1〜5重量%の酸化チタン、好ましくはTiO
0.0〜5重量%の酸化ジルコニウム、好ましくはZrO
を有するガラスフレークを、少なくとも1層の少なくとも1種の高屈折率物質(前記物質は少なくとも1.8の屈折率を有する)、および/または少なくとも1層の少なくとも1種の半透明の金属質物質を用いて、コーティングする工程
(b)場合によっては、工程(a)により得られた前記層化されたガラスフレークをか焼する工程、
を含む方法。
【請求項22】
前記ガラスフレークが、湿式化学的コーティング法、物理蒸着法、化学蒸着法または無電解めっき法によって、少なくとも1層の高屈折率物質および/または金属質物質を用いてコーティングされる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
プラスチック、コーティング、粉体コーティング、塗料、インキ、印刷インキ、ガラス、セラミック、農業用フォイル、化粧料、刺青配合物、および食品における、請求項1〜20のいずれか1項に記載の効果顔料の使用。
【請求項24】
ガラスフレークの重量を基準にして、以下の化合物:
65〜75重量%の酸化ケイ素、好ましくはSiO
2〜9重量%の酸化アルミニウム、好ましくはAl
0.0〜5重量%の酸化カルシウム、好ましくはCaO
5〜12重量%の酸化ナトリウム、好ましくはNa
8〜15重量%の酸化ホウ素、好ましくはB
0.1〜5重量%の酸化チタン、好ましくはTiO
0.0〜5重量%の酸化ジルコニウム、好ましくはZrO
を含むガラスの、効果顔料のための基材としての使用。
【請求項25】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の効果顔料を含む配合物および調合物。
【請求項26】
前記配合物が、さらに少なくとも1種のバインダー、および少なくとも1種の溶媒、たとえば水および/または(1種または複数の)有機溶媒、バインダーおよび水および/または(1種または複数の)有機溶媒を含むコーティング配合物である、請求項25に記載の配合物。
【請求項27】
コーティング配合物が自動車用コーティング配合物である、請求項26に記載の配合物。




【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−538096(P2010−538096A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501440(P2010−501440)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【国際出願番号】PCT/EP2008/002711
【国際公開番号】WO2008/122420
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(502099902)エッカルト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (48)
【氏名又は名称原語表記】Eckart GmbH
【Fターム(参考)】