説明

ガラス繊維織物のヒートクリーニング方法

【課題】ガラス繊維織物の加熱による有機物の炭化を抑制することにより、速やかにガラス繊維織物から有機物を除去することができるヒートクリーニング方法を提供する。
【解決手段】有機物で被覆処理したガラス繊維束のガラス繊維織物を、酢酸水溶液に接触させ、次いで350〜700℃で加熱処理してヒートクリーニングする。加熱処理に先立ち、過酸化水素水などの酸化剤処理や、350〜600℃の雰囲気温度の加熱炉に連続的に通して予備ヒートクリーニングを施しておくことが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス繊維織物の製造方法に関するものであり、特にガラス繊維織物のヒートクリーニング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板用積層板の補強材などに用いられるガラス繊維織物は、溶融ガラスを延伸紡糸したガラス繊維束を経糸及び緯糸としてエアージェット織機などで製織して製造される。通常、ガラス繊維束は、巻取時や製織時などの機械的な磨耗による毛羽や糸切れの発生を防止するため、ガラス繊維束の紡糸時や整経時にサイズ剤で被覆処理が施こされる。このサイズ剤は澱粉または水溶性合成樹脂、油剤、界面活性剤などの有機物を主体とする組成物の水系液である。
【0003】
しかし、プリント配線板用積層板などの補強材としてのガラス繊維織物は、ガラスと樹脂との接着性を得るためには有機物の付着は好ましくなく、通常、製織後にヒートクリーニングと呼ばれる加熱処理を施し、ガラス繊維束に付着している有機物であるサイズ剤を除去している。
【0004】
このヒートクリーニングの方法は、鉄芯に巻いたガラス繊維織物の巻体を350〜500℃の雰囲気温度の加熱炉に15〜100時間入れて、有機物を除去するバッチ式ヒートクリーニングが一般的である。また、このバッチ式ヒートクリーニングに先立ち、ガラス繊維織物の巻体を巻返しながら、連続的に350〜600℃の雰囲気温度の加熱炉に通して予備ヒートクリーニングを行うことにより、ヒートクリーニングの効率化を図る場合もある。さらに、ヒートクリーニングの効率化を図る技術として、例えば、特許文献1によれば、予備ヒートクリーニング処理により有機物を90%程度まで除去し、水又は過酸化水素水などの酸化剤を含む水溶液を付与し、さらに100〜630℃程度で加熱処理し、有機物を短時間で除去している。
【0005】
しかしながら、ガラス繊維織物を高温下で急速に加熱処理すると、ガラス繊維束に付着している有機物が炭化してしまい、一旦炭化してしまった有機物はその後加熱をしても除去することが困難であり、ガラス繊維織物表面に黒色斑点状に残ってしまいガラス繊維織物の外観不良になったり、積層板の絶縁不良の原因になってしまうことがある。特に、ガラス繊維織物を500℃以上の高温雰囲気の加熱炉に連続的に通す加熱処理を施すと、急激に有機物の炭化が進行するために、黒色斑点状の外観不良が発生しやすくなる。このことは上述の特許文献1に記載の技術においても充分に解決しているとは言えない。また、ガラス繊維織物では黒色斑点状の外観不良が発生していなくても、ガラス繊維織物に熱硬化性樹脂を含浸させプリプレグを作製した際、プリプレグ中に斑点状の異物が発生したり、黄変した色調を呈する外観不良が発生することがある。
【特許文献1】特開平09−013263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ガラス繊維織物の加熱による有機物の炭化を抑制することにより、ガラス繊維織物やプリプレグにおいて黒色斑点状異物や黄変の外観不良を起こすことなく、さらに、速やかにガラス繊維織物から有機物を除去することができるガラス繊維織物のヒートクリーニング方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ヒートクリーニングしたガラス繊維織物に樹脂を含浸させたプリプレグ中に黒色斑点が発生したり、黄変した色調になってしまう外観不良は、ガラス繊維織物表面の黒色斑点状の外観不良と同様に、ガラス繊維表面上での有機物の炭化に起因するものであり、さらにこれはガラス繊維表面のカルシウム原子が核となり発生していることを見出し、この知見に基づき本発明を達成するにいたった。
【0008】
すなわち、プリント配線板用積層板の補強材としてのガラス繊維織物は、一般にEガラスと称されるガラス組成のガラス繊維を使用している。Eガラスは下記の表1に示す規格であり、例えば表1の実測値のガラス組成である。Eガラスは、カルシウム原子を酸化カルシウムとして16〜25重量%含んでいる。そのため、有機物が付着しているEガラス組成のガラス繊維からなるガラス繊維織物を高温の雰囲気に晒すと、カルシウム原子が核になって有機物が炭化してしまう傾向にある。
【表1】

【0009】
この理由は定かでないが、ガラス繊維のガラス組成中のカルシウム分が、ガラス繊維表面に溶出し炭酸カルシウムの態様となった後、ガラス組成の主成分である酸化ケイ素とともにセメント化し、これがガラス繊維表面の有機物を皮膜して、マイクロカプセルを形成してしまい、その後加熱しても最早皮膜された内部の有機物は燃焼分解することなく、ガラス繊維表面に炭化した状態で残留してしまうためであると考えられる。
【0010】
そこで、本発明のガラス繊維織物のヒートクリーニング方法は、有機物であるサイズ剤で被覆処理されたガラス繊維束を経糸及び緯糸として製織してなるガラス繊維織物を、酢酸水溶液に接触させ、次いでガラス繊維織物を加熱炉に入れ、350〜700℃の雰囲気温度で加熱処理することを特徴とする。
本発明のヒートクリーニング方法においては、ガラス繊維織物を加熱処理する前に酢酸水溶液に接触させるため、炭化した有機物がガラス繊維表面に残留することなく、ガラス繊維織物を効率的にヒートクリーニングすることができる。これは、ガラス繊維織物を酢酸水溶液に接触させることにより、ガラス繊維表面の炭酸カルシウムが水溶性の酢酸カルシウムの態様になり、水溶液中に溶解するため、ガラス繊維表面上の有機物を皮膜しないためであると考えられる。
しかも、酢酸は、塩酸や硝酸などと異なり、有機酸であり弱酸なので、ガラス繊維の物性を変質させることがなく、またガラス繊維織物に残留することもないために、プリント配線板の物性に影響することがない。
【0011】
本発明のヒートクリーニング方法における加熱処理は、ガラス繊維織物を鉄芯に巻いた巻体状態で加熱炉に入れ、バッチ式により行ってもよく、またガラス繊維織物の巻体からガラス繊維織物を巻出しながら、ガラス繊維織物を連続的に加熱炉に通すことにより行ってもよい。しかしながら、作業効率の観点から、ガラス繊維織物の巻体からガラス繊維織物を巻出しながら、500〜700℃の雰囲気温度の加熱炉に連続的に通すことにより加熱処理することが好ましい。
本発明のヒートクリーニング方法において、ガラス繊維織物を加熱処理するに先立ち、酢酸水溶液に接触させているので、比較的高温の雰囲気の加熱炉に通しても、有機物が炭化することが抑制され、ガラス繊維表面から有機物を効率的に除去することができる。
さらに、本発明のヒートクリーニング方法において、ガラス繊維織物を酢酸水溶液に接触させることに先立ち、ガラス繊維織物を酸化剤水溶液に接触させ酸化剤処理繊維織物にしておくことが好ましい。これは、ガラス繊維織物を酸化剤水溶液に接触させることにより、ガラス繊維に付着している有機物を分解することができ、その後の加熱処理を効率的に行うことができるためである。
【0012】
また、本発明のヒートクリーニング方法において、ガラス繊維織物を酸化剤水溶液や酢酸水溶液に接触させるに先立ち、ガラス繊維織物を巻出しながら、350℃〜600℃の雰囲気温度の加熱炉に連続的に通して予備ヒートクリーニングし、ガラス繊維に付着している有機物の付着量を低下させておくことが好ましい。これにより、酸化剤水溶液や酢酸水溶液による処理を効率的に行うことができ、その後の加熱処理が容易になり、効率的にヒートクリーニングすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のガラス繊維織物のヒートクリーニングの処理方法によれば、加熱による有機物の炭化を抑制でき、ガラス繊維織物の黒色斑点状の外観不良を発生することなく、効率的にヒートクリーニング処理することができる。また、通常のバッチ式ヒートクリーニングの処理工程は、ガラス繊維織物を巻体の状態で長時間加熱処理するため、ガラス繊維織物の製造工程の律速工程にもなっていて、しかも、数多くの鉄芯を用意する必要があるが、本発明の処理方法によれば、多数の鉄芯を用意することなく、効率的にガラス繊維織物を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
ガラス繊維束は、溶融ガラスを延伸紡糸し、フィラメント径3〜13μm、束数50〜400本の繊維束として巻き取られる。この際機械的な磨耗による毛羽発生や糸切れを防止する目的のため、有機物を主体とする1次サイズ剤でガラス繊維束を被覆処理する。この1次サイズ剤の有機物は、ガラス繊維の重量に対し、0.3〜1.0重量%付着させる。
さらに、このガラス繊維束を経糸及び緯糸として製織するに先立ち、経糸を整経時に有機物を主体とする2次サイズ剤で被覆処理する。この2次サイズ剤の有機物は、ガラス繊維の重量に対し、0.5〜2.0重量%付着させる。
【0015】
本発明のガラス繊維織物のヒートクリーニング処理方法において、この有機物が付着したガラス繊維束を製織して得られたガラス繊維織物を、酢酸水溶液に接触させる。ガラス繊維織物を酢酸水溶液に接触させる方法は、浸漬、塗布、スプレーなど何れの方法でもよいが、浸漬により酢酸水溶液に接触させることが最も効率的で好ましい。浸漬の場合は、酢酸水溶液の濃度は、0.05〜3.0重量%であり、浸漬時間は、30〜120秒であることが好ましい。
なお、ガラス繊維織物を酢酸水溶液に接触させた後、酢酸水溶液の持ち出しを抑えるため、絞液、乾燥を施すことが好ましい。
【0016】
ガラス繊維織物を酢酸水溶液に接触させた後、ガラス繊維織織物を350〜700℃の雰囲気温度の加熱炉に入れて、加熱処理する。
加熱処理の第1の方法としては、ガラス繊維織物を巻体の状態で350〜450℃の雰囲気の加熱炉に15〜80時間入れてバッチ式で加熱処理する。この際、ガラス繊維織物は酢酸水溶液で処理されているため、有機物の炭化を起こすことなく、酢酸水溶液で処理しない場合より短い時間で、ヒートクリーニングを行うことが出来る。なお、加熱温度や加熱時間がこの範囲を超過すると、高温状態に長時間晒すことになり、ガラス繊維織物の補強材としての強度が低下することがある。
加熱処理の第2の方法としては、ガラス繊維織物の巻体からガラス繊維織物を巻出しながら、加熱炉に連続的に通す。この際、雰囲気温度を400〜700℃、加熱処理時間を30〜300秒になるように設定する。加熱炉中のガラス繊維織物表面の雰囲気温度が400℃未満では有機物の熱分解が進まず、加熱時間を長くする必要があり効率が低下し、ガラス繊維織物の補強材としての強度が低下する傾向にある。また、加熱炉中の雰囲気温度が700℃超過では、ガラス繊維織物の補強材としての強度が低下する傾向がある。また、加熱処理時間が30秒未満では、有機物の熱分解が不十分になることがあり、300秒超過では、ガラス繊維織物の補強材としての強度が低下することがある。この加熱処理の第2の方法は、上述した加熱処理の第1の方法より、短時間で終了するので効率的である。さらに、この加熱処理の第2の方法においては、ヒートクリーニングをより効率的に行うため、ガラス繊維織物表面の雰囲気温度を500〜700℃という比較的高温になるように加熱し、加熱処理時間を30〜150秒になるように設定することが好ましい。なお、この加熱処理温度及び加熱処理時間は、サイズ剤の有機物成分や付着量、ガラス繊維のガラス組成などにより適宜選定ればよい。たとえば、Eガラス組成からなるガラス繊維の場合は、加熱処理温度が500〜650℃で、加熱処理時間が30〜120秒であることが好ましい。
【0017】
さらに、本発明のガラス繊維織物のヒートクリーニング方法において、ガラス繊維織物を酢酸水溶液に接触させる工程に先立ち、ガラス繊維織物を酸化剤水溶液に接触させることが好ましい。酸化剤水溶液は過酸化水素水であることが好ましい。ガラス繊維織物を過酸化水素水などの酸化剤水溶液に接触させる方法は、浸漬、塗布、スプレーなど何れの方法でもよいが、浸漬により酸化剤水溶液に接触させることが最も効率的で好ましい。ガラス繊維織物を過酸化水素水に浸漬する場合は、過酸化水素水の濃度は、0.5〜5重量%であり、浸漬時間は、30〜200秒であることが好ましい。さらに、アンモニアは触媒として過酸化水素の酸化力を向上させるため、この過酸化水素水には0.05〜3重量%アンモニアを含んでいることが好ましい。なお、ガラス繊維織物を酸化剤水溶液に接触させた後、酸化剤水溶液の持ち出しを抑えるため、絞液、乾燥を施すことが好ましい。
【0018】
また、本発明のガラス繊維織物のヒートクリーニング方法において、ガラス繊維織物を酢酸水溶液に接触させる工程に先立ち、ガラス繊維織物を、350℃〜600℃の雰囲気温度の加熱炉に連続的に通して予備ヒートクリーニングを施しておくことが好ましい。この予備ヒートクリーニングによりガラス繊維織物は全体が褐色を呈しているが、ガラス繊維織物に付着する有機物を、ガラス繊維重量に対し、0.1〜0.5重量%に低減することができる。そのため、ガラス繊維織物を酢酸水溶液に接触させた後、加熱処理を容易に行うことができ、効率的にヒートクリーニングを行うことができる。予備ヒートクリーニングにおいては、加熱時間を30〜200秒にすることが好ましい。雰囲気温度や加熱時間が上述の範囲を超過にすると、ガラス繊維織物表面に黒色斑点の外観不良を起こすことがある。
なお、本発明のガラス繊維織物のヒートクリーニング方法において、上述の酸化剤水溶液に接触させる工程と、予備ヒートクリーニング工程を併用してもよい。この場合は、ガラス繊維織物を予備ヒートクリーニングした後、酸化剤水溶液に接触させ、その後酢酸水溶液に接触させたほうが、効率的にヒートクリーニングできるので好ましい。
【実施例】
【0019】
[ガラス繊維織物]
(1)上記表1の実測値に示すEガラス組成のガラス繊維からなり、澱粉系のサイズ剤がガラス繊維の重量に対し、1.0重量%付着したガラス繊維織物(IPCクロススタイル2116 使用糸 ECE225 1/0 0.7Z)を、ガラス繊維織物(a)とした。
(2)ガラス繊維織物(a)を、ガラス繊維織物表面の雰囲気温度が540℃になるように設定した加熱炉に90秒間通して加熱処理し、有機物の付着量を0.1重量%に減じ、ガラス繊維織物(b)とした。
(3)ガラス繊維織物(b)を、0.1重量%の酢酸水溶液に、60秒浸漬し、ガラス繊維織物(c)とした。
(4)ガラス繊維織物(a)を、アンモニアを0.1重量%含む、3.0重量%の過酸化水素水に、60秒浸漬し、次いで、0.1重量%の酢酸水溶液に、60秒浸漬し、ガラス繊維織物(d)とした。
(5)ガラス繊維織物(a)をガラス繊維織物(b)に換えた以外は、上述の(4)と同様に処理し、ガラス繊維織物(e)とした。
【0020】
[加熱処理の容易さの評価]
10cm角の上記ガラス繊維織物(a)〜(e)を、雰囲気温度が600℃の加熱炉に入れ加熱処理し、色差計でYI値が27になるまでの時間を測定し、この時間をガラス繊維織物が白色になるまでの時間とした。また、このガラス繊維織物表面の斑点状の異物を観察し、下記基準で評価した。その結果を表2に示す。
A:まったく発生なし。
B:若干発生が認められるが、問題になる程度ではない。
C:問題になる程度に発生。
【0021】
[ガラス繊維織物の加熱処理]
ガラス繊維織物(b)〜(e)を、ガラス繊維織物表面の雰囲気温度が600℃になるように温度調整した加熱炉に数十秒間通し、連続式に加熱処理した。
また、ガラス繊維織物(a)、(b)、(d)の巻体を、雰囲気温度400℃の加熱炉に入れ、バッチ式で加熱処理した。なお、ガラス繊維織物(a)は、加熱処理するための時間が極端に長いので、ガラス繊維織物の巻体をバッチ式のみで加熱処理した。
それぞれガラス繊維織物の加熱時間を表2に示すが、この加熱時間の値は上述の加熱処理の容易さの評価結果を基に設定した時間で、ガラス繊維織物のヒートクリーニングを安定して行うことができる時間と考えることができる時間である。
【0022】
[ヒートクリーニングしたガラス繊維織物の強度評価]
加熱処理したガラス繊維織物(a)〜(d)をJIS R3420 ガラス繊維一般試験方法 7.4引張強さ に基づき引張強度を測定した。測定結果を表2に示す。
【0023】
[プリプレグの作製]
加熱処理したガラス繊維織物(a)〜(d)を0.4重量%のアミノプロピルトリエトキシシランに浸漬し、絞液・乾燥し、下記組成のエポキシ樹脂ワニスを含浸し、125℃、500秒間加熱し、ガラス繊維織物を45重量%含有するプリプレグを得た。このプリプレグを色差計でYI値を測定し、プリプレグの着色度を評価した。この数値が大きいほど着色していると判断できる。測定結果を表2に示す。
アラルダイト8011 :75重量部
エピコート154 : 9重量部
2−エチル、4−メチルイミダゾール :0.2重量部
ジシアンジアミド : 1重量部
メチルセロソルブ :15重量部
【0024】
[積層板の作製]
上記プリプレグを4枚重ね合わせ、170℃で、2時間、2MPaの圧力で加熱加圧し、積層板を作製した。この積層板を4cm角に切断し、133℃の飽和蒸気圧下で、2時間放置後、260℃の半田浴に20秒間浮かべ、積層板の外観を観察し、下記基準で積層板の耐熱性を評価した。その評価結果を表2に示す。
A:フクレなどがまったく発生しない。
B:フクレが若干発生しているが、大きさ、個数とも問題になる程度でない。
C:フクレが問題になる程度に著しく発生。
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明によれば、プリント配線板用積層板などの補強材に用いられるガラス繊維織物に特有のヒートクリーニング処理を効率的に行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物で被覆処理したガラス繊維束を製織してなるガラス繊維織物を、酢酸水溶液に接触させ、次いで350〜700℃の雰囲気温度で加熱処理することを特徴とするガラス繊維織物のヒートクリーニング方法。
【請求項2】
前記ガラス繊維織物が、酸化剤水溶液に接触させたガラス繊維織物である請求項1に記載のガラス繊維織物のヒートクリーニング方法。
【請求項3】
前記ガラス繊維織物が、350℃〜600℃の雰囲気温度の加熱炉に連続的に通して予備ヒートクリーニングを施したガラス繊維織物である請求項1に記載のガラス繊維織物のヒートクリーニング方法。
【請求項4】
前記ガラス繊維織物が、350℃〜600℃の雰囲気温度の加熱炉に連続的に通して予備ヒートクリーニングを施し、次いで酸化剤水溶液に接触させたガラス繊維織物である請求項1に記載のガラス繊維織物のヒートクリーニング方法。
【請求項5】
前記加熱処理が、前記ガラス繊維織物を500〜700℃の雰囲気温度の加熱炉に連続的に通す処理である請求項1から請求項4の何れか一項に記載のガラス繊維織物のヒートクリーニング方法。

【公開番号】特開2007−262629(P2007−262629A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91527(P2006−91527)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000003975)日東紡績株式会社 (251)
【Fターム(参考)】