説明

ガラス基板の製造方法

【課題】 窯の劣化を起こすことなく、泡品位、均質性及び平坦性に優れた無アルカリガラス基板を得ることが可能なガラス基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 ガラス原料を調合し、溶融、成形する珪酸塩ガラスの製造方法であって、メディアン粒径D50が70〜200μmであり、粒径45μm未満の粒子の質量割合が30%未満、粒径250μm以上の粒子の質量割合が10%未満の粒度分布となるように調製したシリカ原料を用いることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーフローダウンドロー法、フロート法等で製造されるガラス基板の製造方法に関するものであり、特に、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等のフラットパネルディスプレイ装置用基板として用いられるガラス基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ型アクティブマトリックスLCD(TFT−AMLCD)等の電子デバイスは、薄型で消費電力も少ないことから、カーナビゲーション、デジタルカメラのファインダー、さらにはパソコンのモニター、テレビ等の様々な用途に使用されている。
【0003】
一般的に、LCD用ガラス基板の材質として、実質的にアルカリ金属を含有しないアルミノ硼珪酸ガラス(いわゆる無アルカリガラス)が使用されており、これまでに種々のガラス組成が提案されている。(特許文献1〜3参照)
ところで、近年、パソコンモニター、テレビ等は画面が大型化してきており、基板ガラス中の泡、異物のスペックも従来に増して厳格化している。
【0004】
このようなガラス基板を工業的に生産するには、一般に以下の方法が採用されている。まずガラス原料を調合し、調合したガラス原料をガラス溶融炉に投入し、溶融、清澄を行う。次いで得られたガラス融液を成形装置に供給し、オーバーフローダウンドロー法、フロート法、スロットダウンドロー法、ロールアウト法等の方法で、板状に成形し、切断することにより得ることができる。
【0005】
特に、大型の無アルカリガラス基板を安価に、且つ、大量に製造する場合には、耐火物成形体上にガラス融液を供給して所望の板厚に成形するオーバーフローダウンドロー法、及び溶融された錫浴上にガラス融液を供給して所望の板厚に成形するフロート法がよく用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−67408号公報
【特許文献2】WO2009/028512号公報
【特許文献3】特開2009−167090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような、無アルカリガラス基板を製造する際には、シリカ原料として天然珪砂や珪石粉が用いられる。無アルカリガラスは、フラックスであるアルカリ成分を実質的に含まないことから溶融が困難である。それゆえシリカ原料は粒径が小さい方が良いとされている。しかしながら、微粒子状のシリカ原料を用いて溶融すると、バッチが早溶けしてしまい、微塵泡が残存して泡切れ性を悪化させたり、バーナー気流によってシリカ微粒子が溶融窯内で舞い上がる、いわゆるキャリーオーバーを起こし、窯天井側壁部を劣化させたりする。さらに、シリカ微粒子が凝集して粗大な二次凝集粒子を形成し、溶融性を悪化させるといった問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、窯の劣化を起こすことなく、泡品位、均質性及び平坦性に優れた無アルカリガラス基板を得ることが可能なガラス基板の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、種々の検討を行った結果、使用するシリカ原料の粒度を厳密に規制することにより、上記課題を達成できることを見いだし、本発明として提案するものである。
【0010】
即ち、本発明のガラス基板の製造方法は、ガラス原料を調合し、溶融、成形する珪酸塩ガラスの製造方法であって、メディアン粒径D50が70〜200μmであり、粒径45μm未満の粒子の質量割合が30%未満、粒径250μm以上の粒子の質量割合が10%未満の粒度分布となるように調製したシリカ原料を用いることを特徴とする。ここで「シリカ原料」とは、天然珪砂や珪石粉を意味する。また「粒子」とは、一次粒子を意味しており、一次粒子の凝集により生成する二次粒子を含まない。
【0011】
本発明においては、メディアン粒径D50が80〜180μmであり、粒径45μm未満の粒子の質量割合が20%未満、粒径250μm以上の粒子の質量割合が5%未満の粒度分布に調製したシリカ原料を用いることが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、泡品位に優れたガラス基板を容易に製造することができる。
【0013】
本発明においては、メディアン粒径D50が110〜150μmであり、粒径45μm未満の粒子の質量割合が15%未満、粒径250μm以上の粒子の質量割合が1%未満の粒度分布に調製したシリカ原料を用いることが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、泡品位に優れたガラス基板をさらに容易に製造することができる。
【0015】
本発明においては、酸化物基準の質量%で、SiO 50〜80%、Al 5〜25%、B 3〜20%、MgO 0〜15%、CaO 3〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%、RO(Rはアルカリ土類金属を表す) 3〜25%、ZnO 0〜10%、ZrO 0〜10%含有し、かつ実質的にアルカリ金属を含有しないガラス組成となるように原料を調製することが望ましい。ここで「RO」は、アルカリ土類金属酸化物の合量を表している。
【0016】
上記構成によれば、LCD用基板等に要求される諸特性を満足するガラスを得ることが容易になる。
【0017】
本発明においては、オーバーフローダウンドロー法又はフロート法にて成形することが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、大型の無アルカリガラス基板を安価に、且つ、大量に製造することが容易になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の製造方法によれば、シリカ原料の未溶解に起因する泡欠陥がほとんど存在しない。しかも溶融窯内でのシリカ原料のキャリーオーバーが生じ難い。それゆえガラス基板、特にフラットパネルディスプレイ装置に用いられる無アルカリガラス基板の製造方法として好適である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の製造方法を詳述する。
【0021】
まず、シリカ源、アルミナ源、アルカリ土類金属源等となるガラス原料を、目標となるガラス組成となるように混合してバッチを調製する。各原料及びガラス組成については後述する。
【0022】
次いで調合したバッチ(及び必要に応じて、目標とするガラスと同じ組成のガラスカレット)を、溶融窯のガラス原料投入口から投入し、溶融、ガラス化する。溶融窯へのバッチの投入は、連続的に行われるが、断続的であってもよい。また溶融窯内でのバッチの溶融温度は1500〜1600℃程度である。このようにしてガラス原料を溶融し、溶融ガラスとする。なおガラスカレットとは、ガラスの製造の過程等で排出されるガラス屑である。
【0023】
次に溶融ガラスを成形装置に供給し、所定の肉厚、表面品位を有するようにガラスを板状に成形する。成形方法としては、公知のオーバーフローダウンドロー法、フロート法、その他の板ガラス成形法を用いることができる。大型のガラス基板を大量に生産するには、オーバーフローダウンドロー法やフロート法を採用すればよい。また研磨工程を省略したい場合には、オーバーフローダウンドロー法を採用すればよい。
【0024】
このようにして作製されたガラス基板は、LCD等、フラットパネルディスプレイの基板材料等の使用に供される。
【0025】
続いて本発明において使用するガラス原料について説明する。
【0026】
(シリカ源)
シリカ源としては、天然珪砂(SiO)や珪石粉を用いることができる。シリカ原料は、未溶解泡やキャリーオーバーの原因となる微粉、或いは溶融性を悪化させる粗粒を極力含まないことが重要である。それゆえこれらのシリカ原料は、メディアン粒径D50が70〜200μm、好ましくは80〜180μm、さらに好ましく110〜150μmである。また粒径45μm未満の微粉粒子の質量割合が30%未満、好ましくは20%未満、さらに好ましくは15%未満である。また粒径250μm以上の粒子の質量割合が10%未満、好ましくは5%未満、さらに好ましくは1%未満である。なおシリカ原料の粒度分布を上記範囲に調整するには、例えば以下の方法が採用できる。まずメディアン粒径D50が200〜300μm前後の天然珪砂又は珪石粉をアルミナボールミルにて粉砕し、篩により分級する。この際、ボールミルによる粉砕時間及び使用する篩のメッシュサイズを選定することにより、得られるシリカ原料の粒度分布を調整することができる。シリカ原料のメディアン粒径D50、粒径45μm未満の粒子の質量割合及び粒径250μm以上の粒子の質量割合は、JIS:Z2601に基づく方法により、JISZ8801規定の篩を用いて測定することによって確認することができる。
【0027】
(アルミナ源)
アルミナ源にはアルミナ(Al)、または水酸化アルミニウム(Al(OH))等を用いることができる。
【0028】
(アルカリ土類金属源)
アルカリ土類金属源は、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化マグネシウム(MgCO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、硝酸バリウム(Ba(NO)、硝酸ストロンチウム(Sr(NO)等が用いられる。
【0029】
(清澄剤)
溶融性、清澄性を高めるため、清澄剤成分として、SnO、As、Sb、Sb、BaCl、SrCl、CaF、C、BaSO、SrSO、CaSO等から選ばれる1種以上を添加することができる。
【0030】
(その他)
上記以外にも、ガラス組成に応じて種々のガラス原料を用いることができる。例えば亜鉛源として、酸化亜鉛(ZnO)を使用することができる。
【0031】
次に、目標とするガラス組成を説明する。本発明で製造されるガラス基板は、LCD基板用素材として使用される場合、電気特性、耐熱性、耐候性性等に優れることが要求される。このような要求を満たすために、本発明においては、酸化物基準の質量%で、SiO 50〜80%、Al 5〜25%、B 3〜20%、MgO 0〜15%、CaO 3〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%、RO(Rはアルカリ土類金属を表す) 3〜25%、ZnO 0〜10%、ZrO 0〜10%であり、かつ実質的にアルカリ金属を含有しないガラスとなるようにガラス原料を調合することが好ましい。なお以下の説明では特に断りのない限り「%」は「質量%」を意味する。各成分の割合を上記のように限定した理由を以下に述べる。
【0032】
(SiO
SiOの含有量が少なすぎると、ガラスの歪点が低下し、ディスプレイ装置を製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や、熱収縮が起こりやすくなったりする。また熱膨張係数が大きくなりすぎて、周辺材料の熱膨張係数との整合性が取りにくくなったり、耐熱衝撃性が低下しやすくなったりする。さらに、耐酸性も悪化する。一方、SiOの含有量が多すぎると、ガラスの高温粘度が高くなり、ガラスの溶融や成形が困難となる。また、熱膨張係数が小さくなりすぎて、周辺材料の熱膨張係数との整合性が取りにくくなる。SiO含有量の好適な範囲は52〜70%である。
【0033】
(Al
Alの含有量が多すぎると、ガラスの歪点が低下し、ディスプレイを製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や熱収縮が起こりやすくなったりする。一方、Alの含有量が少なすぎると、ガラスの耐バッファードフッ酸性が低下したり、ガラスの液相温度が上昇してガラス基板の成形が困難になったりする。Al含有量の好適な範囲は7〜22%である。
【0034】
(B
は、ガラスの粘性を低下させ、かつガラスの溶融性を高める成分であるが、過剰に含有すると、ガラスの歪点が低くなり、ディスプレイを製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や熱収縮が起こりやすくなったりする。一方、Bの含有量が少なすぎると、融剤としての効果を得難くなる。B含有量の好適な範囲は3〜20%である。
【0035】
(MgO)
MgOは、ガラスの歪点を低下させずに、高温粘度を低下させて、ガラスの溶融性を改善する成分である。MgOの含有量が多すぎると、クリストバライトやエンスタタイトの失透ブツが発生しやすくなる傾向にある。さらに耐バッファードフッ酸性が低下し、フォトエッチング工程でガラス基板が侵食され、その反応生成物がガラス基板の表面に付着し、ガラス基板が白濁しやすくなる。MgO含有量の好適な範囲は0〜10%である。
【0036】
(CaO)
CaOは、ガラスの歪点を低下させずに高温粘度のみを低下させて、ガラスの溶融性を改善する。CaOの含有量が多すぎると、耐バッファードフッ酸性が低下するとともに、ガラスの密度や熱膨張係数が上昇する。CaOの含有量が少なすぎると高温粘度が上昇し溶融性が悪化し易くなる。CaO含有量の好適な範囲は3〜12%である。
【0037】
(SrO)
SrOは、ガラスの耐薬品性と耐失透性を向上させる成分である。SrOの含有量が多すぎると、ガラスの密度や熱膨張係数が上昇する。SrO含有量の好適な範囲は0〜12%である。
【0038】
(BaO)
BaOは、ガラスの耐薬品性と耐失透性を向上させる成分である。BaOの含有量が多すぎると、ガラスの密度や熱膨張係数が上昇する。BaO含有量の好適な範囲は0〜12%である。
【0039】
(RO)
アルカリ土類金属酸化物(MgO、CaO、SrO及びBaO)は、混合して含有させると、ガラスの溶融性と、耐失透性を向上させることができるが、これらの成分の合量ROが多すぎると、ガラスの密度が上昇する傾向にあり、ガラス基板の軽量化が困難となる。一方、これらの成分の合量ROが少なすぎると溶融性が悪化し、失透性が悪化し易くなる。ROの好適な範囲は3〜22%である。
【0040】
(ZnO)
ZnOは、ガラスの耐バッファードフッ酸性を改善するとともに、ガラスの溶融性を改善する成分である。ZnOの含有量が多すぎると、ガラスが失透しやすくなったり、歪点が低下したりする。ZnO含有量の好適な範囲は0〜5%である。
【0041】
(ZrO
ZrOは、ガラスの耐薬品性、特に耐酸性を改善し、ヤング率を向上させる成分である。ZrOの含有量が多すぎると、ガラスの液相温度が上昇し、ジルコンの失透ブツが出やすくなる。ZrO含有量の好適な範囲は0〜2%である。
【0042】
(清澄剤)
SnO、As、Sb、Cl、F等は、清澄剤として作用する成分であり、その含有量は合量で0〜2%である。また清澄剤として、CやSOもガラス基板の透過率に影響を与えない範囲で含有させることができる。
【0043】
AsやSbは、透過率に影響を与える成分であり、ガラス中に含有させるとガラス基板の透過率が低下しやすくなる。一方、SnOはガラス中に0.01〜2%含有させると、その還元効果により、ガラスの透過率を高めることができる。ただし、環境保護の点から、清澄剤として、実質的にAsやSbを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にAsやSbを含有しない」とは、ガラス組成中のAsやSbの含有量が、各々0.1%(1000ppm)以下であることを意味する。以上の点を考慮すれば、清澄剤としてSnOを必須成分として含有し、実質的にAs及びSbを含有しないことが好ましい。
【0044】
(Fe
Feは、ガラスの透過率に影響を与える。Feは、工程中或いは原料から不純物として混入する成分であるが、その含有量を0.001〜0.03%となるように調製することが好ましい。Feの含有量が多すぎると、ガラス基板の透過率が低下しやすくなる。一方、Feの含有量を0.001%より少なくしようとすると、原料コストや製造コストが上昇する。
【0045】
(アルカリ金属酸化物)
本発明で作製されるガラス基板が液晶ディスプレイ基板等に使用される場合、ガラス中にアルカリ金属酸化物(LiO、NaO、KO)を実質的に含有しないことが好ましい。アルカリ金属酸化物を実質的に含有しないとは、その含有量を0.5%以下に抑えるという意味である。アルカリ金属酸化物の含有量が合量で0.5%を超えると、基板上にTFTを成膜する際の熱処理時に、アルカリ金属が成膜されたTFT半導体物質中に拡散し、膜特性が劣化する。
【0046】
(その他)
上記以外にも、本発明の特徴となるガラス特性が損なわれない限り、種々の成分を添加可能である。例えばY、La、Nd、TiO等を添加しても良い。
【実施例】
【0047】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0048】
表1は本発明の実施例(No.1〜5)を、表2は比較例(No.6〜8)をそれぞれ示している。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】
表中の各試料は、次のようにして作製した。
【0052】
表中のガラス組成となるように、ガラス原料を調合してガラスバッチを調製した。なおシリカ源として、試料No.1〜4及び7、8は天然珪砂(表中に「珪砂」と表示)を、試料No.5〜6は珪石粉(表中に「珪石粉」と表示)を用いた。またこれらのシリカ原料は、表に示す粒度分布となるように調製したものを用いた。次いで準備したガラスバッチを連続溶融炉に投入し、1500〜1600℃で溶融した。続いて、オーバーフローダウンドロー法を用いて、肉厚が0.7mmとなるようガラスを成形し、1800mm×1500mmのサイズに切断することで試料ガラスとした。
【0053】
このようにして得られた各試料について、泡数を評価した。その結果を各表に示す。なお泡数は、ガラス基板表面を光学装置にて検出し、これをカウントした個数をガラス製品1t(トン)当りに換算して求めた。
【0054】
表から明らかなように、実施例であるNo.1〜5の各試料は、1t当たりの泡数が40個以下と少なく、フラットパネルディスプレイ装置に用いられるガラス基板として問題なく使用できるものであった。
【0055】
これに対して、比較例であるNo.6〜8の各試料は、泡数が300個/t以上と多く、品位が劣っていた。
【0056】
さらに、窯の天井部、側壁部を調査したところ、No.6、7のバッチを使用した際には、キャリーオーバー起源の珪砂含有バッチが大量に付着していた。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の方法は、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、電界放射型ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ用ガラス基板の製造に限られるものではなく、例えば太陽電池やフラットランプ用途のガラス基板の製造にも適用することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス原料を調合し、溶融、成形するガラス基板の製造方法であって、メディアン粒径D50が70〜200μmであり、粒径45μm未満の粒子の質量割合が30%未満、粒径250μm以上の粒子の質量割合が10%未満の粒度分布となるように調製したシリカ原料を用いることを特徴とするガラス基板の製造方法。
【請求項2】
メディアン粒径D50が80〜180μmであり、粒径45μm未満の粒子の質量割合が20%未満、粒径250μm以上の粒子の質量割合が5%未満の粒度分布に調製したシリカ原料を用いることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
【請求項3】
メディアン粒径D50が110〜150μmであり、粒径45μm未満の粒子の質量割合が15%未満、粒径250μm以上の粒子の質量割合が1%未満の粒度分布に調製したシリカ原料を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス基板の製造方法。
【請求項4】
酸化物基準の質量%で、SiO 50〜80%、Al 5〜25%、B 3〜20%、MgO 0〜15%、CaO 3〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%、RO(Rはアルカリ土類金属を表す) 3〜25%、ZnO 0〜10%、ZrO 0〜10%含有し、かつ実質的にアルカリ金属を含有しないガラス組成となるように原料を調製することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス基板の製造方法。
【請求項5】
オーバーフローダウンドロー法又はフロート法にて成形することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラス基板の製造方法。


【公開番号】特開2013−107801(P2013−107801A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254507(P2011−254507)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【Fターム(参考)】