説明

ガリレオ交流バイナリ・オフセット搬送波(AltBOC)信号を処理するためのハードウェア・アーキテクチャ

GNSS受信器は、複素信号の別々に発生された実数及び虚数成分を結合することにより、複素複合信号を局部的に発生するハードウェアを用いて、AltBOC(15,10)、すなわち複合E5a及びE5b、コードを追跡する。AltBOC信号の直角位相チャンネル上にあるデータレス複合パイロット・コード信号を追跡するために、受信器は、レプリカE5a及びE5b PRNコードを生成するPRNコード発生器、並びに上部及び下部の副搬送波の実数及び虚数成分を発生する方形波発生器を動作させる。受信器は、ベースバンドI及びQ信号成分にダウン変換されている受信された信号を、局部的に発生された複素複合コードで乗算することにより、受信された信号から複素複合コードを取り除く。受信器は、次に、相関されたI及びQ促進信号値であるその結果を用いて、中心周波数搬送波位相角追跡誤差を評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、GNSS受信器に関し、特に、ガリレオAltBOC衛星信号で動作する受信器に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS受信器のような地球航法衛星システム(GNSS)受信器は、軌道周回GPS及び他の衛星から受信された信号に基づいてそれらの全地球位置を決定する。GPS衛星は、例えば、2つの搬送波、すなわち、1575.42MHzにおけるL1搬送波及び1227.60MHzにおけるL2搬送波、を用いて信号を送信する。各搬送波は、周期的に繰り返す1及び0の見かけ上はランダムなシーケンスからなる少なくともバイナリ擬似ランダム(PRN)コードによって変調される。PRNコードにおける1及び0は、“コード・チップ”と称され、“コード・チップ時間”において生じる1から0へのまたは0から1へのコードにおける変遷は、“ビット変遷”と称される。各GPS衛星は、独特のPRNコードを用い、従って、GPS受信器は、どのPRNコードが信号内に含まれているかを決定することにより、受信された信号を特定の衛星と関連させることができる。
【0003】
GPS受信器は、衛星がその信号を送信する時刻と、受信器が該信号を受信する時刻との間の差を計算する。受信器は、次に、関連した時間差に基づいて衛星からのその距離、もしくは“擬似距離”を計算する。少なくとも4つの衛星からの擬似距離を用いて、受信器は、その全地球位置を決定する。
【0004】
時間差を決定するために、GPS受信器は、コードの各々にコード・チップを整列させることにより、局部的に発生されたPRNコードを、受信された信号におけるPRNコードと同期化させる。GPS受信器は、次に、局部的に発生されたPRNコードが、送信時刻における衛星PRNコードの既知のタイミングから時間的にどの位シフトされたかを決定し、関連の擬似距離を計算する。GPS受信器が、局部的に発生されたPRNコードを、受信された信号におけるPRNコードと一層密接に整列させればさせるほど、GPS受信器は、関連の時間差及び擬似距離、次に、その全地球位置を一層正確に決定することができる。
【0005】
コード同期動作は、衛星PRNコードの取得及び該コードの追跡を含む。PRNコードを取得するために、GPS受信器は、概して、コード・チップによって時間的に分離される一連の相関測定を行う。取得の後、GPS受信器は、受信されたコードを追跡する。それは、概して、“早期マイナス遅発(early-minus-late)”相関測定、すなわち、(i)受信された信号におけるPRNコード及び局部的に発生されたPRNコードの早期バージョンと関連した相関測定と、(ii)受信された信号におけるPRNコード及び局部PRNコードの遅発バージョンと関連した相関測定と、の間の差の測定を行う。GPS受信器は、次に、局部及び受信されたPRNコード間の不整列に比例する誤差信号を生成する、遅延ロック・ループ(DLL)における早期マイナス遅発測定を用いる。誤差信号は、次に、DLL誤差信号を実質的に最小にするように局部PRNコードをシフトさせるPRNコード発生器を制御するために用いられる。
【0006】
GPS受信器は、また、代表的には、局部PRNコードの時間厳守(パンクチュアル)バージョンと関連した相関測定を用いて、衛星搬送波を局部搬送波と整列させる。これを行うために、受信器は、搬送波追跡位相ロック・ループを用いる。
【0007】
GPS受信器は、見通し内もしくは直通路の衛星信号だけでなく、異なった経路に沿って走行して大地、水域、近隣のビルディング、等から受信器に反射される信号である多重通路信号をも受信する。多重通路信号は、直通路信号の後にGPS受信器に到着し、直通路信号と結合して歪んだ受信信号を生成する。受信された信号のこの歪みは、コード同期動作に悪影響を及ぼし、その理由は、局部PRNコードと受信された信号との間の相関を測定する相関測定が、その多重通路成分を含む全受信信号に基づいているからである。歪みは、GPS受信器が、直通路信号の代わりに多重通路信号に同期化することを試みるようなものであり得る。このことは、コード・ビット変遷が直通路信号に生じる時間に近接して生じるコード・ビット変遷を有する多重通路信号にとって特に真実である。
【0008】
受信された信号と局部的に発生されたPRNコードとを一層正確に同期化させるための1つの方法は、共通の譲受人に譲渡され、参照によりここに組み込まれる、米国特許第5,101,416号、5,390,207号及び5,495,499号に論じられた“狭い相関器”を用いることである。早期及び遅発相関測定間の遅延空間を狭めることは、ノイズの悪影響及び早期マイナス遅発測定での多重通路信号歪みを実質的に減少するということが決定されてきた。
【0009】
遅延空間は、ノイズが早期及び遅発の相関測定において相関するように狭められる。また、狭い相関器は、本質的に、多くの多重通路信号の寄与よりも時間厳守PRNコード相関測定と関連した相関ピークに一層近接して空間付けられる。従って、これらの相関器によって行われる早期マイナス遅発相関測定は、それらがピークの回りで一層大きい間隔を為す場合にあるであろうよりも相当少なく歪まされる。相関器が相関ピークに一層近接して配置されれば配置されるほど、相関測定上の多重経路信号の悪影響は、それだけ一層最小化される。しかしながら、遅延空間は、DLLが衛星PRNにロックすることができず、かつ次に、コード・ロックを維持することができないほど狭く作ることはできない。もしそうでないならば、受信器は、コードへの再ロックを行うための時間を反復的にかけることなく、受信された信号におけるPRNコードを追跡することができない。
【0010】
L1搬送波は、2つのPRNコード、すなわち、1.023MHz C/Aコード及び10.23MHz Pコードによって変調される。L2搬送波は、Pコードによって変調される。一般に、上述の特許に従って構成されたGPS受信器は、局部的に発生されたC/Aコード及び局部的に発生されたL1搬送波を用いて衛星信号を取得する。取得後、受信器は、DLLにおける狭い相関器及び搬送波追跡ループにおける時間厳守相関器を用いて、局部的に発生されたC/Aコード及びL1搬送波を、受信された信号におけるC/Aコード及びL1搬送波と同期させる。受信器は、次に、C/Aコード及び互いとの既知のタイミング関係を有するL1及び/またはL2 Pコードを追跡するよう、C/Aコード追跡情報を用い得る。
【0011】
GPS衛星の一層新しい世代においては、L2搬送波は、10.23MHz方形波によって変調されるC/Aコードによっても変調される。以後、分割C/Aコードと称する方形波変調されたC/Aコードは、L2搬送波からの±10MHzのオフセットにおけるそのパワー・スペクトルにおいて、もしくはPコードのパワー・スペクトルのヌルにおいて最大値を有する。分割C/Aコードは、このように、L2 Pコードを妨害することなく、必要に応じて、選択的に妨害されることができる。
【0012】
分割C/Aコードと関連した自己相関関数は、1.023MHz C/Aコードの自己相関に対応する包絡線、及び10.23MHz方形波の自己相関に対応する該包絡線内の多数のピークを有する。このように、2つのチップC/Aコード包絡線内に20のピークがあり、すなわち、各0.1C/Aコード・チップごとに方形波の自己相関ピークがある。方形波と関連した多数のピークは、各々、比較的狭く、従って、DLLが正しい狭いピークを追跡すると仮定すると、増加したコードを追跡する正確さを提供する。
【0013】
共通の譲受人に譲渡され、参照によりここに組み込まれる米国特許第6,184,822号に論じられているように、20.46MHz方形波コードとして考えられ得る局部的に発生された10.23MHz方形波及び局部的に発生された1.023MHz C/Aコードの位相と、受信された信号を別々に整列させることにより、分割C/Aコードを取得して追跡することに対する利点がある。受信器は、最初に、局部的な発生された方形波コードの位相を、受信された信号と整列させ、分割C/Aコードの自己相関関数の多数のピークの1つを追跡する。それは、次に、局部的に発生された方形波コードの位相に対して局部的発生されたC/Aコードの位相をシフトさせ、局部的かつ受信されたC/Aコードを整列させて分割C/Aの中心ピーク上に相関器を位置させる。受信器は、次に、局部的に発生された分割C/Aコードで、中心ピークを直接追跡する。
【0014】
欧州委員会及び欧州宇宙機関(ESA)は、ガリレオとして知られたGNSSを開発している。ガリレオ衛星は、交流バイナリ・オフセット搬送波(AltBOC)として知られている提案された変調を用いて1195.795MHzの中心周波数を有する復号信号としてE5aバンド(1176.45MHz)及びE5bバンド(1207.14MHz)における信号を送信する。AltBOC信号の発生は、ガリレオ信号タスク・フォース文献“ガリレオSRD信号プランに対する技術的付属書類”ドラフト1、2001年7月18日、ref#STF−annexSRD−2001/003に記載されており、その全体が参照によりここに組み込まれる。GPS衛星と同様、GNSS衛星は、各々、独自のPRNコードを送信し、GNSS受信器は、このように、受信された信号を特定の衛星と関連させることができる。従って、GNSS受信器は、衛星が信号を送信した時刻と受信器がAltBOC信号を受信した時刻との間の差に基づいてそれぞれの擬似距離を決定する。
【0015】
標準のバイナリ・オフセット搬送波(BOC)は、上部のサイドバンド(側波帯)及び対応の下部のサイドバンド(側波帯)の双方に信号の周波数をシフトさせる正弦波sin(wt)によって時間領域信号を変調する。BOC変調は、方形波または正弦波(sin(wt))を用いて周波数シフトを達成し、概して、BOC(fs,fc)として表され、ここに、fsは、副搬送波(方形波)周波数であり、fcは、拡散コード・チッピング・レートである。1.023MHzのファクタは、通常、明瞭さのために表記から省略され、BOC(15.345MHz、10.23MHz)変調は、BOC(15、10)として表される。上述の分割C/Aコードに類似した信号を例えば生成するBOC変調は、同相及び直角位相搬送波の各々上に、単一の拡散の、もしくはPRNの、コードを許容する。
【0016】
複素指数関数ew0tによる時間領域信号の変調は、信号の周波数を上部のサイドバンドだけにシフトする。AltBOC変調の目標は、信号が広帯域の“BOC状信号”として受信され得るように、それぞれ複素指数関数または副搬送波によって変調されるE5a及びE5bバンドを干渉性の態様で発生することである。E5a及びE5bバンドは、各々、関連の同相及び直角位相の拡散、もしくはPRN、コードを有し、E5aコードは、下部のサイドバンドにシフトされ、E5bコードは、上部のサイドバンドにシフトされる。それぞれのE5a及びE5bの直角位相搬送波は、データの無いパイロット信号によって変調され、それぞれの同相の搬送波は、PRNコード及びデータ信号の双方によって変調される。GNSS受信器は、上述の分割C/Aコードの追跡と同様の態様で、E5aコードまたはE5bコードのいずれかを追跡し得る。
【0017】
しかしながら、復号E5a及びE5b信号の追跡、すなわち、広帯域のAltBOCコヒレント信号の追跡と関連した追跡の正確さ及び多重通路の緩和の双方に利点がある。復号信号のそれぞれの同相及び直角位相の搬送波は、複素拡散コードによって変調され、従って、同相及び直角位相チャンネルは、各々、E5a及びE5bコードの実数及び虚数の信号成分の双方からの寄与を含む。復号追跡動作の理論的分析は、高レベルの数学を用いて行われてきた。従って、高レベルの数学的動作を本質的に再現する関連の受信器は、複雑かつ高価格であると予想される。
【0018】
提案された1つの受信器は、ガリレオ衛星が送信用信号を発生するために用いる同じルックアップ・テーブル、すなわち、基本的な位相シフト・キーイング(PSK)拡散コードに対応するテーブルを用いて、AltBOC復号コードの局部バージョンを生成する。該提案された受信器は、従って、それぞれのガリレオ衛星によって送信されたコードの各々のための大規模なルックアップ・テーブルを維持しなければならないだけではなく、該受信器は、また、新しいコード・チップが受信される時間ごとにルックアップ・テーブルへのエントリを制御する複雑な回路を動作させなければならない。該テーブルは、ますます大きくなり、今意図されているように、異なったパイロット・コードがE5a及びE5bバンド上で用いられる場合には、それらに入るのが一層複雑である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、複素信号の別々に発生された実数及び虚数成分を結合することにより、複素複合信号を局部的に発生するハードウェアを用いて、AltBOC(15,10)、すなわち複合E5a及びE5b、コードを追跡するGNSS受信器である。例えば、AltBOC信号の直角位相チャンネル上にあるデータレス複合パイロット・コード信号を追跡するために、受信器は、局部的に発生された実数及び虚数パイロット信号成分の組合せとして複合パイロット・コードの局部バージョンを生成する。従って、受信器は、レプリカE5a及びE5b PRNコードを生成するPRNコード発生器、並びに上部及び下部の副搬送波の実数及び虚数成分を発生する方形波発生器を動作させる。
【0020】
受信器は、ベースバンドI及びQ信号成分にダウン変換(周波数逓降変換)されている受信された信号を、局部的に発生された複素複合コードで乗算することにより、受信された信号から複素複合コードを取り除く。受信器は、次に、相関されたI及びQ促進信号値であるその結果を用いて、中心周波数搬送波位相角追跡誤差を評価する。誤差信号は、局部的に発生された中心周波数搬送波の位相角を修正するために、通常の態様で動作する数値制御発振器を制御するように用いられる。受信器は、また、DLLにおける局部的に発生された複素複合パイロット・コードの早期及び遅発バージョンをも用い、そして、対応のDLL誤差信号を最小にすることにより、局部的に発生された複合パイロット・コードを、受信された複合パイロット・コードで整列させる。
【0021】
受信器が複合パイロット・コードを追跡していると、受信器は、通常の態様で、その擬似距離及び全地球位置を決定する。さらに、以下に一層詳細に説明するように、受信器は、別々のセットの相関器を用いて、同相複合PRNコードの局部的に発生されたバージョンを、受信された信号における同相チャンネル・コードと整列させ、その後、その上で変調されたデータを回収する。
【0022】
以下、本発明を添付図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
ガリレオAltBOC変調スキームは、AltBOC(15,10)信号、すなわち、それらの同相及び直角位相搬送波上にそれら自体のそれぞれの拡散、またはPRN、コードを有するE5a及びE5bバンドを持った“BOC(15,10)状”信号を発生する。AltBOC(15,10)信号は、下部のサイドバンドとしてのE5aバンド(1176.45MHz)及び上部のサイドバンドとしてのE5bバンド(1207.14MHz)を持った1191.795MHzの中心搬送波周波数及び15.345MHzの副搬送波周波数を有する。
【0024】
AltBOC(15,10)信号は、E5a及びE5b拡散、もしくはPRN、コード及びデータの複合を同位相チャンネルに、そしてE5a及びE5bデータレスPRN、もしくはパイロット、コードの複合を直角位相チャンネル上に含む一定の包絡線信号として衛星上に発生される。図1は、AltBOC PRN直角位相チャンネル・シーケンスの周波数スペクトルを示す。
【0025】
AltBOC(15,10)信号のための理想化されて正規化された自己相関関数が図2に示されている。自己相関関数111の包絡線100は、10.23MHzチッピング・レート信号の自己相関関数であり、自己相関関数111の多数のピークは、複素方形波コードと考えられ得る15.3454MHzの副搬送波と関連している。
【0026】
AltBOC(15,10)ガリレオ衛星信号を追跡する際のGNSS受信器10の動作を以下に説明する。セクション1において、複合コードとして直角位相データレス・パイロット・コードを追跡するための動作を説明する。セクション2において、同位相の複合データ・コードからE5a及びE5bデータを回収するための動作を説明する。以下の説明は、受信器が、通常の搬送波追跡ループ(図示せず)を用いて中心周波数搬送波を取得したということを仮定する。
【0027】
セクション1. 複合パイロット・コードの追跡
AltBOC信号は、以下の式で与えられる。
【数1】

ここに、cは同相E5bコードであり、cは同相E5aコードであり、cは直角位相E5bコードであり、cは直角位相E5aコードであり、そしてE5b及びE5aは、それぞれ、上部搬送波er(t)、及びer(t)の共役複素数である下部搬送波er(t)上で変調される。上部搬送波er(t)は、
【数2】

であり、ここに、cr(t)=符号(cos(2πft))、sr(t)=符号(sin(2πft))であり、fは、副搬送波周波数である。下部搬送波er(t)は、
【数3】

である。AltBOC(15,10)信号の直角位相チャンネル上にある複合パイロット・コードは、E5a及びE5b直角位相コードc(t)及びc(t)を含む。直角位相チャンネル信号に対する表現x(t)は、同相チャンネル・コードをゼロにセットし、搬送波に対する表現を置換することにより式(1)から導出される。
【0028】
【数4】

式(2)の項は、次に、実数成分及び虚数成分に分離され得る。
【数5】

受信器は、図4を参照して一層詳細に説明するように、局部的に発生された実数及び虚数信号成分を結合することによって、複素複合パイロット・コードの局部バージョンを生成する。受信器は、次に、以下の図5を参照して一層詳細に説明するように、局部的に発生された複合パイロット・コードを、受信された信号における対応の複合パイロット・コードと相関させる。受信器は、次に、従来の態様で、関連の擬似距離とその全地球位置とを決定する。
【0029】
さて、図3を参照すると、GNSS受信器10は、視界内にある衛星のすべてによって送信されたAltBOC複合コードを含む信号をアンテナ12を介して受信する。受信された信号は、ダウン変換器14に与えられ、該ダウン変換器(ダウンコンバータ)14は、通常の態様で、該受信された信号を、アナログ・ディジタル変換器18と適合した周波数を有する中間周波数(“IF”)信号に変換する。
【0030】
IF信号は、次に、所望の中心搬送波周波数に帯域を有するIF帯域フィルタ16に与えられる。フィルタ16の帯域幅は、AltBOC複合パイロット・コードの一次高調波、すなわち約1192MHz、を通過させるのを許容するのに充分に広くあるべきである。広い帯域幅は、受信されたコードにおける比較的鋭利なビット変遷、従って、かなり良く限定された相関ピークに帰結する。
【0031】
アナログ・ディジタル変換器18は、ナイキストの定理を満足させる割合で、フィルタリングされたIF信号をサンプリングし、既知の態様で、対応のディジタル同相(I)及び直角位相(Q)信号サンプルを生成する。I及びQディジタル信号サンプルは、既知の態様で動作するドップラ除去プロセッサ20に供給され、中心周波数搬送波位相角の評価に従って信号を回転させることにより、ベースバンドIbaseband及びQbasebandサンプルを生成する。搬送波位相角の評価は、相関サブシステム22によって生成される搬送波位相誤差追跡信号に従って調整される、搬送波数値制御される発振器(“搬送波NCO”)30によって生成される信号に部分的に基づいている。相関器サブシステムの動作を図5を参照して以下に説明する。
【0032】
baseband及びQbasebandサンプルは、次に、相関器サブシステム22に供給され、該相関器サブシステム22は、複合コード発生器24によって生成された、局部的に発生された複合パイロット・コードの早期、促進及び遅発もしくは早期マイナス遅発バージョンで該サンプルに乗算することによって相関測定を行う。複合コード発生器及び相関器サブシステムの動作を、それぞれ図4及び図5を参照して以下に説明する。局部複合パイロット・コードの早期、促進及び遅発もしくは早期マイナス遅発バージョンと関連したI及びQ相関測定値は、所定の間隔に渡ってそれぞれのI及びQ測定値を別々に累積(累算)する積分及びダンプ回路26に供給される。各間隔の終わりで、積分及びダンプ回路26は、それぞれのI及びQ累積値の結果、すなわち、I及びQ相関信号を制御器40に供給する。制御器は、次に、搬送波NCO30及び複合コード発生器24を制御し、局部的に発生された複合パイロット・コードを、受信された信号における対応のコードと整列させる。
【0033】
GNSS受信器10は、局部的生成された実数及び虚数複合信号成分から発生された、局部的に発生された複合パイロット・コードを用いて、AltBOC(15,10)信号を追跡する。さて、局部的に発生された複合パイロット・コード成分を生成するために複合コード発生器24によって行われる動作を図4を参照して詳細に説明する。
【0034】
複合コード発生器24は、与えられたGNSS衛星のためのE5a及びE5b・PRNコードの局部バージョンをそれぞれ生成するc及びcPRNコード発生器242及び243を含む。コード発生器24は、さらに、上部及び下部の搬送波er(t)及びer(t)の実数及び虚数成分に対応するcr及びsrの値を生成する2つの方形波発生器244及び245を含む。図5を参照して以下に一層詳細に説明するように、制御器は、0,1,0...,等のそれぞれのコード・パターンとして考えられ得るcr及びsr方形波の遷移並びに局部的に生成されたc及びcコード・チップの相対的なタイミングを制御するために、相関信号を用いる。
【0035】
複合コード発生器24は、加算器240においてc及びcコード・チップを一緒に加算し、該加算値を乗算器246において、符号(cos(πft))であるcrの値で乗算し、局部的に発生された複合パイロット・コードの実数成分を生成する。複合パイロット・コードの実数成分は、以後、“Ipilot”と称する。複合コード発生器は、インバータ248においてcコード・チップを変換し、該変換されたcコード・チップを対応のcコード・チップに加算器250において加算し、そしてその結果を乗算器252において、符号(sin(πft))であるsrで乗算することにより、複合パイロット・コードの虚数成分を生成する。局部的に発生された複合パイロット・コードの虚数成分は、以後、“Qpilot”と称する。複合パイロット・コードの局部レプリカは、次に、合計
【数6】

である。以下に一層詳細に説明するように、相関器サブシステム22は、受信された複合パイロット・コードを、局部的に発生された複合パイロット・コードで乗算する。その結果に基づいて、制御器40は、PRNコード及び方形波発生器242−245を調整して、局部コードを受信されたコードに整列させる。
【0036】
さて、図5を参照して、相関器サブシステム22の動作を、局部的に発生された複合パイロット・コードの促進バージョンに関連した動作について説明する。受信器は、関連のDLL誤差信号を生成するよう既知の態様で動作する、遅延ロック・ループすなわちDLLの部分として動作する、局部的に発生された複合パイロット・コードの早期及び遅発もしくは早期マイナス遅発バージョンのための類似の回路を含む。
【0037】
相関サブシステム22は、2つの複素信号、すなわち局部的に発生された複合パイロット・コード及び受信された複合信号を一緒に乗算する。相関器サブシステムは、従って、以下の動作を行う。
【数7】

項を乗算して開いて実数成分と虚数成分を分けると以下の相関信号が生成される。
【数8】

【0038】
図5に示されるように、相関サブシステムは、ドップラ除去プロセッサ20によって与えられるベースバンド信号Ibaseband及びQbaseband、並びにコード発生器24によって与えられる局部的に発生された実数及び虚数信号成分Ipilot及びQpilotを処理して、相関信号の実数及び虚数成分を生成する。相関サブシステム22は、乗算器502において、Ibaseband信号をIpilot信号で乗算し、そして乗算器510において、Qbaseband信号をQpilot信号で乗算する。加算器506は、次に、2つの積を一緒に加算し、その結果を積分及びダンプ回路516に提供する。積分及びダンプ回路516は、加算器506によって生成されたその合計を集積し、適切な時期において、対応の実数成分、すなわちIprompt、信号を生成する。虚数成分を生成するために、相関サブシステムは、乗算器508において、Qbaseband信号をIpilot信号で乗算し、そして乗算器504において、Ibaseband信号をQpilot信号で乗算する。乗算器504において生成された積は、インバータ512によって変換され、乗算器508によって生成された積に、加算器514において加算される。加算器514は、次に、該合計を積分及びダンプ回路518に供給し、該回路518は、該合計を集積して、適切な時刻において、対応のQprompt信号を生成する。
【0039】
制御器40(図3)は、Iprompt及びQprompt信号を処理して、Qprompt/Ipromptのアークタンジェント(arctangent)として中心搬送波追跡位相誤差を決定する。位相誤差信号は、次に、ドップラ除去プロセッサ20を制御する搬送波NCO30を制御するよう、既知の態様で用いられる。
【0040】
上述したように、制御器40は、また、早期及び遅延もしくは早期マイナス遅延のI及びQ相関信号を受信する。これらの信号に基づいて、制御器40は、発生器242−245を調整して、受信されたコードにおける局部複合コードを整列させ、従って、関連のDLL誤差信号を最小化する。
【0041】
セクション2. 複合同相信号からのデータの回収
AltBOC(15,10)信号は、E5a同相及びE5b同相チャンネル上のデータ及び拡散コードの双方を含む。E5a同相チャンネルは、特定のデータ・レートで送信されるデータを運び、そしてE5b同相チャンネルは、異なったデータ・レートで送信される異なったデータを運ぶ。E5a及びE5b同相チャンネル上のデータ遷移は、しかしながら、対応の時刻において生じる。GNSS受信器10は、前述したように、複合パイロット・コードを用いて、AltBOC(15,10)信号を取得して追跡する。搬送波の除去の後、受信器は、図10を参照して以下に一層詳細に説明するように、相関器の別々のセットを用いて、複合同相信号からデータを回収する。
【0042】
AltBOC(15,10)複素同相ベースバンド信号、すなわち、ゼロにセットされた直角位相パイロット・コードを有する信号は、
【数9】

であり、ここに、副搬送波は、上式中で、対応の矩形関数cr(t)±sr(t)の代わりにシヌソイド(正弦曲線)として含まれており、さしあたり、c(t)及びc(t)にはデータが無い(are free of data)と仮定している。上式中の項
【数10】

は、上述のセクション1で述べた直角位相拡散、すなわちPRN、コードに対する表現と同様であるということに留意されたし。
【0043】
ベースバンド同相信号が複合同相拡散コードの局部レプリカと相関されるならば、該結果は、
【数11】

であり、乗算項は、
【数12】

であり、ここに、Rは、信号kに対する自己相関関数を表す。クロス項は、E5a及びE5b同相拡散コードが特にクロス相関値を有するよう設計されているので、事前検知間隔に渡ってフィルタリングされる。クロス項を除去し、複素指数関数を展開すれば、
【数13】

となる。
【0044】
データの無い(データフリー)信号の場合において、自己相関関数R及びRは等しく、その表現は、以下のように単純化される。
【数14】

対応の相関関数が図6に示されている。これは、図2に示されている複合直角位相パイロット・コードに対する相関関数と同様であることに留意されたし。
【0045】
E5a及びE5b同相コードc(t)及びc(t)にデータが無い(are datafree)という仮定が取り除かれるならば、個々の相関関数R及びRの最大の正規化された理想の値、並びにそれらの合計及び差は、図7のテーブルに示されている。従って、元のデータ・シーケンスは、受信器が(R+R)及び(R−R)の双方を複合同相信号から回収した場合に回収され得る。
【0046】
受信器は、同相Iprompt信号から直接に(R+R)データを回収し得る。しかしながら、(R−R)データの回収は、直接的なもの(ストレート・フォワード)としてではない。図6に示されるように、同相複合信号のR+R成分、すなわち
【数15】

は、複合直角成分チャンネル信号の自己相関関数と同様である自己相関関数を有する。しかしながら、図8に示されるように、同相複合信号のR−R信号成分
【数16】

は、同様の自己相関関数を有しておらず、その理由は、τがゼロに行くとき正弦(sin)項がゼロに行くからである。
【0047】
τがゼロに行くときゼロに行く正弦(sin)項を補償するために、相関動作はオフセットされ得、それにより、該動作は、
【数17】

に対応する相関ピークを追跡し、(R−R)データ・シーケンスは、次に、減少されたパワーでQprompt相関器から読取られ得る。
【0048】
代替的には、複合信号の局部バージョンを発生する回路は、代わりに、(R−R)項に対して自己相関関数
【数18】

を生成する信号を発生し得る。局部同相複合信号は、従って、
【数19】

となる。
【0049】
この方法を用いてデータを復調するために、受信器は、c(t)及びc(t)拡散コードの2つの結合、すなわち、それぞれR+Rデータ及びR−Rデータに対応する結合を局部的に生成する。(R+R)データを回収するために、受信器は、局部信号
【数20】

を生成する。(R―R)データを回収するために、受信器は、局部信号
【数21】

を生成する。
【0050】
さて、図9を参照すると、R―R及びR+R結合の実数及び虚数成分は、局部複合コード発生器24(図3)の部分であり得るコード発生器54によって局部的に生成される。R+R結合の実数成分を生成するために、コード発生器は、加算器540においてc及びcコードを一緒に加算し、その結果を、乗算器546において方形波コードcrで乗算する。R+R結合の虚数成分を生成するために、コード発生器は、加算器550において、cコード及び反転されたcコードを一緒に加算し、その結果を、乗算器562において方形波コードsrで乗算する。発生器は、また、加算器540によって生成された合計c+cを、乗算器560において、方形波コードsrで乗算し、R―R結合の虚数成分を生成する。発生器は、さらに、加算器550によって生成された合計c−cを、乗算器522において、方形波コードcrで乗算して、R―Rコードの実数成分を生成する。
【0051】
受信器は、次に、R+R及びR―R結合の局部的に生成された実数及び虚数成分を用いて、複合同相コードからのデータを回収する。
【0052】
さて、図10を参照すると、システムは、乗算器602において、同相ベースバンド信号IbasebandをR+Rの実数成分で乗算し、乗算器606において、直角位相ベースバンド信号QbasebandをR+Rの虚数成分で乗算する。乗算器602及び606によって生成された積は、次に、加算器608において一緒に加算され、その合計は、積分及びダンプ回路615に与えられる。R−Rに関係した相関信号を生成するために、相関サブシステムは、乗算器610において、直角位相ベースバンド信号Qbasebandを、R−Rの虚数成分で乗算する。さらに、システムは、乗算器604コードにおいて、ベースバンド信号Ibasebandの実数成分をR−Rの実数成分で乗算する。2つの合計は、加算器612において一緒に加算され、積分及びダンプ回路616に与えられる。積分及びダンプ回路615及び616は、それぞれ、加算器608及び612によって生成された相関値を集積し、適切な時刻において、R+R2prompt及びR−R2prompt信号を生成する。その結果は、次に、図7のチャートに従ってデータを回収するために用いられる。
【0053】
図5及び図10の回路は、図11に示されるように結合され得て、直角位相AltBOC複合コードを追跡して同相AltBOC複合コードからE5a及びE5bデータを回収するシステムを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】AltBOC(15,10)直角位相チャンネル・シーケンスの周波数スペクトルを示す図である。
【図2】図1に示された信号と関連した正規化された自己相関関数を示す図である。
【図3】GNSS受信器のための1つのチャンネルの機能ブロック図である。
【図4】図3の受信器に含まれる局部コード発生器の機能ブロック図である。
【図5】図4の受信器に含まれる相関器サブシステムの機能ブロック図である。
【図6】AltBOC同相チャンネルと関連した自己相関関数を示す図である。
【図7】理想的な自己相関値のチャート図である。
【図8】AltBOC同相チャンネルと関連したもう1つの自己相関関数を示す図である。
【図9】局部コード発生器の機能ブロック図である。
【図10】相関器サブシステムの機能ブロック図である。
【図11】図5及び図10の相関器サブシステムを組合せた機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0055】
10 GNSS受信器
12 アンテナ
14 ダウン変換器(ダウンコンバータ)
16 IF帯域フィルタ
18 アナログ・ディジタル変換器
20 ドップラ除去プロセッサ
22 相関器サブシステム
24 複合コード発生器
26 積分及びダンプ回路
30 搬送波数値制御される発振器(搬送波NCO)
40 制御器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流バイナリ・オフセット搬送波、すなわちAltBOC信号、を送信する地球航法衛星システムと共に使用するための受信器であって、
A.局部的に生成された実数及び虚数コード成分の結合としてAltBOC複合コードの局部バージョンを生成する局部複合コード発生器と、
B.相関信号を生成する相関サブシステムであって、局部的に生成された実数及び虚数複合コード成分で、受信された信号のベースバンド同相及び直角位相成分を乗算することにより生成された積を結合することにより、局部的に生成された複合コードを受信されたAltBOC信号における複合コードと相関させる前記相関サブシステムと、
C.相関サブシステムからの相関信号を受信して局部複合コード発生器を調整し、局部複合コードを受信されたAltBOC信号における対応の複合コードと整列させる制御器であって、AltBOC複合コードが送信される時間と、コードが受信される時間との間のタイミング差に基づいて関連の擬似距離を決定する前記制御器と、
を備えた受信器。
【請求項2】
局部複合コード発生器は、
上部及び下部の搬送波の実数及び虚数成分を生成する方形波コード発生器と、
上部の搬送波上で変調された第1のコードを生成する第1のPRNコード発生器と、
下部の搬送波上で変調された第2のコードを生成する第2のPRNコード発生器と、
上部及び下部の搬送波の実数及び虚数成分で第1及び第2のコードを乗算し、該積を結合して、局部複合コードの実数及び虚数成分を生成する加算器及び乗算器と、
を含む請求項1に記載の受信器。
【請求項3】
局部コード発生器は、さらに、第1のコードと関連する第1の自己相関関数と、第2のコードと関連する第2の自己相関関数との合計及び差にそれぞれ対応する組合せを生成し、
相関システムは、それぞれの組合せに対応する組合せ相関信号を生成し、
制御器は、組合せ相関信号に基づいて、受信された信号における第1及び第2のコードからデータを回収する、請求項2に記載の受信器。
【請求項4】
交流バイナリ・オフセット搬送波、すなわちAltBOC信号、を送信する地球航法衛星システムと共に使用する受信器のための局部コード発生器であって、
A.上部の搬送波上で変調された第1のコードの局部バージョンを生成する第1のコード発生器と、
B.下部の搬送波上で変調された第2のコードの局部バージョンを生成する第2のコード発生器と、
C.上部及び下部の搬送波のそれぞれの実数成分に対応する第1の方形波を生成する第1の方形波発生器と、
D.上部及び下部の搬送波のそれぞれの虚数成分に対応する第2の方形波を生成する第2の方形波発生器と、
E.第1及び第2のコードを結合して関連の合計を生成する1つまたは複数の加算器と、
F.該合計を第1及び第2の方形波で乗算して複合コードの実数及び虚数成分を生成する1つまたは複数の乗算器と、
を備えた局部コード発生器。
【請求項5】
1つまたは複数の加算器は、コードを選択的に反転するための1つまたは複数のインバータを含む請求項4に記載の局部コード発生器。
【請求項6】
発生されたコードは、データレス複合パイロット・コードに対応する請求項5に記載の局部コード発生器。
【請求項7】
1つまたは複数の乗算器は、さらに、各合計を別々に第1及び第2の方形波で乗算して、それぞれの関連の組合せ相関信号の実数及び虚数成分を生成する請求項5に記載の局部コード発生器。
【請求項8】
地球航法衛星システムから受信された交流バイナリ・オフセット搬送波、すなわちAltBOC、信号から、全地球位置を決定する方法であって、
A.局部的に生成された実数及び虚数コード成分の結合としてAltBOC複合コードの局部バージョンを生成するステップと、
B.受信されたAltBOC信号の同相及び直角位相成分を生成するステップと、
C.局部的に生成された実数及び虚数複合コード成分で、受信されたAltBOC信号のベースバンド同相及び直角位相成分を乗算することにより生成された積を結合することにより、局部的に生成された複合コードを受信されたAltBOC信号における複合コードと相関させて、関連の相関信号を生成するステップと、
D.相関信号に基づいて局部複合コード発生器を調整し、局部複合コードを、受信されたAltBOC信号における対応の複合コードと整列させるステップと、
E.少なくとも3つの地球航法衛星からの局部及び受信されたAltBOC複合コード間のタイミング差に基づいて全地球位置を決定するステップと、
を含む方法。
【請求項9】
AltBOC複合コードの局部バージョンを生成するステップは、
上部及び下部の搬送波の実数及び虚数成分に対応する方形波を生成するステップと、
上部の搬送波上で変調される第1のコードを生成するステップと、
下部の搬送波上で変調される第2のコードを生成するステップと、
第1及び第2のコードを選択的に結合し、その結果を、上部及び下部の搬送波の実数及び虚数成分で乗算するステップと、
を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第1及び第2のコードを選択的に結合するステップは、実数及び虚数成分にそれぞれ関連する第1及び第2の合計を生成するステップと含み、第1の合計は、反転された第1のコードに第2のコードを加算したものに対応し、第2の合計は、2つのコードの加算したものに対応する請求項8に記載の方法。
【請求項11】
第1及び第2のコードの結合及びR+R及びR−Rの実数及び虚数成分に対応する第1及び第2の方形波の結合の2つの結合を生成することにより、複合AltBOCコードからのデータを回収するステップをさらに含み、ここに、Rは、信号kに対する自己相関関数であり、2つの結合の関連の値は、第1及び第2のコードに含まれる対応のデータの値を決定する請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−505287(P2007−505287A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−503787(P2005−503787)
【出願日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【国際出願番号】PCT/CA2003/001548
【国際公開番号】WO2005/006011
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(506010862)ヨーロピアン・スペース・エージェンシー (3)
【Fターム(参考)】