説明

ガラス基板の製造方法

【課題】 フロート法を用いた場合でも、低コストで、表面異物が少なく、高い表面品位を有するガラス基板を製造する方法を提供することである。
【解決手段】 ZrO含有ガラスとなるように調合したガラス原料を溶融、フロート法等で成形するガラス基板の製造方法であって、Zr源として、P含有量が0.4質量%以下であるジルコン等のジルコニア化合物を用いることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロート法で製造されるガラス基板の製造方法に関するものであり、特に、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、電界放射型ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ装置や、太陽電池用途に用いられるガラス基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、電界放射型ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ装置に用いられるディスプレイ基板や太陽電池用途としては、矩形状のガラス基板が広く使用されている。また、ディスプレイ装置を製造する際の様々な熱処理による基板の熱変形や、熱収縮を防止するために、ディスプレイ基板に用いられるガラス基板には、例えば特許文献1に示すような、ZrOを含有し、560℃以上の歪点を有するガラスが使用されている。
【0003】
このようなガラス基板を工業的に生産するには、一般にガラス原料を調合し、調合したガラス原料をガラス溶融炉に投入して、溶融、清澄を行った後、ガラス融液を成形装置に供給し、スロットダウンドロー法、オーバーフローダウンドロー法、フロート法、ロールアウト法等の方法で、板状に成形し切断することにより得ることができる。
【0004】
特に、大型のガラス基板を安価に、且つ、大量に製造する場合には、溶融された錫浴上にガラス融液を供給して所望の板厚成形するフロート法がよく用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−138045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ガラス基板を製造する際に、ガラスの溶融工程、清澄工程、成形工程等のような高温では、ガラス融液からガラス成分の一部が蒸発する。このように蒸発したガラス成分は、溶融炉や、成形炉の炉内壁面などで冷却され、凝集物となって落下する。特にフロート法のようにガラス融液を水平方向に板引きする成形方法の場合、凝集物が成形工程で板状に成形したガラス融液上に落下して表面異物となる。表面異物が付着したガラス基板は、高い表面品位が要求されるディスプレイの用途においては、致命的な問題となるため、表面異物を除去しなければ使用することができない。
【0007】
ガラス基板表面に付着した表面異物を除去する方法として、ガラス基板表面を研磨することが考えられるが、製造コストが上昇するという問題が生じる。また、近年、ディスプレイ装置は高精細化が進み、研磨によるガラス表面の微小傷が問題視されるようになってきた。
【0008】
本発明者の目的は、フロート法を用いた場合でも、低コストで、表面異物が少なく、高い表面品位を有するガラス基板を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
特許文献1は、には、ガラス組成に含まれるPがガラス成分を蒸発させやすくすることから、ガラス組成中のPを調整して表面異物の発生を抑制することが開示されている。本発明者等は、種々検討した結果、ガラス組成中へのPの混入を効果的に防止するには、ガラス原料として使用されるジルコニア化合物中のP量を制限すればよいことを見いだし、本発明として提案するものである。
【0010】
即ち、本発明のガラス基板の製造方法は、ZrO含有ガラスとなるように調合したガラス原料を溶融、成形するガラス基板の製造方法であって、Zr源として、P含有量が0.4質量%以下であるジルコニア化合物を用いることを特徴とする。本発明において「P含有量」は、ICP発光分析法で測定した値である。
【0011】
上記構成によれば、原料バッチ中に混入するPを効果的に削減することができる。その結果、溶融、清澄、成形等の各工程でガラス融液からのガラス成分の蒸発を抑制でき、凝集物の落下による表面異物の発生を防止できる。よって本発明はガラス基板の製造方法、特にフロート法を用いて成形されるガラス基板の製造方法として好適である。
【0012】
また本発明においては、P含有量が0〜0.018質量%以下となるようにガラス原料を調合することが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、溶融、清澄、成形等の各工程でガラス融液からのガラス成分の蒸発を抑制でき、凝集物の落下による表面異物の発生を防止できる。
【0014】
また本発明においては、酸化物基準の質量%で、SiO 50〜75%、Al 3〜20%、B 0〜20%、MgO 0〜15%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%、RO(ROは、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量を表す) 1〜30%、ZnO 0〜5%、LiO 0〜5%、NaO 0〜10%、KO 0〜15%、R’O(R’2Oは、LiO、NaO及びKOの合量を表す) 0〜24%、ZrO 0.5〜10%、P 0〜0.0018%含有するようにガラス原料を調合することが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、フラットパネルディスプレイや太陽電池の基板に要求される諸特性を満足するガラスを得ることが容易になる。
【0016】
また本発明においては、フロート法で成形することが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、大型のガラス基板を安価に、且つ、大量に製造することが容易になる。しかもフロート法の場合、ガラス融液を水平方向に板引き成形する成形方法であることから、凝集物落下による表面異物の問題は致命的な欠陥を引き起こし易い。よって本発明を適用する意義は大きい。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のガラス基板の製造方法は、Zr源としてP量の少ないジルコニア化合物を使用することを特徴とする。これによりガラス成分を蒸発させやすくするPを少なくすることが容易になり、ガラスの溶融工程、清澄工程、成形工程等の高温工程において、ガラス融液からのガラス成分の蒸発を効果的に抑制することができる。その結果、ガラスの溶融工程、清澄工程、成形工程等の高温工程において、凝集物の発生及び凝集物の落下を抑制でき、フロート法のようにガラス融液を水平方向に板引きする成形方法であっても、凝集物の落下によるガラス基板表面への表面異物の付着を抑制でき、研磨を行わなくても、高い表面品位を有するガラス基板を得ることができる。
【0019】
以下、本発明の製造方法を詳述する。
【0020】
まず、Si源、Al源、アルカリ土類金属源、アルカリ金属源、Zr源等となるガラス原料を、目標となるガラス基板の組成となるように混合してバッチを調製する。また必要に応じてガラスカレットをガラス原料として使用してもよい。なおガラスカレットとは、ガラスの製造の過程等で排出されるガラス屑である。各原料及びガラス組成については後述する。
【0021】
次いで調合したバッチを、溶融窯のガラス原料投入口から投入し、溶融、ガラス化する。溶融窯へのバッチの投入は、連続的に行われるが、断続的であってもよい。また溶融窯内でのバッチの溶融温度は1500〜1600℃程度である。このようにしてガラス原料を溶融し、溶融ガラスとする。
【0022】
次に溶融ガラスを成形装置に供給して所定の肉厚、表面品位を有するようにガラスを板状に成形し、徐冷する。成形方法としては、公知のオーバーフローダウンドロー法、フロート法、その他の板ガラス成形法を用いることができる。特に大型のガラス基板を大量に生産するには、フロート法を採用することが好ましい。
【0023】
このようにして作製されたガラス基板は、フラットパネルディスプレイや太陽電池の基板材料等の使用に供される。
【0024】
続いて本発明において使用するガラス原料について説明する。
【0025】
(Si、Al源)
Si源、Al源として、長石原料(KO・Al・6SiO、NaO・Al・6SiO等)を主として使用することができる。またこれ以外にも、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)等が使用可能である。
【0026】
(アルカリ土類金属源)
アルカリ土類金属源としては、ドロマイト(CaO・MgO・2CO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化マグネシウム(MgCO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸バリウム(BaCO)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、酸化亜鉛(ZnO)等を用いることができる。
【0027】
(アルカリ金属源)
アルカリ源としては、ソーダ灰(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)等を用いることができる。また前述の長石原料或いは後述の硫酸ナトリウム(NaSO)から供給することもできる。
【0028】
(Zr源)
Zr源としては、ガラスの揮発の要因となるPを極力含まない原料を採用することが重要である。特に主要なジルコニア含有化合物であるジルコン(ZrO・SiO)は、不純物としてPを多量に含むために注意が必要である。ジルコニア含有化合物、特にジルコンに含まれるPの許容量は、0.4質量%以下、好ましくは0.25質量%以下、さらに好ましくは0.15質量%以下である。
【0029】
(硫酸根源)
Si源やAl源より由来のシリカ(SiO)を窯の中でスムーズに溶解させるために、硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸カルシウム(CaSO)等の硫酸塩を用いることができる。
【0030】
(その他)
上記以外にも、ガラス組成に応じて種々のガラス原料を用いることができる。例えばZn源として、酸化亜鉛(ZnO)を使用することができる。
【0031】
最後に、目標とするガラス組成を説明する。本発明で製造されるガラス基板は、プラズマディスプレイ基板用素材として使用される場合、560℃以上の歪点、30〜380℃において60〜90×10−7/℃の熱膨張係数、表面異物の付着がないこと等が要求される。またフロート成形する場合には、さらに10dPa・sに相当するガラス融液の温度が1200℃以下であることが求められる。このような要求を満たすために、本発明においては、酸化物基準の質量%で、SiO 50〜75%、Al 3〜20%、B 0〜20%、MgO 0〜15%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%、RO(ROは、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量を表す) 1〜30%、ZnO 0〜5%、LiO 0〜5%、NaO 0〜10%、KO 0〜15%、R’O(R’Oは、LiO、NaO及びKOの合量を表す) 0〜24%、ZrO 0.5〜10%、P 0〜0.0018%となるようにガラス原料を調合することが好ましい。なお以下の説明では特に断りのない限り「%」は「質量%」を意味する。各成分の割合を上記のように限定した理由を以下に述べる。
【0032】
(SiO
SiOの含有量が少なすぎると、ガラスの歪点が低下し、ディスプレイ装置を製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や熱収縮が起こりやすくなったりする。また熱膨張係数が大きくなりすぎて、周辺材料の熱膨張係数との整合性が取りにくくなったり、耐熱衝撃性が低下しやすくなったりする。一方、SiOの含有量が多すぎると、ガラスの高温粘度が高くなり、ガラスの溶融や成形が困難となる。また熱膨張係数が小さくなりすぎて、周辺材料の熱膨張係数との整合性が取りにくくなる。SiO含有量の好適な範囲は52〜65%である。
【0033】
(Al
Alの含有量が少なすぎると、ガラスの歪点が低下し、ディスプレイを製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や熱収縮が起こりやすくなったりする。一方、Alの含有量が多すぎると、ガラスの高温粘度が高くなり、ガラスの溶融や成形が難しくなる。また、熱膨張係数が小さくなりすぎて、周辺材料の熱膨張係数との整合性が取り難くなる。Al含有量の好適な範囲は3.5〜15%である。
【0034】
(B
は、ガラスの粘性を低下させ、かつガラスの溶融性を高める成分である。ただしBを過剰に含有させると、ディスプレイを製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や熱収縮が起こりやすくなったりする。B含有量の好適な範囲は0〜12%である。
【0035】
(MgO)
MgOは、ガラスの高温粘度を低下させて、ガラスの溶融性や成形性を高めると共に、ガラスの歪点を高める成分である。ただしMgOを過剰に含有させると、ガラスが失透し易くなる。MgO含有量の好適な範囲は0〜6%である。
【0036】
(CaO)
CaOは、MgOと同様にガラスの高温粘度を低下させて、ガラスの溶融性や成形性を高めるとともに、ガラスの歪点をおさえる成分である。ただしCaOを過剰に含有させると、ガラスが失透し易くなり、成形が難しくなる。CaO含有量の好適な範囲は0〜8%である。
【0037】
(SrO)
SrOは、ガラスの高温粘度を低下させて、ガラスの溶融性や成形性を高める成分である。ただしSrOを過剰に含有させると、ガラスが失透し易くなり、成形が難しくなる。SrO含有量の好適な範囲は1〜12%である。
【0038】
(BaO)
BaOは、SrOと同様、ガラスの高温粘度を低下させて、ガラスの溶融性や成形性を高める成分である。ただしSrOを過剰に含有させると、ガラスが失透し易くなり、成形が難しくなる。BaO含有量の好適な範囲は1〜12%である。
【0039】
(RO)
ガラスを失透させることなく、ガラスの歪点を高め、しかも、ガラスの高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を向上させるには、アルカリ土類金属酸化物(MgO、CaO、SrO及びBaO)を合量で1〜30%含有する。これらの成分の合量ROが少なすぎると、ガラスの高温粘度が上昇し、溶融、成形が困難となる。一方、これらの成分の合量ROが多すぎると、ガラスが失透し易くなり、成形が難しくなる。ROの好適な範囲は5〜28%である。
【0040】
(ZnO)
ZnOは、ガラスの高温粘性を低下させてガラスの溶融性や成形性を高める成分である。ZnOの含有量が多すぎると、ガラスが失透し易くなり、成形が難しくなる。ZnO含有量の好適な範囲は0〜4%である。
【0041】
(LiO)
LiOは、ガラスの高温粘度を低下させて、ガラスの溶融性や、成形性を高める成分である。LiOの含有量が多すぎると、ガラスの歪点が著しく低下し、ディスプレイを製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や熱収縮が起こりやすくなったりする。また、熱膨張係数が大きくなりすぎて、周辺材料の熱膨張係数との整合性が取り難くなったり、耐熱衝撃性が低下したりする。LiO含有量の好適な範囲は0〜3%である。
【0042】
(NaO)
NaOは、ガラスの高温粘度を低下させてガラスの溶融性や、成形性を高めたり、ガラスの熱膨張係数を制御したりする成分である。NaOの含有量が多すぎると、ガラスの歪点が著しく低下し、ディスプレイを製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や熱収縮が起こりやすくなったりする。また、熱膨張係数が大きくなりすぎて、周辺材料の熱膨張係数との整合性が取り難くなったり、耐熱衝撃性が低下したりする。NaO含有量の好適な範囲は1〜9%である。
【0043】
(KO)
Oは、NaOと同様、ガラスの高温粘度を低下させてガラスの溶融性や、成形性を高めたり、ガラスの熱膨張係数を制御したりする成分である。KOの含有量が多すぎると、ガラスの歪点が著しく低下し、ディスプレイを製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や熱収縮が起こりやすくなったりする。また、熱膨張係数が大きくなりすぎて、周辺材料の熱膨張係数との整合性が取り難くなったり、耐熱衝撃性が低下したりする。KO含有量の好適な範囲は1〜12%である。
【0044】
(R’O)
ガラスの歪点を著しく低下させることなく、溶融性を向上させるために、LiO、NaO及びKOを合量で0〜24%含有する。これらの成分の合量R’Oが多すぎると、ガラスの歪点が著しく低下し、ディスプレイを製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や熱収縮が起こりやすくなったりする。R’Oの好適な範囲は2.5〜18%である。
【0045】
(ZrO
ZrOの含有量が少なすぎると、ガラスの歪点が著しく低下し、ディスプレイを製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や熱収縮が起こりやすくなったりする。一方、ZrOの含有量が多すぎると、ガラスの密度が著しく上昇したり、失透性が悪化したりする。ZrO含有量の好適な範囲は0.5〜6%である。
【0046】
(P
は、ガラス原料、特にその80%近くがジルコニウム化合物(ジルコン)から不純物として混入する。Pの含有量が多すぎると、ガラスの溶融工程、清澄工程、成形工程等の高温工程において、ガラス融液から、ガラス成分が蒸発しやすくなり、凝集物の落下によるガラス基板表面への異物の付着を抑制できなくなる。Pの好ましい範囲は0〜0.012%であり、さらに好ましくは0〜0.009%である。
【0047】
(その他)
上記成分以外にも、種々の成分を添加可能である。例えば紫外線着色を防止するためにTiOを5%まで、液相温度を低下させて成形性を向上させるためにY、La、Nbを各3%まで、着色剤として、Fe、CoO、NiO、Cr、Ndを各2%まで、清澄剤としてSnO、SO、F、Cl等を合量で1%まで添加することが可能である。
【実施例】
【0048】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0049】
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜5)を、表2は比較例(試料No.6〜8)をそれぞれ示している。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
表中の各試料は、次のようにして作製した。
【0053】
表中のガラス組成となるようにガラス原料を調合した。なおZr源として、P含有量が異なるジルコンを用いた。次いで調合された原料を連続溶融炉に投入し、1500〜1600℃で溶融した。続いて、フロート法を用いて、肉厚が1.8mmとなるようにガラスを成形し、2100mm×1000mmのサイズに切断することで試料ガラスとした。
【0054】
このようにして得られた各試料について、表面異物の量を測定した。その結果を表に示す。
【0055】
表から明らかなように、実施例であるNo.1〜5の各試料は、表面異物の付着量が0.7個/m以下と少なく、研磨を行わなくとも、フラットパネルディスプレイ装置用ガラス基板として使用できる表面品位を有していた。
【0056】
これに対して、比較例であるNo.6〜8の各試料は、表面異物の数が2.5個/m以上と多く、表面品位が劣っていた。
【0057】
表面異物の数は、ガラス基板表面を目視で観察して、カウントし、その個数を1m当りに換算して求めた。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の方法は、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、電界放射型ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ装置や太陽電池に用いられるガラス基板の製造に限られるものではなく、例えばフラットランプ用途のガラス基板の製造にも適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ZrO含有ガラスとなるように調合したガラス原料を溶融、成形するガラス基板の製造方法であって、Zr源として、P含有量が0.4質量%以下であるジルコニア化合物を用いることを特徴とするガラス基板の製造方法。
【請求項2】
含有量が0〜0.018質量%以下となるようにガラス原料を調合することを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
【請求項3】
酸化物基準の質量%で、SiO 50〜75%、Al 3〜20%、B 0〜20%、MgO 0〜15%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%、RO(ROは、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量を表す) 1〜30%、ZnO 0〜5%、LiO 0〜5%、NaO 0〜10%、KO 0〜15%、R’O(R’2Oは、LiO、NaO及びKOの合量を表す) 0〜24%、ZrO 0.5〜10%、P 0〜0.0018%含有するようにガラス原料を調合することを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス基板の製造方法。
【請求項4】
フロート法で成形することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス基板の製造方法。

【公開番号】特開2012−206861(P2012−206861A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71306(P2011−71306)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【Fターム(参考)】