説明

ガラス及びガラスセラミックシーラント組成物

シーラントとして使用され、又は燃料電池部品に結合され、約40のモル%〜約60モル%RO、約2モル%〜約10モル%M23、約35モル%〜約45モル%SiO2を含むガラス組成物であって、Rが、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、Mが、アルミニウム、ホウ素、ランタン、鉄及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるガラス組成物が開示される。ガラスは、少なくとも約5モル%のZnOを含む。加熱処理により、ガラスは、少なくとも部分的に結晶化し、少なくともアルカリ土類−亜鉛ピロケイ酸塩結晶相を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ガラスセラミックスの分野に関し、より詳しくは、固体酸化物燃料電池に有用なガラスセラミックシーラント材料及びそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック材料は、燃料電池の用途の有用性が増加している。これらの材料は、高温及び化学腐食環境に対する固有の抵抗がかかる用途によく適しているにもかかわらず、個々のセラミック要素を結合及び又は封止する際の、又はセラミックと金属部品とを接続する場合の問題が残っている。固体酸化物燃料電池の場合、セラミック電解質は、高温における酸素分離及び荷電輸送に実用的である。しかしながら、かかる電解質は、通常は、電解質の両側で燃料ガス及びオキシダントガス種が混合しないように封止しなければならない。封止は、気密でなければならないだけでなく、燃料電池部品を一緒に結合するためにもしばしば用いる。このように、封止は、化学的及び熱的に極端な環境の使用に適していなければならず、電解質の熱膨張特性と同等の熱膨張特性を有しなければならない。
【0003】
現在では、固体酸化物電解質材は、2、3の基本的な組成物に関する変形物から選択される。最も共通に選ばれた基本的な電解質材料は、イットリア安定化ジルコニア、セリア、酸化ビスマス及び没食子酸ランタンである。これらの材料の熱膨張係数(CTE)は、その中の含まれるドーパントのタイプ及び濃度により、約100x10-7から約150x10-7/℃の範囲である。燃料電池は、燃料電池の型及び構造に応じて、通常は、約700℃から1000℃を超える温度の間で作動される。従って、任意のシーラント組成物は、シーラントが適用される電解質(又は他の燃料電池部品)の熱膨張特性と類似の熱膨張特徴を有し、ガス密封が環境から結果として生じる燃料電池装置の最大製作及び/又は操作温度までの温度に維持されなければならない。更に、被覆された基板及びシーラントが望まれないまた有害な化学相互作用を有さないことが重要である。更に、シーラント組成物は、非常に化学的に還元環境において長期間(即ち、燃料電池の所望の操作の寿命(通常は10、000時間))、予想される燃料電池操作温度(即ち、700―1000℃)でも安定でなければならない。
【0004】
各種の固体酸化物燃料電池封止組成物が、企図され、様々な程度で成功している。シリカ、ホウ素及びリン酸塩(phosphate)ベースガラス及びガラス-セラミックが試みられてきた。リン酸塩ガラスは、ニッケルフォスファイド及びジルコニウムオキシフォスフェートを形成するために燃料電池アノードと反応するリン酸塩を揮発する傾向ある。更に、リン酸塩ガラスは、メタリン酸塩及び/又はピロリン酸塩を形成する結晶する傾向あり、これは、燃料電池操作温度において加湿された燃料ガスにおいて大変安定ではない。
主にホウ珪酸ガラス/ガラスセラミックは、ガス種B2(OH)2及びB2(OH)3を形成するために高温で加湿された水素富化雰囲気と反応する問題を有する。
従って、高ホウ素封止は、結局経時的に、加湿された水素環境(燃料電池操作において共通の)において腐食しやすい。
【0005】
シリカベースのガラス及びガラスセラミックは、燃料電池シーラント材としていくらかより良好であるが、依然として欠点を有する。シリカベースのガラス質の材料が通常は燃料電池操作環境においてより化学的に安定であるけれども、高シリカ含量ガラスは燃料電池電解質と、封止剤が熱サイクルによって急速に分解する部品とに対して十分に不適合な熱膨張係数を有するかもしれない。ケイ酸塩ベースのガラスの多くは、ガラスに所望のCTEを与えるために、BaO部品を含む。BaOは、固体酸化物燃料電池装置で共通に見つかるクロム含有相互接続材料を有する有害な界面反応に関与し、封止及び/又は接続の機械的一体性を損なう(compromise)界面反応生成物を生じる。
【0006】
燃料電池操作温度において、大部分のガラスは、比較的急速に結晶化する。従って、ガラスの熱膨張係数だけではなく、最終的に形成された結晶化した材料の熱膨張係数は、固体酸化物燃料電池電解質と両立することが重要である。一旦ガラスが十分に結晶化すると、得られる結晶性材料は通常経時的に非常に安定である。更に、結晶化ガラスは、操作温度で増加した機械強度を示す傾向あり、改良シール/ジョイント信頼性を与える。
燃料電池技術は、従来の炭化水素燃料の世界需要が増加し、その供給が、減少するにつれてますます重要になっている。燃料電池に対する要求が増加するにつれて、適切な熱的、化学的及び機械的特性を有するシーラント材の需要が増加する。最高約1000の℃の温度で作動することができ、80x10-7〜130×10-7/℃の熱膨張を有し、かつ燃料電池部品に関する有害な化学相互作用を有しない封止材料組成物の要求が残っている。本発明は、この要求に対応するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、固体酸化物燃料電池装置部品を封止し、接合するのに有用なガラス組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ガラス組成物は、約45モル%〜約55モル%のRO、約5モル%〜約10モル%のM23、及び約40モル%〜約45モルのSiO2を含み、Rは、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛及びそれらの組み合わせから選択され、Mは、アルミニウム、ホウ素、鉄及びそれらの組み合わせを含む群から選択される。ZnOは、通常は少なくとも約5モル%の量で存在する。
【0009】
本発明の1つの目的は、改良されたガラス質の燃料電池シーラント組成物を提供することである。本発明の関連した目的及び利点は、以下の説明から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の原則の理解を促進して、操作のその現在理解されている最良の形態を示すために、図面に例示される実施例を参照し、特定の語法を使用して、その態様を説明するが、図示の装置における変更及び態様、及び当業者にとって通常見出せるように、図示される本発明の原則の更なる適用によって、本発明の範囲は如何なる限定も意図されないと理解される。
【0011】
固体酸化物燃料電池(SOFC)は、単純な燃料の燃焼によって放出される化学エネルギーを、酸素電解質、例えば、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ))により、酸素イオンの拡散による電気エネルギーに変える。SOFCは、最適事業効率を成し遂げるために、高温(通常は、700℃を上回っている)で作動する。溶接(hermetic seal)は、通常は、SOFCの操作がセルスタックの範囲内で燃料及びオキシダントの漏出を防止するだけでなく、セルスタックの外で燃料及びオキシダントガスを混合することを防止することが要求される。シールは、更に電池の部品を電気的に絶縁するのに役立つ。SOFC溶接の要件は、厳しい。封止は、燃料電池の操作上の高温及び化学的腐食性の環境条件で長期間実質的に構造的に安定なままでなければならない。また、封止は、他の燃料電池材料と化学的に相溶性を持たなければならない。更に、封止は、熱的に循環する燃料電池に対する有意な応力の発生に貢献してはならない。一般に、望ましい封止材料は、実質的に燃料電池部品(100x10-7/℃について、YSZ電解質のそれのような)のCTEに適合する熱膨張係数(CTE)を有する。最後に、封止は、シールされる部品を濡らし、電池部品に結合しなければならならず、他の電池部品に対する最低加工温度未満の温度でシールされる。
【0012】
アルカリ土金属アルミノケイ酸塩組成物に基づくガラスは、SOFC封止剤のために提案された。これらの材料は、SOFCにおいて使用される多数の材料に対ししっかりした溶接をするための必要な耐熱性を有する。しかしながら、燃料電池に対する長期かつ高温での相容性に関する問題、特に通常、シールが望まれるSOFC部品の他のCTEと相容するシーラントCTEを増加させるために加えられる酸化バリウムを含むガラス組成物に対して、提起されている。
本発明は、これらの用途のために使用する、従来のガラス組成物より大きな化学的及び熱的な安定性を提供するSOFC封止ガラスの新規な組成物に関する。本発明のガラスは、BaOフリーのアルカリ土金属-ケイ酸亜鉛である、B23、Al23及びTiO2を含むいくつかの異なる酸化物から選択される添加物によって修正される、化学的及び熱的な特徴の所望の組合せを提供する。表1は、本発明の多くの例示的なガラス組成物のモル組成を示す。また、表2は、本発明の例示的なガラス組成物の熱特性を示す。
【0013】
表1






【0014】

【0015】
本発明のガラス組成物は、一般にSOFC封止用途のために開発される他のガラスより低シリカ及びアルミナ含量を有し、BaOを含まない。例えば、若干の従来の工芸ガラスは、一般に>50モル%SiO2、>10モル%Al23及び>30モル%BaOを有する。
本発明のガラスにおいて、少なくとも5モル%酸化亜鉛(ZnO)は、新規のガラスの粘性を修正し、封止温度(通常は900℃未満まで、通常は850℃未満まで)を低下させるために加えられる。若干のSOFC設計が900℃より高い温度まで、又はそれ以下に露出することができない材料を使用するので、封止温度の低下は要望される。本発明のガラス組成物の減少したシリカ及びアルミナ含量は、アルカリ土金属―亜鉛ピロケイ酸塩結晶相の形成を促進し、それは、本発明のガラス/ガラスセラミック組成物から得られる封止剤及び接続の望ましい熱及び化学的性質に貢献する。
【0016】
本発明のガラスは、封止温度で結晶化されて、多くの共通のSOFC材料を密封的に又は連結的に結合するのに必要な範囲(100〜120x10-7/℃)のCTEを有するガラスセラミックを形成し、SOFCの反復的サイクルの間及びSOFCの熱的及び化学的操作条件下(即ち、約700℃を超える温度で、かつ非常にアルカリ性/還元条件で)で安定に存在する。例えば、図1は、結晶化の前後でのガラス#27に対するCTE曲線及びYSZ(典型的なSOFC電解質材)に対するCTEカーブを示す。封止ガラス及びYSZのCTEの接近した適合はたいへん望ましい。その理由は、次のことにある。SOFCが室温及び操作上の温度との間に循環するときに、さもなければ発達する機械的応力が最小化されることを確実にするからである。図1は、ガラスの結晶化が発生する14日間等温性加熱処理後における、G#27ガラスセラミックからのCTE曲線を更に示す。この結晶化ガラスのCTEはこれといって変化を示さず、この材料によって得られるSOFCシールの熱機械的性質が操作時間によって変化しないことを示す。
【0017】
本発明のガラス組成物は、SOFC部品材料、例えば、燃料電池相互接続のために使用されるYSZ及びFe/Crのような合金を濡らし、それに結合する。図2には、850℃でYSZとFe/Cr基板との間でシールした練りガラス#25粉によって得られるシールのスキャン電子顕微鏡写真が示されている。SOFC操作条件(例えば、750℃/28日間)を模倣する封止の後又は次の等温熱処理の後の有害な界面反応生成物の形成は、観察されなかった。特に、高温の本発明のガラス/ガラスセラミック組成物と、Fe/Cr相互接続材料との相容性は、他の公知の封止ガラス組成物、特に、SOFCに一般的に用いられるBaOを含んでいる組成物より優れているように見える。
【0018】
本発明の一態様は、少なくとも2種の固体酸化物燃料電池部品との間に接続を含む。接続は、一緒に結合されたRO、M23及びSiO2の少なくとも3種の金属酸化物を有し、Rは、亜鉛、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。この組成物は、少なくとも5モル%ZnOを含む。Mは、アルミニウム、ホウ素、ランタン及び鉄からなる群から選択される。接続は、実質的に少なくとも2種の固体セラミック部品の熱膨張係数に一致する。接続の熱膨張係数は、外界温度(約25℃)乃至約700℃で測定される場合に、約80〜150x10-7/℃、通常は、約100〜120x10-7/℃である。
【0019】
ガラスの比較的低いシリカ及びアルミナ含量及び酸化亜鉛の追加により、低い軟化温度、約850℃より上の低い粘性及び約800℃以下の(below)温度での結晶化後における、実質的により高い粘性によって特徴づけられるガラスを産生する。その燃料電池シーラントガラスは、電解質又はその他の燃料電池部品基板上へ直ちに流動できるように十分に比較的低い粘度を有する(通常は、約900℃より上に、通常は約850℃より上)ことが望まれる。また、その燃料電池シーラントガラスは、シールが直ちに薄くならないか又は損傷を受けない及び/又はシーラントを組み込んでいる任意の燃料電池接続が弱められないように、燃料電池操作温度(約700〜800℃)において比較的高い粘度を有することが望ましい。ボリア(酸化ホウ素又はB23)の追加がシーラントガラス組成物の所望の粘度特性にも貢献する一方、適度な濃度にさえ存在するときに、ボリアは湿った水素環境において燃料電池材料によって非常に揮発性でありかつ反応性であることは公知である。従って、ボリア濃度を約5モル%未満に保つことは、望ましく、また、ボリア濃度を約3モル%未満に保つことは、更に望ましい。
【0020】
通常はシール材料を形成するために用いるガラス前駆体は、RO−M23−SiO2として表されることができる組成物を有する。ここで、ROは、通常は約40モル%〜約60モル%、典型的には、約45モル%〜約55モル%の量で、更に典型的には、約50モル%で存在する。M23は、典型的に約2モル%〜約10モル%の量で存在し、典型的には、約2モル%〜約5モル%の量で存在する。そして、SiO2は、典型的には、約35モル%から約45モル%の量で、典型的には、約40モル%の量で存在する。
【0021】
ガラスセラミック化合物は、ガラス相又は微細結晶化シールの性質を修正する酸化チタン、酸化ジルコニウム及びそれらの組み合わせを含むがこれに限定されない、少なくとも一種の追加金属酸化物を更に含む。かかる組成物は、以下のように示される。

X[(RO)・(M23)・(SiO2)]JY(QO2

Xは典型的には、約0.95〜約1.0であり、Yは、典型的には、約0〜約0.05である。Qは、典型的には、チタン、ジルコニウム及びそれらの組み合わせを含む群から選択される。上記のように、Rは、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛及びそれらの組み合わせを含む群から選択される。Mは、アルミニウム、ホウ素、ランタン、鉄及びそれらの組み合わせを含む群から選択される。興味がある性質としては、湿潤、ガラス転移温度(Tg)、ガラス軟化温度(Ts)、熱膨張係数、化学的及び熱安定性及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限られない。
【0022】
ガラス及び結晶化されたガラスセラミックに対する熱膨張係数の範囲は、典型的には、約80〜150x10-7/℃であり、典型的には、興味ある共通の燃料電池部品に対する、ガラスセラミック及び結晶化されたガラスセラミックに対する熱膨張係数の範囲は、約100〜120x10-7/℃である。ガラスのガラス転移温度(Tg)及び軟化温度(Ts)は、典型的には、約650℃乃至約800℃の範囲である。実質的に、同熱膨張係数は、シール材料のCTEとして定義され、本願明細書において密封された材料の約20%以内、好ましくは約10%以内、より好ましくは、約5%以内であり。
【0023】
本発明によれば、第1の固体セラミック部品を第2の(典型的には、セラミック又は金属)部品に接続する方法は、一般に次の工程を含む。
(a) 第1及び第2の部品の熱膨張係数に実質的にマッチする、RO、M23及びSiO2の組成を有する粉末状のガラスを形成する工程。
ここで、Rは、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム及び亜鉛及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、Mは、アルミニウム、ホウ素、鉄及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
(b) 予備組立体として第1及び部界面に粉末状ガラスを置くこと。
(c) 組立体として前記界面にブレンドを流れ込ませるのに十分な温度に予備組立を加熱する工程。そして、
(d) 組立体を冷却して、前記ブレンドを凝固させ、それによって、少なくとも2つのセラミック部品を接続する工程。
【0024】
上記において、詳述したように、ZnOは、少なくとも約5モル%の量で典型的には、存在する。ROは、約45モル%〜約55モル%まで量で典型的には存在する。M23は、約5モル%〜約10モル%の量で存在する。SiO2は、約40モル%〜約45モル%の量で存在する。SOFCの場合、第1のセラミック部品は典型的には、YSZ電解質基板であり、第二部品は典型的には、Fe/Cr金属相互接続である。
【0025】
実施例1
27.5モル%酸化ストロンチウム、27.5モル%酸化亜鉛、5モル%二アルミニウム三酸化物及び40モル%二酸化ケイ素を有するガラス組成物。
式は、以下の通りに表される。

27.5SrO・27.5 ZnO・5Al23・40SiO2

この組成物から形成されるガラスは、測定により、696℃のガラス転移温度Tg、737℃の膨張(dilatometric)な軟化点、815℃のピーク最大値結晶化温度及び82x10-7/℃のCTEを有することが分かった。略この組成を有するガラスは、上場するのと略同じ性質を有する。
【0026】
実施例2
25モル%酸化ストロンチウム、25モル%酸化亜鉛、10モル%二アルミニウム三酸化物及び40モル%二酸化ケイ素を有するガラス組成物。この式は、以下の通りに表される。

25SrO・25ZnO・10Al23・40SiO2

この組成物から形成されるガラスは、測定により、716℃のガラス転移温度Tg、775℃の膨張な軟化点、898℃のピーク最大値結晶化温度及び82x10-7/℃のCTEを有することが分かった。略この組成を有するガラスは、上場するのと略同じ性質を有する。
【0027】
実施例3
25モル%酸化ストロンチウム、25モル%酸化亜鉛、5モル%二鉄三酸化物、5モル%二アルミニウム三酸化物及び40モル%二酸化ケイ素を有するガラス組成物。
この式は、以下の通りに表される。

25SrO・25ZnO5Fe2O3・5Al2O3・40SiO2

この組成物から形成されるガラスは、測定により、716℃のガラス転移温度Tg、775℃の膨張な軟化点、898℃のピーク最大値結晶化温度及び82x10-7/℃のCTEを有することが分かった。略この組成を有するガラスは、上場するのと略同じ性質を有する。
【0028】
実施例4
26モル%酸化ストロンチウム、13モル%酸化カルシウム、13モル%酸化亜鉛、2モル%二ホウ素三酸化物、2モル%二アルミニウム三酸化物、42モル%二酸化ケイ素及び2モル%酸化チタン(IV)を有するガラス組成物。
この式は、以下の通りに表される。

26SrO・13 CaO・13ZnO・2B23・2Al23・42SiO2・2TiO2

この組成物から形成されるガラスは、測定により、702℃のガラス転移温度Tg、720℃の膨張な軟化点、875℃のピーク最大値結晶化温度及び100x10-7/℃のCTEを有することが分かった。略この組成を有するガラスは、上場するのと略同じ性質を有する。
【0029】
実施例5
18.5モル%酸化ストロンチウム、19.2モル%酸化カルシウム、13.2モル%酸化亜鉛、1.9モル%二ホウ素三酸化物、2.9モル%二ランタン三酸化物、42.2モル%二酸化ケイ素及び2.0モル%酸化チタン(IV)を有するガラス組成物。
この式は、以下の通りに表される。

18.5SrO・19.2CaO・13.2ZnO・1.9B2O3・2.9La2O3・42.2.0SiO2・2TiO2

この組成物から形成されるガラスは、測定により、718℃のガラス転移温度Tg、738℃の膨張な軟化点、888の℃のピーク最大値結晶化温度及び108x10-7/℃のCTEを有することが分かった。略この組成を有するガラスは、上場するのと略同じ性質を有する。
【0030】
実施例6
26モル%酸化ストロンチウム、13モル%酸化カルシウム、13モル%酸化亜鉛、2モル%ニホウ素三酸化物、2モル%二アルミニウム三酸化物、42モル%二酸化ケイ素及び2モル%酸化チタン(IV)を有するガラス組成物。
この式は、以下の通りに表される。

26SrO・26ZnO223・2Al23・44SiO2

この組成物から形成されるガラスは、測定により、682℃のガラス転移温度Tg、765℃の膨張な軟化点、913℃のピーク最大値結晶化温度及び79x10-7/℃のCTEを有することがわかった。略この組成物を有するガラスは、上場するのと略同じ性質を有する。
【0031】
本発明は、図面及び前述の記載に詳細に説明され、かつ記述されているが、それらは、単に説明的なものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施例が最良の形態及び実施可能性の要件を満たしながら、前述の明細書において、例示されかつ記述されていることが理解される。当業者が従来技術において上記の実施例に対する無限の数の本質的でない改変と変更態様を直ちに行うはずである。また、全てのかかる実施態様の変形物を本願明細書に記載する試みは非実用的であるものと理解される。従って、本発明の精神の中に入る全ての改変と変更態様は保護されることが望ましいものと理解される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、熱膨張係数対実質的に類似したガラスセラミック材料の固体電解質、ガラス及び結晶化された相の温度℃のグラフである。
【図2】図2は、本発明の一態様である、セラミック部分及び金属基質とのガラス質のシールの顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスセラミック材料で密封された装置であって、組合せで、
第1基板、及び
前記第1基板に結合されたシーラント層、
を含み、
前記シーラント層が、一緒に結合された少なくとも3種の金属酸化物、
RO − M23 −SiO2
を含み、
Rは、亜鉛、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、
Mは、アルミニウム、ホウ素、ランタン、鉄及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、
ROは、約45モル%〜約55モル%の量で存在し、
23は、約5モル%〜約10モル%の量で存在し、
前記SiO2は、約40モル%の量で存在し、そして、
前記ROは、少なくとも約5モル%の量で存在するZnOを含む、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
23が、約2モル%〜約5モル%で存在するAl23からなる請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シーラント層が、少なくとも25モル%ZnOを含む請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記シーラント層が、少なくとも20モル%MgOを含む請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1基板が、実質的にイットリア安定化ジルコニア電解質である請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1基板が、固体酸化物燃料電池部品である請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1基板及び前記シーラント層が、実質的に類似の熱膨張係数を有する請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記シーラント層が、実質的に無定形である請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記シーラント層が実質的に結晶質である請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記シーラント層に結合された第2基板を更に備えている請求項1に記載の装置。
【請求項11】
ガラスセラミック材料で密封された装置であって、組合せで、
基板、及び
前記基板に結合されたシーラント層、
を有し、前記シーラント層が、
X[(RO)・(M23)・(SiO2)]Y(QO2
の組成を有し、
0.95≦X≦1.0、
0≦Y≦0.05、
Qは、チタン、ジルコニウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、
Rは、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、
Mは、アルミニウム、ホウ素、ランタン、鉄及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記ROは、約50モルの%の量で存在し、
前記M23は、約5モル%の量で存在し、
前記SiO2は、約45モルの%の量で存在し、そして、
Rは、少なくとも約5モルの%亜鉛を含む、
ことを特徴とする装置。
【請求項12】
Al23が、約3モル%未満の量で存在する請求項11に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも2種の固体酸化物燃料電池部品間のジョイントであって、
一緒に結合された少なくとも3種の金属酸化物、RO、M23及びSiO2を含み、
ここで、Rは、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム及び亜鉛及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、
Mは、アルミニウム、ホウ素、ランタン、鉄及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記ジョイントが、前記少なくとも2種の固体セラミック部品の熱膨張係数と実質的に合致し、
前記ROは、約40モル%〜約60モル%の量で存在し、
前記M23は、約2モル%〜約10モル%の量で存在し
前記SiO2は、約35モル%〜約45モル%の量で存在し、そして、
ZnOは、少なくとも約5モル%の量で存在する、
ことを特徴とするジョイント。
【請求項14】
封止である請求項13に記載のジョイント。
【請求項15】
前記熱膨張係数が、25℃〜700℃で測定したときに、約80(10-7)/℃〜120(10-7)/℃である請求項13に記載のジョイント。
【請求項16】
少なくとも一つの追加金属酸化物を更に含んでいる請求項13に記載のジョイント。
【請求項17】
少なくとも一種の追加金属酸化物が、TiO2、ZrO2及びそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項16に記載のジョイント。
【請求項18】
少なくとも2種の固体酸化物燃料電池部品が、酸素イオン導電体及び固体酸化物燃料電池の相互接続である請求項13に記載のジョイント。
【請求項19】
少なくとも2つの固体セラミック部品を接続する方法であって、以下の工程、
(1) 少なくとも2種の固体セラミック部品の熱膨張係数と実質的に合致するRO、M23及びSiO2のブレンドを提供する工程であって、ここで、Rが、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、そして、Mが、アルミニウム、ホウ素、ランタン、鉄及びそれらの組み合わせからなる群から選択される工程、
(2) 予備組立体として前記少なくとも2種のセラミック部品の界面に前記ブレンドを配置する工程、
(3) 前記ブレンドが、組立体として前記界面内に流入するのに十分な温度に、前記予備組立を加熱する工程、そして、
(4) 前記組立体を冷却して、前記ブレンドを凝固させ、これによって、少なくとも2種のセラミック部品を接続する工程であって、
ZnOが、少なくとも約5モル%の量で存在し、
ROが、約40モル%〜約60モル%の量で存在し、
前記M23が、約2モル%〜約10モル%の量で存在し、そして、
前記SiO2が、約35モル%〜約45モル%の量で存在する、
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
接合が封止である請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記熱膨張係数が25℃〜700℃で測定したときに、約80(10-7)/℃〜約120(10-7)/℃である請求項19に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも一種の追加金属酸化物を更に含む請求項19に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも一種の追加金属酸化物が、TiO2、ZrO2及びそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項22に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも2種のセラミック部品が、固体酸化物燃料電池の部品である請求項19に記載の方法。
【請求項25】
それぞれの少なくとも2種のセラミック部品のうちの1つが、イットリア安定化ジルコニア電解質である請求項19に記載の方法。
【請求項26】
次の工程、
(5) 界面層を少なくとも部分的に結晶化させる工程、
を更に有する請求項19に記載の方法。
【請求項27】
工程(5)の間、少なくとも一種のアルカリ土金属−亜鉛ピロケイ酸塩結晶相が形成する請求項26に記載の方法。
【請求項28】
1つのセラミック部品を、別の部品に取り付ける方法であって、次の工程、
(1) 少なくとも2種の固体セラミック部品の熱膨張係数と実質的に合致するRO、M23及びSiO2の組成を有するガラス粉末であって、
Rが、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、
Mが、アルミニウム、ホウ素、ランタン、鉄及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、
ROが、約40モル%〜約60モル%の量で存在し、
ZnOは、少なくとも約5モル%の量で存在し、
23は、約2モル%〜約10モル%の量で存在し、そして、
SiO2は、約35モル%〜約45モル%の量で存在する、
ガラス粉末を提供する工程、
(2) 予備組立として、該セラミック部品及び前記別の部品ピースの界面に前記ガラス粉末を配置する工程、
(3) 前記ガラス粉末が軟化し、前記界面に流入して、界面層を形成するのに十分な温度に、前記予備組立を加熱する工程、そして、
(4) 前記界面層を冷却し、固化して、該セラミック部品及び前記別の部品を接合する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
以下の工程、
(e) 前記界面層を少なくとも部分的に結晶化させる工程、
を更に有する請求項28に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも1種の追加金属酸化物を更に含む請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1種の追加金属酸化物が、TiO2、ZrO2及びそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項30に記載の方法。
【請求項32】
それぞれのセラミック及び別の部品のうちの1つが、固体酸化物燃料電池の部品である請求項30に記載の方法。
【請求項33】
以下の組成、
約45のモル%〜約55モル%RO、
約5モル%〜約10モル%M23、そして、
約40モル%〜約45モル%SiO2
を有するガラス組成物であって、
Rが、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、
Mが、アルミニウム、ホウ素、ランタン、鉄及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、そして、
ZnOが、少なくとも約5モル%の量で存在する、
ことを特徴とするガラス組成物。
【請求項34】
更に、
約25モル%SrO、
約25モル%ZnO、
約10モル%Al23、そして、
約40モル%SiO2
を含む請求項33に記載のガラス組成物。
【請求項35】
更に、
約27.5モル%SrO、
約27.5モル%ZnO、
約5モル%Al23、そして、
約40モル%SiO2
を有する請求項33に記載のガラス組成物。
【請求項36】
更に、
約25モル%SrO、
約25モル%ZnO、
約5モル%Al23
約5モル%Fe23、そして、
約40モル%SiO2
を有する請求項33に記載のガラス組成物。
【請求項37】
更に、
約26モル%SrO、
約26モル%ZnO、
約2モル%Al23
約2モル%B23、そして、
約44モル%SiO2
を有する請求項33に記載のガラス組成物。
【請求項38】
更に、
約26モル%SrO、
約13モル%CaO、
約13モル%ZnO、
約2モル%Al23
約2モル%B23
約42モル%SiO2、そして、
約2モル%TiO2
を有する請求項33に記載のガラス組成物。
【請求項39】
更に、
約18.5モル%SrO、
約19.2モル%CaO、
約13.2モル%ZnO、
約1.9モル%B23
約2.9モル%La23
約42.2モル%SiO2、そして、
約2モル%TiO2
を有する請求項33に記載のガラス組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−516881(P2008−516881A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536909(P2007−536909)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/036927
【国際公開番号】WO2006/044593
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(507124977)ザ キュアレイターズ オブ ザ ユニヴァーシティー オブ ミズーリ (1)
【Fターム(参考)】