キスペプチン拮抗薬及びその使用

【課題】本発明は、個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態の治療用の薬剤の製造におけるキスペプチンの拮抗薬の使用に関する。本発明はまた、個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態の治療において有用である、キスペプチンの拮抗薬として作用する可能性がある、定義された特定のペプチド分子を提供する。さらに、本発明は、キスペプチンの拮抗薬および/または定義されたペプチドを同定し、かつ/または使用する方法、ならびにその医薬組成物を提供する。
【解決手段】個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態の治療用の薬剤の製造におけるキスペプチンの拮抗薬の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キスペプチン拮抗薬、および個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態を治療するためのそれらの使用に関する。加えて、本発明はキスペプチン拮抗薬を同定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
RFアミドは、それらのC末端に共通のArg-Phe-NH2モチーフを有し、すべてがGタンパク質共役受容体に結合するペプチドホルモンの一群である。RFアミドは、炎症反応、食物摂取の制御および発達を含む全身の多くの過程に関与することが示された。RFアミドが役割を果たしている1つの主要な分野は、ゴナドトロピン阻害ホルモン(GnIH)およびキスペプチンという2つのRFアミドが関係する生殖である。
【0003】
KiSS-1遺伝子は、ヒト染色体1q32に位置し、4つのエキソンからなり、2つは非翻訳であり、2つは部分的に翻訳されて、145アミノ酸(aa)ペプチドを生じさせる[非特許文献1]。前駆体ペプチドは、長さ54のアミノ酸に切断され、これがさらに14、13または10アミノ酸に切断され得る。これらの集合的短縮体は、キスペプチンとして知られており、哺乳動物において高度に保存的である。これらのペプチドは、ラットにおいてGPR54として、ヒトにおいてAXOR12として知られているオーファンGタンパク質共役受容体(GPCRs)のリガンドであることが現在知られている[非特許文献2〜4]。10aaペプチドであるYNWNSFGLRF-NH2は、該受容体を活性化するのに十分である。
【0004】
GPR54受容体は、396aaオープンリーディングフレームを有し、ガラニンに結合しないが、ガラニン受容体ファミリーに関連している。ラットGPR54は、哺乳動物において高度に保存的であり、ヒト受容体に対して81%の相同性を、マウスに対して85%の相同性を有する[非特許文献2、4、5]。受容体とリガンドは脳および末梢組織内で高度に特徴づけられており、GPR54およびKiSS-1は、視床下部、大動脈、卵巣、前立腺および胎盤に位置し、またGPR54は下垂体においても発現する[非特許文献2、4、6、7]。
【0005】
受容体およびリガンド発現の位置を考慮して、生殖におけるそれらの役割が想定され、これは、機能の喪失であるGPR54内の異型接合および同型接合突然変異が、患者が低または無血漿黄体形成ホルモン(LH)拍動性により特徴づけられる思春期の遅延または不全を示す特発性低ゴナドトロピン性性腺機能不全(iHH)を引き起こすことが示されたときに確認された[非特許文献8〜13]。これは、iHHヒトで認められるのと非常に類似した、小精巣/卵巣、小外性器および輸精管、形成不全であったライジッヒ細胞および子宮角を有していたGPR54-/-マウスにも認められた[非特許文献14]。次にこれは、KiSS-1およびGPR54が思春期および特にその時期の制御に役割を果たすという仮説につながった(eluded)。それ以来、KiSS-1 mRNAレベルが思春期サルで幼若サルと比較して高いことが見出された[非特許文献15]。マウスにおいて、KiSS-1ニューロンは、10日目(d10)には存在せず、前腹側室周囲核(AVPV)に25日目に出現し始め、雄でほぼ45日目に、雌で61日目に成体レベルまで増加する。これは、これらの動物の思春期の時期と一致している[非特許文献16]。しかし、GPR54 mRNAレベルは生後の発育を通して一定のままであり、したがって、キスペプチンの注入により、すべての発育段階でLHの放出を刺激することができる。したがって、キスペプチンは、思春期の初期にGnRH分泌の主な調節因子として認められる[非特許文献17]。
【0006】
視床下部におけるキスペプチンおよびGPR54の発現は、キスペプチンが視床下部-下垂体-性腺(HPG)軸の制御に関与している可能性があるという仮説のきっかけとなった。この仮説は、キスペプチンが雄ラットおよびヒトにおける血漿黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)およびテストステロンを用量依存的に速やかに増加させ、LHに対する効果がFSHと比べて10倍強力であることが示されたときに確認された[非特許文献18〜20]。ゴナドトロピン放出ホルモン受容体(GnRHR)拮抗薬の投与により、このゴナドトロピンの増加を消失させることができることがさらに示された。これは、キスペプチンが視床下部のレベルで作用してGnRHの放出を刺激することを示唆するものである[非特許文献15]。これは、視床下部の正中隆起内のGnRHニューロンがGPR54受容体を有し、KiSS-1ニューロン線維の90%がGnRH免疫反応性ニューロンと共局在化することが見出されたときにさらに立証された[非特許文献21、22]。また、GT1-7視床下部細胞はKiSS-1およびGPR54 mRNAを発現し、これはエストラジオールに応答して増加し、キスペプチンは、24時間後にこれらの細胞からのGnRHの放出を刺激する[非特許文献23]。上のデータは、下垂体レベルでの直接的な作用は排除されなかったが、キスペプチンが下垂体レベルで作用しないことも示唆するものである。他のグループもキスペプチンが下垂体のゴナドトロピン産生細胞およびソマトトロピン産生細胞において発現し、キスペプチンがLHおよび成長ホルモンの放出を直接刺激することができることを示した[非特許文献24、25]。
【0007】
KiSS-1ニューロンは、げっ歯類および霊長類の視床下部の弓状核(ARC)およびAVPVに局在化していた。しかし、ヒツジおよびラットにおいては、それらはARCにおいてのみ認められる[非特許文献16、26、27]。現在、ARCが負のステロイド調節に関与し、AVPVがゴナドトロピン放出の正のフィードバック調節に関与することが確認されている。これは、雄マウスの精巣除去の後に最初に認められたが、これはARCにおいてKiSS-1細胞数およびmRNA発現レベルが増加し、エストロゲンの補充によりこれを正常レベルに低下し、一方、AVPVにおいては、KiSS-1細胞数が減少し、エストロゲンの投与によりこれが増加して自然レベルに戻ることが観察されたときのことであった[非特許文献26]。KiSS-1細胞体は、エストロゲン受容体α(ERα)およびプロゲステロン受容体を発現することが現在わかっており、これは、ステロイドフィードバックループにKiSS-1が役割を果たしていることを意味している[非特許文献27、28]。このことから、ARCは、負の調節下でLHパルスを制御し、AVPVは、正の調節下でおそらくLHサージおよび排卵の誘発を刺激することが示唆される。これは、高エストロゲンの存在下でさえもラットにおけるLHサージのキスペプチン抗血清による阻害により、また雄マウスと比較して雌のAVPVに10倍高いKiSS-1ニューロンが存在することから、実証された。AVPVにおけるKiSS-1陽性細胞数は発情前期で最高であり、発情静止期で最低であり、ARCにおいては状況が反対である[非特許文献16、29]ことから、このステロイド調節は発情周期にわたって働いている。ヒツジにおいて、正および負のフィードバックがARCに作用して、他の哺乳類におけると同じ反応をもたらし、尾領域でLHサージが促進される。ステロイド調節下にあるのと同様に、KiSS-1もメラトニンによる光周期により制御され、KiSS-1ニューロンはそれらの細胞体上にMel1c受容体を有する。日中の長さが短い状態に保持した雌シベリアンハムスターも日中が長い状態に保持したものと比較して外因性キスペプチンに対する低い反応を示した[非特許文献30〜33]。高度に絶食させたげっ歯類がKiSS-1 mRNA、GnRH、LHおよびFSHを減少させ、また思春期の遅延を示した[非特許文献34、35]ことから、レプチンも有力な役割を果たすと思われる。
【0008】
キスペプチンは、心血管系などの末梢組織におけるHPG軸外にも認められ、キスペプチン-10/13が大動脈平滑筋の血管収縮因子として作用することが示された[非特許文献7、36]。GPR54も脳の海馬領域における中枢神経系(CNS)において高度に発現し、カルシウム活性化キナーゼおよびチロシンキナーゼにより制御されていると思われる[非特許文献37]MAPキナーゼが関与するメカニズムにより海馬歯状顆粒細胞におけるシナプス伝達を可逆的に増大させることが示された。KiSS-1およびGPR54 mRNAは、発現が再び発情周期と相関するラット卵巣内にも位置していた。卵巣において、KiSS-1は、卵巣表面上皮、間質腺、黄体内に存在し、卵胞においては、発現が顆粒層に移る発情前期まで卵胞膜細胞内に存在する[非特許文献6]。最近、KiSS mRNAが子宮の卵管に検出され、子宮外妊娠の予防に関与しているという仮説が立てられた[非特許文献38]。しかし、KiSS-1およびGPR54の最高レベルが胎盤に存在する。
【0009】
胎盤において、KiSS-1およびGPR54は、マウス[非特許文献39]およびヒト[非特許文献40]における栄養膜合胞体細胞内ならびにラット[非特許文献41]における巨細胞内に位置している。GPR54は、絨毛外栄養膜細胞にも位置しており、可能なパラクリン作用が示唆される[非特許文献42]。リガンドと受容体は妊娠第一期に高レベルで存在するが、KiSS-1のみがヒトにおいて満産期に存在し、両方がラットにおいてE18.5まで存在しない。これは、栄養膜浸潤と一致しており、その抗転移特性のため、KiSS-1はこれの阻害因子であるという仮説が立てられた[非特許文献39、41]。
【0010】
キスペプチンは、膵臓、甲状腺および肝細胞がんなどの多くのがん組織における抗転移因子であることも知られている[非特許文献43〜45]。そのケモカイン受容体CXCR4の転移特性を阻害する間質細胞由来因子-1(SDF-1)の拮抗作用およびカルシニューリンシグナリング経路を阻害することができるケモカインである調節カルシニューリン-インテラクチンプロテイン-1(MCIP-1)のアップレギュレーションを含む、この機能の種々のメカニズムについて仮説が立てられた[非特許文献46、47]。他の仮説は、キスペプチンが特異性タンパク質1(SP1)および染色体領域6q16.3q23に位置するその共活性化因子DRIP130により制御されることである。この領域で異型接合性(LOH)の喪失が起る場合、KiSS-1はしばしば腫瘍から失われ、これが転移が起ることを可能にする。これは、浸潤および移動を抑制するSP1およびDRIP130により救うことができる[非特許文献48、49]。
【0011】
この抑制は、培養細胞においても示され、キスペプチンにより用いられるシグナリング経路を検討するためのアウトプットとして用いられた。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において、キスペプチン-10(Kp10)は、化学走性、移動、コロニー形成および増殖を阻害することができ、細胞円形化を引き起こすことができる。Kp-10はまた、局所接着を引き起こし、局所接着キナーゼ(FAK)およびパキシリンのリン酸化による線維形成を強めることがあり得る[非特許文献3、50、51]。キスペプチンおよびGPR54は、イノシトール-3-リン酸、細胞内カルシウムおよびpERKを増加させることが示され、GPR54がGq/11シグナリング経路を活性化することが示唆される[非特許文献4]。この経路は通常は増殖および移動を刺激するので、これは、抗転移特性と完全には一致しない。したがって、キスペプチンは、RhoおよびRac/Cdc42経路などの他の経路を活性化する可能性があることが示唆された[非特許文献5、51]。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
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【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
この背景に対して、発明者らは、キスペプチン拮抗薬が個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態を治療するのに有用であり得ることを驚くべきことに発見した。
【0014】
したがって、第1の態様において、本発明は、個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態の治療用の薬剤の製造におけるキスペプチンの拮抗薬の使用を提供する。第2の態様において、本発明は、個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態の治療における使用のためのキスペプチンの拮抗薬を提供する。
【0015】
特に、GPR54受容体の拮抗薬は、視床下部におけるGnRHの放出を抑制することによりゴナドトロピンおよび性ステロイド関連障害を処置するのに有用であることが発見された。したがって、キスペプチン拮抗薬は、GnRH作用薬およびゴナドトロピン阻害の拮抗薬を潜在的に置換する可能性があり、それらの作用がより速やかで、完全である可能性があるので、重要な発見である。
【0016】
GnRH類似体は、ゴナドトロピンおよび性ホルモンを阻害するために阻害モダリティで用いられており、ホルモン依存性疾患(前立腺、乳および卵巣がんなど)の治療、排卵を誘発するためのin vitro受精における、および新世代の避妊薬としての広範な治療適用を獲得した。
【0017】
したがって、キスペプチンはGnRHの主要な刺激物質である(例えば、キスペプチン受容体GPR54における突然変異は不妊を引き起こすことが知られている)ので、発明者らは、キスペプチン拮抗薬はGnRH拮抗薬と類似の適用範囲を有することになることを発見し、さらに、キスペプチンはGnRHニューロンの上流で機能するため、キスペプチン拮抗薬はGnRHに基づく療法よりその作用が速やかで、有効であると予想される。
【0018】
「個体におけるキスペプチン活性」に我々はキスペプチンのin vitroおよび/またはin vivoでの性質、活性もしくは特性を含める。したがって、「キスペプチンの拮抗薬」に我々はキスペプチンのin vitroおよび/またはin vivoでの性質、活性もしくは特性を防ぎ、かつ/または減少させることができる分子の意味を含める。例えば、キスペプチン拮抗薬は、キスペプチン受容体または他の細胞成分と物理的に結合またはそれに結合するキスペプチンの能力を妨害し、かつ/または減少させる可能性がある。
【0019】
したがって、本発明の分子および拮抗薬は、キスペプチン受容体に可逆的もしくは不可逆的に結合、かつ/またはキスペプチン受容体に選択的に結合することができる可能性がある。「選択的に結合すること」には我々は他のポリペプチドよりキスペプチン受容体に少なくとも10倍強く、好ましくは少なくとも50倍強く、より好ましくは少なくとも100倍強く結合する本発明の分子および拮抗薬の能力を含める。好ましくは、本発明の分子および拮抗薬は、生理的条件下、例えば、in vivoでキスペプチン受容体に結合する。そのリガンドまたは受容体とペプチドの結合または会合を測定する方法(in vivoまたはin vitro)は、生化学および細胞生物学の分野の技術者によく知られている。
【0020】
例えば、添付の実施例に示すように、本発明の拮抗薬は、キスペプチン同種受容体(GPR54など)に結合するが、活性化しないキスペプチンの競合的拮抗薬であってよい。
【0021】
キスペプチン拮抗薬は、細胞内のイノシトールリン酸産生(CHO、HEK、COSのような形質転換または初代細胞株、GnRH GTIニューロン細胞株、ならびに正常栄養芽細胞およびJEGなどの細胞株におけるような)のキスペプチン媒介性刺激のような特定の細胞挙動を刺激するキスペプチンの能力を妨害し、かつ/または減少させる可能性もある。イノシトールリン酸産生の細胞測定のための生化学的検定法は、当技術分野でよく知られている。
【0022】
特に好ましい態様において、拮抗薬は、キスペプチンペプチドのペプチド類似体である。キスペプチンペプチドのペプチド類似体の構造/活性関係(SAR)は、注目されることが比較的に少なく、現在まで、もっぱら作用に重点がおかれている[非特許文献52、53]。キスペプチン(キスペプチン1-54としても知られている)のアミノ酸配列は、以下の通りである。
GTSLSPPPESSGSRQQPGLSAPHSRQIPAPQGAVLVQREKDLPNYNWNSFGLRF.NH2
【0023】
したがって、第3の態様において、本発明は、患者におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態の治療のための、あるいは患者におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態の治療用の薬剤の製造における、以下の配列
X1-G/W-X2-R/(D)R-X3
[ここで、
X1は、FまたはAまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
X2は、LまたはAまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
X3は、FまたはWであり、
ペプチド分子のC末端アミノ酸残基が当残基上の電荷を除去する基z、
またはそのフラグメントもしくは変異体を含み、
ペプチド配列が
F-G-L-R-F、
F-G-L-R-W、または
F-G-(D)F-R-Fでない]
を含むまたはからなるペプチド分子の使用を提供する。
【0024】
好ましくは、本発明のペプチド分子のC末端アミノ酸残基が基zを含む場合、当C末端残基上の負の電荷が除去される。
【0025】
本明細書で述べる本発明のペプチド分子は、アミノ酸を表すために用いられる従来の一文字コードを用いて定義されることは理解されよう。「アミノ酸」という用語は、α-炭素原子に結合したカルボキシル(-COOH)およびアミノ(-NH2)基の両方を有する水溶性有機化合物の群のいずれかを含む。アミノ酸は、一般式R-CH(NH2)COOHにより表すことができ、R基は、水素または有機基であり、個々のアミノ酸の特性を決定する。α-炭素原子のまわりの4つの異なる基の四面体アレイがアミノ酸に光学活性を与える。2つの鏡像体は、L-異性体およびD-異性体と呼ばれている。一般的に、L-アミノ酸のみがタンパク質(真核タンパク質など)の成分である。
【0026】
特に断らない限り、本発明のペプチド分子は、L-アミノ酸を含む。本発明のペプチド分子に存在する場合、D-アミノ酸は、通常の一文字アミノ酸コードの前に接頭辞「(D)」を用いて言及する。
【0027】
述べる場合、本発明の分子は、所定の位置に「任意のD-アミノ酸」を有するペプチド配列を含むまたはからなっていてよい。「任意のD-アミノ酸」には我々は配列における当位置における任意の天然または非天然(例えば、化学的に修飾した) D-アミノ酸を含める。天然D-アミノ酸の例は、D-アラニン、D-アスパラギン酸、D-システイン、D-グルタミン酸、D-フェニルアラニン、D-グリシン、D-ヒスチジン、D-イソロイシン、D-リシン、D-ロイシン、D-メチオニン、D-アスパラギン、D-プロリン、D-グルタミン、D-アルギニン、D-セリン、D-トレオニン、D-バリン、D-トリプトファン、D-チロシンである。
【0028】
非天然D-アミノ酸の例は、ナフチルアラニン、D-ピリジルアラニン、D-t-ブチルセリン、D-オルニチン、D-ε-アミノリシン、D-ホモアルギニン、D-α-メチルロイシンならびにこれらおよび他の非天然アミノ酸におけるプロトンのハロゲン化物置換体(例えば、F)である。
【0029】
ペプチド結合の形成により、アミノ酸は、ともに結合して短鎖(ペプチド)またはより長い鎖(ポリペプチド)を形成する。タンパク質および/またはペプチドが様々な割合の約20個の一般的に存在するアミノ酸から構成され、その配列がタンパク質および/またはペプチドの形状、特性および生物学的役割を決定することはよく知られている。そのようなペプチドまたはポリペプチド鎖内のアミノ酸残基は、鎖内でそれらの番号付けされた位置によって通常呼ばれ、最初の位置(すなわち、1位)は鎖のN末端におけるアミノ酸に割り当てる。
【0030】
本発明の分子のペプチド配列は、Luら(1981) J. Org. Chem.、46、3433頁およびその中の参考文献により開示されている固相ペプチド合成のFmoc-ポリアミドモードにより合成することができる。一時的N-アミノ基保護は、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基によりもたらされる。この高度に塩基で不安定な保護基の反復切断は、N,N-ジメチルホルムアミド中20%ピペリジンを用いて行われる。側鎖官能性は、それらのブチルエーテル(セリントレオニンおよびチロシンの場合)、ブチルエステル(グルタミン酸およびアスパラギン酸の場合)、ブチルオキシカルボニル誘導体(リシンおよびヒスチジンの場合)、トリチル誘導体(システインの場合)および4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル誘導体(アルギニンの場合)として保護することができる。グルタミンまたはアスパラギンがC末端残基である場合、側鎖アミド官能性の保護のために4,4'-ジメトキシベンゾヒドリル基を用いる。固相担体は、ジメチルアクリルアミド(主鎖モノマー)、ビスアクリロイルエチレンジアミン(架橋剤)およびアクリロイルサルコシンメチルエステル(官能化剤)の3種のモノマーから構成されているポリジメチル-アクリルアミドポリマーに基づいている。用いるペプチド-樹脂開裂結合剤は、酸性で不安定な4-ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸誘導体である。逆N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド/1-ヒドロキシベンゾトリアゾール媒介カップリング法を用いて加えるアスパラギンおよびグルタミンを除いて、すべてのアミノ酸誘導体は、それらの予備生成対称無水物誘導体として加える。すべてのカップリングおよび脱保護反応は、ニンヒドリン、トリニトロベンゼンスルホン酸またはイソチン試験法を用いてモニターする。合成の終了後に、50%スカベンジャーミックスを含む95%トリフルオロ酢酸で処理することにより、ペプチドを樹脂担体から切断すると同時に側鎖保護基を除去する。一般的に用いられるスカベンジャーは、エタンジチオール、フェノール、アニソールおよび水であり、的確な選択は、合成するペプチドの成分アミノ酸に依存する。トリフルオロ酢酸を減圧下での蒸発により除去し、その後、ジエチルエーテルを用いて摩砕して、粗ペプチドを得る。存在するスカベンジャーを単純抽出
法により除去し、水相を凍結乾燥することにより、スカベンジャーを含まない粗ペプチドを得る。ペプチドの合成用の試薬は、一般的にCalbiochem-Novabiochem (UK) Ltd.(Nottingham NG7 2QJ、UK)から入手可能である。精製は、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーおよび(主として)逆相高速液体クロマトグラフィーなどの手法のいずれか1つまたは組合せにより行うことができる。ペプチドの分析は、薄層クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィーを用い、また酸加水分解後のアミノ酸分析および高速原子衝撃(FAB)質量分光分析により行うことができる。
【0031】
本発明の分子のペプチド配列は、化学および生化学の分野の技術者によく知られている液相法を用いて合成することもできる。
【0032】
本発明の分子のペプチド配列は、ペプチドミメティック化合物を含むまたはからなっていてよい。「ペプチドミメティック」という用語は、治療薬としての特定のペプチドの立体配座および望ましい特性を模倣するが、望ましくない特性を避ける化合物を意味する。例えば、モルヒネは、経口投与することができ、ペプチドエンケファリンおよび/またはエンドルフィンのペプチドミメティックである。
【0033】
一般的に、ペプチドを必要とする治療適用は、経口での生物学的利用能の不足とタンパク質分解のため限定され、一般的に注射により投与される。一般的に、例えば、ペプチドは、エキソおよびエンドペプチダーゼによりin vivoで速やかに分解され、一般的に非常に短い生物学的半減期の原因となる。潜在的治療薬としてのペプチドの他の欠陥は、それらが経口投与による生物学的利用能が不足していることである。胃腸管におけるタンパク質分解酵素によるペプチドの分解が重要な寄与因子である可能性がある。しかし、速やかな代謝物不活性化を受けないD-アミノ酸を含む小環状ペプチドまたはペプチドでさえも不十分な経口生物学的利用能を示すことが認識されているので、問題はより複雑である。これは、腸膜を通しての輸送が不十分であり、肝臓での抽出とその後の腸内への排泄により血液から速やかに除去されることに起因すると考えられる。これらの所見は、複数のアミド結合が経口生物学的利用能の妨害となる可能性があることを示唆するものである。ペプチド鎖におけるアミノ酸残基を結び付けているペプチド結合は、ペプチド薬が経口投与されたときに分裂または開裂する可能性があると考えられている。
【0034】
ペプチドミメティックの設計および合成に対する多くの異なるアプローチが存在する。ShermanおよびSpatola、J. Am. Chem. Soc.、112、433頁(1990)により開示されているような1つのアプローチにおいて、1つまたは複数のアミド結合を様々な化学官能基により本質的に等電子的(isoteric manner)に置換した。この段階的アプローチは、活性類似体が得られたという点である程度の成功を収めた。場合によっては、これらの類似体は、それらの天然に存在する対応物より長い生物学的半減期を有することが示された。それにもかかわらず、このアプローチには限界がある。複数のアミド結合の成功を収めた置換はまれであった。したがって、結果として生成した類似体は、当分子における他所で酵素不活性化を受けやすい状態のままであった。ペプチド結合を置換する場合、新たなリンカー部分がペプチド結合と実質的に同じ電荷分布および実質的に同じ平面性を有することが好ましい。
【0035】
ペプチド結合が逆であるレトロインバースペプチドミメティックは、例えば、Meziereら(1997) J. Immunol.、159、3230〜3237頁に記載されているような当技術分野で知られている方法により合成することができる。このアプローチは、主鎖に関係し、側鎖の配向に関係しない変化を含む擬ペプチドを調製する段階を必要とする。CO-NHペプチド結合の代わりにNH-CO結合を含むレトロインバースペプチドは、タンパク質分解に対してはるかに抵抗性を示す。特定のGnRHペプチドのレトロインバースペプチドミメティックは、以前に合成された(Fromme、2003、Endocrinology、144、3262〜9頁)。
【0036】
他のアプローチにおいて、D-アミノ酸およびN-メチルアミノ酸などの様々な非コードまたは修飾アミノ酸が哺乳類ペプチドを修飾するために用いられた。あるいは、環化などの共有結合修飾により、またはγ-ラクタムもしくは他の種類の架橋の組み込みにより、推定される生物活性立体配座が安定化された。例えば、Veberら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、75、2636頁(1978)およびThursellら、Biochem. Biophys. Res.Comm.、111、166頁(1983)を参照のこと。
【0037】
多くの合成戦略の共通のテーマは、ある種の環状部分のペプチドに基づく骨格への導入であった。環状部分がペプチド構造の立体配座空間を制限し、これが特定の生物学的受容体に対するペプチドの親和力の増加をしばしばもたらす。この戦略の付加的な利点は、環状部分のペプチドへの導入が細胞ペプチダーゼに対する低い感受性を有するペプチドを生じさせる可能性もあることである。
【0038】
環状安定化ペプチドミメティックの合成に対する1つのアプローチは、閉環メタセシス(RCM)である。この方法は、ペプチド前駆体を合成し、それをRCM触媒と接触させて、立体配座的に制約されたペプチドを生成させる段階を含む。適切なペプチド前駆体は、2つまたはそれ以上の不飽和C-C結合を含んでいてよい。この方法は、固相ペプチド合成法を用いて行うことができる。この実施形態において、固体担体に固定されている前駆体をRCM触媒と接触させ、次いで、生成物を固体担体から切断して立体配座的に制約されたペプチドを得る。
【0039】
D. H. Rich in Protease Inhibitors、BarrettおよびSelveson編、Elsevier (1986)により開示された他のアプローチは、酵素阻害剤設計における遷移状態類似体の概念を適用することによりペプチド擬似体を設計することであった。例えば、スタリンの第二級アルコールはペプシン基質の切れやすいアミド結合の四面体遷移状態を模倣していることが知られている。しかし、遷移状態類似体の概念は、ホルモン作用薬/拮抗薬設計との明らかな関連性を有さない。
【0040】
疑いの回避のために、ペプチド配列におけるアミノ酸残基は標準的ペプチド結合により結合していることは必要でない。例えば、上述のように、アミノ酸残基は、逆ペプチド結合により結合していてよく、あるいは標準的ペプチド結合の結合距離および空間配向を模倣した他の結合によりともに結合していてよい。
【0041】
本発明の薬物のペプチド配列は、合成後にHPLCおよびクロマトグラフィーなどの当技術分野で知られている方法を用いて精製することができる。
【0042】
「分子」には我々は本発明のペプチド配列を含む、またはからなる分子の塩(例えば、有機または無機酸付加塩)、エステルおよび溶媒和物を含める。該用語が当該分子と同じ生物学的機能および/または活性を有する誘導体をさらに含むことは十分に理解されるであろう。さらに、本発明の目的のために、該用語は、当該分子のプロドラッグ(例えば、エステル)も含む。「プロドラッグ」という用語は、経口または非経口投与後にin vivoで代謝されて、実験で検出できる量で、また、あらかじめ定められた投与時間内に当該薬物を生成する物質の組成物を含む。
【0043】
本発明の分子はさらに、本発明の分子を標的細胞(がん細胞など)に向けさせ、かつ/または局在化し、かつ/または本発明の分子の半減期(t1/2)を延長させることができる1つまたは複数の部分からなるか、または含んでいてよい。したがって、そのような部分は、本発明の分子の有効性を増加させることができる。分子がD-アミノ酸を含むまたはからなるペプチド配列を含むまたはからなる場合、それらのアミノ酸残基は修飾を特に受けやすいので、好ましくは、1つまたは複数の部分が本発明の分子に含まれていてよい。
【0044】
本発明の分子はさらに、本発明の分子を標的細胞(がん細胞など)に向けさせ、かつ/または局在化し、かつ/または本発明の分子の半減期(t1/2)を延長させることができる1つまたは複数の部分からなるか、または含んでいてよい。したがって、そのような部分は、本発明の分子の有効性を増加させることができる。薬物がD-アミノ酸を含むペプチド配列を含むまたはからなる場合、それらのアミノ酸残基は修飾を特に受けやすいので、好ましくは、1つまたは複数の部分が本発明の分子に含まれていてよい。
【0045】
好ましくは、該1つまたは複数の部分は、ステロイドホルモン分子(例えば、プロゲステロン、テストステロン、エストラジオールまたはコルチソルを含む)であり、D-アミノ酸の側鎖と共役している。ステロイドホルモン分子は、血漿タンパク質に結合することができ、ペプチドの代謝クリアランスを減少させることが示された(Ratcliffeら、2006、Endocrinology、147、571〜9頁)。例えば、ステロイドホルモンと共役したGnRHペプチドは、参照により本明細書に組み込まれている国際公開第2004/08725号に記載されている。あるいは、該1つまたは複数の部分は、ビタミンB12またはビタミンDなどのビタミンであり、キスペプチン類似体のNH2末端または天然もしくはD-アミノ酸の適切な側鎖と共役している。ビタミンは、ペプチドの経口生物学的利用能を改善することが示された(Russell-Jonesら、1995、Bioconjug. Chem.、6、34〜42頁、Russell-Jonesら、1995、Bioconjug. Chem.、6、459〜465頁)。
【0046】
好ましくは、キスペプチンの拮抗薬として作用する本発明の分子の能力は、該1つまたは複数の部分により影響されず、かつ/または有意に影響されない。
【0047】
好ましくは、本発明は、ペプチド配列が
F-G-A-R-W、
F-G-L-(D)R-W、
F-G-(D)L-R-W、または
(D)F-G-L-R-W
でない、使用を提供する。
【0048】
好都合には、本発明は、X1が(D)Fである、使用を提供する。好ましくは、X2は、(D)F、(D)Lおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である。
【0049】
より好ましくは、該ペプチド配列は、
(D)F-W-L-R-W、または
F-G-(D)W-R-F
からなる群から選択される。
【0050】
1つの実施形態において、本発明は、N末端残基が当残基上の電荷を除去する基yを含む、使用を提供する。一般的に、X1が当残基上の電荷を除去する基yを含む。
【0051】
基yは、アセチル基(本願書を通して「ac」として表す)、トリフルオロアセチル基、環化アミノ酸、またはN末端における電荷を欠いた合成アミノ酸(さらなる化合物(ピログルタミン酸など)または化学基、例えば、アルキル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピル、ブチルおよびより長いアルキル基)の付加により修飾されたアミノ基を有するアミノ酸など)からなる群から選択することができる。
【0052】
好ましくは、本発明は、X3が当残基上の電荷を除去する基zを含む、使用を提供する。
【0053】
1つの実施形態において、本発明は、配列が
I) ac.F - G - (D)F - R - W.z;
II) ac.F - G - (D)L - R - W.z;
III) ac.F - G - L - (D)R - W.z;
IV) ac.F - G - A - R - W.z;
V) ac.A - G - L - R - W.z;
VI) ac.(D)F - W - L - R - W.z; または
VII) ac.F - G - (D)W - R - F.z.
からなる群から選択される、使用を提供する。
【0054】
1つの実施形態において、上のペプチド(I)〜(VI)のいずれかのN末端残基上のアセチル基(上および本願書を通して「ac」として表す)は、当残基上の電荷を除去する基yで置換されており、好ましくはアセチル基、トリフルオロアセチル基、環化アミノ酸、またはN末端における電荷を欠いた合成アミノ酸からなる群から選択される。
【0055】
1つの実施形態において、本発明の第3の態様による使用は、ペプチド配列が、本発明の第3の態様のペプチド配列のNおよび/またはC末端における追加のアミノ酸残基またはペプチドを含む分子を含むものであり、それにより、ペプチド配列をより大きいポリペプチドまたはタンパク質分子に組み込む。したがって、本発明の第3の態様のペプチド配列は、Nおよび/またはC末端に0から10個までのアミノ酸、または10から20個までのアミノ酸、または20から30個までのアミノ酸、または30から40個までのアミノ酸、または40から50個までのアミノ酸、または50から60個までのアミノ酸、または60から70個までのアミノ酸、または70から80個までのアミノ酸、または80から90個までのアミノ酸、または90から100個までのアミノ酸、または100個を超えるアミノ酸を含んでいてよい。
【0056】
好ましい実施形態において、本発明の第3の態様による使用は、ペプチド配列のN末端における追加のペプチド配列R-R-M-K-W-K-K-Yまたはac.R-R-M-K-W-K-K-Yを含むまたはからなる分子を含む。
【0057】
R-R-M-K-W-K-K-Y配列は、ペプチド配列の細胞内デリバリーを促進かつ/または改善し、それにより本発明のペプチドの治療上の使用を改善するアンテナペディアからのヘプタペプチド配列である。アンテナペディアヘプタペプチドは、Fisherら、2003、J. Peptide Res.、55、163〜72頁、およびWangら、2006、Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters、16、2628〜2631頁に記載されている。
【0058】
したがって、本発明のペプチドは、以下の配列
R - R - M - K - W - K - K - Y - F - G - (D)F - R - W.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - F - G - (D)L - R - W.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - F - G - L - (D)R - W.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - F - G - A - R - W.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - A - G - L - R - W.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)F - W - L - R - W.z; または
R - R - M - K - W - K - K - Y - F - G - (D)W - R - F.z.
を含むまたはからなっていてよい。
【0059】
場合によって、N末端残基は、上で定義した通りであり、好ましくはアセチル(ac)である、N末端に基yを含んでいてよい。
【0060】
好ましくは、本発明の第3の態様のペプチド配列は、全長キスペプチンペプチドの一部またはすべての配列内に組み込まれている。より好ましくは、本発明の第3の態様のペプチド配列のN末端は、キスペプチン1〜54のペプチド配列(すなわち、キスペプチン配列のアミノ酸残基1〜54)および/またはキスペプチン1〜45のペプチド配列(すなわち、キスペプチン配列のアミノ酸残基1〜45)を組み込んだ任意の長さに伸長させることができる。例えば、本発明の第3の態様のペプチド配列は、そのN末端に以下の配列
GTSLSPPPESSGSRQQPGLSAPHSRQIPAPQGAVLVQREKDLPNYNWNS
を有していてよい。
【0061】
あるいは、本発明の第3の態様のペプチド配列は、アルブミンおよび/または免疫グロブリンタンパク質などのタンパク質内に組み込むことができる。そのような分子内への組み込みは、本発明のペプチド分子の個体における半減期を延長させ、代謝クリアランスを減少させると考えられる。
【0062】
第4の態様において、本発明は、患者におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態の治療のための、あるいは患者におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態の治療用の薬剤の製造における、以下の配列
XA-XB-XC-N-XD-XE-G-XF-R-F
[ここで、
XAは、Yまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XBは、Nまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XCは、Wまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XDは、GまたはSまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XEは、Fまたは(D)Wまたは(D)Lであり、
XFは、WまたはLまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
ペプチド分子のC末端アミノ酸残基が当残基上の電荷を除去する基z、
またはそのフラグメントもしくは変異体を含み、
ペプチド配列が
Y - N - W - N - S - F - G - L - R - F;
(D)Y - (D)N - W - N - S - F - G - W - R - F;
(D)Y - (D)N - W - N - G - F - G - W - R - F;
(D)Y - (D)N - W - N - S - F - G - (D)W - R - F;または
(D)Y - (D)N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.
でない]
を含むまたはからなるペプチド分子の使用を提供する。
【0063】
好ましくは、XAは、(D)Fおよび(D)Yおよび(D)Aからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である。一般的に、XBは、(D)Aおよび(D)Nからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である。1つの態様において、XAまたはXBの1つが(D)Yである場合、他は(D)Nでない。他の態様において、XAおよびXBの両方がD-アミノ酸残基でない。好ましくは、XFが(D)Wである場合、XAは(D)Fである。
【0064】
好ましくは、本発明は、XCが(D)Aおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である、使用を提供する。
【0065】
1つの実施形態において、XDは、(D)Aおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である。好ましくは、XDがSである場合、XFは(D)Wであり、かつ/またはXAは(D)Yでなく、より好ましくは、XDがSである場合、XFは(D)Wであり、かつ/またはXAは(D)Aである。
【0066】
好ましくは、XFは、(D)Lおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である。
【0067】
1つの実施形態において、XEおよびXFの両方が(D)Wである場合、XAは(D)Yでない。好ましくは、XEおよびXFの両方が(D)Wである場合、XAは(D) Aである。
【0068】
一般的に、本発明は、N末端残基が当残基上の電荷を除去する基yを含む、使用を提供する。好ましくは、X1は、当残基上の電荷を除去する基yを含む。基yは、アセチル基、トリフルオロアセチル基、環化アミノ酸、またはN末端における電荷を欠いた合成アミノ酸からなる群から選択される。
【0069】
1つの好ましい実施形態において、本発明は、ペプチド分子のC末端F残基が当残基上の電荷を除去する基zを含む、使用を提供する。
【0070】
1つの実施形態において、ペプチド配列は、
a) Y - N - W - N - G - F - G - L - R - F.z;
b) Y - N - W - N - G - F - G - (D)L - R - F.z;
c) Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
d) Y - N - W - N - G - (D)W - G - L - R - F.z;
e) ac.Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
f) ac.Y - N - W - N - (D)W - F - G - (D)W - R - F.z;
g) ac.(D)Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
h) ac.Y - N - (D)W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
i) ac.Y - (D)N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
j) ac.Y - N - W - N - (D)A - F - G - (D)W - R - F.z;
k) ac.(D)A - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
l) ac.Y - N - (D)A - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
m) ac.Y - (D)A - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
n) ac.(D)W - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
o) ac.(D)F - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
p) ac.(D)Y - N - W - N - G - (D)W - G - (D)W - R - F.z;
q) ac.(D)A - N - W - N - G - (D)W - G - (D)W - R - F.z;
r) ac.(D)A - N - W - N - S - F - G - (D)W - R - F.z;
s) ac.(D) - A - N - W - N - G - F - G - W - R - F.z;
t) ac.(D)A - N - W - N - (D)S - F - G - (D)W - R - F.z; または
u) ac.(D)A - N - W - N - G - F - G - (D)L - R - F.z.
からなる群から選択される。
【0071】
1つの実施形態において、本発明の第4の態様による使用は、ペプチド配列が、本発明の第4の態様のペプチド配列のNおよび/またはC末端における追加のアミノ酸残基またはペプチドを含む分子を含み、それにより、ペプチド配列をより大きいポリペプチドまたはタンパク質分子に組み込む。したがって、本発明の第4の態様のペプチド配列は、Nおよび/またはC末端に0から10個までのアミノ酸、または10から20個までのアミノ酸、または20から30個までのアミノ酸、または30から40個までのアミノ酸、または40から50個までのアミノ酸、または50から60個までのアミノ酸、または60から70個までのアミノ酸、または70から80個までのアミノ酸、または80から90個までのアミノ酸、または90から100個までのアミノ酸、または100個を超えるアミノ酸を含んでいてよい。
【0072】
好ましい実施形態において、本発明の第4の態様による使用は、ペプチド配列のN末端における追加のペプチド配列R-R-M-K-W-K-K-Yまたはac.R-R-M-K-W-K-K-Yを含むまたはからなる分子を含む。
【0073】
R-R-M-K-W-K-K-Y配列は、上述のようなアンテナペディアからのヘプタペプチド配列である。したがって、本発明の第4の態様のペプチドは、以下の配列
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - W - N - G - F - G - L - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - W - N - G - F - G - (D)L - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - W - N - G - (D)W - G - L - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - W - N - (D)W - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - (D)W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - (D)N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - W - N - (D)A - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)A - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - (D)A - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - (D)A - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)W - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)F - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)Y - N - W - N - G - (D)W - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)A - N - W - N - G - (D)W - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)A - N - W - N - S - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)A - N - W - N - G - F - G - W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)A - N - W - N - (D)S - F - G - (D)W - R - F.z;または
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)A - N - W - N - G - F - G - (D)L - R - F.z.
を含むまたはからなっていてよい。
【0074】
場合によって、N末端残基は、上で定義した通りであり、好ましくはアセチル(ac)である、N末端に基yを含んでいてよい。
【0075】
特に好ましい実施形態において、本発明の第4の態様のペプチド配列は、
R-R-M-K-W-K-K-Y-(D)A-N-W-N-G-F-G-(D)W-R-F.zまたは
ac.R-R-M-K-W-K-K-Y-(D)A-N-W-N-G-F-G-(D)W-R-F.z
からなる群から選択される。
【0076】
添付の実施例に示すように、N末端アンテナペディアヘプタペプチドを含む本発明のペプチドは、キスペプチン拮抗薬機能を保持している。
【0077】
好ましくは、本発明の第4の態様のペプチド配列は、全長キスペプチンペプチドの一部またはすべての配列内に組み込まれている。より好ましくは、本発明の第4の態様のペプチド配列のN末端は、キスペプチン1〜54のペプチド配列(すなわち、キスペプチン配列のアミノ酸残基1〜54)および/またはキスペプチン1〜45のペプチド配列(すなわち、キスペプチン配列のアミノ酸残基1〜45)を組み込んだ任意の長さに伸長させることができる。例えば、本発明の第4の態様のペプチド配列は、そのN末端に以下の配列
GTSLSPPPESSGSRQQPGLSAPHSRQIPAPQGAVLVQREKDLP
を有していてよい。
【0078】
あるいは、本発明の第4の態様のペプチド配列は、アルブミンおよび/または免疫グロブリンタンパク質などのタンパク質内に組み込むことができる。そのような分子内への組み込みは、本発明のペプチド分子の個体における半減期を延長させ、代謝クリアランスを減少させると考えられる。
【0079】
「個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態」に我々は、個体における当状態の症状および/または進行および/または転帰がキスペプチンの活性の結果として、始まり、誘発され、上昇し、増大し、かつ/またはより重度になる状態を含める。
【0080】
好ましくは、個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態は、増殖性障害、子宮内膜症、子宮線維症、思春期早発症、子癇前症、子宮内胎児発育遅延(IUGR)、子宮外妊娠、月経痛、高血圧、冠動脈心疾患、中枢神経系(CNS)、膵臓および/または免疫系の病変、排卵の抑制または阻害、受胎能、生殖組織の化学療法誘発性および/または放射線療法誘発性損傷、創傷治癒の抑制および/または阻害、成長ホルモン産生の抑制および/または阻害を含む群から選択される。
【0081】
例えば、ゴナドトロピンおよび性ステロイドホルモンにより刺激された生殖組織において、キスペプチン拮抗薬は、GnRH分泌を抑制し、それにより、生殖組織の刺激および生殖器がんを抑制する。したがって、キスペプチンの拮抗薬を用いて内因性ゴナドトロピンを抑制することができ、そのため、排卵の抑制および/または阻害を有する個体を治療するために外因性ゴナドトロピンを制御された方法で投与し、それにより、当個体における排卵を誘発または上昇させることができる。したがって、キスペプチンの拮抗薬は、受胎能を低下または抑制するためにも用いることができ、これが男性および女性における避妊の手段となる。さらに、キスペプチンの拮抗薬による生殖組織の刺激の抑制は、生殖組織の化学療法誘発性または放射線療法誘発性損傷を予防し、それによりがんの化学療法および/または放射線療法により治療する個体の生殖組織を保護するのにそれらを用いることを可能にするものである。
【0082】
添付の実施例で示すように、本発明の拮抗薬は、細胞移動に対するキスペプチンの阻害作用を抑制かつ/または低下させることができる。細胞移動は創傷治癒において起り、しかも必要であり、したがって、キスペプチンは、創傷治癒を抑制するのに役割を果たしている。したがって、1つの実施形態において、本発明の拮抗薬は、それを必要とする個体における創傷治癒を誘導し、かつ/または促進するために用いることができる。
【0083】
添付の実施例で示すように、本発明の拮抗薬は、被験者における成長ホルモンレベルを驚くべきことに上昇させた。したがって、本発明の拮抗薬は、それを必要とする個体における成長ホルモンの産生を促進し、かつ/または誘発するために用いることができる。例えば、本発明の拮抗薬は、腎不全の治療におけるような、成長ホルモン療法を用いる既存の治療に加えて用いることができる。
【0084】
キスペプチンは、子癇前症またはIUGRにおいて起るように、栄養膜の子宮壁への侵入(すなわち、着床)を独立に阻害する。子癇前症に関して、KiSS-1 mRNAが増加し、母体血液供給の適切な栄養膜侵入を妨げることが示された[非特許文献54]。したがって、キスペプチン拮抗薬は、その阻害を軽減し、例えば、子癇前症のような障害における妊娠中の栄養膜侵入を可能にするために用いることができる。
【0085】
キスペプチンが独立に血管収縮を誘発することは知られており、したがって、キスペプチン拮抗薬は、血管の収縮を減少させるための高血圧薬として、例えば、末梢組織における高血圧を治療するために用いることができる。GPR54はCNSにおいて発現するので、キスペプチン拮抗薬は、CNS機能(海馬歯状顆粒細胞におけるような)の調節に用いることができる。
【0086】
1つの実施形態において、上のペプチド(e)〜(s)のいずれかのN末端残基上のアセチル基は、当残基上の電荷を除去する基yで置換されており、好ましくはアセチル基、トリフルオロアセチル基、環化アミノ酸、またはN末端における電荷を欠いた合成アミノ酸からなる群から選択される。
【0087】
キスペプチンは、胎盤において高レベルで発現することが知られており、着床に関連づけられた。不良な着床は、有効な治療が存在しない(本発明時まで)、子癇前症および子宮内胎児発育遅延を引き起こし得る。
【0088】
キスペプチンおよびその受容体(GPR54)は、栄養膜および子宮細胞においても発現し(Hidenら、2007、Rev. Endocr. Metab. Disord.、8、31〜39頁)、添付の実施例で示すように、発明者らは、キスペプチンが胎児の発育遅延を引き起こすことを示した。したがって、キスペプチンのインプットの調節は、子癇前症、子宮内胎児発育遅延(IUGR)および子宮外妊娠における適用例を有するであろう。
【0089】
さらに、キスペプチンおよびGPR54は、血管収縮の増大を引き起こし(Meadら、2007、Endocrinology、148、140〜147頁)、キスペプチン拮抗薬を用いて高血圧および冠動脈心疾患を治療することができるような、アテローム動脈硬化性プラークに存在する。
【0090】
キスペプチンおよびその受容体(GPR54)は、拮抗薬がそれらの組織の病変に適用例を有するような、中枢神経系、膵臓および免疫系においても広く発現する(Muirら、2001、J. Biol. Chem.、276、28969〜28975頁、Kotaniら、2001、J. Biol. Chem.、276、34631〜34636頁)。
【0091】
好ましくは、キスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態は、動物の状態である。動物は、ヒトであってよく、あるいは家畜化哺乳動物(ニワトリ、ネコ、イヌ、ブタ、ヒツジ、ウシ、ウマを含む好ましくは農業上または商業上重要な)などの哺乳動物であってよい。
【0092】
より好ましくは、増殖性障害は、良性前立腺過形成、がん、生殖組織のがん、婦人科がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、子宮がん、子宮頚がん、子宮内膜がん、黒色腫、膵臓がん、胃がんからなるまたは含む群から選択される。
【0093】
キスペプチン受容体を発現するすべてのがんは、本発明の分子を用いて治療することができる可能性がある。好ましくは、がんは、すべてがキスペプチン受容体を発現する、生殖器がん(前立腺、子宮内膜、子宮頚、卵巣および乳がんを含む)である。
【0094】
細胞タンパク質の発現を検出する方法は、当技術分野でよく知られている。キスペプチン受容体の発現を検出するための適切な方法としては、キスペプチン受容体をエンコードするmRNAの存在を検出するためのin situハイブリッド形成および/またはPCR、キスペプチン受容体タンパク質の存在を検出するための放射性リガンド結合、ならびにキスペプチン受容体に特異的に結合することができる抗体を必要とする方法(例えば、イムノブロッティング、免疫組織化学、免疫蛍光およびELISA)などがある。
【0095】
本発明の第3および/または第4の態様で定義したペプチド分子がキスペプチンの拮抗薬であること、あるいはそのフラグメントまたは変異体がキスペプチンの拮抗薬であることが好ましい。
【0096】
好ましくは、本発明は、本発明の第1および/または第2の態様による拮抗薬あるいは医療用の本発明の第3または第4の態様で定義したペプチド分子を提供する。より好ましくは、ペプチド分子は、キスペプチンの拮抗薬である。
【0097】
第5の実施形態において、本発明は、
以下の配列
X1-G/W-X2-R/(D)R-X3
を含むまたはからなるペプチド分子を提供し、
ここで、
X1は、FまたはAまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
X2は、LまたはAまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
X3は、FまたはWであり、
ペプチド分子のC末端アミノ酸残基が当残基上の電荷を除去する基z、
またはそのフラグメントもしくは変異体を含み、
ペプチド配列が
F - G - L - R - F;
F - G - L - R - W;
F - G - (D)F - R - F;
F - G - A - R - W;
F - G - L - (D)R - W;
F - G - (D)L - R - W;
A - G - L - R - W; または
(D)F - G - L - R - W.
でない。
【0098】
好ましくは、本発明は、X1が(D)Fである、ペプチド分子を提供する。一般的に、X2は、(D)F、(D)Lおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である。
【0099】
好都合には、本発明の第5の態様によるペプチド分子は、
(D)F-W-L-R-W、または
F-G-(D)W-R-F
からなる群から選択される。
【0100】
好ましい実施形態において、N末端残基は、当残基上の電荷を除去する基yを含む。好ましくは、X1は、当残基上の電荷を除去する基yを含む。基yはアセチル基、トリフルオロアセチル基、環化アミノ酸、またはN末端における電荷を欠いた合成アミノ酸からなる群から選択されることが特に好ましい。
【0101】
1つの実施形態において、X3は、当残基上の電荷を除去する基zを含む。
【0102】
好ましくは、ペプチド配列は、
I) ac.F - G - (D)F - R - W.z;
II) ac.F - G - (D)L - R - W.z;
III) ac.F - G - L - (D)R - W.z;
IV) ac.F - G - A - R - W.z;
V) ac.A - G - L - R - W.z
VI) ac.(D)F - W - L - R - W.z; または
VII) ac.F - G - (D)W - R - F.z.
からなる群から選択される。
【0103】
1つの実施形態において、上のペプチド(I)〜(VI)のいずれかのN末端残基上のアセチル基は、当残基上の電荷を除去する基yで置換されており、好ましくはアセチル基、トリフルオロアセチル基、環化アミノ酸、またはN末端における電荷を欠いた合成アミノ酸からなる群から選択される。
【0104】
1つの実施形態において、本発明の第5の態様によるペプチド分子は、本発明の第5の態様のペプチド配列のNおよび/またはC末端における追加のアミノ酸残基またはペプチドを含むまたはからなる分子を含み、それにより、ペプチド配列をより大きいポリペプチドまたはタンパク質分子に組み込む。したがって、本発明の第5の態様のペプチド配列は、Nおよび/またはC末端に0から10個までのアミノ酸、または10から20個までのアミノ酸、または20から30個までのアミノ酸、または30から40個までのアミノ酸、または40から50個までのアミノ酸、または50から60個までのアミノ酸、または60から70個までのアミノ酸、または70から80個までのアミノ酸、または80から90個までのアミノ酸、または90から100個までのアミノ酸、または100個を超えるアミノ酸を含んでいてよい。
【0105】
好ましい実施形態において、本発明の第5の態様によるペプチド分子は、N末端における追加のペプチド配列R-R-M-K-W-K-K-Yまたはac.R-R-M-K-W-K-K-Yを含むまたはからなる。
【0106】
R-R-M-K-W-K-K-Y配列は、上述のようなアンテナペディアからのヘプタペプチド配列である。したがって、本発明の第5の態様のペプチド分子は、以下の配列
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)F - W - L - R - W;
R - R - M - K - W - K - K - Y - F - G - (D)W - R - F;
R - R - M - K - W - K - K - Y - F - G - (D)F - R - W.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - F - G - (D)L - R - W.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - F - G - L - (D)R - W.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - F - G - A - R - W.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - A - G - L - R - W.z
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)F - W - L - R - W.z;または
R - R - M - K - W - K - K - Y - F - G - (D)W - R - F.z.
を含むまたはからなっていてよい。
【0107】
場合によって、N末端残基は、上で定義した通りであり、好ましくはアセチル(ac)である、N末端に基yを含んでいてよい。
【0108】
好ましくは、本発明の第5の態様のペプチド配列は、全長キスペプチンペプチドの一部またはすべての配列内に組み込まれている。より好ましくは、本発明の第5の態様のペプチド配列のN末端は、キスペプチン1〜54のペプチド配列(すなわち、キスペプチン配列のアミノ酸残基1〜54)および/またはキスペプチン1〜45のペプチド配列(すなわち、キスペプチン配列のアミノ酸残基1〜45)を組み込んだ任意の長さに伸長させることができる。例えば、本発明の第5の態様のペプチド配列は、そのN末端に以下の配列
GTSLSPPPESSGSRQQPGLSAPHSRQIPAPQGAVLVQREKDLPNYNWNS
を有していてよい。
【0109】
あるいは、本発明の第5の態様のペプチド配列は、アルブミンおよび/または免疫グロブリンタンパク質などのタンパク質内に組み込むことができる。そのような分子内への組み込みは、本発明のペプチド分子の個体における半減期を延長させ、代謝クリアランスを減少させると考えられる。
【0110】
第6の態様において、本発明は、以下の配列
XA-XB-XC-N-XD-XE-G-XF-R-F
を含むまたはからなるペプチド分子を提供し、
ここで、
XAは、Yまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XBは、Nまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XCは、Wまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XDは、GまたはSまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XEは、Fまたは(D)Wまたは(D)Lであり、
XFは、WまたはLまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
ペプチド分子のC末端アミノ酸残基が当残基上の電荷を除去する基z、
またはそのフラグメントもしくは変異体を含み、
ペプチド配列が
Y - N - W - N - S - F - G - L - R - F;
(D)Y - (D)N - W - N - S - F - G - W - R - F;
(D)Y - (D)N - W - N - G - F - G - W - R - F;
(D)Y - (D)N - W - N - S - F - G - (D)W - R - F; または
(D)Y - (D)N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.
でない。
【0111】
好ましくは、本発明の第6の態様のペプチド分子は、XAが(D)Fおよび(D)Yおよび(D)Aからなる群から選択されるD-アミノ酸残基であることを提供する。XBは、(D)Aおよび(D)Nからなる群から選択されるD-アミノ酸残基であることが好ましい。
【0112】
1つの実施形態において、本発明は、XAまたはXBの1つが(D)Yである場合、他は(D)Nでない、ペプチド分子を提供する。1つの特に好ましい実施形態は、XAおよびXBの両方がD-アミノ酸残基でない。1つの実施形態において、XFが(D)Wである場合、XAは(D)Fである。
【0113】
好ましくは、XCは、(D)Aおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である。好都合には、XDは、(D)Aおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である。一般的に、XFは、(D)Lおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である。
【0114】
1つの実施形態において、XDがSである場合、XFは(D)Wであり、かつ/またはXAは(D)Yでない。好ましくは、XDがSである場合、XFは(D)Wであり、かつ/またはXAは(D)Aである。
【0115】
1つの実施形態において、XEおよびXFの両方が(D)Wである場合、XAは(D)Yでない。好ましくは、XEおよびXFの両方が(D)Wである場合、XAは(D) Aである。
【0116】
好都合には、本発明は、N末端残基が当残基上の電荷を除去する基yを含む、ペプチド分子を提供する。1つの実施形態において、X1は、当残基上の電荷を除去する基yを含む。一般的に、基yは、アセチル基、トリフルオロアセチル基、環化アミノ酸、またはN末端における電荷を欠いた合成アミノ酸からなる群から選択される。
【0117】
1つの好ましい実施形態において、ペプチド分子のC末端F残基は、当残基上の電荷を除去する基zを含む。
【0118】
本発明の第6の態様によるペプチド分子は、
a) Y - N - W - N - G - F - G - L - R - F.z;
b) Y - N - W - N - G - F - G - (D)L - R - F.z;
c) Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
d) Y - N - W - N - G - (D)W - G - L - R - F.z;
e) ac.Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
f) ac.Y - N - W - N - (D)W - F - G - (D)W - R - F.z;
g) ac.(D)Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
h) ac.Y - N - (D)W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
i) ac.Y - (D)N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
j) ac.Y - N - W - N - (D)A - F - G - (D)W - R - F.z;
k) ac.(D)A - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
l) ac.Y - N - (D)A - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
m) ac.Y - (D)A - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
n) ac.(D)W - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
o) ac.(D)F - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
p) ac.(D)Y - N - W - N - G - (D)W - G - (D)W - R - F.z;
q) ac.(D)A - N - W - N - G - (D)W - G - (D)W - R - F.z;
r) ac.(D)A - N - W - N - S - F - G - (D)W - R - F.z; または
s) ac.(D) - A - N - W - N - G - F - G - W - R - F.z;
t) ac.(D)A - N - W - N - (D)S - F - G - (D)W - R - F.z; または
u) ac.(D)A - N - W - N - G - F - G - (D)L - R - F.z.
からなる群から選択されるペプチド配列を含むまたはからなることが最も好ましい。
【0119】
1つの実施形態において、上のペプチド(e)〜(s)のいずれかのN末端残基上のアセチル基は、当残基上の電荷を除去する基yで置換されており、好ましくはアセチル基、トリフルオロアセチル基、環化アミノ酸、またはN末端における電荷を欠いた合成アミノ酸からなる群から選択される。
【0120】
1つの実施形態において、本発明の第6の態様によるペプチド分子は、本発明の第6の態様のペプチド配列のNおよび/またはC末端における追加のアミノ酸残基またはペプチドを含むまたはからなる分子を含み、それにより、ペプチド配列をより大きいポリペプチドまたはタンパク質分子に組み込む。したがって、本発明の第6の態様のペプチド配列は、Nおよび/またはC末端に0から10個までのアミノ酸、または10から20個までのアミノ酸、または20から30個までのアミノ酸、または30から40個までのアミノ酸、または40から50個までのアミノ酸、または50から60個までのアミノ酸、または60から70個までのアミノ酸、または70から80個までのアミノ酸、または80から90個までのアミノ酸、または90から100個までのアミノ酸、または100個を超えるアミノ酸を含んでいてよい。
【0121】
好ましい実施形態において、本発明の第6の態様によるペプチド分子は、ペプチド配列のN末端における追加のペプチド配列R-R-M-K-W-K-K-Yまたはac.R-R-M-K-W-K-K-Yを含むまたはからなる分子を含む。
【0122】
R-R-M-K-W-K-K-Y配列は、上述のようなアンテナペディアからのヘプタペプチド配列である。したがって、本発明のペプチドは、以下の配列
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - W - N - G - F - G - L - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - W - N - G - F - G - (D)L - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - W - N - G - (D)W - G - L - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - W - N - (D)W - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - (D)W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - (D)N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - W - N - (D)A - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)A - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - N - (D)A - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - Y - (D)A - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)W - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)F - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)Y - N - W - N - G - (D)W - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)A - N - W - N - G - (D)W - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)A - N - W - N - S - F - G - (D)W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)A - N - W - N - G - F - G - W - R - F.z;
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)A - N - W - N - (D)S - F - G - (D)W - R - F.z; または
R - R - M - K - W - K - K - Y - (D)A - N - W - N - G - F - G - (D)L - R - F.z.
を含むまたはからなっていてよい。
【0123】
場合によって、N末端残基は、上で定義した通りであり、好ましくはアセチル(ac)である、N末端に基yを含んでいてよい。
【0124】
特に好ましい実施形態において、ペプチド配列は、
R-R-M-K-W-K-K-Y-(D)A-N-W-N-G-F-G-(D)W-R-F.zまたは
ac.R-R-M-K-W-K-K-Y-(D)A-N-W-N-G-F-G-(D)W-R-F.z
からなる群から選択される。
【0125】
添付の実施例に示すように、N末端アンテナペディアヘプタペプチドを含む本発明のペプチドは、キスペプチン拮抗薬機能を保持している。
【0126】
好ましくは、本発明の第6の態様のペプチド配列は、全長キスペプチンペプチドの一部またはすべての配列内に組み込まれている。より好ましくは、本発明の第6の態様のペプチド配列のN末端は、キスペプチン1〜54のペプチド配列(すなわち、キスペプチン配列のアミノ酸残基1〜54)および/またはキスペプチン1〜45のペプチド配列(すなわち、キスペプチン配列のアミノ酸残基1〜45)を組み込んだ任意の長さに伸長させることができる。例えば、本発明の第6の態様のペプチド配列は、そのN末端に以下の配列
GTSLSPPPESSGSRQQPGLSAPHSRQIPAPQGAVLVQREKDLP
を有していてよい。
【0127】
あるいは、本発明の第6の態様のペプチド配列は、アルブミンおよび/または免疫グロブリンタンパク質などのタンパク質内に組み込むことができる。そのような分子内への組み込みは、本発明のペプチド分子の個体における半減期を延長させ、代謝クリアランスを減少させると考えられる。
【0128】
1つの実施形態において、本発明は、zがNH2またはN-プロピルアミドまたはN-エチルアミド(NHEt)またはN-メチルアミドまたはN-ブチルアミドである、ペプチド分子を提供する。
【0129】
好ましくは、zは、200未満、好ましくは150未満、好ましくは100未満の分子量を有する。好ましくは、zは、NHR'であり、R'は、HまたはC1〜C4アルキルであるか、あるいはzは、OR''であり、R''は、C1〜C4アルキルである。好ましくは、zはアミドである。好ましくは、zは、NH2またはN-プロピルアミドまたはN-エチルアミド(NHEt)またはN-メチルアミドまたはN-ブチルアミドである。
【0130】
第7の実施形態において、本発明は、有効な量の本発明による拮抗薬または本発明によるペプチド分子、ならびに薬学的に許容できる賦形剤または希釈剤を含むまたはからなる医薬組成物を提供する。
【0131】
「有効な量」に我々は個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態に伴う症状を減少させ、かつ/または軽減し、かつ/または予防するのに十分な本発明の分子の量を含める。「有効な量」は、例えば、ゴナドトロトピンおよび/またはステロイドホルモンの阻害についての動物(および可能な場合、ヒト)における試験を行うことにより決定することができ、用量は、皮下または腹腔内または経口で送達される1日当たり1〜100mgの範囲内にあると考えられる。
【0132】
有効な量は、実施例で述べる方法(例えば、キスペプチン受容体に対するキスペプチンの結合の拮抗作用および/または細胞におけるイノシトールリン酸産生のキスペプチン媒介性刺激の拮抗作用をモニターするのに用いられる方法)を用いることによりin vitroで、あるいは個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態に伴う個体(動物など)における症状の減少および/または軽減および/または予防をモニタリングすること(症状は関連医療分野の技術者に知られるであろう)によりin vivoで決定することもできる。
【0133】
キスペプチン拮抗作用をモニタリングするin vitroでの方法に関連して、当業者は、他のまたは付加的な細胞および酵素活性をモニターして、キスペプチン媒介性刺激を測定することができることを理解するであろう。例えば、Gq Gタンパク質が、ホスホリパーゼ(ひいてはそれぞれCa2+を代謝し、プロテインキナーゼCを活性化するIPおよびジアシルグリセロールを生成する)を活性化すること、ならびにプロテインキナーゼCが、細胞外調節キナーゼ(ERK)および/またはマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)カスケードおよびそのメンバーを活性化することが知られており、したがって、当業者は、それらの細胞成分のいずれかまたはすべての活性および/または存在をモニターして、キスペプチン媒介性刺激を測定することができる。
【0134】
第8の実施形態において、本発明は、本発明の第7の態様による医薬組成物、あるいは本発明の第1または第2の態様による有効な量のキスペプチンの拮抗薬、あるいは本発明の第2、第3、第4および/または第5の態様による有効な量のペプチド分子を個体に投与する段階を含むまたはからなる個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態を治療する方法を提供する。
【0135】
本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、注射用徐放性薬物送達システムを用いて送達することができる。これらは、注射の頻度を減少させるために特別に設計されている。そのようなシステムの例は、いったん注射すると、持続時間にわたりrhGHを徐々に放出する、生分解性マイクロスフェア中に組換えヒト成長ホルモン(rhGH)を封入しているNutropin Depotである。好ましくは、送達は、筋肉内に(i.m.)かつ/または皮下に(s.c.)かつ/または静脈内に(i.v.)行われる。
【0136】
本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、必要な部位に薬物を直接放出する外科的に埋込まれた用具により投与することができる。例えば、Vitrasertは、CMV網膜炎を治療するためにガンシクロビルを眼内に直接放出する。疾患の部位にこの有毒な薬剤を直接適用することにより、薬物の著しい全身性副作用を伴うことなく、有効な治療が達成される。
【0137】
エレクトロポレーション療法(EPT)システムも本発明の薬物、薬剤および医薬組成物の投与に用いることができる。細胞にパルス電界を送達する機器は、薬物に対する細胞膜の透過性を増加させ、細胞内薬物送達の著しい増加をもたらす。
【0138】
本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、エレクトロインコーポレーション(electroincorporation)(EI)によっても送達することもできる。皮膚の表面上の直径が30ミクロンまでの小粒子がエレクトロポレーションに用いられるのと同じまたは同様な電気パルスを経験するときに、EIが起る。EIにおいて、これらの粒子は、角質層を経て、皮膚のより深い層中に駆動される。粒子は、薬物または遺伝子を取込ませ、または被覆させることができるか、あるいは単に薬物が入ることができる孔を皮膚に作る「弾丸」として作用することができる。
【0139】
本発明の分子、薬剤および医薬組成物の送達の別の方法は、熱感受性であるReGel注射可能システムである。体温以下では、ReGelは注射可能な液体であるが、体温では、それは、徐々に浸食され、既知の安全な生分解性ポリマー中に溶解するゲルリザーバーを直ちに形成する。活性物質は、生体高分子溶解物として長時間にわたり送達される。
【0140】
本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、経口的に送達させることもできる。該方法は、タンパク質およびペプチドを共送達するために身体におけるビタミンB12および/またはビタミンDの経口摂取の自然過程を用いる。ビタミンB12および/またはビタミンD摂取システムに乗ることにより、本発明の核酸、分子および医薬製剤は、腸壁を経て移動することができる。複合体のビタミンB12部分/ビタミンD部分における内因性因子(IF)に対する有意な親和力と複合体の活性物質の有意な生物活性を保持する、ビタミンB12類似体および/またはビタミンD類似体と薬物との複合体を合成する。
【0141】
本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、「Trojanペプチド」により細胞に導入することができる。これらは、転位特性を有し、親水性化合物を形質膜を経て運ぶことができるペネトラチン(penetratins)と呼ばれるポリペプチドのクラスである。このシステムは、細胞質および核に対するオリゴペプチドの直接的ターゲティングを可能にし、特異的で、高度に効率的な無細胞型であり得る。Derossiら、(1998)、Trends Cell Biol、8、84〜87頁を参照のこと。
【0142】
好ましくは、本発明の薬剤および/または医薬組成物は、有効成分の、1日用量もしくは単位、1日部分用量もしくはその適切な画分を含む単位用量である。
【0143】
本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、薬学的に許容できる剤形の場合によって非毒性の有機または無機酸もしくは塩基、付加塩の形の有効成分を含む医薬組成物の形で、経口または非経口経路により通常投与されるであろう。治療する障害および患者、ならびに投与経路によって、組成物は、異なる用量で投与することができる。
【0144】
ヒト治療において、本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、単独で投与することができるが、一般的に、意図する投与経路および標準薬務を考慮して選択される適切な医薬用賦形剤、希釈剤または担体と混合して投与されるであろう。
【0145】
例えば、本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、即時、遅延または制御放出適用のために着香または着色剤を含んでいてよい錠剤、カプセル剤、卵形剤、エリキシル剤、液剤または懸濁剤の形で経口、口腔または舌下投与することができる。本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、陰茎海綿体内注射によっても投与することができる。
【0146】
そのような錠剤は、結晶セルロース、乳酸、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウムおよびグリシンなどの賦形剤、デンプン(好ましくはトウモロコシ、ジャガイモまたはタピオカデンプン)、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムおよび特定の複合ケイ酸塩などの崩壊剤、ならびにポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ショ糖、ゼラチンおよびアラビアゴムなどの造粒結合剤を含んでいてよい。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリルおよびタルクなどの滑沢剤も含めることができる。
【0147】
同様な種類の固形組成物もゼラチンカプセル剤中の充填剤として用いることができる。この点に関して好ましい賦形剤は、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖または高分子量ポリエチレングリコールなどである。水性懸濁剤および/またはエリキシル剤の場合、本発明の薬剤は、様々な甘味または着香剤、着色物質または色素と、乳化剤および/または懸濁化剤と、水、エタノール、プロピレングリコールおよびグリセリンなどの希釈剤、ならびにその組合せと混合することができる。
【0148】
本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、非経口的に、例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、クモ膜下腔内、心室内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内または皮下投与することもでき、あるいはそれらを注入法により投与することができる。それらは、他の物質、例えば、溶液を血液と等張性にするのに十分な塩またはグルコースを含んでいてよい滅菌水溶液の形で用いることが最善である。水溶液は、必要な場合、適切に緩衝すべきである(好ましくは3〜9のpHに)。無菌条件下での適切な非経口製剤の調製は、当業者によく知られている標準製薬技術により容易に達成される。
【0149】
非経口投与に適する薬剤および医薬組成物としては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬および製剤を意図されるレシピエントの血液と等張性にする溶質を含んでいてよい水性および非水性滅菌注射液剤、ならびに懸濁化剤および粘稠化剤を含んでいてよい水性および非水性滅菌懸濁剤などがある。薬剤および組成物は、単位用量または多数回用量容器、例えば、密封アンプルおよびバイアル入りで提供することができ、使用直前に滅菌液体担体、例えば、注射用水の添加のみを必要とする凍結乾燥状態で保存することができる。即座注射液剤および懸濁剤は、前述の種類の滅菌散剤、顆粒剤および錠剤から調製することができる。
【0150】
ヒト患者への経口および非経口投与の場合、本発明の分子、薬剤および医薬組成物の1日投与量レベルは、1回または分割投与で通常1日当たり成人当たり0.1〜100mgであろう。
【0151】
したがって、例えば、本発明の分子の錠剤またはカプセル剤は、適宜、一度に1つまたは2つまたはそれ以上の個数の投与のために0.1mg〜100mgの活性物質を含んでいてよい。いずれにしても医師は、個々の患者に最も適する実際の用量を決定するものであり、それは、個々の患者の年齢、体重および反応によって異なるであろう。上の用量は、平均的な場合の具体例である。もちろん、より高いまたはより低い用量範囲を用いるに値する個別の場合があり得、そのようなものは本発明の範囲内にある。
【0152】
本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、鼻内にまたは吸入によっても投与することができ、適切な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA 134A3)もしくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA 227EA3)などのヒドロフルオロアルカン、二酸化炭素または他の適切なガスを用いることによる加圧容器、ポンプ、スプレーまたは噴霧器からの乾燥粉末吸入剤またはエーロゾル噴霧剤の形で都合よく送達される。加圧エーロゾルの場合、用量単位は、計測用量を送達するための弁を備えることにより決定することができる。加圧容器、ポンプ、スプレーまたは噴霧器は、例えば、滑沢剤、例えば、トリオレイン酸ソルビタンをさらに含んでいてよい、エタノールと噴射剤との混合物を溶媒として用いた活性薬の液剤または懸濁剤を含んでいてよい。吸入器または注入器用のカプセルおよびカートリッジ(例えば、ゼラチン製)は、本発明の薬剤と乳糖またはデンプンなどの適切な散剤基剤との混合物を含むように調合することができる。
【0153】
エーロゾルまたは乾燥粉末製剤は、各計測用量または「1回噴霧量(puff)」が患者に送達するための本発明の少なくとも0.1mgの分子を含むように調整することが好ましい。エーロゾルを用いた総1日用量は患者ごとに異なり、1回、またはより通常、1日を通して分割して投与することができることは理解されるであろう。
【0154】
あるいは、本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、坐剤または膣坐剤の形で投与することができ、あるいはローション剤、液剤、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤または散布剤の形で局所適用することができる。本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、例えば、皮膚貼付剤を用いることにより、経皮投与することもできる。それらはまた、特に眼の疾患を治療するために眼経路により投与することもできる。
【0155】
眼病用には、本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、等張性pH調整滅菌生理食塩水中微細化懸濁液として、または好ましくは等張性pH調整滅菌生理食塩水中溶液として、場合によって塩化ベンジルアルコニウムなどの保存剤との併用で、製剤化することができる。あるいは、それらはワセリンなどの軟膏剤に製剤化し得る。
【0156】
皮膚に局所的に適用するために、本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、例えば、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン剤、乳化ワックスおよび水の1つまたは複数との混合物中に懸濁または溶解した活性薬を含む適切な軟膏剤として製剤化することができる。あるいは、それらは、例えば、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水の1つまたは複数との混合物中に懸濁または溶解した適切なローション剤またはクリーム剤として製剤化することができる。
【0157】
口内局所投与に適する製剤としては、香味料添加基剤、通常、ショ糖およびアラビアゴムまたはトラガント中有効成分を含むトローチ剤、ゼラチンおよびグリセリン、またはショ糖およびアラビアゴムなどの不活性基剤中有効成分を含むパステル剤、ならびに適切な液体担体中有効成分を含む洗口剤などがある。
【0158】
一般的に、ヒトにおいて、本発明の分子、薬剤および医薬組成物の経口または非経口投与は、好ましい経路であり、最も都合のよいものである。
【0159】
獣医用に、本発明の分子、薬剤および医薬組成物は、通常の獣医学診療に従った適切に許容できる製剤として投与され、獣医は、個々の動物に最も適切である投与計画および投与経路を決定するであろう。
【0160】
好都合には、製剤は、医薬製剤である。
【0161】
有利には、製剤は、動物用製剤である。
【0162】
本発明の分子を、GnRHペプチド作用薬の製剤に用いられているような医学および薬学の技術分野で既に知られているペプチド製剤を用いて製剤化することが特に好ましい(例えば、ポリグリシルラクチドコポリマーおよび/またはポリエチレングリコールおよび/または油および/または微結晶懸濁液を含むまたはからなる製剤は、本発明の分子を注射するのに有用である可能性がある)。
【0163】
本発明の第9の態様において、本発明は、
i)試験する化合部を準備する段階、
ii)(i)における化合物がキスペプチン受容体に結合する能力を測定する段階、
iii)(i)における化合物が細胞内のイノシトールリン酸産生のキスペプチン媒介性刺激に拮抗する能力を測定する段階、および
iv)キスペプチン受容体に結合することができ、細胞内のイノシトールリン酸産生のキスペプチン媒介性刺激に拮抗することができる場合に、化合物をキスペプチンの拮抗薬として特定する段階
を含むまたはからなるキスペプチンの拮抗薬を同定する方法を提供する。
【0164】
したがって、本発明の第9の態様の方法は、特定の試験化合物または試験分子(例えば、キスペプチンペプチド配列の一部またはすべての類似体であるペプチド配列を含むまたはからなる試験化合物または試験分子)がキスペプチン受容体に結合し、細胞(ヒトキスペプチン受容体GPR54を一時的にまたは安定にトランスフェクトしたCHO、HEKまたはCOS細胞株のような細胞株など)におけるイノシトールリン酸産生のキスペプチン媒介性刺激に機能的に拮抗する能力を有するかどうかを判断するために実施することができる。添付の実施例は、キスペプチン受容体に対する化合物の結合能力を判断し、細胞におけるイノシトールリン酸産生のキスペプチン媒介性刺激を測定するのに適する実験方法を述べている。他の適切な方法は、当業者に知られているであろう。
【0165】
例えば、上述のように、当業者は、キスペプチン媒介性刺激を測定するために他のまたは付加的な細胞および酵素活性をモニターすることができることを理解するであろう。例えば、Gq Gタンパク質が、ホスホリパーゼ(ひいてはそれぞれCa2+を代謝し、プロテインキナーゼCを活性化するIPおよびジアシルグリセロールを生成する)を活性化すること、ならびにプロテインキナーゼCが、細胞外調節キナーゼ(ERK)および/またはマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)カスケードおよびそのメンバーを活性化することが知られており、したがって、当業者は、それらの細胞成分のいずれかまたはすべての活性および/または存在をモニターして、キスペプチン媒介性刺激を測定することができる。
【0166】
好ましくは、試験化合物または分子は、<100nMの結合親和力(すなわち、Kd)を有する場合、キスペプチン受容体に結合することができると断定される。
【0167】
好ましくは、試験化合物または分子は、添付の実施例で述べるように、細胞におけるイノシトールリン酸産生を刺激する10nMのキスペプチンの能力を拮抗することができると断定される。好ましくは、試験化合物または分子は、10nMのキスペプチンによる刺激の少なくとも40%の抑制を達成することができると断定される。より好ましくは、少なくとも50%または60%または70%または80%または90%または100%の抑制が達成される。
【0168】
例えば、10mMのキスペプチンによる刺激の40%以下の抑制を達成することができる化合物は、拮抗薬とみなすことはできない。10mMのキスペプチンによる刺激の約40%〜80%の抑制を達成することができる化合物は、「不十分な」拮抗薬とみなすことができる。10mMのキスペプチンによる刺激の80%以上の抑制を達成することができる化合物は、「良好な」拮抗薬とみなすことができる。
【0169】
好ましくは、本発明の第9の態様の方法は、本明細書に記載するまたは当業者に知られている方法により段階(iv)においてキスペプチンの拮抗薬と特定された化合物または分子を調製または合成する段階をさらに含むまたはからなる。
【0170】
より好ましくは、該方法は、本発明の第9の態様で特定された化合物または分子(または合成化合物または分子)を、本明細書に記載するまたは当業者に知られている方法により、医薬組成物または薬剤に製剤化する段階をさらに含むまたはからなる。
【0171】
本明細書における以前の公表文書の列挙または考察は、該文書が最新技術の一部または一般的な知識であることを認めたものと必ずしも解釈すべきではない。
【0172】
本発明の特定の態様を具体化する好ましい非限定的実施例を以下の図を参照して述べることとする。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1−1】表1はイノシトールリン酸(IP)の刺激およびキスペプチン類似体によるIPの10nMキスペプチン刺激の抑制を示す表である。
【図1A】図1AはGPR54を安定にトランスフェクトしたCHO細胞におけるキスペプチンの結合用量反応を示す図である。
【図1B】図1BはGPR54を安定にトランスフェクトしたCHO細胞におけるキスペプチンのIP用量反応を示す図である。
【図2A】完全な雄ラットにおけるキスペプチン-10(100pモル)(120分)の強力なLHおよびテストステロン放出作用を妨害する化合物210の反復注射(0、60、120分)の能力を示す図である。
【図2B】完全な雄ラットにおけるキスペプチン-10(100pモル)の強力なLHおよびテストステロン放出作用を妨害する化合物234の反復注射の能力を示す図である。
【図2C】精巣摘出雄ラットにおける上昇したLHレベルを低下させる化合物210の反復注射(0、60、120分)の能力を示す図である。
【図3】キスペプチン拮抗薬の中枢注入がOVX雌ヒツジにおけるLHの分泌パルスを抑制することを示す図である。キスペプチン拮抗薬(黒塗りバー)または対照(白抜きバー)を投与した雌ヒツジにおけるLHの濃度を示す。矢印は、材料および方法で定義したLHパルスを示す。
【図4A】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4B】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4C】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4D】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4E】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4F】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4G】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4H】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4I】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4J】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4K】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4L】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4M】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4N】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4O】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4P】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4Q】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4R】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4S】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図4T】ペプチド拮抗薬の用量反応結合曲線および用量反応IP曲線およびIP競合アッセイを示す図である。
【図5】拮抗薬234によるGnRHニューロン発火のキス刺激の抑制を示す図である。
【図6】胎児の体重が不十分な着床を引き起こすキスペプチンの投与により減少することを示す図である。したがって、キスペプチンは、胎児の発育遅延に役割を果たしており、拮抗薬を用いて不十分な着床(例えば、流産および子癇前症につながる)の病歴を有する女性を治療することができることが示唆される。
【図7】N末端置換およびC末端短縮により部分作用薬が生ずることを示す図である。アミノ酸置換はN末端で行い、短縮はキスペプチン-10のC末端で行った。長さの7アミノ酸(a)または5アミノ酸(b)への短縮が部分的作用をもたらした。5アミノ酸への短縮をLeu8における(D)-Leuと組み合わせた場合、これが部分的作用(c)をさらに増大させた。
【図8】アミノ酸置換により、ヒトgpr-54受容体の拮抗薬が生じ、Gly55およびD-Trp8が重要であることを示す図である。(a、b) D-アミノ酸によるLeu8における置換と組み合わせたグリシンまたはD-Alaによるセリン5におけるアミノ酸置換により、部分作用薬が生じた。(c、d) D-AlaまたはD-TyrによるTyr1におけるさらなる置換により、この拮抗作用がさらに増大してgpr-54受容体における完全拮抗薬が生じる。しかし、Tyr1にD-アミノ酸を有する拮抗薬からのGly5およびD-Trp8置換の除去により、類似体の拮抗特性が低下または消失する。(e) 1つまたは両方の置換の除去が拮抗作用を消失させるので、これは、Tyr1をD-Tyrで置換するときに最も顕著である。(f)Tyr1をD-Alaで置換するときに効果はさほど明らかでないが、拮抗作用はさらに低下する(*=P<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001)。
【図9】ペプチド234はキスペプチン-10と同じ親和力で結合することを示す図である。I125-標識キスペプチン-10をキスペプチン-10(a)またはペプチド234(b)と競合させた場合、それらは両方が2nMの親和力で結合した。
【図10】ペプチド234はGnRHニューロンのキスペプチン-10刺激に拮抗することを示す図である。GnRHニューロンの発火率の時間的推移の代表的トレース。(a)1nMキスペプチン-10(バー)後にGnRH発火率が増加した。下方スパイクは個々の作用電流である。(b)ペプチド234(1nM、バー)によるキスペプチン-10(1nM)刺激の抑制。(c)ベースライン(白色バー)およびキスペプチン-10(黒色バー)時の発火率の平均値±SEM倍の変化を示す要約棒グラフ。キスペプチン-10はGnRHニューロンの発火活動を有意に増加させた(n=7、*p<0.002)。1、10、100nMのペプチド234の存在により、キスペプチン-10に対する反応が有意に減少した(1nM n=5、10nM n=6、100nM n=7、#p<0.001全群)。
【図11】ペプチド234はin vivoでのGnRH放出を抑制することを示す図である。GnRH放出に対するペプチド234の効果の代表的な例および群平均(±sem、n=6)を示す。(a)視床下部における拍動性GnRH放出は、下垂柄-正中隆起部への10nMペプチド234の注入により抑制された(暗色陰影付きバー)。短い矢印は、PULSARにより識別されたGnRHピークを示す。(b)対照的に、対照としての溶媒注入は、GnRH放出の有意な変化を引き起こさなかった(淡色陰影付きバー)。(c)データ解析により、ペプチド234はペプチド234ならびに溶媒対照の注入前と比較してGnRH放出を有意に(p<0.05)抑制したことが示された。(d)溶媒注入は、有意な変化を引き起こさなかった。下垂柄-正中隆起部におけるペプチド234の推定濃度は、透析膜が同様なサイズを有するペプチドの約10%を通したという我々の以前の推定に基づいて1nMであった。*p<0.05対ペプチド234前; a p<0.05対対応する時間における対照。
【図12】完全および精巣除去雄ラットにおける基礎およびキスペプチン-10刺激血漿LHに対するペプチド234の効果を示す図である。ペプチド234は(a)完全な雄ラットにおけるキスペプチン-10誘発性LH分泌を抑制する。動物に0および60分の時点でペプチド234の2回のボーラスを投与した後、120分の時点でキスペプチン-10を1回注入した。ペプチドは、次の2時間にわたってLH産生を有意に抑制した(曲線下面積として計算した(AUC; p<0.05))。キスペプチン注入後60分の時点で(すなわち、実験の180分の時点で)のテストステロンレベルもバーとして示す。さらに、精巣除去雄ラットにペプチド234の3回の注入を行い、これによりLH分泌が抑制された(b)。
【図13】ペプチド234の中枢への注入によりOVX雌ヒツジにおけるLHの分泌パルスが抑制されることを示す図である。ペプチド234(黒塗りバー)または対照(白抜きバー)を投与した雌ヒツジにおけるLHの濃度を示す。矢印は、材料および方法で定義したLHパルスを示す。解析により、ペプチド234の注入後の平均LH濃度およびパルス振幅の有意な低下が示された。
【図14−1】ペプチド234の注入前、注入中、注入後の平均LHパルス振幅、LH濃度およびGH濃度(ng/ml)を示す表である。データは、注入前(0〜180分)、注入中(180〜240分)、注入後(240〜360分)の溶媒およびペプチド234投与雌ヒツジの平均値±SEMである。反復測定ANOVAにより、投与と時間との有意な交互作用が示された(p<0.05)。各時期の個々のP値を示す。
【図14−2】OVX雌ヒツジにおけるGHに対する拮抗薬234の中枢への注入の効果を示す図である。ペプチド234(黒塗りバー)または対照(白抜きバー)を投与した雌ヒツジにおけるGHの濃度を示す。解析により、ペプチド234の注入中の平均GH濃度の有意な増加が示された。
【図15】OVX雌ヒツジにおけるプロラクチンに対する拮抗薬234の中枢への注入の効果を示す図である。ペプチド234(黒塗りバー)または対照(白抜きバー)を投与した雌ヒツジにおけるプロラクチンの濃度を示す。解析により、プロラクチンに対するペプチド234の注入の効果がないことが示された。
【図16】OVX雌ヒツジにおけるコルチソルに対する拮抗薬234の中枢への注入の効果を示す図である。ペプチド234(黒塗りバー)または対照(白抜きバー)を投与した雌ヒツジにおけるコルチソルの濃度を示す。解析により、コルチソルに対するペプチド234の注入の効果がないことが示された。
【図17】細胞移動に対する拮抗薬の効果を示す図である。ペプチド233、234および273は、移動に対するキスペプチンの作用をほぼ完全に阻害するので、HUVECおよびCHO細胞においてヒトgpr-54における拮抗薬として作用する。(A) CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞において、100nMキスペプチンは、細胞移動を50%抑制する。ペプチド234は、この抑制を完全に消失させる。(B) HUVEC(ヒト臍静脈内皮細胞)において、1nMキスペプチンは、創傷への細胞移動を50%抑制する。しかし、ペプチド233、234または273の存在下で、抑制は10%に減少するにすぎない。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0174】
キスペプチン類似体に関する実験データ
材料および方法
表1の用量反応結合(IC50)欄について用いた方法
全細胞受容体結合アッセイ-1分当たり100000カウント(cpm)を発生するように125I標識キスペプチンを添加したHEPES修飾ダルベッコ修正イーグル培地(DMEM)中1:1000希釈でのキスペプチン-10および類似体を調製した。細胞単層を氷上におき、0.5mlのペプチド(10pM〜1μM)に曝露し、次いで細胞を4℃で4時間インキュベートした。4時間後に、細胞を氷冷ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS、カルシウムおよびマグネシウム含有)で2回洗浄し、次いで、振とうしながら0.5mlの0.1M水酸化ナトリウム(NaOH)を細胞に20分間加えて、細胞を溶解させた。溶解物をプラスチック管に移し、結合放射能をガンマ線カウンターで60秒間計数した。IC50sは、類似体により受容体結合の50%が完結する濃度として測定した。
【0175】
表1の用量反応IP(EC50)欄について用いた方法
イノシトール-3-リン酸刺激アッセイ-細胞単層を、1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加した0.5mlのHEPES修飾DMEMに37℃で30分間入れてIP3分解を阻止した。次いで、細胞を上の培地で1:1000に希釈した0.5mlのキスペプチン-10および類似体(10pM〜1μM)で37℃で1時間刺激し、次いで、10mMギ酸で4℃で1時間処理して細胞を溶解した。次いで、溶解物を0.5mlのDowex樹脂を含むプラスチック管に移して放射性IP3を結合させ、次いで、樹脂を1mlのH2Oで洗浄した。次いで、樹脂を60mMギ酸NH4/5mM四ホウ酸ナトリウムで、続いて、1Mギ酸NH4/0.1Mギ酸で洗浄して、結合放射能を放出させた。次いで、800μlの放射性溶液を2.5mlのシンチレーション液を含むシンチレーションバイアルに移し、放射能をBetaカウンターで60秒間計数した。EC50sは、最大刺激の50%での反応を刺激した濃度として計算した。
【0176】
表1の拮抗薬IP阻害(IC50)欄について用いた方法
イノシトール-3-リン酸拮抗アッセイ-細胞単層を、1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加した0.5mlのHEPES修飾DMEMに37℃で30分間入れてIP3分解を阻止した。次いで、細胞を上の培地で1:1000に希釈した0.25mlの10nMキスペプチン-10+0.25mlの10nMキスペプチン-10または類似体(10pM〜10μM)で37℃で1時間刺激し、次いで、10mMギ酸で4℃で1時間処理して細胞を溶解した。次いで、溶解物を0.5mlのDowex樹脂を含むプラスチック管に移して放射性IP3を結合させ、次いで、樹脂を1mlのH2Oで洗浄した。次いで、樹脂を60mMギ酸NH4/5mM四ホウ酸ナトリウムで、続いて、1Mギ酸NH4/0.1Mギ酸で洗浄して、結合放射能を放出させた。次いで、800μlの放射性溶液を2.5mlのシンチレーション液を含むシンチレーションバイアルに移し、放射能をBetaカウンターで60秒間計数した。IC50sは、10nMキスペプチン-10刺激を50%抑制するのに必要な濃度として計算した。
【0177】
P値は、Studentのt検定を用いて計算し、各類似体について最も有意な値を引用する。
【0178】
IP刺激は、推定可能な場合、内因性残存作用薬活性を意味する。
【0179】
IC50は、10nMキスペプチン-10によるIP刺激を50%抑制するのに必要な拮抗薬の用量である。
【0180】
OVX雌ヒツジにおける中枢キスペプチン拮抗薬投与
すべての実験手順は、Monash School of Biomedical Sciences「A」動物倫理委員会により承認されたプロトコールに従って実施した。
【0181】
成体コリデール雌ヒツジを自然照明下で収容し、実験操作の少なくとも1ヵ月前に両側卵巣摘出した(OVX)。永久的留置第3脳室(3V)カニューレを後の外科処置で以前に述べたように(Barker-Gibbら、1995、J. Endocrinol.、147、565〜79頁)埋植した。3V手術の約2週間後に、1つの外頚静脈に血液採取用にカニューレを挿入し、動物を単一ペンに収容した。カニューレは、ヘパリン加生理食塩水で開存性を維持した。
【0182】
雌ヒツジを2つの投与群(1群当たりn=4)に割り付けた;キスペプチン拮抗薬(人工脳脊髄液aCSF; 150mM NaCl、1.2mM CaCl2、1mM MgCl2、2.8mM KClで希釈した)または対照(aCSFのみ)。翌日、注入ラインを3Vカニューレに接続し、血液試料の採取を07.00時に開始した。試料は10分ごとに採取した。3時間の試料採取後に、キスペプチン拮抗薬(または対照)を、最初の負荷投与量を10μgとして、40μg/時間の用量で3V内に1時間注入した。キスペプチン拮抗薬および溶媒をGraseby(登録商標)MS16A注入ポンプ(Smiths Medical Australasia Pty. Ltd.、Gold Coast、Qld、Australia)を用いて200μl/時間で1時間注入した。注入後、3Vラインを所定の位置に保持し、血液試料の採取をさらに2時間(合計6時間)続けた。試料から直ちに血漿を収集し、分析時まで-20℃で凍結した。
【0183】
血漿LH濃度を、NIH-oLH-S18を標準としてLeeらの方法(1976、J. Reprod. Fertil.、46、1〜6頁)を用いて2回ずつ測定した。アッセイ結果は、Burgerらのプログラム(1972、J. Lab. Clin. Med.、80、302〜12頁)を用いて計算した。アッセイ感度は0.08ng/mlであり、アッセイ内変動係数は0.3〜12.8ng/mlの範囲にわたり10%未満であった。LHデータのパルス解析は、GnRHについて記載された方法(Clarke、1993、Endocrinology、133、1624〜32頁)に基づいて行った。
【0184】
結果
OVX雌ヒツジにおける中枢キスペプチン拮抗薬投与
キスペプチン拮抗薬の中枢への注入は、OVX雌ヒツジにおけるLHの分泌パルスを抑制するように思われた(図3)。LHパルス解析により、対照投与OVX雌ヒツジにおいて、およびキスペプチン拮抗薬投与前のOVX雌において、LHの主要な分泌エピソドは明確に区別できた。分泌パルスの数は、キスペプチン拮抗薬の脳室投与後に減少した。LHパルスが確認された場合、これらは振幅が小さいと思われた。
【実施例2】
【0185】
キスペプチン類似体に関するさらなる実験データ
概要
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)は、生殖系の中枢調節因子であり、GnRH類似体は、不妊ならびに前立腺がんおよび子宮内膜症などのホルモン依存性疾患の治療に広範に用いられている。GnRHニューロン活動は、光周期、栄養、ストレスおよびステロイドホルモンを含む多くの因子により調節される。gpr-54における突然変異が低ゴナドトロピン性性腺機能不全を引き起こすという発見が、その同族リガンド(キスペプチン)がGnRHニューロンに対するこれらの作用を媒介するという認識につながった。我々は、キスペプチン拮抗薬の開発および思春期およびステロイドホルモンフィードバックにおけるキスペプチンの役割の解釈におけるそれらの適用について報告する。キスペプチン-10におけるアミノ酸の置換により、一連の強力な拮抗薬が特定された。選択した拮抗薬は、マウス脳におけるGnRHニューロン発火を抑制し、思春期雌アカゲザルにおけるGnRHパルスを除去した。後者のことは、思春期開始におけるキスペプチンの重要な役割を裏づけるものである。さらに、拮抗薬は、ラットにおける外因性キスペプチンに対する黄体形成ホルモン(LH)反応を鈍らせ、雌ヒツジ、ラットおよびマウスにおける性腺摘出後のLHの増加を抑制し、これが、キスペプチンニューロンは性ステロイドのフィードバック作用の標的であることを間接的に証明するものとなっている。したがって、キスペプチン拮抗薬の開発は、生殖の調節におけるキスペプチンの生理学的および病態生理学的役割を調べるための新規なツールならびにホルモン依存性疾患における介入のための療法を提供する。
【0186】
はじめに
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)は、精巣および卵巣による配偶子およびステロイドホルモンの産生の下流調節に重要である、ゴナドトロピン分泌の主要なエフェクターである。GnRHを産生するニューロンは、視床下部におけるニューロン回路を活性化または抑制することによりGnRH分泌を制御する、光周期、代謝シグナル、ストレスおよび性腺ステロイドを含む因子の宿主により調節されるが、これらの作用をGnRH分泌の変化に変換するメカニズムはわかりにくいままである[非特許文献55〜57]。これらのメカニズムは、Gタンパク質共役受容体(gpr-54)における突然変異に関連することが見出された低ゴナドトロピン性性腺機能不全と呼ばれる独特な種類の不妊の発見により今や明らかになりつつある[非特許文献58、59]。gpr-54は、キスペプチンと呼ばれる神経ペプチドのファミリーに対する同族受容体であり[非特許文献60、61]、キスペプチン/gpr-54シグナリングは、生殖の神経内分泌調節におけるかなめとして発生した[非特許文献62]。実際、キスペプチン(Kiss1遺伝子によりエンコードされた)はGnRHの強力な分泌物質であり、GnRHニューロンはキスペプチン受容体を発現することが明らかにされた[非特許文献63、64]。さらに、キスペプチンニューロンは、環境およびホルモンインプットをGnRHニューロンに中継する導管として関係づけられている[非特許文献65〜70]。
【0187】
視床下部-下垂体-性腺(HPG)軸のそれらの調節により、GnRH類似体は、前立腺、乳および卵巣がん、子宮内膜症、子宮線維症および早発思春期を含むホルモン依存性疾患を治療するために、また不妊およびIVFのための排卵の誘導に広範に用いられている[非特許文献71、72]。キスペプチンはGnRHおよびゴナドトロピン分泌に対するそのような強力な刺激作用を及ぼすので、キスペプチン/gpr-54系のレベルでのインターベンションは、これらの状態を治療できる可能性があり、GnRH類似体に達成されるよりおそらく大きく、効果的な制御が可能である。
【0188】
キスペプチンは、妊娠中に著しく上昇し[非特許文献73]、栄養膜により産生され[非特許文献74]、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)を阻害することにより、栄養膜細胞および子宮上皮におけるgpr-54受容体を介して栄養膜細胞侵入(着床)を阻害する[非特許文献75]。したがって、キスペプチン/gpr-54異常調節は、子癇前症、癒着胎盤(placenta acretia)、子宮外妊娠および子宮内胎児発育遅延などの胎盤および胎児病変に役割を果たしている可能性があるが、これに関する直接的証拠は不足している。キスペプチンはまた、ヒト血管系の選択的領域におけるgpr-54を介しての強力な血管収縮物質である[非特許文献76]。
【0189】
したがって、キスペプチン拮抗薬の開発は、GnRH細胞における正および負の性腺フィードバックにおける、また生殖系に対する代謝およびストレス作用の媒介におけるキスペプチンの役割を解釈する手段を提供する。キスペプチン拮抗薬も、広範囲のホルモン依存性疾患における、またおそらく胎盤および血管系の機能不全における潜在的治療介入を提供する。
【0190】
我々は、キスペプチン類似体の系統的な構造-活性研究ならびに実験用げっ歯類、ヒツジおよびヒト以外の霊長類においてin vitroおよびin vivoで活性である強力かつ特異的拮抗薬の開発について報告する。研究により、これらの拮抗薬の広い効用の基礎をなす思春期およびステロイドホルモンフィードバックにおけるキスペプチンの役割は極めて重要であることがわかる。
【0191】
結果
ヒトgpr-54を安定に発現するCHO細胞におけるイノシトールリン酸(IP)放出の刺激に対するキスペプチン-10内のアミノ酸の置換の影響
キスペプチン-10は完全な受容体結合および活性化に必要な最小配列であるので、我々はヒトgpr-54を安定に発現する細胞におけるIP産生をモニターすることにより、この領域におけるアミノ酸の系統的置換の影響を探究した。C末端配列RF.NH2はこの大きく、古来のペプチドファミリーにおいて保存的であるので、我々はこれは受容体結合に必須であるという判断を下し、我々の注意を以前の8アミノ酸に集中させた。我々はN末端5アミノ酸を短縮し、D-アミノ酸を用いて様々な置換基を導入した。これは、IP産生における有効性の低下および10nMキスペプチン-10によるIP刺激を抑制するより弱い能力をもたらした(図7;表1)。これは、最初の5アミノ酸が受容体活性化に関与していることを示すものであった。我々は次に完全な10アミノ酸ペプチドにおける残基を単独または組み合わせて置換し、これが内因性IP刺激に対して及ぼした影響およびこれらの置換が10nMキスペプチン-10によるIP刺激に及ぼした抑制作用をモニターした。アミノ酸のこの系統的置換により、我々はこの受容体における部分的作用および拮抗特性を有する一連の類似体を開発することができた(表1)。これらの類似体の多くがLeu8におけるD-アミノ酸(トリプトファンまたはロイシン)と組み合わせたSer6のグリシン置換を組み込んだ。これらの置換単独はIPの10nMキスペプチン-10刺激を有意に(P<0.01)抑制したが、それらは一般的にこの刺激を基礎レベルに低下させなかった(図8a、b;表1)。
【0192】
完全拮抗薬を開発するために、さらなるD-アミノ酸置換をTry1、Asn2およびTrp3において行った。これらの位置での置換による最も有効な拮抗薬は、単独ではIPの刺激をほとんどまたは全く有さなかったが、<10-8MのIC50sおよびIPのキスペプチン刺激の66〜93%の最大抑制を示したペプチド230、232、233、234、235および236であった(図8b〜d;表1)。最も完全な抑制は、D-Ala1置換により達成された(表1における234;図8d)。置換のこの組合せは、IPの10nMキスペプチン-10刺激を93%抑制し、IC50は7nMで、内因性IP刺激を有さず、高い拮抗薬活性を意味する。上の類似体からこれらの置換の1つまたは両方の除去により、D-TyrをTyr1で置換する場合に拮抗薬活性が低下し(図8e)、またはD-Alaを置換する場合に拮抗作用が低下する(図8f)ので、これらの研究は、Ser6におけるグリシン置換およびLeu8におけるD-Trpの重要性も強調するものであった。これは、これらの残基が受容体の活性化に重要であり得ることを示唆している。活性類似体は、125I-キスペプチン-10を用いたとき高い結合親和力を示し、例えば、ペプチド234は、2.7nMの結合親和力を有していた(図9)。
【0193】
ペプチド234はGnRHニューロン発火のキスペプチン-10刺激を抑制する
以前に示したように[非特許文献77](J. Pieleka-Fortuna、Z Chu、SM Meonter、Endocrine Society Meeting 2006、Abstract 1〜8頁)、1nMキスペプチン-10はGnRHニューロン発火活性を著しく増大させた(図10a、c)。これらの実験条件下では、ペプチド234単独のGnRHニューロン発火活性に対する影響はなかった(1nM前0.18±0.12Hz、後0.27±0.08Hz、n=5、P>0.05;10nM前0.34±0.15Hz、後0.29±0.17Hz、n=6、P>0.05;100nM前0.45±0.12Hz、0.62±0.14Hz、n=7、P>0.05、対応のあるt検定)。基礎発火に対するペプチド234の影響の欠如と対照的に、このペプチドによる前処理は、キスペプチン-10単独により処理した細胞と比較して1nMキスペプチン-10に対する反応を阻害した(すべての用量についてP<0.001)(図10b、c)。
【0194】
ペプチド234は雌アカゲザルにおける拍動性GnRH放出を抑制する
ペプチド234はGnRHニューロン発火を抑制したので、我々はこれが思春期雌アカゲザルにおけるGnRH放出の抑制をもたらすかどうかを以前に記載された方法[非特許文献78]を用いて検討した。下垂柄-正中隆起部に留置した微小透析プローブを介して10nMペプチド234を30分にわたり注入することにより、GnRHパルスならびに平均GnRHレベルが迅速かつ一貫して抑制された(図11a、c)。これと対照的に、プローブを介して溶媒を注入した場合、GnRH放出の有意な変化はもたらされなかった(図11b、d)。ペプチド234によるGnRH抑制は、ペプチド234注入の前の値ならびに溶媒対照の値と有意に異なっていた(両方についてp<0.05)。透析膜は同様なサイズを有するペプチドの約10%を通すという我々の以前の評価[非特許文献79]に基づいて、下垂柄-正中隆起部におけるペプチド234の濃度は1nMであったと推定される。
【0195】
ペプチド234は完全な雄ラットにおけるキスペプチン-10刺激LHおよび精巣除去後のLHの増加を抑制する
ペプチド234の推定されるキスペプチン拮抗薬活性の効果を成体雄ラットを用いてin vivoで試験した。基礎LHレベルに対する拮抗薬の潜在的効果を評価するために、薬理学的試験には、化合物の反復(x3)大脳内注射および連続血液試料採取を含めた。LHのキスペプチン-10刺激およびGnRHのその刺激によるテストステロンを抑制する能力をモニターするために、3回目の注射は、キスペプチン-10の最大下用量(100pモル)およびペプチド234の1nモル用量の併用投与により遂行した。1nモルのペプチド234 icvの投与は、注射後15、60、75および120分の時点での基礎LHレベルを有意に変化させなかった。溶媒投与動物への1pモルのキスペプチン-10の中枢注射(120分の時点で)は、血清LHレベルの予想された上昇を誘発した(図12a)。基礎レベルに対する効果の欠如にもかかわらず、ペプチド234の併用投与は、キスペプチン-10の中枢注射により誘発されたLH分泌反応を有意に鈍らせ、ペプチド234およびキスペプチン-10の併用注射後の120分間の正味のLH分泌量(AUC)の有意な(P<0.01)低下が認められた。良好な一致で、ペプチド234およびキスペプチン-10の併用注射後60分の時点でのテストステロンレベルは、キスペプチン-10のみを注射した動物より有意に(P<0.01)低かった(図12a)。LHレベルは、精巣除去ラットにおいて240分のモニタリング期間にわたって上昇した。0、60および120分の時点での1nモルのペプチド234の投与は、精巣除去された雄における血清LHレベルを低下させる傾向があり、低下は240分の時点で統計的有意性に達した(図12b)。
【0196】
ペプチド234は卵巣摘出雌ヒツジにおけるLHパルス周波数および振幅を抑制する
LHの主要な分泌エピソードは、対照卵巣摘出雌ヒツジおよびペプチド234投与前の処置雌ヒツジにおいて明確に区別できた(図13)。分泌パルスの数は、ペプチド234の脳室投与後に減少した。LHパルスが確認された場合、これらはペプチド234注入後に振幅が減少した(P<0.05、表2)。平均LHレベルは、注入前とおよび注入中に同様であったが、ペプチド234の注入後に低下した(P<0.05)。
【0197】
ペプチド234の注入は、OVX雌ヒツジにおけるGHの平均濃度を有意に(P<0.05)増加させた(図14および表2)。この効果は、注入中のみに認められ、注入の前および後には平均GHレベルは対照雌ヒツジとペプチド234投与雌ヒツジとで同様であった。興味深いことに、この刺激効果は、LHに対する抑制効果より即時的であるように思われた。ペプチド234は、注入前、注入中および注入後のプロラクチンまたはコルチソルの濃度に影響を及ぼさなかった(図15および16)。
【0198】
図15でわかるように、拮抗薬の投与は、驚くべきことにヒツジにおける成長ホルモンレベルを上昇させた。したがって、本発明の拮抗薬は、個体における成長ホルモンの産生を促進かつ/または誘導するのに用いることができる。例えば、本発明の拮抗薬は、腎不全の治療におけるような、成長ホルモン療法が用いられる既存の治療とともに用いることができる可能性がある。
【0199】
ペプチド234は卵巣摘出雌ヒツジにおけるLHパルス周波数および振幅を抑制する
新生児臍帯から分離したヒト臍動脈内皮細胞(HUVECs)を用いた。その理由は、それらが、胎盤における細胞移動に関与すると考えられるgpr-54を内因的に発現するためである。ヒトgpr-54受容体を安定に発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を創傷治癒アッセイ用のモデル細胞株として用いた。
【0200】
ヒトgpr-54を安定に発現するWT HUVECsまたはCHO細胞の細胞単層に12ウエルプレートにおける各ウエルの中央でピペットの先端でかき傷を作り、次いで、プレートをPBSで洗浄して遊離細胞を除去した。HUVECsについては拮抗薬233、234、273および276、CHOsについては234の存在下および非存在下で、完全培地を、各細胞型における細胞移動(創傷治癒)を阻害する最適濃度である1nM1のキスペプチン-10とともにHUVECsに対して、また100nMのキスペプチン-10とともにCHO細胞に対して加えた。次いで、細胞は、37℃で空気中5%CO2で22時間インキュベートした。細胞は、位相コントラスト法で20倍でaxiovert 2000上で写真撮影した(Horiら、2001、Metastin suppresses the motility and growth of CHO cells transfected with its receptor、Biochem Biophys Res Commun 286、958〜963頁;Staffordら、2002、Identification and characterization of mouse metastasis-suppressor KiSS-1 and its G-protein-coupled receptor、Cancer Res 62、5399〜5404)。
【0201】
図17(A)において、結果から、CHO細胞において100nMキスペプチンは細胞移動を50%抑制するが、ペプチド234はこの抑制を完全に消失させることがわかる。図17(B)において、結果から、HUVECsにおいて1nMキスペプチンは創傷への移動を50%抑制することがわかる。しかし、これをペプチド233、234または273の存在下で行う場合、この抑制は10%減少するにすぎない。
【0202】
このことから、我々はペプチド233、234および273は、移動に対するキスペプチンの作用をほぼ完全に抑制するので、これらの細胞におけるヒトgpr-54において拮抗薬として作用すると結論することができる。したがって、本発明の拮抗薬は創傷治癒を誘導かつ/または促進するために用いることができる。
【0203】
ペプチド234のN末端へのアンテナペディアヘプタペプチドの付加
上述のように、R-R-M-K-W-K-K-Y配列はアンテナペディアからのヘプタペプチド配列である。ペプチド配列R-R-M-K-W-K-K-Yをペプチド234のN末端に付加し、得られたペプチドをペプチド271と呼んだ。
【0204】
したがって、ペプチド271は以下の配列を有する
ac.R-R-M-K-W-K-K-Y-(D)A-N-W-N-G-F-G-(D)W-R-F.z
【0205】
表1に示すように、N末端アンテナペディアヘプタペプチドを含むペプチド271は、キスペプチン拮抗薬の機能を保持している。
【0206】
考察
抗転位薬としての、またHPG軸ならびにおそらく着床、血管収縮およびCNSニューロンの調節におけるキスペプチンの多面発現性作用のため、gpr-54受容体が魅力的な治療標的となっている。現在まで、抗転位薬としてのキスペプチン作用薬の開発に主として重点がおかれている[非特許文献80〜82]。しかし、HPG軸、着床および血管収縮におけるキスペプチンの役割における治療的介入の大部分は、拮抗薬の開発を必要とするであろう。この目的を実現するために、我々は、生物学的活性に必要な最小のキスペプチン構造(キスペプチン-10)におけるアミノ酸を系統的に置換し、in vitroおよびin vivoで高い結合親和力および効力を有する拮抗薬を開発した。キスペプチン作用薬の追求における試験で、Pre6、Arg9およびPhe10NH2が結合ファーマコフォアを構成することが立証された[非特許文献80]。ペプチドの大きく、古来のファミリーにおけるRF.NH2部分の進化的保存は、ファーマコフォアにおけるそれらの同定と一致して、これらのC末端残基が受容体結合(engagement)に必須であることを予測するものである。キスペプチンアミノ酸置換に関する我々のパイロット試験により、RF.NH2部分の変化が結合を低減する可能性があることが確認された。したがって、我々は拮抗薬構造の探求に際して他の残基に焦点を合わせた。我々は、最初にげっ歯類およびヒトキスペプチン-10配列におけるN末端5アミノ酸を短縮し、これが作用薬活性および拮抗薬特性を低減することを見いだした。これらの短縮ペプチドにおけるPhe6またはLeu8の置換により、Leu8のD-Trp置換が最も有望な拮抗薬を発生させることが明らかになった。特に、より大きい柔軟性をペプチドにもたせ、かさばった側鎖(例えば、D-Trp)を有する他のアミノ酸置換の立体障害の一部を回避できるアキラルアミノ酸GlyによるSer5の置換により遂行する場合、完全デカペプチド配列におけるこの置換の組み込みによって、より良好な拮抗薬が得られた。
【0207】
さらなる探究により、D-アミノ酸によるN末端Tyr1の置換も拮抗活性について許容できたが、D-Tyr1またはD-Trp1がD-Trp8置換を伴っていた場合にはそうでなかったことが明らかになった。予想される通り、ファーマコフォア残基Phe6の置換は、作用薬活性の低下およびある程度の拮抗薬活性の生成をもたらす(例えば211および212)。しかし、D-Trp8によるLeu8置換と組み合わせたD-Trp6によるPhe6の置換は、D-Trp8のみと比較して拮抗作用を低下させた(213、245および246を210と比較)。Asn2(例えば、232および236における)およびTrp3(例えば、231および235における)の特定置換も、Leu8のD-Trp8置換と組み合わせた場合、拮抗作用について許容できた。全体的にみて、拮抗作用のコンセンサス配列は、X1-X2-X3-N-G-F-G-X8-R-F.NH2であり、ここで、X1はD-TyrまたはD-Alaであり、X2はAsnまたはD-AlaまたはD-Trpであり、X3はTrpまたはD-TrpまたはD-Alaであり、X8はD-Leu、D-PheまたはD-Trpである。
【0208】
我々の研究により、Ser6、Leu8の、またある程度、Tyr1、Asn2およびTrp3の置換は拮抗作用に寄与していたので、受容体活性化に関与すると思われるアミノ酸も特定された。現在までの研究でN末端が活性化ドメインを含み、C末端が結合ドメインを含むことが示唆されているので、これは興味深い。しかし、Phe6、Arg9およびPhe10は結合のファーマコフォアを形成することが示され[非特許文献80]、したがって、Leu8の配置が結合部位内の残基を活性化することから、我々の所見は、2つの部位は重複していることを示唆している。
【0209】
in vitroで良好な拮抗薬活性を示す類似体のうち、我々はev vivoおよびin vivo試験にペプチド234を選択した。HPG軸におけるキスペプチン作用は主としてGnRH分泌を刺激することによると考えられる[非特許文献64、83]ので、我々は最初に急性に作製したマウス脳切片に記録されたGnRHニューロンにおける発火のキスペプチン-10刺激を抑制するペプチド234の能力を検討した。ペプチド234は、100nM、10nMで、またGnRHニューロンの刺激に用いたキスペプチン-10の濃度と同じ濃度である1nMでさえもGnRHニューロン発火のキスペプチン-10刺激を阻害することが認められた。
【0210】
GnRHニューロン発火に対するキスペプチンの作用がペプチド234により阻害されることは、該拮抗薬がin vivoで視床下部GnRH放出を減少させることを示唆するものである。したがって、我々は、思春期雌アカゲザルにおける下垂柄-正中隆起部にペプチド234を直接投与することにより、キスペプチンが拍動性GnRH放出を変化させるかどうかを検討した。ペプチド234の注入中のGnRH放出の抑制は、視床下部におけるキスペプチンニューロンからのインプットがGnRH放出のかなり重要なシグナルであるという最初の直接的証拠を提供するものである。GnRH拍動性におけるキスペプチンの重要性は、キスペプチン-54の放出が拍動性であり、キスペプチン-54パルスが時間の75%GnRHパルスと一致することを示す以前の所見[非特許文献78]によりさらに裏づけられる。しかし、臨床試験でgpr-54突然変異を有する患者はほぼ正常なパルス周波数でLHパルスの減衰を示した[非特許文献58、59][非特許文献84]ので、キスペプチンニューロンはGnRHパルスの発生に重要であるかどうか、またはそれはGnRHパルス振幅の調節因子であるかどうかという問題は、将来検討すべきである。したがって、サルモデルにおけるGnRHパルスおよび卵巣摘出ヒツジにおけるLHパルスの完全な除去は、周波数でなく、振幅の完全抑制を単に反映している可能性がある。
【0211】
ペプチド234はまた、GnRH分泌に対するキスペプチン-10の作用をおそらく阻害することにより、成体雄ラットにおけるLHおよびテストステロンのキスペプチン-10刺激を2時間にわたって阻害した(図12a)。ペプチド234による完全な雌アカゲザルにおけるGnRH分泌の抑制は、前者の説明が最もありそうなことであることを示唆している。精巣除去雄ラットにおいて、ペプチド234は、精巣除去後に起るLHの増加および負のフィードバックの除去を妨げた。これらの所見は、性腺ステロイドの除去は、GnRHおよびLH分泌の増加につながるキスペプチン活性の上昇をもたらすことを示唆するものである。性腺摘出雄および雌ラットにおける後室周囲核におけるKiSS-1遺伝子発現の増大[非特許文献64、83]ならびにGnRH拮抗薬による結果として生じたLHの上昇を除去する能力[非特許文献64]の以前の実証は、キスペプチン産生ニューロンは性ステロイドのフィードバック作用の標的であるという推論[非特許文献65]と一致している。しかし、mRNAのレベルは、GnRHニューロンにおけるgpr-54に結合するキスペプチンの生合成および分泌を反映していない可能性がある。新規なキスペプチン拮抗薬の我々の試験は、性腺による負のフィードバックにおけるGnRHニューロンのキスペプチン調節の直接的な証拠を今や提供しており、生理学的メカニズムを解釈におけるキスペプチン拮抗薬の価値を強調している。
【0212】
卵巣摘出雌ヒツジにおける頻繁な血液試料採取(10分ごと)および拮抗薬の投与により、我々はLHパルスの周波数および振幅における内因性キスペプチンの役割を調べることができた。LHパルス周波数および振幅はペプチド234のicv投与により著しく減少したことから、GnRH分泌の振幅およびおそらく周波数の減少が示唆される。これは、マウスにおけるGnRHニューロン発火率のペプチド234抑制およびアカゲザルにおけるGnRHパルスのその抑制の我々の実証と一致している。これらの所見は、キスペプチンの内因性分泌は、本来は拍動性であり、GnRHの超日周期分泌を推進することを意味する。キスペプチン-10のGnRHニューロン発火を増加させ、キスペプチン拮抗薬のそれを減少させる能力は、多のう胞性卵巣症候群[非特許文献85]に特有なLHパルス周波数の増加、ならびに精神障害、ストレス[非特許文献86]および栄養不足(例えば、神経性食欲不振)[非特許文献87]に認められる周波数の低下などの機能不全性LHパルス周波数に関連する病的状態におけるキスペプチン類似体の治療能力を示唆するものである。
【0213】
ペプチド234は、卵巣摘出雌ヒツジにおけるプロラクチンおよびコルチソル分泌に対して作用を及ぼさず(図15および16)、GnRHまたはLH受容体に結合しなかった(データは示さず)ことから、その作用は特異的であると思われる。成長ホルモンは4匹すべての雌ヒツジでペプチド234の注入中に増加するように思われ、内因性キスペプチンは成長ホルモンを抑制することが示唆される(図14)。我々は、まだこの現象を深く検討しなかったが、キスペプチン受容体(gpr-54)は思春期において成長ホルモン細胞においてもっぱら発現することを観察した。排卵のLHサージの誘導におけるエストロゲンによる正のフィードバックは、げっ歯類およびヒツジにおいて特定の視床下部領域におけるKiss-1遺伝子発現の増加を伴うことが示された[非特許文献88〜90]。
【0214】
雌ラット[非特許文献91]および女性[非特許文献92]における試験で、排卵LHサージの時点の外因性キスペプチンに対するより大きいLH感受性が示され、エストロゲンによる正のフィードバックはキスペプチンインプットの増加により媒介されることが示唆される[非特許文献91]。これは、エストロゲン投与[非特許文献88、89]および雌ラットにおけるキスペプチン抗血清の投与により除去される[非特許文献89]LHサージ後の増加したKiSS-1遺伝子発現の実証と一致している。我々は、GnRHおよびLH分泌における正のフィードバックにおけるキスペプチンの役割を判断するために現在ペプチド234を用いている。
【0215】
我々の試験の大部分で、GnRHニューロン上のキスペプチンインプットのより直接的介入を行い、HPG軸の生理学的調節におけるキスペプチンの役割をより明確に示すために拮抗薬をicv投与した。しかし、全身投与は、キスペプチン類似体の治療適用の必要条件である。静脈内および皮下キスペプチン投与は男性[非特許文献93]および女性[非特許文献92]におけるLH放出を刺激するので、ペプチドは、明らかに脳に侵入するか、または後室周囲核もしくは正中隆起などの血液-脳関門外である部位で作用し、GnRHニューロン上で作用する。したがって、全身的に送達したキスペプチン拮抗薬はGnRHニューロンまたは正中隆起におけるそれらの軸にも到達し、それにより、有効かつ実現可能な治療標的を提供することはもっともらしいと思われる。
【0216】
広いスペクトルの病変がHPG軸の機能不全に関連し、多くの状態が性ホルモン刺激により悪化する。これらは、不妊、多のう胞性卵巣症候群、子宮内膜症、子宮線維症、過剰月経出血、遅延および早発思春期ならびに乳、前立腺および卵巣がんなどである。強力、特異的かつ有効なキスペプチン拮抗薬が入手可能であれば、これらの状態の新規な治療およびHPG軸の生理学的調節の調査が可能となるであろう。これらの主要な適応に加えて、キスペプチン拮抗薬は、血管収縮[非特許文献76]、CNS機能[非特許文献94]ならびに栄養膜侵入および十分な母体血液供給の発生[非特許文献73、75、95]の調節に可能性を有する可能性がある。
【0217】
方法
ペプチド
材料
ヒトキスペプチン-10ならびにペプチド類似体186〜191、200〜203、206〜213および228〜248(10μg)は、EZBiolabsにより特注合成された。他のすべての試薬の供給元は、本文に示す。
【0218】
拮抗活性のin vitroアッセイ
細胞培養
ヒトgpr-54受容体を安定に発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(CHO/gpr-54)をブリュッセル大学のG. Vassart教授から入手した。細胞を、加湿5%CO2雰囲気中10%ウシ胎児血清、2%グルタミンおよび1%ペニシリン(10000単位/ml)/ストレプトマイシン(10000mg/ml)を添加したダルベッコ修正イーグル培地(DMEM;Sigma)中で37℃で維持した。
【0219】
イノシトールリン酸(IP)刺激アッセイ
刺激の前にCHO/gpr-54細胞をダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS;カルシウムまたはマグネシウム不含有)で2回洗浄し、次いで、1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含む3H-ミオイノシトール標識HEPES修飾DMEMとともに37℃で一夜インキュベートした。1%ペニシリン/ストレプトマイシンおよび1%塩化リチウム(0.5ml)を添加したHEPES修飾DMEMを細胞に37℃で30分間加えて、IP加水分解を阻止した。次いで、細胞を、上の培地で1:100に希釈した0.5mlのキスペプチン-10および類似体(10pM〜1μM)で37℃で1時間刺激し、次いで、10mMギ酸で4℃で1時間処理して細胞を溶解させた。溶解物を0.5mlのDowex樹脂を含むプラスチック管に移して放射性IPを結合させ、次いで、樹脂を1mlの水で洗浄した。次に、樹脂を60mMギ酸アンモニウム/5mM四ホウ酸ナトリウムで、続いて、1Mギ酸アンモニウ/0.1Mギ酸で洗浄して、結合放射能を放出させた。次いで、800μlの放射性溶液を2.5mlのシンチレーション液を含むシンチレーションバイアルに移し、放射能をBetaカウンターで60秒間計数した。実験は、3〜5回繰り返した。IP産生を平均値±SEMとしてプロットし、Studentのt検定を用いて解析した(p≧0.05)。
【0220】
イノシトールリン酸(IP)拮抗作用アッセイ
IP産生のキスペプチン刺激の抑制を検討するために、CHO/gpr-54細胞単層を0.25mlキスペプチン(10nM)単独または0.25mlペプチド類似体(100pM〜1μM)との併用で刺激した。実験は、3〜5回繰り返した。IP産生を平均値±SEMとしてプロットし、Studentのt検定を用いて解析した(p≧0.05)。
【0221】
GnRHニューロン発火
動物
GnRHニューロンの発火は、GFPを一般的にGnRHニューロンの標的とする[非特許文献96]トランスジェニック雌マウスの脳切片において記録した。マウスは、16時30分に消灯として14時間明、10時間暗周期で収容し、Harlan2916げっ歯類用飼料(Harlan)で飼養し、水を自由摂取させた。すべての手順は、ヴァージニア大学の動物管理使用委員会により承認され、実験動物の管理および使用に関するNational Research Councilの指針のガイドラインに従って実施した。成体雌GnRH-GFPマウスをイソフルラン(Abbot Laboratories)麻酔下で卵巣摘出処置した。術後痛覚消失は長時間作用性局所麻酔薬(0.25%ブピビカイン;7.5μl/部位;Abbott Laboratories)により行った。手術時に、マウスにゴマ油中0.625μgエストラジオールを含むSilastic(Dow Corning)カプセルを投与した。記録は、エストラジオールが負のフィードバック効果を有することが示された午前の手術の2〜4日後に行った[非特許文献97]。1匹の動物から4つ以下の細胞を記録した(すべてが異なる切片におけるもの)。
【0222】
脳切片の作製
脳切片は、以前に記載された方法[非特許文献98]を用いて作製した。簡単に述べると、すべての溶液に実験を通して、および組織への曝露の前の少なくとも15分間95%O2/5%CO2混合物を通気した。脳を速やかに除去し、250mMショ糖、3.5mM KCl、26mM NaHCO3、10mMグルコース、1.25mM Na2HPO4、1.2mM MgSO4および2.5mM MgCl2を含む氷冷高ショ糖食塩溶液中に入れた。冠300μm脳切片をVibratome 3000(Technical Products、International, Inc.、St. Louis、MO)を用いて切り出した。切片を135mM NaCl、3.5mM KCl、10mMグルコース、1.3mM Na2HPO4、1.2mM MgSO4および2.5mM CaCl2を含む50%高ショ糖食塩水および50%正常食塩水(NS)中で30〜32℃で30分間インキュベートし、次いで、室温の100%NSの溶液に移し、少なくとも30分および記録の前に6時間以下保持した。
【0223】
電気生理学的記録
標的細胞外記録(ルーズパッチとしても知られている)を用いてGnRHニューロン発火活動に対するキスペプチン-10およびペプチド234の効果を試験した[非特許文献99]。低抵抗シール(<50MΩ)が細胞膜に影響しないため、このアプローチは、単一細胞の内因性電気的活動をモニターする侵襲性が最小限の方法である。これらの事象は本質的に活動電位でないので、それらは活動電位発火率の変化を正確に反映する。簡単のために、我々はこれらの事象を表すために発火率、発火パターンおよび/または発火活動という句を用いた。
【0224】
個々の脳切片を、酸素化NS溶液を連続的に注いだ記録チャンバーに入れ、29〜31℃に維持した。細胞を、赤外微分干渉コントラストを用いたOlympus BX50WI直立蛍光顕微鏡(Opelco)で可視化した。GnRHニューロンは、GFRシグナルを可視化するための470nmでの短時間の照明により同定した。1.5〜3ΩMの範囲のPatchホウケイ酸ピペット(World Precision Instruments)に150mM NaCl、10mM HEPES、10mMグルコース、2.5mM CaCl2、1.3mM MgCl2および3.5mM KClを含む通常のHEPES緩衝溶液を満たした。MP-285マイクロマニピュレータ(Sutter Instruments)を用いてピペットをGnRHニューロンと接触させた。シール抵抗は、8MΩから安定のままか、または記録中に50 MΩという高値までの範囲にあった。データを取得するためのG4 Macintoshコンピュータ(Apple Computer)上のIgor Pro(Wavemetrics)で動作するPulseControl XOP(Instrutech)付きEPC-8増幅器(HEKA)を用いて電流トレースを得た。ピペット保持電位0mV、フィルター10kHz、ITC-18取得インターフェース(Instrutech)によるデジタル化を用いた、電圧クランプモードを記録に用いた。
【0225】
実験デザイン
ヒトキスペプチン-10、1nM(Phoenix Pharmaceuticaks)をインキュベーション浴により適用した。種々の用量(1nM、10nM、100nM)のペプチド234を用いて、gpr-54のキスペプチン-10活性化に対するその拮抗作用を検討した。陽性対照細胞は、10分安定ベースラインを記録し、次いで、キスペプチン-10で5分間処理した後、15分間ウォッシュアウトした。実験細胞は、NS中で5分安定ベースラインを記録した後、ペプチド234(1、10または100nM)中で10分、次いで、キスペプチン-10+同じ用量の拮抗薬中で5分記録した後、NSで洗浄した。拮抗薬を含む溶液による洗浄により、同様な結果が得られた(1nMペプチド234、n=5細胞、示さず)。10nMペプチド234群の1つの細胞は活性を示さず、追加の15mM KClにより細胞の生存および記録の完全性が確認された。
【0226】
データ解析
Igor Pro用に書いたプログラムを用いて、細胞外記録事象を計数し、1分間隔でビン(binned)して、GnRHニューロンの発火率の変化を確認した。ビン(binned)事象データは、キスペプチン-10投与前(ベースライン、これは拮抗薬投与群の細胞におけるペプチド234投与中であることを注意すること)、キスペプチン-10適用(投与)中、およびウォッシュアウト中の平均発火率についてMicrosoft Excel(Microsoft Corp)を用いて解析した。拮抗薬投与群の細胞については、キスペプチン-10適用前のNSと拮抗薬の発火率も比較した。平均発火率は、検出された事象の総数を各条件における記録の持続時間で割って求めた。過渡期を除去するために、薬物の変化後の2分間は省略した。GnRHニューロンの発火活動は時間とともに変化する[非特許文献98、99]ので、各投与群の変化倍率を計算した。群は、ANOVAを用い、続いてBonferroni事後検定を用いて比較した。
【0227】
雌アカゲザルにおけるGnRH放出に対するペプチド234の効果
動物
Wisconsin National Primate Research Centerで生まれ、飼育された4匹の雌アカゲザルを本試験に用いた。それらを12時間明、12時間暗とし、温度調節した(22℃)室内に2匹ずつ収容した(ケージ172×86×86cm)。動物にHarlan 20% Protein Primate Dietの標準飼料を毎日2回給餌し、新鮮な果実を1週間当たり数回補給した。水は、自由に摂取させた。本試験のプロトコールは、ウィスコンシン大学の動物管理使用委員会によりレビューされ、承認され、すべての実験は、NIHおよびUSDAにより制定されたガイドラインに従って実施した。
【0228】
実験デザイン
GnRH放出に対するペプチド234の効果を微小透析法を用いて検討した。この方法は、以前に記載したように[非特許文献79][非特許文献78]、ペプチド234を半透析膜を介して注入すると同時にGnRH測定用の透析物試料を採取することができる。CNS潅流液に溶解したペプチド234を、透析物を連続的に採取しつつ、微小透析プローブを介して下垂柄正中隆起部に30分間にわたり注入した。対照のため、溶媒を同様に注入した。各動物を同じ実験において無作為の順序で2つのチャレンジの間の最小2時間間隔でペプチド234(10nM濃度)または溶媒を用いて検討した。4匹の動物のうちの2匹を独立した実験(合計6実験)で2回検討した。全実験中、サルを仲間のサルの近くにおき、常時食物および水を摂取できるようにし、果実、穀物、干しブドウおよび他の軽食を頻繁に与えた。試料採取時の平均年齢は、33.1±0.4ヵ月齢であった。
【0229】
頭蓋ペデスタル(cranial pedestal)の埋植
下垂柄正中隆起部における潅流液の採取のために、以前に記載した[非特許文献78]ように、我々は微小透析法を用いた。実験の前に、年齢29.1±1.2ヵ月齢(体重3.6±0.1kg)のサルを霊長類用椅子、実験環境および研究者に十分に順応させた。サルに、プッシュ-プル(push-pull)潅流法[非特許文献100]について以前に記載したのと同様な、頭蓋ペデスタルをイソフルラン麻酔下で埋植した。動物は、実験の前の少なくとも1ヵ月間回復させた。
【0230】
微小透析法
実験当日にサルをケタミン(15mg/kg体重)およびメデトミジン(0.03〜0.05 mg/kg体重)麻酔下で定位装置に入れた。特注製造のガイドカニューレ(CMA12)は、ステンレススチールシャフト(長さ76.0mm、o.d. 0.91mm)およびガイドカニューレチップから20mm突出した除去可能なステンレススチールスタイレット(長さ96.0mm、o.d. 0.6mm)からなっていた。それを油圧式マイクロドライブユニット(MO950-B)を用いて頭蓋にS-MEの上5mmに挿入した。マイクロドライブユニットは、チップの位置の正確な3次元調節を行うことができる。S-MEのx、yおよびz座標を脳室造影を用いて計算し、頭蓋ペデスタルの植込み手術中に最終X線写真を撮影した。カニューレの留置は、X線撮影視覚化により確認した。ガイドカニューレの留置後、サルを定位装置から除去し、霊長類用椅子にのせた。椅子に適切に配置した後、内側スタイレットをガイドカニューレから除去し、膜(長さ5mm、o.d. 0.5mm)を取り付けた特注製造の微小透析プローブ(ステンレススチールシャフト長さ96.0mm、o.d. 0.6mm)を以前に記載したように[非特許文献79][非特許文献78]ガイドカニューレを介してS-MEに挿入した。メデトミジンの作用を逆転させるために、アチパマゾール(0.15〜0.25mg/kg)を動物に注射した(i.v.)。動物はプローブの挿入後1時間以内に完全に覚醒した。
【0231】
CMA/Microdialysisから購入し、バシトラシン(4U/ml)を加えた、NaCl 147mM、KCl 2.7mM、CaCl2 1.2mM、MgCl2 0.85mMからなるCNS潅流液を、1または2.5ml Hamilton気密シリンジ(Reno)を装着したCMA/102微小透析ポンプを2μ/分で流入チューブを介して注入した。潅流液を、フラクションコレクタ(Model FC203B)を用いて流出チューブを介して氷上12x75mmホウケイ酸チューブ中に12時間まで10分間隔で連続的に収集した。潅流液試料は、直ちにドライアイス上で凍結し、-80℃で保存した。
【0232】
GnRH RIA
RIAは、以前に記載した[非特許文献100]ように、Dr. Terry Nett(コロラド州立大学)によりご好意により提供された抗血清R42を用いて行った。アッセイ感度は、0.02pg/チューブであり、アッセイ内およびアッセイ間変動係数は、それぞれ8.1%および11.3%であった。
【0233】
データ解析
GnRH放出のピークは、以前に記載した[非特許文献101]ように、PULSARアルゴリズムを用いて同定した。ペプチド234(または溶媒)チャレンジの前および後の30分間のGnRH収集の平均値は、各実験において計算した。その後、各期間中のすべての実験の平均値(±sem)を統計的比較のために計算した。投与前、投与中および投与後(投与内)の間ならびに投与間(ペプチド234対溶媒)の差を2元配置分散分析を、続いてTukeyの多重比較検定を用いて検討した。差は、P<0.05で有意とみなした。
【0234】
雄ラットにおけるLHのペプチド234阻害に関する動的試験
実験デザイン
コルドバ大学の飼養場で繁殖させた成体雄ラット(体重:280〜310g)を用いた。動物を一定の照明(07:00時から14時間点灯)および温度(22℃)条件下で飼育し、カニューレ埋植の前には、ケージ当たり4匹のラットの群で飼育し、ペレット状飼料および水道水を自由に摂取させた。実験手順は、コルドバ大学の動物実験に関する倫理委員会により承認され、欧州連合実験動物の管理と使用に関する規範に従って実施した。
【0235】
動物に軽エーテル麻酔下でicvカニューレを埋植し、その後、ケージに個別収容した。化合物を外側脳室内に送達できるようにするために、カニューレを頭蓋の表面の4mm下の深さまで下げた。挿入箇所は、ブレグマの1mm後方で、1.2mm外側であった。カニューレの埋植の少なくとも24〜48時間後に機能試験を実施した。
【0236】
完全な雄における薬理試験に、1nモルの用量のペプチド234の60分間隔での5μlの注射(icv)を含めた。最終注射は、有効(最大下)用量の100pモルキスペプチン-10(Phoenix Pharmaceutical Ltd.)の注射を伴っていた。溶媒(生理食塩水)を注射した動物を対照とした。血液試料(250μL)は、各icv注射後15および60の時点で頚静脈穿刺により採取した。さらに、血液試料は、実験の開始直前(時間:0分)および最終注射後120分の時点(時間:240分)で採取した。実験手順およびキスペプチンの用量は、以前の試験[非特許文献70、88、102]に基づいて選択した。各時点について、群当たり10〜12の試料を採取した。
【0237】
さらに、ペプチド234の反復icv注射を精巣摘出(ORX)ラットにおいても行った。動物を陰嚢経路による両側ORXに供し、手術の1週間後に上述のようにカニューレの埋植に供した。試験には拮抗薬の3回の大脳内注射(1nモル;処置の0、60および120分の時点で)ならびに基礎状態(0分)および各icv注射後15分の時点における頚静脈穿刺による血液試料採取を含めた。さらなる血液試料をペプチド234の中枢投与後180および240分の時点で得た。各時点で、1群当たり10〜12試料を採取した。
【0238】
ホルモンの測定
血清LHレベルは、二重抗体法およびNIH(Dr. AF Parlow、NIDDK)により提供されたラジオイムノアッセイキットを用いて50μlの容積で測定した。ラットLH-1-10を製造業者(Pierce)の指示に従ってIodo-Genプレコートチューブを用いて125Iで標識し、ホルモン濃度を参照調製物LH-RP-3を標準として用いて表した。アッセイ内およびアッセイ間変動係数は、それぞれ8および10%未満であった。アッセイの感度は、5pg/チューブであった。さらに、kp-10およびペプチド234の併用投与後60分の時点(時間:180分)で採取した血液試料中の血清テストステロン(T)測定を選択的に行った。このために、MP Biomedicals製の市販のキットを製造業者の指示に従って用いた。アッセイの感度は0.1ng/チューブであり、アッセイ内変動係数は4.5%であった。各ホルモンについて、すべての試料を同じアッセイにおいて測定した。ホルモンの定量の正確度は、外部対照として用いた既知のホルモン濃度のラット血清試料の評価により確認した。
【0239】
データ解析
ホルモンの定量は、1群当たり最小総数10個の試料を用いて2回ずつ行った。適切な場合、個々の時点の測定に加えて、積分LH分泌反応を台形則に従って曲線下面積(AUC)として計算した。ホルモンデータは、平均値±SEMとして表す。結果は、Studentのt検定またはANOVA、続いてStudent-Newman-Keuls多重範囲検定を用いて統計的に有意な差について解析した(SigmaStat 2.0)。P≦0.05を有意とみなした。
【0240】
卵巣摘出雌ヒツジにおけるLHに対するペプチド234の効果
実験手順
すべての実験手順は、Monash School of Biomedical Sciencesの動物倫理委員会により承認されたプロトコールに従って実施した。成体コリデール雌ヒツジを自然照明下で収容し、実験操作の少なくとも1ヵ月前に両側卵巣摘出した(OVX)。永久的留置第3脳室(3V)カニューレを後の外科処置で以前に述べた[非特許文献103]ように埋植した。3V手術の約2週間後に、1つの外頚静脈に血液採取用にカニューレを挿入し、動物を単一ペンに収容した。カニューレは、ヘパリン加生理食塩水で開存性を維持した。雌ヒツジを2つの投与群(4匹/群)に割り付けた;ペプチド234(人工脳脊髄液aCSF; 150mM NaCl、1.2mM CaCl2、1mM MgCl2、2.8mM KClで希釈した)または対照(aCSFのみ)。翌日、注入ラインを3Vカニューレに接続し、血液試料の採取を07.00時に開始した。試料は10分ごとに採取した。3時間の試料採取後に、ペプチド234(または対照)を、最初の負荷投与量を10μgとして、40μg/時間の用量で3V内に1時間注入した。ペプチド234および溶媒をGraseby(登録商標)MS16A注入ポンプ(Smiths Medical Australasia Pty. Ltd.)を用いて200μl/時間で注入した。注入後、3Vラインを所定の位置に保持し、血液試料の採取をさらに2時間(合計6時間)続けた。試料から直ちに血漿を収集し、分析時まで-20℃で凍結した。
【0241】
血漿LH濃度を、NIH-oLH-S18を標準として2回ずつ測定した[非特許文献103]。アッセイ感度は0.1ng/mlであり、アッセイ内変動係数は0.3〜12.8ng/mlの範囲にわたり10%未満であった。血漿LHデータのパルス解析は、以前に記載された[非特許文献90]通りであった。血漿試料は、標準NIDDK-oGH-1-4およびNIDDK-抗-oGH-2抗血清を用いてGHについて2回ずつ分析した[非特許文献104]。アッセイ感度は1ng/mlであり、アッセイ内CVは4〜51ng/mlにおいて10%未満であり、アッセイ間CVは20%であった。
【0242】
血漿プロラクチン濃度は、Sigmaロット114F-0558、NOL-7135を標準として用いて2回ずつ測定した[非特許文献104]。アッセイ感度は1ng/mlであった。アッセイ内CVは1〜22ng/mlにおいて10%未満であった。
【0243】
血漿コルチソル濃度は、抗血清no.3368(Bioquest Ltd)および125I標識コルチソル(Amersham Pharmacia Biotech Ltd)用いて2回ずつ測定した。アッセイの感度は3ng/mlであった。アッセイ内CVは3〜18ng/mlにおいて10%未満であり、アッセイ間CVは15%であった。
【0244】
データ解析
LH、GH、プロラクチンおよびコルチソルのデータ解析のために、各雌ヒツジの平均血漿値を注入前(0〜180分)、注入中(180〜240分)および注入後(240〜360分)期間について計算した。さらに、各雌ヒツジの平均LHパルス振幅も注入前、注入中および注入後について計算した。反復測定ANOVAsを用いて各期間にわたるホルモンレベルに対するペプチド234投与の効果を判定し、適切な場合、一元配置ANOVAsを用いて各期間内の個別の差を評価した。
【実施例3】
【0245】
具体例としての医薬製剤
本発明の分子を単独で投与することは可能であるが、それを1つまたは複数の許容できる担体とともに医薬製剤として提供することが好ましい。担体は、本発明の薬物と適合性があり、そのレシピエントに対して有害でないという意味で「許容でき(acceptable)」なければならない。一般的に、担体は、無菌性で、発熱物質を含まない水または生理食塩水である。
【0246】
以下の実施例は、有効成分が本発明の分子である、本発明による薬剤および医薬組成物を例示するものである。
【0247】
好ましくは、本発明の分子を10μg〜500mgの量で提供する。以下の具体例としての薬剤および医薬組成物は10μg〜500mgの量の本発明の分子を含むものを調製することができることは理解されるであろう。例えば、本発明の薬物は、以下の具体例としての薬剤および医薬組成物に示す量の10分の1または100分の1または200分の1または500分の1で存在していてよく、残りの成分の量はそれに応じて変化する。
【0248】
実施例A:錠剤
有効成分 1mg
乳糖 200mg
デンプン 50mg
ポリビニルピロリドン 5mg
ステアリン酸マグネシウム 4mg
錠剤は、湿式造粒の後の圧縮により前記の成分から調製される。
【0249】
実施例B:眼科用液剤
有効成分 1mg
塩化ナトリウム、分析用 0.9g
チオメルサール 0.001g
精製水 100mlまで
pH調整 7.5
【0250】
実施例C:錠剤製剤
以下の製剤AおよびBは、ポビドン溶液を用いた成分の湿式造粒の後、ステアリン酸マグネシウムの添加と圧縮により調製する。
【0251】
製剤A
mg/錠剤 mg/錠剤
(a)有効成分 1 1
(b)乳糖B.P. 210 26
(c)ポビドンB.P. 15 9
(d)デンプングリコール酸ナトリウム 20 12
(e)ステアリン酸マグネシウム 5 3
-
251 51
【0252】
製剤B
mg/錠剤 mg/錠剤
(a)有効成分 1 1
(b)乳糖 150 -
(c)Avicel PH 101(登録商標) 60 26
(d)ポビドンB.P. 15 9
(e)デンプングリコール酸ナトリウム 20 12
(f)ステアリン酸マグネシウム 5 3
-
251 51
【0253】
製剤C
mg/錠剤
有効成分 1
乳糖 200
デンプン 50
ポビドン 5
ステアリン酸マグネシウム 4
-
260
【0254】
以下の製剤DおよびEは、混合した成分の直接的圧縮により調製する。製剤Eに用いる乳糖は、直接圧縮タイプである。
【0255】
製剤D
mg/カプセル剤
有効成分 1
アルファ化デンプンNF15 150
-
151
【0256】
製剤E
mg/カプセル剤
有効成分 1
乳糖 150
Avicel(登録商標) 100
-
251
【0257】
製剤F(放出制御製剤)
製剤は、ポビドン溶液を用いた成分(下)の湿式造粒の後、ステアリン酸マグネシウムの添加と圧縮により調製する。
mg/錠剤
(a)有効成分 1
(b)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 112
(Methocel K4M Premium)(登録商標)
(c)乳糖B.P. 53
(d)ポビドンB.P.C. 28
(e)ステアリン酸マグネシウム 7
-
201
薬物の放出は、約6〜8時間の期間に起り、12時間後に完全に完了した。
【0258】
実施例D:カプセル製剤
製剤A
カプセル製剤は、上の実施例Cの製剤Dの成分を混合し、2パート硬ゼラチンカプセルに充填して調製する。製剤B(下)は、同様な方法で調製する。
【0259】
製剤B
mg/カプセル剤
(a)有効成分 1
(b)乳糖B.P. 143
(c)デンプングリコール酸ナトリウム 25
(d)ステアリン酸マグネシウム 2
-
171
【0260】
製剤C
mg/カプセル剤
(a)有効成分 1
(b)Macrogol 4000 BP 350
-
351
カプセル剤は、Macrogol 4000 BPを融解し、有効成分を融解物中に分散させ、融解物を2パート硬ゼラチンカプセルに充填して調製する。
【0261】
製剤D mg/カプセル剤
有効成分 1
レシチン 100
落花生油 100
-
201
カプセル剤は、有効成分をレシチンおよび落花生油中に分散させ、分散体を軟弾性ゼラチンカプセル中に充填して調製する。
【0262】
製剤E(放出制御カプセル剤)
以下の放出制御カプセル製剤は、押出成形機を用いて成分a、bおよびcを押出した後、押出成形物を長球化し、乾燥して調製する。次いで、乾燥ペレットを放出制御膜(d)で被覆し、2部硬ゼラチンカプセル中に充填する。
mg/カプセル剤
(a)有効成分 1
(b)結晶セルロース 125
(c)乳糖BP 125
(d)エチルセルロース 13
-
264
【0263】
実施例E:注射製剤
有効成分 1mg
滅菌済みの発熱物質不含有リン酸緩衝液(pH7.0) 10mlまで
有効成分を大部分のリン酸緩衝液(35〜40℃)に溶解し、次いで定容とし、滅菌済み微細孔フィルターでろ過し、滅菌済みの10ml褐色ガラスバイアル(タイプ1)に入れ、滅菌済み蓋およびオーバーシールで密封する。
【0264】
実施例F:筋肉内注射剤
有効成分 1mg
ベンジルアルコール 0.10g
Glucofurol 75(商標登録) 1.45g
注射用水十分量 3.00mlまで
有効成分をグリコフロールに溶解する。次いで、ベンジルアルコールを加え、溶解し、水を3mlまで加える。次いで混合物を滅菌済み微細孔フィルターでろ過し、滅菌済み3mlガラスバイアル(タイプ1)に封入する。
【0265】
実施例G:シロップ懸濁剤
有効成分 1mg
ソルビトール溶液 1.5000g
グルセロール 2.0000g
分散性セルロース 0.0750g
安息香酸ナトリウム 0.0050g
着香料、Peach 17.42.3169 0.0125ml
精製水十分量 5.0000mlまで
安息香酸ナトリウムを精製水の一部に溶解し、ソルビトール溶液を加える。有効成分を加え、分散させる。グルセロール中に粘稠化剤(分散性セルロース)を分散させる。2つの分散体を混合し、精製水で必要な容積とする。必要に応じて、懸濁液にせん断力を加えることにより、さらなる粘稠化が達成される。
【0266】
実施例H:坐剤
mg/坐剤
有効成分(63μm)* 1
硬脂肪、BP(Witepsol H15-Dynamit Nobel) 1770
-
1771
*粒子の少なくとも90%が直径63μmまたはそれ以下の場合、有効成分を粉末として用いる。
【0267】
Witepsol H15の1/5を蒸気ジャケット付きパン中で最高45℃で融解する。有効成分を200μmふるいでふるい分けし、切断ヘッドを取り付けたシルバーソン(silverson)を用いて滑らかな分散が達成されるまで、混合しながら融解ベースに加える。混合物を45℃に維持しながら、残りのWitepsol H15を懸濁液に加え、均一な混合を保証するために撹拌する。懸濁液全体を250μmステンレススチールスクリーンに通過させ、連続的に撹拌しながら、40℃に冷却する。38℃〜40℃の温度で2.02gの混合物を適切なプラスチック型に充填する。坐剤を室温に冷却する。
【0268】
実施例I:膣坐剤
mg/膣坐剤
有効成分 1
無水デキストロース 380
ジャガイモデンプン 363
ステアリン酸マグネシウム 7
-
751
上の成分を直接混合し、得られる混合物を直接圧縮して、膣坐剤を調製する。
【0269】
本発明の薬物は、Zoladex、Leuprolide、Teverelix、Abarelix、Ganarelix、Goserelin等としても製剤化することができる。
【実施例4】
【0270】
本発明の薬剤を用いた増殖性障害の治療
抗アンドロゲン療法に反応しない前立腺がんを有する患者に1日1mgの本発明の薬剤を筋肉内に投与するか、または本発明の方法によりこの用量をデポー製剤で送達する。該拮抗薬は、アンドロゲンを減少させる。
【実施例5】
【0271】
本発明の薬剤を用いた増殖性障害の治療
子宮内膜症または子宮線維症または乳がんを有する患者に1日1mgの本発明の薬剤を筋肉内に投与するか、または本発明の方法によりこの用量をデポー製剤で送達する。
【実施例6】
【0272】
本発明の薬剤を用いた子癇前症の治療
子癇前症を有する患者に1日1mgの本発明の薬剤を筋肉内に投与するか、または本発明の方法によりこの用量をデポー製剤で送達する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態の治療用の薬剤の製造におけるキスペプチンの拮抗薬の使用。
【請求項2】
個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態の治療における使用のためのキスペプチンの拮抗薬。
【請求項3】
患者におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態の治療のための、あるいは患者におけるキスペプチン活性により誘発され、または悪化した状態の治療用の薬剤の製造における、以下の配列
X1-G/W-X2-R/(D)R-X3
[ここで、
X1は、FまたはAまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
X2は、LまたはAまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
X3は、FまたはWであり、
ペプチド分子のC末端アミノ酸残基が当残基上の電荷を除去する基z、
またはそのフラグメントもしくは変異体を含み、
ペプチド配列が
F-G-L-R-F、
F-G-L-R-W、または
F-G-(D)F-R-Fでない]
を含むペプチド分子の使用。
【請求項4】
前記ペプチド配列が
F-G-A-R-W、
F-G-L-(D)R-W、
F-G-(D)L-R-W、または
(D)F-G-L-R-W
でない、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
X1が(D)Fである、請求項3または4に記載の使用。
【請求項6】
X2が(D)F、(D)Lおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である、請求項3から5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
前記ペプチド配列が
(D)F-W-L-R-W、または
F-G-(D)W-R-F
からなる群から選択される、請求項3から6のいずれかに記載の使用。
【請求項8】
N末端残基が当残基上の電荷を除去する基yを含む、請求項3から7のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
X1が当残基上の電荷を除去する基yを含む、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
基yがアセチル基、トリフルオロアセチル基、環化アミノ酸、またはN末端における電荷を欠いた合成アミノ酸からなる群から選択される、請求項8または9に記載の使用。
【請求項11】
X3が当残基上の電荷を除去する基zを含む、請求項3から10のいずれかに記載の使用。
【請求項12】
前記配列が
I) ac.F - G - (D)F - R - W.z;
II) ac.F - G - (D)L - R - W.z;
III) ac.F - G - L - (D)R - W.z;
IV) ac.F - G - A - R - W.z;
V) ac.A - G - L - R - W.z;
VI) ac.(D)F - W - L - R - W.z; または
VII) ac.F - G - (D)W - R - F.z.
からなる群から選択される、請求項3から11のいずれかに記載の使用。
【請求項13】
患者におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態の治療のための、あるいは患者におけるキスペプチン活性により誘発され、または悪化した状態の治療用の薬剤の製造における、以下の配列
XA-XB-XC-N-XD-XE-G-XF-R-F
[ここで、
XAは、Yまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XBは、Nまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XCは、Wまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XDは、GまたはSまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XEは、Fまたは(D)Wまたは(D)Lであり、
XFは、WまたはLまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
ペプチド分子のC末端アミノ酸残基が当残基上の電荷を除去する基z、
またはそのフラグメントもしくは変異体を含み、
ペプチド配列が
Y - N - W - N - S - F - G - L - R - F;
(D)Y - (D)N - W - N - S - F - G - W - R - F;
(D)Y - (D)N - W - N - G - F - G - W - R - F;
(D)Y - (D)N - W - N - S - F - G - (D)W - R - F; または
(D)Y - (D)N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.
でない]
を含むペプチド分子の使用。
【請求項14】
XAが(D)Fおよび(D)Yおよび(D)Aからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
XBが(D)Aおよび(D)Nからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である、請求項13または14に記載の使用。
【請求項16】
XAまたはXBの1つが(D)Yである場合、他は(D)Nでない、請求項13から15のいずれかに記載の使用。
【請求項17】
XAおよびXBの両方がD-アミノ酸残基でない、請求項13から16のいずれかに記載の使用。
【請求項18】
XFが(D)Wである場合、XAは(D)Fである、請求項13から17のいずれかに記載の使用。
【請求項19】
XCが(D)Aおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である、請求項13から18のいずれかに記載の使用。
【請求項20】
XDが(D)Aおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である、請求項13から19のいずれかに記載の使用。
【請求項21】
XDがSである場合、XFは(D)Wであり、かつ/またはXAは(D)Yでない、請求項13から20のいずれかに記載の使用。
【請求項22】
XDがSである場合、XFは(D)Wであり、かつ/またはXAは(D)Aである、請求項13から20のいずれかに記載の使用。
【請求項23】
XFが(D)Lおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である、請求項13から22のいずれかに記載の使用。
【請求項24】
XEおよびXFの両方が(D)Wである場合、XAは(D)Yでない、請求項13から23のいずれかに記載の使用。
【請求項25】
XEおよびXFの両方が(D)Wである場合、XAは(D)Aである、請求項13から23のいずれかに記載の使用。
【請求項26】
N末端残基が当残基上の電荷を除去する基yを含む、請求項13から25のいずれかに記載の使用。
【請求項27】
X1が当残基上の電荷を除去する基yを含む、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
基yがアセチル基、トリフルオロアセチル基、環化アミノ酸、またはN末端における電荷を欠いた合成アミノ酸からなる群から選択される、請求項26または27に記載の使用。
【請求項29】
ペプチド分子のC末端F残基が当残基上の電荷を除去する基zを含む、請求項13から28のいずれかに記載の使用。
【請求項30】
前記配列が
a) Y - N - W - N - G - F - G - L - R - F.z;
b) Y - N - W - N - G - F - G - (D)L - R - F.z;
c) Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
d) Y - N - W - N - G - (D)W - G - L - R - F.z;
e) ac.Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
f) ac.Y - N - W - N - (D)W - F - G - (D)W - R - F.z;
g) ac.(D)Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
h) ac.Y - N - (D)W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
i) ac.Y - (D)N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
j) ac.Y - N - W - N - (D)A - F - G - (D)W - R - F.z;
k) ac.(D)A - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
l) ac.Y - N - (D)A - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
m) ac.Y - (D)A - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
n) ac.(D)W - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
o) ac.(D)F - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
p) ac.(D)Y - N - W - N - G - (D)W - G - (D)W - R - F.z;
q) ac.(D)A - N - W - N - G - (D)W - G - (D)W - R - F.z;
r) ac.(D)A - N - W - N - S - F - G - (D)W - R - F.z;
s) ac.(D)A - N - W - N - G - F - G - W - R - F.z;
t) ac.(D)A - N - W - N - (D)S - F - G - (D)W - R - F.z; または
u) ac.(D)A - N - W - N - G - F - G - (D)L - R - F.z;
からなる群から選択される、請求項13から29のいずれかに記載の使用。
【請求項31】
個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態は、増殖性障害、子宮内膜症、子宮線維症、思春期早発症、子癇前症、子宮内胎児発育遅延(IUGR)、子宮外妊娠、月経痛、高血圧、冠動脈心疾患、中枢神経系(CNS)、膵臓および/または免疫系の病変、排卵の抑制または阻害、受胎能、生殖組織の化学療法誘発性および/または放射線療法誘発性損傷、創傷治癒の抑制または阻害、成長ホルモン産生の抑制または阻害を含む群から選択される、請求項1から30のいずれかに記載の使用。
【請求項32】
増殖性障害が良性前立腺過形成、がん、生殖組織のがん、婦人科がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、子宮がん、子宮頚がん、子宮内膜がん、黒色腫、膵臓がん、胃がんを含む群から選択される、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
キスペプチンの拮抗薬またはキスペプチンの拮抗薬であるそのフラグメントもしくは変異体である、請求項3から32のいずれかに定義されているペプチド分子。
【請求項34】
医療用の請求項1または2に定義されている拮抗薬あるいは請求項3から33のいずれか一項に定義されているペプチド分子。
【請求項35】
キスペプチンの拮抗薬である、請求項34に記載のペプチド分子。
【請求項36】
以下の配列
X1-G/W-X2-R/(D)R-X3
を含むペプチド分子
[ここで、
X1は、FまたはAまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
X2は、LまたはAまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
X3は、FまたはWであり、
ペプチド分子のC末端アミノ酸残基が当残基上の電荷を除去する基z、
またはそのフラグメントもしくは変異体を含み、
ペプチド配列が
F - G - L - R - F;
F - G - L - R - W;
F - G - (D)F - R - F;
F - G - A - R - W;
F - G - L - (D)R - W;
F - G - (D)L - R - W;
A - G - L - R - W; または
(D)F - G - L - R - W.
でない]。
【請求項37】
X1が(D)Fである、請求項36に記載のペプチド分子。
【請求項38】
X2が(D)F、(D)Lおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である、請求項36または37に記載のペプチド分子。
【請求項39】
ペプチド配列が
(D)F-W-L-R-W、または
F-G-(D)W-R-F
からなる群から選択される、請求項36から38のいずれかに記載のペプチド分子。
【請求項40】
N末端残基が当残基上の電荷を除去する基yを含む、請求項36から39のいずれかに記載のペプチド分子。
【請求項41】
X1が当残基上の電荷を除去する基yを含む、請求項40に記載のペプチド分子。
【請求項42】
基yがアセチル基、トリフルオロアセチル基、環化アミノ酸、またはN末端における電荷を欠いた合成アミノ酸から選択される、請求項40または41に記載のペプチド分子。
【請求項43】
X3が当残基上の電荷を除去する基zを含む、請求項36から42のいずれかに記載のペプチド分子。
【請求項44】
ペプチド配列が
I) ac.F - G - (D)F - R - W.z;
II) ac.F - G - (D)L - R - W.z;
III) ac.F - G - L - (D)R - W.z;
IV) ac.F - G - A - R - W.z;
V) ac.A - G - L - R - W.z
VI) ac.(D)F - W - L - R - W.z; または
VII) ac.F - G - (D)W - R - F.z.
からなる群から選択される、請求項36から43のいずれかに記載のペプチド分子。
【請求項45】
以下の配列
XA-XB-XC-N-XD-XE-G-XF-R-F
を含むペプチド分子
[ここで、
XAは、Yまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XBは、Nまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XCは、Wまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XDは、GまたはSまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
XEは、Fまたは(D)Wまたは(D)Lであり、
XFは、WまたはLまたは任意のD-アミノ酸残基であり、
ペプチド分子のC末端アミノ酸残基が当残基上の電荷を除去する基z、
またはそのフラグメントもしくは変異体を含み、
ペプチド配列が
Y - N - W - N - S - F - G - L - R - F;
(D)Y - (D)N - W - N - S - F - G - W - R - F;
(D)Y - (D)N - W - N - G - F - G - W - R - F;
(D)Y - (D)N - W - N - S - F - G - (D)W - R - F; または
(D)Y - (D)N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.
でない]。
【請求項46】
XAが(D)Fおよび(D)Yおよび(D)Aからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である、請求項45に記載のペプチド分子。
【請求項47】
XBが(D)Aおよび(D)Nからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である、請求項45または46に記載のペプチド分子。
【請求項48】
XAまたはXBの1つが(D)Yである場合、他は(D)Nでない、請求項45から47のいずれかに記載のペプチド分子。
【請求項49】
XAおよびXBの両方がD-アミノ酸残基でない、請求項45から48のいずれかに記載のペプチド分子。
【請求項50】
XFが(D)Wである場合、XAは(D)Fである、請求項45から49のいずれかに記載の使用。
【請求項51】
XCが(D)Aおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である、請求項45から50のいずれかに記載のペプチド分子。
【請求項52】
XDが(D)Aおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である、請求項45から51のいずれかに記載のペプチド分子。
【請求項53】
XDがSである場合、XFは(D)Wであり、かつ/またはXAは(D)Yでない、請求項45から52のいずれかに記載の使用。
【請求項54】
XDがSである場合、XFは(D)Wであり、かつ/またはXAは(D)Aである、請求項45から52のいずれかに記載の使用。
【請求項55】
XFが(D)Lおよび(D)Wからなる群から選択されるD-アミノ酸残基である、請求項45から54のいずれかに記載のペプチド分子。
【請求項56】
XEおよびXFの両方が(D)Wである場合、XAは(D)Yでない、請求項45から55のいずれかに記載の使用。
【請求項57】
XEおよびXFの両方が(D)Wである場合、XAは(D)Aである、請求項45から55のいずれかに記載の使用。
【請求項58】
N末端残基が当残基上の電荷を除去する基yを含む、請求項45から57のいずれかに記載のペプチド分子。
【請求項59】
X1が当残基上の電荷を除去する基yを含む、請求項58に記載のペプチド分子。
【請求項60】
基yがアセチル基、トリフルオロアセチル基、環化アミノ酸、またはN末端における電荷を欠いた合成アミノ酸からなる群から選択される、請求項58または59に記載のペプチド分子。
【請求項61】
ペプチド分子のC末端F残基が当残基上の電荷を除去する基zを含む、請求項58から60のいずれかに記載のペプチド分子。
【請求項62】
ペプチド配列が
a) Y - N - W - N - G - F - G - L - R - F.z;
b) Y - N - W - N - G - F - G - (D)L - R - F.z;
c) Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
d) Y - N - W - N - G - (D)W - G - L - R - F.z;
e) ac.Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
f) ac.Y - N - W - N - (D)W - F - G - (D)W - R - F.z;
g) ac.(D)Y - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
h) ac.Y - N - (D)W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
i) ac.Y - (D)N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
j) ac.Y - N - W - N - (D)A - F - G - (D)W - R - F.z;
k) ac.(D)A - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
l) ac.Y - N - (D)A - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
m) ac.Y - (D)A - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
n) ac.(D)W - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
o) ac.(D)F - N - W - N - G - F - G - (D)W - R - F.z;
p) ac.(D)Y - N - W - N - G - (D)W - G - (D)W - R - F.z;
q) ac.(D)A - N - W - N - G - (D)W - G - (D)W - R - F.z;
r) ac.(D)A - N - W - N - S - F - G - (D)W - R - F.z;
s) ac.(D)A - N - W - N - G - F - G - W - R - F.z;
t) ac.(D)A - N - W - N - (D)S - F - G - (D)W - R - F.z; または
u) ac.(D)A - N - W - N - G - F - G - (D)L - R - F.z.
からなる群から選択される、請求項58から61のいずれかに記載のペプチド分子。
【請求項63】
zがNH2またはN-プロピルアミドまたはN-エチルアミド(NHEt)またはN-メチルアミドまたはN-ブチルアミドである、請求項3から62のいずれかに定義されているペプチド分子。
【請求項64】
ペプチドがN末端における配列R-R-M-K-W-K-K-Yをさらに含む、請求項3から63のいずれかに定義されているペプチド分子。
【請求項65】
ペプチド配列が
R-R-M-K-W-K-K-Y-(D)A-N-W-N-G-F-G-(D)W-R-F.zまたは
ac.R-R-M-K-W-K-K-Y-(D)A-N-W-N-G-F-G-(D)W-R-F.z
からなる群から選択される、請求項64に定義されているペプチド分子。
【請求項66】
有効な量の請求項1もしくは2に定義されている拮抗薬または請求項63から65のいずれかに記載のペプチド分子および薬学的に許容できる賦形剤もしくは希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項67】
請求項66に記載の医薬組成物、または有効な量の請求項1もしくは2に定義されているキスペプチンの拮抗薬、または有効な量の請求項63から65のいずれかに記載のペプチド分子を個体に投与する段階を含む、前記個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態を治療する方法。
【請求項68】
個体におけるキスペプチン活性により誘発され、かつ/または悪化した状態が増殖性障害、子宮内膜症、子宮線維症、思春期早発症、子癇前症、子宮内胎児発育遅延(IUGR)、子宮外妊娠、月経痛、高血圧、冠動脈心疾患、中枢神経系(CNS)、膵臓および/または免疫系の病変、排卵の抑制または阻害、受胎能、生殖組織の化学療法誘発性または放射線療法誘発性損傷、創傷治癒の抑制または阻害、成長ホルモン産生の抑制または阻害を含む群から選択される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
増殖性障害が良性前立腺過形成、がん、生殖組織のがん、婦人科がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、子宮がん、子宮頚がん、子宮内膜がん、黒色腫、膵臓がん、胃がんを含む群から選択される、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
i)試験する化合物を準備する段階、
ii)(i)における化合物がキスペプチン受容体に結合する能力を測定する段階、
iii)(i)における化合物が細胞内のイノシトールリン酸産生のキスペプチン媒介性刺激に拮抗する能力を測定する段階、および
iv)キスペプチン受容体に結合することができ、細胞内のイノシトールリン酸産生のキスペプチン媒介性刺激に拮抗することができる場合に、化合物をキスペプチンの拮抗薬として特定する段階
を含むキスペプチンの拮抗薬として同定する方法。
【請求項71】
実質的に本明細書に記載の通りである拮抗薬またはペプチド分子または医薬組成物。
【請求項72】
実質的に本明細書に記載の通りである使用または方法。

【図1−1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図4J】
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【図4K】
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【図4L】
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【図4M】
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【図4N】
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【図4O】
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【図4P】
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【図4Q】
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【図4R】
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【図4S】
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【図4T】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−107896(P2013−107896A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−26361(P2013−26361)
【出願日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【分割の表示】特願2010−528479(P2010−528479)の分割
【原出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(597166578)メディカル リサーチ カウンシル (60)
【Fターム(参考)】