説明

ガラス基板積層治具及び該治具を用いた磁気記録媒体用ガラス基板の端面研磨方法及び該端面研磨方法を用いた磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法

【課題】端面研磨工程における加工精度、生産性を高め、取り扱いが容易であり、さらに、ガラス基板積層体を解体することなく、外周端面研磨、内周端面研磨を行うことが可能なガラス基板積層治具を提供することを目的とする。
【解決手段】中心部に円孔を有する円盤形状の磁気記録媒体用ガラス基板を積層したガラス基板積層体の外周端面研磨及び/又は内周端面研磨に用いるガラス基板積層治具であって、前記磁気記録媒体用ガラス基板の円孔に挿入され、前記ガラス基板積層体の内周端面を支持し、前記磁気記録媒体用ガラス基板の位置合わせをするシャフトを有しており、前記シャフトは、シャフトの両端にクランプボルトを嵌合可能なクランプボルト嵌合部と、シャフトの周囲にガラス基板積層体を支持する軸止部と、を備えることを特徴とするガラス基板積層治具及びそれを用いた磁気記録媒体用ガラス基板の端面研磨方法、磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板積層治具及び該治具を用いた磁気記録媒体用ガラス基板の端面研磨方法及び該端面研磨方法を用いた磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク記録装置等に使用される円盤形状の磁気ディスクは、従来、アルミニウム合金基板が使用されてきた。しかしながら、近年、高密度記録化の要求に伴い、アルミニウム合金基板に比べて硬く、平坦性や平滑性に優れるガラス基板が主流となってきている。
【0003】
磁気記録媒体用ガラス基板は、その製造工程において、ガラス基板の平面および端面(内外周面)に研削、研磨などの加工を施す加工工程がある。そして、ガラス基板の端面を研磨する際の作業効率を高める方法として、複数枚のガラス基板を面方向に重ね合わせたガラス基板積層体を形成し、多数のガラス基板の端面を同時に研磨する方法が用いられている。
【0004】
ガラス基板の端面研磨は、外周面、内周面の両方について行われている。このため、上記のようにガラス基板積層体について研磨を行う場合、従来は、外周端面研磨用治具に一旦ガラス基板を積層し、外周端面研磨を行った後に、一旦ガラス基板積層体を解体して、内周端面研磨用治具に再度ガラス基板を積層してから、内周端面研磨が行われていた。
【0005】
ところが、係る方法によれば、外周端面研磨と内周端面研磨との工程間に、ガラス積層体を解体する必要があり、再積層の操作時の操作ミスや、ガラス基板を再積層する際にガラス基板の間に異物が挟まれることによってガラス基板に傷が生じる場合があった。また、工程数が多くなることから、生産性にも問題があった。
【0006】
係る問題を解決するために、ガラス基板積層体を解体することなく、外周端面研磨と内周断面研磨とを連続して行える治具について検討がなされている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−159639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1においては、ガラス基板を上下に設置したプレートをボルトにより固定し、ガラス基板を挟み込む構成となっているため、装置を組み立てる手間がかかり、組み立て誤差が生じやすいという問題があった。さらに、部材が多いため、メンテナンス性にも問題があった。
【0009】
また、特許文献1においては、ガラス基板積層体の外端部を研磨する際には、第1プレートをガラス基板積層体の両端部に当て、ガラス基板積層体の内孔に挿通した第1プレート締結具によって、第1プレートを固定してガラス基板をクランプしている。ところが、第1プレート締結具の直径がガラス基板積層体の内孔の直径よりも小さくなっているため、研磨工程時において、ガラス基板がずれる恐れがある。この場合、得られるガラス基板の同芯度が低くなったり、ガラス基板の円孔部(内周部)や外周部の真円度が低くなるなど、加工精度に問題が生じるおそれもあった。
【0010】
本発明は上記従来技術が有する問題に鑑み、端面研磨工程における加工精度、生産性を高め、取り扱いが容易であり、さらに、ガラス基板積層体を解体することなく、外周端面研磨、内周端面研磨を行うことが可能なガラス基板積層治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため本発明は、中心部に円孔を有する円盤形状の磁気記録媒体用ガラス基板を積層したガラス基板積層体の外周端面研磨及び/又は内周端面研磨に用いるガラス基板積層治具であって、前記磁気記録媒体用ガラス基板の円孔に挿入され、前記ガラス基板積層体の内周端面を支持し、前記磁気記録媒体用ガラス基板の位置合わせをするシャフトを有しており、前記シャフトは、シャフトの両端にクランプボルトを嵌合可能なクランプボルト嵌合部と、シャフトの周囲にガラス基板積層体を支持する軸止部と、を備えることを特徴とするガラス基板積層治具を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、ガラス基板積層体を形成する際に内周端面をシャフトによって支持しているため、磁気記録媒体用ガラス基板(以下、単に「ガラス基板」とも記載する)を精度良く設置、固定することが可能となる。このため、加工精度を高めることができ、得られるガラス基板の同芯度、真円度を高くすることができる。また、部品の点数が少ないため組み立て誤差が生じにくく、メンテナンス性を向上させることも可能となる。さらに、内周端面及び外周端面を研磨する場合でも、ガラス基板積層体を解体することなく連続的に行うことが可能となるため、両端面を研磨する場合でもガラス基板への傷の発生を防止し、歩留まり、生産性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るシャフトの説明図
【図2】本発明に係る第1の実施形態における外周端面研磨時の構成の説明図
【図3】本発明に係る第1の実施形態におけるクランプボルトの説明図
【図4】本発明に係る第1の実施形態における内周端面研磨治具についての説明図
【図5】本発明に係る第1の実施形態における内周端面研磨治具についての説明図
【図6】本発明に係る第1の実施形態におけるガラス基板積層体についての説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
【0015】
[第1の実施形態]
本実施の形態では、本発明のガラス基板積層治具について説明を行う。
【0016】
磁気記録媒体に用いる中心部に円孔を有する円盤形状のガラス基板を積層したガラス基板積層体の外周端面研磨及び/又は内周端面研磨を行う際に用いる本発明のガラス基板積層治具は以下の構成を有する。
【0017】
まず、本発明のガラス基板積層治具は、磁気記録媒体用ガラス基板の円孔に挿入され、前記磁気記録媒体用ガラス基板積層体の内周端面を支持し、磁気記録媒体用ガラス基板の位置合わせをするシャフトを有している。そして、前記シャフトは、シャフトの両端にクランプボルトを嵌合するクランプボルト嵌合部と、シャフトの周囲にガラス基板積層体を支持する軸止部とがそれぞれ形成されているものである。
【0018】
上記ガラス基板積層治具について以下に説明を行う。
【0019】
図1は、本発明のガラス基板積層治具を構成するシャフトを示している。シャフト10は、内周支持部(軸部)11と、軸上に設けられた軸止部(ガラス基板積層体保持部)12、内周支持部の両端に設けられたクランプボルト嵌合部13を有している。
【0020】
ここで、シャフト10の材料は特に限定されるものではないが、端面研磨工程においてガラス基板積層体を保持するため、一定程度の強度を有することが好ましい。例えば、ステンレス鋼、鋼鉄、アルミニウム等の各種金属を好ましく使用できるが、錆びにくく、強度を有する材料であることが好ましく、ステンレス鋼を用いることがより好ましい。
【0021】
また、シャフト10はガラス基板を出し入れする際や、端面研磨工程を行う際に、ガラス基板の内周部と接触してその表面に傷を生じたり、変形したりする場合があり、加工精度が低下する原因となる。このような事態を避けるため、シャフトと軸止部は少なくとも磁気記録媒体用ガラス基板と接触する部分が保護膜によってコーティングされていることが好ましい。特にクランブボルト嵌合部13を除くシャフト10全体の表面が保護膜によってコーティングされていることがより好ましい。
【0022】
保護膜としては、ハードクロムメッキ等の金属(メッキ)膜、酸化クロム等のセラミック膜、ダイヤモンドライクカーボン膜(以下、単にDLC膜とする)等を用いることができるが、膜の強度や、膜厚制御の容易さからDLC膜を用いることが特に好ましい。なお、保護膜の膜厚については特に限定されるものではなく、膜の強度、耐摩耗性、部材の使用頻度やコスト等を考慮して選択することができるが、その目的から厚い方が好ましく、例えばDLC膜の場合、2μm以上であることが好ましく、4μm以上であることがより好ましい。
【0023】
シャフトの内周支持部11の太さについては、ガラス基板積層体の内径と略同一であることが好ましい。これは、ガラス基板積層体は内周支持部に積層、支持されることとなるため、内周支持部と、ガラス基板積層体の内周部との間の間隔を小さくすることにより、ガラス基板の位置決め精度が高くなり、加工精度が高くなるためである。ただし、ガラス基板の内周部と内周支持部との間隔があまりに小さいとガラス基板積層体を着脱する際に、ガラス基板に損傷を与える恐れがあるため、ガラス基板を着脱する際の操作精度等を考慮してその間隔を選択することが好ましい。なお、ここでいうシャフトの軸部の直径とは、その表面に保護膜を有する場合、保護膜の厚さも含んだものである。
【0024】
そして、シャフトを構成する軸止部12は、シャフトの軸上に固定された円柱形状を有する部材であり、内周支持部11に挿入されたガラス基板積層体の下端部を支持する働きを有する。このため、軸止部12の外径は、ガラス基板積層体を構成するガラス基板の内径よりも大きく、ガラス基板の外径よりも小さくなるように構成されていることが好ましい。また、軸止部12の上面、すなわち、ガラス基板積層体を支持するほうの面は少なくともその一部が、内周支持部11と垂直になるように構成されていることが好ましい。係る構成を有することによって、ガラス基板積層体をしっかりと固定することが可能になるため、移動時や研磨工程においてガラス基板積層体が損傷することを防止し、加工精度を高めることができる。
【0025】
また、軸止部12はシャフトの軸上で、その位置が調整できるように構成されていることが好ましい。これは、軸止部の位置が変化することにより、様々な厚さのガラス基板積層体25に対応できることとなるためであり、汎用性が高まるためである。
【0026】
シャフト10の両端にはクランプボルト嵌合部13が設けられている。クランプボルト嵌合部13は、ガラス基板積層体の外周研磨を行う際に使用するクランプボルトを嵌合、取り付けるために設けられたものであり、クランプボルトの形状に対応した凹部の形状を有している。
【0027】
以上に説明してきたシャフトを有するガラス基板積層治具を用いて、外周端面研磨、内周端面研磨を行うことができる。まず、外周端面研磨の場合について説明する。
【0028】
ガラス基板積層体の外周端面研磨を行う際には、シャフトのクランプボルト嵌合部にクランプボルトを取り付けて外周端面研磨を行うことができる。その具体的な構成について図2を用いて説明する。
【0029】
図2中、内周支持部11は、その両端にスペーサ20〜22を配置したガラス基板積層体25の円孔に挿通されており、ガラス基板積層体25の内周部を支持している。また、ガラス基板積層体25はその下端部を、スペーサ22を介して軸止部12、及び、さらに、スペーサ23、24を介してクランプボルトによって支持され、他方の上端部に設置したクランプボルト26との間で、上下方向から締め付けて固定している。
【0030】
このため、外周端面研磨工程の間もガラス基板積層体の位置が変位することなく正確に保持することが可能であり、加工精度を高めることが可能になる。
【0031】
ここで、クランプボルト26については、ガラス基板積層体25を上下方向から垂直に保持可能であり、外周端面研磨治具に設置できるように構成されていれば特に限定されるものではない。例えば、図2、図3に示す形状とすることができる。その構成についてクランプボルト部を拡大した図3を用いて説明する。
【0032】
本発明で用いるクランプボルト26はボルト部31と、ボルト部31とは接合されていない座金部32を有するものであることが好ましい。ボルト部31は座金部32の中心に設けられた穴を通るように構成されており、略棒形状を有している。
【0033】
ボルト部31は、外周端面研磨装置にガラス基板積層体を設置する働きと、ガラス基板積層体を上下方向から締め付け固定する働きを有する。
【0034】
このため、ボルト部31の形状は、一方の端部が、外周端面研磨装置と接続可能に構成されており、もう一方の端部が、シャフトに固定できるように構成されている。
【0035】
ここで、クランプボルトの一方の端部、すなわち、ボルト部31のシャフトに固定する側の端部にシャフト嵌合部が凸設(形成)され、前記シャフト嵌合部は先端部から順にねじ山を有さない凸型円筒部33と、ねじ部34とを有していることが好ましい。なお、この場合、シャフトのクランプボルト嵌合部はシャフト嵌合部の形状に対応した凹形状、すなわち、凹型円筒部と、ねじ部とが形成されており、前記凸型円筒部33と前記凹型円筒部とが嵌合するように構成されている。
【0036】
クランプボルトのシャフト嵌合部と、シャフトのクランプボルト嵌合部が係る構成を有するため、クランプボルトの先端部の凹型円筒部と、シャフトのクランプボルト嵌合部の対応する凹部(凹型円筒部)とが、いわゆる印籠構造(円筒嵌めあい)となる。このため、クランプボルトをシャフトに取り付ける際に、偏心がなく、正確な位置、角度で固定することが可能となり、加工精度を向上させることが可能になる。
【0037】
座金部32は、ボルト部31とは接合されていない部材であるため、ボルト部31を固定する際に、その回転がガラス基板積層体に伝播することを防止する働きを有している。また、座金部32は、ガラス基板積層体と接する面35の面積が、ボルト部31と接触する面36の面積よりも広い形状を有することが好ましい。係る形状を有することによって、ガラス基板積層体に加わる圧力を分散し、ガラス基板積層体を広い範囲で支持することができる。
【0038】
また、ガラス基板積層体25については、ガラス基板のみを積層したものでもよいが、ガラス基板とスペーサとが交互に積層されているものが好ましい。ガラス基板の間にスペーサを配置することによって、ガラス基板の主平面に傷が生じることを防止することができる。なお、スペーサの形状については特に限定されるものではなく、研磨の邪魔にならない形状であればよいが、例えばガラス基板と同じ円盤形状とすることができる。また、外周端面研磨を行う際には、少なくともガラス基板の外径よりもスペーサの外径が小さいことが好ましい。
【0039】
以上のような構成を有するガラス基板積層治具を、外周端面研磨装置に設置、固定し、ガラス基板積層体25の外周部に研磨ブラシ又は研磨パッドをあてて砥粒を含有する研磨液を供給しながら外周端面の研磨を行う。
【0040】
次に内周端面研磨の場合について説明する。
【0041】
内周端面研磨を行う際に用いるガラス基板積層治具としては、前記シャフトに加えて、ガラス基板積層体の内周端面研磨を行う際に、ガラス基板積層体を内部に固定することが可能な構造である内周端面研磨治具をさらに有する。内周端面研磨治具は、ガラス基板積層体を内部に固定することが可能であり、ガラス基板積層体を内周端面研磨治具の内部に固定した後、シャフトを抜き取ることが可能な治具であれば、その形状、構成は限定されることなく使用することができる。
【0042】
例えば、内周端面研磨治具としては、ガラス基板積層体が積層、固定されたシャフトを、ガラス基板積層体を解体することなく挿入可能な開口部、ガラス基板積層体を固定する固定部材、シャフトを取出し可能なシャフト取出し口を有する治具が挙げられる。
【0043】
ここで、開口部は、ガラス基板積層体を構成するガラス基板の外径と略同一の開口径を有することが好ましい。ガラス基板の外径と、開口部が同一であると、ガラス基板積層体を挿入する際に損傷を受ける恐れがあるため、上記開口径は操作精度等を考慮して、ガラス基板積層体を治具に挿入する際に損傷を与えない程度の隙間(クリアランス)を設けることが好ましい。
【0044】
固定部材としては、ガラス基板積層体の上下面から締め付けることによって固定する部材が挙げられる。例えばガラス基板積層体の上下面に設けた固定用板をボルトなどにより上下方向からガラス基板積層体を押圧する方法である。
【0045】
ただし、内周端面を研磨するために、前記固定用板のガラス基板積層体の円孔部に対応する部分については開口部を有することが好ましい。係る開口部はシャフト取出し口を兼ねることもできる。また、締め付ける際には、ガラス基板積層体の上下面のガラス基板の略全面を押圧することにより、圧力を分散させ、ガラス基板の損傷を防ぐことが好ましい。
【0046】
シャフト取出し口は、シャフトのうち最も外径の大きい部分である軸止部の外径と略同一の開口径を有することが好ましい。係る構成を有することによって、内周端面研磨治具に、精度良くシャフト及びガラス基板積層体を固定した後、シャフトを取出すことができるためである。
【0047】
内周端面研磨治具の具体的な構成例については、図4、図5を用いて説明するが、係る構成に限定されるものではない。ここで、図4は内周端面研磨治具の斜視図であり、図5は、ガラス基板積層体を保持、固定したシャフトを内部に設置した際の断面図を示している。
【0048】
図4に示すように内周端面研磨治具40は上面に開口部を有するホルダ本体41と、その上側保持部42、位置決め部43とを有することが好ましい。
【0049】
ホルダ本体41は、下枠部44、側枠部45、上枠部46から構成されている。
【0050】
下枠部44は、ガラス基板積層体を垂直に支持することが可能であり、シャフトをその底面から抜き出せるように構成されている。例えば、図5に示すように、シャフト10の軸止部12を固定し、また、抜き取ることが可能な貫通孔が設けられている。また、下枠部の上面のガラス基板積層体の下端部と接触、支持する部分について、図5中ではスペーサを配置しているが、下枠部に固定した、緩衝部材等からなるガラス基板積層体下端部支持部を設けることもできる。そして、下枠部については、研磨時に研磨装置と固定するための機構、部材を設けることができる。例えば、研磨装置と接続するためのベースプレートを設置するためのボルト穴や、嵌合部等を設けることもできる。
【0051】
ここで、下枠部に設けられ、シャフト10の軸止部12を固定する貫通孔と、シャフト10の軸止部12とが嵌合するように(軸止部12と貫通孔のクリアランス(隙間)が小さくなるように)、すなわち、貫通孔と軸止部12とが印籠構造を形成することが好ましい。係る構成を有することによって、シャフトを偏心がなく、内周端面研磨治具40に垂直に固定することが可能になり、加工精度を向上させることが可能になる。
【0052】
側枠部45は下枠部44と上枠部46との間を結合し、ガラス基板積層体の最外周面を覆うように円筒形状を有している。そして、内部にガラス基板積層体を収納する収納室を有している。また、側枠部は収納室に収納されたガラス基板積層体を外側から目視することが可能なように、開口部47を設けることが好ましい。この開口部47は研磨工程時に使用される研磨液を排出するための排出孔として機能すると共に、装置の軽量化にも寄与する。
【0053】
上枠部46はリング状部材からなり、下面に側枠部の環状の上端部を固定できるように構成されている。また、内周にガラス基板の外径よりも大径な円形開口が形成されており、ガラス基板積層体を挿入または取り出しできるように構成されている。
【0054】
そして、下枠部44、側枠部45、上枠部46は固定され、ホルダ本体41に組み立てられている。これらの部材の固定手段については限定されるものではなく、ネジ等によって固定することもできるが、ネジの緩み等による加工精度の低下を防止するために、溶接により固定されていることが好ましい。
【0055】
上側保持部42は、ホルダ本体41の上面部に取り付けられており、内部に配置されたガラス基板積層体を下枠部44との間で挟み込むことによって、固定、保持するものである。上側保持部42はその中心に中央孔48が軸方向に貫通しており、シャフトを内周端面研磨治具に設置した状態で、上側保持部を設置できるように構成されている。上側保持部42の材料については、ホルダ本体の場合と同様に特に限定されるものではなく、例えば、ステンレス等の金属により形成することができる。また、上側保持部42はホルダ本体の下枠部との間でガラス基板積層体を挟むことにより固定するものであり、固定する際にガラス基板に傷が入らないよう、ガラス基板積層体25との間に各種緩衝部材を設けることが好ましい。
【0056】
上側保持部42をホルダ本体41に固定する手段については特に限定されるものではなく、適切な位置に精度よく固定できる手段であればあらゆる方法が採用できる。例えば、図4に示すように、上側保持部42に複数のボルト穴49を設けておき、ボルト50により上面側からホルダ本体に固定することもできる。また、上側保持部とホルダ本体の対応する箇所にねじを切っておき、上側保持部をホルダ本体にねじ込むことによって固定することもできる。
【0057】
さらに、シャフトの位置を正確に規定するため、位置決め部材43を用いることが好ましい。位置決め部材43は例えば、シャフトの上端に挿通される軸孔51を有する円筒形状の軸受け部52と、軸受け部52より半径方向に突出する一対の腕部53と、各腕部を貫通する位置決めピン54とを有している。そして、位置決め部材の軸孔51にシャフト10を挿通し、位置決めピン54を上側保持部、ホルダ本体に設けたピン挿入孔55、56に挿入させることによって、シャフトの位置を正確に規定することが可能になる。係る部材を用いることによって、シャフトを内周端面研磨治具に固定する際、その位置決めを正確に行うことが可能になり、加工精度を向上させることが可能になる。
【0058】
ここで、位置決め部材43の軸孔51とシャフト10とが嵌合するように(両者を嵌めたときに隙間が小さくなるように)、すなわちいわゆる印籠構造(円筒嵌めあい)を形成することが好ましい。係る構成を有することによって、シャフト10を偏心がなく、内周端面研磨治具40に垂直に固定することが可能になり、加工精度を向上させることが可能になる。
【0059】
さらに、位置決めピン54とピン挿入孔56とについても印籠構造を形成していることが好ましい。係る構成を有することによって位置決め部材43を内周端面研磨治具40に取り付けた時に偏心がなく、正確な位置、角度で固定することが可能となり、加工精度を向上させることが可能になる。
【0060】
また、ガラス基板積層体25については、外周端面研磨についてでも説明したが、ガラス基板のみを積層したものとすることもできるが、磁気記録媒体用ガラス基板とスペーサとが交互に積層されているものが好ましい。なお、スペーサの形状についても同様に特に限定されるものではなく、研磨の邪魔にならない形状であれば足りるが、例えばガラス基板と同じ円盤形状とすることができる。また、内周端面研磨を行う際には、少なくともガラス基板の内径よりもスペーサの内径が大きいことが好ましい。
【0061】
以上のような構成を有する内部端面研磨治具40に、前記シャフトの内周支持部11に積層されたガラス基板積層体25を設置し、ガラス基板積層体積層体を内周端面研磨治具の内部に固定する。その後に、前記シャフト10を抜き取り内周端面研磨工程に供することができる。
【0062】
内部端面研磨治具にガラス基板積層体を固定し、内周端面を研磨するための具体的な手順としては、例えば以下の工程を有する方法により行うことができる。
(A)ガラス基板積層体25が積層、固定されたシャフト10をワークホルダのホルダ本体41内に上枠部の円形開口を通して挿入する。この際、シャフトの軸止部12を、ホルダ本体41の下枠部44に設けられた貫通孔で固定(軸止)する。
【0063】
この場合、上述のように、シャフトの軸止部12をホルダ本体41の下枠部44に設けられた貫通孔に挿入した際に、印籠構造になるように貫通孔、軸止部12の形状、サイズが規定されていることが好ましい。上記構成することによって、シャフトの軸止部をホルダ本体の下枠部に偏心がなく、垂直度が高く固定することが可能となり、加工精度を向上させることが可能になる。
(B)ホルダ本体の上端にスペーサ21及び上側保持部42、位置決め部材43を取り付け、ガラス基板積層体をホルダ内に固定する。
【0064】
位置決めピン54とピン挿入孔56とについても、上述のように印籠構造(円筒嵌めあい)になるように、位置決めピン54、ピン挿入孔56が対応する形状、サイズを有することが好ましい。このような構成を有することによって、シャフト10をホルダ本体41に固定する際にその垂直度を高めることができるため、研磨時の加工精度を高めることができる。
【0065】
位置決め部材の軸孔51とシャフト10についても、上述のように印籠構造(円筒嵌めあい)になるように、位置決め部材の軸孔51、シャフト10が対応する形状、サイズになっていることが好ましい。このような構成を有することによって、シャフト10の位置決め精度が高くなり、シャフトの垂直度を高めることができるため、研磨時の加工精度を高めることができる。
【0066】
なお、上記のように、シャフトの軸止部12とホルダ本体41の貫通孔、位置決めピン54とピン挿入孔56、位置決め部材の軸孔51とシャフト10がいわゆる印籠構造であることが好ましい旨説明したが、これらは特に高い加工精度が求められる場合には3つの部分ともに印籠構造を有することが好ましい。これは、係る構成を有することによって、シャフトの位置決め精度、垂直度がより高くなるため、内周端面研磨治具にガラス基板積層体を固定、保持した際の位置決め精度が高くなり、研磨時の加工精度を高めることができるためである。
(C)ホルダ本体の下枠部44に設けられた貫通孔からシャフトを下方に抜きとり、(B)工程で位置決め部材43を用いていた場合には位置決め部材も取り外す。
(D)ガラス基板積層体の中央孔に上方から研磨ブラシを挿入し、上方から研磨液を供給しながらホルダ本体を固定したテーブルと研磨ブラシを回転させながら軸方向に往復動させてガラス基板積層体25の内周端面研磨を行う。
【0067】
以上のような工程によって、内周端面の研磨を行うことができる。研磨終了後は下枠部に設けられた貫通孔からシャフト10を挿入してガラス基板積層体の状態で取り出すことも可能であるし、ガラス基板積層体を解体して、ガラス基板を個別に取り出すことも可能である。
【0068】
以上、本発明のガラス基板積層治具を用いた外周端面研磨の方法と、内周端面研磨の方法について説明してきたが、外周端面研磨、内周端面研磨のいずれか一方のみを行うこともできるし、両研磨工程を連続的に行うこともできる。
【0069】
連続で行う際には、外周端面研磨工程又は内周端面研磨工程の一方を終えたガラス基板積層体を、シャフトに固定した状態で他方の研磨工程に供すれば足りる。
【0070】
なお、連続的に研磨を行う場合についても、ガラス基板積層体25は、ガラス基板のみを積層したものとすることもできるが、ガラス基板とスペーサとが交互に積層されているものを用いることが好ましい。
【0071】
スペーサの形状についても特に限定されるものではなく、研磨の邪魔にならない形状であれば足りるが、例えばガラス基板と同じ円盤形状とすることが好ましい。
【0072】
ここで、ガラス基板積層体について図6を用いて説明する。図6(A)は図6(B)のA−A´線でのガラス基板積層体の横断面図を模式的に示したものであり、図6(B)に図6(A)のガラス基板積層体の底面側から見た図を示している。図6(A)中の点線はガラス基板中央の円孔部を示している。
【0073】
スペーサとしては例えば、図6(B)に示すように、外径が磁気記録媒体用ガラス基板の外径よりも小さく、かつ、内径が磁気記録媒体用ガラス基板の円孔径よりも大きい円盤形状のスペーサを用いることが好ましい。係る形状は、外周端面研磨工程と、内周端面研磨工程とを連続的に行う場合に工程に特に好ましく使用することができるが、いずれか一方の端面のみを研磨する場合にも使用することができる。スペーサを上記のような形状、サイズにするのは、研磨によりガラス基板の外周端面と内周端面とを研磨する際、スペーサが研磨ブラシや研磨パッド等と接触しないように配置していることが好ましいためである。このため例えば図6(B)で示す、外周側のガラス基板とスペーサの隙間aと、内周側のガラス基板とスペーサの隙間bとは、それぞれ少なくとも端面研磨を行う幅(取り代)よりも大きいことが特に好ましい。
【0074】
以上に説明してきたように、本発明においては、外周端面研磨、内周端面研磨いずれか一方を行う場合でも、部品点数が少ないため、容易に研磨を行うことができ生産性を高めることができる。また、装置のメンテナンス性も従来よりも向上させることができる。
【0075】
特に、外周端面研磨と、内周端面研磨を連続的に行う場合にはガラス基板積層体を解体することなく実施することが可能になるため、ガラス基板の同芯度を向上させ、操作中のガラス基板への傷の発生を防止、低減することができる。また、従来の治具よりも操作が容易になるため生産性の向上を図ることが容易になる。
[第2の実施形態]
本実施形態では第1の実施形態で説明したガラス基板積層治具を用いた磁気記録媒体用ガラス基板の端面研磨方法について説明する。
【0076】
具体的には、第1の実施形態で説明したガラス基板積層治具を用いた磁気記録媒体用ガラス基板の外周端面、内周端面の研磨方法である。
【0077】
ガラス基板積層体を保持したシャフトのクランプボルト嵌合部にクランプボルトを取り付け、ガラス基板積層体の外周端面を外周端面研磨する。
【0078】
ガラス基板積層体を保持したシャフトを内周端面研磨治具に固定し、ガラス基板積層体を内周端面研磨治具に固定(挟持)させた後、シャフトを抜き取りガラス基板積層体の内周端面を内周端面研磨する磁気記録媒体用ガラス基板の端面研磨方法である。
【0079】
ここで、磁気記録媒体用ガラス基板の端面研磨方法は、第1の実施形態でも説明したように、外周端面、内周端面、いずれを先に研磨するかは特に限定されるものではないが、外周端面研磨を行った後に、内周端面研磨を行うことが好ましい。
【0080】
これは、外周端面を研磨する際には、ガラス基板積層体の中心部に設けられた円孔部にシャフトを挿通し、ガラス基板積層体を固定することとなるため、内周端面に傷が発生する可能性があるためである。このため、外周端面研磨工程の後に内周端面研磨工程を行うことによって、外周端面研磨工程を行う際に内周端面に傷を生じた場合でも除去できるため上記順番で研磨を行うことが好ましい。
【0081】
また、この場合についてもガラス基板積層体については、第1の実施形態で説明したように磁気記録媒体用ガラス基板とスペーサとを交互に積層したものを用いることが好ましい。また、スペーサについても、第1の実施形態で説明したように、図6(B)に示すような、外径が磁気記録媒体用ガラス基板外径より小さく、内径が磁気記録媒体用ガラス基板円孔径より大きく、円盤形状のスペーサを用いることが好ましい。
【0082】
係る端面研磨方法によればガラス基板積層体を解体することなく連続的にガラス基板の外周端面と内周端面の研磨を実施することが可能になるため、ガラス基板の同芯度を向上させ、操作中のガラス基板への傷の発生を防止、低減することができる。また、操作が容易になるため生産性の向上を図ることが容易になる。
[第3の実施形態]
本実施の形態では、磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法について説明する。
【0083】
具体的には、円盤形状の磁気記録媒体用ガラス基板の内周端面及び外周端面を研磨する端面研磨工程と、前記磁気記録媒体用ガラス基板の主平面を研磨する主平面研磨工程と、前記磁気記録媒体用ガラス基板の洗浄工程とを有する磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法である。そして、前記端面研磨工程は、第2の実施形態で説明した端面研磨方法を行うものである。
【0084】
なお、端面研磨工程の前にガラス素基板を円盤形状に加工する工程(形状付与工程)を設けることもできる。この際用いるガラス素基板については特に限定されるものではなく、各種ガラス基板を使用することができ、例えば、アモルファスガラスや、結晶化ガラスでもよく、ガラス基板の表層に強化層を有する強化ガラス(例えば、化学強化ガラス)でも良い。又その成形方法についても限定されるものではなく、フロート法、フュージョン法、プレス成形法、リドロー法で成形したものを使用することできる。
【0085】
外周端面研磨工程、内周端面研磨工程については、第2の実施形態で説明した方法と同様の方法を採用することができる。
【0086】
主平面研磨工程については、磁気記録媒体用ガラス基板の上下主平面を研磨加工する工程であり、例えば両面研磨装置により、研磨具として研磨パッドと砥粒を含有する研磨液とを用いて行うことができる。主平面研磨工程は、1次研磨のみでも良く、1次研磨と2次研磨を行っても良く、2次研磨の後に3次研磨を行っても良い。
【0087】
洗浄工程は磁気記録媒体用ガラス基板を精密洗浄し、乾燥する工程である。
【0088】
これらの工程を経て磁気記録媒体用ガラス基板は製造される。そして、磁気記録媒体用ガラス基板の上に磁性層などの薄膜を形成し、磁気ディスクを製造する。
【0089】
なお、上記磁気記録媒体用ガラス基板及び磁気ディスクの製造工程において、各工程間にガラス基板洗浄(工程間洗浄)やガラス基板表面のエッチング(工程間エッチング)を実施しても良い。
【0090】
また、ガラス基板の上下両主平面を、研削加工し、ガラス基板の平坦度や板厚を調整する主平面研削工程を実施してもよい。研削は、遊離砥粒を用いて研削する遊離砥粒研削、または固定砥粒工具を用いて研削する固定砥粒研削により行う。主平面研削工程は、主平面研磨工程の前に実施されればよく、形状付与工程の前又は後、外周端面研磨工程の前又は後、内周端面研磨工程の前又は後、のいずれで実施してもよい。
【0091】
さらに、磁気記録媒体用ガラス基板に高い機械的強度が求められる場合、ガラス基板の表層に強化層を形成する強化工程(例えば、化学強化工程)を研磨工程前、または研磨工程後、あるいは研磨工程間で実施しても良い。
【0092】
上記した、磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法によれば、端面研磨工程において、ガラス基板積層体を解体することなく実施することが可能になるため、ガラス基板の同芯度を向上させ、操作中のガラス基板への傷の発生を防止、低減することができる。また、操作が容易になるため生産性の向上を図ることが容易になる。
【符号の説明】
【0093】
10 シャフト
12 軸止部
13 クランプボルト嵌合部
25 ガラス基板積層体
26 クランプボルト
60 ガラス基板
61 スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部に円孔を有する円盤形状の磁気記録媒体用ガラス基板を積層したガラス基板積層体の外周端面研磨及び/又は内周端面研磨に用いるガラス基板積層治具であって、
前記磁気記録媒体用ガラス基板の円孔に挿入され、前記ガラス基板積層体の内周端面を支持し、前記磁気記録媒体用ガラス基板の位置合わせをするシャフトを有しており、
前記シャフトは、シャフトの両端にクランプボルトを嵌合可能なクランプボルト嵌合部と、シャフトの周囲にガラス基板積層体を支持する軸止部と、
を備えることを特徴とするガラス基板積層治具。
【請求項2】
前記ガラス基板積層治具は、前記ガラス基板積層体の外周端面研磨を行う際に、
前記クランプボルト嵌合部にクランプボルトを有する請求項1記載のガラス基板積層治具。
【請求項3】
前記ガラス基板積層治具は、前記ガラス基板積層体の内周端面研磨を行う際に、
前記ガラス基板積層体を内部に固定することが可能な構造である内周端面研磨治具をさらに有し、
前記内周端面研磨治具は、前記内周端面研磨治具の内部に前記ガラス基板積層体を固定した後、前記シャフトを抜き取ることが可能である請求項1または2に記載のガラス基板積層治具。
【請求項4】
前記クランプボルトは一方の端部にシャフト嵌合部が凸設され、
前記シャフト嵌合部は先端部から順にねじ山を有さない凸型円筒部と、ねじ部とを有し、
前記クランプボルト嵌合部はシャフト嵌合部の形状に対応した凹型円筒部と、ねじ部とを有しており、
前記凸型円筒部と前記凹型円筒部とが嵌合するように構成されている請求項1乃至3いずれか一項に記載のガラス基板積層治具。
【請求項5】
前記シャフトは、少なくとも磁気記録媒体用ガラス基板と接触する部分がダイヤモンドライクカーボンからなる保護膜によってコーティングされている請求項1乃至4いずれか一項に記載のガラス基板積層治具。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれか一項に記載のガラス基板積層治具を用いた磁気記録媒体用ガラス基板の端面研磨方法であって、
ガラス基板積層体を保持した前記シャフトの前記クランプボルト嵌合部にクランプボルトを取り付け、前記ガラス基板積層体の外周端面を外周端面研磨し、
ガラス基板積層体を保持した前記シャフトを内周端面研磨治具に固定し、前記ガラス基板積層体を内周端面研磨治具に固定させた後、前記シャフトを抜き取り、前記ガラス基板積層体の内周端面を内周端面研磨する磁気記録媒体用ガラス基板の端面研磨方法。
【請求項7】
前記ガラス基板積層体は、磁気記録媒体用ガラス基板とスペーサとが交互に積層されている請求項6に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の端面研磨方法。
【請求項8】
前記スペーサは、外径が前記磁気記録媒体用ガラス基板外径より小さく、内径が前記磁気記録媒体用ガラス基板円孔径より大きい円盤形状である請求項7に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の端面研磨方法。
【請求項9】
外周端面研磨を行った後に、内周端面研磨を行う請求項6乃至8いずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の端面研磨方法。
【請求項10】
磁気記録媒体用ガラス基板の内周端面及び外周端面を研磨する端面研磨工程と、
磁気記録媒体用ガラス基板の主平面を研磨する主平面研磨工程と、
磁気記録媒体用ガラス基板の洗浄工程と、
を有する磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
前記端面研磨工程は、請求項6乃至9いずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の端面研磨方法を用いて磁気記録媒体用ガラス基板を端面研磨する磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−73636(P2013−73636A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209927(P2011−209927)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】