説明

ガラス光学素子の製造方法

【課題】Tgが550℃以上となる高温硝材からなる光学素子の外観不良を防止し、光学性能の高いモールドプレスレンズの製造方法を提供する。
【解決手段】転移点が550℃以上である光学ガラス(第一のガラス)からなる芯部と、前記芯部の表面を被覆する第二のガラスからなる被覆部とを有するガラス素材をレンズ形状にプレス成形して得られたプレス成形品をアニールし、次いで、プレス成形品の表面にある被覆層を除去してガラス光学素子を得ることを含む、ガラス光学素子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高精度のガラス光学素子の製造方法に関する。特に本発明は、撮像機器等の光学系に搭載される、充分に歪が小さいガラスレンズ等のガラス光学素子を、転移点が550℃以上である光学ガラスから、高い生産効率で製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プレス成形によって形成された光学機能面に対し、研削・研磨等の機械加工を要せずに充分な光学性能を充足する、精密モールドプレスにより、レンズ等の光学素子を製造する方法が知られている。また、ガラス光学素子の製造には、光学特性の管理が不可欠である。これは、ガラス光学素子が適用される光学製品の仕様から決定されるものであり、通常は所定の光学恒数(屈折率ndとアッベ数νdで代表させて表す場合が多い)を、その許容範囲(公差)と共に管理する。また、ガラス組成を種々選択する事によって種々の広範な光学恒数の光学ガラスを得ることができる事が知られている。
【0003】
ところで、カメラ、ビデオ、携帯端末等、小型撮像機器の高画素化、軽薄短小化に伴い、高屈折率を有する光学素材の必要性が増している。従来、高屈折率硝材としては、高分散のものが主であったが、上記のような小型撮像機器には、高屈折でありかつ分散があまり高くないものが必要である。しかも、非球面レンズが生産性高く製造できるためには、上記硝材であって、精密モールドプレスに適用可能な硝材が求められていた。
【0004】
精密モールド用の硝材としては、用いる成形型やその離型膜の耐久性を考慮し、Tgが低い方が好ましい。しかしながら、必要な光学恒数を満足させ、かつガラスとしての安定性を得るためには、Tgが高めになることは避けられない。
【0005】
本発明者らは、先に高屈折率であり、かつ中分散領域の精密モールド用硝材を提案した。例えば、屈折率ndが1.70〜1.90、アッベ数νdが25〜65のものなどである。この硝材は、上記光学恒数を満足し、結晶化しやすくなる傾向を防止する組成を選択するため、主としてTgが550℃以上の光学ガラスである。(特許文献1〜4)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−267748号公報
【特許文献2】特開2002−012443号公報
【特許文献3】特開2004−099428号公報
【特許文献4】特開2005−247613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような、Tgが550℃以上となる高温硝材からなる光学素子を熱処理し、屈折率を所望値とするためには、熱処理温度も高くなる。そのため、加熱、冷却時間が長くなって生産効率を悪くするのみでなく、高温に長時間晒された光学素子は、表面からの成分の揮発や、炉内の揮発不純物の吸着などよって、表面に変質層が形成される等の不都合がある。しかし、その一方で過度に低温の熱処理を適用すれば、屈折率の調整が不十分となる。
【0008】
具体的には、このような高温硝材からなる光学ガラスを所定体積、所定形状に予備成形したガラス素材を用い、精密モールドプレスを行ってレンズを成形し、離型後に当該レンズ内部の残留歪を低減させるためにアニールを行ったところ、レンズ表面にクモリ、白濁といった外観不良が発生する場合があること判明した。離型後のアニールは、除歪、及び/又は屈折率の調整を目的とするものであるが、Tg付近又はTg未満の適切な温度範囲にて行う。Tgが比較的高い硝材であれば、アニール温度も高めに設定される。例えば、(Tg−50℃)〜(Tg+20℃)である。温度域としては、例えば500℃〜600℃の付近となる。
【0009】
そこで本発明は、上記のような、Tgが550℃以上となる高温硝材からなる光学素子の外観不良を防止し、光学性能の高いモールドプレスレンズの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明者らは、上記アニールによって、ガラス成形体表面にクモリ、又は汚染の生じる原因について検討し、その結果、アニールの間に、ガラス成形体表面から、ガラスの成分の一部が揮発するために上記クモリおよび汚染が発生することを見出した。さらに、このクモリおよび汚染は、プレス成形されるガラス素材の表面に第二のガラスの被覆部を設け、この被覆部を設けたガラス素材をプレス成形し、第二のガラスが被覆された状態でアニールし、アニール後に第二のガラスの被覆層を除去することで、外観が良好で、かつ光学性能に優れたガラス光学素子が得られることを見いだして、本発明を完成した。
【0011】
本発明は以下のとおりである。
[1]転移点が550℃以上である光学ガラス(以下第一のガラスという)からなる芯部と、前記芯部の表面を被覆する第二のガラスからなる被覆部とを有するガラス素材をレンズ形状にプレス成形して得られたプレス成形品をアニールし、次いで、プレス成形品の表面にある被覆層を除去してガラス光学素子を得ることを含む、ガラス光学素子の製造方法。
[2]前記第一のガラスが、屈折率ndが1.7以上、アッベ数νdが25以上であることを特徴とする、[1]に記載の製造方法。
[3]前記第一のガラスは、B23、ZnO、La23およびZrO2を含む光学ガラスであって、モル%表示で、Li2Oを0〜15%含む(ゼロも含む)とともに、B23; 20〜50%、SiO2; 0〜20%、ZnO; 5〜42%、La23; 5〜24%、Gd23; 0〜20%(ただし、La23とGd23の合計量が10〜24%)、ZrO2; 0.5〜10%、Ta25; 0〜15%、WO3; 0〜20%、Nb25; 0〜20%、TiO2; 0〜20%、Bi23; 0〜10%、GeO2; 0〜10%、Ga23; 0〜10%、Al23; 0〜10%、RO; 0〜10%(R=Ca、Sr、Ba)、R2’O;0〜10%(R’=Na、K)、Y23; 0〜10%およびYb230〜10%を含むガラス(ガラスIa)であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]前記第一のガラスは、B23、La23およびZnOを含む光学ガラスであって、モル%表示で、B23; 20〜60%、SiO2; 0〜20%、ZnO; 2〜40%、La23; 5〜24%、Gd23; 0〜20%(ただし、La23とGd23の合計量が10〜24%)、ZrO2; 0〜10%、Ta25; 0〜10%、WO3; 0〜10%、Nb25; 0〜15%、TiO2; 0〜10%、Bi23; 0〜10%、GeO2; 0〜10%、Ga23; 0〜10%、Al23; 0〜10%、RO; 0〜10%(R=Ca、Sr、Ba)、R’2O; 0〜10%(R’=Li、Na、K)、Y23; 0〜10%およびYb23; 0〜10%、を含むガラス(ガラスIb)であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の製造方法。
[5]第二のガラスは、酸処理又はアルカリ処理におけるエッチングレートが、前記第一のガラスのエッチングレートよりも大きいことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]第二のガラスは、TiO2、Nb25、WO3およびBi23の合計含有量が5mol%以下であることを特徴とする[5]に記載の製造方法。
[7]第二のガラスは、La23、Y23、Sc23、Gd23、Lu23、ZrO2、HfO2のうちいずれか1種以上を含むことを特徴とする[5]または[6]に記載の製造方法。
[8]プレス成形品のアニールは、プレス成形品を(Tg−70℃)〜(Tg+20℃)に昇温した後、一定の温度で所定時間保持し、所定時間経過後、前記プレス成形品を冷却するように行う[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]プレス成形品の表面にある被覆層の除去を、所定の酸処理又はアルカリ処理によって行う[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ガラス転移点が550℃以上である光学ガラスからであっても、外観が良好で、かつ光学性能に優れたガラス光学素子が得られる。特に、本発明では、ガラス転移点が580℃以上である光学ガラスからであっても、外観が良好で、かつ光学性能に優れたガラス光学素子が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のガラス光学素子の製造方法は、転移点が550℃以上である光学ガラス(第一のガラス)からなる芯部と、前記芯部の表面を被覆する第二のガラスからなる被覆部とを有するガラス素材をレンズ形状にプレス成形して得られたプレス成形品をアニールし、次いで、プレス成形品の表面にある被覆層を除去してガラス光学素子を得ることを含む。
【0014】
[第一のガラス]
本発明において、第一のガラスは、転移点が550℃以上である光学ガラスである。ガラス光学素子の製造に当たり、転移点が550℃以上である光学ガラスからなるプレス成形品をアニールする場合、アニール工程は高温、及び/又は長時間となりやすい。その間、ガラス成形体表面から、ガラスの成分の一部が揮発するために上記クモリおよび汚染が発生しやすい。特に、Tgが580℃以上の高軟化点硝材、Tgが590℃以上の硝材には更にそのような傾向がある。本発明は、このような転移点が高い光学ガラスからなるプレス成形品内部の残留歪を低減させるためにアニール処理を行う必要がある場合に特に有効である。
【0015】
転移点が550℃以上である第一のガラスは、高屈折、低分散の高付加価値ガラス、例えば、屈折率ndが1.7以上、アッベ数νdが25以上であるガラスであることができる。
【0016】
第一のガラスの例としては、屈折率ndが1.7〜1.9、アッベ数νdが25〜60であるガラスを挙げることができる。(ガラスI)
【0017】
ガラスIには、更に(ガラスIa)は、Li23 0〜15%(ゼロを含む)、B23 20〜50%、SiO2 0〜20%、ZnO 5〜42%、La23 5〜24%、Gd23 0〜20%(ただし、La23とGd23の合計量が10〜24%)、ZrO2 0.5〜10%、Ta25 0〜15%、WO3 0〜20%、Nb25 0〜20%、TiO2 0〜20%、Bi23 0〜10%、GeO2 0〜10%、Ga23 0〜10%、Al23 0〜10%、RO 0〜10%(R=Ca、Sr、Ba)、R’2O 0〜10%(R’=Na、K)、Y23 0〜10%およびYb230〜10%を含むものであることができ、更に、上記であって、かつアッベ数(νd)が35以上40未満、より好ましくは、屈折率ndが1.86以上であるものを挙げることができる。ガラスIaの具体的なガラス組成の例を表1に示す。
【0018】
【表1】

【0019】
ガラスIの他の例としては、(ガラスIb)、B23、La23およびZnOを含む光学ガラスであって、モル%表示で、 B23 20〜60%、SiO2 0〜20%、ZnO 2〜40%、La23 5〜24%、Gd23 0〜20%(ただし、La23とGd23の合計量が10〜24%)、ZrO2 0〜10%、Ta25 0〜10%、WO3 0〜10%、Nb25 0〜15%、TiO2 0〜10%、Bi23 0〜10%、GeO2 0〜10%、Ga23 0〜10%、Al23 0〜10%、RO 0〜10%(R=Ca、Sr、Ba)、R’2O 0〜10%(R’=Li、Na、K)、Y23 0〜10%およびYb23 0〜10%、を含むものであることができ、更に上記であって、リチウムの含有量がLi2O換算で0.5モル%未満であるもの(ゼロの場合を含む)、更には、アッベ数(νd)が40以上である光学ガラスが挙げられる。また、上記ガラスは、屈折率ndが1.79以上であるものが挙げられる。ガラスIbの具体的なガラス組成の例を表2に示す。
【0020】
【表2】

【0021】
本発明の製造方法においては、第一のガラスからなる芯部と、芯部の表面を被覆する第二のガラスからなる被覆部とを有するガラス素材を用いる。このガラス素材は、第一のガラスからなるガラス素材(芯部)を形成し、その上に被覆部を形成することで得られる。第一のガラスからなるガラス素材(芯部)は、上記光学ガラスを冷間で切断・研磨等の加工によって予備成形するか、又は溶融状態で受け型に滴下、又は流下して熱間で予備成形したものとすることができる。好ましくは、熱間成形により、球形、両凸曲面形状などにすると、欠陥のない表面が、効率よく得られる。
【0022】
本発明では、最終的に光学素子となる所望の光学性能を有する第一のガラスを第二のガラスで被覆したガラス素材を用い、このガラス素材をプレス成形してプレス成形品を得て、当該プレス成形品の内部の残留歪を低減させるため、もしくは屈折率の調整のためにプレス成形品をアニールする。そしてアニールの際、高温に長時間晒される第一のガラスの表面に変質層が形成されないように、第一のガラスを保護するための被覆部を設ける。この被覆部は、以下に説明する第二のガラスからなり、プレス成形品をアニールした後は、所定の処理により除去される。
【0023】
第二のガラスからなる被覆部は、プレスの圧力によって、第一のガラスが所望の形状に変形、延展するとき、それに追従し、プレス成形が完了するまで第一のガラスを実質的に被覆できるものでなければならない。このため、被覆部の素材は、芯部と加熱環境における物理的特性が共通、又は近似する素材であるガラスを用いることが適切である。被覆部が第一のガラスを被覆する領域は、全域であることが好ましいが、少なくとも得られる光学素子の有効径領域が被覆されていれば良い。
【0024】
また、第二のガラスからなる被覆部は、所定の処理によって容易に除去し得る性質のガラス材料であることが好ましい。第二のガラスとして、例えば、所定の酸又はアルカリ処理におけるエッチングレートを、第一のガラスのエッチングレートよりも大きくすることで、プレス成形品のアニール処理後に被覆部を除去することができる。
【0025】
なお、上記所定の酸又はアルカリ処理とは、以下のとおりである。
本発明における酸処理は、酸性水溶液を用いてプレス成形品の被覆部を除去する処理であり、アルカリ処理は、アルカリ水溶液を用いてプレス成形品の被覆部を除去する処理である。酸性水溶液は、硫酸、硝酸、塩酸、酢酸、リン酸、フッ酸、スルファミン酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、マロン酸及びシュウ酸から選ばれる少なくとも1種の水溶液である。アルカリ水溶液は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水酸化アルカリ水溶液である。
【0026】
プレス成形後に被覆部を酸又はアルカリ処理によって除去する場合には、第二のガラスとしては、化学的耐性、例えば耐酸性、耐アルカリ性が、第一のガラスに対して相対的に低いガラスを用いることができる。そうすることによって、化学的処理(酸、アルカリ処理等)時の第一のガラスと第二のガラスとの間のエッチングレート比を高くすることが望ましい。第一のガラスのエッチングレートをR1とし、第二のガラスのエッチングレートをR2とし、その比ReをR2/R1と定義すると、logReは2以上、より好ましくは2.5以上、一層好ましくは3以上、更に好ましくは3.5以上、更に好ましくは4以上、一層好ましくは4.5以上、より一層好ましくは5以上、一層好ましくは6以上、特に好ましくはR1=0が好ましい。
【0027】
また、ガラス膜材(第二のガラス)のエッチングレート(D1)とガラス芯材(第一のガラス)のエッチングレート(D2)は、D1 > D2であり、かつD1=0.01〜0.50およびD2=0.000〜0.05であることが好ましい。さらに、好ましくは、D1 > 10×D2である。
【0028】
なお、ガラスのエッチングレートD1、D2は、ガラスを所定温度、所定濃度の酸あるいはアルカリ溶液に所定時間浸漬したときの、単位時間あたり平均重量減少率(重量%/min)により定義できる。
【0029】
以下の記載は本発明に適用される材料の形状を何ら規定するものではないが、例えば本発明の単位時間あたり平均重量減少率の算出においては、50℃の0.1N HNO3に、膜材と同じ組成から成る体積100〜1000mm3、表面積100〜1000mm2のガラスブロックを浸漬し、浸漬時間を変化させたときの1分間あたりの重量減少率として:
(浸漬前のガラス重量−浸漬後のガラス重量)/(浸漬前のガラス重量)/浸漬時間(分)×100(%)
を計算し、浸漬時間t(分)における重量減少率D(t)(t=10、15、20、25)の平均値を求め、浸漬時間10分〜25分における単位時間あたり平均重量減少率とすることができる。
【0030】
また、エッチングの時間を短縮するためには、第二のガラスの体積減少率の絶対値が大きい方が望ましい。例えば50℃の0.1N HNO3に浸漬したときの第二のガラスの体積減少率は、0.01%/分以上であることが好ましく、0.02%/分以上であることがより好ましく、0.04%/分以上であることがさらに好ましく、0.08%/分以上であることが一層好ましく、0.10%/分以上であることがよりいっそう好ましく、0.12%/分以上であることが特に好ましい。
【0031】
エッチングに用いる酸、又はアルカリ等に特に制約はないが、エッチング液の種類および濃度に特に限定はないが、硝酸、塩酸、硫酸、酢酸、リン酸あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液などをそれぞれ適宜希釈して0.1N〜0.0001Nの水溶液として利用するか、市販の混合酸や混合アルカリおよび洗浄液などを目的に合わせて使用することができる。この際、第一のガラスがエッチングされない程度に濃度を調整することが望ましい。特に、ガラス成分との反応による塩の析出のない硝酸や塩酸、水酸化ナトリウム等が望ましい。エッチング液とともに緩衝液、キレート材等も本発明の目的を損なわない程度に添加することができる。
【0032】
本発明においては、第二のガラスは、第一のガラスと同様、多成分系のガラスとすることが適当である。多成分系ガラスとは、石英ガラスのように単一の異原子間結合からなるものではなく、2つ以上の異原子間結合の集積から成り立つ組成物であり、複数種のカチオン及び/又はアニオンを含有する。
【0033】
多成分系のガラスのカチオン成分としては特に限定されないが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ホウ素、アルミニウム等の典型金属元素を、本発明の目的を損なわない程度に含有することができる。遷移金属元素も、上記の易還元成分を除けば、第一のガラスおよび第一のガラスと第二のガラスの集合体を光学素子に応用するという本発明の目的を損なわない程度に含有できる。多成分系のガラスのアニオン成分としても特に限定されないが、酸素、硫黄、フッ素、塩素などを含有することができる。
【0034】
第二のガラスとしては、具体的には以下のものが挙げられる。
第二のガラスは、W、Ti、Bi、Nbからなる易還元成分をいずれも含有しないか、あるいは酸素欠損が形成されやすい酸化物TiO2、Nb25、WO3およびBi23の合計含有量が5mol%以下であることが好ましい。
【0035】
また、第二のガラスは、酸素欠損が比較的形成されにくい酸化物であるLa23、Y23、Sc23、Gd23、Lu23、ZrO2、HfO2のうちいずれか1種以上を含むことが好ましい。
【0036】
本発明の第二のガラスに適した多成分系ガラスは、例えば、SiO2、P25、B23、Al23、GeO2、Ga23 を、ガラスフォーマーとして含有したガラスとすることができる。更に、このガラスは、転移点Tgが400℃〜750℃の範囲内のものとすることができる。
【0037】
第二のガラスとして用いる多成分系のガラスとして、後述する実施例1〜14( 表4)に記載のガラスを挙げることができる。これらのガラスは、共通特性として以下の点(1)および(2)を有する。
(1)TiO2、Nb25、WO3、Bi23のような、酸素欠損が形成されやすい酸化物の含有量が少ない(5mol%以下)こと
(2)PbOを含まない
【0038】
さらに、第二ガラスの別の例として、後述する実施例15〜39(表5)に記載のガラスを挙げることができる。これらのガラスは、共通特性として以下の点(1)および(2)を有する。
(1)TiO2、Nb25、WO3、Bi23のような、酸素欠損が形成されやすい酸化物の含有量が少ない(5mol%以下)こと
(2)耐酸性が低いこと(芯ガラスよりもエッチングされ易い)
・単体で耐水性の低いホウ酸および/またはリン酸を必須成分として含む。
・軟化温度(Tg)調整のために、アルカリ土類元素および/またはアルカリ元素を任意成分として含む。
・低すぎる耐酸性の調整、およびガラスの熱的安定性向上のために、SiO2やAl23を任意成分として含む。
・酸素欠損が比較的形成されにくい酸化物であるLa23、Y23、Sc23、Gd23、Lu23、ZrO2、HfO2等を任意成分として含む。
【0039】
特に、後述する実施例15〜39に挙げたガラスは、さらに、以下のように分類することができる。
【0040】
【表3】

【0041】
第二のガラスからなる被覆部は、第一のガラスからなるガラス素材(芯部)に、公知の被覆方法を用いて形成することができる。被覆方法としては、スパッタ法、真空蒸着法などの成膜法を用いることができる。例えば、第二のガラスをターゲットとし、アルゴンガスを用いたスパッタ法によって、第二のガラスによる被覆層を形成することができ、好ましい。
【0042】
膜厚は厚すぎると、ガラス素材をプレス成形する際に、芯部のガラスが変形し、延展するとき、被覆部が追従できず、亀裂が生じやすい。また、膜厚が小さすぎると、やはり、ガラス素材表面の一部分が露出し、成形型との間の反応を生じやすい。膜厚範囲は、0.1〜1000nmが好ましく、より好ましくは、0.1〜500nm、さらに好ましくは、2〜100nm、が好適である。好ましくは、被覆部は、芯部全体を包むように被覆する。
【0043】
[プレス成形工程]
第一のガラスからなる芯部と、芯部の表面を被覆する第二のガラスからなる被覆部とを有するガラス素材は、プレス成形工程に付される。プレス成形工程は、常法により実施できる。
【0044】
プレス成形方法について説明する。プレス成形に用いる成形型としては、充分な耐熱性、剛性を有し、緻密な材料を精密加工したものを用いることができる。例えば、例えば、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステン、酸化アルミニウムや炭化チタン、ステンレス等金属、あるいはこれらの表面に炭素、耐熱金属、貴金属合金、炭化物、窒化物、硼化物などの膜を被覆したものを挙げることができる。
【0045】
成形面を被覆する膜としては、炭素を含有するものが好ましい。該炭素含有膜としては、非晶質及び/又は結晶質の、グラファイト及び/又はダイヤモンドの、単一成分層又は混合層から構成されているものを用いることが好ましい。この炭素膜は、スパッタリング法、プラズマCVD法、CVD法、イオンプレーティング法等の手段で成膜することができる。例えば、スパッタガスとしてArの如き不活性ガスを、スパッタターゲットとしてグラファイトを用いてスパッタリングにより成膜することができる。或いは、マイクロ波プラズマCVD法により原料ガスとしてメタンガスと水素ガスを用いて成膜してもよい。イオンプレーティング法により形成する場合には、ベンゼンガスを用い、イオン化して用いることができる。これらの炭素膜はC−H結合を有するものを含む。
【0046】
プレス成形は、例えば以下のような方法で行うことができる。
プレス成形にあたっては、成形型(上型、下型、及び胴型を含む)とガラス素材をプレスに適した温度域に昇温する。例えば、ガラス素材と成形型が、ガラス素材の粘度が105〜1010dPa・sになる温度域にあるときプレス成形を行うことが好ましい。ガラス素材を成形型に導入し、ガラス素材と成形型をともに上記温度範囲に昇温してもよく、又はガラス素材と成形型をそれぞれ上記温度範囲に昇温してから、ガラス素材を成形型内に配置してもよい。更に、ガラス素材を105〜109dPa・s粘度相当、成形型をガラス粘度で109〜1012dPa・s相当の温度にそれぞれ昇温し、ガラス素材を成形型に配置して直ちにプレス成形する工程を採用してもよい。この場合、成形型温度を相対的に低くすることができるため、成形装置の昇温/降温サイクルタイムを短縮できるとともに、成形型の熱による劣化を抑制できる効果があり、好ましい。いずれの場合も、プレス成形開始時、又は開始後に冷却を開始し、適切な荷重スケジュールを適用しつつ、成形面とガラス素子の密着を維持しながら、降温する。この後、離型して成形体を取り出す。離型温度は、1012.5〜1013.5dPa・s相当で行うことが好ましい。
【0047】
[アニール工程]
本発明はプレス成形工程の後、成形型から取り出した成形体に対して再加熱、再冷却を施すアニール工程を必要とするが、本発明のアニールは、多数個の成形体に対して同時に行うことができるため、成形サイクルタイムには影響せず、生産効率を殆ど低下させない。本発明においてアニールは、再加熱、再冷却によりガラス内部の残留歪を低減させる工程であり、このときに屈折率も変動し、所望の光学素子に必要な屈折率に近づく。即ち、本発明においてアニールとは、熱処理とそれに次ぐ冷却によりガラス内部の残留歪を低減させ、又は、それと共に屈折率を調整する工程である。
【0048】
上記プレス成形工程によって得られた成形体を複数個(例えば100個〜1000個)、アニールするための加熱炉に収容する。加熱炉内の雰囲気に特に制約は無いが、好ましくは酸素濃度0〜5vol%とすることにより、炉の構成物質の酸化や、それに起因するレンズの汚染が避けられる。
【0049】
再加熱に際しては、成形体を導入した炉内を、例えば、60〜300℃/hrの昇温速度で加熱することができる。その後、例えば、(Tg−70℃)〜(Tg+20℃)、好ましくは(Tg−50℃)〜(Tg+20℃)、より好ましくは、(Tg−60℃)〜(Tg−20℃)、更に好ましくは、(Tg−50℃)〜(Tg−20℃)において、所定時間保持する。これにより成形体の形状精度が良好に維持される。膜除去温度からアニール温度までの昇温は、1時間以上が好ましく、このときの昇温速度は上記のように60〜300℃/hrであることが適当である。アニール温度での保持時間は、例えば、0.5〜6時間とすることができ、2〜4時間であることが好ましい。
【0050】
アニール温度からの降温速度は、100℃/hr以下、更には80℃/hr以下が好ましい。上記保持温度及び降温速度は、得られる光学素子の残留歪が、光学有効径の全域にわたり、光軸方向の複屈折で0.01〜60nm以下となるように選択することが好ましい。より好ましくは0.01〜20nmとなるように行う。さらに、アニール温度からの降温速度は、得られる光学素子の残留歪が、複屈折で10nm以下となるように選択することがより一層好ましい。最も好ましくは1nm以下となるように行う。例えば、60℃/hr以下、より好ましくは20〜60℃/hrである。
【0051】
尚、ガラス温度が十分冷却され、例えばTg−180℃程度に達したら、ガラスが割れない範囲で急冷してもかまわない。例えば、100℃/hr、又はそれ以上の冷却を行うことが可能である。このようにして、室温又は100℃以下程度の温度に達したら炉から取り出すことができる。
【0052】
ガラス光学素子の製造に際しては、アニール工程を設けることが知られている。この工程では、成形したガラス光学素子に一定の熱処理を施すが、主として目的は歪の除去と、屈折率の調整であり、屈折率調整に関しては、均一で所望の屈折率を有するガラス光学素子を得るために有効である。
【0053】
本発明は、上記のとおりTgが比較的高い(すなわち、アニール温度が比較的高い)光学ガラスを用いたモールドプレスレンズに特に有効である。
【0054】
[被覆層の除去工程]
アニール工程後、プレス成形品表面から被覆層を除去する。除去方法としては、物理的に除去してもよく、又は、化学的に除去しても良い。物理的除去としては、研磨布による方法などを適用でき、化学的除去方法としては、エッチングによることができる。エッチングによって被覆膜を除去するためには、前述のように、第二のガラスとして第一のガラスに対して、酸、アルカリに対するエッチングレートの高いものを選択することが好適である。
【0055】
エッチングの工程は、例えば、エッチング→リンス→乾燥の順に行うことができる。
例えば、プレス成形によって得られた成形体を治具等にセットし、エッチング液の入った容器に所定時間浸漬(例えば10〜300秒)し、被覆層を除去したのち、水の入った容器に浸漬して成形体表面からエッチング液を除去し、乾燥機にて成形体表面の水を除去し、乾燥した成形体を得る。上記のいずれかの工程の後、洗浄工程によって成形体表面の清浄度を高めることもできるが、成形体表面の清浄度を高める観点からは、乾燥工程の前にレンズ洗浄工程を通過させることが望ましい。
【0056】
エッチング液の種類および濃度に特に限定はないが、硝酸、塩酸、硫酸あるいはそれらの一種以上を含む混合液、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液などをそれぞれ適宜希釈して0.0001N〜1Nの水溶液として利用するか、市販の混合酸や混合アルカリおよび洗浄液などを目的に合わせて使用することができる。
【0057】
尚、上記エッチング工程は、プレス成形によって得られた成形体に対し、アニール、及び/又は芯取工程を施した後に、行うことが好ましい。
【0058】
本発明の光学素子の用途、及び形状に制約は無い。具体的には、撮像機器を構成するレンズ、光ピックアップレンズ、コリメータレンズなどの用途とすることができる。また、形状は、両凸、両凹、メニスカス形状のいずれにも適用できるが、凹メニスカス形状、及び両凹形状のレンズの成形においては、光学有効径内のガラス体積が相対的に小さく、プレス成形によって該範囲内の光軸方向の歪を比較的小さくしやすいため、本発明が有利に適用できる。特に、光学有効径内の肉厚が1mm以下のものについては、本発明が特に好適に適用できる。
【実施例】
【0059】
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0060】
第一のガラスとして、上記表1に示した例2の光学ガラスA(網目形成成分としてB23とSiO2を合計で48mol%含み、Tg=557℃、nd=1.827、νd=38.12)を用いて、直径16mmの凸メニスカス形状のガラスレンズをプレス成形した。
【0061】
まず、光学ガラスAを、溶融状態から受け型に滴下、冷却し、球形状を扁平にした両凸曲面形状のガラス塊を予備成形した。次いで、表4および5に示す実施例1〜39の多成分ガラスであるガラスBのいずれかをターゲットとして用い、スパッタ法により、予備成形された上記ガラス塊の表面に、厚さ13nmの被覆部を形成して、実施例1〜39の芯部の表面を被覆する被覆部とを有するモールドプレス用ガラス素材を得た。
【0062】
【表4】

【0063】
【表5】

【0064】
表中「Tg-TMA」:ガラス転移温度
「Ts」:屈伏点
「α100-300」:高温域(100-300℃)の線膨張係数
「FA」:摩耗度(数値が大きいほど摩耗し易い)
「D-HNO3」:エッチングレート
【0065】
エッチングレートは、 50℃の0.1N 硝酸(HNO3)に10分〜25分ひたづけしたときの1分間あたりの平均重量減少率(wt%/min)である。尚、ここでは体積360mm3、表面積325mm2のサンプルを用いており、1分間あたりの平均重量減少率=0.1(wt%/min)のときの1分間あたりの平均厚み減少速度は、0.1(wt%/min)×360/325≒1.1(μm/min)となる。
【0066】
次に、上記被覆後のガラス塊の表面に、炭素含有膜を形成した。すなわち、被覆部を設けたガラス塊を収容した反応器を排気後、炭化水素(ここではアセチレンガスを用いた)を導入して接触させ、熱分解させることガラス素材表面に炭素系膜を形成した。
【0067】
上記被覆後のものをガラス素材とし、プレス成形に用いた。すなわち、成形面に炭素含有離型膜が成膜されたSiC製の上下型と、胴型からなる成形型を用い、この成形型をガラスAの粘度で108.5dPa・s相当の温度に加熱するとともに、ガラス素材の粘度が107.2dPa・sとなる温度に加熱して、ガラス素材を成形型に供給した。供給に際しては、分割可能な型上に、気流を噴出させた状態でガラス素材を保持し、加熱によりガラス素材が軟化した状態で、型を分割させて、下型上に落下供給した。
【0068】
供給直後に上下型間でガラス素材を所定の荷重でプレスし、ガラスと上下型の密着を維持したまま、ガラスAの徐冷温度以下の温度まで冷却し、成形型内から成形体を取り出した。上記プレス成形により、100個の連続成形を行った。
【0069】
次に、得られた成形体を、520℃の加熱炉に2時間保持し、その後-50℃/hで降温し、アニールした。アニール後の成形体を、芯取機によって芯取し、成形体外周を除去するとともに、外径中心を光軸と一致させた。
【0070】
次いで、成形体の表面に形成されている被覆部を除去するために、エッチング処理を行った。具体的には、成形体を50℃の0.1N HNO3水溶液に300秒浸漬し、引き上げた後、純水で洗浄し、乾燥させた。
【0071】
最後に、洗浄後の成形体に、反射防止膜を形成し、ガラスレンズとした。実施例1〜39のいずれの場合も、得られたガラスレンズの形状精度、外観ともに、光学機器の仕様を充分充足するものであった。
【0072】
比較の目的で、上記予備成形した、光学ガラスAからなるガラス塊の表面に、被覆部を設けず、炭素含有膜のみを製膜したサンプルを作製した。この比較サンプルを、上記と同様の連続プレスに供したところ、1個目から、成形体表面にキズ状の表面反応痕が見られた。20個成形後の成形型を観察したところ、表面に炭素あるいは炭素とガラスとの反応物と見られる融着物が付着していた。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明にかかる方法により、ガラス転移点が550℃以上である光学ガラスからであっても、充分に歪が小さく、外観が良好で、かつ高屈折率で光学性能に優れたガラス光学素子が得られる。これらの、ガラス光学素子は、撮像機器等の光学系に搭載されるガラスレンなどに好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転移点が550℃以上である光学ガラス(以下第一のガラスという)からなる芯部と、前記芯部の表面を被覆する第二のガラスからなる被覆部とを有するガラス素材をレンズ形状にプレス成形して得られたプレス成形品をアニールし、次いで、プレス成形品の表面にある被覆層を除去してガラス光学素子を得ることを含む、ガラス光学素子の製造方法。
【請求項2】
前記第一のガラスが、屈折率ndが1.7以上、アッベ数νdが25以上であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第一のガラスは、B23、ZnO、La23およびZrO2を含む光学ガラスであって、モル%表示で、Li2Oを0〜15%含む(ゼロも含む)とともに、B23; 20〜50%、SiO2; 0〜20%、ZnO; 5〜42%、La23; 5〜24%、Gd23; 0〜20%(ただし、La23とGd23の合計量が10〜24%)、ZrO2; 0.5〜10%、Ta25; 0〜15%、WO3; 0〜20%、Nb25; 0〜20%、TiO2; 0〜20%、Bi23; 0〜10%、GeO2; 0〜10%、Ga23; 0〜10%、Al23; 0〜10%、RO; 0〜10%(R=Ca、Sr、Ba)、R2’O;0〜10%(R’=Na、K)、Y23; 0〜10%およびYb230〜10%を含むガラス(ガラスIa)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第一のガラスは、B23、La23およびZnOを含む光学ガラスであって、モル%表示で、B23; 20〜60%、SiO2; 0〜20%、ZnO; 2〜40%、La23; 5〜24%、Gd23; 0〜20%(ただし、La23とGd23の合計量が10〜24%)、ZrO2; 0〜10%、Ta25; 0〜10%、WO3; 0〜10%、Nb25; 0〜15%、TiO2; 0〜10%、Bi23; 0〜10%、GeO2; 0〜10%、Ga23; 0〜10%、Al23; 0〜10%、RO; 0〜10%(R=Ca、Sr、Ba)、R’2O; 0〜10%(R’=Li、Na、K)、Y23; 0〜10%およびYb23; 0〜10%、を含むガラス(ガラスIb)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項5】
第二のガラスは、酸処理又はアルカリ処理におけるエッチングレートが、前記第一のガラスのエッチングレートよりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
第二のガラスは、TiO2、Nb25、WO3およびBi23の合計含有量が5mol%以下であることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
第二のガラスは、La23、Y23、Sc23、Gd23、Lu23、ZrO2、HfO2のうちいずれか1種以上を含むことを特徴とする請求項5または6に記載の製造方法。
【請求項8】
プレス成形品のアニールは、プレス成形品を(Tg−70℃)〜(Tg+20℃)に昇温した後、一定の温度で所定時間保持し、所定時間経過後、前記プレス成形品を冷却するように行う請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項9】
プレス成形品の表面にある被覆層の除去を、所定の酸処理又はアルカリ処理によって行う請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。

【公開番号】特開2012−232896(P2012−232896A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−158307(P2012−158307)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【分割の表示】特願2006−100819(P2006−100819)の分割
【原出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】